JPH0632726B2 - 糸掴み装置を備えたミシン - Google Patents

糸掴み装置を備えたミシン

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JPH0632726B2
JPH0632726B2 JP60236836A JP23683685A JPH0632726B2 JP H0632726 B2 JPH0632726 B2 JP H0632726B2 JP 60236836 A JP60236836 A JP 60236836A JP 23683685 A JP23683685 A JP 23683685A JP H0632726 B2 JPH0632726 B2 JP H0632726B2
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thread
upper thread
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sewing machine
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正明 横江
佳行 大塚
義和 黒野
浩二 林
美保 橋本
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Brother Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は針と天秤との間における上糸を掴むための糸
掴み装置を備えたミシンに関するものである。
(従来技術及び発明が解決しようとする問題点) 一般に、ミシンによって縫製を行う場合、第1針目の縫
目を確実に形成するために、上糸の自由端が針の目穴か
ら所定量、垂れ下がった状態で縫製が開始されるように
なっている。
ところが、この従来のミシンにおいては、加工布の上面
に上糸の自由端が露出されたままの状態で、その自由端
を跨ぐようにして第2針目以降の縫目が形成され、それ
により自由端が加工布上面に縫付けられることがあり、
この場合には見栄えが悪くなって商品価値の低下か招く
おそれがある。また、縫製終了後に前記加工布上の上糸
自由端を切り取ることも可能であるが、その作業は非常
に面倒で手間がかかり、作業能率の低下を招くおそれが
ある。
(発明の目的) この発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、
その目的は縫製作業時において上糸の自由端が加工布の
上面に露出した状態で可能布上面に縫付けられることを
未然に防止することができる糸掴み装置を備えたミシン
を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、この発明においては、主
軸の回転に同期して上下動される針と、同じく主軸の回
転に同期して上糸を捕捉する釜との協働により加工布に
縫目を形成するとともに、針と天秤との間における上糸
を掴むための糸掴み装置を備えたミシンにおいて、前記
主軸を高速又は低速のいずれか一方で回転させる速度切
換手段と、前記糸掴み装置による上糸の把持状態又は解
放状態を切り換える糸掴み切換手段と、第1針目の縫製
に応答して、主軸が低速で回転するように速度切換手段
を制御するとともに、糸掴み装置が上糸ループの釜によ
る捕捉時近傍から前記上糸ループの拡大終了時近傍まで
の間にわたって前記上糸を掴むように糸掴み切換手段を
制御し、前記第1針目の上糸ループの拡大時には針より
自由端側の上糸を消費して縫目の結節点を形成すること
なく目飛び状態にし、上糸の自由端が加工布裏面側にて
下方に垂れ下がった状態とさせる第1の制御手段と、第
2針目以降の縫製に応答して、主軸が高速で回転するよ
うに速度切換手段を制御するとともに、糸掴み装置によ
る上糸の掴みを解除するように糸掴み切換手段を制御
し、加工布に縫目を形成させる第2の制御手段とを備え
たものである。
(作用) 第1針目においては、主軸が低速で回転するとともに、
糸掴み装置が上糸ループの釜による捕捉時近傍から前記
上糸ループの拡大終了時近傍までの間にわたって前記上
糸を掴む。従って、第1針目の上糸ループの拡大時には
針より自由端側の上糸を消費して縫目の結節点を形成す
ることなく飛び状態となって、上糸の自由端が確実に加
工布裏面側にて下方に垂れ下がった状態となる。
また、第2針目以降においては、主軸が高速で回転する
とともに、糸掴み装置による上糸の掴みが解除される。
従って、第2針目以降では、加工布に対し効率良く縫目
が形成される。
(実施例) 以下、この発明を具体化した刺繍ミシンの一実施例を図
面に従って説明する。第1図に示すように、ミシンフレ
ーム(1)のアーム部(1a)には針棒(2)が上下動可
能に支承され、その下端部には針(3)及び糸案内
(4)が装着されている。この針棒(2)は第3図に示
すミシンモータ(5)によって回転駆動される主軸(図
示しない)の回転に伴って上下動される。ミシンフレー
ム(1)のベッド部(1b)内には前記針(3)の上下
動に伴って形成される上糸Tのループを捕捉するための
釜(6)が一軸線の周りで回転可能に支持されている。
前記アーム部(1a)の全面には上糸供給源から針
(3)に供給される上糸(T)の経路上に位置する周知
の主糸調子器(7)及び副糸調子器(8)が取付けられ
るとともに、複数の糸案内体9が取付けられている。さ
らに、前記アーム部(1a)内には周知の天秤機構によ
り針棒(2)と同期して作動される天秤(10)が設け
られていて、その先端がアーム部(1a)前面に突出す
るようになっている。そして、前記上糸(T)は、各糸
調子器(7,8)、各糸案内体(9)、天秤(10)を
介して針(3)に供給される。この針3の上下動によっ
て形成される上糸ループは釜(6)の剣先にて捕捉され
た後、その釜(6)によって拡大され、次いで前記天秤
(10)によって引き上げられる。そして、その上糸ル
ープとの係合により釜(6)内のボビンから下糸が繰り
出されることにより前記ベッド部(1b)上の加工布に
本縫縫目が形成されるようになっている。
なお、前記ベッド部(1b)上の加工布は周知の加工布
保持枠(図示しない)によって保持された状態で、前記
針(3)の上下動に同期して前後左右に移動され、加工
布に送りが付与される。そして、前記針(3)、釜
(6)及び加工布保持枠の協働により加工布に刺繍が施
される。
次に、糸掴み装置を第1図及び第2図(a),(b)に
基づいて説明する。前記針棒(2)と天秤(10)との
間の上糸経路上においてアーム部(1a)の下部前面に
は断面ほぼコ字状をなすとともに、前方及び左右両側方
へ開口する上糸受け体(11)がその中央部(11a)
にて取付けられ、その上下両板部(11b),(11
c)には透孔(12)がそれぞれ形成されている。これ
ら各透孔(12)には上糸Tが挿通されるようになって
いる。
前記上糸受け体(11)に近接してアーム部(1a)の
外側面には電磁石(13)が装着され、そのプランジャ
(14)の先端には上糸押え体(15)がその基端にて
固着されるとともに、その先端が前記上糸受け体(1
1)の上下両板部(11b),(11c)間まで伸びて
いる。そして、電磁石(13)の消磁時にはプランジャ
(14)が突出位置に配置されて、第2図(a)に示す
ように上糸押え体(15)の先端が上糸受け体(11)
の中央部(11a)から前方へ離間する不作用位置に配
置され、上糸(T)から離脱される。また、電磁石(1
3)の励磁時にはプランジャ(14)が没入位置に配置
されて、第2図(b)に示すように上糸押え体(15)
の先端が上糸受け体(11)の中央部(11a)に接近
する作用位置に配置され、その上糸押え体(15)と上
糸受け体(11)との間で上糸(T)が掴まれるように
なっている。この時、上糸(T)は上糸受け体(11)
を通過不能である。
次にこの実施例におけるミシンの電気的構成を第3図及
び第4図に従って説明すると、起動スイッチ(16)は
足踏みペダル(図示しない)に連係され、その足踏みペ
ダルの踏み込み操作に伴い、その起動スイッチ(16)
から本発明の第1及び第2の制御手段を構成する中央処
理装置(CPU)(17)に起動信号が出力される。前
記アーム部(1a)内には、前記釜(6)による上糸ル
ープの捕捉タイミング(この時、針(3)は最下点から
わずかに上昇した位置にある)に応じた第1作動信号
と、捕捉された上糸ループの拡大がほぼ終了するタイミ
ング(この時、針(3)は最上点近くにある)に応じた
第2作動信号とを前記主軸(図示しない)の回転に伴っ
てそれぞれ発生するための作動信号発生器(18)が配
設され、その両作動信号が前記CPU(17)に入力さ
れる。なお、この作動信号発生器(18)は主軸に一体
回転可能に装着された信号担持盤と、その信号担持盤に
光を照射してその信号担持盤からの反射光に応じた作動
信号を出力する投,受光器とから構成されている。
前記起動スイッチ(16)から起動信号が入力された
時、CPU(17)は速度制御回路(19)に低速運転
指令信号を出力し、それに基づき速度制御回路(19)
はミシンモータ(5)を低速で回転させる。(前記ミシ
ンモータ(5)及び速度制御回路(19)により本発明
の速度切換手段が構成されている。ミシンの低速運転状
態で、CPU(17)は作動信号発生器(18)からの
最初の第1作動信号の発生に応答して負荷ドライブ回路
(20)を介いて電磁石(13)に駆動信号を出力する
とともに、第2作動信号の発生に応答してその駆動信号
の出力を停止するように構成されている。前記電磁石
(13)及び負荷ドライブ回路(20)により本発明の
糸掴み切換手段が構成されている。
すなわち、第1針目の上糸ループが釜(6)によって捕
捉された時近傍からその上糸ループの拡大がほぼ終了す
るまでの間、電磁石(13)は励磁される。そして、前
記作動信号発生器(18)から2番目の第1作動信号が
入力された時、CPU(17)は速度制御回路(19)
に対して低速運転指令信号の代わりに高速運転指令信号
を出力するとともに、以後に発生される第1,第2作動
信号には応答しないように構成されている。そして、前
記高速運転指令信号に基づき、速度制御回路(19)は
ミシンモータ(5)を高速で回転させる。
次に、上記のように構成されたミシンの作用を説明す
る。さて、第1図は糸供給源からの上糸(T)が各糸調
子器(7),(8)、糸案内(9)、天秤(10)及び
上糸受け体(11)を介して針(3)に挿通されるとと
もに、電磁石(13)が消磁状態に保持され、上糸押え
体(15)が不作用位置に配置された状態を示すもので
ある。
この状態で、足踏みペダルが操作されて起動スイッチ
(16)から起動信号が出力されると、ミシンモータ
(5)が低速で駆動されてミシンの低速運転が開始され
る。そして、針(3)が下動され、第1針目の上糸ルー
プが釜(6)によって捕捉される時、そのタイミングに
応じて作動信号発生器(18)から第1作動信号が出力
される。この信号に基づき、電磁石(13)が励磁さ
れ、それにより第2図(b)に示すように上糸押え体
(15)が上糸受け体(11)に向かって移動されて両
者(15),(11)間で上糸(T)が掴まれる。
引き続くミシンの運転に基づき、釜(6)によって上糸
ループが拡大される。この時、前記上糸(T)はその供
給源側において上糸受け体(11)と上糸押え体(1
5)との間に挾持されているため、供給源側から上糸
(T)が繰り出されることはなく、上糸(T)の自由端
側が加工布の表面側に引き込まれ、上糸ループを拡大す
るために消費される。
そして、前記上糸ループの拡大がほぼ終了した時、上糸
(T)の自由端側が全て加工布裏面側に抜け出て下方に
たれさがるとともに、前記電磁石駆動信号の出力が停止
されて電磁石(13)が消磁され、上糸押え体(15)
が第2図(a)に示す不作用位置まで復帰移動される。
この時、第1針目の縫目の結節点は形成されず、いわゆ
る目飛びの状態になっている。上記の動作は針(3)が
一上下往復動される間に遂行される。また、引き続くミ
シンの運転に伴い、第2針目の針(3)の上下往復動が
開始されて、その途中で作動信号発生器(18)から第
1作動信号が出力されると、ミシンモータ(5)が高速
で駆動され、ミシンが高速運転状態に切替えられる。こ
の時、電磁石(13)は励磁されないので、上糸(T)
は供給源側から上糸ループの拡大に伴って供給され、引
き続く天秤(10)の糸引上げ作用により本縫縫目が形
成される。
上記のように、この実施例では第1針目において上糸
(T)の自由端が上糸ループを拡大するために消費され
て加工布の下面に引き込まれるため、その自由端が加工
布の上面に露出することがなく、そのため、引き続くミ
シンの運転によって上糸(T)の自由端が加工布上面に
縫付けられることもなく、奇麗な縫目を形成することが
できる。
なお、この発明は前記実施例に限定されるものではな
く、刺繍ミシン以外の各種のミシンに具体化することも
可能である。
(発明の効果) 以上詳述したように、この発明は第1針目の上糸ループ
の拡大時にはミシンが低速運転されるとともに、針より
自由端側の上糸を消費して縫目の結節点を形成すること
なく目飛び状態となって、上糸の自由端が確実に加工布
裏面側にて下方に垂れ下がった状態となるため、上糸が
加工布の上面に露出した状態で加工布上面に縫付けられ
ることを未然に防止できる。また、第2針目以降におい
てはミシンが高速運転されるため、加工布に対し効率良
く縫製を行なうことができるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明を具体化したミシンの部分斜視図、第
2図(a),(b)は糸掴み装置の作動状態を示す部分
断面図、第3図はミシンの電気ブロック図、第4図はタ
イムチャートである。 図において、(3)は針、(6)は釜、(10)は天
秤、(T)は上糸である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 浩二 愛知県名古屋市瑞穂区堀田通9丁目35番地 ブラザー工業株式会社内 (72)発明者 橋本 美保 愛知県名古屋市瑞穂区堀田通9丁目35番地 ブラザー工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−170292(JP,A) 特開 昭58−38592(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主軸の回転に同期して上下動される針
    (3)と、同じく主軸の回転に同期して上糸(T)を捕
    捉する釜(6)との協働により加工布に縫目を形成する
    とともに、針(3)と天秤(10)との間における上糸
    (T)を掴むための糸掴み装置を備えたミシンにおい
    て、 前記主軸を高速又は低速のいずれか一方で回転させる速
    度切換手段(5,19)と、 前記糸掴み装置による上糸(T)の把持状態又は解放状
    態を切り換える糸掴み切換手段(13,20)と、 第1針目の縫製に応答して、主軸が低速で回転するよう
    に速度切換手段(5,19)を制御するとともに、糸掴
    み装置が上糸ループの釜(6)による捕捉時近傍から前
    記上糸ループの拡大終了時近傍までの間にわたって前記
    上糸(T)を掴むように糸掴み切換手段(13,20)
    を制御し、前記第1針目の上糸ループの拡大時には針
    (3)より自由端側の上糸(T)を消費して縫目の結節
    点を形成することなく目飛び状態にし、上糸(T)の自
    由端が加工布裏面側にて下方に垂れ下がった状態とさせ
    る第1の制御手段(17)と、 第2針目以降の縫製に応答して、主軸が高速で回転する
    ように速度切換手段(5,19)を制御するとともに、
    糸掴み装置による上糸(T)の掴みを解除するように糸
    掴み切換手段(13,20)を制御し、加工布に縫目を
    形成させる第2の制御手段(17)と を備えたことを特徴とする糸掴み装置を備えたミシン。
JP60236836A 1985-10-23 1985-10-23 糸掴み装置を備えたミシン Expired - Lifetime JPH0632726B2 (ja)

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JPS6297593A JPS6297593A (ja) 1987-05-07
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Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0635700B2 (ja) * 1984-02-15 1994-05-11 株式会社バルダン ミシン

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