JP3623562B2 - ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オキシアルキレン基を含有したビニルエステル系樹脂の水性液を用いたビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ケン化度が70モル%以下のビニルエステル系樹脂(低ケン化ポリビニルアルコール系樹脂)は、ビニル系化合物(特に塩化ビニル)の懸濁重合用分散助剤として広く利用されている。
しかし、ケン化度が70モル%以下のビニルエステル系樹脂は、水に不溶であるため、懸濁重合に用いるときは粉体のまま添加したり、或いは水/アルコール系や水/ケトン系の溶液に溶解させた後に添加したりされており、前者の方法では仕込み時の作業性が悪く、かつ分散助剤としての効果が十分に発揮することができず、また後者の方法ではアルコール溶剤による環境汚染等の問題が生じてくる。
かかる問題点を解決するために、側鎖にアミノ基,アンモニウム基,カルボキシル基,スルホン基等を有したビニルエステル系重合体を分散質とする水性分散液を用いることが提案されている。(特開平4−154810号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の水性分散液ではビニル系化合物の重合時の緩衝剤の使用量、緩衝剤の投入時期、重合系内の酸素濃度等により重合系内のpH値の範囲(3〜8)が変化するためか、その特性(ポロシティーアップ、ポロシティー分布の均一性、脱モノマー性や可塑剤吸収能の向上等)を十分発揮することができない場合があり、更には重合安定性が不良になったり、スケールの付着等が著しくなるなどの懸念があり、重合安定性に優れ、スケールの付着等がなく、かつ脱(塩ビ)モノマー性等の良好なビニル系重合体粒子が得られるビニル化合物の懸濁重合用分散助剤が望まれているのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる事情に鑑みて鋭意検討した結果、本発明者らは、下記の化1で示されるオキシアルキレン基の含有量が1〜3モル%でケン化度が70モル%以下、完全ケン化物の25℃での4%水溶液粘度が15cps未満のビニルエステル系樹脂を10〜45重量%含有する水性液をビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤に用いたとき、かかる水性液の放置安定性が特に優れ、かかる水性分散液をビニル系化合物の懸濁重合に供したとき従来のイオン変性の分散助剤に比べ、ビニル系化合物の重合条件に左右されずに均一なポロシティー分布、可塑剤吸収性、脱モノマー性及び重合安定性、スケール付着防止能に優れることを見いだし本発明の完成に至った。なお、本発明の水性液とは、水性分散液、水溶液等を包含するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤は、オキシアルキレン基の含有量が1〜3モル%でケン化度が70モル%以下、完全ケン化物の25℃での4%水溶液粘度が15cps未満のビニルエステル系樹脂を分散質とし、その含有量が10〜45重量%である水性液で、かかるオキシアルキレン基とは、上記の化1で表されるものであるが、一般的には下記の化2で表されるものである。
【0006】
【化2】
(但し、R1,R2は水素又はアルキル基、nは2〜300の整数を示す。)
上記の化1或いは化2においては、nの数が5〜300程度のオキシアルキレン基が実用的であり、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等が効果的である。
【0007】
オキシアルキレン基を有するビニルエステル系樹脂は任意の方法で製造できる。例えば▲1▼ポリオキシアルキレンの存在下にビニルエステルを重合する方法、▲2▼オキシアルキレン基を有する不飽和単量体とビニルエステルを共重合する方法等が挙げられるが、▲2▼が樹脂の製造面、性能面等から実用的である。
以下▲2▼の方法について具体的に説明する。
【0008】
オキシアルキレン基を有する不飽和単量体としては次の様なものが例示される。但し、本発明ではこれらのみに限定されるものではない。
[(メタ)アクリル酸エステル型]
下記の化3で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【化3】
(但し、Rは水素又はメチル基、Aはアルキレン基,置換アルキレン基,フェニレン基,置換フェニレン基のいずれか、mは0又は1以上の整数、R1,R2は水素又はアルキル基、nは2〜300、好ましくは5〜300の整数を示す
。)
【0009】
[(メタ)アクリル酸アミド型]
下記の化4で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル等が挙げられる。
【化4】
(但し、R3は水素又はメチル基又は上記の化2を表し、A,m,R1,R2,nは前記と同様。)
【0010】
[(メタ)アリルアルコール型]
下記の化5で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
【化5】
(但し、R,R1,R2,nは前記と同様。)
【0011】
[ビニルエーテル型]
下記の化6で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等が挙げられる。
【化6】
(但し、R,R1,R2,m,nは前記と同様。)
これらのオキシアルキレン基を含有する単量体の中でも化5で示される(メタ)アリルアルコール型のものが好適に使用される。
また、上記の単量体と共重合するビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、バーサティック酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が単独又は併用で用いられるが、工業的には酢酸ビニルが好適である。
【0012】
本発明においては、かかる重合の際に前述した如きオキシアルキレン基を有する不飽和単量体、ビニルエステル以外の他の一般の単量体を50モル%以下共存せしめて重合を行なっても良い。これらの単量体を次に例示する。
[エチレン性不飽和カルボン酸及びそのアルキルエステル等]
クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、イタコン酸メチル、イタコン酸エチル、ソルビン酸メチル、ソルビン酸エチル、マレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、オレイン酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。
【0013】
[飽和カルボン酸のアリルエステル]
ステアリン酸アリル、ラウリン酸アリル、ヤシ油脂肪酸アリル、オクチル酸アリル、酪酸アリル等。
[α−オレフィン]
エチレン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オクテン、α−デセン、α−ドデセン、α−ヘキサデセン、α−オクタデセン等。
[エチレン性不飽和カルボン酸]
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ならびにこれられのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等。
【0014】
[アルキルビニルエーテル]
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、テトラデシルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等。
[アルキルアリルエーテル]
プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、デシルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテル、テトラデシルアリルエーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オクタデシルアリルエーテル等。
その他、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アリルスルホン酸塩、エチレン性不飽和スルホン酸塩、スチレン、塩化ビニルやアミノ基、アンモニウム基、カルボキシル基、スルホン酸基等を含有するチオール系の連鎖移動剤などの使用も可能である。
【0015】
共重合するに当たっては特に制限はなく公知の重合方法が任意に用いられるが、普通メタノール、エタノールあるいはイソプロピルアルコール等のアルコールを溶媒とする溶液重合が実施される。勿論、乳化重合、懸濁重合も可能である。かかる溶液重合において単量体の仕込み方法としては、まずビニルエステルの全量と前記オキシアルキレン基含有不飽和単量体の一部を仕込み、重合を開始し、残りの不飽和単量体を重合期間中に連続的に又は分割的に添加する方法、前者を一括仕込みする方法等任意の手段を用いて良い。共重合反応は、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの公知のラジカル重合触媒や低温活性触媒を用いて行われる。又反応温度は40℃〜沸点程度の範囲から選択される。
ビニルエステル成分は、それを更にケン化してビニルアルコール成分に変えることも可能であり、このときのケン化度は70モル%以下であることが必要で、該ケン化度が70モル%を越えると脱モノマー性やポロシティー分布の均一性、可塑剤吸収性向上の点で不十分であり、好ましくは60モル%以下、更に好ましくは30〜50モル%である。
【0016】
ケン化に当たっては共重合体をアルコール、ベンゼン、酢酸メチル等に溶解しアルカリ触媒の存在下に行なわれる。アルコールとしてはメタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。アルコール中の共重合体の濃度は20〜50重量%の範囲から選ばれる。
ケン化触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を用いることが必要である。かかる触媒の使用量はビニルエステルに対して1〜100ミリモル当量にすることが必要である。
また、該水性液からなる分散助剤の放置安定性を上げるために硫酸、塩酸等の酸触媒を用いてケン化を行うことも可能である。
【0017】
しかして、本発明に用いるオキシアルキレン基を有するビニルエステル系樹脂が得られるわけであるが、かかるオキシアルキレン基の含有量は、1〜3モル%であることが必要で、該含有量が1モル%未満では、水性液の分散安定性が悪く、逆に3モル%を越えるとビニル系重合体(PVC)のポロシティー分布の均一性、ポロシティー向上性、脱モノマー性が低下して不適である。本発明の分散助剤は、上記のビニルエステル系樹脂を分散質として、水中に10〜45重量%の割合で分散又は溶解させたもので、該樹脂の割合が10重量%未満では、該水性液の放置安定性が低下し、逆に45重量%を越えると該水性液の流動性が著しく低下したり或いはゲル状となったりして不適である。
【0018】
かかる水性液を得る方法としては、特に限定されず、ケン化時のアルコールをスチーム等の吹き込みにより水に置換する方法、撹拌下で水中へポリ酢酸ビニル系重合体を投入し、引き続き撹拌する方法、更に加熱を併用する方法等が挙げられる。本発明の水性液からなる分散助剤は、樹脂分10〜45重量%で、分散剤や乳化剤を使用しなくても1年以上の良好な放置安定性が得られる。
【0019】
次に得られたビニルエステル系樹脂の水性液を分散助剤として用いたビニル系化合物の懸濁重合法について説明する。
懸濁重合を行う際には、通常水又は加熱水媒体に本発明の分散助剤と分散安定剤として添加し、ビニル系モノマーを分散させて油溶性触媒の存在下で重合を行う。かかる分散安定剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン或いはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子等が挙げられ、中でもケン化度65〜90モル%で重合度500〜3500のポリビニルアルコールが好適に用いられ、分散安定剤の種類等によって一概に言えないが分散安定剤と分散助剤の添加量の重量比は90/10〜30/70の範囲が好ましく、特に80/20〜50/50が好ましい。
該分散安定剤及び分散助剤は、重合の初期に一括仕込みしても、又重合の途中で分割して仕込んでもよい。
【0020】
更に、本発明の分散助剤には、本発明の効果を阻害しない範囲においてカチオン系、アニオン系又はノニオン系の界面活性剤を加えてもよい。
また、使用される触媒としては、油溶性の触媒であれば特に限定されず、例えば、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、γ−クミルパーオキシネオデカネート、ベンゾールパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,α′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド或いはこれらの混合物が使用される。
重合温度は、当業者周知の範囲から任意に選択される。
【0021】
懸濁重合の対象となるモノマーとしては、塩化ビニルの単独重合のみではなく、これと共重合可能なモノマー、例えばハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又はその無水物やエチレン、プロピレン、スチレン等との共重合物にも好適であり、更には塩化ビニル用に限らず、スチレン、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル等任意のビニル化合物の懸濁重合用にも使用することができる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
なお,実施例中「%」、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
オキシエチレンの付加モル数が平均15のポリオキシエチレンモノアリルエーテルと酢酸ビニルをメタノール中でアゾビスイソブチロニトリルの存在下で共重合し、次いで残存モノマーを追い出した後、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加えてケン化して表1に示される如きオキシエチレン基含有ポリビニルアルコール共重合体を得た。
得られたオキシエチレン基含有ポリビニルアルコール共重合体を分散質としてニーダーにより水に分散させて40%濃度の水性液を調製し、以下の要領で分散性及び放置安定性を調べた。
(分散性)
目視により、共重合体の析出やゲルの発生等の状況を調べた。
(放置安定性)
水性液を20℃で6ケ月放置し、放置前後の分散質の分散(又は溶解)状態を目視観察して、凝集、沈殿の発生等の変化の有無を調べた。
【0023】
実施例2〜8、比較例1〜4
実施例1に準じて、表1に示す如きオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール共重合体を作製し、同様に表2に示される水性液を調製して、同様に水性液の評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表2に併せて示す。
【0024】
また、ケン化度はオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール共重合体の酢酸ビニル成分のケン化度を表し、4%粘度は該共重合体を完全ケン化して4%の水溶液としたときの25℃での粘度を測定したものである。
【0025】
【0026】
実施例9
上記実施例1で得れらた水性液を分散助剤として用いて以下の要領でポリ塩化ビニルの重合を行って、得られたポリ塩化ビニル粒子について、後述の如き性能評価を行った。
撹拌機を備えたオートクレーブ中に塩化ビニルモノマー100重量部、水150重量部、上記実施例1の水性(分散)液0.05重量部(オキシエチレン基含有ポリビニルアルコール共重合体の固形分換算で0.02重量部)及び分散剤(A)として重合度2400,ケン化度80モル%のポリビニルアルコール0.08部を用い、更にラウロイルパーオキサイド0.2重量部を仕込み、回転数400rpmで撹拌しながら温度60℃にて懸濁重合を行って、ポリ塩化ビニル粒子を得た。
【0027】
実施例10〜16
実施例9に準じて、表3に示される分散剤を用いて同様にポリ塩化ビニルの重合を行って、同様に評価を行った。
なお、実施例11及び15では、ポリビニルアルコール系分散剤(A)に更に重合度2500,ケン化度88モル%のポリビニルアルコール系分散剤を0.04部(実施例11)あるいは重合度2500,ケン化度80モル%のポリビニルアルコール系分散剤を0.02部(実施例15)加えて2種類の主分散剤を使用した。
実施例9〜16のポリ塩化ビニル重合の評価結果を表4に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
<嵩密度>
JIS K 6721に準拠した。
<可塑剤吸収性>
プラストグラフに接続されたプラネタリー型ミキサーに得られたポリ塩化ビニル粒子60部とDOP(ジオクチルフタレート)40部の混合物を投入して、80℃で撹拌しながら各時間毎の混練トルクを測定し、混練トルクが低下するまでの経過時間を調べた。
評価基準は以下の通り。
A −−− 3分未満
B −−− 3〜5分未満
C −−− 5分以上
【0031】
<残存モノマー>
得られたポリ塩化ビニル粒子の一定量をTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させて、ガスクロマトグラフにより残存する塩化ビニルモノマーを定量した。
<フィッシュアイ>
得られたポリ塩化ビニル粒子100部、DOP(ジオクチルフタレート)50部、ジオクチル錫ラウレート3部及びステアリン酸亜鉛1部を155℃でロール練りして0.3mm厚のシートを作製し100mm×100mm当たりのフィッシュアイの数を測定した。
評価基準は以下の通り。
A ――― 0〜4個
B ――― 5〜11個
C ――― 11個以上
【0032】
<スケール付着性>
重合体スラリーを重合缶外に取り出した後、缶内におけるスケールの付着の状態を目視観察した。
評価基準は以下の通り。
A −−− スケールの付着がなく、重合缶内の金属光沢が見える
B −−− 重合缶内の金属光沢が明瞭でない
C −−− 重合缶内の全面にフィルム状のスケールが確認できる
【0033】
【発明の効果】
本発明のビニル化合物の懸濁重合用分散助剤は、オキシアルキレン基含有ビニルエステル系樹脂の水性液を用いているため、かかる水性液の安定性は良好で、かかる水性液をビニル系化合物の懸濁重合に供したときは、従来のイオン変性分散助剤に比べてビニル系化合物の重合条件に左右されることなく良好なビニル系化合物の重合物が得られ、特に均一なポロシティー分布、可塑剤吸収性、脱モノマー性及び重合安定性、スケール付着防止能に優れ、ビニル系化合物の懸濁重合用の分散助剤として大変有用性が高く、かかる分散助剤を用いて懸濁重合された塩化ビニルは、成形加工性に優れ、フィルム、ホース、シート、ビニルレザー、ビニル鋼板、防水帆布、塗装布、工業用手袋、印刷用ロール、靴底、発泡体、人形、クッション等の用途に利用することができる。
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