JP3399218B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3399218B2
JP3399218B2 JP07550396A JP7550396A JP3399218B2 JP 3399218 B2 JP3399218 B2 JP 3399218B2 JP 07550396 A JP07550396 A JP 07550396A JP 7550396 A JP7550396 A JP 7550396A JP 3399218 B2 JP3399218 B2 JP 3399218B2
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林  哲也
善則 村上
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Nissan Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイポーラ型でノ
ーマリ・オフ型の縦型パワー素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、特許公開公報平成6年
第252408号に開示された半導体装置を紹介する。
図6〜図9は上記半導体装置の構造を示す図であり、図
6は素子の基本構造を説明する斜視図、図7は図6の前
面と同じ部分を示す断面図、図8は素子の表面図、図9
は図6の側面と同じ断面図である。なお、上記図6と図
8においては、説明のため表面の電極である金属膜なら
びに表面保護膜を除去した様子を描いている。また、図
8の表面図中の線分A−Aに沿って紙面に垂直に切った
断面図が図7であり、同じく線分B−Bに沿って切った
断面図が図9にあたる。ただし、図9には、本発明との
相違点を明確にするために、上記特許公開公報の実施例
においては図示されていなかったが明細書の記述に基づ
いてオーミックコンタクトを目的とした「p+型コンタ
クト領域19」を設けている。
【0003】初めに素子構造を説明する。なお、この従
来例は本出願人による先行出願であり、各部名称などに
ついては適宜変更して記載する。上記の図中、番号1は
+型の基板領域、2はn型のドレイン領域、3はn+
のソース領域、4はMOS型電極、5は絶縁膜である。
MOS型電極4は高濃度のp+型ポリシリコンよりな
る。11はドレイン電極で、基板領域1とオーミックコ
ンタクトしている。13はソース電極で、ソース領域3
とさらにMOS型電極4とオーミックコンタクトして
る。すなわち、MOS型電極4はソース電位に固定され
ている。よって、このMOS型電極4と絶縁膜5を合わ
せて「固定電位絶縁電極」6と呼ぶ。
【0004】この固定電位絶縁電極6の断面構造は、図
7に示すように、例えば「U」の字のように側壁がほぼ
垂直な溝の中に形成されている。さらに図7において固
定電位絶縁電極6の間に挟まれたドレイン領域2を、チ
ャネル領域7と呼ぶ。固定電位絶縁電極6の周辺のドレ
イン領域2には、この状態でMOS型電極4から、仕事
関数差に起因する電界によって空乏層領域が形成されて
いる。そしてこの固定電位絶縁電極6に挟まれたチャネ
ル領域7には、この空乏領域によって、主電流を形成す
る伝導電子に対してポテンシャル障壁が形成されてお
り、このままではソース領域3とドレイン領域2とは遮
断状態になっている。
【0005】なお、チャネル領域7の構造はこのポテン
シャル障壁を形成するため、チャネル厚みHはできるだ
け狭くしてあり、例えばチャネル厚みHは2μm以下で
ある。さらに、ドレイン電界がソース領域近傍の電位分
布に影響を及ぼさないように、図7中に示すチャネル長
Lはチャネル厚みHの2倍以上に設定されている。
【0006】さらに、図6ならびに図9に示すように、
絶縁膜5に接してソース領域3とは離れたところに、p
型のゲート領域8が存在する。図9中、18はこのゲー
ト領域8とオーミックコンタクトする電極で「ゲート電
極」と呼ぶ。また、19は上記ゲート領域8とゲート電
極18がオーミックコンタクトするためのコンタクト領
域で、「p+型コンタクト領域」と呼ぶ。なお、10は
層間絶縁膜である。また、図中の「破線」は図6との関
係から分かるように紙面の奥行き方向にある固定電位絶
縁電極6の存在を示したものである。
【0007】次に動作を説明する。この素子は、例えば
ソース電極13は接地(0Vに)し、ドレイン電極11
は負荷を介してしかるべき正の電位を与えて使用する。
まず、ゲート電極18が接地されているとき、素子は遮
断状態にある。この状態ではドレイン領域2には正のド
レイン電位によって空乏層がのびていて、空乏層中では
微量ながらキャリアが対発生する。伝導電子はn+型基
板領域1を通ってドレイン電極11へ流れ去り、正孔は
絶縁膜5の界面に到達する。しかし、そのままではそれ
によって絶縁膜5界面の電位が上昇し、チャネル領域7
内の電子に対するポテンシャル障壁が低下するところで
あるが、この正孔はこの絶縁膜5界面に接する、接地さ
れたp型ゲート領域8へと移動し、p+型コンタクト領
域19を介してゲート電極18を通って流れ去る。よっ
て、本構造ではチャネル領域7に正孔が停滞することは
なく、素子は遮断状態を保ち続ける。
【0008】次に導通状態であるが、ゲート電極18の
電位すなわちp型ゲート領域8の電位に例えば+0.5
Vを印加すると正孔は上記とは逆にp型ゲート領域8か
ら、これが接している絶縁膜5の界面へと流れ込んで反
転層を形成し、MOS型電極4からチャネル領域7への
電気力線を遮蔽する。そして界面の電位を上昇させ、チ
ャネル領域7中の伝導電子に対するポテンシャル障壁を
低下させる。すなわち、これによってドレイン領域2と
ソース領域3は導通状態となる。
【0009】さらに、ゲート電極18の電位を上げてゆ
くと、p型ゲート領域8と周辺のn型領域からなるpn
接合が順バイアスされ、正孔は直接ドレイン領域2なら
びにチャネル領域7へと注入される。すると、耐圧を保
つために不純物濃度を薄く、高抵抗に作られていたこれ
らn型の領域は伝導度が高められ、電流は低い抵抗で流
れるようになる。また、このようにチャネル領域7を正
孔の導電路として使用するため、固定電位絶縁電極6は
図6〜図9に示すようにストライプ状に形成されてい
る。
【0010】次に、この素子をターンオフさせるために
は、ゲート電極18に印加された正電位を解除し、接地
状態もしくは負電位を印加すればよい。すると、ドレイ
ン領域2内にあった過剰な正孔はp型ゲート領域8へと
流れ込み、ついにはドレイン領域2ならびにチャネル領
域7内の正孔は枯渇し、チャネル領域7にはポテンシャ
ル障壁が復活して、主電流は遮断される。
【0011】しかし、上記のような構造では、次のよう
な問題があった。すなわち、以下のような理由でターン
オフ速度が遅いということである。上記に示すとおり、
この素子に負電位を印加すると、ドレイン領域2内にあ
った過剰な正孔はp型ゲート領域8へと流れ込み、正孔
濃度はゲート領域8近傍から順々に減少していく。チャ
ネル領域7においては正孔の供給が停止し、正孔密度が
低下してくると、高注入水準状態が解かれ、正孔は絶縁
膜5界面に反転層を形成し、以後は反転層中を伝わって
p型ゲート領域8へと流れ込む。さらに絶縁膜5界面の
正孔も枯渇すると、正孔によって遮蔽されていた固定電
位絶縁電極6からチャネル領域7への電気力線が復活
し、伝導電子に対するポテンシャルが再び形成されてチ
ャネルは遮断状態になる。
【0012】この様子をさらに詳しく説明する。図10
は、図8中の線分B−Bに沿った素子表面における、p
型ゲート領域8とn型であるチャネル領域7との接合近
傍の実効的な不純物濃度分布の一例を示したグラフであ
る。さらに同グラフにはp型領域の各点における比抵抗
も併せて描いてある。図10の横軸は位置であり、上記
接合の地点を0とし、ソース領域3のある方向を正とし
たものである。そして図中の「−10μm」の位置は、
+型コンタクト領域19の端部に相当する。また、縦
軸(左側)は実効不純物濃度(ここではアクセプタ濃度
−ドナ濃度)の対数である。よって図中で示したpn接
合付近ではp型、n型どちらの不純物濃度も低下してい
るように描かれている。なお、ここではpn接合の位置
を明示するために、p型不純物もn型不純物も正の値と
して描いた。また、同グラフの右の縦軸はp型ゲート領
域8の各点の比抵抗である。図9ならびに図10からも
判るとおり、p型ゲート領域8は濃度分布をもつ。これ
はp型ゲート領域8の形成方法が、たとえば半導体表面
上に局所的に不純物をイオン注入した後、不純物を加熱
拡散させることで形成することによる。
【0013】さて、本素子をターンオフさせるためにp
型ゲート領域8に負電位すなわちpn接合にとっては逆
バイアスを印加すると、pn接合付近には空乏層が広が
る。通常、図10のような濃度分布のpn接合において
は、空乏層はもっぱら不純物濃度の低いn型領域に広が
る。しかし、ここで問題にしているようなチャネル中の
pn接合近傍では、図6を見ても判るように、接合の両
隣が固定電位絶縁電極6によって挟まれ、電位が固定さ
れているために状況は少し違ってくる。一般的にp型ゲ
ート領域8に印加される負バイアスは−数V、せいぜい
−15Vというところである。この電位が、仮に全てp
型領域側にかかったとしても、空乏層は接合からp型領
域の不純物濃度の高いほうへ、高々1016cm~3台の領
域までしか伸びないことが数値計算によって判ってい
る。図10の例においては、その逆バイアスによってp
型領域の空乏化する幅は、せいぜい3μmということに
なる。
【0014】p型ゲート領域8の電位が低くなると、周
囲のn型領域から正孔が流れ込んでくる。接合付近の空
乏化した領域は正孔電流にとっては抵抗にならないが、
中性領域として残ったp型領域は、正孔電流にとっては
比較的高い抵抗となる。とくに図10の比抵抗の曲線を
見ると、空乏化した領域に隣接した不純物濃度にして1
16〜1017cm~3台の領域は、正孔の導電路の抵抗全
体から見て、抵抗成分のかなりの部分を占めることがわ
かる。また、ここでは印加された電圧がすべてp型領域
にかかると仮定して説明したが、電圧がn型領域に分配
され、p型領域の空乏層が減れば、抵抗はますます大き
くなる。この領域の抵抗のために、ターンオフの際に正
孔が素子内から排除される速度が制限され、従ってター
ンオフ速度は著しく長くなってしまった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の構造
では、ターンオフの際にゲート領域を介して少数キャリ
ア(ここでは正孔)を排除しようとしたとき、少数キャ
リアが抵抗の高い領域を通らなければならなかったの
で、ターンオフ速度が遅くなってしまっていた。本発明
はこのような問題点に着目し、素子の耐圧やその他の特
性を良好に保持しながら、ターンオフ時間の短い電流制
御型素子を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては特許請求の範囲に記載するような
構成をとる。すなわち、請求項1に記載の発明において
は、ドレイン領域である一導電型(例えばn型)の半導
体基体の一主面に接して同一導電型(n型)のソース領
域を一個または複数個有し、前記主面に接してこのソー
ス領域を挟み込むように配置された溝を一個または複数
個有し、その溝の内部には絶縁膜によって前記ドレイン
領域と絶縁され、かつ、前記ソース領域と同電位に保た
れた固定電位絶縁電極を有し、この固定電位絶縁電極
は、前記絶縁膜を介して隣接する前記ドレイン領域に空
乏領域を形成するような仕事関数の導電性材料(例えば
型ポリシリコン)から成る。また、前記ソース領域
に接する前記ドレイン領域の一部であって、前記固定電
位絶縁電極によって挟み込まれたチャネル領域を有し、
そのチャネル領域には前記固定電位絶縁電極の周囲に形
成された前記空乏領域によって多数キャリア(ここでは
伝導電子)の移動を阻止するポテンシャル障壁が形成さ
れていて、さらに遮断状態における前記ドレイン領域側
からの電界が前記ソース領域近傍に影響を及ぼさないよ
うに、前記チャネル領域にあって前記溝の底部から前記
ソース領域までの距離すなわちチャネル長は、前記チャ
ネル領域に臨んで対面する前記溝の側壁同士の距離すな
わちチャネル厚みの、少なくとも2倍以上となってい
る。さらに、前記固定電位絶縁電極を取り囲む前記絶縁
膜の界面に少数キャリア(ここでは正孔)を導入して反
転層を形成し、前記固定電位絶縁電極から前記ドレイン
領域への電界を遮蔽して前記チャネル領域に形成された
ポテンシャル障壁を減少もしくは消滅させてチャネルを
開くべく、前記絶縁膜ならびに前記ドレイン領域に接し
て、前記ソース領域には接しない、反対導電型のゲート
領域を有し、さらに前記ゲート領域と接続するゲート電
極を有する。さらに、このような構成の半導体装置にお
いて、ターンオフ時に前記反転層ならびに前記ドレイン
領域から前記反対導電型ゲート領域へ移動する前記少数
キャリア電流に対する抵抗を低減すべく、少なくとも前
記固定電位絶縁電極に挟まれた領域で前記絶縁膜に接
し、かつ前記ゲート領域と接し、前記ソース領域とは接
しない反対導電型で前記ゲート領域よりも高不純物濃度
のバイパス領域をさらに有する構成とする。ちなみに、
これは後記図1〜図4に示す半導体装置に対応する。
【0017】さらに、請求項2に記載の発明において
は、前記請求項1に記載の構成と同じく、ドレイン領域
である一導電型(例えばn型)の半導体基体の一主面に
接して同一導電型(n型)のソース領域を一個または複
数個有し、前記主面に接してこのソース領域を挟み込む
ように配置された溝を一個または複数個有し、その溝の
内部には絶縁膜によって前記ドレイン領域と絶縁され、
かつ、前記ソース領域と同電位に保たれた固定電位絶縁
電極を有し、この固定電位絶縁電極は、前記絶縁膜を介
して隣接する前記ドレイン領域に空乏領域を形成するよ
うな仕事関数の導電性材料(例えばp型ポリシリコ
ン)から成る。また、前記ソース領域に接する前記ドレ
イン領域の一部であって、前記固定電位絶縁電極によっ
て挟み込まれたチャネル領域を有し、そのチャネル領域
には前記固定電位絶縁電極の周囲に形成された前記空乏
領域によって多数キャリア(ここでは伝導電子)の移動
を阻止するポテンシャル障壁が形成されていて、さらに
遮断状態における前記ドレイン領域側からの電界が前記
ソース領域近傍に影響を及ぼさないように、前記チャネ
ル領域にあって前記溝の底部から前記ソース領域までの
距離すなわちチャネル長は、前記チャネル領域に臨んで
対面する前記溝の側壁同士の距離すなわちチャネル厚み
の、少なくとも2倍以上となっている。さらに、前記固
定電位絶縁電極を取り囲む前記絶縁膜の界面に少数キャ
リア(ここでは正孔)を導入して反転層を形成し、前記
固定電位絶縁電極から前記ドレイン領域への電界を遮蔽
して前記チャネル領域に形成されたポテンシャル障壁を
減少もしくは消滅させてチャネルを開くべく、前記絶縁
膜ならびに前記ドレイン領域に接して、前記ソース領域
には接しない、反対導電型のゲート領域を有し、さらに
前記ゲート領域の一部と抵抗性接続する金属製のゲート
電極を有する。そして、さらにこのような構成の半導体
装置において、前記ゲート領域と前記チャネル領域の接
合近傍で、前記金属製のゲート電極が前記ゲート領域と
ショットキー接続している構成とする。ちなみに、これ
は後記、図5に示す半導体装置に対応する。
【0018】請求項1に記載した構成とすると、前記ゲ
ート電極に正電位を印加して導通状態になっている素子
を、遮断状態に転じるために負電位を印加すると、前記
ドレイン領域内に蓄積されていた少数キャリア(ここで
は正孔)は反対導電型(p型)のゲート領域へと流れ込
み、正孔濃度はゲート領域近傍から順々に減少してい
く。また、チャネル領域においては正孔の供給が止り、
逆に排出されて正孔密度が低下してくると、高注入水準
状態が解かれ、正孔は絶縁膜界面に反転層を形成し、以
後正孔は反転層中を伝わってp型ゲート領域へと流れ込
む。さらに絶縁膜界面の正孔も枯渇すると、正孔によっ
て遮蔽されていた固定電位絶縁電極からチャネル領域へ
の電気力線が復活し、伝導電子に対するポテンシャルが
再び形成されてチャネルは遮断状態になる。
【0019】前記バイパス領域を持たない従来の構造で
は、このようにチャネル領域から正孔が排出される過程
で、正孔は絶縁膜界面の反転層→pn接合の空乏層→中
性のp型ゲート領域→ゲート電極という経路をたどる。
この排出される正孔にとって、pn接合の空乏層は抵抗
にならないが、接合に隣接した中性のp型領域は比較的
高い抵抗となる。前記図10によれば、特に不純物濃度
が1017cm~3台以下の領域は、正孔にとって相当大き
な抵抗値となる。本発明の構成においては、この中性の
p型領域に並列して、少なくとも抵抗の大きな領域にp
型の高濃度領域からなるバイパス領域を持っているの
で、正孔はこれを通ってゲート電極にバイパスされ、タ
ーンオフ時の正孔電流に関する抵抗は低く、従ってター
ンオフ時間も短縮される。
【0020】次に、請求項2に記載の発明によれば、上
記と同様のターンオフ時において、ターンオフ時の正孔
にとって比較的高い抵抗となる不純物濃度の低いpn接
合近傍に、金属製のゲート電極がショットキー接続して
いるため、ターンオフ時の正孔は中性のp型領域を通ら
ずに直接にゲート電極へと流れ、ターンオフ時間は短縮
される。
【0021】
【発明の効果】上記のごとく、請求項1に記載の発明に
よれば、p型ゲート領域にp+型バイパス領域を設ける
ことにより、ターンオフ時の正孔にとってp型領域の抵
抗を減少させることができ、ターンオフ時間を短縮する
ことができる、という効果が得られる。
【0022】また、請求項2に記載の発明によれば、p
+型バイパス領域の代わりにショットキー接合を用いる
ことにより、特に表面付近のn型領域からp型領域を通
ってゲート電極へ移動する正孔にとって、p型領域の抵
抗成分を殆どなきに等しくできる、という効果が得られ
る。
【0023】なお、請求項2のほうがターンオフ時の正
孔に対する抵抗は小さくなるが、チップ表面の固定電位
絶縁電極の狭い配置を避けてショットキー接合を形成す
るためには、高度なフォトエッチング技術を必要とす
る。これに対して、請求項1ではp+型バイパス領域と
ゲート電極のコンタクトをチップ表面において固定電位
絶縁電極の場所を避けて設けることができ、実現が比較
的容易であるという利点を有する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態によっ
て詳細に説明する。図1〜図4は、本発明の第一の実施
の形態を示す図であり、図1は素子の基本構造を説明す
る斜視図、図2は図1の前面と同じ部分を示す断面図、
図3は素子の表面図、図4は図1の側面と同じ断面図で
ある。なお、上記図1と図3においては、説明のため表
面の電極である金属膜ならびに表面保護膜を除去した様
子を描いている。また、図3の表面図中の線分A−Aに
沿って紙面に垂直に切った断面図が図2であり、同じく
線分B−Bに沿って切った断面図が図4にあたる。ま
た、この実施の形態では半導体をシリコンとして説明す
る。
【0025】初めに素子構造を説明する。まず図1〜図
4中において、番号1はn+型の基板領域、2はn型の
ドレイン領域、3はn+型のソース領域、4はMOS型
電極、5は絶縁膜である。MOS型電極4は高濃度のp
+型ポリシリコンよりなる。
【0026】また、11はドレイン電極で、基板領域1
とオーミックコンタクトしている。
【0027】13はソース電極で、ソース領域3とさら
にMOS型電極4とオーミックコンタクトしてる。すな
わち、MOS型電極4はソース電位に固定されている。
よって、このMOS型電極4と絶縁膜5を合わせて「固
定電位絶縁電極」6と呼ぶ。この固定電位絶縁電極6の
断面構造は図2に示すように例えば「U」の字のように
側壁がほぼ垂直な溝の中に形成されている。
【0028】さらに図2において固定電位絶縁電極6の
間に挟まれたドレイン領域2を、チャネル領域7と呼
ぶ。固定電位絶縁電極6の周辺のドレイン領域2には、
この状態でMOS型電極4から、仕事関数差に起因する
電界によって空乏層領域が形成されている。そしてこの
固定電位絶縁電極6に挟まれたチャネル領域7にはこの
空乏領域によって、主電流を形成する伝導電子に対して
ポテンシャル障壁が形成されており、このままではソー
ス領域3とドレイン領域2とは遮断状態になっている。
【0029】なお、チャネル領域7の構造は十分なポテ
ンシャル障壁を形成するため、チャネル厚みHはできる
だけ狭くしてあり、例えばチャネル厚みHは2μm以下
である。さらに、ドレイン電界がソース領域3近傍の電
位分布に影響を及ぼさないように、図2中に示すチャネ
ル長Lはチャネル厚みHの2倍以上に設定されている。
【0030】さらに、図1ならびに図4に示すように、
絶縁膜5に接してソース領域3とは離れたところに、p
型のゲート領域8が存在する。図4中、18はこのゲー
ト領域8とオーミックコンタクトする電極で「ゲート電
極」と呼ぶ。なお、10は層間絶縁膜である。また、図
4中の「破線」は図1との関係から分かるように紙面の
奥行き方向にある固定電位絶縁電極6の存在を示したも
のである。
【0031】さらに、このゲート領域8の表面に、例え
ば0.5μm程度の厚さで、ゲート領域8より不純物濃
度の高い(1021cm~3程度の)p+型バイパス領域9
を設ける。このp+型バイパス領域9はゲート電極18
と接続されていて、p型ゲート領域8とチャネル領域7
の接合にまで突き出ている。ここで、このp+型バイパ
ス領域9はゲート領域8とゲート電極18がオーミック
コンタクトする役割も同時に果たしている。
【0032】次に、動作を説明する。この素子は、ソー
ス電極13は接地(0V)し、ドレイン電極11には負
荷を介してしかるべき正の電位を印加して使用する。ま
ず、ゲート電極18が接地されているときは、素子は遮
断状態にある。この状態ではドレイン領域2にはこのド
レイン電位によって空乏層がのびていて、空乏層中では
微量ながらキャリアが対発生する。伝導電子はそのまま
+型基板領域1を通ってドレイン電極11へ流れ去
り、正孔は表面の絶縁膜5の界面に到達する。しかし、
そのままではそれによって絶縁膜5界面の電位が上昇
し、チャネル領域7内の電子に対するポテンシャル障壁
が低下するところであるが、この正孔は絶縁膜5界面が
接する、p型ゲート領域8およびp+型バイパス領域9
を通ってゲート電極18へ流れ去る。よって、本構造で
はチャネル領域7に正孔が停滞することはなく、素子は
遮断状態を保ち続ける。
【0033】次に導通状態であるが、ゲート電極18の
電位すなわちp型ゲート領域8の電位に例えば+0.5
Vを印加すると、正孔は上記とは逆にp型ゲート領域8
およびp+型バイパス領域9から、これが接している絶
縁膜5の界面へと流れ込んで反転層を形成し、MOS型
電極4からチャネル領域7への電気力線を遮蔽する。そ
して界面の電位を上昇させ、チャネル領域7中の伝導電
子に対するポテンシャル障壁を低下させる。すなわち、
これによってドレイン領域2とソース領域3は導通状態
となる。
【0034】さらに、ゲート電極18の電位を上げてゆ
くと、p型ゲート領域8と周辺のn型領域からなるpn
接合が順バイアスされ、正孔は直接ドレイン領域2なら
びにチャネル領域7へと注入される。すると、耐圧を保
つために不純物濃度を薄く、高抵抗に作られていたこれ
らn型の領域は伝導度が高められ、電流は低い抵抗で流
れるようになる。また、このようにチャネル領域7を正
孔の導電路として使用するため、固定電位絶縁電極6は
図1もしくは図3に示すようにストライプ状に形成され
ている。
【0035】次に、この素子をターンオフさせるため
に、この素子に負電位を印加すると、ドレイン領域2内
にあった過剰な正孔はp型ゲート領域8へと流れ込み、
正孔濃度はゲート領域8近傍から順々に減少していく。
チャネル領域7においては正孔の供給が停止し、正孔密
度が低下してくると、高水準注入状態が解かれ、正孔は
絶縁膜5界面に反転層を形成し、以後は反転層中を伝わ
ってp型ゲート領域8へと流れ込む。さらに絶縁膜5界
面の正孔も枯渇すると、正孔によって遮蔽されていた固
定電位絶縁電極6からチャネル領域7への電気力線が復
活し、伝導電子に対するポテンシャルが再び形成されて
チャネルは遮断状態になる。
【0036】本発明の利点は、このターンオフ特性を改
良したところにある。そこで、前記図10のような従来
例と対比して本発明の動作と利点を説明する。従来例の
図6の素子と本実施の形態である図1の素子の違いは、
前記p+型バイパス領域9の有無である。
【0037】以下、従来例と本発明の素子のターンオフ
過程について図10に基づいて説明する。なお、図10
の符号等については前記従来例の項で説明した通りであ
る。本発明の素子をターンオフさせるためにp型ゲート
領域8に負電位すなわちpn接合にとっては逆バイアス
を印加すると、従来の素子と同様にpn接合付近には空
乏層が広がる。通常、図10のような濃度分布のpn接
合においては、空乏層はもっぱら不純物濃度の低いn型
領域に広がる。しかし、本発明の素子ならびに従来の素
子のようなチャネル中のpn接合近傍では、図1ならび
に図6を見ても判るように、接合の両隣が固定電位絶縁
電極6によって挟まれ、電位が固定されているために状
況は少し違ってくる。一般的にp型ゲート領域8に印加
される負バイアスは−数V、せいぜい−15Vというと
ころである。この電位が、仮に全てp型領域側にかかっ
たとしても、空乏層は接合からp型領域の不純物濃度の
高いほうへ、高々1016cm~3台の領域までしか伸びな
いことが数値計算によって判っている。図10の例にお
いては、その逆バイアスによってp型領域の空乏化する
幅は、せいぜい3μmということになる。
【0038】p型ゲート領域8の電位が低くなると、周
囲n型領域から正孔が流れ込んでくる。接合付近の空乏
化した領域は正孔電流にとっては抵抗にならないが、中
性領域として残ったp型領域は、正孔電流にとっては比
較的高い抵抗となる。とくに図10の比抵抗の曲線を見
ると、空乏化した領域に隣接した不純物濃度にして10
16〜1017cm~3台の領域は、正孔の導電路の抵抗全体
から見て、抵抗成分のかなりの部分を占めることがわか
る。また、ここでは印加された電圧がすべてp型領域に
かかると仮定して説明したが、電圧がn型領域に分配さ
れ、p型領域の空乏層が減れば、抵抗はますます大きく
なる。しかし、本発明の半導体素子においては、この空
乏化せずに中性領域として残ったp型領域をなくすよう
に低抵抗のp+型バイパス領域9が設けてあるため、正
孔はこれを通って、低抵抗でゲート電極18へ排出され
る。よって、ターンオフ時間が短縮される。
【0039】ここで、p+型バイパス領域9の付加によ
る抵抗値の低下度合を概算してみる。まず従来例図6〜
図9の構造において考える。ここで、チャネル厚みHは
2μm、チャネル長Lは6μmとする。また、図9にお
いてp型ゲート領域8は図中のゲート電極18とのコン
タクト窓と同形の領域に、5×1015cm~2のホウ素を
イオン注入し熱拡散によって形成したもので、表面方向
(横方向)のpn接合深さは10μmとする。なお、ド
レイン領域2の不純物濃度は1014cm~3とする。する
と、図8中の線分B−Bに沿った素子表面の実効的な不
純物濃度の分布は前記図10のようになる。
【0040】このような従来の構造において、ゲート電
極18に負電位を印加した効果として、空乏層がp型領
域側「−2μm」の位置まで伸びたとしよう。すると、
空乏層端の不純物濃度はおよそ5×1015cm~3であ
る。この地点からゲート電極18までのp型中性領域の
抵抗値を積算する。計算を簡単にするために、ターンオ
フ時にこの領域を流れる正孔は、ここでは図10のよう
な不純物濃度分布を持つ1次元のp型領域を直線的に流
れるものとする。すなわち、チャネル厚みHが2μm、
チャネル長Lが6μmの長方形を断面とし、ただし面内
の不純物濃度は一定として、pn接合から伸びる空乏層
の端部からゲート電極18とのコンタクト部までの距離
Dを差し引き8μmとする、図11のような立体でこれ
を近似して計算すると、その抵抗値は概略1200Ωと
なる。
【0041】一方、図1〜図4に示す本実施の形態のよ
うなp+型バイパス領域9の抵抗を計算する。電流断面
の幅は2μmで上記と同一であるが、領域の深さは0.
5μm、不純物濃度は1020cm~3均一として計算する
と、同じ長さの領域の抵抗は約90Ωとなる。このp+
型バイパス領域9の抵抗は、前記p型ゲート領域8の抵
抗に並列に接続されることになるので、このp型領域の
導電率は約14倍高くなることになる。実際には、素子
外の抵抗成分や、素子に本質的なターンオフ速度もある
が、実験ではこのp+型バイパス領域9の付加により、
素子の電流降下時間は3倍速くなった。
【0042】次に、p+型バイパス領域9の範囲につい
て説明する。p+型バイパス領域9は、本質的には上記
に説明したように、ターンオフの際に高抵抗領域となる
p型領域、すなわち図10によれば不純物濃度にして1
16cm~3台以下の空乏化しない領域に付加してあれば
よい。また図1もしくは図4に示すようにpn接合を越
えてn型領域に突き出してもよい。しかし、あまりにソ
ース領域3に近づいてしまうと、今度はオン状態の時に
ゲート/ソース間の抵抗が低くなり、ゲート領域8から
注入した正孔のうちソース領域3へ即座に流れ込む分量
が多くなって、ドレイン領域2を伝導度変調する正孔の
分量が減少してしまうかもしれない。すなわち、これは
電流増幅率の低下を意味する。しかし、これに関する最
適条件は素子の他の用件によって違ってくる。例えば、
基板領域1上に層状をなしているドレイン領域2の厚み
は素子耐圧の仕様から決まるが、同時に電流増幅率にも
影響する。また、固定電位絶縁電極6自身の幅も同様に
電流増幅率に影響するが、これは素子の製造技術などに
依存する。いずれにせよ、図1の程度に突き出ていても
問題ない。
【0043】また、一般のpn接合において、図4のよ
うにp+型バイパス領域9がp型ゲート領域8の接合か
ら飛び出していると、曲率の小さいp+型バイパス領域
9の端部に電界が集中して、素子耐圧を低下してしま
う。しかし本発明においては、図3のように飛び出して
いるp+型バイパス領域9は、図1に見るように両側を
固定電位絶縁電極6に挟まれていて、素子表面にあるp
+型バイパス領域9にはドレイン電界がかからない。そ
の機構は前述したように、ソース領域3にドレイン電界
が影響しないのと同じである。
【0044】要するにこのp+型バイパス領域9は、タ
ーンオフ時に、それまでドレイン領域2、チャネル領域
7ならびに絶縁膜5界面にある正孔がp型ゲート領域8
を通ってゲート電極18へ排出される際、その導電率を
向上して迅速なターンオフを促すべく、正孔電流路の抵
抗値を低減せしめるものである。よって図4にはp+
バイパス領域9をデバイス表面に形成したが、前記請求
項1の構成を満たし、かつ、デバイスの耐圧に影響しな
い範囲で、例えば、デバイスの表面から離れた内部に存
在しても構わない。
【0045】次に、図5は本発明の第二の実施の形態を
示す図である。なお、図5は前記図4に対応する素子の
断面図であり、図中番号の同じものは同じ要素を示す。
【0046】本実施の形態では、前記p+型バイパス領
域9がなく、そのかわりに素子表面において金属製のゲ
ート電極18が、p型ゲート領域8の低不純物濃度領域
にも接触していてショットキー接合20を形成してい
る。さらに、前記図4の実施の形態においてはp+型バ
イパス領域9はゲート領域8とゲート電極18とを抵抗
性接触させるためのコンタクト領域を兼ねていたが、図
5ではそれがないので、代わりにp+型コンタクト領域
19が存在する。なお、不純物濃度がおよそ1018cm
~3以下の半導体領域は、金属と接触するとショットキー
接合を形成する。
【0047】動作を説明する。まず、素子を導通状態に
すべくゲート電極18に正電位を印加すると、電流を構
成する電荷すなわち正孔は、p+型コンタクト領域19
を通して金属領域から半導体へ流れる。このとき、ショ
ットキー接合20は逆バイアス状態なので金属領域から
半導体領域への正孔の移動はない。よって、この条件で
は図4の構造と同様の動作をする。
【0048】つぎに、素子をターンオフさせるべく、ゲ
ート電極18に印加した正電位を負電位に転じると、図
5中のショットキー接合20は正孔に対して順バイアス
となり、ドレイン領域2に充満している過剰正孔は、p
+型コンタクト領域19を介さずとも即座にゲート電極
18に流れ込むことができ、ターンオフ時に特にチャネ
ル領域7からp型ゲート領域8に流れ込む正孔にとっ
て、p型領域内の抵抗はほとんどなきに等しくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の斜視図。
【図2】本発明の第一の実施の形態の断面図。
【図3】本発明の第一の実施の形態における表面構造を
示す断面図。
【図4】本発明の第一の実施の形態の他の角度から見た
断面図。
【図5】本発明の第二の実施の形態の断面図。
【図6】従来例の斜視図。
【図7】従来例の断面図。
【図8】従来例における表面構造を示す断面図。
【図9】従来例の他の角度から見た断面図。
【図10】ゲート領域接合近傍の不純物濃度および比抵
抗を説明するグラフ。
【図11】ターンオフ時に正孔が流れるゲート領域を近
似した立体図。
【符号の説明】
1…基板領域 2…ドレイン領域 3…ソース領域 4…MOS型電極 5…絶縁膜 6…固定電位絶縁電
極 7…チャネル領域 8…ゲート領域 9…バイパス領域 10…層間絶縁膜 11…ドレイン電極 13…ソース電極 18…ゲート電極 19…p+型コンタ
クト領域 20…ショットキー接合 H…チャネル厚み L…チャネル長
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78 H01L 21/336

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドレイン領域である一導電型の半導体基体
    の一主面に接して同一導電型のソース領域を一個または
    複数個有し、 前記主面に接して前記ソース領域を挟み込むように配置
    された溝を一個または複数個有し、 前記溝の内部には絶縁膜によって前記ドレイン領域と絶
    縁され、かつ、前記ソース領域と同電位に保たれた固定
    電位絶縁電極を有し、 前記固定電位絶縁電極は、前記絶縁膜を介して隣接する
    前記ドレイン領域に空乏領域を形成するような仕事関数
    の導電性材料から成り、 前記ソース領域に接する前記ドレイン領域の一部であっ
    て、前記固定電位絶縁電極によって挟み込まれたチャネ
    ル領域を有し、 前記チャネル領域には前記固定電位絶縁電極の周囲に形
    成された前記空乏領域によって多数キャリアの移動を阻
    止するポテンシャル障壁が形成されており、 遮断状態における前記ドレイン領域側からの電界が前記
    ソース領域近傍に影響を及ぼさないように、前記チャネ
    ル領域にあって前記溝の底部から前記ソース領域までの
    距離すなわちチャネル長は、前記チャネル領域に臨んで
    対面する前記溝の側壁同士の距離すなわちチャネル厚み
    の、少なくとも2倍以上となっており、 さらに、前記固定電位絶縁電極を取り囲む前記絶縁膜の
    界面に少数キャリアを導入して反転層を形成し、前記固
    定電位絶縁電極から前記ドレイン領域への電界を遮蔽し
    て前記チャネル領域に形成されたポテンシャル障壁を減
    少もしくは消滅させてチャネルを開くべく、前記絶縁膜
    ならびに前記ドレイン領域に接して、前記ソース領域に
    は接しない、反対導電型のゲート領域を有し、さらに前
    記ゲート領域と接続するゲート電極を有する半導体装置
    において、 ターンオフ時に前記反転層ならびに前記ドレイン領域か
    ら前記反対導電型ゲート領域へ移動する、前記少数キャ
    リア電流に対する抵抗を低減すべく、少なくとも前記固
    定電位絶縁電極に挟まれた領域で前記絶縁膜に接し、か
    つ前記ゲート領域と接し、前記ソース領域とは接しない
    反対導電型で前記ゲート領域よりも高不純物濃度のバイ
    パス領域をさらに有する、ことを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】ドレイン領域である一導電型の半導体基体
    の一主面に接して同一導電型のソース領域を一個または
    複数個有し、 前記主面に接して前記ソース領域を挟み込むように配置
    された溝を一個または複数個有し、 前記溝の内部には絶縁膜によって前記ドレイン領域と絶
    縁され、かつ、前記ソース領域と同電位に保たれた固定
    電位絶縁電極を有し、 前記固定電位絶縁電極は、前記絶縁膜を介して隣接する
    前記ドレイン領域に空乏領域を形成するような仕事関数
    の導電性材料から成り、 前記ソース領域に接する前記ドレイン領域の一部であっ
    て、前記固定電位絶縁電極によって挟み込まれたチャネ
    ル領域を有し、 前記チャネル領域には前記固定電位絶縁電極の周囲に形
    成された前記空乏領域によって多数キャリアの移動を阻
    止するポテンシャル障壁が形成されていて、 遮断状態における前記ドレイン領域側からの電界が前記
    ソース領域近傍に影響を及ぼさないように、前記チャネ
    ル領域にあって前記溝の底部から前記ソース領域までの
    距離すなわちチャネル長は、前記チャネル領域に臨んで
    対面する前記溝の側壁同士の距離すなわちチャネル厚み
    の、少なくとも2倍以上となっており、 さらに、前記固定電位絶縁電極を取り囲む前記絶縁膜の
    界面に少数キャリアを導入して反転層を形成し、前記固
    定電位絶縁電極から前記ドレイン領域への電界を遮蔽し
    て前記チャネル領域に形成されたポテンシャル障壁を減
    少もしくは消滅させてチャネルを開くべく、前記絶縁膜
    ならびに前記ドレイン領域に接して、前記ソース領域に
    は接しない、反対導電型のゲート領域を有し、さらに前
    記ゲート領域の一部と抵抗性接続する金属製のゲート電
    極を有する半導体装置において、 前記ゲート領域と前記チャネル領域の接合近傍で、前記
    金属製のゲート電極が前記ゲート領域とショットキー接
    続している、ことを特徴とする半導体装置。
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