JP2012046688A - ポリ塩化ビニル樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリ塩化ビニル樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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健 楠藤
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Abstract

【課題】 成形時の熱安定性に優れ、着色が少ない成形体を得ることができるポリ塩化ビニル樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、特定の第1の基を末端に有する、および/または、特定の第2の基を主鎖中に有するビニルアルコール系重合体を0.005〜5重量部、および、亜鉛化合物を0.01〜5重量部含有するポリ塩化ビニル樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、食品用、医療用、日用品等の分野で好適に使用されるポリ塩化ビニル樹脂組成物に関するものであり、さらに記述すると、熱安定性が良好で、着色が少ないポリ塩化ビニル樹脂組成物に関するものである。
ポリ塩化ビニル樹脂はCa−Zn系、Ba−Zn系等の安定剤を配合して成形加工され、その成形品は一般用途に、さらには食品用、医療用等に適した製品として広く用いられている。
しかしながら、これらの安定剤は、ポリ塩化ビニル樹脂の熱劣化を抑制する能力が不十分であるため、成形品の初期着色性を損ねたり、成形時の熱安定性が十分でないという欠点があった。このため、これらの欠点を改良する手段として、酸化防止剤を添加したり、水酸基を持つ化合物を添加したりしたポリ塩化ビニル樹脂組成物が提案されている。
特許文献1(特開昭50−92947号公報)には、塩素含有樹脂に、カルシウムセッケンと、亜鉛セッケンと、多価アルコールまたはその誘導体と中性の無機カルシウム塩とを添加する方法が開示されている。
特許文献2(特開昭54−81359号公報)には、塩素含有重合体に水溶性重合体を添加する方法が開示されている。
特許文献3(特開昭57−147552号公報)には、含塩素樹脂にジペンタエリスリトールとジカルボン酸との反応縮合物、酸化亜鉛、炭酸亜鉛または脂肪酸亜鉛、ハイドロタルサイトを添加する方法が開示されている。
特許文献4(特開昭60−238345号公報)には、熱可塑性樹脂に、エチレン単位の含有量20〜50%、酢酸ビニル単位の鹸化度96%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、および、ハイドロタルサイト系化合物を添加する方法が開示されている。
特許文献5(特開平1−178543号公報)には、含ハロゲン熱可塑性樹脂に、金属石鹸、および、エチレン含有量20〜75モル%、酢酸ビニル部分のケン化度50モル%以上の共重合組成物を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を添加する方法が開示されている。
特許文献6(特開平6−287387号公報)には、塩化ビニル系樹脂に、有機酸の金属塩、ポリビニルアルコールのアセタール化物を添加する方法が開示されている。
特許文献7(特開平9−3286号公報)には、塩化ビニル系樹脂に、けん化度70〜95モル%、平均重合度300〜2000で、かつ分子鎖末端にメルカプト基を有する部分けん化ポリビニルアルコールを添加する方法が開示されている。
特許文献8(特開平9−31281号公報)には、塩化ビニル系樹脂に、亜鉛化合物、ハイドロタルサイト類、ポリビニルアルコール、および、ポリメチルメタクリレートを添加する方法が開示されている。
非特許文献1(高分子論文集 Vol.47,No.3,197(1990))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜鉛−ステアリン酸カルシウム複合石けん、重合度が600以上の完全けん化ポリビニルアルコールを添加する方法が開示されている。
非特許文献2(高分子論文集 Vol.47,No.6,509(1990))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜鉛−ステアリン酸カルシウム複合石けん、重合度が500、けん化度が73.6モル%の部分けん化ポリビニルアルコールを添加する方法が開示されている。
非特許文献3(高分子論文集 Vol.50,No.2,65(1993))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜鉛−ステアリン酸カルシウム複合石けん、エチレン含有量が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体を添加する方法が開示されている。
非特許文献4(Polymers&Polymer Composites,Vol.11,649(2003))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜鉛−ステアリン酸カルシウム複合石けん、重合度が500、けん化度が98.5モル%のポリビニルアルコールやエチレン含有量が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体を添加する方法が開示されている。
非特許文献5(日本接着学会誌 Vol.43,No.2,43(2007))には、ポリ塩化ビニルに、重合度が500、けん化度が88モル%のポリビニルアルコールや重合度が1700、けん化度が78モル%以上のポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチルを添加する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜8および非特許文献1〜5に記載されたポリ塩化ビニル樹脂組成物では、長期の熱安定性が十分でなかったり、着色したりするという問題を有していた。
特開昭50−92947号公報 特開昭54−81359号公報 特開昭57−147552号公報 特開昭60−238345号公報 特開平1−178543号公報 特開平6−287387号公報 特開平9−3286号公報 特開平9−31281号公報
高分子論文集 Vol.47,No.3,197(1990) 高分子論文集 Vol.47,No.6,509(1990) 高分子論文集 Vol.50,No.2,65(1993) Polymers&Polymer Composites,Vol.11,649(2003) 日本接着学会誌 Vol.43,No.2,43(2007)
本発明は、成形時の熱安定性に優れ、着色が少ない成形体を得ることができる塩化ビニル樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、一般式(I)で表される基を末端に有する、および/または、一般式(II)で表される基を主鎖中に有するビニルアルコール系重合体および亜鉛化合物をそれぞれ特定量含有するポリ塩化ビニル樹脂組成物にした場合に、成形時の熱安定性を十分保持することができ、かつ成形体の着色が少ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
Figure 2012046688
Figure 2012046688

(式中、Rは、水素原子またはOM基を示し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、1/2アルカリ土類金属原子、またはアンモニウム基を示す。)
すなわち、上記課題は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、一般式(I)で表される基を末端に有する、および/または、一般式(II)で表される基を主鎖中に有するビニルアルコール系重合体(以下、ビニルアルコール系重合体をPVAと略記することがある。)を0.005〜5重量部、および、亜鉛化合物を0.01〜5重量部含有するポリ塩化ビニル樹脂組成物を提供することによって解決される。
上記のポリ塩化ビニル樹脂組成物は、PVAおよび亜鉛化合物を、ポリ塩化ビニル樹脂に添加することによって含有させたものであることが好ましい。
このとき、PVAの平均けん化度が65〜99.9モル%であり、粘度平均重合度が1000以下であることがより好ましい。
また、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して滑剤を0.001〜10重量部含有することも好適である。このとき、滑剤がポリオールの脂肪酸エステルであることが好ましく、グリセリンモノステアレートであることがより好ましい。
さらに、上記課題は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、一般式(I)で表される基を末端に有する、および/または、一般式(II)で表される基を主鎖中に有するPVAを0.005〜5重量部、および、亜鉛化合物を0.01〜5重量部添加するポリ塩化ビニル樹脂組成物の製造方法を提供することによっても解決される。このとき、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して滑剤を0.001〜10重量部添加することが好ましい。
本発明の樹脂組成物を用いた場合には、成形時の熱安定性に優れ、着色が少ない成形体を得ることができるという効果を達成することができる。
本発明で用いられるポリ塩化ビニル樹脂を製造する原料としては、塩化ビニル単量体の他、塩化ビニル単量体を主体とし、これと共重合可能な単量体との混合物(塩化ビニル単量体が50重量%以上)が使用される。なお、この塩化ビニル単量体と共重合される単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステルもしくはメタアクリル酸エステル、エチレン、プロピレン等のオレフィン、無水マレイン酸、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン等が挙げられる。
また、これらの単量体を用いて上記ポリ塩化ビニル樹脂を製造する方法としては、該単量体を重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法を好適に採用することができ、その際には、通常使用されている分散安定剤、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性セルロースエーテル、PVA、ゼラチン等の水溶性ポリマー;ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレート、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロックコポリマー等の油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラウリン酸ナトリウム等の水溶性乳化剤等が用いられ、その中でも、けん化度65〜99モル%、重合度500〜4000のPVAが好適に用いられ、その添加量は塩化ビニル100重量部当たり0.01〜2.0重量部が好ましい。懸濁重合用分散安定剤は単独で使用してもよいが、塩化ビニル等のビニル系化合物を水性媒体中で懸濁重合する際に通常使用される重合度100〜4000およびけん化度30〜99モル%のPVAを併用してもよく、その添加量は特に制限されないが、塩化ビニル等のビニル系化合物100重量部当たり0.01〜2.0重量部が好ましい。
重合に使用される開始剤としては、従来から塩化ビニル単量体等の重合に使用されている、油溶性または水溶性の重合開始剤を用いることができる。油溶性の重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、α−クミルパーオキシネオデカネート等のパーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物;アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。水溶性の重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらの油溶性あるいは水溶性の重合開始剤は単独で、または2種類以上を組合せて用いることができる。
重合に際し、必要に応じて、重合反応系にその他の各種添加剤を加えることができる。添加剤としては、例えば、アルデヒド類、ハロゲン化炭化水素類、メルカプタン類等の重合調節剤、フェノール化合物、イオウ化合物、N−オキサイド化合物等の重合禁止剤等が挙げられる。また、pH調整剤、架橋剤等も任意に加えることができる。
重合に際し、重合温度には特に制限はなく、20℃程度の低い温度はもとより、90℃を超える高い温度に調整することもできる。また、重合反応系の除熱効率を高めるために、リフラックスコンデンサー付の重合器を用いることも好ましい実施態様の一つである。
重合には、必要に応じて、重合に通常使用される防腐剤、防黴剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、スケール防止剤、帯電防止剤等の添加剤を任意に添加することができる。
ポリ塩化ビニル樹脂に添加するPVAは、一般式(I)で表される基を末端に有する、および/または、一般式(II)で表される基を主鎖中に有するビニルアルコール系重合体である。
Figure 2012046688
Figure 2012046688

(式中、Rは、水素原子またはOM基を示し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、1/2アルカリ土類金属原子、またはアンモニウム基を示す。)
従って、本発明に用いるPVAの態様としては、一般式(I)で表される基を末端に有するPVA;一般式(II)で表される基を主鎖中に有するPVA;および一般式(I)で表される基を末端に有し、かつ、一般式(II)で表される基を主鎖中に有するPVAの3つの態様がある。
Mで示されるアルカリ金属原子としては、ナトリウム原子、カリウム原子等が挙げられる。Mで示される1/2アルカリ土類金属原子としては、1/2マグネシウム原子、1/2カルシウム原子等が挙げられる。Mが1/2アルカリ土類金属原子である場合は、残りの1/2アルカリ土類金属原子(すなわち2価のアルカリ土類金属原子の残りの結合手)は、一般式(I)における酸素原子、一般式(II)における酸素原子、P(H22)等と結合してよい。
本発明に用いるPVAは一般式(I)で表される基の変性量が0.01〜18モル%であることが好ましい。0.01モル%未満では、本発明の目的である成形時の熱安定性に優れ、着色が少ない成形体を得ることができるという効果が得られない可能性がある。18モル%を超える場合は、該PVAの生産性が著しく低下し、実用性が損なわれるおそれがある。なお、当該変性量は、1H−NMR測定により求めることができる。
本発明に用いるPVAの一般式(I)で表される基と一般式(II)で表される基の変性量のモル比は特に限定はないが、該PVAの生産性を考慮すると、(一般式(I))/(一般式(II))=5/5〜9/1が好ましい。なお、当該変性量は、31P−NMR測定により求めることができる。
本発明に用いるPVAの一般式(I)で表される基の変性量は、該PVAの前駆体である一般式(I)で表される基を含有するポリ酢酸ビニル(以下、ポリ酢酸ビニルをPVAcと略記することがある)の1H−NMRから求めることができる。具体的には、n−ヘキサン/アセトンで該変性PVAcの再沈精製を3回以上十分に行った後、50℃の減圧下で乾燥を2日間行い、分析用の該変性PVAcを作成する。該PVAcをCDCl3に溶解させ、500MHzの1H−NMR(JEOL GX−500)を用いて室温で測定する。ビニルエステルの主鎖メチンに由来するピークα(4.7〜5.2ppm)と一般式(I)で表される基のリンに付いたプロトンに由来するピークβ(7.5〜7.8ppmと6.3〜6.5ppm)から下記式を用いて一般式(I)で表される基の変性量を算出する。

一般式(I)で表される基の変性量(モル%)={(ピーク面積β)/((ピーク面積α)+(ピーク面積β))}×100
本発明に用いるPVAの一般式(I)で表される基の変性量は、該PVAの1H−NMRから求めることもできる。具体的には、該PVAをメタノールで48時間ソックスレー抽出による精製を行った後、d6−DMSOに溶解し、500MHzの1H−NMR(JEOL GX−500)を用いて測定する。PVAの主鎖メチレンに由来するピークγ(1.1〜1.9ppm)と一般式(I)で表される基のリンに付いたプロトンに由来するピークε(7.5〜7.7ppmと6.3〜6.6ppm)から下記式を用いて一般式(I)で表される基の変性量を算出する。

一般式(I)で表される基の変性量(モル%)={(ピーク面積ε)/((ピーク面積γ)/2+(ピーク面積ε))}×100
本発明に用いるPVAの一般式(I)で表される基と一般式(II)で表される基の変性量のモル比は該PVAの31P−NMRから求めることができる。具体的には、該PVAをメタノールで48時間ソックスレー抽出による精製を行った後、d6−DMSOに溶解し、203MHzの31P−NMRを用いて測定する(ホスフィン酸Na・一水和物のシグナルを0ppmとする)。一般式(I)で表される基のリンに由来するピークσ(10〜13ppm)と一般式(II)で表される基のリンに由来するピークφ(28〜30ppm)のピーク面積比より、変性量のモル比を算出する。
本発明に用いるPVAのけん化度は65〜99.9モル%が好ましく、70〜98.5モル%がより好ましく、75〜96モル%がさらに好ましい。けん化度が65モル%未満の場合、長期の熱安定性が低下することがある。なお、PVAのけん化度はJIS K6726に従って測定した値である。
上記PVAの粘度平均重合度(以下単に重合度と言うことがある)は、1000以下が好ましく、900以下がより好ましく、800以下がさらに好ましい。粘度平均重合度の下限については特に制限はないが、PVAの製造上の観点から、粘度平均重合度は10以上が好ましく、50以上がより好ましい。粘度平均重合度が1000より大きいと、長期の熱安定性が著しく低下することがある。なお、PVAの粘度平均重合度はJIS K6726に従って測定した値である。すなわち、PVAをけん化度99.5モル%以上に再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η]から次式により求めることができる。

P=([η]×1000/8.29)(1/0.62)
本発明に用いるPVAの製造方法は、得られるPVAが一般式(I)で表される基を末端に、および/または、一般式(II)で表される基を主鎖中に有する限り特に制限はないが、例えば、ビニルエステル系単量体を、リンを含む化合物の存在下でラジカル重合する工程、および、得られた重合体をけん化する工程を含む方法によって製造することができる。
ビニルエステル系単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられるが、中でも酢酸ビニルが最も好ましい。
リンを含む化合物としては、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸アンモニウムおよびその水和物等の次亜リン酸化合物等が挙げられるが、工業的には最も安価な次亜リン酸ナトリウムまたはその水和物が好適に用いられる。
リンを含む化合物の使用量は、特に制限はなく、PVAに導入したい一般式(I)で表される基、および、一般式(II)で表される基の量に応じて適宜設定すればよい。リンを含む化合物の使用量は、例えば、ビニルエステル系単量体に対して0.001〜30重量部が好ましい。
ビニルエステル系単量体の重合は、アルコール系溶媒等の溶媒中で、または、無溶媒で行うことができる。
ビニルエステル系単量体の重合を行うのに用いられる重合方式としては、回分重合、半回分重合、連続重合、半連続重合のいずれでもよい。重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等の公知の任意の方法を用いることができる。その中でも、無溶媒またはアルコール系溶媒中で重合を行う塊状重合法や溶液重合法が好適に採用され、高重合度の重合物の製造を目的とする場合は乳化重合法が採用される。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。またこれらの溶媒は2種類またはそれ以上の種類を混合して用いることができる。重合に使用される開始剤としては、重合方法に応じて従来公知のアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤等が適宜選ばれる。アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、過酸化物系開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシデカネート等のパーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド;2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート等が挙げられる。さらには、上記開始剤に過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等を組み合わせて開始剤とすることもできる。また、レドックス系開始剤としては、上記の過酸化物と亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤とを組み合わせたものが挙げられる。また、ビニルエステル系単量体の重合を高い温度で行った場合、ビニルエステル系単量体の分解に起因するPVAの着色等が見られることがあるため、その場合には、着色防止の目的で重合系に酒石酸のような酸化防止剤を1〜100ppm(ビニルエステル系単量体に対して)程度添加することはなんら差し支えない。
ビニルエステル系単量体の重合を行う際に採用される温度は、0〜200℃が好ましく、30〜140℃がより好ましい。重合を行う温度が0℃より低い場合は、十分な重合速度が得られないため好ましくない。また、重合を行う温度が200℃より高い場合、目的とするPVAを得ることが困難になるため好ましくない。重合を行う際に採用される温度を0〜200℃に制御する方法としては、例えば、重合速度を制御することで、重合により生成する発熱と反応器の表面からの放熱とのバランスをとる方法や、適当な熱媒を用いた外部ジャケットにより制御する方法等が挙げられるが、安全性の面からは後者の方法が好ましい。
本発明においては、ビニルエステル系単量体を通常よりも高い温度条件で重合して得られる1,2−グリコール結合の含有量の多いPVAを用いることもできる。この場合、1,2−グリコール結合の含有量は、好ましくは1.9モル%以上、より好ましくは2.0モル%以上、さらに好ましくは2.1モル%以上である。
ビニルエステル系単量体の重合に際して、本発明の主旨を損なわない範囲であればビニルエステル系単量体を他の単量体を共重合させても差し支えない。ビニルエステル系単量体と共重合可能な単量体として、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等のα−オレフィン;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド;N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド;N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等のオキシアルキレン基含有単量体;酢酸イソプロペニル等が挙げられる。これらの単量体の含有量は、通常、共重合に用いられる全ての単量体を基準にした割合で20モル%以下、好ましくは10モル%以下である。
ビニルエステル系単量体の重合に際して、得られるPVAの重合度を調節すること等を目的として、連鎖移動剤を共存させても差し支えない。連鎖移動剤としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサノン、シクロヘキサノン等のケトン類;2−ヒドロキシエタンチオール等のメルカプタン類;チオ酢酸等のチオカルボン酸類;トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類が挙げられ、中でもアルデヒド類およびケトン類が好適に用いられる。
ビニルエステル系重合体のけん化反応には、従来公知の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド等の塩基性触媒、またはp−トルエンスルホン酸等の酸性触媒を用いた、加アルコール分解ないし加水分解反応が適用できる。けん化反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。中でも、メタノールまたはメタノールと酢酸メチルとの混合溶液を溶媒として用い、塩基性触媒である水酸化ナトリウムの存在下にけん化反応を行うのが簡便であり好ましい。
本発明のポリ塩化ビニル樹脂組成物に含有されるPVAは、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂を重合した後に該ポリ塩化ビニル樹脂に添加することによって含有させることができる。該PVAは粉として、あるいは、水または有機溶剤に溶解させてポリ塩化ビニル樹脂に添加することができる。
PVAをポリ塩化ビニル樹脂重合時に添加すると、該PVAがポリ塩化ビニル樹脂の分散剤として作用するため、得られるポリ塩化ビニル樹脂が有する平均粒子径や可塑剤吸収性等の品質に悪影響を及ぼすことがある。また、ポリ塩化ビニル樹脂製造後の樹脂洗浄により該PVAがほとんど除去されてしまうため、本発明の効果は得られない。
ポリ塩化ビニル樹脂組成物中のPVAの含有量は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.005〜5重量部であり、好ましくは0.04〜3重量部である。0.005重量部未満では、長期の熱安定性が十分でなく、5重量部を超えると、ポリ塩化ビニル樹脂が着色し好ましくない。
本発明では、PVAが、25℃におけるpKaが3.5〜5.5の酸および/またはその金属塩を含有してもよい。酸の種類について特に制限はなく、その具体例として、酢酸(pKa4.76)、プロピオン酸(pKa4.87)、酪酸(pKa4.63)、オクタン酸(pKa4.89)、アジピン酸(pKa5.03)、安息香酸(pKa4.00)、ギ酸(pKa3.55)、吉草酸(pKa4.63)、ヘプタン酸(pKa4.66)、乳酸(pKa3.66)、フェニル酢酸(pKa4.10)、イソ酪酸(pKa4.63)、シクロヘキサンカルボン酸(pKa4.70)等を挙げることができる。特に好ましく用いることができる酸は、酢酸、プロピオン酸および乳酸である。また、上記の酸の金属塩を用いることもできる。金属塩の種類としては特に制限はないが、通常、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が用いられる。
pKaが3.5〜5.5の酸および/またはその金属塩の含有量は、PVA100重量部に対して0.05〜5重量部の割合が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量部、さらに好ましくは0.15〜2重量部である。PVAに対する酸および/またはその金属塩の含有量が0.05重量部未満の場合、長期の熱安定性が低下し、5重量部を超えると、ポリ塩化ビニル樹脂が着色するおそれがある。
なお、該酸および/またはその金属塩を所定量含有させる方法は特に問わず、例えば、PVAを製造する時のけん化で用いるアルカリ触媒の種類や量等を調整する方法、PVA製造後に該酸および/またはその金属塩を追加したり、除去したりする方法が挙げられる。
本発明で用いる亜鉛化合物としては、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛やオレイン酸亜鉛等の亜鉛の脂肪族カルボン酸塩や、安息香酸亜鉛、p−t−ブチル安息香酸亜鉛等の芳香族カルボン酸亜鉛、アミノ酸亜鉛塩、リン酸エステル亜鉛塩のような有機酸の亜鉛塩、酸化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機亜鉛塩等が挙げられる。上記亜鉛化合物の添加量は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部であり、好ましくは0.05〜3重量部である。上記添加量が0.01重量部未満では、十分な熱安定化効果は得られず、5重量部を超えるとポリ塩化ビニル成形品が黒化するため好ましくない。該亜鉛化合物は、ポリ塩化ビニル樹脂を重合した後に該ポリ塩化ビニル樹脂に添加することによって含有させることができる。
本発明のポリ塩化ビニル樹脂組成物は、通常用いられる安定剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、防曇剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、改質剤、強化剤、顔料、発泡剤、可塑剤等を併用することができる。また、本発明のポリ塩化ビニル樹脂組成物には、その機械的特性を損なわない範囲であれば、他の樹脂を混合してもよい。
上記滑剤としては、流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素;ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸;ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミド;ブチルステアレート等のモノアルコールの脂肪酸エステル;硬化ひまし油、エチレングリコールモノステアレート、グリセリンモノステアレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート等のポリオールの脂肪酸エステル;セチルアルコールやステアリルアルコール等のアルコールが挙げられる。中でも、ポリオールの脂肪酸エステルを用いた場合、本発明の効果が一層発現する。このとき、ポリオールの脂肪酸モノエステルであることが好ましく、グリセリンの脂肪酸モノエステルであることも好ましい。また、脂肪酸エステルの脂肪酸の炭素数が8〜22であることが好ましく、ステアリン酸エステルであることがさらに好ましい。これらの中でも、グリセリンモノステアレートが特に好適である。上記滑剤の添加量は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部、さらに好ましくは0.05〜5重量部である。
上記安定剤としては、周知のものを用いることができ、具体的には、カルシウム石鹸、バリウム石鹸等のアルカリ土類金属の石鹸やアルミニウム石鹸、有機リン酸金属塩等の有機金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、ゼオライト等の無機複合金属塩等の無機金属塩、塩素酸バリウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム等のハロゲン酸素酸塩、β−ジケトン、多価アルコール、エポキシ化合物等の非金属安定剤が挙げられる。
また、上記可塑剤としては、例えば、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の酸とn−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、t−ペンタノール、n−ヘキサノール、イソヘキサノール、n−ヘプタノール、イソヘプタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、n−ノナノール、イソノナノール、n−デカノール、イソデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の直鎖および分岐のアルキルアルコール単独または混合物からなるエステルやブタンジオールとアジピン酸のエステルのようなエステル系可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル、オクチルエポキシステアレート、エポキシトリグリセライド、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシルやエピクロルヒドリンとビスフェノールAの低分子量反応性生物樹脂のようなエポキシ系可塑剤;トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、モノブチルジキシレニルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤等が挙げられる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、通常用いられるものであればいずれでもよく、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルへノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアジッド〕グリコールエステル、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’エチリデンビス(4−s−ブチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。上記フェノール系酸化防止剤の添加量は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。
上記リン系酸化防止剤としては、通常用いられるものであればいずれでもよく、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−t−ブチル−4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト等があげられる。上記リン系酸化防止剤の添加量は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、好ましくは、0.001〜5重量部、さらに好ましくは0.005〜3重量部である。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−t−オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレートレゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類等が挙げられる。上記紫外線吸収剤の添加量は、塩化ビニル100重量部に対して、好ましくは0.005〜10重量部、さらに好ましくは0.01〜5重量部である。
上記光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラエチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モノホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピレリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−t−オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。上記光安定剤の添加量は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜3重量部である。
本発明のポリ塩化ビニル樹脂組成物の加工方法としては、押し出し加工、カレンダー加工、ブロー成形、プレス加工、粉体成形、射出成形等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例において、特に断りがない場合、部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
(ポリ塩化ビニル樹脂の製造)
重合度850、けん化度72モル%のポリビニルアルコールを塩化ビニルに対して600ppmに相当する量で脱イオン水に溶解させ、分散安定剤を調製した。このようにして得られた分散安定剤を、スケール付着防止剤NOXOL WSW(CIRS社製)が固形分として0.3g/mになるように塗布されたグラスライニング製オートクレーブに仕込んだ。次いで、グラスライニング製オートクレーブにジイソプロピルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液0.04部を仕込み、オートクレーブ内の圧力が0.0067MPaとなるまで脱気して酸素を除いた後、塩化ビニル30部を仕込み、オートクレーブ内の内容物を57℃に昇温して撹拌下に重合を開始した。重合開始時におけるオートクレーブ内の圧力は0.83MPaであった。重合を開始してから7時間経過後、オートクレーブ内の圧力が0.44MPaとなった時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニルを除去した後、重合反応物を取り出し、65℃にて一晩乾燥を行い、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)を得た。
(PVA−1の製造)
撹拌機、窒素導入口、添加剤導入口および開始剤添加口を備えた3L反応器にメタノール300gおよびホスフィン酸ナトリウム(次亜リン酸ナトリウム)・一水和物2.0gを仕込み、ホスフィン酸ナトリウム・一水和物のメタノール溶液を調製した。次いで、酢酸ビニル1200gを反応器に仕込み、窒素ガスのバブリングにより反応器内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.25gを反応器に添加して重合を開始した。重合中は重合温度を60℃に維持した。4時間後に重合率が50%に達したところで冷却して重合を停止した。次いで、減圧下にて未反応の酢酸ビニルを除去し、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液を得た。40%に調整したPVAc溶液にアルカリモル比(NaOHのモル数/PVAc中の酢酸ビニル単位のモル数)が0.005となるようにNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加してけん化した。以上の操作によりけん化度70.8モル%のPVA−1を得た。該PVAの粘度平均重合度をJIS K6726に準じて測定したところ760であった。
上記PVA−1をメタノールで48時間ソックスレー抽出による精製を行った後、d6−DMSOに溶解し、500MHzの1H−NMR(JEOL GX−500)を用いて分析を行った。これによりPVAの末端にホスフィン酸のプロトン(P−H)に由来するシグナルがδ=7.5〜7.7ppm, 6.3〜6.6ppm(d,J=470Hz、1H)に認められ、末端に式(I)で表される基を有することが確認できた。さらに上記方法で精製したPVAをd6−DMSOに溶解し、203MHzの31P−NMRを用いて分析を行った。これにより10〜13ppmと28〜30ppmに2種類のシグナルを確認することができた(ホスフィン酸Na・一水和物のシグナルを0ppmとした)。さらにP−H相関二次元分析(HMQC、HMBC)を行ったところ、HMQCの結果より、31P−NMRの10〜13ppmのシグナルと1H−NMRの7.5〜7.7ppmと6.3〜6.6ppm(PVAの末端に存在するホスフィン酸のプロトン(P−H)に由来)のシグナルとの相関を確認することはできたが、31P−NMRの28〜30ppmのシグナルにおいては直接結合したプロトンとの相関(P−H結合)を確認することができなかった。この結果より末端に変性されたPだけではなく、主鎖中に変性されたPの存在を確認することができた。また、HMBCの結果より、31P−NMRの両シグナルとも1H−NMRの1.1〜1.9ppm(PVA中のメチレンに由来)のシグナルとの相関を確認することができた。この結果より末端に式(I)で表される基を有するPVAだけではなく、主鎖中に式(II)で表される基を有するPVAが存在することを確認できた。
また、1H−NMRの分析結果から、一般式(I)で表される基の変性量を求めた。具体的には、PVAの主鎖メチレンに由来するピーク(1.1〜1.9ppm)の面積γと一般式(I)で表される基のリンに付いたプロトンに由来するピーク(7.5〜7.7ppmと6.3〜6.6ppm)の面積εから、下記式を用いて一般式(I)で表される基の変性量を算出した。

一般式(I)で表される基の変性量(モル%)={(ピーク面積ε)/((ピーク面積γ/2)+(ピーク面積ε))}×100
さらに、31P−NMRの分析結果から、一般式(I)で表される基のリンに由来するピーク(10〜13ppm)と一般式(II)で表される基のリンに由来するピーク(28〜30ppm)のピーク面積の比より、PVAの一般式(I)で表される基と一般式(II)で表される基のモル比を算出した。以上の分析結果を表1に示す。
(PVA−2〜PVA−12の製造)
PVA−1の製造において、重合時の酢酸ビニルおよびメタノールの量、変性に用いる化合物とその量、重合率、並びに、けん化時のPVAc濃度およびNaOHモル比を表1に示すように変更した以外は同様にして、PVA−2〜PVA−12を得た。分析結果を表1に示す。
Figure 2012046688
実施例1
(ポリ塩化ビニル樹脂組成物の製造)
磁性ビーカーに、ポリ塩化ビニル樹脂100部、上記で得られたPVA−1を0.5部、ステアリン酸亜鉛を1部、および、ステアリン酸カルシウムを0.5部それぞれ加え混合し、ポリ塩化ビニル樹脂組成物を得た。
(熱安定性試験)
上記のポリ塩化ビニル樹脂組成物をテストロールにより180℃で5分間混練し、厚さ0.45mmのシートを作成した。このシートを50×70mmにカットした。このシート片をギヤーオーブン中に入れ、180℃の温度で完全に黒色になるまでの時間を測定し、熱安定性の指標とした。また、テストロール温度を200℃に変更した以外は同様にして、評価を実施した。結果を表2に示す。
(着色性試験)
上記180℃で5分間テストロールで混錬して得られたシートを45×30mmにカットし、得られた約0.5mm厚のシート片を12〜14枚重ね合わせ、190℃で5分間プレスして厚さ5mmの試験片を作成し、目視により着色性を比較し、以下の基準にしたがって判定した。結果を表2に示す。
A:着色がほとんどない。
B:わずかに着色が認められる。
C:黄色である。
D:黄褐色である。
実施例2〜8
実施例1において、PVA−1の代わりにPVA−2〜PVA−8を使用した以外は同様にしてポリ塩化ビニル樹脂組成物を得て、熱安定性、着色性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例9〜16
実施例1〜8において、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、さらに滑剤としてグリセリンモノステアレートを0.5部加え混合した以外は同様にしてポリ塩化ビニル樹脂組成物を得て、熱安定性、着色性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例1
実施例1において、PVA−1を添加しなかったこと以外は同様にしてポリ塩化ビニル樹脂組成物を得て、熱安定性、着色性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例2
実施例1において、PVA−1の代わりに目開き150μmの篩を通過するジペンタエリスリトールを0.5部使用した以外は同様にしてポリ塩化ビニル樹脂組成物を得て、熱安定性、着色性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例3〜5
実施例1において、PVA−1の代わりにPVA−9〜PVA−11を使用した以外は同様にしてポリ塩化ビニル樹脂組成物を得て、熱安定性、着色性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例6〜8
比較例3〜5において、塩化ビニル樹脂100部に対して、さらに滑剤としてグリセリンモノステアレートを0.5部加え混合した以外は同様にしてポリ塩化ビニル樹脂組成物を得て、熱安定性、着色性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例9
実施例1において、PVA−1の代わりにPVA−12を使用した以外は同様にしてポリ塩化ビニル樹脂組成物を得て、熱安定性、着色性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例10
比較例9において、塩化ビニル樹脂100部に対して、さらに滑剤としてグリセリンモノステアレートを0.5部加え混合した以外は同様にしてポリ塩化ビニル樹脂組成物を得て、熱安定性、着色性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例11および12
実施例2において、PVA−2の使用量を表2に示すように変更した以外は同様にしてポリ塩化ビニル樹脂組成物を得て、熱安定性、着色性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例13および14
実施例2において、ステアリン酸亜鉛の使用量を表2に示すように変更した以外は同様にしてポリ塩化ビニル樹脂組成物を得て、熱安定性、着色性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2012046688
実施例1〜8では、一般式(I)で表される基を末端に有する、および/または、一般式(II)で表される基を主鎖中に有するPVAを使用した結果を示している。テストロールでの混錬温度が180℃、200℃のいずれにおいても黒化時間は満足いくものである。合わせて、着色性にも優れる。特に、粘度平均重合度が1000以下であって、平均けん化度が65モル%以上のPVAを用いた場合(実施例1〜4、実施例6および7)では顕著に優れる。また、実施例9〜16は、実施例1〜8に滑剤としてグリセリンモノステアレートを配合している。いずれのケースでも黒化時間は向上し、着色性にも優れる。
一方、比較例1においては、PVAを使用しない場合、また比較例2においては、PVAの代わりにジペンタエリスリトールを使用した場合をそれぞれ示している。いずれの場合にも黒化時間のレベルも着色性のレベルも低く満足いくものではない。
また、比較例3〜5においては、一般式(I)で表される基を末端に、一般式(II)で表される基を主鎖中にそれぞれ含有しないPVAを使用した結果を示している。いずれの場合も、比較例1および2よりは黒化時間および着色性は向上するものの、依然としてこれらのレベルでは不満足である。
また、比較例6〜8においては、比較例3〜5に滑剤としてグリセリンモノステアレートを配合している。いずれのケースでも黒化時間はやや向上しているものの依然として不満足であり、着色性も不満足のままである。
さらに、比較例9においては、末端にカルボン酸を含有するPVAを使用した結果を示しているが、黒化時間および着色性いずれも不満足である。また、比較例9に滑剤としてグリセリンモノステアレートを配合した比較例10でも同様に黒化時間および着色性いずれも不満足である。
さらに、一般式(I)で表される基を末端に有する、および/または、一般式(II)で表される基を主鎖中に含有するPVAの添加量が極端に少ない場合(比較例11)、逆に極端に多い場合では、黒化時間、着色性共に満足するに至らず、亜鉛化合物の添加量が極端に少ない場合(比較例13)、ロール混連中に樹脂が劣化し、評価するに至らず、逆に亜鉛化合物の添加量が極端に多い場合(比較例14)、黒化時間、着色性共に満足するに至らない。
以上の結果から、本発明のポリ塩化ビニル樹脂組成物は、成形温度の適応範囲が広く有意義である。

Claims (8)

  1. ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、一般式(I)で表される基を末端に有する、および/または、一般式(II)で表される基を主鎖中に有するビニルアルコール系重合体を0.005〜5重量部、および、亜鉛化合物を0.01〜5重量部含有するポリ塩化ビニル樹脂組成物。
    Figure 2012046688

    Figure 2012046688

    (式中、Rは、水素原子またはOM基を示し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、1/2アルカリ土類金属原子、またはアンモニウム基を示す。)
  2. ビニルアルコール系重合体および亜鉛化合物を、ポリ塩化ビニル樹脂に添加することによって含有させた請求項1に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
  3. ビニルアルコール系重合体の平均けん化度が65〜99.9モル%であり、粘度平均重合度が1000以下である、請求項1または2に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
  4. ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して滑剤を0.001〜10重量部含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
  5. 滑剤がポリオールの脂肪酸エステルである、請求項4に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
  6. ポリオールの脂肪酸エステルがグリセリンモノステアレートである、請求項5に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
  7. ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、一般式(I)で表される基を末端に有する、および/または、一般式(II)で表される基を主鎖中に有するビニルアルコール系重合体を0.005〜5重量部、および、亜鉛化合物を0.01〜5重量部添加するポリ塩化ビニル樹脂組成物の製造方法。
  8. ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して滑剤を0.001〜10重量部添加する、請求項7に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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