JP3784533B2 - 水溶性フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は農薬および殺菌剤などの薬剤包装用として優れた性能を有するポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、農薬などの各種薬剤を単位量づつ水溶性フィルムに密封包装して、使用時にその包装形態のまま水中に投入し、内容物を水に溶解または分散して使用する方法(ユニット包装)が多く用いられてきている。このユニット包装の利点は使用時に危険な薬品に直接触れることなく使用できること、一定量が包装されているために使用時の計量が不要であること、薬剤の包装に使用した容器や袋などの使用後の処理が不要または簡単であることなどである。
従来、ユニット包装用の水溶性フィルムとしては、部分けん化PVA系フィルムが用いられていた。従来の水溶性フィルムは冷水易溶性や機械的強度に優れているが、包装する薬剤の種類によっては、保存中にフィルムの水溶性が経時的に低下し、水に不溶性または難溶性になるという問題があった。
【0003】
部分けん化PVA系フィルムが水に不溶性となるような薬剤としては、アルカリ性物質、酸性物質、塩素含有物質、銅やコバルトなどの多価金属塩を有する化合物、多価カルボン酸含有物質、多価アミン含有物質、ホウ酸含有物質、殺虫剤、除草剤などの農薬および殺菌剤などがある。
アルカリ性物質を包装するフィルムとしては、カルボン酸塩で変性したPVAフィルムが知られている。また、ソルビトールを配合したPVAフィルムは、耐ホウ酸性を有するという報告がある。
【0004】
酸性物質、塩素系物質(殺菌剤など)、農薬を包装するフィルムとしては、ポリエチレンオキサイド系フィルムおよびセルロース系フィルムが知られているが、水への溶解速度が非常に遅く、機械的物性が不足し、硬く脆いために低温での耐衝撃性が極端に小さいという欠点がある。
農薬や殺虫剤などを包装するフィルムとしては、PVAおよびカルボン酸エステル変性PVAに、ポリエチレングリコールおよび没食子酸プロピルなどの助剤を配合してなる水溶性フィルムが知られている(特開昭53−24351号)。また、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム変性PVAに、ビスフェノールAなどのフェノール誘導体を配合してなる農薬包装用の水溶性フィルムが知られている(特開平7−118407号)。しかしながら、従来のPVA系フィルムは、酸性物質、塩素含有物質、農薬および殺菌剤などの薬剤を包装して長期間保存すると、フィルムが褐色に変色し、冷水や熱水に不溶性となり、水溶性フィルムとしての機能が失われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、機械的強度に優れ、柔軟でタフネスを有し、さらに長期間に渡って農薬や殺菌剤などの薬剤を包装した場合であっても、初期の水易溶性が保持される水溶性フィルムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、酸性物質、塩素系物質または農薬を包装してなる包装体を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、上記の水溶性フィルムの製造原料などに好適な組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、スルホン酸基を有する変性ポリビニルアルコール(A)100重量部および没食子酸またはその炭素数1〜5のアルキルエステル(B)0.05〜20重量部からなる水溶性フィルム;該水溶性フィルムを用いて、酸性物質、塩素系物質または農薬を包装してなる包装体;スルホン酸基を有する変性ポリビニルアルコール(A)100重量部および没食子酸またはその炭素数1〜5のアルキルエステル(B)0.05〜20重量部からなる組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に使用するスルホン酸基を有する変性PVA(A)は、ビニルエステルとスルホン酸基含有単量体との共重合体のけん化物、あるいはポリビニルエステルのけん化物であるPVAにスルホン酸基を有する化合物を反応付加した重合体である。
【0008】
ビニルエステルとスルホン酸基含有単量体との共重合体のけん化物は、ビニルエステルとスルホン酸基含有単量体を塊状またはアルコールなどの溶媒中でラジカル開始剤の存在下で共重合した後、アルカリまたは酸触媒を作用させて部分的にあるいは高度にけん化することにより得られる。
ここで、ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、工業的に生産されコスト的に有利な酢酸ビニルが通常使用される。
スルホン酸基含有単量体としては、分子内にスルホン酸基またはその塩を含有し、ビニルエステルと共重合可能なものであればいずれも使用できる。具体例としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びそれらのアルカリ金属塩;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸などのオレフィンスルホン酸、及びそれらのアルカリ金属塩が挙げられる。これらの中でも、ビニルエステルとの共重合反応性やけん化時の安定性などの点から、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはそのアルカリ金属塩が最も好ましい。ここで、アルカリ金属としては、Na、K、Liなどが挙げられる。また、その類似物として、アンモニウムやアミンなどの塩が挙げられる。なお、スルホン酸基が酸の形態である場合も本発明に使用可能であるが、共重合中におけるビニルエステルの加水分解を防止するために、部分的にあるいは完全にアルカリ金属で中和されている方が好ましい。
次に、ビニルエステルとスルホン酸基含有単量体との共重合体をアルコール溶液中でアルカリまたは酸触媒を用いてけん化することにより、本発明に用いられるスルホン酸基を有する変性PVAが得られる。
【0009】
ポリビニルエステルのけん化物であるPVAにスルホン酸基を有する化合物を反応付加した重合体は、アセタール化反応やマイケル付加反応などによりスルホン酸基を有する化合物をPVAに導入した重合体である。
アセタール化反応に使用されるスルホン酸基を有する化合物としては、ブチルアルデヒドスルホン酸塩、ベンズアルデヒドスルホン酸塩などのスルホン酸基を有するアルデヒド化合物である。
マイケル付加反応に使用されるスルホン酸基を有する化合物としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、及びそれらのアルカリ金属塩などのスルホン酸基を有する不飽和化合物である。
これらの方法のほかに、エステル化反応によりスルホン酸基を有するアルコール化合物をPVAに付加したり、縮合反応によりスルホン酸基を有するハロゲン化合物をPVAに導入する方法が用いられる。
【0010】
変性PVA(A)中におけるスルホン酸基含有単位の含有量は、0.1〜20モル%が好ましく、0.5〜10モル%がより好ましく、1〜5モル%が特に好ましい。水溶性フィルムの場合には、フィルムの機械的な物性も重要であり、10〜100μmの薄い厚さの場合であっても強度と柔軟性が要求されることから、変性PVA(A)の粘度平均重合度(以下、重合度と略記する)は300〜10000が好ましく、500〜8000がより好ましい。重合度が300未満ではフィルム強度が低下する傾向にあり、重合度が10000より大きいとフィルムを調製するときの溶液粘度が高くなり作業性が低下する。
【0011】
変性PVA(A)のけん化度は、フィルムにした場合に、水溶性および耐薬品性を示すことが必要であり、フィルム強度、フィルムの腰、製袋性を考慮すると、50〜100モル%、好ましくは80〜100モル%である。
【0012】
本発明に使用する没食子酸またはその炭素数1〜5のアルキルエステル(B)は、水溶性フィルムが水に不溶性となるのを防止する作用を有する化合物である。具体的には、没食子酸、およびその塩、没食子酸のメチル、エチル、プロピル、イソアミルなどのエステルが挙げられる。これらの中でも、没食子酸および没食子酸プロピルが特に好ましい。成分(B)の配合量は、成分(A)100重量部に対して0.05〜20重量部であり、好ましくは0.2〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。成分(B)の配合量が0.05重量部未満の場合には薬剤を包装した状態で保存中に水溶性が低下し、水不溶性になる。一方、成分(B)の配合量が20重量部を越える場合にはフィルム強度が大きく低下したり、フィルム表面に白色粉末が析出する。
【0013】
本発明の水溶性フィルムは、成分(A)および成分(B)に加えて、還元性を有するヒドロキシカルボン酸(C)を併用することにより、放置時の安定性が飛躍的に改良される。さらに、鉄イオンのような多価金属イオンが原因となる着色も防止される。
還元性を有するヒドロキシカルボン酸(C)としては、クエン酸、酒石酸、L−アスコルビン酸、リンゴ酸、ブドウ酸、及びそれらの塩が挙げられる。これらの中でも、クエン酸、酒石酸、L−アスコルビン酸が好ましく、クエン酸が特に優れている。成分(C)の配合量は、PVA(A)100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましく、0.1〜3重量部が特に好ましい。
【0014】
本発明の水溶性フィルムは、高温多湿の地域や寒冷地においても運搬、貯蔵および使用がなされるため、フィルムの強度やタフネスが要求される。特に低温での耐衝撃性が必要とされることから、フィルムのガラス転移点を下げる目的で種々の可塑剤が用いられる。可塑剤としては、PVAの可塑剤として用いられているものであれば使用可能である。具体例としては、グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコールなどの多価アルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテル類;ビスフェノールA、ビスフェノールSなどのフェノール誘導体;N−メチルピロリドンなどのアミド化合物;グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコールへエチレンオキサイドを付加した化合物;水などが挙げられる。これらの可塑剤は、単独あるいは2種類以上を併用してもよい。
【0015】
製膜方法としては、変性PVA(A)の水溶液に、成分(B)および所望により成分(C)を添加し、溶解あるいは分散させた後、流延製膜する方法、適当な可塑剤または水の存在下で溶融押出製膜する方法が挙げられる。その際、必要に応じて着色剤、香料、増量剤、消泡剤、剥離剤、紫外線吸収剤、無機粉体、界面活性剤、防腐剤、防黴剤などの通常の添加剤を適宜配合しても差し支えない。また必要に応じて、本発明の特徴を失わない範囲内で、成分(A)以外のPVA、澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどの水溶性高分子を添加しても良い。
【0016】
本発明の水溶性フィルムを用いて包装する薬剤としては、酸性物質、塩素系物質、農薬および殺菌剤などの薬剤などが好ましい。そのほか、洗剤、染料および植生関係物質などの薬剤も包装可能である。
酸性物質としては、水に溶解または分散したときに酸性を示す物質であり、農薬、殺菌剤および消臭剤などが挙げられる。
塩素系物質としては、分子中に塩素を含有する物質であり、農薬、殺菌剤および漂白剤などが挙げられる。具体的には、イソシアヌル酸トリクロライド、イソシアヌル酸ジクロライド、イソシアヌル酸ジクロライドのナトリウム塩、N,N-ジクロロヒダントイン、N-クロロ-N-ブロモ-5,5-ジメチルヒダントインなどが挙げられる。
農薬としては、クロルピクリン、1,3−ジクロロプロペン、ジクロロイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
薬剤の形状は、顆粒状、錠剤、粉体、場合によっては液状でも良い。また、タルク、カオリン、ベントナイト、珪藻土などの担体、展開剤、水への親和性を向上させたり均一に分散するための界面活性剤や分散剤などが含まれていても差し支えない。
【0017】
本発明によると、成分(A)100重量部および成分(B)0.05〜20重量部からなる組成物が提供される。さらに、本発明によると、成分(A)100重量部、成分(B)0.05〜20重量部および成分(C)0.01〜10重量部からなる組成物が提供される。これらの組成物は、上記において説明した水溶性フィルムなどの製造原料などの他に、不織布などに使用される繊維などの製造原料にも好適である。
【0018】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中とくに断りのないかぎり、「%」および「部」は重量基準を表す。
【0019】
実施例1
酢酸ビニルとアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムをメタノール溶媒中で共重合して得られた共重合体のメタノール溶液に、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を添加して、けん化反応を行うことにより、重合度1700、けん化度88モル%、スルホン酸基含有単位の含有量2モル%のスルホン酸基を有する変性PVAを得た。
この変性PVA100部に対して、没食子酸プロピル1部、クエン酸0.2部、可塑剤としてグリセリン20部を添加して、均一な水溶液を作成し、70℃の熱ロールへ流延し、厚さ40μmの変性PVAフィルムを得た。
この変性PVAフィルムを用いて、袋(10cm,15cm)を作成した。この袋に、トリクロロイソシアヌル酸を主成分とするプール殺菌剤の錠剤35gを入れた後、熱シールして密封することにより、内部に薬剤を有する包装体を得た。アルミニウムの表面にポリエチレンをラミネートしたフィルム(以下、アルミニウムラミネートフィルムと略記する)を用いて、上記で得られた包装体の外側を包んだ後、熱シールして密封することにより2重包装体を作成した。
長期保存テストの促進試験として、薬剤を包装した2重包装体を40℃の恒温器中に3ヶ月間放置した後、PVAフィルムの水溶性の変化、PVAフィルムの着色および2重包装体からアルミニウムラミネートフィルムを除去した状態での臭気を下記の方法で調べた。評価結果を表1に示す。
[PVAフィルムの水溶性の測定方法]
PVAフィルムを正方形(40mm,40mm)に切り、これを外枠で挟み、撹拌している水(20℃,10℃)中に浸漬し、PVAフィルムが完全に溶解するまでの時間(秒数)を測定した。なお、30分間で溶解しない場合には、水不溶と判定した。
[PVAフィルムの着色]
評価結果を下記の記号で示す。
○:着色なし
△:わずかに黄色に着色
×:褐色に着色
[包装体からの臭気]
2重包装体からアルミニウムラミネートフィルムを除去し、PVAフィルムのみで包装した状態で、臭気の官能テストを行った。評価結果を下記の記号で示す。
○:臭気なし
△:少し臭気がある
×:臭気が激しい
【0020】
実施例2
実施例1と同様にして、酢酸ビニルとアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムを共重合し、けん化反応を行うことにより、重合度1250、けん化度97モル%、スルホン酸基含有単位の含有量4モル%のスルホン酸基を有する変性PVAを得た。
この変性PVA100部に対して、没食子酸プロピル1部、クエン酸0.5部、可塑剤としてグリセリン10部、ジグリセリン15部を添加したほかは、実施例1と同様にして、厚さ40μmの変性PVAフィルムを得た。
この変性PVAフィルムを用いて、トイレの洗浄殺菌剤(界面活性剤を含むジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)30gの錠剤を包装したほかは、実施例1と同様にして、2重包装体を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0021】
実施例3
実施例1と同様にして、酢酸ビニルとアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムを共重合し、けん化反応を行うことにより、重合度1250、けん化度98モル%、スルホン酸基含有単位の含有量4モル%のスルホン酸基を有する変性PVAを得た。
この変性PVA100部に対して、没食子酸エチル0.8部、L−アスコルビン酸0.3部、可塑剤としてグリセリン15部、ポリエチレングリコール#300を10部を添加したほかは、実施例1と同様にして、厚さ40μmの変性PVAフィルムを得た。
この変性PVAフィルムを用いて、ブロモ,クロロ-5,5-ジメチルヒダントインを含む殺菌剤を包装したほかは、実施例1と同様にして、2重包装体を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0022】
実施例4
L−アスコルビン酸を配合しないこと以外は、実施例3と同様にして、厚さ40μmの変性PVAフィルムを作成した。
この変性PVAフィルムを用いて、実施例3と同様にして、ブロモ,クロロ-5,5-ジメチルヒダントインを含む殺菌剤を包装した2重包装体を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0023】
実施例5
重合度1700、けん化度99.6モル%のPVA水溶液(塩酸により酸性に調節)に、スルホン酸ベンズアルデヒドを5モル%(PVA中のビニルアルコール単位に対する量)添加し、アセタール化反応によりスルホン酸ベンズアルデヒドを付加させることにより、スルホン酸基を有する変性PVAを得た。
この変性PVA100部に対して、没食子酸2.5部、酒石酸を1部、可塑剤としてグリセリン10部、ジグリセリン15部を添加したほかは、実施例1と同様にして、厚さ40μmの変性PVAフィルムを得た。
この変性PVAフィルムを用いて、実施例1と同様にして、プール殺菌剤を包装した2重包装体を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0024】
比較例1
没食子酸プロピルおよびクエン酸を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ40μmの変性PVAフィルムを作成した。
この変性PVAフィルムを用いて、実施例1と同様にして、プール殺菌剤を包装した2重包装体を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0025】
比較例2
没食子酸プロピルを添加しないこと以外は、実施例2と同様にして、厚さ40μmの変性PVAフィルムを作成した。
この変性PVAフィルムを用いて、実施例2と同様にして、トイレの洗浄殺菌剤を包装した2重包装体を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0026】
比較例3
スルホン酸基を有する変性PVAに代えて、重合度1700、けん化度88モル%の無変性を用いたほかは、実施例1と同様にして、厚さ40μmの無変性PVAフィルムを得た。
この無変性PVAフィルムを用いて、実施例1と同様にして、プール殺菌剤を包装した2重包装体を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0027】
比較例4
没食子酸プロピルに代えて、ビスフェノールA 7部を添加したほかは、実施例1と同様にして、厚さ40μmの変性PVAフィルムを得た。
この変性PVAフィルムを用いて、実施例1と同様にして、プール殺菌剤を包装した2重包装体を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
本発明の水溶性フィルムは、酸性物質、塩素系物質または農薬薬剤などをユニット包装した場合であっても、水溶性が経時的に低下しないという優れた作用効果を奏する。
Claims (5)
- スルホン酸基を有する変性ポリビニルアルコール(A)100重量部および没食子酸またはその炭素数1〜5のアルキルエステル(B)0.05〜20重量部からなる水溶性フィルム。
- スルホン酸基を有する変性ポリビニルアルコール(A)100重量部、没食子酸またはその炭素数1〜5のアルキルエステル(B)0.05〜20重量部および還元性を有するヒドロキシカルボン酸(C)0.01〜10重量部からなる水溶性フィルム。
- 請求項1または2記載の水溶性フィルムを用いて、酸性物質、塩素系物質または農薬を包装してなる包装体。
- スルホン酸基を有する変性ポリビニルアルコール(A)100重量部および没食子酸またはその炭素数1〜5のアルキルエステル(B)0.05〜20重量部からなる組成物。
- スルホン酸基を有する変性ポリビニルアルコール(A)100重量部、没食子酸またはその炭素数1〜5のアルキルエステル(B)0.05〜20重量部および還元性を有するヒドロキシカルボン酸(C)0.01〜10重量部からなる組成物。
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