JPH09272775A - 水溶性フィルム - Google Patents

水溶性フィルム

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JPH09272775A
JPH09272775A JP8346396A JP8346396A JPH09272775A JP H09272775 A JPH09272775 A JP H09272775A JP 8346396 A JP8346396 A JP 8346396A JP 8346396 A JP8346396 A JP 8346396A JP H09272775 A JPH09272775 A JP H09272775A
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JP
Japan
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film
water
plasticizer
mol
pva
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JP8346396A
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Tsutomu Kawai
勉 河合
Shunji Tago
俊二 多胡
Hirotoshi Miyazaki
弘年 宮崎
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 けん化度50〜99モル%のポリビニル
アルコール(A)100重量部に、3〜6価の多価アル
コール1モルに対しアルキレンオキサイド1〜4モルを
付加反応して得られた化合物(B)3〜100重量部を
配合してなる組成物からなる水溶性フィルム。 【効果】 本発明の水溶性フィルムは、可塑剤移行性が
小さく、フィルム表面へのブリードアウトやブロッキン
グが少なく、種々の物品を包装した時に、フィルム中の
可塑剤含有率の変化が小さく、放置によるフィルムの水
溶性の低下は小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアルコ
ール(以下PVAと略称する)からなる水溶性フィルム
に関する。さらに詳しくは、可塑剤移行性が非常に少な
く、可塑剤のフィルム表面へのブリードアウトが少な
く、優れた水溶性と低温での耐衝撃性を有し、物品の包
装に好適に用いられるPVA系水溶性フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】PVA系フィルムは高湿度下では水の可
塑化効果のために柔軟で強靭であるが、低湿度下では柔
軟性を失い脆く破れやすくなるので、低湿度下において
はPVA系フィルムの硬化や脆弱化を防止するために可
塑剤が用いられており、PVA系フィルムの透明性、光
沢度、非帯電性、強靭性および水溶性などの特徴を活か
して農薬や洗剤などの薬剤包装用などの用途に使用され
ている。
【0003】PVA系フィルムの可塑剤としては、グリ
コール類、多価アルコール類、アミン類などが単独であ
るいは混合して使用されている。グリコール類、多価ア
ルコール類としては、グリセリン、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン、マ
ンニトール、ソルビトール、ペンタエリスリトールなど
があり、このうちグリセリンが最も多く使用されてい
る。しかし、長期包装中に可塑剤のブリードのためにフ
ィルム同志が密着したり、包装される物品(内容物)に
グリセリンが移行し、フィルム中の可塑剤量が減少し、
その結果、フィルムが硬く脆い物性に変化し、柔軟性が
著しく低下し、輸送中や作業中にフィルムが破れるなど
の問題が生じている。
【0004】可塑剤の移行性をなくすために種々の可塑
剤が検討されている。例えば、ポリエチレングリコール
やポリプロピレングリコールは、PVAとの相溶性に乏
しく、可塑剤のブリードのためにフィルム同志が密着し
たり、PVAに対する可塑化効果が乏しいために必要な
可塑化効果を得るためには非常に多くの添加量を必要と
し、フィルムの物性に大きな悪影響を与えている。この
傾向はポリグリセリン、マンニトール、ソルビトールお
よびペンタエリスリトールなどの場合も同様である。ま
た、ソルビトールのように常温で固体の可塑剤は、フィ
ルム表面に移行して粉末が析出するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決し、農薬、洗剤、洗濯用衣類、土木用添
加剤、殺菌剤、染料および顔料から選ばれた物品の包装
用に好適に用いられる水溶性フィルムを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる現状に鑑
み、鋭意検討した結果、けん化度50〜99モル%のポ
リビニルアルコール(A)100重量部に、3〜6価の
多価アルコール1モルに対しアルキレンオキサイド1〜
4モルを付加反応して得られた化合物(B)3〜100
重量部を配合してなる組成物からなる水溶性フィルムを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に使用するPVA(A)は
ポリビニルエステルのけん化物である。ビニルエステル
としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙
げられ、この中でも工業的に生産されコスト的に有利な
酢酸ビニルが通常使用される。ポリビニルエステルは、
塊状またはアルコールなどの溶媒中でビニルエステルを
ラジカル開始剤の存在下で重合させた後、アルカリまた
は酸触媒を作用させて部分的にあるいは高度にけん化す
ることによって製造される。
【0008】PVAの重合度は、フィルムの強度やタフ
ネスの点から、粘度平均重合度(以下、重合度と略称す
る)で300〜8000、好ましくは500〜3000
である。重合度が300未満ではフィルム強度が弱くな
り、重合度が8000より大きいとフィルムを調整する
ときの溶液粘度が高くなり作業性に問題がある。PVA
のけん化度は、フィルムの強度や腰および製袋性に大き
な影響を与える。PVAのけん化度は50〜99モル
%、好ましくは70〜99モル%である。けん化度が5
0モル%未満ではフィルムの強度や水溶性が低下した
り、本発明に用いる化合物(B)との相溶性が向上しに
くい。
【0009】本発明に用いる化合物(B)は、3〜6価
の多価アルコールアルコール1モルに対しアルキレンオ
キサイド1〜4モルを付加反応することにより得られ
る。3〜6価の多価アルコール1モルに対しアルキレン
オキサイド1〜4モルを付加反応して得られた化合物
(B)は、常温において液体であり、PVA(A)に対
して優れた相溶性と可塑化性能を有し、フィルム外への
移行性が少なく、ブリードアウトやブロッキング性も小
さい。
【0010】化合物(B)の原料である3〜6価の多価
アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、キシロー
ス、アラビノース、リブロースおよびソルビトールが挙
げられる。好ましくは、グリセリン、ペンタエリスリト
ール、ソルビトールである。さらにこの中でも、ソルビ
トールが最も好ましい。
【0011】化合物(B)のもう一つの原料であるアル
キレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよび
プロピレンオキサイドが挙げられ、好ましくはエチレン
オキサイドである。また、場合によっては、エチレンオ
キサイドとプロピレンオキサイドとを混合付加反応して
も良い。アルキレンオキサイドの好ましい付加モル数と
しては2〜3である。アルキレンオキサイドの平均付加
モル数が1モル未満の場合には可塑剤の移行性に問題が
生じる。また、平均付加モル数が4モルを越えるとPV
A(A)との相溶性が低下し、可塑化効果も低下する。
尚、ここで言う付加モル数は平均付加モル数であり、付
加モル数に分布があってもよい。但し、5モル以上の付
加化合物が50重量%以上混入するのは好ましくない。
【0012】PVA(A)に対する化合物(B)の配合
量は、PVA(A)100重量部に対して3〜100重
量部であり、好ましくは5〜30重量部である。化合物
(B)の配合量が3重量部未満では柔軟性が不十分であ
り、100重量部を越えると、フィルム強度が低下した
り、ブロッキング性や製袋性に問題が生じる。
【0013】本発明のPVA(A)と化合物(B)から
なる組成物を製膜する方法としては、その水溶液を熱ロ
ールへ流延するなどの任意の方法が用いられる。フィル
ムの厚さは、フィルムの水溶性とフィルム強度などの点
から、通常10〜100μmであり、好ましくは20〜
60μmである。厚さが10μm未満では強度的に問題
があり、100μmを越えると水溶性に問題が生じた
り、製袋性やヒートシールなどにも問題が生じる。本発
明のフィルムには、必要に応じて着色剤、香料、増量
剤、消泡剤、無機粉体などの通常の添加剤を適宜配合し
ても差し支えない。
【0014】また、本発明のPVA系フィルムには、場
合によっては、化合物(B)の他にPVA(A)の可塑
剤として一般に用いられるものを本発明の特徴を損なわ
ない範囲で併用することもできる。これらの可塑剤とし
ては、グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコー
ルなどの多価アルコール類、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコールなどのポリエーテル類、ビス
フェノールA、ビスフェノールSなどのフェノール誘導
体、N−メチルピロリドンなどのアミド化合物、水など
が挙げられる。
【0015】本発明の水溶性フィルムは、種々の物品を
包装することができる。なかでも農薬、洗剤、洗濯用衣
類、土木用添加剤、殺菌剤、染料および顔料から選ばれ
た物品の包装用に好適に用いられる。これらの物品を単
位量づつ水溶性フィルムに密封包装して、使用時にその
包装形態のまま水中に投入し、水に溶解または分散して
使用する方法が用いられる。このユニット包装の利点は
使用時に危険な薬品に直接触れることなく使用できるこ
と、一定量が包装されているために使用時の計量が不要
であることなどである。これらの物品の包装用フィルム
に要求される性能としては、包装中にフィルムの可塑剤
が物品へ移行することによりフィルムが硬く脆くなり移
送中や作業中に破れないこと、水溶性の経時変化がない
こと、耐薬品性に優れていることなどであるが、本発明
の水溶性フィルムは、これらの要求性能を十分満たすも
のである。
【0016】農薬としては、農薬取締法で定められた薬
剤を言い、農作物(樹木を含む)または農林産物を害す
る菌、線虫、ダニ、昆虫、ネズミ、雑草などの動植物の
防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤、除草剤その他の薬剤
が挙げられる。水溶性フィルムにユニット包装された農
薬は、そのまま水に投入し溶解して使用する水和剤、畑
や水田に直接投入するジャンボ剤など種々の使用方法が
可能である。農薬の形態としては、粉体状や顆粒状、場
合によっては有機溶剤に溶解した液体状のものでもよ
い。これらの農薬は、通常数グラムから数キログラムが
包装され、箱やさらにアルミの外装袋に入れて保存され
たり、輸送され、直接現場で使用される。
【0017】洗剤としては、衣料用洗剤、食器用洗剤、
家具用洗剤などが挙げられ、石鹸、界面活性剤、ビルダ
ー、珪酸ソーダ、芒硝などの助剤を含む薬剤からなり、
粉末、顆粒、液状など種々の形態の洗剤がある。洗濯用
衣類としては、使用された後の洗濯を要する衣類をい
う。汚れた衣類を本発明の水溶性フィルムで包装し、袋
ごと洗濯機に投入し、水でフィルムを溶解し、衣類を殺
菌、洗濯することができる。特に医療用として、手術後
血液や体液のついた手術着などを包装するランドリーバ
ッグとして有用である。土木用添加剤としては、セメン
ト用減水剤、セメント硬化促進剤、硬化遅延剤などのセ
メント添加剤を主体とする薬剤が挙げられる。これらを
水溶性フィルムで包装することにより、現場でいちいち
計量することなく、一定量を手に触れずに使用すること
ができる。染料および顔料としては、一般に布や紙を染
色する染料、インキや塗料に用いられる顔料などが挙げ
られる。これらを水溶性フィルムで包装することによ
り、を手や身体を汚すことなく使用でき、また異なる色
のコンタミを防ぎ作業できる点で有用である。本発明の
水溶性フィルムは、これらの物品を包装して保存し、使
用する際には、フィルム中の可塑剤が物品中に移行する
ことなく、フィルムの水溶性の経時的な低下も少なく、
包装する物品と反応してフィルムが水不溶性に変化しな
いという優れた性質を有している。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらによって限定されるもので
はない。なお、実施例中において特に断りのない限り、
「%」および「部」は重量基準を表す。
【0019】[フィルムの水溶性の測定方法]フィルム
サンプルを40×40mmの正方形に切り、これをスラ
イドマウントで鋏み、20℃および10℃で撹拌してい
る水中にそれぞれ浸漬し、フィルムが完全に溶解するま
での時間(秒数)を測定した。
【0020】[可塑剤移行性の測定方法]ヒートシーラ
ーを用いて、フィルムから10×10cmの袋を作成
し、珪藻土15gを包装し、ヒートシールした。この包
装した袋の上から、さらにアルミ/ポリエチレンラミネ
ートフィルムの袋で2重包装を行い、水分や可塑剤が外
部へ飛散しないようにし、40℃の恒温槽内で所定時間
放置した。放置前後のフィルム内の可塑剤量を測定し
た。フィルム内の可塑剤量の測定は、フィルムサンプル
を50℃の減圧乾燥器で5時間乾燥して、水分を除いた
後、メタノールでソックスレー抽出を行い、ソックスレ
ー抽出前後のフィルムの重量変化からフィルム内の可塑
剤量を求めた。放置による「可塑剤残存率」は、「放置
後の可塑剤量」を「放置前の可塑剤量」で除した値を
「%」で示した。
【0021】[低温耐衝撃強度の測定]フィルムを5
℃、40%RHの雰囲気下で1週間調湿した後、衝撃強
度をフィルムインパクトテスターで測定した。
【0022】実施例1 重合度1700、けん化度88モル%のPVA100部
に、可塑剤としてソルビトール1モルに対しエチレンオ
キサイド2モルを付加反応して得られた化合物20部を
配合した組成物の水溶液を作成し、60℃の熱ロールへ
流延し、厚さ40μmのフィルムを得た。作成したフィ
ルムの可塑剤移行性、フィルムの水溶性および低温耐衝
撃性を測定した。結果を表1に示す。放置前のフィルム
の20℃および10℃で撹拌している水中での完全溶解
時間はそれぞれ36秒および45秒であり、可塑剤移行
性の測定に使用した4週間放置後のフィルムの20℃お
よび10℃で撹拌している水中での完全溶解時間はそれ
ぞれ42秒および53秒であった。また、このフィルム
から10×15cmの袋を作成し、農薬(除草剤)10
0gを包装し、さらにアルミ/ポリエチレンのラミネー
トフィルムで2重包装した。40℃の恒温器に1カ月間
放置した後、可塑剤残存率とフィルムの水溶性を測定し
た。その結果、可塑剤残存率は86%、放置後のフィル
ムの20℃および10℃で撹拌している水中での完全溶
解時間はそれぞれ35秒および48秒であり、薬剤包装
後も水溶性は良好であった。また、このフィルムの袋へ
青色のカチオン染料を包装し、同様に40℃の恒温器に
1カ月間放置し、水中に投入したところ、包装したフィ
ルムは1分以内で完全に溶解し、染料の水への分散性や
溶解性も良好であった。
【0023】比較例1 重合度1700、けん化度88モル%のPVA100部
に、可塑剤としてグリセリン15部を配合した組成物の
水溶液を作成し、60℃の熱ロールへ流延し、厚さ40
μmのフィルムを得た。作成したフィルムの可塑剤移行
性および水溶性を測定した。結果を表1に示す。可塑剤
移行試験後のフィルムは硬くて非常に脆いフィルムに変
化していた。また、実施例1と同様に農薬を包装して4
0℃の恒温器に放置した後、可塑剤残存率およびフィル
ムの水溶性を測定した。その結果、可塑剤残存率は15
%、20℃で撹拌している水中でのフィルムの完全溶解
時間は129秒であり、10℃では5分以内では溶解し
なかった。また低温衝撃強度の低いフィルムに変化して
いた。
【0024】実施例2 実施例1で使用した可塑剤に代えて、グリセリン1モル
に対しエチレンオキサイド2モルを付加反応して得られ
た化合物を用いた他は、実施例1と同様にしてフィルム
を作成し、可塑剤移行性およびフィルムの水溶性を測定
した。結果を表1に示す。このフィルムを使用して、家
庭用の洗濯用洗剤を包装し、40℃の恒温器に1カ月放
置した後、可塑剤残存率とフィルムの水溶性を測定し
た。その結果、可塑剤残存率は90%、放置後のフィル
ムの20℃および10℃で撹拌している水中での完全溶
解時間はそれぞれ33秒および50秒であり、洗濯機に
投入して問題なく洗濯が可能であった。
【0025】実施例3 重合度1200、けん化度98モル%のPVA100部
に、可塑剤としてソルビトールに対しエチレンオキサイ
ド3モルを付加反応して得られた化合物15部を配合し
た組成物の水溶液を作成し、60℃の熱ロールへ流延
し、厚さ30μmのフィルムを得た。作成したフィルム
の可塑剤移行性を測定した。結果を表1に示す。放置前
のフィルムの60℃で撹拌している水中での完全溶解時
間は28秒であり、60℃で撹拌している水中での完全
溶解時間は32秒であった。また、このフィルムを用い
て、50cm×70cmの袋を作成し、ランドリーバッ
グとして使用した。汚れた衣類を詰め込み、そのまま、
洗剤を含む60℃の温水中に投入し洗濯を行った。汚れ
た衣類は若干の水分を含んでいたが包装中に破れること
なく包装や運搬ができ、温水に投入したときにはフィル
ムは約30秒で完溶し、殺菌や洗濯が良好に実施でき
た。
【0026】実施例4 重合度2400、けん化度73モル%のPVAを用いる
他は実施例1と同様にしてフィルムを作成した。作成し
たフィルムの可塑剤移行性およびフィルムの水溶性を測
定した。結果を表1に示す。このフィルムを用いて、セ
メントの減水剤としてスルホン酸変性ナフタリン−ホル
マリン縮合物を包装し、40℃の恒温器中で1カ月間放
置した後、セメントの水スラリー中に投入したところ、
フィルムは1分以内で完溶し、セメントの減水剤として
の作用も十分達成された。
【0027】実施例5 重合度1000、けん化度88モル%のPVA100部
にソルビトール1モルに対しエチレンオキサイド2モル
を付加反応して得られた化合物15部およびグリセリン
8部を配合した組成物を用いた他は、実施例1と同様に
して厚さ40μmのフィルムを作成した。作成したフィ
ルムの可塑剤移行性およびフィルムの水溶性を測定し
た。結果を表1に示す。このフィルムを用いて、殺菌剤
としてジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインを珪藻
土に吸着させた殺菌剤を包装し、40℃の恒温器中で1
カ月間放置した後、水中に投入したところ、フィルムは
1分以内で完溶し、殺菌剤としての機能を十分達成し
た。実施例1〜5で作成したフィルムは可塑移行性が非
常に少なく、フィルム表面への可塑剤のブリードアウト
もなくブロッキング性も小さかった。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の水溶性フィルムは、可塑剤移行
性が小さく、フィルム表面へのブリードアウトやブロッ
キングが少なく、種々の物品を包装した時に、フィルム
中の可塑剤含有率の変化が小さく、放置によるフィルム
の水溶性の低下は小さい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 けん化度50〜99モル%のポリビニル
    アルコール(A)100重量部に、3〜6価の多価アル
    コール1モルに対しアルキレンオキサイド1〜4モルを
    付加反応して得られた化合物(B)3〜100重量部を
    配合してなる組成物からなる水溶性フィルム。
  2. 【請求項2】 水溶性フィルムが農薬、洗剤、洗濯用衣
    類、土木用添加剤、殺菌剤、染料および顔料から選ばれ
    た物品の包装用である請求項1記載の水溶性フィルム。
JP8346396A 1996-04-05 1996-04-05 水溶性フィルム Pending JPH09272775A (ja)

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