JP2017114931A - 紫外線遮蔽フィルム - Google Patents

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友也 深町
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Abstract

【課題】紫外線を遮蔽し、更に可視光の透過率の高い紫外線遮蔽フィルムを提供すること。【解決手段】下記式(1)で示されるビニルアルコール単位の含有量が94モル%以下であるポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする紫外線遮蔽フィルム。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線遮蔽フィルムに関し、更に詳しくは、紫外線遮蔽性に優れ、かつ可視光は透過する紫外線遮蔽フィルムに関するものである。
紫外線は、主にUV−A(波長315〜380nm付近)、UV−B(波長280〜315nm付近)、UV−C(波長 200〜280nm付近)に分類され、UV−Cはオゾン層があり、地表までは到達せず、UV−Bは地表に到達するものは太陽光の1%未満であるとされ、もっとも量が多いのがUV−A領域の紫外線である。
従来から、紫外線の健康被害や衣類の色褪せ、食品の劣化などに対して、紫外線を遮断するフィルムが検討されている。特に、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂という)は、優れた結晶性から偏光フィルム、ガスバリア性も極めて高く、ガスバリアフィルムとしても広く用いられており、PVA系樹脂フィルムに紫外線を遮蔽する効果を付与することが検討されている。
また、包装フィルムとして用いる場合には、内容物が確認できるように可視光は透過することが望まれている。
例えば、PVA系樹脂に、特定のヒドロキシベンゾフェノン化合物と、アミン化合物との複合物化合物を含有させることにより長波長の紫外線を遮断することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
他にも、紫外線を遮蔽し、更に透明性も高いフィルムを得る目的で、ポリビニルアルコールに無機フィラーを含有させたポリビニルアルコールフィルムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平07−304884号公報 特開平09−221555号公報
しかしながら、特許文献1及び2では、PVA系樹脂以外に添加剤を配合する必要があり、工程が煩雑になり、更には、透明性が低下するなど問題があり、添加剤を配合せずに紫外線を遮蔽し、更に可視光の透過率の高いPVA系樹脂フィルムが求められている。
そこで、本発明は、このような背景下において、紫外線を遮蔽し、更に可視光の透過率の高い紫外線遮蔽フィルムを提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等は上記事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、ビニルアルコール単位を所定量含有させてなるPVA系樹脂を用いることにより、紫外線を遮蔽し、更に可視光の透過率が高いといった効果を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、下記式(1)で示されるビニルアルコール単位の含有量が94モル%以下であるポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする紫外線遮蔽フィルムに関するものである。
Figure 2017114931
本発明の紫外線遮蔽フィルムは、紫外線遮蔽性に優れ、更に、可視光の透過率の高いフィルムとなるものであり、とりわけ、食費や衣類などの包装フィルム用途に有用である。
なお、本発明の効果が得られるメカニズムは詳細には解明されていないが、ビニルアルコール単位の含有量により、PVA分子の結晶性をコントロールし、透明性が上がり可視光の透過性が向上し、PVA分子が紫外線を吸収するため本発明の効果が得られるものであると推測される。
以下、本発明の構成につき詳細に説明するが、これらは好ましい実施態様の一例を示すものである。
本発明の紫外線遮蔽フィルムは、下記式(1)で示されるビニルアルコール単位の含有量が94モル%以下であるPVA系樹脂を含有して得られるものである。
Figure 2017114931
まずは、本発明で用いられるPVA系樹脂について説明する。
[PVA系樹脂]
本発明で用いられるPVA系樹脂は、ビニルアルコール単位の含有量が94モル%以下であればよく、ビニルアルコール単位以外は、未ケン化の酢酸ビニル由来の構造単位やビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体由来の構造単位を有するものである。
かかるPVA系樹脂のビニルアルコール単位の含有量は94モル%以下であり、好ましくは93モル%以下、特に好ましくは91モル%以下、更に好ましくは90モル%以下である。かかる含有量が高すぎると可視光の透過率が低下する傾向がある。なお、かかる含有量が低すぎると成形時の熱安定性が低下する傾向があるため、ビニルアルコール単位の含有量は、好ましくは70モル%以上、特に好ましくは80モル%以上、更に好ましくは85モル%以上である。
また、PVA系樹脂の平均重合度(JIS K 6726に準拠して測定)は、好ましくは300〜3000であり、特に好ましくは、350〜1000、更に好ましくは、400〜800である。かかる平均重合度が小さすぎると、溶融張力が低下し、インフレーション成形時のバブル形成の際に安定したバブルが得られない傾向がある。反対に、平均重合度が大きすぎると、せん断発熱が大きくなり、成形時の安定性が低下する傾向がある。
PVA系樹脂のケン化度(JIS K 6726に準拠して測定)は、好ましくは70〜100モル%であり、特に好ましくは、80〜99モル%、更に好ましくは、85〜98モル%である。かかるケン化度小さすぎると、成形時の熱安定性が低下する傾向があり、大きすぎると、ケン化度が高すぎると、高融点になり、溶融成形しにくくなる傾向がある。
また、未変性PVAの場合のケン化度(JIS K 6726に準拠して測定)は、ビニルアルコール単位が94モル%以下であるため、ケン化度も通常94モル%以下、特に84モル%以下が好ましい。また、下限としては、好ましくは70モル%以上、特に好ましくは75モル%以上更に好ましくは80モル%以上である。
変性PVA系樹脂の場合は、変性率にもよるが、通常ケン化度は、99モル%以下、特に78〜90モル%のものが好ましく用いられる。かかるケン化度が高すぎると、高融点になり、溶融成形しにくくなる傾向がある。なお、ケン化度が低すぎると、成形時の熱安定性が低下する傾向がある。
本発明に用いられるPVA系樹脂は、ビニルエステル系単量体を重合し、更にそれをケン化して製造される。ビニルエステル系単量体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、トリフロロ酢酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等が挙げられ、好ましくは脂肪族ビニルエステルである。また、ビニルエステル系単量体の炭素数は通常、3〜20、好ましくは4〜10、特に好ましくは4〜7である。入手が容易である点から、特に好ましくは酢酸ビニルが用いられる。これらは単独で用いても、必要に応じて複数種を同時に用いてもよい。
また、本発明では、PVA系樹脂として、ポリビニルエステル系樹脂の製造時に各種単量体を共重合させ、これをケン化して得られたものや、未変性PVAに後変性によって各種官能基を導入した各種変性PVA系樹脂を用いることができる。
ポリビニルエステル系樹脂の製造時に共重合させる単量体としては、例えば、エチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類およびそのアシル化物などの誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン、グリセリンモノアリルエーテル、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン、等のビニル化合物、酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類、塩化ビニリデン、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、ビニレンカーボネート、等が挙げられる。
他にも、共重合変性PVA系樹脂として、側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂が挙げられる。かかるPVAとしては、例えば、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン、ビニルエチレンカーボネート、グリセリンモノアリルエーテル等を共重合して得られる側鎖1,2−ジオール変性PVA系樹脂、1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジプロピオニルオキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジブチロニルオキシ−2−メチレンプロパン等のヒドロキシメチルビニリデンジアセテート等を共重合して得られる側鎖にヒドロキシメチル基を有するPVA系樹脂が挙げられる。
また、後反応によって官能基が導入されたPVA系樹脂としては、ジケテンとの反応によるアセトアセチル基を有するもの、エチレンオキサイドとの反応によるポリアルキレンオキサイド基を有するもの、エポキシ化合物等との反応によるヒドロキシアルキル基が有するもの、あるいは各種官能基を有するアルデヒド化合物をPVAと反応させて得られたものなどを挙げることができる。
変性PVA系樹脂の中では、溶融成形性の点から、オキシアルキレン基含有PVA、側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂が好ましく、特に低融点と可視光透過性の点から、下記一般式(2)で表される側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂が好ましい。
Figure 2017114931
[式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。]
かかる側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂は、例えば、(ア)ビニルエステル系モノマーと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(イ)ビニルエステル系モノマーとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(ウ)ビニルエステル系モノマーと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(エ)ビニルエステル系モノマーとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法等により得られる。
本発明において、特に、側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂の場合は、ケン化度(JIS K 6726に準拠して測定)は、通常70〜99モル%であり、特に80〜99モル%であり、更に85〜99モル%のものが好ましく用いられる。かかるケン化度が低すぎると、成形時の熱安定性が低下する傾向がある。反対に、ケン化度が高すぎると、成形物が硬くなり、割れやすくなる傾向がある。
側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂に含まれる、一般式(2)で表わされる構造単位の含有量は、通常0.1〜20モル%であり、特に2〜10モル%、殊に4〜8モル%であることが好ましい。かかる含有量が低すぎると、高融点となり、可視光の透過性が低くなる傾向がある。反対に、含有量が高すぎると、原料粉末の生産性が著しく低下する傾向がある。
また、側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂の平均重合度(JIS K 6726に準拠して測定)は、好ましくは300〜3000であり、特に350〜1000、殊に400〜600のものが好ましく用いられる。かかる平均重合度が小さすぎると、出来た成形物の強度が低く、もろくなる傾向がある。反対に、平均重合度が大きすぎると、せん断発熱で溶融成形時に熱分解する傾向がある。
本発明においては、PVA系樹脂としては上述の通り、未変性PVAや変性PVA系樹脂を用いることができるが、紫外線遮蔽性の点から未変性PVAが好ましい。
〔紫外線遮蔽フィルム〕
本発明の紫外線遮蔽フィルムは、上記PVA系樹脂を含有してなるものであり、PVA系樹脂をそのまま、あるいは他の配合剤と配合した樹脂組成物を用いて成形される。
上記配合剤としては、例えば、熱安定性の向上のための抗酸化剤、成形安定性向上のための滑剤、柔軟性付与のための可塑剤(特に好ましくは食品添加剤として添加できるもの)等が挙げられる。
本発明の紫外線遮蔽フィルムを製造する方法は、PVA系樹脂、或いはPVA系樹脂と配合剤を含有する樹脂組成物を溶融成形する方法、水溶液として流延し、製膜する方法が挙げられるが、水分を蒸発させるのが、エネルギー効率や生産効率の点で溶融成形が好ましい。
また、溶融成形時の作業性や吐出安定性を考慮すれば、一度溶融状態で混練した後、ストランド状に押出し、冷却固化させてペレット状にし、かかるペレットをフィルムに成形する方法等が好ましい。
上記のペレットを溶融し、混練するに際しては、例えば、押出機(単軸や二軸)、バンバリーミキサー、ニーダールーダー、ミキシングロール、ブラストミルなどの公知の混練装置を用いて行うことができる。中でも、混練性に優れる二軸押出機が好ましく用いられる。
混練温度は、通常160〜230℃であり、特に190〜210℃が好ましい。混練温度が高すぎると、熱分解する傾向があり、反対に、混練温度が低すぎると、せん断発熱が発生して、熱分解する傾向がある。混練時間は、通常10秒〜10分であり、特に30秒〜5分が好ましい。混練時間が長すぎると、熱分解する傾向があり、反対に、混練時間が短すぎると、溶融できずに押出機が停止する傾向がある。
上記で溶融、混練されたPVA系樹脂を紫外線遮蔽フィルムとして製膜する方法としては、Tダイキャスト法、インフレーション法などが挙げられる。
製膜時の温度は、通常160〜230℃であり、特に180〜220℃、殊に190〜210℃が好ましい。温度が高すぎると、PVA系樹脂が分解する傾向がある。反対に、温度が低すぎると、PVA系樹脂の製膜が困難となり、製膜機が停止する傾向がある。
フィルムの厚さは、通常1〜1000μmであり、特に10〜800μm、殊に30〜500μmが好ましい。フィルムの厚さが厚すぎると、可視光透過率が小さくなる傾向がある。反対に、フィルムの厚さが薄すぎると、溶融張力・フィルム強度が低くなる傾向があり、製膜時にフィルムが割れたりすることがある。
本発明の樹脂組成物から形成されるフィルムは、紫外線遮蔽性に優れ、更に可視光の透過度が高いため、食品の包装フィルム、衣料品の包装フィルム、車や住宅の窓用フィルム、サングラスなどに好適に用いられる。また、射出成型物は、レンズや遮光板等に好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の例中、「%」「部」とあるのは、重量基準を意味する。
なお、ケン化度、重合度はJIS K 6726に準拠して測定した値である。
実施例1
〔紫外線遮蔽フィルムの作製〕
未変性PVA(ケン化度88モル%、平均重合度600)100部に、滑剤としてステアリン酸マグネシウム0.05部、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム0.05部を配合し、15mmφ二軸押出機に供給し、溶融成形ペレットを作製した。
溶融成形ペレット化条件
装置:15mmφ L/D=60の二軸押出機(テクノベル社製)
スクリュー:フルフライト
スクリーンメッシュ:90/90
温度パターン:C1/C2/C3/C4/C5/C6/C7/C8/D
=90/150/180/195/200/210/210/210/210℃
A4サイズの緩衝材、アルミ板、シリコンシートを用意した。更に15.0cm(縦)×7.0cm(横)×0.2cm(厚)のアルミテストピースの中央を長方形(5.0cm×1.5cm)に切り抜いて型を作製した。
次に上記の材料を、緩衝材/アルミ板/シリコンシート/型/シリコンシート/アルミ板/緩衝材の順に重ね合わせ、型の中には上記で得られた未変性PVAのペレット3部を投入し、圧縮成形機(加熱/冷却二段式、神藤金属工業所社製)で、220℃で6分予熱後、220℃、5MPaで6分間加圧し、直ちに冷却用の盤面(水冷約28℃)に移し、2MPaで2分間冷却した。
冷却後、型から未変性PVAを取り外し、紫外線遮蔽フィルム(縦5.0cm×横1.5cm×厚み0.2cm)を得た。
なお、効果の差をより明確にするため、膜厚を厚くして評価した。
〔透過率測定〕
透過率測定は、V−7200(JASCO社製)を用いて室温23℃の環境下で測定した。
上記で作製した紫外線遮蔽フィルムの紫外線領域(330〜380nm)と可視光領域(450〜500nm)の透過率の測定し、結果を表1に示す。
実施例2
〔側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂1の作製〕
還流冷却器、撹拌機を備えた反応容器に、酢酸ビニル76.6部(初期仕込み率40%)、メタノール14.2部、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン9.2部(初期仕込み率40%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを対仕込み酢酸ビニル0.068モル%投入し、攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの残量を13.5時間等速滴下しながら重合を開始した。酢酸ビニルの重合率が91%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により、未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液とした。
ついで、上記メタノール溶液を更にメタノールで希釈し、濃度50%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら、共重合体中の酢酸ビニル構造単位及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテン構造単位の合計量1モルに対して4.5ミリモルとなる割合で水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を加えてケン化を行った。ケン化が進行するとともにケン化物が析出し、粒子状となった時点で濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、目的とする側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂1を得た。
得られた側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂1のケン化度は、残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量にて分析したところ、99モル%であった。また、平均重合度は、JIS K 6726に準じて分析を行ったところ、470であった。また、一般式(1)で表される構造単位の含有量は、1H−NMR(300MHz プロトンNMR、d6−DMSO溶液、内部標準物質;テトラメチルシラン、50℃)にて測定した積分値より算出したところ、6モル%であった。
実施例1において、未変性PVAを上記で得られた側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂1に代えた以外は、実施例1と同様に紫外線遮蔽フィルムを作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、未変性PVAを側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂2(ビニルアルコール単位含有量81モル%、側鎖1,2ジオール含有量6モル%、ケン化度99モル%、重合度450)に代えた以外は同様に紫外線遮蔽フィルムを作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、未変性PVAを側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂3(ビニルアルコール単位含有量98モル%、1,2−ジオール構造含有量1モル%、ケン化度99モル%、重合度450)に代えた以外は同様に紫外線遮蔽フィルムを作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、未変性PVAを側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂4(ビニルアルコール単位含有量96モル%、1,2ジオール構造含有量3モル%、ケン化度99モル%、重合度450)に代えた以外は同様に紫外線遮蔽フィルムを作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、未変性PVAを高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製 ノバテックHD HJ360)に代え、溶融成形ペレット化を行わなかった以外は同様に紫外線遮蔽フィルムを作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、未変性PVAをポリ乳酸(ネイチャーワークス社製 Ingeo Biopolymer4032D)に代え、溶融成形ペレット化を行わなかった以外は同様に紫外線遮蔽フィルムを作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例5
実施例1において、PVA系樹脂を、6,66−Nylon(DSM社製 ノバミッドN−X138)に代え、溶融成形ペレット化を行わなかった以外は同様に紫外線遮蔽フィルムを作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2017114931
実施例1〜3の紫外線遮蔽フィルムは紫外線遮蔽性が高く、可視光の透過率は高かった。また、実施例1については、遮断倍率が高く、紫外線遮蔽性が非常に高いものであるのにも関わらず、可視光は20%以上も透過し、特に優れるものであった。
一方、比較例1〜3及び5の紫外線遮蔽フィルムは、紫外線遮蔽性はあるものの、可視光の透過率は低かった。
また、比較例4のPLAは、可視光の透過率は高いものの、紫外線遮蔽性は低かった。
本発明の紫外線遮蔽フィルムは、紫外線遮蔽性に優れ、可視光の透過率が高いため、食品包装用フィルム、衣料包装フィルム、車や住宅の窓用フィルムなどに有用である。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で示されるビニルアルコール単位の含有量が94モル%以下であるポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする紫外線遮蔽フィルム。
    Figure 2017114931
  2. ビニルアルコール単位の含有量が70モル%以上であることを特徴とする請求項1記載の紫外線遮蔽フィルム。
  3. ポリビニルアルコール系樹脂の結晶化度が10〜25%であることを特徴とする請求項1または2記載の紫外線遮蔽フィルム。
  4. 厚さが1〜1000μmであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の紫外線遮蔽フィルム。
  5. 溶融成形して得られることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の紫外線遮蔽フィルム。
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