JPH0630710B2 - 半回転かま - Google Patents

半回転かま

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JPH0630710B2
JPH0630710B2 JP1227675A JP22767589A JPH0630710B2 JP H0630710 B2 JPH0630710 B2 JP H0630710B2 JP 1227675 A JP1227675 A JP 1227675A JP 22767589 A JP22767589 A JP 22767589A JP H0630710 B2 JPH0630710 B2 JP H0630710B2
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thread
bobbin
hook
bobbin case
needle
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康良 林
浩充 清水
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HIROSE SEISAKUSHO Ltd
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Brother Industries Ltd
HIROSE SEISAKUSHO Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、家庭用ミシンおよび工業用ミシンなどに好適
に実施することができる半回転かまに関する。
従来の技術 第11図は従来の半回転かま1を示す正面図であり、第
12図は第11図に示される半回転かま1の分解斜視図
でり、第13図はその半回転かま1の断面図である。家
庭用ミシンおよび工業用ミシンなどに備えられる半回転
かま1は、図示しない大かまの内周面に形成された軌溝
に軌条2が嵌まり込んで支持される中かま3と、この中
かま3を矢符A1,A2方向に半回転駆動するドライバ
4と、下糸5が巻回されたボビン6が収納されるボビン
ケース7とを有する。ボビンケース7には回り止め部材
7aが一体的に形成されており、この回り止め部材7a
が図示しない中かま押えの嵌合凹所に嵌合して、中かま
3の半回転動作に伴うボビンケース7の回転が阻止され
る。前記ドライバ4の取付部8には、ミシンの下軸が同
軸に固定され、回転軸線lのまわりに半回転駆動され
る。ドライバ4が矢符A1方向に回転したときには、そ
の周方向一端部9が中かま3の当接面10に当接して押
圧し、これによつて前記ボビンケース7の回転が阻止さ
れた状態で、中かま3は矢符A1方向に回転する。この
ようなドライバ4の一端部9が上死点に達すると、その
回転方向は反転されて矢符A1から矢符A2方向にドラ
イバ4が回転駆動される。このときドライバ4の周方向
の他端部11は中かま3の剣先12付近に形成された凹
所13の内面に当接して押圧し、これによつてボビンケ
ース7の回転が阻止された状態で、中かま3は矢符A2
方向に回転する。
このようにして半回転駆動される半回転かま1におい
て、上下に往復動される針14によつてもたらされた針
糸は、剣先12によつて捕えられ、中かま3がドライバ
4によつて矢符A1方向に半回転して針糸ループを形成
する。このとき針糸は、仮想線15によつて示されるよ
うに、下方位置に配置されており、前記剣先12ととも
に凹所13を形成する糸案内突起16の案内面17に沿
つて滑りながら矢符18の方向へ移動し、ミシン本体に
備えられる図示しない天秤の上昇動作によつてボビンケ
ース7の外周面に乗り移り、前記天秤が上昇するにつれ
て針糸15はボビンケース7の外周面に摺動しつつ糸越
しする。こうして天秤によつて上方に引き上げられた針
糸15は、ボビンケース7内のボビン6から引き出され
た下糸5に係合して縫目が形成される。
前記針糸15が剣先12からボビンケース7の外周面に
乗り移つたときには、中かま3は矢符A2方向に逆回転
して初期位置(第11図に示される状態)に復帰し、再
びドライバ4によつて矢符A1方向に駆動されて針14
の下方への動作によつて剣先12の近傍にもたらされた
針糸を捕らえ、針糸ループを形成する。このような一連
の動作が繰返されて連続した縫目が形成される。
ところで上述したような半回転かま1を、家庭用ミシン
または工業用ミシンに用いた場合において、ボビン6の
下糸5が消費された際には、新たに下糸が巻回されたボ
ビンと下糸5が消費されたボビン6とを交換しなければ
ならず、特に上述の縫製速度が速く、しかも縫製量の多
い工業用ミシンでは、ボビン6の交換を頻繋に行わなけ
ればならず、縫製作業の効率が低下してしまう。
そこで、ボビン6の直径Dおよびボビン6の軸線方向の
幅Bを大きくして、下糸5の巻回量を増加することが考
えられるけれども、たとえばボビン6の直径Dを大きく
すると、それに伴つて中かま3の直径も大きくしなけれ
ばならず、中かま3の直径を大きくすると、針糸ループ
が大きくなり、これによつて糸締まりが悪くなつて糸だ
まやルーピングを生じ易くなるだけでなく、中かまの半
回転動作を伴う振動が大きくなつて騒音が増大してしま
うという問題がある。またボビン6の幅Bを大きくする
と、針糸ループがボビンケース9を乗越えにくくなり、
その結果針糸に不所望な張力が作用して糸締まりが悪く
なり、これによつて糸だまやルーピングを生じ易くなつ
て縫いの質が低下してしまうという問題がある。
発明が解決しようとする課題 このような先行技術では、第14図に示されるように、
前記糸案内突起16の底部側の部分16aと開口端側の
部分16bでは、周方向に沿つてほぼ平行に形成されて
いるため、針糸15が矢符A1方向に円滑に滑つてボビ
ンケース10の外周面に寄り移ることができなくなる場
合に、前記糸だまやルーピングが生じやすくなる傾向が
あるからである。しかも開口端側の部分16bの半径方
向内方側の表面とボビンケース9の外周面とは、下糸5
が容易に通過できなければならない。
したがつて本発明の目的は、上述の問題点を解決し、簡
単な構成で糸だまやルーピングを生じることなく中かま
を大きくすることなくボビンを大きくして、ボビンに巻
回される下糸の巻回量を増加することができるようにし
た半回転かまを提供することである。
課題を解決するための手段 本発明は、糸案内突起26の針落ち溝26cよりも中か
ま20の底部側の部分26aの先端部30の内径R1
を、その底部側の部分26aの基端部28のボビンケー
ス37を収納する空間の内径R2よりも小さく形成して
前記底部側の部分26aを、開口側の部分26bよりも
半径方向内方側に突出させ、 前記底部側の部分26aの凹所27側の針糸案内面31
は、凹所27の半径方向内方端27aから先端部30に
なるにつれて前記底部側の部分26aの半径方向厚みが
小さくなるように傾斜しており、 針糸案内面31の凹所27からの周方向の長さl1を、
凹所27から剣先25の先端部までの長さl5よりも長
くし、 ボビンケース37の大略的に直円筒状の筒部51には、
その筒部51の外周面47の外径よりも小さい外径を有
する段差面52を、周方向に沿つて少なくとも前記底部
側の部分26aの移動する領域にわたつて形成し 前記底部側の部分26aのかま軸線方向長さL1〜L3
は、針糸46の案内方向F下流になるにつれて小さく形
成されることを特徴とする半回転かまである。
作用 本発明に従えば、突起26の底部側の部分26aの凹所
27側の針糸案内面31は、凹所27の半径方向内方端
27aから先端部30になるにつれて前記底部側の部分
26aの半径方向厚みが小さくなるように傾斜してお
り、針糸案内面31の凹所27からの周方向の長さl1
を、凹所27から剣先25の先端部までの長さl5より
も長くして、針糸がボビンケース37の外周面に移動し
やすくされているので、中かまの剣先によつて捕らえら
えた針糸は、中かまが回転するにつれて前記凹所の針糸
案内面に沿つて案内され、その針糸案内面からボビンケ
ースの外周面に容易に乗り移つて円滑な糸越しを行うこ
とができる。これによつて針糸にむやみに大きな張力が
作用せず、糸だまなどを生じることなく質の良い縫目を
形成することができる。
また前記底部側の部分26aの基端部は、ボビンケース
収納空間の内径R2よりもその底部側の部分26aの先
端部の内径R1が小さく形成されるので、前記基端部付
近の内周面とボビンケースの外周面との間を通る下糸の
通過を許容して中かま内のボビンケースの直径を大きく
することができ、これによつてそのボビンケースに収納
されるボビンの直径を大きくして、そのボビンに巻回さ
れる下糸の巻回量を増加することができるようになる。
これによつて縫製時におけるボビンの交換回数を低減す
ることができ、縫製作業の効率を向上することができ
る。
また本発明に従えば、ボビンケース37の大略的に直円
筒状の筒部51には、段差面52を形成したので、中か
まに収納されるボビンケースの外径を大きくしても、前
記底部側の部分26aの先端部付近がボビンケース外周
面に接触するおそれはなく、これによつて中かまとボビ
ンケースとが相互に干渉することなく、中かまを円滑に
半回転駆動することができる。
さらに本発明に従えば、糸案内突起26のかま底部側の
部分26aは、開口側の部分26bよりも半径方向内方
側に突出するようにしたので、糸越し時に針糸が円滑に
糸案内突起の半径方向外方側の表面上を滑つて移動する
ことができるようになり、これによつて針糸にむやみに
大きな張力が作用せず、糸だまおよびルーピングなどを
生じることはない。しかも、このような糸越し時にボビ
ンケース内から引出されている下糸が、そのボビンケー
スの外周面と開口端側の部分の内周面との間を通過可能
であるので、縫い動作に伴つて繰り出される下糸の移動
が阻害されるおそれはない。
さらに本発明に従えば、糸案内突起26の中かま20の
底部側の部分26aのかま軸線方向長さL1〜L3は、
針糸46の案内方向F下流になるにつれて小さく形成さ
れるようにしたので、このことによつてもまた、上糸4
6の糸越しを容易に行つて不所望な張力を生じることな
く、円滑に縫目を形成することができるようになる。
実施例 第1図は本発明の一実施例の中かま20の正面図であ
り、第2図はその中かま20の第1図の右側から見た側
面図であり、第3図はその中かま20の平面図である。
本発明に従う半回転かまに備えられる中かま20は、ス
タツド22が立設された底部23と、底部23に連なる
周縁部24とを有する。周縁部24には剣先25が形成
されるとともに、この剣先25よりも半径方向の内方側
には糸案内突起26が形成される。この糸案内突起26
は、中かま20の底部側の部分26aと開口端側の部分
26bとを有し、部分26aは部分26bよりも半径方
向内方側に突出されている。これらの部分26a,26
b間には、針44が挿入する針落ち溝26cが形成され
る。また部分26aの底部側の側部26dが、周方向に
先端部になるにつれて開口端寄り、すなわち第2図の左
方寄りに傾斜した傾斜面26eが形成されている。前記
剣先25と糸案内突起26とによつて後述するドライバ
40が嵌合する凹所27が形成される。
第4図は第2図の切断面線IV−IVから見た拡大断面図で
あり、第5図は糸案内突起26付近を第4図の矢視M側
から見た部分拡大底面図である。前記部分26aの基端
部28のボビンケース収納空間29の内径R2よりも、
部分26aの先端部30の内径R1が小さく(R1<R
2)形成される。これによつて糸案内突起26の周方向
の長さl1を長くしても、充分な肉厚を保つて強度の低
下を防止して、部分26aの凹所27側の針糸案内面3
1とその基端部28における接線方向との成す角度θ1
を、内径R1と内径R2とを等しく(R1=R2)した
場合に比べて大きくすることができる。しかも針糸案内
面31の周方向の長さl1を長くすることによつて、剣
先25によつて捕らえられた針糸を、後述するように、
ボビンケース37の外周面47に乗り移り易くすること
ができる。このように剣先25によつて捕えられた針糸
の糸越しを円滑かつ確実に行えるようにすることができ
る。
構成をさらに述べると、突起26の部分26aの凹所2
7側の針糸案内面31は、凹所27の半径方向内方端2
7aから先端部30になるにつれて部分26aの半径方
向厚みが小さくなるように傾斜しており、その部分26
aの先端部30の内径R1は前述のように小さく、した
がつて上述のように針糸案内面31の傾斜を比較的大き
な値とすることができる。また針糸案内面31の凹所2
7からの周方向の長さl1(第4図参照)は、凹所から
剣先25の先端部までの長さ15よりも長く、また上述
のように部分26aの先端部30の内径R1が小さく、
針糸案内面31が凹所27の半径方向内方端27aから
先端部30になるにつれて厚みが薄くなるように構成さ
れているので、その前記長さl1を長くすることが、前
述のように可能である。
再び第11図を参照して、中かま3の回転中心lと、部
分16aの基端部とを結ぶ半径線l−P上において、間
隙W1は、この位置がボビンケース7より出て、調子ば
ねを介して針穴に導かれる下糸の経路にあたるため、通
常W1=1mm程度の間隔を必要とする。ボビンケース7
は定位置に係止されており、中かま3は半回転揺動する
ので、この間隔は中かま内径に関して、第11図示の半
径線l−P上のP1の位置より矢符A2方向下流側で
は、常にW1≧1mmを満たす必要があるけれども、矢符
A1方向下流側(部分16bの先端方向)では、W2は
上記規制を何ら受けることはないので、半径R1をボビ
ンケース外周に近付けてよいわけである。これを逆に考
えれば、R1をそのままでR2のみを大きくすれば結果
として、ボビンケース半径をR1に近い値まで拡大で
き、しかも突起の角度θ1(第4図参照)は従来と何ら
変わりない所望の数値を保持できることになる。これに
よつて中かま20内に収納されるボビンケース37を大
きくすることができるようになり、したがつてそのボビ
ンケース37に収納されるボビン39を大きくして、下
糸の巻回量を増加することができる。
第6図は、第1図〜第5図に示される中かま21を備え
た半回転かま22の全体斜視図である。ミシンベツドに
設けられた針板35の下方には、前記中かま20を備え
た半回転かま21が配置される。半回転かま21は、図
示しない大かまの内周面に形成された軌溝に軌条36が
嵌まり込んで前記中かま20が支持されており、この中
かま20の底部23に立設されたスタツド22にボビン
ケース37が装着され、ボビンケース37には下糸38
が巻回されたボビン39が収納される。
前記中かま20の回転軸線l2に関して反対側には、ド
ライバ40が配置される。このドライバ40は、前記中
かま20の回転軸線l2と共通な一直線を成す回転軸線
を有し、ドライバ本体41に連なる取付部42にはミシ
ンの下軸43が固定される。この下軸43の回転軸線
と、前記中かま20およびドライバ40の各回転軸線l
2とは、共通な一直線上にある。
縫製動作が開始されると、下軸43がその回転軸線まわ
りに矢符D1,D2方向に往復半回転駆動されるととも
に、この下軸43に連動して針44が上下に往復動さ
れ、前記針板35に形成された針穴45を介して中かま
20の剣先25付近に針糸46がもたらされる。また前
記ボビンケース37内に収納されたボビン39に巻回さ
れている下糸38は、ボビンケース37に形成されてい
る下糸挿通孔を介してボビンケース37の外周面47に
下糸調子ばね48によつて弾発的に押さえ付けられなが
ら、前記針穴45を介して針板35から上方に導かれ
る。またボビンケース37には回り止め部材37aが一
体的に形成されており、この回り止め部材37aが図示
しない中かま押えの嵌合凹所に嵌合して、中かま20の
半回転動作に伴うボビンケース37の回転が阻止され
る。
前記ドライバ40は、下軸43の半回転駆動によつて矢
符D1,D2方向に往復半回転駆動される。ドライバ4
0が矢符D1方向に回転したときには、その一端部49
が中かま20に当接して同一方向に押圧し、これによつ
てボビンケース37の回転が阻止された状態で、中かま
20は矢符D1方向に半回転駆動される。またドライバ
40が矢符D2方向に回転したときには、ドライバ40
の他端部50が前記凹所27の内面に当接して押圧し、
これによつてボビンケース37の回転が阻止された状態
で、中かま20は前記回転方向D1とは逆方向である矢
符D2方向に半回転駆動される。
このようにして矢符D1,D2方向に中かま20が半回
転駆動されると、第4図および第5図で述べたように、
中かま20の部分26aが半径方向内方側に傾斜して設
けられているので、その部分26aがボビンケース37
の外周面47に接触するおそれがある。そのため、第7
図に示されるようにボビンケース37の大略的に直円筒
状の筒部51には、筒部51の外周面47の外径よりも
小さい外径を有する段差面52が周方向に沿つて少なく
とも部分26aの移動する領域にわたつて形成される。
下糸調子ばね48と中かま20の内周面とが干渉しない
のは、部分26aの先端部30の半径R1と基端部28
の半径R2とが相対的にR2>R1に設定され、かつ、
R2は前記下糸調理ばね48が下糸を挟み込んで押圧し
ている状態で、基端部28の内周面との干渉のない値に
設定されていることによる。これによつて中かま20が
矢符D1,D2方向に半回転動作を行つても、前記突起
26の先端部30付近がボビンケース37の外周面47
およびその外周面47に取付けられた下糸調子ばね48
に接触することはなく、中かま20の半回転動作を阻害
することはない。
以上のような構成によつて、中かま20がドライバ40
によつて矢符D1方向に半回転駆動されると、第8図に
示されるように、剣先25によつて捕らえられた針糸4
6が針糸ループを形成し、針糸46が第7図に示される
ように矢符F方向へ案内され、その剣先25の先端が回
転軸線l2に垂直に交差し、針44の移動経路と平行な
軸線l3に達する位置において、前記凹所27内の針糸
46が針糸案内面31に沿つて第8図の矢符G方向に案
内され、ボビンケース37の外周面47に乗り移る。こ
のとき針糸案内面31は、第4図に関連して述べたよう
に長さ11にわたつて形成されるので、針糸案内面31
に沿つて矢符G方向に移動する針糸46を、周方向に軸
線l3を越えた位置まで案内して、第8図の軸線l3よ
りも左側のボビンケース37の外周面47上に乗り移ら
せることができ、確実な糸越しを行うことができる。し
かも角度θ1が希望する値、すなわち図示しない天秤の
上昇動作に伴つて針糸案内面31に沿つて針糸46が円
滑に滑つて矢符G方向へ案内される値に選ばれているの
で、その針糸46が案内面31からボビンケース37の
前記第8図の軸線l3よりも左側の外周面47上に容易
に乗り移ることができ、これによつて、前述したよう
に、針糸46にむやみに大きな張力が作用することはな
く、したがつて糸締まりが悪くなつたり糸切れなどが生
じることはない。このように糸案内突起26の部分26
aを形成することによつて、針糸46の糸越しを円滑か
つ確実に行うことができる。
またボビンケース外周面47に段差面52を設けず、ボ
ビン39の幅B10を大きくした場合、外周面47の上
端角部70は、幅B10を大きくするほど仮想線71で
示すように上方にくる。一方、針糸46は、第7図の状
態から矢符F方向に無理なく移動させる必要があり、角
部71が高くなるにつれてボビンケースの外表面53上
に乗り移ることができず、外周面47に巻きついてしま
う。そこで前記事態を回避するために角部70は距離H
1よりも下方に設定する必要がある。これを実現するた
めに本実施例では、突起26と干渉しない高さ領域にお
いて、ボビンケース外周面47の半径を第4図の半径R
2を越えない範囲にて大きくし、角部70の位置を所望
の位置にとつている。すなわち段差面52と外周面47
とでは、外周面47を大きくして角部70の位置を下げ
ることができたので、ボビン幅B10を大きくすること
が可能となる。したがつて軌条36からボビンケース3
7の外表面までの距離H2を大きくすることができ、こ
れによつてボビン39の幅B10を大きくすることがで
きる。このようなボビン39を備えた半回転かま21に
おいて、第13図に示される先行技術の中かま3の軌条
2から開放端までの距離h1と、本発明の距離H1とは
同一(h1=H1)とし、ボビンケース37の前記距離
H2を軌条2からボビンケース7の外表面までの距離h
2よりも大きく(h2<H2)することができる。この
ようなボビンケース37に収納されるボビン39の幅B
10は、先行技術の幅Bよりもたとえば3mm程度大きく
することができる。したがつてボビン39に巻回される
下糸38の巻回量を増加することができる。
第9図は、糸案内突起26付近を第8図の下方側から見
た拡大底面図である。糸案内突起26の部分26aは、
かまの底部側の側部26dに開口側に傾斜した傾斜面2
6eが形成されるので、部分26aの先端部すなわち第
9図の矢符F方向下流になるにつれて、第10図(1)
〜第10図(3)に示されるように、部分26aのかま
軸線方向長さL1〜L3は小さく(L1<L2<L3)
なる。したがつて上糸46のループは矢符F方向下流側
になるにつれて小さくなる。つまり、このような傾斜面
26eを形成することによつて、ミシンに備えらえる天
秤の上昇動作によつて張力が生じている上糸46は、糸
ループを縮小する方向に案内される傾向があり、したが
つて部分26aの軸線方向長さL1〜L3をこのように
小さくすることによつて、針糸46は矢符F方向下流側
に案内されることになる。このことによつてもまた、上
糸46の糸越しを容易に行つて不所望な張力を生じるこ
となく、円滑に縫い目を形成することができる。
しかも、部分26bは、ボビンケース37の外周面47
から間隔W1をあけて離間しているので、ボビンケース
37内から引出された下糸38が円滑にその間隔W1を
通過することができ、これによつて下糸に不所望な張力
が作用することはない。このようにして上糸46および
下糸38に不所望な張力が生じることを防ぐことがで
き、したがつて適度な張力で縫い目が形成されることに
なり、糸だまやルーピングが生じることはない。
発明の効果 本発明によれば、突起26の底部側の部分26aの凹所
27側の針糸案内面31は、凹所27の半径方向内方端
27aから先端部30になるにつれて底部側の部分26
aの半径方向厚みが小さくなるように傾斜しており、し
たがつてその針糸案内面31の傾斜を大きな値とし、し
かも針糸案内面31の凹所27からの周方向の長さl1
を、凹所27から剣先25の先端部までの長さl5より
も長くし、さらにその底部側の部分26aの先端部30
の内径R1が小さく形成されて傾斜している針糸案内面
31の前記長さl1を長くするように構成されるので、
中かまの剣先によつて捕らえられた針糸を円滑に針糸案
内面に沿つてボビンケース外周面に案内することがで
き、確実に糸越しを行うことができるようになる。また
中かまに設けられる底部側の部分26aの基端部の内径
R2よりも先端部の内径R1が小さく形成されるので、
基端部付近の内周面のボビンケースの外周面との間を通
る下糸の通過を許容して中かま内のボビンケースの直径
を大きくすることができ、これによつてそのボビンケー
スに収納されるボビンの直径を大きくして、そのボビン
に巻回される下糸の巻回量を増加することができるよう
になる。ボビンに巻回される下糸の巻回量を増加するこ
とによつて、縫製時に頻繋なボビンの交換を行う必要が
なくなり、したがつて縫製中に度々ミシンを停止させる
必要がなく、縫製作業の効率を向上することができる。
また本発明によれば、ボビンケースの外周面に底部側の
部分26aの干渉を避けるためにボビンケース37の大
略的に直円筒状の筒部51には、その筒部51の外周面
47の外径よりも小さい外径を有する段差面52を、周
方向に沿つて少なくとも底部側の部分26aの移動する
領域にわたつて形成したので、中かまに収納されるボビ
ンケースの外径を大きくしても、前記底部側の部分26
aの先端部付近がボビンケース外周面に接触するおそれ
はなく、これによつて中かまとボビンケースとが相互に
干渉することなく、中かまを円滑に半回転駆動すること
ができる。
また本発明によれば、糸案内突起26の底部側の部分2
6aが開口側の部分26bよりも半径方向内方側に形成
されているので、各部分上を通過する上糸の糸越しを容
易に行うことができるようになり、糸だまやルーピング
が生じるおそれがなくなる。その結果、糸案内突起の開
口側の部分26aとボビンケースの外周面との間に下糸
が通過することができるだけの間隔があればよいので、
かま底側の部分が半径方向内方に突出していても、中か
ま内のボビンケースの直径を大きくすることができ、こ
れによつてそのボビンケースに収納されるボビンの直径
を大きくして、そのボビンに巻回される下糸の巻回量を
増加することができるようになる。ボビンに巻回される
下糸の巻回量を増加することによつて、縫製時に頻繋な
ボビンの交換を行う必要がなくなり、したがつて縫製中
に度々ミシンを停止させる必要がなく、縫製作業の効率
を向上することができる。各部分上を通過する上糸の糸
越しを容易に行うことができるようになり、糸だまやル
ーピングが生じるおそれがなくなる。その結果、糸案内
突起の開口側の部分とボビンケースの外周面との間に下
糸が通過することができるだけの間隔があればよいの
で、かま底側の部分が半径方向内方に突出していても、
中かま内のボビンケースの直径を大きくすることがで
き、これによつてそのボビンケースに収納されるボビン
の直径を大きくして、そのボビンに巻回される下糸の巻
回量を増加することができるようになる。ボビンに巻回
される下糸の巻回量を増加することによつて、縫製時に
頻繋なボビンの交換を行う必要がなくなり、したがつて
縫製中に度々ミシンを停止させる必要がなく、縫製作業
の効率を向上することができる。
さらに本発明によれば、前記底部側の部分26aのかま
軸線方向長さL1〜L3は、針糸46の案内方向F下流
になるにつれて小さく形成されるので、このことによつ
てもまた、上糸46の糸越しを容易に行つて不所望な張
力を生じることなく、円滑に縫目を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の中かま20の正面図、第2
図はその中かま20の第1図の右側から見た側面図、第
3図はその中かま20の平面図、第4図は第2図の切断
面線IV−IVから見た拡大断面図、第5図は糸案内突起2
6付近を第1図の矢視M側から見た部分拡大底面図、第
6図は第1図〜第5図に示される中かま21を備えた半
回転かま22の全体斜視図、第7図は半回転かま21の
部分拡大断面図、第8図は針糸46のボビンケース37
への乗り移り動作を説明するための中かま21の正面
図、第9図は糸案内突起26付近を第8図の下方側から
見た拡大底面図、第10図は糸案内突起26をかま軸線
方向に切断した拡大断面図、第11図は典型的な先行技
術の正面図、第12図は半回転かま1の分解斜視図、第
13図は半回転かま1の断面図、第14図は糸案内突起
16付近の拡大斜視図である。 20…中かま、21…半回転かま、25…剣先、26…
糸案内突起、26a,26b…部分、26…側部、27
…凹所、28…基端部、30…先端部、31…針糸案内
面、37…ボビンケース、39…ボビン、40…ドライ
バ、44…針、46…針糸、47…外周面、52…薄肉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−224695(JP,A) 特公 昭53−43106(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸案内突起26の針落ち溝26cよりも中
    かま20の底部側の部分26aの先端部30の内径R1
    を、その底部側の部分26aの基端部28のボビンケー
    ス37を収納する空間の内径R2よりも小さく形成して
    前記底部側の部分26aを、開口側の部分26bよりも
    半径方向内方側に突出させ、 前記底部側の部分26aの凹所27側の針糸案内面31
    は、凹所27の半径方向内方端27aから先端部30に
    なるにつれて前記底部側の部分26aの半径方向厚みが
    小さくなるように傾斜しており、 針糸案内面31の凹所27からの周方向の長さl1を、
    凹所27から剣先25の先端部までの長さl5よりも長
    くし、 ボビンケース37の大略的に直円筒状の筒部51には、
    その筒部51の外周面47の外径よりも小さい外径を有
    する段差面52を、周方向に沿つて少なくとも前記底部
    側の部分26aの移動する領域にわたつて形成し、 前記底部側の部分26aのかま軸線方向長さL1〜L3
    は、針糸46の案内方向F下流になるにつれて小さく形
    成されることを特徴とする半回転かま。
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JPS5343106A (en) * 1976-10-01 1978-04-19 Ikehara Kikai Yuugen Closed system circulating method of boiler
JPS5826873Y2 (ja) * 1977-07-20 1983-06-10 カヤバ工業株式会社 二輪車用油圧緩衝器
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