JP2001206960A - アルカリ性物質包装用フィルム - Google Patents

アルカリ性物質包装用フィルム

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JP2001206960A JP2000018286A JP2000018286A JP2001206960A JP 2001206960 A JP2001206960 A JP 2001206960A JP 2000018286 A JP2000018286 A JP 2000018286A JP 2000018286 A JP2000018286 A JP 2000018286A JP 2001206960 A JP2001206960 A JP 2001206960A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性、耐薬品性、生分解性に優れたアルカ
リ性物質包装用フィルムを提供すること。 【解決手段】 1,2−グリコール結合量が1.8モル
%以上、けん化度が92〜99.9モル%のポリビニル
アルコール系樹脂からなるアルカリ性物質包装用フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のポリビニル
アルコール系樹脂からなるフィルムであって、水溶性、
耐薬品性、生分解性に優れ、洗浄剤等のアルカリ性物質
のユニット包装用に有用なアルカリ性物質包装用フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、洗浄剤や農薬等をはじめとする各
種薬品などを単位量づつ水溶性フィルムに密封包装(ユ
ニット包装)して、使用時にその包装形態のまま水中に
投入し、内容物を包装フィルムごと水に溶解または分散
して使用する方法が多く用いられてきている。このユニ
ット包装の利点は、使用時に危険な薬品に直接触れるこ
となく使用できること、一定量が包装されているために
使用時に計量する必要がないこと、包装容器や袋などの
後処理が不要または簡単であることなどである。
【0003】従来このようなユニット包装用の水溶性フ
ィルムとして、無変性の部分けん化ポリビニルアルコー
ル(以下「ポリビニルアルコール」を「PVA」と称す
ることがある)フィルムが用いられていた。これらの水
溶性フィルムは、冷水に易溶性でしかも機械的強度が優
れており良好な性能を有しているが、例えば、洗浄剤に
含まれているアルカリ性物質や、洗浄剤の助剤(活性
剤、分散剤、再汚染防止剤)などがPVA系フィルムと
徐々に反応し、経時的にフィルムの水溶性や強度が低下
し、長期間保存した場合にはフィルムが水に不溶性また
は難溶性となったり、洗浄剤の漏れが生じて使用できな
くなる場合が多く、問題となっていた。また、作業性や
工程通過性、環境問題などの点から、フィルムに腰があ
り、かつ生分解性に優れるなど多くの性能を満たすこと
が要求されている。しかしこの無変性の部分けん化PV
Aはフィルムの腰や生分解性が十分でないという問題を
有している。これらのフィルム特性のために、危険なア
ルカリ性物質のユニット包装は大きな利点があるにもか
かわらず、広く実用化できていないのが現状である。
【0004】かかる問題点に対する対策の一つとして、
カルボン酸変性PVAやスルホン酸変性PVAからなる
フィルムを利用することが試みられている。しかしなが
ら該フィルムは耐熱性が充分でなかったり、変性種によ
っては水溶性の経時的劣化が生じたりすることがある。
またこれらの変性によって生分解性が大きく低下して環
境問題につながる可能性がある。
【0005】さらに、酸変性の他にオキシアルキレン基
やカチオン性基などを導入したPVAからなるフィルム
を用いることも試みられているが、これらの基を導入す
ると高分子量のPVAが得られず、フィルムに成形した
場合に、フィルム強度が極端に低下したり、湿度依存性
が大きくなって湿度の低い冬場では硬く脆くなったり、
雨の日には全く腰のないフィルムになる場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のPVA系重合体からなる水溶性フィルムでは同時に満
足することが出来なかった、水溶性、工程通過性、生分
解性などの特徴を同時に向上させたアルカリ性物質包装
用フィルムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題解決に向けて鋭意検討した結果、1,2−グリコール
結合量が1.8モル%以上、けん化度が92〜99.9
モル%のPVA系樹脂からなるフィルムが、上記目的を
達成し、アルカリ性物質包装用フィルムとして非常に有
用であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、1,2−グリコール
結合量が1.8モル%以上、けん化度が92〜99.9
モル%のポリビニルアルコール系樹脂からなるアルカリ
性物質包装用フィルムに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるPVA系樹脂は、ビニルエステル重
合体のけん化物またはビニルエステルと他のビニルモノ
マーとの共重合体のけん化物である。ここで、ビニルエ
ステルとしてはギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、安息香
酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バ
ーサティック酸ビニル等が挙げられるが、これらのなか
でも工業的な生産性の点および1,2−グリコール結合
の生成の容易さの点から、酢酸ビニルが好ましい。
【0010】ビニルエステルと共重合可能なビニルモノ
マーとしては、例えば、α−オレフィンを挙げることが
できるが、これらのなかでもエチレン、プロピレン、n
−ブテン、イソブチレンなどの炭素数4以下のα−オレ
フィンが好ましく、得られるフィルムの生分解性が向上
する点でエチレンが特に好ましい。PVA系樹脂中のα
−オレフィン単位の含有量は、0.1〜10モル%であ
ることが好ましい。その他の共重合可能なビニルモノマ
ーとしては、アクリル酸及びその塩;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アク
リル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オク
タデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸およ
びその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
デシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド;
N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸および
その塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよび
その塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導
体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド;N−
メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミ
ド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその
塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびそ
の塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導
体等のメタクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテ
ル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエ
ーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニル
エーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニル
エーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲ
ン化ビニル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合
物;マレイン酸およびその塩またはそのエステル;ビニ
ルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;N−ビ
ニルピロリドン;N−ビニルホルムアミド、N−ビニル
アセトアミド等のN−ビニルアミド類;酢酸イソプロペ
ニル等がある。生分解性の観点から、これらのビニルモ
ノマーの含有量は通常5モル%以下である。
【0011】前記ビニルエステル系(共)重合体の製造
法としては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳
化重合法等、従来公知の重合方法が適用できる。重合触
媒としては、重合方法に応じて、アゾ系触媒、過酸化物
系触媒、レドックス系触媒等が適宜用いられる。
【0012】ビニルエステル系(共)重合体のけん化反
応には、従来公知のアルカリ触媒、あるいは酸触媒での
加アルコール分解、加水分解等が適用できる。これらの
なかでもメタノールを溶剤とする水酸化ナトリウム触媒
によるけん化反応が簡便で最も好ましい。
【0013】本発明に用いられるPVA系樹脂のけん化
度は92〜99.9モル%であり、好ましくは95〜9
9モル%である。上記の範囲のけん化度を有するPVA
系樹脂を用いることにより、耐薬品性に優れ、強度が高
く、腰を有するフィルムが得られる。PVAのけん化度
が92モル%未満の場合には、得られたフィルムでアル
カリ性物質を包装する場合に、フィルムの水溶性の経時
的な低下が生じたり、機械的強度の劣化が生じたり、十
分な腰を有するフィルムが得られない。また、逆に9
9.9モル%を超える場合には、得られるフィルムの水
溶性が低下したり、フィルム製造上の問題が生じる。
【0014】本発明に用いられるPVA系樹脂の重合度
は、得られるフィルムの機械的強度、タフネス、耐衝撃
性、耐薬品性などの観点から、500以上であるのが好
ましく、700以上であるのがより好ましく、900以
上であるのがさらに好ましい。工業的な生産性の点から
は、PVA系樹脂の重合度は3000以下であるのが好
ましい。また、得られるフィルムを袋にして使用した際
に要求される耐衝撃性の面からは、PVA系重合体の重
合度は1000〜3000であるのが好ましい。
【0015】本発明に用いられるPVA系樹脂の1,2
−グリコール結合量は、1.8モル%以上であり、好ま
しくは2.2モル%以上であり、さらに好ましくは2.
5モル%以上である。1,2−グリコール結合量は、ビ
ニルエステルの種類、重合溶媒の種類、重合温度、ビニ
レンカーボネートの共重合等の様々な方法で制御するこ
とができる。これらのなかでも、重合温度で制御する方
法が簡便で好ましい。例えば、80〜200℃で重合す
るのが好ましく、90〜180℃で重合するのがより好
ましく、100〜180℃で重合するのがさらに好まし
い。1,2−グリコール結合量の上限は特に制限はない
が、1,2−グリコール結合量を多くするために重合温
度を上げたり、ビニレンカーボネート等を共重合したり
すると重合度の低下が起こる場合があるので、1,2−
グリコール結合量は3.5モル%以下であるのが好まし
く、3.2モル%以下であるのがより好ましく、3.0
モル%以下であるのがさらに好ましい。
【0016】本発明に用いられるPVA系樹脂として
は、短鎖分岐を0.03モル%以上有しているものが好
ましく、0.05モル%以上有しているものがより好ま
しい。短鎖分岐は、ビニルエステルの種類、重合溶媒の
種類、重合温度等の様々な方法で制御することができ
る。これらのなかでも、重合温度で制御する方法が簡便
で好ましい。短鎖分岐の含有量が多いほどPVA系樹脂
の結晶性が低下し、高けん化度でも水溶性が低下せず好
ましいフィルムが得られる。なお、本明細書に記載の短
鎖分岐とは、ポリビニルアルコールの主鎖から分岐し
た、1〜5個のビニルアルコール単位からなる短鎖(側
鎖)のことである。短鎖分岐の含有量は、全ビニルアル
コール単位に対する短鎖を構成するビニルアルコール単
位の割合(モル%)のことであり、具体的には、実施例
の欄に記載の分析方法に従って測定することが可能であ
る。
【0017】上記のPVA系樹脂を用いて本発明のフィ
ルムを製造する方法は特に制限はなく、必要とされるフ
ィルム厚や使用目的により適宜選択されるが、通常、P
VA溶液からのキャスト製膜法、乾式製膜法(空気中や
窒素等不活性気体中への押し出し)、湿式製膜法(PV
A系樹脂の貧溶媒中への押し出し)、乾湿式製膜法、ゲ
ル製膜法等によって行われる。PVA溶液を調製する際
に使用される溶剤としては、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレン
グリコール、グリセリン、水、ヘキサフルオロイソプロ
パノール等を挙げることができ、単独または混合して使
用される。また、塩化リチウム、塩化カルシウム等の無
機塩の水溶液も単独または前記有機溶剤と混合して使用
できる。これらのなかでも、水、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルスルホキシドと水との混合液、グリセリ
ン、エチレングリコールが好ましい。製膜時に使用する
PVA溶液の濃度は製膜方法によって異なるが、通常1
〜60重量%であり、製膜時の温度は、通常室温から2
50℃の範囲である。
【0018】製膜後、さらに必要に応じて、一軸または
二軸延伸や圧延処理を施すことができる。フィルムの延
伸または圧延処理は、乾熱または湿熱で実施でき、延伸
時の温度は通常室温から270℃の範囲である。また、
製膜後に100〜150℃程度の熱処理を加えることに
よって、フィルムの溶解速度のコントロールが可能とな
る。また、フィルムのブロッキング防止性や水溶性を改
善するために、フィルム表面にマット加工、エンボス加
工やブロッキング防止剤の散布を行うことが好ましい。
【0019】本発明のフィルムの形状および透明性は特
に制限はない。フィルムの厚みは、アルカリ性物質の種
類、アルカリ性物質の量、包装形態、溶解速度などによ
って個々に決定されるが、通常20〜100μmである
のが好ましい。
【0020】本発明のフィルムには、必要に応じて可塑
剤を含有させることができる。可塑剤としては、PVA
系樹脂の相溶性の点から多価アルコール類が好ましい。
中でも柔軟性付与、生分解性の点から、グリセリン、ジ
グリセリン、トリメチロールプロパン、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、プロピレングリコールが好ましい。またフィルム
表面への移行性の小さい可塑剤として、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、多価アルコール
にエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを数モル
付加した化合物、多価アルコールと有機酸とのエステル
化物などが適宜使用される。これらのなかでも、柔軟性
付与の効果が大きいことから、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ジグリセリンが特に好ましい。上記の可
塑剤は、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。可塑剤の含有量はPVA系樹脂100重量
部に対して5〜40重量部であるのが好ましく、10〜
30重量部であるのがより好ましい。可塑剤の添加量が
5重量部未満では、低温低湿下でのフィルムの柔軟性が
不足する傾向があり、アルカリ性物質の包装に使用した
際に破袋の原因となることがある。水溶性の点からは可
塑剤の含有量が多いほど好ましいが、ブリードアウトが
起こる場合があるので40重量部以下であることが好ま
しく、30重量部以下であることがより好ましい。
【0021】本発明のフィルムに、必要に応じて本発明
の効果を損なわない範囲内において、上記のPVA系樹
脂や可塑剤以外のものを含有させることはなんら差し支
えない。例えば、PVA系樹脂以外の樹脂;澱粉、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース
等の水溶性高分子;クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等
の無機化合物等が挙げられる。また必要に応じて染料や
顔料、香料、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤を
含有させることもできる。また、本発明の効果を損なわ
ない範囲内で、1,2−グリコール結合量が1.8モル
%より少ないPVA系樹脂を少量含有させても何等差し
支えない。
【0022】本発明のフィルムで包装できるアルカリ性
物質とは、水に溶解または分散した際の溶液、分散液、
スラリー液のpHが7を超えるものであれば特に制限は
ないが、好ましくはpHが8以上のもの、より好ましく
はpHが8.5以上のもの、さらに好ましくはpHが9
以上のものである。アルカリ性物質の具体的な例として
は、家庭用衣料用洗剤、工業用衣料用洗剤、家庭用食器
用洗剤、工業用食器用洗剤、建物や自動車の洗剤、工業
用水洗浄剤、無機物粉体の分散剤、各種界面活性剤など
が挙げられる。また個々の薬剤としては、炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナト
リウム、燐酸ナトリウム、ポリ燐酸ナトリウム(二燐酸
ナトリウム、三燐酸ナトリウム等)などの無機酸のアル
カリ金属塩、またはアルカリ土類金属塩、また酢酸ナト
リウム、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、ステ
アリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなどの
有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩など
が挙げられる。また特殊な例としてはアミン化合物、ア
ルカロイドなども含まれる。これらは単独でもまたは数
種類混合された混合物でも包装可能である。さらに、こ
れらのアルカリ性物質としては、粉末状、顆粒状、塊
状、液状、スラリー状、ゲル状、あるいはこれら数種の
複合形態のいずれも包装可能である。通常、アルカリ性
物質は数グラムから数キログラム単位で本発明のフィル
ムにより包装され、箱やアルミの外装袋に入れて保存、
輸送され、直接現場で使用される。
【0023】アルカリ性物質を包装した本発明のフィル
ムは、水中に投入した場合に速やかに溶解する。水への
溶解速度は、40μm厚みのフィルムとした場合に、通
常20℃の撹拌水中に浸漬後5分以内で溶解することが
好ましく、2分以内で溶解することがより好ましく、1
分以内で溶解することがさらに好ましい。
【0024】本発明のフィルムのヤング率が高いほど、
フィルムの腰が向上し、工程通過性が改善される。ヤン
グ率はフィルムの1,2−グリコール結合量、けん化
度、可塑剤量、熱処理条件等によって変化するため、各
種の条件を適宜調整する必要がある。理由は不明である
が、1,2−グリコール結合量が多いほど同じ組成のフ
ィルムでもヤング率が大きくなる傾向があるため、1,
2−グリコール結合量が1.8モル%以上のPVA系樹
脂を使用した本発明のフィルムは、工程通過性が良好で
ある。
【0025】通常、アルカリ性物質をユニット包装する
水溶性フィルムは、使用後自然界に放出されるため、生
分解性を有していることが望まれているが、本発明のフ
ィルムは優れた生分解性も有しており、環境に優しいフ
ィルムである。本発明のフィルムの生分解率(25℃、
28日間)は60%以上であるのが好ましく、80%以
上であるのがより好ましい。なお、本明細書でいう分解
率とは、ISO14851に記載の生分解性評価方法に
準じて評価を行った場合の生分解率であり、具体的には
実施例の欄に記載された分析方法で測定した値である。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、実施例中「部」および「%」は、特にこ
とわらない限り「重量部」および「重量%」をそれぞれ
意味する。
【0027】〔PVAの分析方法〕 (1)PVAの分析方法は特に記載のない限りはJIS−K
6726に従った。 (2)PVAの1,2−グリコール結合量:測定しよう
とするPVA系樹脂をまずけん化度99.9モル%以上
にけん化した後、十分にメタノール洗浄を行い、次いで
90℃で2日間減圧乾燥した後、DMSO−D6に溶解
し、さらにトリフルオロ酢酸を数滴加えて調製した試料
を500MHzのプロトンNMR(JOEL GX-500)を用
いて80℃で測定した。ビニルアルコール単位のメチン
由来のピークは3.2〜4.0ppm(積分値A)、
1,2−グリコール結合の1つのメチン由来のピークは
3.25ppm(積分値B)に帰属され、次式から1,
2−グリコール結合量を算出できる。 1,2−グリコール結合量(モル%)=(B/A)×1
00 (3)PVAの短鎖分岐量:測定しようとするPVA系
樹脂をまずけん化度99.9モル%以上にけん化した
後、十分にメタノール洗浄を行い、次いで90℃で2日
間減圧乾燥した後、DMSO−D6に溶解した試料を
500MHzの1H NMRで、またD2Oに溶解した試
料を125.65MHzの13C NMR(JOEL GX-50
0)を用いて80℃で測定する。試料よりビニルアル
コール単位のメチン由来のピークは3.2〜4.0pp
m(積分値C)、末端アルコールのメチレン由来のピー
クは3.52ppm(積分値D)に帰属され、試料よ
り全末端アルコールのメチレン由来のピークは60.9
5〜61.65ppm(積分値E)、短鎖分岐末端アル
コールのメチレン由来のピークは60.95〜61.1
8ppm(積分値F)に帰属され、次式から短鎖分岐の
含有量を算出できる。 短鎖分岐の含有量(モル%)=〔(D/2)/C〕×
(F/E)×100
【0028】〔水溶性の測定方法〕500mlのビーカ
ーにイオン交換水を入れ、マグネティックスタラーで毎
分280回転撹拌し、20℃に設定した水中に、40m
m×40mmの正方形に切ったフィルムをスライドマウ
ントにはさんだものを浸漬し、フィルムが完全に溶解す
るまでの時間(秒数)を測定し評価した。
【0029】〔生分解性評価方法〕ISO14851に
記載の生分解性評価方法に準じて生分解率を評価した。
すなわち、無機培地液300mlに馴養汚泥(下水処理
場より試験開始当日入手した汚泥とPVA水溶液中で1
ヶ月間馴養した汚泥を1:1で混合したもの)30mg
と試料30mgを加え、クーロメーター(大倉電気OM
3001A型)を用い、25℃で28日間培養し、生分
解に消費された酸素量を測定することにより生分解率を
求めた。
【0030】実施例1 攪拌機、窒素導入口、開始剤導入口を備えた5リットル
加圧反応槽に酢酸ビニル3000gおよび酒石酸0.0
90gを仕込み、室温下に窒素ガスによるバブリングを
しながら反応槽圧力を2.0MPaまで昇圧して10分
間放置した後、放圧するという操作を3回繰り返して系
中を窒素置換した。開始剤として2,2’−アゾビス
(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)をメタノ
ールに溶解した濃度0.1g/リットル溶液を調製し、
窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換した。次い
で重合槽内温を150℃に昇温した。このときの反応槽
圧力は0.8MPaであった。次いで、上記の開始剤溶
液8.0mlを注入して重合を開始した。重合中は重合
温度を150℃に維持し、上記の開始剤溶液を用いて1
3.6ml/hrで2,2’−アゾビス(N−ブチル−
2−メチルプロピオンアミド) を連続添加して重合を
実施した。重合中の反応槽圧力は0.85MPaであっ
た。3時間後に冷却して重合を停止した。このときの固
形分濃度は25%であった。次いで30℃減圧下にメタ
ノールを時々添加しながら未反応酢酸ビニルモノマーの
除去を行い、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液(濃度3
3%)を得た。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液にメタノ
ールを加えて濃度が25%となるように調整したポリ酢
酸ビニルのメタノール溶液400g(溶液中のポリ酢酸
ビニル100g)に、40℃で11.6g(ポリ酢酸ビ
ニル中の酢酸ビニルユニットに対してモル比(MR)
0.025)のアルカリ溶液(NaOHの10%メタノ
ール溶液)を添加してけん化を行った。アルカリ添加後
約2分でゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、1時間放
置してけん化を進行させた後、酢酸メチル1000gを
加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレ
イン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別して得ら
れた白色固体のPVAにメタノール1000gを加えて
室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回繰り返
した後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中70℃
で2日間放置して乾燥PVAを得た。得られたPVAの
けん化度は98.0モル%であった。また、重合後、未
反応酢酸ビニルモノマーを除去して得られたポリ酢酸ビ
ニルのメタノール溶液をアルカリモル比0.5でけん化
した後、粉砕したものを60℃で5時間放置してけん化
を進行させた後、メタノールによるソックスレー洗浄を
3日間実施し、次いで80℃で3日間減圧乾燥を行って
精製PVAを得た。該PVAの重合度を常法のJIS−
K6726に準じて測定したところ1200であった。
該精製PVAの1,2−グリコール結合量と短鎖分岐量
を500MHzプロトンNMR(JEOL GX−50
0)装置を用いて前述の方法で測定したところ、それぞ
れ2.54モル%と0.084モル%であった。PVA
の物性値を表1にまとめた。得られたPVA100部に
対しグリセリン20部を用いて水溶液を作製し、70℃
の熱ロールへ流延し、厚さ40μのフィルムを得た。製
膜後100℃、10分間熱処理を行った。このフィルム
から10cm×10cmの袋を作り、アルカリ性物質
(市販の家庭用洗剤、1%水溶液のpHは8.5)の粉
末15gを入れ熱シールして密封した。このアルカリ性
物質包装袋をさらにアルミ箔をポリエチレンにラミネー
トしたフィルムで熱シールして密封し、アルカリ性物質
包装袋から水や可塑剤が飛散しないようにした。この袋
を長期保存テストの加速試験として40℃の恒温器に入
れ放置し、1ヶ月後、3ヶ月後に取り出し、包装したフ
ィルムの水溶性の経時変化を見た。また3ヶ月間放置後
のフィルムからサンプリングした試料から生分解性の評
価を行った。結果を表2に示した。得られたフィルムは
しっかりした腰があり、作業性に優れていた。40℃、
3ヶ月後もほとんど水溶性の低下はなく、生分解性も良
好であった。
【0031】実施例2 重合温度を180℃に変更する以外は実施例1と同様に
して重合およびけん化を行った。得られたPVAの物性
値は、重合度1000、けん化度98.6モル%、1,
2−グリコール量2.92モル%、短鎖分岐量0.12
4モル%であった。物性値を表1にまとめた。実施例1
と同様な方法でフィルムを作成したが、可塑剤をPVA
100部に対してグリセリン10部およびジグリセリン
12部に変更した。実施例1と同様のアルカリ性物質を
包装して長期保存テストの加速試験を実施した。得られ
た評価結果を表2に示した。放置試験後の包装袋は臭気
の漏れもなく、柔軟で優れたフィルム物性を保持してい
た。
【0032】実施例3 撹拌機、窒素導入口、エチレン導入口、開始剤添加口お
よびディレー溶液添加口を備えた50リットル加圧反応
槽に酢酸ビニル29.4kg、メタノール0.6kgを
仕込み、60℃に昇温した後、30分間窒素バブリング
により系中を窒素置換した。次いで反応槽圧力が18.
0kg/cm2となるようにエチレンを反応槽に導入し
た。開始剤として2,2’−アゾビス(N−ブチル−2
−メチルプロピオンアミド)をメタノールに溶解した濃
度0.1g/リットル溶液を調製し、窒素ガスによるバ
ブリングを行って窒素置換した。上記の重合槽内温を1
50℃に調整した後、上記の開始剤溶液45mlを注入
して重合を開始した。重合中はエチレンを導入して反応
槽圧力を18.0kg/cm2に、重合温度を150℃
に維持し、上記の開始剤溶液を用いて185ml/hr
で2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピ
オンアミド)を連続添加して重合を実施した。3時間後
に重合率が25%となったところで冷却して重合を停止
した。反応槽を開放して脱エチレンした後、窒素ガスを
バブリングして脱エチレンを完全に行った。次いで減圧
下に未反応酢酸ビニルモノマーを除去し、エチレン変性
ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液とした。得られた該エ
チレン変性ポリ酢酸ビニル溶液にメタノールを加えて濃
度が30%となるように調整したエチレン変性ポリ酢酸
ビニルのメタノール溶液333g(溶液中のポリ酢酸ビ
ニル100g)に、9.3g(ポリ酢酸ビニル中の酢酸
ビニルユニットに対してモル比(MR)0.02)のア
ルカリ溶液(NaOHの10%メタノール溶液)を添加
してけん化を行った。アルカリ添加後約5分で系がゲル
化したものを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置し
てけん化を進行させた後、酢酸メチル1000gを加え
て残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン
指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別して得られた
白色固体のエチレン変性PVAにメタノール1000g
を加えて室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3
回繰り返した後、遠心脱液して得られたエチレン変性P
VAを乾燥機中70℃で2日間放置して、乾燥エチレン
変性PVAを得た。得られたエチレン変性PVAについ
て前述の分析を行ったところ、PVAの重合度は115
0、けん化度は94.6モル%、エチレン変性量は3モ
ル%、1,2−グリコール結合量2.43モル%、短鎖
分岐量0.067モル%であった。物性値を表1にまと
めた。次に実施例1と同様な方法でフィルムを作成し
て、工業用食器用洗剤〔顆粒状、主成分(界面活性剤、
メタ珪酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、芒
硝)、1%水溶液のpHは12.0〕を包装し、長期保
存テストの加速試験を実施した。得られた評価結果を表
2に示した。
【0033】実施例4 重合温度を120℃に変更する以外は実施例1と同様に
して重合およびけん化を行った。得られたPVAの物性
値は、重合度1620、けん化度96.2モル%、1,
2−グリコール量2.23モル%、短鎖分岐量0.05
1モル%であった。物性値を表1にまとめた。実施例1
と同様な方法でフィルムを作成して、実施例1で使用し
たアルカリ性物質を包装し、長期保存テストの加速試験
を実施した。得られた評価結果を表2に示した。
【0034】実施例5 攪拌機、窒素導入口、開始剤導入口を備えた5リットル
加圧反応槽に酢酸ビニル2400g、メタノール600
gおよびビニレンカーボネート49.3gを仕込み、室
温下に窒素ガスによるバブリングをしながら反応槽圧力
を2.0MPaまで昇圧して10分間放置した後、放圧
するという操作を3回繰り返して系中を窒素置換した。
開始剤としてα,α’−アゾビスイソブチロニトリルを
メタノールに溶解した濃度1.0g/リットル溶液を調
製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換し
た。次いで重合槽内温を90℃に昇温した。このときの
反応槽圧力は0.4MPaであった。上記の重合槽内温
を90℃に調整した後、上記の開始剤溶液3.0mlを
注入し重合を開始した。重合中は重合温度を90℃に維
持し、上記の開始剤溶液を用いて4.9ml/hrで
α,α’−アゾビスイソブチロニトリルを連続添加して
重合を実施した。重合中の反応槽圧力は0.4MPaで
あった。4時間後に冷却して重合を停止した。このとき
の固形分濃度は38%であった。次いで30℃減圧下に
メタノールを時々添加しながら未反応酢酸ビニルモノマ
ーの除去を行い、ビニレンカーボネート変性ポリ酢酸ビ
ニルのメタノール溶液(濃度33%)を得た。得られた
該ビニレンカーボネート変性ポリ酢酸ビニル溶液にメタ
ノールを加えて濃度が25%となるように調整したビニ
レンカーボネート変性ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液
400g(溶液中のポリ酢酸ビニル100g)に、40
℃で46.4g(ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニルユニッ
トに対してモル比(MR)0.10)のアルカリ溶液
(NaOHの10%メタノール溶液)を添加してけん化
を行った。アルカリ添加後約1分でゲル化したものを粉
砕器にて粉砕し、1時間放置してけん化を進行させた
後、酢酸メチル1000gを加えて残存するアルカリを
中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和の
終了を確認後、濾別して得られた白色固体のビニレンカ
ーボネート変性PVAにメタノール1000gを加えて
室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回繰り返
した後、遠心脱液して得られたビニレンカーボネート変
性PVAを乾燥機中70℃で2日間放置して、乾燥ビニ
レンカーボネート変性PVAを得た。得られたビニレン
カーボネート変性PVAのけん化度は99.5モル%で
あった。また、重合後未反応酢酸ビニルモノマーを除去
して得られたビニレンカーボネート変性ポリ酢酸ビニル
のメタノール溶液を、アルカリモル比0.5でけん化し
た後、粉砕したものを60℃で5時間放置してけん化を
進行させた後、メタノールによるソックスレー洗浄を3
日間実施し、次いで80℃で3日間減圧乾燥を行って精
製ビニレンカーボネート変性PVAを得た。該ビニレン
カーボネート変性PVAの重合度を常法のJIS K6
726に準じて測定したところ1250であった。該精
製ビニレンカーボネート変性PVAの1,2−グリコー
ル結合量を500MHzプロトンNMR装置による測定
から前述のとおり求めたところ、2.50モル%、変性
量は0.6モル%、短鎖分岐量0.043モル%であっ
た。物性値を表1にまとめて示す。次に、実施例1と同
様な方法でフィルムを作成して、実施例1で使用したア
ルカリ性物質を包装し、長期保存テストの加速試験を実
施した。得られた評価結果を表2に示した。
【0035】比較例1 重合温度60℃で重合した1,2−グリコール結合量
1.60モル%、重合度1200,けん化度88.0モ
ル%、短鎖分岐量0モル%のPVAを用いて実施例1と
同様にフィルムを作成して、実施例1で使用したアルカ
リ性物質を包装し、長期保存テストの加速試験を行っ
た。得られた評価結果を表2に示した。
【0036】比較例2 重合温度60℃で重合した1,2−グリコール結合量
1.60モル%、重合度1000,けん化度95.0モ
ル%、短鎖分岐量0モル%のPVAを用いて実施例1と
同様にフィルムを作成して、実施例1で使用したアルカ
リ性物質を包装し、長期保存テストの加速試験を行っ
た。得られた評価結果を表2に示した。
【0037】比較例3 重合温度60℃で酢酸ビニルと無水マレイン酸をメタノ
ール溶液中で共重合し、得られた共重合体をけん化し、
重合度1750、けん化度98.2モル%、マレイン酸
を3.5モル%共重合させたマレイン酸変性PVAを得
た。このマレイン酸変性PVAは、1,2−グリコール
結合量1.50モル%、短鎖分岐量0モル%であった。
実施例1と同様にフィルムを作成して、実施例3で使用
したアルカリ性物質を包装し、長期保存テストの加速試
験を行った。得られた評価結果を表2に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】上記の実施例より明らかなように、本発
明のフィルムは優れた水溶性を有し、アルカリ性物質に
対する耐薬品性や生分解性にも優れ、さらにフィルムに
腰があり、作業性にも優れている。一方、比較例で示す
ように、1,2−グリコール結合量1.8モル%未満の
PVA系樹脂から得られたフィルムでアルカリ性物質を
包装すると、アルカリ性物質に対する耐薬品性が劣って
いるため、経時的に水溶性が低下する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日笠 慎太郎 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 Fターム(参考) 4F071 AA29 AA47 AC05 AE04 AF02 AF52 AH04 BB02 BC01 4J002 BE031 CH022 EC056 ED026 FD022 FD026 GG02 4J100 AA02Q AA03Q AA04Q AA06Q AC02Q AC03Q AC04Q AC23Q AC24Q AE03Q AE04Q AE06Q AG02P AG03P AG04P AG05P AG06P AG08P AG11Q AJ02Q AJ09Q AK18Q AL03Q AL04Q AL39Q AM02Q AM15Q AM17Q AM19Q AN01Q AP16Q AQ08Q BA03H BA13Q BA14Q BA77Q BC43P CA01 CA04 DA72 HA09 HA61 JA58

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,2−グリコール結合量が1.8モル
    %以上、けん化度が92〜99.9モル%のポリビニル
    アルコール系樹脂からなるアルカリ性物質包装用フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 前記ポリビニルアルコール系樹脂100
    重量部に対して可塑剤を5〜40重量部含有してなる請
    求項1記載のアルカリ性物質包装用フィルム。
  3. 【請求項3】 前記ポリビニルアルコール系樹脂が短鎖
    分岐を0.03モル%以上有している請求項1または2
    記載のアルカリ性物質包装用フィルム。
  4. 【請求項4】 生分解率が60%以上である請求項1〜
    3のいずれか1項記載のアルカリ性物質包装用フィル
    ム。
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