JP2002020506A - 耐衝撃性に優れたポリビニルアルコール系水溶性フィルム - Google Patents
耐衝撃性に優れたポリビニルアルコール系水溶性フィルムInfo
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Abstract
ルコール系水溶性フィルムを提供すること。 【解決手段】 5℃の引張衝撃強度が1kg・cm以上
であるポリビニルアルコール系水溶性フィルムにより、
上記課題が達成される。
Description
ール(以下、ポリビニルアルコールを「PVA」と略称
することがある)からなる耐衝撃性に優れた水溶性フィ
ルムに関する。
を一定量づつ水溶性フィルムに密封包装して、使用時に
その包装形態のまま水中に投入し、内容物を包装フィル
ムごと水に溶解または分散して使用する方法が行われる
ようになっている。このユニット包装の利点は、使用時
に危険な薬品に直接触れることなく使用できること、一
定量が包装されているために使用時に計量する必要がな
いこと、薬剤を包装、輸送した容器または袋などの使用
後の処理が不要または簡単であることなどである。
ィルムとして、部分けん化PVAフィルムが用いられて
いた。これらの水溶性フィルムは、冷水や温水に易溶性
であり、機械的強度が優れるなどの性能を有している。
ることが多いため、農薬の包装、輸送、保管は冬場に行
われることが多い。フィルムは温度が下がると固くなる
ため、輸送の際に破袋が少ない水溶性フィルムが必要と
されている。しかし、従来のPVAフィルムは、耐衝撃
性が充分でなく破袋しやすいという問題を有している。
衝撃性が良好で破袋しにくいPVA系水溶性フィルムを
提供することにある。
鑑み鋭意検討した結果、特定の引張衝撃強度を有するP
VAフィルムが、目的とする性質を有する水溶性フィル
ムとして非常に有用であることを見出し、本発明を完成
するに至った。
1kg・cm以上であることを特徴とするPVA系水溶
性フィルムに関する。より好ましくは、5℃の引張衝撃
強度が1kg・cm以上であり、かつ5℃での製膜方向
の引張衝撃強度(MD)と幅方向の引張衝撃強度(T
D)の比(TD/MD)が0.5〜1.1であるPVA
系水溶性フィルムに関する。
に説明する。本発明に用いられるPVAは、ビニルエス
テル系単量体を重合させて得られる重合体を、通常、ア
ルコール溶液中でアルカリまたは酸触媒を用いてけん化
し、ビニルエステル単位をビニルアルコール単位とした
ものを用いることができる。
系単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ギ酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン
酸ビニルなどを挙げることができ、これらのうち1種ま
たは2種以上を用いることができる。これらのなかでも
工業的に生産され、コスト的に有利な酢酸ビニルを用い
るのが好ましい。
なわない範囲で他の単量体単位を含有しても差し支えな
い。このような単量体単位としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセ
ン等のα−オレフィン類、アクリル酸及びその塩とアク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロ
ピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル類、メタ
クリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸
i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸
i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル
酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル類、アクリル
アミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸
およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミン
およびその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリ
ルアミドおよびその誘導体等のアクリルアミド誘導体、
メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−
エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンス
ルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメ
チルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロ
ールメタクリルアミドおよびその誘導体等のメタクリル
アミド誘導体、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホル
ムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミ
ド類、ポリアルキレンオキシドを側鎖に有するアリルエ
ーテル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニル
エーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニ
ルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニ
ルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエー
テル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニ
トリル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル、酢酸アリ
ル、塩化アリル等のアリル化合物、マレイン酸およびそ
の塩またはそのエステル、ビニルトリメトキシシラン等
のビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニル等がある。
変性量は通常5モル%以下である。
としては溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重
合法等、従来公知の方法が適用できる。重合触媒として
は、重合方法に応じて、アゾ系触媒、過酸化物系触媒、
レドックス系触媒等が適宜選ばれる。
リ触媒、あるいは酸触媒での加アルコール分解、加水分
解等が適用できる。このうちメタノールを溶剤とするN
aOH触媒によるけん化反応が簡便で最も好ましい。
限定は無いが、水溶性フィルムの場合、フィルムの機械
的な物性も重要であり、10〜100μmの薄い厚さで
も強い強度と柔軟性が要求されており、フィルムの強度
やタフネスの点からは粘度平均重合度が500以上であ
るのが好ましく、1000以上であるのがより好まし
く、1500以上であるのがさらに好ましく、2000
以上であるのが特に好ましい。耐衝撃性の点からは20
00以上が好ましく、2400以上が特に好ましい。一
方、水溶性の点から6000以下が好ましく、4000
以下がさらに好ましい。粘度平均重合度が500未満で
はフィルム強度が弱くなる傾向にあり、また6000よ
り大きい場合にはフィルムを製膜するときに使用する製
膜原料溶液の粘度が高くなり、作業性が低下する傾向が
ある。
ん化度は80〜95モル%であり、82〜92モル%が
好ましく、85〜90モル%が特に好ましい。けん化度
が80モル%より小さい場合にも、けん化度が95モル
%より大きい場合にも水溶性が不充分であることから好
ましくない。けん化度はJIS記載の方法により測定す
ることができる。
寒冷地でも運搬、貯蔵、使用がなされるため、フィルム
の強度やタフネスが要求される。特に低温での耐衝撃性
が必要とされる。そのためフィルムのガラス転移点を下
げるために、種々の可塑剤が用いられる。
Aの可塑剤として一般に用いられているものなら特に制
限はなく、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ジエチ
レングリコール、トリメチロールプロパン、トリエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレング
リコールなどの多価アルコール類、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテル
類、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどのフェノ
ール誘導体、N−メチルピロリドンなどのアミド化合
物、さらにはグリセリン、ペンタエリスリトール、ソル
ビトールなどの多価アルコールにエチレンオキサイドを
付加した化合物や水などを挙げることができ、これらの
うち1種または2種以上を用いることができる。
対して5〜30重量部であり、好ましくは8〜25重量
部であり、さらに好ましくは10〜20重量部である。
可塑剤の配合割合が5重量部未満の場合には、耐衝撃性
が不充分である。一方、可塑剤の配合割合が30重量部
を超える場合には、可塑剤のブリードアウトが大きくな
り、フィルムがブロッキングしやすいため好ましくな
い。また、得られるフィルムの腰(製袋機等の工程通過
性)の点からも、30重量部以下の割合で配合するのが
好ましい。得られるフィルムの水溶性を向上させる点か
らは、可塑剤の配合量が多いほど好ましい。また、ヒー
トシール温度は様々な要因で変化するが、特に可塑剤の
配合量が多いほどヒートシール温度は低下し、フィルム
製袋時の生産性が向上するので好ましい。特に、得られ
るフィルムのヒートシール温度が170℃以下となるよ
うな割合で可塑剤を配合するのが好ましく、160℃以
下となるような割合で可塑剤を配合するのがより好まし
い。
て、無機フィラーを配合することができる。本発明に用
いられる無機フィラーとしては、例えば、シリカ、重
質、軽質又は表面処理された炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪藻土、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ゼオライト、酸化亜
鉛、珪酸、珪酸塩、マイカ、炭酸マグネシウム、カオリ
ン、ハロサイト、パイロフェライト、セリサイト等のク
レー、タルク等を挙げることができ、これらのうち1種
または2種以上を用いることができる。これらのなかで
も、特にPVAへの分散性の点から、シリカあるいはタ
ルクを用いるのが好ましい。無機フィラーの粒子径は、
ブロッキング防止性の点から1μm以上が好ましく、P
VAへの分散性の点から10μm以下が好ましい。その
両者の性能を両立させるには、粒径が1〜7μm程度の
大きさのものがより好ましい。
性剤を配合することができる。界面活性剤の種類として
は特に限定はないが、アニオン性あるいはノニオン性の
界面活性剤が好ましい。アニオン性界面活性剤として
は、例えば、ラウリン酸カリウムなどのカルボン酸型、
オクチルサルフェートなどの硫酸エステル型、ドデシル
ベンゼンスルホネートなどのスルホン酸型のアニオン性
界面活性剤が好適である。ノニオン性界面活性剤として
は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテルやポ
リオキシエチレンオレイルエーテルなどのアルキルエー
テル型、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル
などのアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレ
ンラウレートなどのアルキルエステル型、ポリオキシエ
チレンラウリルアミノエーテルなどのアルキルアミン
型、ポリオキシエチレンラウリン酸アミドなどのアルキ
ルアミド型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
エーテルなどのポリプロピレングリコールエーテル型、
オレイン酸ジエタノールアミドなどのアルカノールアミ
ド型、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテルな
どのアリルフェニルエーテル型などのノニオン性界面活
性剤が好適である。これらの界面活性剤の1種あるいは
2種以上の組み合わせで使用することができる。ブロッ
キング防止性の点からアルキルエーテル系界面活性剤が
好ましく、中でもポリオキシエチレンオレイルエーテル
が特に好ましい。界面活性剤の添加量としてはPVA1
00重量部に対して0.01〜2重量部が好ましく、
0.1〜1重量部がさらに好ましく、0.2〜0.5重
量部が特に好ましい。0.01重量部より少ないと製膜
装置のダイスやドラムなどの金属表面と、製膜したフィ
ルムやフィルム原液との剥離性が低下して製造が困難と
なるために好ましくない。添加量が2重量部より多いと
フィルム表面に溶出しブロッキングの原因になり取り扱
い性が低下する場合があるため好ましくない。
着色剤、香料、増量剤、消泡剤、剥離剤、紫外線吸収剤
などの通常の添加剤を適宜配合しても差し支えない。ま
た必要に応じて、本発明の効果を失わない範囲内で、本
発明のPVAとは異なった種類のPVA、澱粉、カルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ
メチルセルロースなどの水溶性高分子を配合しても良
い。
Aに、可塑剤、界面活性剤および必要に応じて無機フィ
ラーや上記した他の成分を配合し、所望の方法で混合す
ることにより得られるPVA系組成物を用いて製造する
ことができる。
一般にキャストフィルムを製膜する際に用いられている
製膜方法、例えば、流延製膜法、湿式製膜法、乾式製膜
法、押出製膜法、溶融製膜法などの製膜方法で、水溶性
フィルムを製膜することができる。製膜原液としてPV
A系組成物を水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、n−プ
ロパノール、i−プロパノール、フェノールなどの溶媒
に溶解した均一な溶液を調製するためには、PVA系組
成物を構成する成分を予め全て混合した後に溶媒に溶解
しても、あるいはPVA系組成物を構成する成分をそれ
ぞれ溶媒に溶解した後に、それらの溶液を混合しても構
わない。製膜原液の濃度は粘度の点から50重量%以下
(溶媒の含有量が50重量%より大)が好ましく、製膜
したフィルムの表面にマット状態が形成されやすい点か
ら35重量%以下(溶媒の含有量が65重量%より大)
がさらに好ましい。濃度の下限としては、工業的な実施
の点から10重量%以上が好ましい。
トロールはロールでもベルトでも構わない。そのキャス
トロール表面の温度は80〜110℃であり、85〜1
05℃が好ましく、90〜100℃が特に好ましい。8
0℃より低いと乾燥後の剥離性が不充分になりやすく、
また得られたフィルムのブロッキング性が悪化すること
があるため好ましくない。110℃より高いとフィルム
が発泡して孔が開くことがあるため好ましくない。
は、10〜100μmであるのが好ましく、特に強度と
水溶性のバランスの点から30〜80μmであるのがよ
り好ましい。
キング防止性をさらに向上させるために、必要に応じ
て、該水溶性フィルム表面をロールマット化あるいはベ
ルトマット化したり、シリカや澱粉などのブロッキング
防止用の粉を塗布したり、エンボス処理を行うこともで
きる。フィルム表面のロールマット化あるいはベルトマ
ット化は、製膜時に乾燥前のフィルムが接するロールあ
るいはベルトに微細な凹凸を形成しておくことにより施
すことができる。エンボス処理は一般にフィルムが形成
された後で、熱や圧力を加えながらエンボスロールとゴ
ムロールでニップすることで行うことができる。粉の塗
布はブロッキング防止の効果が大きいが、用途によって
は使用できないことがあるため、ブロッキング防止のた
めにはロールマット化やエンボス処理を施すほうが好ま
しい。ブロッキング防止効果が大きいためロールマット
化あるいはベルトマット化することが特に好ましい。
表面粗さは1S以上であり、2S以上がより好ましく、
3S以上が特に好ましい。1Sより小さいとブロッキン
グ防止性が不充分である。上限は特に限定されないが、
粘度によっては気泡が発生して孔が開くことがあるた
め、10S以下が好ましい。
成して薬剤等を包装することが多いため、耐衝撃性が必
要である。本発明のPVA系水溶性フィルムについて
は、5℃での引張衝撃強度が1kg・cm以上であるこ
とが必須であり、1.2kg・cm以上がより好まし
く、1.5kg・cm以上であることが特に好ましい。
1kg・cmより小さいと輸送中の衝撃により、破袋の
恐れがあるため好ましくない。また、5℃の引張衝撃強
度が1kg・cm以上であり、かつ5℃でのフィルムの
製膜方向の引張衝撃強度(MD)と幅方向の引張衝撃強
度(TD)の比(TD/MD)が0.5〜1.1である
PVA系水溶性フィルムがさらに好ましい。(TD/M
D)が0.6〜1.05であるPVA系水溶性フィルム
がさらにより好ましく、同比が0.7〜1.0であるP
VA系水溶性フィルムが特に好ましい。同比が0.5よ
り小さいと輸送中に破袋が起こりやすくなるため好まし
くない。同比が1.1より大きい条件は製膜中にフィル
ムにシワが入りやすくなるため、製造が困難である。本
発明ではキャスト速度と巻き取り速度を適宜コントロー
ルすることにより、引張衝撃強度比(TD/MD)を調
節できる。
剤、トイレブロック剤、入浴剤や農薬などの水に溶解さ
せて使用する物品の包装、特にユニット包装の材料とし
て非常に有用である。本発明のPVA系水溶性フィルム
から製造した包装袋は、そのまま水中に投入するだけで
速やかに溶解し、その内容物は水中に放出される。
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。なお実施例中のPVA系水溶性フィルムの水溶
性の測定方法および耐衝撃性の評価方法は以下の方法
により行った。
方法:20℃の恒温バスにマグネティックスターラーを
設置する。1Lの蒸留水を入れた1Lのガラスビーカー
をバスに入れ、5cmの回転子を用いて250rpmで
撹拌を行う。ビーカー内の蒸留水が20℃になった後、
水溶性の測定を開始する。フィルムを40×40mmの
正方形に切り、これをスライドマウントにはさみ、20
℃の撹拌している水中に浸漬し、フィルムの溶解状態を
観察した。フィルムが溶解するまでの時間(秒)を測定
した。なお、フィルムの厚さが40μmとは異なるフィ
ルムを用いる場合には、下記の式(1)に従ってフィル
ムの厚さ40μmの値に換算する。
1822に従い、5℃で引張衝撃強度の測定を行った。
0gの乾燥砂を入れて、5℃に冷却後、2mの高さから
コンクリートの床の上に落として、破袋状態を観察し
た。
量部に対し、可塑剤としてグリセリン20重量部、界面
活性剤としてポリオキシエチレンオレイルエーテル0.
2重量部および水を添加して、温度95℃の均一な濃度
20重量%(含水率80重量%)の製膜原液を作成し、
95℃の表面粗さ2Sのステンレスロールへキャスト
し、乾燥することにより厚さ40μmのフィルムを得
た。キャストロール速度は6m/分、乾燥フィルムの巻
き取り速度は8m/分であった。このフィルムの水溶性
(水に溶解するまでの時間)は20℃で50秒であっ
た。5℃の引張衝撃強度は製膜方向の引張衝撃強度(M
D)が1.6kg・cm、幅方向の引張衝撃強度(T
D)が1.5kg・cmであり、TD/MDの比は0.
94であった。落下衝撃試験での破袋は観察されなかっ
た。
量部に対し、可塑剤としてグリセリン20重量部、界面
活性剤としてポリオキシエチレンオレイルエーテル0.
2重量部および水を添加して、温度95℃の均一な濃度
25重量%(含水率75重量%)の製膜原液を作成し、
95℃の表面粗さ2Sのステンレスロールへキャスト
し、乾燥することにより厚さ40μmのフィルムを得
た。キャストロール速度は10m/分、乾燥フィルムの
巻き取り速度は14m/分であった。このフィルムの水
溶性(水に溶解するまでの時間)は20℃で45秒であ
った。5℃の引張衝撃強度はMDが1.4kg・cm、
TDが1.2kg・cmであり、TD/MDの比は0.
86であった。落下衝撃試験での破袋は観察されなかっ
た。
量部に対し、可塑剤としてグリセリン20重量部、界面
活性剤としてポリオキシエチレンオレイルエーテル0.
2重量部および水を添加して、温度95℃の均一な濃度
30重量%(含水率70重量%)の製膜原液を作成し、
95℃の表面粗さ2Sのステンレスロールへキャスト
し、乾燥することにより厚さ40μmのフィルムを得
た。キャストロール速度は15m/分、乾燥フィルムの
巻き取り速度は22m/分であった。このフィルムの水
溶性(水に溶解するまでの時間)は20℃で35秒であ
った。5℃の引張衝撃強度はMDが1.3kg・cm、
TDが1.0kg・cmであり、TD/MDの比は0.
77であった。落下衝撃試験でシール部からの破袋が5
%の確率で観察された。
様にしてフィルムを得た。キャストロール速度は6m/
分、乾燥フィルムの巻き取り速度は8m/分であった。
このフィルムの水溶性(水に溶解するまでの時間)は2
0℃で75秒であった。引張衝撃強度はMDが0.8k
g・cm、TDが0.3kg・cmであり、TD/MD
の比は0.38であった。落下衝撃試験で破袋が90%
の確率で観察された。
1と同様にしてフィルムを得た。キャストロール速度は
6m/分、乾燥フィルムの巻き取り速度は8m/分であ
った。このフィルムの水溶性(水に溶解するまでの時
間)は20℃で68秒であった。引張衝撃強度はMDが
1.2kg・cm、TDが0.9kg・cmであり、T
D/MDの比は0.75であった。落下衝撃試験で破袋
が70%の確率で観察された。
例1と同様にしてフィルムを得た。キャストロール速度
は6m/分、乾燥フィルムの巻き取り速度は8m/分で
あった。このフィルムの水溶性(水に溶解するまでの時
間)は20℃で35秒であった。引張衝撃強度はMDが
2.5kg・cm、TDが3.7kg・cmであり、T
D/MDの比は1.5であった。落下衝撃試験でシール
部からの破袋が15%の確率で観察された。
例1と同様にしてフィルムを得た。キャストロール速度
は6m/分、乾燥フィルムの巻き取り速度は12m/分
であった。このフィルムの水溶性(水に溶解するまでの
時間)は20℃で38秒であった。引張衝撃強度はMD
が2.8kg・cm、TDが1.2kg・cmであり、
TD/MDの比は0.43であった。落下衝撃試験でシ
ール部からの破袋が30%の確率で観察された。
衝撃性に優れており、薬品包装、染料包装、洗剤包装な
ど従来公知の水溶性フィルムの用途に好ましく用いられ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 5℃の引張衝撃強度が1kg・cm以上
であることを特徴とするポリビニルアルコール系水溶性
フィルム。 - 【請求項2】 5℃での製膜方向の引張衝撃強度(M
D)と幅方向の引張衝撃強度(TD)の比(TD/M
D)が0.5〜1.1である請求項1記載のポリビニル
アルコール系水溶性フィルム。 - 【請求項3】 ポリビニルアルコールの重合度が200
0以上である請求項1または2記載のポリビニルアルコ
ール系水溶性フィルム。
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JP2000206389A JP5122039B2 (ja) | 2000-07-07 | 2000-07-07 | 耐衝撃性に優れたポリビニルアルコール系水溶性フィルム |
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