JPH0632626B2 - 発酵法によるl―スレオニンの製造法 - Google Patents

発酵法によるl―スレオニンの製造法

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JPH0632626B2
JPH0632626B2 JP4105689A JP4105689A JPH0632626B2 JP H0632626 B2 JPH0632626 B2 JP H0632626B2 JP 4105689 A JP4105689 A JP 4105689A JP 4105689 A JP4105689 A JP 4105689A JP H0632626 B2 JPH0632626 B2 JP H0632626B2
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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、発酵法によるL−スレオニンの製造法に関す
るものである。
〈従来の技術〉 プロビデンシア属に属する微生物を用いる発酵法による
L−スレオニンの製造法としては、メチオニン代謝拮抗
物質に耐性を有し、かつL−スレオニン生産性を有する
微生物を用いる方法(特開昭61−216698号公
報)や、生育のためにL−ロイシンを必要とし、かつL
−スレオニン生産能を有する微生物を用いる方法(特開
昭61−260891号公報)が知られている。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、これらの方法によるL−スレオニンの生成蓄積
濃度、または、糖などの原料からのL−スレオニン生成
収率は十分に満足できるものではなかった。
〈課題を解決するための手段および作用〉 発明者らは、さらに生産性の高いL−スレオニンの製造
方法について鋭意研究した結果、プロビデンシア属に属
しL−スレオニン生産能を有する微生物に、パラアミノ
安息香酸拮抗物質に対する耐性を付与することによっ
て、L−スレオニン生産性が向上することを見い出し本
発明に到達した。
すなわち、本発明は、プロビデンシア属に属し、パラア
ミノ安息香酸拮抗物質に対する耐性を有し、かつL−ス
レオニン生産能を有する微生物を培養して、培養液中に
L−スレオニンを生成蓄積せしめ、前記培養液よりL−
スレオニンを採取することを特徴とする発酵法によるL
−スレオニンの製造法である。
ここで、パラアミノ安息香酸拮抗物質とは、プロビデン
シアに属する微生物の生育を阻害し、その生育阻害がパ
ラアミノ安息香酸の添加により回復する物質のことであ
る。
パラアミノ安息香酸拮抗物質としては、たとえば、サル
ファグアニジン、パラアミノベンゼンスルホンアミドな
どいわゆるサルファ剤または8−アザアデニンなどプリ
ン塩基生合成系阻害剤などが挙げられ、このうち、サル
ファグアニジンが特に好ましく用いられる。
本発明で用いられる微生物はプロビデンシア属に属し
(バージーのマニュアル・オブ・システマティク・バク
テリオロジー第一巻(1984)、第495〜496頁
に従う)、パラアミノ安息香酸拮抗物質に対して耐性を
有する微生物である。
かかる性質を有していれば、他の栄養要求性、他の薬剤
抵抗性を持つものでも本発明の範囲に含まれる。特にパ
ラアミノ安息香酸拮抗物質耐性に加え、L−イソロイシ
ンまたは、L−ロイシンに対する栄養要求性ないし1e
aty型要求性、α−アミノ−β−ヒドロキシ吉草酸な
どスレオニン代謝拮抗物質に対する耐性およびエチオニ
ンなどメチオニン代謝拮抗物質に対する耐性は、L−ス
レオニン生成能に有効に作用するので、これらのいくつ
かの特性ないしはすべての特性をあわせ持つ微生物がよ
り好ましく用いられる。
本発明で用いられる変異株の代表的なものとしては、た
とえば、プロビデンシア・レトゲリSGR588−77
(FERM P−10528)が挙げられる。
この変異株は、プロビデンシア・レトゲリOTR28−
70(α−アミノ−β−ヒドロキシ吉草酸耐性、L−エ
チオニン耐性、チアイソロイシン耐性、オキシチアミン
耐性、L−ロイシン要求性、L−イソロイシン要求性な
いし1eaky型要求性(FERM P−9193))
を親株として、通常の変異処理方法によって得られたも
ので、パラアミノ安息香酸拮抗物質に耐性を有する変異
株である。
変異株の誘導は、通常の変異処理法によって行うことが
できる。すなわち、L−ホモセリンに耐性を有する変異
株を得るには、親株を紫外線照射するか、あるいは、変
異誘発剤(たとえば、N−メチル−N′−ニトロ−N−
ニトロソグアニジン、エチルメタンスルホン酸など)で
処理したのち、親株が十分成育できないような濃度のパ
ラアミノ安息香酸拮抗物質を含む固体培地で、親株に比
べて有意に成育可能な菌株を取得すればよい。
本発明におけるパラアミノ安息香酸拮抗物質耐性株と
は、その親株より強い耐性を有する菌株のことであり、
好ましくは親株の24時間後の相対生育度が40%以下
になるような濃度のパラアミノ安息香酸拮抗物質を含む
培地で培養した場合の相対生育度が50%以上を示すよ
うなものをいう。
たとえば、サルファグアニジン耐性株の場合は、サルフ
ァグアニジン0.2g/となるように添加した培地で培
養した時の24時間後の生育度が、無添加の場合の50
%以上のものをサルファグアニジン耐性株という。
ここで、相対生育度は、培養液の660nmにおける吸光
度を測定し、各菌株のパラアミノ安息香酸拮抗物質を添
加していない培養液の吸光度を100%として表わした
場合の相対吸光度で示すものとする。
本発明におけるL−スレオニン生産用の培地は、炭素
源、窒素源、無機イオンおよび必要に応じてその他の有
機微量成分を含有する通常の培地である。
炭素源としては、グルコース、フラクトス、でん粉およ
びセルロースの加水分解物、糖蜜などの糖類、フマール
酸、クエン酸、コハク酸などのごとき有機酸、グリセロ
ールのごときアルコール類などを2〜15%、窒素源と
して、酢酸アンモニウムのごとき有機アンモニウム塩、
硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム、硝酸アンモニウムのごとき無機アンモニウム塩、
アンモニアガス、アニモニア水、尿素などを0.5〜4.0
%、有機微量栄養素としては、L−イソロイシンなどの
被要求物質が0.001〜0.4%、または必要に応じてコーン
スティープリカー、ペプトン、酵母エキスなど0〜4%
をそれぞれ適当量含有する培地が好適に用いられる。こ
れらの他に、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸
第1鉄7水和物、硫酸マンガン4−6水和物などが微量
成分として少量添加される。
培養は、好気的条件で行う。培養の間、培地のpHは5
から9に、温度は24〜37℃に調節し、48〜120
時間振とうまたは通気培養すれば好ましい結果が得られ
る。
培養液よりL−スレオニンを採取するには、通常の方法
を用いることができる。たとえば、菌体を除去した培養
液をpH2に塩酸で調整したのち、強酸性カチオンイ
オン交換樹脂に通液後、希アンモニア水で吸着成分を溶
出し、脱アンモニア後、濃縮する。これにアルコールを
添加し、冷却保存下で生成した結晶を集め、L−スレオ
ニンを得ることができる。
〈実施例〉 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 A.(サルファグアニジン耐性株の分離) プロビデンシア・レトゲリOTR28−70(α−アミ
ノ−β−ヒドロキシ吉草酸耐性、L−エチオニン耐性、
チアイソロイシン耐性、オキシチアミン耐性、L−ロイ
シン要求性、L−イソロイシン要求性ないし1eaky
型要求性)の菌体に常法によりN−メチル−N′−ニト
ロ−N−ニトログアニジン処理(300μg/ml、30
℃で20分)したのち、この細胞をサルファグアニジン
0.8g/、L−ロイシン50mg/、L−イソロイシ
ン50mg/添加した寒天培地(グルコース0.5%、硫
安0.1%、リン酸第1カリウム0.3%、リン酸第2カリウ
ム0.7%、硫酸マグネシウム7水和物0.01%を含む完全
合成培地)に塗布した。
次に30℃にて、5〜7日培養し、サルファグアニジン
耐性株プロビデンシア・レトゲリSGR588−77を
取得した。
B.(サルファグアニジン耐性株の耐性度) 下記第1表に示す各菌株を液体ブイヨン培地を用いて3
0℃で7時間振とう培養し、生育した菌体を集菌し生理
食塩水でよく洗浄した。この菌体懸濁液を、それぞれサ
ルファグアニジン0、0.1、0.2、0.4g/の濃度で含
む最少培地(培地組成:グルコース0.5%、硫安0.1%、
リン酸第1カリウム0.3%、リン酸第2カリウム0.7%、
硫酸マグネシウム7水和物0.01%、L−イソロイシン0.
005%、L−ロイシン0.005%)5mlに植菌して、30℃
で24時間培養し、各菌株の生育度を調べた。その結果
は、第1表に示すとおりである。ただし、サルファグア
ニジンは、市販のものを用いた。
本発明方法で使用するアルファグアニジン耐性株プロビ
デンシア・レトゲリSGR588−77では、親株のプ
ロビデンシア・レトゲリOTR28−70と比較して、
サルファグアニジンによって生育が阻害されず、サルフ
ァグアニジンに対する耐性を獲得していることが明らか
である。
実施例2 (L−スレオニン生産菌の培養およびL−スレオニンの
生産) 第2表に示す各菌株を液体ブイヨン培地を用いて30
℃、20時間振とうして前培養したのち、115℃、1
0分間オートクレーブで滅菌した下記組成の発酵培地4
0mlを含む1容三角フラスコに接種し、30℃、15
0rpm、振幅3cmの条件下で72時間培養した。
発酵用培地 グルコース(別滅菌) 8% (NHSO 3% KHPO 0.1% MgSO・7HO 0.04% Fe++ 2ppm Mn++ 2ppm L−イソロイシン 0.005% L−ロイシン 0.06% CaCO(別滅菌) 4% pH 7(KOHで中和) 培養終了後、培養液から菌体、炭酸カルシウムを除去
し、その液中のL−スレオニンを自動アミノ酸分析計
(日本電子JLC.200A)で定量したところ、第2
表に示す結果を得た。
スレオニン生成収率は、消費グルコースに対する生成ス
レオニン重量収率で表わした。
本発明例のプロビデンシア・レトゲリSGR588−7
7は、親株のプロビデンシア・レトゲリOTR28−7
0と比較して、蓄積量、生成収率とも、顕著に高いL−
スレオニンを生産した。
実施例3 第3表に示す菌株を、液体ブイヨン培地で30℃、20
時間、振とう培養し、これを実施例2の発酵用培地のう
ち、(NHSOを0.5%、グルコースを4.0%と
した以外は同様の培地800mlを分注したガラス製小型
ジャーファーメンターへ、接種サイズ10%となるよう
に接種した。30℃、800rpm、通気量1vvmで、通気
攪拌培養を開始した。PH調節および窒素源の供給は、
25%アンモニア水で行ない、pHは6.5〜8.0に維持し
た。グルコース、KHPO、MgSO・7H
O、L−ロイシンおよびL−イソロイシンを断続的に
添加しながら、48時間培養したところ、第3表に示す
ような結果を得た。
プロビデンシア・レトゲリSGR588−77の培養液
より菌体を除き、その液を500mlを強カチオン交換
樹脂ダイヤイオンSK−1B(H型)のカラムにとおし
た。カラムを水洗後、2Nアンモニア水でカラムの吸着
成分をっ溶出し、脱色後減圧濃縮した。
これにエタノールを加え、冷却し、生成した結晶を集め
て乾燥した結果、純度96%以上のL−スレオニン36.7
gを得た。
〈発明の効果〉 本発明法により、高い収率および高い蓄積濃度でL−ス
レオニン生成が可能となり、より安価なL−スレオニン
生産が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロビデンシア(Providencia)属に属し、
    パラアミノ安息香酸拮抗物質に対する耐性を有し、かつ
    L−スレオニン生産能を有する微生物を培養して、培養
    液中にL−スレオニンを生成蓄積せしめ、前記培養液よ
    りL−スレオニンを採取することを特徴とする発酵法に
    よるL−スレオニンの製造法。
JP4105689A 1989-02-20 1989-02-20 発酵法によるl―スレオニンの製造法 Expired - Lifetime JPH0632626B2 (ja)

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