JP7162077B2 - 水溶性フィルムおよび包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、各種薬剤の梱包などに好適に使用されるポリビニルアルコール樹脂の水溶性フィルム及びそれを用いた包装体に関する。
従来から水溶性フィルムは、その水溶性を活かして、液体洗剤、農薬や殺菌剤といった各種薬剤の包装や、種子を内包するシードテープなど、幅広い分野で使用されてきた。
かかる用途に用いる水溶性フィルムには、主にポリビニルアルコール樹脂(以下、PVAと称することがある)が用いられており、可塑剤等の各種添加剤を配合したり、変性ポリビニルアルコールを用いたりすることによって、水溶性を高めたフィルムが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2017-078166
近年、水溶性フィルムを用いた洗濯洗剤梱包体などが販売されているが、外観視認性の観点から、梱包した中身の洗剤が透けて見えるような、透明度が高い水溶性フィルムが望まれている。特に近年では、色が異なる洗剤や柔軟剤など数種類の薬剤を一つの梱包体に包み別けられた商品が発売されており、そのため高い透明性を有し、包装内部の視認性に優れる水溶性フィルムへの要求が高まっている。
一般的に、フィルムの透明性を高めるためには、フィルムの外部ヘイズを下げる、つまりは、フィルムの表面凹凸を少なくし、平滑にする方法が有効である。しかしながら水溶性フィルムではとりわけ、フィルム表面が平滑であるほど、吸湿した際にフィルム同士のこう着が容易に発生し、フィルムロール巻き出し時に破れや、延伸、梱包体同士のこう着による梱包体保管時の破裂、内容物の漏洩が発生する場合がある。また、フィルムを熱処理するなどして結晶化度を上げてこう着を抑制する場合、良好な水溶性が損なわれる場合がある。そのため従来の技術では、フィルムの透明性と、フィルム同士のこう着抑性の両立は難しく、高まる要求性能を満足できるようなフィルムの開発には限界があった。
本発明は、フィルムの透明性・水溶性に優れ、かつフィルム同士のこう着が抑制された水溶性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、水溶性フィルムにおける結晶化度、結晶子サイズ、および外部ヘイズを特定の範囲とすることにより、上記課題が達成されることを見出し、当該知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]から[7]に関する。
[1]ポリビニルアルコール樹脂を含有する水溶性フィルムの広角X線測定により得られるX線プロファイルから求めた結晶子サイズが4.0~5.5nm、かつ結晶化度が10.0~25.0%であり、外部ヘイズが7.0~30.0%である水溶性フィルム。
[2]全ヘイズが55.0%以下である、[1]に記載の水溶性フィルム。
[3]内部ヘイズが35.0%以下である、[2]に記載の水溶性フィルム。
[4]さらに可塑剤を含有し、該可塑剤の含有量がポリビニルアルコール樹脂100質量部に対して8~35質量部である、[1]~[3]のいずれかに記載の水溶性フィルム。
[5][1]~[4]のいずれかに記載の水溶性フィルムが薬剤を収容している包装体。
[6]前記の薬剤が農薬、洗剤または殺菌剤である、[5]に記載の包装体。
[7]前記の薬剤が液体状である、[5]または[6]に記載の包装体。
本発明によれば、水に対する溶解性が優れ、かつフィルムの透明性とフィルム同士のこう着が抑制されたPVA水溶性フィルム、およびそれを用いた包装体が提供される。
X線プロファイルにより得られる実測データの模式図である。 図1で引いたベースラインを基に補正を行った時の模式図である。 近似式にて非晶部をフィッティングした時の模式図である。 近似式にて結晶部をフィッティングした時の模式図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
一般的に、フィルムの透明性は、ヘイズ値を調整することで制御することができる。ヘイズには、材料表面の凹凸が要因となり、フィルムの表面で光が散乱しフィルムが曇って見える度合いを表す外部ヘイズと、材料そのものの組成や相分離状態が要因となり、フィルムの内部で光が散乱しフィルムが曇って見える度合いを表す内部ヘイズがある。それらの足し合わせが全ヘイズである。透明性を高めるためには、全ヘイズを小さくする、すなわち、外部ヘイズを小さくするか、内部ヘイズを小さくするか、あるいはその両方の方法が採用される。
上述したように、外部ヘイズを下げるためには、フィルム表面を平滑にすればよいが、優れた水溶性を有するPVAフィルムにおいては、フィルム表面が平滑であるほどフィルムロール等においてフィルム同士の接触面積が増えるため、フィルムが吸湿した場合にフィルム同士のこう着を生じやすくなる。その結果、フィルムロール巻き出し時の破れや延伸、あるいは包装体同士のこう着による梱包体保管時の破裂、内容物の漏洩などが生じ易い。そのため、フィルムの平滑化による外部ヘイズの低減には、限度があり、本発明においては外部ヘイズが7.0%以上であることが必要である。外部ヘイズは、好ましくは8.0%以上、より好ましくは9.0%以上、さらに好ましくは10.0%以上、特に好ましくは11.0%以上である。
また、外部ヘイズが高すぎるとフィルムの透明性を確保するのが難しくなるので、本発明では30.0%以下であることが必要である。外部ヘイズは、好ましくは27.0%以下、より好ましくは24.0%以下、さらに好ましくは21.0%以上、特に好ましくは19.0%以下である。
外部ヘイズの調整方法は、フィルムをエンボスロールに接触させる方法、フィルム製膜に使用する金属ロールやベルトの表面に凹凸をつけ、フィルムが接触する際にそれを転写する方法、フィルムの表面に無機物あるいは有機物の微粒子を塗布する方法、フィルムの製膜原液中に無機物あるいは有機物の微粒子を混合する方法などが挙げられる。
無機物あるいは有機物の微粒子を使用する場合には、屈折率がPVAに近い微粒子を使用することが、内部ヘイズの上昇を抑制するために好ましい。
一方、内部ヘイズに関しては、一般的に、球晶などの結晶子サイズが大きくなるほど、内部ヘイズが大きくなる傾向が知られている(例えば、WO2018/003884)。そのため、こう着性を抑制できる程度のフィルム表面凹凸、すなわち外部ヘイズをある一定値以上としながら、全ヘイズを小さくするためには、結晶子サイズを下げることによって、内部ヘイズを下げる必要がある。
しかしながら、結晶子サイズと、結晶化度は、共に相関関係にあり、結晶子サイズを小さくしようとすると、結晶化度も小さくなってしまい、結果として、水溶性が高くなり、フィルム同士のこう着が発生し易くなる。よって、従来の技術では、結晶子サイズを下げて高い透明性を確保しながら、フィルム同士のこう着を抑制することは困難であった。
本発明では、結晶子サイズと結晶化度の相関関係を制御することにより、結晶子サイズが小さくても、必要な結晶化度を確保することにより、フィルムの透明性と、フィルム同士のこう着抑制を発現しうる水溶性フィルムの発明に至った。
<広角X線測定>
本発明の水溶性フィルムは、広角X線測定により得られるX線プロファイルから求めた結晶子サイズが4.0~5.5nmであり、結晶化度が10.0~25.0%である。
ここで、広角X線測定とは、試料にX線を照射した際、X線が原子の周りにある電子によって散乱、干渉した結果、起こる回折を解析することを測定原理としている。この回折情報を用いることにより、結晶化度、結晶子サイズ等を知ることができる。
原子が規則正しく配列している物質に、原子の間隔と同程度の波長(0.5Å~3Å)を持つX線が入射すると、各原子に所属する電子によりX線が散乱される。散乱したX線は互いに干渉し合い、特定の方向で強めあう。ブラッグの式によれば、dを格子間距離、θをブラッグ角、λをX線の波長とした時に、2d・sinθ=nλ を満たす方向でのみこの回折X線が観測される。
PVAフィルムにおいては、2θ=約20°付近に(101)面及び(200)面由来の回折ピークが出ることが知られている。今回は、これらのピークから、結晶化度及び結晶子サイズを求めた。
(結晶化度の算出)
・ベースライン補正
X線プロファイル結果において、2θ=15°及び25°の値を直線で結び、ベースラインとした(図1)。新たに設定したベースラインを基に、実測データからベースラインまでの差分を新たな強度(縦軸のIntensity)として2θ-Intensityとしてプロットし直した。(図2)
・非晶ピークのフィッティング
ベースライン補正後のプロファイルデータ(図2)に対して、下記近似式にて非晶ピークをフィッティングした。
f(x)=a・exp(-{(x-b)/c}
ここで a:ピーク高さ、b:ピークトップ位置、c:半値幅である。
更に、この時、2θ=15°~17.6°、及び21°~21.6°とのズレが最小となるように最小二乗法によってフィッティングした。また、この時のフィッティング関数のピークトップ位置(2θ)は、(101)面つまり20°付近となるようにした。(図3)。本フィッティング関数のピーク面積を非晶量(A)とする。
・結晶ピークのフィッティング
同様に、ベースライン補正後のプロファイルデータ(図2)の(101)面、(200)面におけるピークに関しても、上記と同じ関数でフィッティングした。この時、(101)面に関しては、20°付近、(200)面に関しては、23°付近にピークトップが来るようにした。更に、先で求めた非晶のフィッティング関数も含め、すべてのフィッティング関数の和と、ベースライン補正後のデータとの差が最小になるように最小二乗法によってフィッティングした。(図4)。これらのフィッティング関数のピーク面積をそれぞれ結晶量(B)、(C)とした。
・結晶化度の算出
上記非晶、結晶の面積値から下記式で求められるものを結晶化度と定義する。
結晶化度(%)
={(B)+(C)}/{(A)+(B)+(C)}×100
・結晶子サイズの算出
上記(200)面の結晶ピーク由来のフィッティング関数の半値幅から、シェラー式(シェラー定数K=0.94)を用いて算出した値を結晶子サイズと定義する。
結晶子サイズ D(nm)=Kλ/ωcosθ
本発明において、フィルムの結晶子サイズは4.0~5.5nmである。結晶子サイズが5.5nmより大きいと、フィルムの内部ヘイズが増大する傾向があり、フィルムの透明性が損なわれる。一方4.0nmよりも小さいと、逆に結晶が溶解し易くなるため、フィルム同士のこう着が発生し易くなる。結晶子サイズの上限は5.0nm以下であることが好ましく、4.8nm以下であることがより好ましい。また結晶子サイズの下限は4.3nm以上であることが好ましく、4.5nm以上であることがより好ましい。
本発明において、フィルムの結晶化度は10.0~25.0%である。結晶化度が25.0%より大きいとフィルムの水溶性が不足し、溶け残り残渣が発生し易い。一方、10.0%より小さいと結晶が溶解し易くなるため、フィルム同士のこう着が発生し易くなる。結晶化度の上限は23.0%以下であることが好ましく、21.0%以下であることがより好ましい。また結晶化度の下限は13.0%以上であることが好ましく、15.0%以上であることがより好ましい。
本発明において、透明性の観点からフィルムの内部ヘイズは35.0%以下であることが好ましい。フィルムの内部ヘイズは35.0%を超えると、フィルムの十分な透明性が確保できなくなるおそれがある。フィルムの内部ヘイズは、より好ましくは33.0%以下、さらに好ましくは31.0%以下である。
本発明において、結晶子サイズおよび結晶化度を上記範囲にコントロールすることが重要である。例えば、ポリビニルアルコール樹脂の種類(けん化度、変性量、未変性PVA/変性PVAのブレンド比等)を調整する方法、可塑剤の添加量を調整する方法、フィルム製造条件(ロール温度、熱処理条件、フィルターの枚数や孔径等)を調整する方法、また、核剤となる無機粒子などを添加する方法、及びこれらの組み合わせで調整する方法が挙げられる。
本発明において、フィルムの全ヘイズは55.0%以下であることが好ましく、53.0%以下であることがより好ましく、50.0%以下であることがさらに好ましく、48.0%以下であることが特に好ましい。
<ポリビニルアルコール樹脂>
本発明の水溶性フィルムはポリビニルアルコール樹脂を含有する。PVAとしては、ビニルエステルモノマーを重合して得られるビニルエステル重合体をけん化することにより製造されたものを使用することができる。ビニルエステルモノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等を挙げることができ、これらの中でも酢酸ビニルが好ましい。
上記のビニルエステル重合体は、単量体として1種または2種以上のビニルエステルモノマーのみを用いて得られたものが好ましく、単量体として1種のビニルエステルモノマーのみを用いて得られたものがより好ましいが、1種または2種以上のビニルエステルモノマーと、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。
このようなビニルエステルモノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、エチレン;プロピレン、1-ブテン、イソブテン等の炭素数3~30のオレフィン;アクリル酸またはその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸i-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸i-ブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸2-エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸またはその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸i-プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸i-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸2-エチルへキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N-メチロールアクリルアミドまたはその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N-メチロールメタクリルアミドまたはその誘導体等のメタクリルアミド誘導体;N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン等のN-ビニルアミド;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、i-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、i-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;イタコン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどを挙げることができる。上記のビニルエステル重合体は、これらの他のモノマーのうちの1種または2種以上に由来する構造単位を有することができる。
上記のビニルエステル重合体に占める上記他のモノマーに由来する構造単位の割合は、水溶性やフィルム強度の観点から、ビニルエステル重合体を構成する全構造単位のモル数に基づいて、15モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
PVAの重合度に特に制限はないが、重合度の下限としては、フィルム強度の観点から200以上であることが好ましく、300以上であることがより好ましく、500以上であることがさらに好ましい。一方、重合度の上限としては、PVAの生産性やPVAフィルムの生産性などの点から8,000以下であることが好ましく、5,000以下であることがより好ましく、3,000以下であることがさらに好ましい。ここで重合度とは、JIS K6726-1994の記載に準じて測定される平均重合度を意味し、PVAを再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から次式により求められる。
重合度Po = ([η]×10/8.29)(1/0.62)
本発明において、PVAのけん化度は64~93モル%であることが好ましい。けん化度をこの範囲に調整することにより、フィルムの水溶性と力学物性を両立しやすい。けん化度の下限は、70モル%以上であることがより好ましく、75モル%以上であることが更に好ましい。一方けん化度の上限は91モル%以下であることがより好ましく、90モル%以下であることが更に好ましい。ここでPVA系重合体のけん化度は、PVA系重合体が有する、けん化によってビニルアルコール単位に変換され得る構造単位(典型的にはビニルエステルモノマー単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対して当該ビニルアルコール単位のモル数が占める割合(モル%)をいう。PVA系重合体のけん化度は、JIS K6726-1994の記載に準じて測定することができる。
本発明におけるPVA水溶性フィルムは、PVAとして1種類のPVAを単独で用いてもよいし、重合度やけん化度あるいは変性度などが互いに異なる2種以上のPVAをブレンドして用いてもよい。
本発明において、PVAフィルムにおけるPVAの含有率の上限としては、100質量%以下が好ましい。一方、上記PVAの含有率の下限としては、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。
<可塑剤>
PVAフィルムは可塑剤を含まない状態では他のプラスチックフィルムに比べ剛直であり、衝撃強度等の機械的物性や二次加工時の工程通過性などが問題になることがある。それらの問題を防止するために、本発明の水溶性フィルムには可塑剤を含有させることが好ましい。
好ましい可塑剤としては多価アルコールが挙げられ、具体的には、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ソルビトール等の多価アルコールなどを挙げることができる。これらの可塑剤は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの可塑剤の中でも、フィルム表面へのブリードアウトをしにくいなどの観点から、エチレングリコールまたはグリセリンが好ましく、グリセリンがより好ましい。
PVAフィルムに含有させる可塑剤の量を調整することにより、結晶子サイズ、結晶化度の調整が可能である。PVA分子鎖の一次構造にもよるが、一般に可塑剤を含まないPVAフィルムに比べ、少量の可塑剤を含むPVAフィルムは熱処理により結晶化が進行しやすくなる。これは、PVA分子が動きやすくなり、エネルギー的により安定な結晶構造をとりやすくなるためと推定される。一方、PVAフィルムが過剰量の可塑剤を含むと、逆に結晶化の進行が阻害される。これはPVA分子の水酸基と相互作用する可塑剤の量が多くなり、PVA分子間の相互作用が弱まるためと推定される。得られたフィルムの結晶化度、結晶子サイズを適切な範囲に調節する観点からは、可塑剤の含有量はPVA100質量部に対して8~35質量部であることが好ましい。可塑剤の含有量はPVA100質量部に対して8質量部未満の場合、および35質量部を超える場合のいずれも、結晶化度、結晶子サイズ、あるいはその両方が小さくなりすぎるおそれがある。可塑剤のPVA100質量部に対する含有量は、より好ましくは10~30質量部、さらに好ましくは15~25質量部である。
<澱粉/水溶性高分子>
PVAフィルムに機械的強度を付与し、フィルムを取り扱う際の耐湿性を維持し、あるいはフィルムを溶解する際の水の吸収による柔軟化の速度を調節することなどを目的として、本発明のフィルムに澱粉および/またはPVA以外の水溶性高分子を含有させてもよい。
澱粉としては、例えば、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、コメ澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉等の天然澱粉類;エーテル化加工、エステル化加工、酸化加工等が施された加工澱粉類などを挙げることができ、特に加工澱粉類が好ましい。
PVAフィルムにおける澱粉の含有量は、PVA100質量部に対して、15質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましい。含有量が15質量部より大きいと、工程通過性が悪化する虞がある。
PVA以外の水溶性高分子としては、例えば、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、シェラック、アラビアゴム、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸の共重合体、ポリビニルピロリドン、セルロース、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
PVAフィルムにおけるPVA以外の水溶性高分子の含有量は、PVA100質量部に対して、15質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましい。含有量が15質量部より大きいと、フィルムの水溶性が不足する虞がある。
<界面活性剤>
本発明においてPVAフィルムは、その取り扱い性や、またPVAフィルムを製造する際の製膜装置からの剥離性の向上、膜面異常の低減などの観点から、界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤の種類に特に制限はなく、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸カリウム等のカルボン酸型;オクチルサルフェート等の硫酸エステル型;ドデシルベンゼンスルホネート等のスルホン酸型などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル型;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル型;ポリオキシエチレンラウレート等のアルキルエステル型;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル等のアルキルアミン型;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド等のアルキルアミド型;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル等のポリプロピレングリコールエーテル型;ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型;ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル等のアリルフェニルエーテル型などが挙げられる。
界面活性剤は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの界面活性剤の中でも、製膜時の膜面異常の低減効果に優れることなどから、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にアルカノールアミド型の界面活性剤がより好ましく、脂肪族カルボン酸(例えば、炭素数8~30の飽和または不飽和脂肪族カルボン酸など)のジアルカノールアミド(例えば、ジエタノールアミド等)が更に好ましい。
PVAフィルムにおける界面活性剤の含有量は、PVA100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.02質量部以上であることがより好ましく、0.05質量部以上であることが更に好ましい。一方、界面活性剤の含有量の上限は、10質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以下であることが更に好ましく、0.3質量部以下であることが特に好ましい。上記含有量が0.02質量部より少ないと、PVAフィルムを製造する際の製膜装置からの剥離性が不良になる、あるいはフィルム間でブロッキングを生じるなどの問題を生じやすくなる。一方、上記含有量が1質量部より多いと、フィルム表面へのブリードアウトや、界面活性剤の凝集によるフィルム外観の悪化などの問題を生じやすい。
<フィラー>
本発明のPVAフィルムは、本発明の効果を妨げない範囲でフィラーを含有しても良い。フィラーとしては、例えば、タルク、シリカ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カーボンブラック、グラスファイバー、マイカ、ワラストナイトなどの無機物微粒子や、アクリル系やスチレン系などのポリマー微粒子などの有機物の微粒子が挙げられる。フィラーは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、PVA系重合体中の分散性・価格・入手性・フィルム外観などの観点から、タルク、シリカ、二酸化チタンおよび炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。フィラーの含有量は、PVA100質量部に対して0.1~8質量部が好ましく、0.5~5質量部がより好ましい。
<その他の成分>
本発明のPVAフィルムは、可塑剤、澱粉、PVA以外の水溶性高分子、界面活性剤以外に、水分、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、架橋剤、着色剤、充填剤、防腐剤、防黴剤、他の高分子化合物などの成分を、本発明の効果を妨げない範囲で含有してもよい。PVA、可塑剤、澱粉、PVA以外の水溶性高分子、界面活性剤の各質量の合計値が本発明のPVAフィルムの全質量に占める割合は、60~100質量%の範囲内であることが好ましく、80~100質量%の範囲内であることがより好ましく、90~100質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
<水溶性フィルム>
本発明のPVA水溶性フィルムは、10℃の脱イオン水に浸漬した浸漬した時の完溶時間が150秒以内であることが好ましい。完溶時間が150秒以内であることにより、薬剤等の包装用フィルムとして好適に使用できる。完溶時間は90秒以内であることがより好ましく、60秒以内であることがさらに好ましく、45秒以内であることが特に好ましい。一方、完溶時間の下限に特に制限はないが、完溶時間が短すぎる水溶性フィルムでは、雰囲気中の水分の吸湿によるフィルム間のブロッキングやフィルム強度の低下などの問題が生じやすくなる傾向があることから、5秒以上であることが好ましく、10秒以上であることがより好ましく、15秒以上であることがさらに好ましく、20秒以上であることが特に好ましい。
本発明の水溶性フィルムの厚みに特に制限はないが、厚みが厚すぎると二次加工性が悪化する傾向があることから、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。また厚みがあまりに薄い場合、水溶性フィルムの力学的強度に問題が生じるおそれがあることから、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることがさらに好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。なお、水溶性フィルムの厚みは、任意の10箇所(例えば、PVAフィルムの長さ方向に引いた直線上にある任意の10箇所)の厚みを測定し、それらの平均値として求めることができる。
<水溶性フィルムの製造方法>
本発明において、水溶性フィルムの製膜方法に、特に制限はなく、PVAに溶媒、添加剤等を加えて均一化させた製膜原液を使用して、流延製膜法、湿式製膜法(貧溶媒中への吐出)、乾湿式製膜法、ゲル製膜法(製膜原液を一旦冷却ゲル化した後、溶媒を抽出除去し、PVA系重合体フィルムを得る方法)、あるいはこれらの組み合わせにより製膜する方法や、押出機などを使用して上記製膜原液を得てこれをTダイなどから押出すことにより製膜する溶融押出製膜法やインフレーション成形法など、任意の方法により製膜することができる。これらの中でも、流延製膜法および溶融押出製膜法が、均質なフィルムを生産性よく得ることができるため、好ましい。また、結晶子サイズを調整するにあたっては、結晶核となる核剤をあらかじめ樹脂原液中に含ませておくことで結晶子サイズの調整、しいては、ヘイズの調整が可能となる。核剤含有量の簡便な制御方法としては、フィルム原液を製膜前に、核剤となりうるPVA等の微粒子の量を調整するために、ろ過する際に使用されるフィルターの孔径や設置枚数で制御してもよいし、無機粒子などを添加剤として使用しても良い。以下、水溶性フィルムの流延製膜法または溶融押出製膜法について説明する。
水溶性フィルムを流延製膜法または溶融押出製膜法にて製膜する場合、上記の製膜原液は金属ロールや金属ベルトなどの支持体の上へ膜状に流涎され、加熱されて溶媒が除去されることにより、固化してフィルム化する。固化したフィルムは支持体より剥離されて、必要に応じて乾燥ロール、乾燥炉などにより乾燥されて、さらに必要に応じて熱処理されて、巻き取られることにより、ロール状の長尺の水溶性フィルムを得ることができる。
支持体上に流涎されたPVA膜は、支持体上及びその後の乾燥工程で加熱乾燥される間に結晶化が進む。PVAの結晶化は、PVA膜の水分率が高すぎる間は、PVA分子間の相互作用が弱いため進行せず、また一方で水分率が低くなりすぎても、PVA分子鎖の運動性が低下するため進行しにくい。よって、PVAの結晶化が進行しやすい適当な水分率においてPVA膜を加熱すると、PVA分子鎖の運動性が高くなるため結晶化の速度が上がり、結果としてPVAフィルムの結晶化度が高くなる。
一方、結晶子サイズは、一般に結晶化度が高いほど大きくなる傾向はあるが、それだけで決まるものではなく、上記の通り、結晶化初期に生じる微結晶や核剤などの微粒子の数にも依存するため、結晶化度と結晶子サイズは独立に調整が可能である。
本発明のPVAフィルムの製膜に用いる製膜原液の揮発分濃度(製膜時などに揮発や蒸発によって除去される溶媒等の揮発性成分の濃度)は50~90質量%の範囲内であることが好ましく、55~80質量%の範囲内であることがより好ましい。揮発分濃度が50質量%未満であると、製膜原液の粘度が高くなり、製膜が困難となる場合がある。一方、揮発分濃度が90質量%を超えると、粘度が低くなり得られるフィルムの厚さ均一性が損なわれやすく、さらに揮発分濃度が高くPVA分子の運動性が高いほど支持体上での結晶化が進みやすいため、結晶化度と結晶子サイズのバランスをとることが難しくなる傾向がある。
ここで、本明細書における「製膜原液の揮発分率」とは、下記の式により求めた揮発分率をいう。
製膜原液の揮発分率(質量%)={(Wa-Wb)/Wa}×100
(式中、Waは製膜原液の質量(g)を表し、WbはWa(g)の製膜原液を105℃の電熱乾燥機中で16時間乾燥した時の質量(g)を表す。)
本発明において製膜原液の調整方法に特に制限はなく、例えば、PVAと可塑剤、界面活性剤などの添加剤を溶解タンク等で溶解させる方法や、一軸または二軸押出機を使用して含水状態のPVAを溶融混錬する際に、可塑剤、界面活性剤、核剤などと共に溶融混錬する方法などが挙げられる。
本発明において、結晶核となる核剤の含有量を制御するために使用するフィルターは、平均の目開きが10~150μmの金属メッシュや金属不織布などが好適に用いられる。目開きが10μm未満のフィルターを使用する場合、フィルターが詰まりやすくなるため長時間の安定運転が難しくなると共に、核剤の含有量が低くなりすぎて結晶化度が低く、結晶子サイズが大きくなりすぎるおそれがある。一方、目開きが150μmを超えるフィルターを使用する場合、フィルムにゲル等の膜面欠陥を生じやすくなると共に、核剤の含有量が高くなりすぎて結晶化度が高く、結晶子サイズが小さくなりすぎるおそれがある。
製膜原液をTダイなどから金属ロールや金属ベルトなどの支持体の上へ流涎する際の、支持体の表面温度は50~110℃であることが好ましい。表面温度が50℃未満の場合、乾燥がゆっくりと進むことにより結晶化度が高く、結晶子サイズが大きくなりすぎるおそれがあり、また、乾燥に要する時間が長くなり生産性が低下するおそれがある。110℃を超える場合は、発泡等の膜面の異常を生じやすくなる傾向、および急速に乾燥が進むことにより非晶成分が多くなりすぎて、結晶化度が小さくなりすぎるおそれがある。結晶化度および結晶子サイズを調節し易くする観点から、上記表面温度は60~105℃であることが好ましく、65~100℃であることがより好ましい。
支持体上でPVA膜を加熱すると同時に、PVA膜の非接触面側の全領域に風速1~10m/秒の熱風を均一に吹き付けて、乾燥速度を調節してもよい。非接触面側に吹き付ける熱風の温度は、乾燥効率や乾燥の均一性などの点から、50~150℃であることが好ましく、70~120℃であることがより好ましい。熱風の温度が150℃を超える場合は、発泡等の膜面の異常を生じやすくなる傾向、および急速に乾燥が進むことにより非晶成分が多くなりすぎて、結晶化度が小さくなりすぎるおそれがある。一方、熱風の温度が50℃未満の場合、乾燥がゆっくりと進むことにより結晶化度が高く、結晶子サイズが大きくなりすぎるおそれがあり、また、乾燥に要する時間が長くなり生産性が低下するおそれがある。また、風速が10m/秒を超える場合、製膜原液の表面に波模様などの表面異常を生じるおそれがある。一方、風速が1m/秒未満の場合、製膜原液表面に対流渦などの定常的な風速むらを生じて、乾燥ムラの原因となるおそれがある。
支持体から剥離されたフィルムは、支持体上で好ましくは揮発分率5~50質量%にまで乾燥された後、剥離され、必要に応じてさらに乾燥される。乾燥の方法に特に制限はなく、乾燥炉や乾燥ロールに接触させる方法が挙げられる。複数の乾燥ロールで乾燥させる場合は、フィルムの一方の面と他方の面を交互に乾燥ロールに接触させることが、両面を均一化させるために好ましい。乾燥ロールの数は、3個以上であることが好ましく、4個以上であることがより好ましく、5~30個であることがさらに好ましい。乾燥炉、乾燥ロールの温度は、40℃以上110℃以下であることが好ましい。乾燥炉、乾燥ロールの温度の上限は100℃以下であることがより好ましく、90℃以下であることがより好ましく、85℃以下であることが更に好ましい。乾燥炉、乾燥ロールの温度が高すぎると、結晶化度が高く、結晶サイズが大きくなりすぎるおそれがある。一方、乾燥炉、乾燥ロールの温度の下限は45℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることがさらに好ましい。乾燥炉、乾燥ロールの温度が低すぎると、非晶が多くなりすぎるおそれがある。
PVAフィルムに対して、必要に応じてさらに熱処理を行うことができる。熱処理を行うことにより、フィルムの強度、水溶性、複屈折率などの調整を行うことができる。熱処理の温度は60℃以上135℃以下であることが好ましい。熱処理温度の上限は130℃以下であることがより好ましい。熱処理温度が高すぎると、与える熱量が多すぎて結晶化度が高く、結晶サイズが大きくなりすぎるおそれがある。
このようにして製造された水溶性フィルムは、必要に応じて、さらに、調湿処理、フィルム両端部(耳部)のカットなどを行った後、円筒状のコアの上にロール状に巻き取られ、防湿包装されて、製品となる。
上述した一連の処理によって最終的に得られるPVAフィルムの揮発分率は必ずしも限定されないが、1~5質量%の範囲内にあることが好ましく、2~4質量%の範囲内にあることがより好ましい。
<用途>
本発明の水溶性フィルムは、水溶性と力学強度のバランスに優れ、各種水溶性フィルムの用途に好適に使用することができる。このような水溶性フィルムとしては、例えば、薬剤包装用フィルム、液圧転写用ベースフィルム、刺繍用基材フィルム、人工大理石成形用離型フィルム、種子包装用フィルム、汚物収容袋用フィルムなどが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果がより顕著に奏されることから、本発明の水溶性フィルムは薬剤包装用フィルムとして使用されるのが好ましい。
本発明の水溶性フィルムを薬剤包装用フィルムとして使用する場合における薬剤の種類としては、農薬、洗剤(漂白剤を含む)、消毒薬などが挙げられる。薬剤の物性に特に制限はなく、酸性であっても、中性であっても、アルカリ性であってもよい。また、薬剤にはホウ素含有化合物が含まれていてもよい。薬剤の形態としては、粉末状、塊状、ゲル状および液体状のいずれであってもよい。また、薬剤はホウ素含有化合物やハロゲン含有化合物を含んでもよい。包装形態に特に制限はないが、薬剤を単位量ずつ包装(好ましくは密封包装)するユニット包装の形態が好ましい。本発明のフィルムを薬剤包装用フィルムとして使用して薬剤を包装することにより、本発明の包装体が得られる。
以下に本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において採用された評価項目とその方法は、下記の通りである。
(1)広角X線(WAXD)測定条件及び、結晶化度、結晶子サイズの定量
水溶性フィルム10mm×5mm程度の大きさに裁断し、4枚重ねて透過方でX線が入射するように配置した。この時、フィルムMD方向が縦になるように設置した。下記測定条件で各サンプルを測定した。
測定装置:ブルカー社製 D8 Discover with GADDS
検出器:2次元PSPC・Hi‐STAR
X線源:Cu
電流:110mA
電圧:45kV
露光時間:20分
コリメーター径:0.3mm
カメラ長:15cm
検出器位置(2θ):22°
サンプル位置(ω):11°
煽り角(χ):90°・0°
Chi変換:扇型積分変換
測定範囲:2θ=4.5~38°、Chi=-135~-45°、ステップ幅:0.02°
結晶化度解析用データは、煽り角(χ)=90°と0°の二次元像データを加算したものを解析用プロファイルとした。
測定温度:室温(約25℃)
得られたX線プロファイルから、前記の方法でフィッティングすることにより、フィルムの結晶化度、結晶子サイズを定量した。
(2)ヘイズ
水溶性フィルムから、フィルムの製膜流れ方向(以下、「MD」と略記することがある)に15cm、フィルムの幅方向(以下、「TD」と略記することがある)に全幅の、横に長い短冊状のサンプルを採取した。このサンプルをさらにTDに50cmづつの幅に裁断した。最後に残った端のフィルムが50cmに満たない場合は、その幅のままで測定に供した。
得られた50cm幅のサンプル片の上からランダムに5ヶ所を選定し、その個所の全ヘイズを、スガ試験機株式会社製ヘイズメーターHZ-1を用い、ASTM D1003-61に従って測定した。従って、全ヘイズを測定した個所は、1m幅当たり10ヶ所になる。
測定した全ての全ヘイズの平均値を、その水溶性フィルムの全ヘイズとした。
次いで、全ヘイズを測定したのと同じ個所のフィルムの両面に、気泡が入らないようにしながら透明なセロハンテープ(ニチバン株式会社製CT405AP)を貼り付けることによって表面の凹凸形状をつぶして平坦にし、表面形状起因のヘイズの影響をなくした状態で、全ヘイズと同様にヘイズの測定を行った。さらに、セロハンテープのみを2枚、粘着面同士を貼り合せたもののヘイズをブランク値として測定し、両面にセロハンテープを貼った水溶性フィルムのヘイズより、当該ブランク値を除したものを、その個所の内部ヘイズとして、全ヘイズと同様に全測定個所の平均値を、その水溶性フィルムの内部ヘイズとした。
各測定個所において、全ヘイズより内部ヘイズを除した値をその個所における外部ヘイズとして、それらの値の平均値を、そのフィルムの外部ヘイズとした。
(3)フィルムの内容物視認性
10cm×10cmの窓を開けた厚さ1mmの鉄板を用意して、その窓の部分に、11cm×11cmのサイズに切り出したPVA水溶性フィルムを、両面テープを用いてシワがないように貼り付けた。次いで、平面上に置いた新聞紙の上に、水溶性フィルムが新聞紙に接触するように(水溶性フィルムを貼り付けた側が下になるように)水溶性フィルムを貼り付けた鉄板を置いて、新聞の記事が判読可能かを評価することにより、内容物視認性を評価した。
評価基準:
A…透明性良好で、記事が容易に判読可能。
B…若干フィルムに濁りがあるが、問題なく記事が判読可能。
C…フィルムが曇って見え、複雑な漢字などを判読することが困難。
(4)フィルムのこう着性
水溶性PVAフィルムを3cm×20cmに切り出し、短辺を軸として内径約1cmの円筒状に丸めた後、両端部を切断した。これにより、内径1cm、幅1cmの小さな水溶性フィルムのロールを作製した。口幅15mmのダブルクリップ(コクヨ株式会社製、商品名Scel-bo)を用いて、得られたロールの中心軸付近を、クリップの挟む部分の方向がロールの軸方向に一致するようにして挟み、60℃-90%RHの条件下に16時間保管した。保管後のフィルムロールを巻出して、端部における接触面同士のこう着状態を評価した。
評価基準:
A…端部において接触面同士のこう着がなく、水溶性フィルムを抵抗なく巻き出せた。
B…巻出し時に抵抗が感じられたが、力を加えれば水溶性フィルムを巻き出せた。
C…端部において接触面同士がこう着しており、水溶性フィルムを巻き出すことができなかった。
(5)水溶性フィルムの溶解性
以下の方法で、水溶性フィルムの溶解性を評価した。
<1> 水溶性フィルムを20℃-65%RHに調整した恒温恒湿器内に、16時間以上置いて調湿する。
<2> 調湿した水溶性フィルムから、長さ40mm×幅35mmの長方形のサンプルを切り出した後、長さ35mm×幅23mmの長方形の窓(穴)が開口した50mm×50mmのプラスチック板2枚の間に、サンプルの長さ方向が窓の長さ方向に平行でかつサンプルが窓の幅方向のほぼ中央に位置するように挟み込んで固定する。
<3> 500mLのビーカーに300mLの脱イオン水を入れ、回転数280rpmで長さ3cm長のバーを備えたマグネティックスターラーで攪拌しつつ、水温を10℃に調整する。
<4> 上記<2>においてプラスチック板に固定したサンプルを、マグネティックスターラーのバーに接触させないように注意しながら、ビーカー内の脱イオン水に浸漬する。
<5> 脱イオン水に浸漬してから、脱イオン水中に分散したサンプル片が完全に消失するまでの完溶時間を測定する。
評価基準:
A…完溶時間60秒未満。溶解性非常に良好。
B…完溶時間60秒以上、600秒未満。溶解性良好。
C…完溶時間600秒以上。溶解性不良。
<実施例1>
ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られたマレイン酸モノメチルエステル(以下、MMMと略する事がある)変性PVA(けん化度91モル%、重合度1700、MMM変性量2モル%)100質量部、可塑剤としてグリセリン25質量部、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド2.0質量部、および水からなる揮発分率60質量%の製膜原液を調整した。その際に、200メッシュ(目開き75μm)の金属製のスクリーンメッシュフィルターを2枚使用して、原液をろ過したものを、Tダイから第1乾燥ロール(表面温度80℃)の上に、膜状に吐出し、第1乾燥ロール上で、第1乾燥ロール非接触面の全体に85℃の熱風を5m/秒の速度で吹き付けて乾燥し、次いでPVA水溶性フィルムの水分率が24質量%に低下した時点で第1乾燥ロールから剥離し、さらにPVA膜の一方の面と他方の面とが各乾燥ロールに交互に接触するように第2乾燥ロール以降の乾燥をロール表面温度約75℃で行った後、最大高低差が約4.0μm、表面の算術平均粗さが約1.5μmとなるように熱エンボス加工を施して、円筒形のコアに巻き取り、PVA水溶性フィルム(厚み35μm、幅1200mm)のロールを得た。
得られたフィルムの結晶子サイズ、結晶化度を測定した所、結晶子サイズは、4.9nm、結晶化度は、18.2%であった。また、フィルムの全ヘイズは、48.3%、内部ヘイズは30.5%であり、フィルムの内容物視認性評価は、A判定であった。また、得られたフィルムのこう着性評価では、こう着することは無く水溶性フィルムを抵抗なく巻き出すことが可能であり、A判定であった。
<実施例2、3及び比較例5、6>
グリセリンの配合量をそれぞれ10、30、40、および5質量部に変更した以外は実施例1と同様にしてPVAフィルムを得た。
<実施例4、5>
PVAとしてそれぞれ無変性PVA(けん化度88モル%、重合度1700)、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(AMPS)変性PVA(けん化度88モル%、重合度1700、AMPS変性量2モル%)を用いた以外は実施例1と同様にしてPVA水溶性フィルムを得た。
<実施例6>
最大高低差約1μm、表面の算術平均粗さRa:約1.0μmとなるようにエンボス加工条件を変更したこと以外は実施例1と同様にしてPVA水溶性フィルムを得た。
<実施例7>
エンボス加工を施さない代わりに、結晶化の核剤として平均粒子径約2μmのシリカ粒子を2質量部添加したPVA原液を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてPVA水溶性フィルムを得た。
<比較例1>
金属メッシュフィルターを5枚設置としたこと以外は、実施例1と同様にしてPVA水溶性フィルムを得た。
<比較例2>
エンボス加工を施さないこと以外は、比較例1と同様にしてPVA水溶性フィルムを得た。
<比較例3>
金属メッシュフィルターを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてPVA水溶性フィルムを得た。
<比較例4>
エンボス加工を施さない代わりに、結晶化の核剤として、平均粒子径約2μmのシリカ粒子を6質量部添加したPVA原液を用いたこと以外は、比較例3と同様にしてPVA水溶性フィルムを得た。
<比較例7>
第1乾燥炉の温度を90℃、第2乾燥炉の温度を70℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてPVA水溶性フィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 0007162077000001
表1から明らかなように、本発明の水溶性フィルムは透明性に優れ、かつこう着抑制効果にも優れている。本発明の水溶性フィルムを薬剤等を収納する包装体に用いることで、得られる包装体は視認性に優れ、保管中や輸送中に包装体が変形したり破れたりすることを抑制することができる。

Claims (7)

  1. ポリビニルアルコール樹脂を含有する水溶性フィルムの広角X線測定により得られるX線プロファイルから求めた結晶子サイズが4.0~5.5nm、かつ結晶化度が10.0~25.0%であり、外部ヘイズが7.0~30.0%である水溶性フィルム。
  2. 全ヘイズが55.0%以下である、請求項1に記載の水溶性フィルム。
  3. 内部ヘイズが35.0%以下である、請求項2に記載の水溶性フィルム。
  4. さらに可塑剤を含有し、該可塑剤の含有量がポリビニルアルコール樹脂100質量部に対して8~35質量部である、請求項1~3のいずれかに記載の水溶性フィルム。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の水溶性フィルムが薬剤を収容している包装体。
  6. 前記の薬剤が農薬、洗剤または殺菌剤である、請求項5に記載の包装体。
  7. 前記の薬剤が液体状である、請求項5または6に記載の包装体。

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