JPH0627205B2 - アルカリ性物質包装用のポリビニルアルコ−ルフイルム - Google Patents

アルカリ性物質包装用のポリビニルアルコ−ルフイルム

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JPH0627205B2
JPH0627205B2 JP61315604A JP31560486A JPH0627205B2 JP H0627205 B2 JPH0627205 B2 JP H0627205B2 JP 61315604 A JP61315604 A JP 61315604A JP 31560486 A JP31560486 A JP 31560486A JP H0627205 B2 JPH0627205 B2 JP H0627205B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、洗剤等のアルカリ性物質のユニット包装に好
適な変性ポリビニルアルコールフィルムを提供するもの
である。
[従来の技術] 近時洗剤、糊剤、染料、農薬又はその他の各種薬品等を
単位量づつ水溶性フィルムで密封包装して、使用時には
包装のまま必要個数を水中に投入し、内容物を包装フィ
ルムごと水に溶解又は分散させて用いることが行われて
いる。このいわゆるユニット包装によれば、使用時に一
々計量する手間が省けるのみならず、手を汚染したりす
ることもないという利点がある。このようなユニット包
装に使用される水溶性フィルムは、常温の水に容易に溶
解もしくは膨潤してその形態を失なうものであることが
必要であるが、一方包装用フィルムとしてかなりの機械
的強度が要求されるために、もっぱら冷水易溶性の部分
ケン化ポリビニルアルコール製フィルムが使用されてい
る。しかしながらかかる部分ケン化ポリビニルアルコー
ルで各種洗剤あるいは硼砂、炭酸ソーダ等のアルカリ性
化学薬品等を包装するときは、これらの内容物のアルカ
リ性のために部分ケン化ポリビニルアルコールは更にケ
ン化反応をうけて、貯蔵中に次第に完全ケン化ポリビニ
ルアルコールに変化して冷水不溶性もしくは難溶性にな
るという問題がある。そのため、これらのアルカリ性物
質、特に洗剤類は、ユニット包装の利点が大きいと考え
られているにも拘わらず、上記のようなフィルムの特性
のためにユニット包装化が実現できない現状である。
[発明が解決しようとする問題点] かかる対策の一つとして、カルボン酸で変性したポリビ
ニルアルコールフィルムを利用することが試みられてい
る。
しかしながら該フィルムの場合、フィルムの耐熱性や柔
軟性が劣るという難点がある。即ち、前者の欠点はフィ
ルムを溶融成型法で製造したり、あるいはフィルムをユ
ニット包装するためのヒートシール等の熱履歴を受けた
時にフィルムが冷水に溶解しにくくなったり、フィルム
が着色して商品価値が低下する原因となったり、後者の
欠点はユニット包装された洗剤等の取扱い時に、袋の破
断がおこる原因となったりするので、該包装材の用途拡
大のためには是非解決しなければならない問題点であ
る。
更に、冷水易溶性の点でも更に改良が行われれば、より
多くの需要が期待され得るのである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、かかる欠点のないポリビニルアルコールフ
ィルムを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、オキシアル
キレン基、スルホン酸、カチオン性基の少くとも一種を
含有するポリビニルアルコールを製膜してなるフィルム
が洗剤等のアルカリ包装材として有用なことを見出し、
本発明を完成するに到った。
本発明の上記フィルムは耐熱性に優れ、かつ冷水易溶性
であることを共通の効果とし、更にオキシアルキレン基
含有ポリビニルアルコールフィルムの場合は柔軟性に富
み、又、スルホン酸基やカチオン性基を含有するポリビ
ニルアルコールフィルムの場合は、冷水易溶性が一段と
優れている等、それぞれの変性種に応じた副次的効果も
発揮されるのである。しかも特筆すべきことは、アルカ
リ性物質と長時間接触しても不溶性または難溶性に変化
する傾向が全くなく、常に良好な冷水易溶性を維持でき
ることで、そのため本発明のフィルムは洗剤等の各種ア
ルカリ性物質の包装に最適であり、本発明によって初め
てかかるアルカリ性物質のユニット包装が可能となった
のである。
以下、本発明のフィルムについて各変性種ごとに詳細に
説明する。
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール 本発明でいうオキシアルキレン基とは一般式 〔但しR1、R2は水素又はアルキル基、Xは水素(但
し、R1とR2は同時に水素ではない)、アルキル基、ア
ルキルエステル基、アルキルアミド基、スルホン酸塩基
等の有機残基、nは1〜300の整数を示す〕で表わさ
れる構造を有するものである。Xは通常は水素である。
nの数は有利には2〜300,特に好ましくは5〜30
0程のオキシアルキレン基が実用的であり、ポリオキシ
プロピレン基、ポリオキシブチレン基等が効果的であ
る。
オキシアルキレン基を有するビニルアルコール系樹脂は
任意の方法で製造できる。例えば、ポリオキシアルキ
レンの存在下にビニルエステルを重合し、ケン化する方
法、オキシアルキレン基を有する不飽和単量体とビニ
ルエステルを共重合し、ケン化する方法等が挙げられる
が、が樹脂の製造面、性能面から実用的である。
以下の方法について具体的に説明する。
オキシアルキレン基を有する不飽和単量体としては次の
様なものが例示される。但し、本発明ではこれらのみに
限定されるものではない。
(メタ)アクリル酸エステル型 一般式 で示される(但しRは水素又はメチル基、Aはアルキレ
ン基、置換アルキレン基、フェニレン基、置換フェニレ
ン基、mは0又は1以上の整数、nは1〜300好まし
くは2〜300、特に好ましくは5〜300の整数)も
ので、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等が
挙げられる。
(メタ)アクリル酸アミド型 一般式 で示される(但しR3は水素又はアルキル基又は A,R,R1,R2,m,nは前記と同様)もので、ポリオキシプロ
ピレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピレ
ン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプ
ロピル)エステル等が挙げられる。
(メタ)アリルアルコール型 一般式 で示される(R,R1,R2,nは前記と同様)もので、ポリオ
キシプロピレン(メタ)アリルエーテル等が挙げられ
る。
ビニルエーテル型 一般式 で示される(A,R1,R2,m,nは前記と同様)ものでポリオ
キシプロピレンビニルエーテル等が挙げられる。
かかる単量体の中で(メタ)アルコール型のものが好適
に使用される。
ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラ
ウリル酸ビニル、バーサティック酸ビニル、パルミチン
酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が単独又は併用で用い
られるが実用上は酢酸ビニルが好適である。
本発明においては、かかる重合の際に前述した如きオキ
シアルキレン基を有する不飽和単量体、ビニルエステル
以外の他の一般の単量体を水溶性を損なわない範囲で少
量存在せしめて重合を行なっても良い。これらの単量体
を次に例示する。
エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル等 クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、イタコン酸メチ
ル、イタコン酸エチル、ソルビン酸メチル、ソルビン酸
エチル、マレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸
ジアルキルエステル、オレイン酸アルキルエステル、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリ
ル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)
アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、
(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。
飽和カルボン酸のアリルエステル ステアリン酸アリル、ラウリン酸アリル、ヤシ油脂肪酸
アリル、オクチル酸アリル、酪酸アリル等。
α−オレフィン エチレン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オクテン、
α−デセン、α−ドデセン、α−ヘキサデセン、α−オ
クタデセン等。
エチレン性不飽和カルボン酸 (メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸ならびにこれらのアルカリ金
属塩、アンモニウム塩等。
アルキルビニルエーテル プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキ
シルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシル
ビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、テトラデシ
ルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、オク
タデシルビニルエーテル等。
アルキルアリルエーテル プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキ
シルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、デシル
アリルエーテル、ドデシルアリルエーテル、テトラデシ
ルアリルエーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オク
タデシルアリルエーテル等。
その他、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニ
トリル、スチレン、塩化ビニル等の使用も可能である。
共重合するに当たっては特に制限はなく公知で重合方法
が任意に用いられるが、普通メタノール、エタノールあ
るいはイソプロピルアルコール等のアルコールを溶媒と
する溶液重合が実施される。勿論、乳化重合、懸濁重合
も可能である。かかる溶液重合において単量体の仕込み
方法としては、まずビニルエステルの全量と前記オキシ
アルキレン基含有不飽和単量体の一部を仕込み、重合を
開始し、残りの不飽和単量体を重合期間中に連続的に又
は分割的に添加する方法、前者を一括仕込みする方法等
任意の手段を用いて良い。共重合反応は、アゾビスイソ
ブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、
過酸化ラウロイルなどの公知のラジカル重合触媒を用い
て行なわれる。又反応温度は50℃〜沸点程度の範囲か
ら選択される。
ケン化に当たっては共重合体をアルコールに溶解しアル
カリ触媒の存在下に行なわれる。アルコールとしてはメ
タノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。
アルコール中の共重合体の濃度は20〜50重量%の範
囲から選ばれる。ケン化触媒としては水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウ
ムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の
水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を用いるこ
とが必要である。かかる触媒の使用量はビニルエステル
に対して1〜100ミリモル当量にすることが必要であ
る。
かかる場合、ケン化温度は特に制限はないが、通常10
〜70℃好ましくは30〜40℃の範囲から選ぶのが好
ましい。反応は通常2〜3時間にわたって行なわれる。
好ましいケン化度は40〜100モル%、特に好ましく
は60〜100モル%の範囲から選択される。
尚、上記方法に限らず、例えばポリビニルアルコール
(部分ケン化物又は完全ケン化物)に酸化アルキレン類
を付加反応させる方法等も実施可能である。
しかして本発明のオキシアルキレン基を有するポリビニ
ルアルコールにおいて該基の含有量は特に限定されるも
のではないが、通常樹脂全体に対し1〜80重量%、よ
り好ましくは3〜40重量%である。又、4%水溶液の
20℃における粘度は2〜60cps、好ましくは3〜4
0cps程度が実用的である。
スルホン酸基含有ポリビニルアルコール 該ポリビニルアルコールは、以下の如き手段で製造され
る。
エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリル
スルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩と酢酸
ビニル等のビニルエステルとをアルコールあるいはアル
コール/水混合溶媒中で重合し得られる重合体を更にケ
ン化する方法。
一般式 あるいは [Rはアルキル基、R′はアルキレン基、Mは水素又は
アルカリ金属、アンモニウムイオン]で示されるスルホ
アルキルマレートと酢酸ビニル等のビニルエステルとを
共重合させ、得られる共重合体を更にケン化する方法。
上記スルホアルキルマレートにはナトリウムスルホプロ
ピル2−エチルヘキシルマレート、ナトリウムスルホプ
ロピルトリデシルマレート、ナトリウムスルホプロピル
エイコシルマレート等が挙げられる。
一般式 あるいは [R1水素又はメチル基、R2は水素又はアルキル基、
R′,Mはと同様]で示されるスルホアルキル(メ
タ)アクリルアミド例えばN−スルホイソブチレンアク
リルアミドナトリウム塩と酢酸ビニル等のビニルエステ
ルとを共重合させ、得られる共重合体をケン化する方
法。更に一般式 で示されるスルホアルキル(メタ)アクリレート、例え
ばナトリウム2−スルホエチルアクリレートと酢酸ビニ
ル等のビニルエステルとを共重合させ、得られる共重合
体をケン化する方法。
これら〜の具体的な製造法は、前記オキシアルキレ
ン基含有ポリビニルアルコールの場合とほぼ同一であ
る。又、かかる共重合の際には、オキシアルキレン基含
有ポリビニルアルコールの製造法の場合で述べた種々の
共重合性モノマーを併用して差支えない。
ポリビニルアルコールを臭素、ヨウ素等で処理した
後、酸性亜硫酸ソーダ水溶液中で加熱する方法。
ポリビニルアルコールを濃厚な硫酸水溶液中で加熱す
る方法。
ポリビニルアルコールをスルホン酸基を含有するアル
デヒド化合物でアセタール化する方法。
等である。
スルホン酸基は遊離の酸の形であっても、あるいはナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の形であって
も良い。
スルホン酸基含有ポリビニルアルコール中におけるスル
ホン酸基の含有量は、0.1〜20モル%、好ましくは
1〜10モル%が本発明の目的には好適である。
ケン化度は40〜100モル%、好ましくは60〜10
0モル%が実用的であり、更に4%水溶液の20℃にお
ける粘度が2〜60cps、好ましくは3〜40cps程度の
ものが有用である。
カチオン性基含有ポリビニルアルコール 本発明で用いるカチオン性基含有ポリビニルアルコール
とは、次の(a)〜(d)のカチオン性基を含有するポリビニ
ルアルコールを意味し、その製造法を以下に詳述する。
まず、本発明のカチオン性基含有ポリビニルアルコール
は一般式 (a) 又は で表わされるカチオン性基を含む水溶性のビニルアルコ
ールであり、式中R1はアルキレン(置換基を含んでも良
い)R2は水素、アルキル、R3、R4はアルキル、Xは無機
又は有機アニオンである。該樹脂は 又は なるビニルエーテルをビニルエステルと共重合しケン化
して得られる。該カチオン性基含有化合物を例示する
と、ビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ビニロキシ−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド、ビニロキシ−3−
クロロエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ビニ
ロキシ−3−クロロプロピルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ビニロキシ−3−クロロ−2−ヒドロキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライド、ビニロキシ−
2−クロロエチルジメチルアミンの無機酸塩又は有機酸
塩、ビニロキシ−3−クロロ−2−ヒドロキシジメチル
アミンの無機酸塩又は有機酸塩、又ビニロキシエチルジ
メチルアミン、ビニロキシメチルジエチルアミンなどが
挙げられる。
カチオン性基(b)として一般式 (b) 又は (但し式中、R1はアルキレン、R2とR5は水素又はアルキ
ル、R3とR4はアルキル、Xは無機又は有機アニオン、A
はアミド窒素又は酸素)で表わされるカチオン性基を有
する水溶性ポリビニルアルコールはかかるカチオン性基
を有する化合物とギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステルなかんずく酢酸ビニルとを
共重合して得られ、共重合体をケン化して製造される。
該カチオン性基を有する化合物としては、N−アクリル
アミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−
アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、N−アクリルアミドプロピルアンモニウムクロライ
ド、3−アクリルアミド−3−メチルブチルトリメチル
アンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリ
メチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライド、N−メチルジ
メチルアミノアクリルアミドの無機酸塩、又は有機酸
塩、ジエチルアミノエチルメタクリレートの無機酸塩又
は有機酸塩、N−アクリルアミドメチルジメチルアミ
ン、N−アクリルアミドエチルジエチルアミンなどがあ
げられる。
カチオン性基(c)として一般式 (c) 又は (但し式中R2とR3は水素又はアルキル、R3とR4はアルキ
ル、Xは無機又は有機アニオン、n=1〜10)で表わ
されるカチオン性基を有する水溶性ポリビニルアルコー
ルは、かかるカチオン性基を有する化合物とビニルエス
テルなかんずく酢酸ビニルとを共重合して得られる共重
合体をケン化して製造される。該カチオン性基を有する
化合物としては、アリルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、
3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチ
ルアリルアミンの無機酸塩又は有機酸塩、ジメチルメタ
アリルアミンの無機酸塩又は有機酸塩、アリルジメチル
アミン、アリルエチルアミンなどがあげられる。
カチオン性基(d)として一般式 (d) (但し式中、R2とR5は水素又はアルキル、R3はアルキ
ル、Xは無機アニオン又は有機アニオン)で表わされる
カチオン性基を有する水溶性ポリビニルアルコールはか
かるカチオン性基を有する化合物とビニルエステルなか
んずく酢酸ビニルとを共重合して得られる共重合体をケ
ン化して製造される。該カチオン性基を有する化合物と
しては、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジ
エチルジアリルアンモニウムクロライド、エチルジアリ
ルアミンの無機酸塩又は有機酸塩、メチルジアリルアミ
ンの無機酸塩又は有機酸塩などがあげられる。
前記した(a)、(b)、(c)、(d)とビニルエステルとの共重合
に際し、ビニルエステルとしては酢酸ビニルが実用的で
あるが、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル吉草酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニルも用いら
れる。これらは併用することも勿論可能である。
また(a)、(b)、(c)、(d)とビニルエステルとの共重合に際
しては、これらのほかに、他の共重合性単量体、例えば
スチレン、アルキルビニルエーテル、(メタ)アクリル
アミド、エチレン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オ
クテン等のオレフィン、(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の
不飽和酸及びそのアルキルエステル、アルカリ塩、等を
該共重合体の水溶性を損なわない範囲で少量併用し得
る。該ポリビニルアルコールを製造する際の具体的な共
重合手段、ケン化手段はオキシアルキレン基含有ポリビ
ニルアルコールの製造の場合と実質上同一である。
カチオン性含有ポリビニルアルコールにおいて、カチオ
ン性の含量は0.1〜10モル%、好ましくは0.1〜
5モル%が適当であり、4%水溶液の20℃における粘
度は2〜60cps好ましくは3〜40cpsが望ましい。ケ
ン化度は40〜100モル%、好ましくは60〜100
モル%である。
これらのポリビニルアルコールを製膜するに当っては、
その水溶液を流延するか、適当な可塑剤又は水の存在下
に溶融押出する等の任意の方法が採用されうる。その際
必要に応じて、着色料、香料、増量剤、消泡剤、剥離
剤、紫外線吸収剤剤等の通常の添加剤を適宜配合しても
差支えない。又、必要に応じて特性を失わない範囲で通
常のポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセ
ルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロ
ース等の他の水溶性樹脂を混合して製膜してもよい。
[作用] 本発明のフィルムは粉末石鹸、合成洗剤等の洗剤のユニ
ット包装に特に好適であるが、洗剤に限らずアルカリ性
を呈する固体状物で使用時に水に溶解して用いる物であ
ればいずれもその対象となりうる。ここでいう水には酸
やアルカリ等が溶解していても良く、pH1〜14程度
のいずれの水にも投入可能である。包装袋の形状につい
ては、必要に応じて任意に選択され、1個づつ独立した
形状のものの他に、小袋が連続した帯状に構成して、必
要個数づつ切り取って使用する如くしてもよい。使用時
にはこれらの袋を常温の水又は常温に近い冷水又は温水
中に投入すれば急速に膨潤して破袋してその内容物を水
中に放出する。膨潤した袋の残片は、短時間の内に溶解
して、不溶性の残渣を残すことはない。適宜、撹拌すれ
ば袋及び内容物の溶解はより迅速に行われる。尚、袋を
構成する変性ポリビニルアルコールは多くの用途におい
て溶液中に溶存していても支障を来たすことはなく、む
しろ洗剤の包装の場合には、繊維糊剤として、また農薬
等の包装の場合は展着剤もしくは乳化剤としての作用を
有するので有益である。
[実例] 次に実例を挙げて本発明のフィルムを更に具体的に説明
する。「%」は特に断わりのない限り重量基準である。
実例1〜6 第1表に示す如き各種のオキシアルキレン基含有不飽和
単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化して得られた
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールの15%
水溶液を調製し、ガラス板上で流涎法によって厚さ50
μのフィルムを製造した。このフィルムについて以下の
測定を行い第1表にまとめて示した。
(1)冷水易溶性:15℃の水1,000ccに3cm×3
cmのフィルムを浸漬し、撹拌下に完溶するまでの時間を
測定した。
(2)耐アルカリ性:炭酸ナトリウムを実包し、40℃
×85%RHの条件にて15日間放置した袋から3cm×
3cmのフィルム片を採取し、15℃の水1,000ccに
浸漬し、撹拌下に完溶するまでの時間を測定した。
(3)耐熱性:フィルムを150℃でヒートシールテス
ターを用いて2秒,1Kg/cm2の加圧下にヒートシール
を行い、そのヒートシール部分について(1)と同一の
測定を行った。
実例7〜12 第2表に示す如き各種のスルホン酸基含有不飽和単量体
と酢酸ビニルとの共重合体をケン化して得られたスルホ
ン酸基含有ポリビニルアルコールの15%水溶液を調製
し、ガラス板上で流涎法によって厚さ50μのフィルム
を製造した。このフィルムについて実例1と同一の測定
を行い第2表にまとめて示した。
実例13〜18 第3表に示す如き各種のカチオン性基含有不飽和単量体
と酢酸ビニルとの共重合体をケン化して得られたカチオ
ン性基含有ポリビニルアルコールの15%水溶液を調製
し、ガラス板上で流涎法によって厚さ50μのフィルム
を製造した。このフィルムについて実例1と同一の測定
を行い第3表にまとめて示した。
[効果] 本発明のポリビニルアルコールフィルムには、オキシア
ルキレン基、スルホン酸基、カチオン性基等の特殊な官
能基が導入されているため、冷水易溶性にすぐれ、かつ
熱履歴を受けてもその性質が何等損なわれないという特
徴をもち、洗剤等の包装用として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキシアルキレン基、スルホン酸基、カチ
    オン性基の少くとも一種を含有するポリビニルアルコー
    ルを製膜してなるアルカリ性物質包装用のポリビニルア
    ルコールフィルム。
JP61315604A 1986-12-27 1986-12-27 アルカリ性物質包装用のポリビニルアルコ−ルフイルム Expired - Fee Related JPH0627205B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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