JPH11222546A - 水溶性フィルム - Google Patents

水溶性フィルム

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JPH11222546A
JPH11222546A JP10104289A JP10428998A JPH11222546A JP H11222546 A JPH11222546 A JP H11222546A JP 10104289 A JP10104289 A JP 10104289A JP 10428998 A JP10428998 A JP 10428998A JP H11222546 A JPH11222546 A JP H11222546A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明によると、スルホン酸基を有する
変性ポリビニルアルコール(A)100重量部および没
食子酸またはその炭素数1〜5のアルキルエステル
(B)0.05〜20重量部からなる水溶性フィルム;
該水溶性フィルムを用いて、酸性物質、塩素系物質また
は農薬を包装してなる包装体;スルホン酸基を有する変
性ポリビニルアルコール(A)100重量部および没食
子酸またはその炭素数1〜5のアルキルエステル(B)
0.05〜20重量部からなる組成物が提供される。 【効果】 本発明の水溶性フィルムは、酸性物質、塩素
系物質または農薬薬剤などをユニット包装した場合であ
っても、水溶性が経時的に低下しないという優れた作用
効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農薬および殺菌剤な
どの薬剤包装用として優れた性能を有するポリビニルア
ルコール(以下、PVAと略記する)系フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、農薬などの各種薬剤を単位量づつ
水溶性フィルムに密封包装して、使用時にその包装形態
のまま水中に投入し、内容物を水に溶解または分散して
使用する方法(ユニット包装)が多く用いられてきてい
る。このユニット包装の利点は使用時に危険な薬品に直
接触れることなく使用できること、一定量が包装されて
いるために使用時の計量が不要であること、薬剤の包装
に使用した容器や袋などの使用後の処理が不要または簡
単であることなどである。従来、ユニット包装用の水溶
性フィルムとしては、部分けん化PVA系フィルムが用
いられていた。従来の水溶性フィルムは冷水易溶性や機
械的強度に優れているが、包装する薬剤の種類によって
は、保存中にフィルムの水溶性が経時的に低下し、水に
不溶性または難溶性になるという問題があった。
【0003】部分けん化PVA系フィルムが水に不溶性
となるような薬剤としては、アルカリ性物質、酸性物
質、塩素含有物質、銅やコバルトなどの多価金属塩を有
する化合物、多価カルボン酸含有物質、多価アミン含有
物質、ホウ酸含有物質、殺虫剤、除草剤などの農薬およ
び殺菌剤などがある。アルカリ性物質を包装するフィル
ムとしては、カルボン酸塩で変性したPVAフィルムが
知られている。また、ソルビトールを配合したPVAフ
ィルムは、耐ホウ酸性を有するという報告がある。
【0004】酸性物質、塩素系物質(殺菌剤など)、農
薬を包装するフィルムとしては、ポリエチレンオキサイ
ド系フィルムおよびセルロース系フィルムが知られてい
るが、水への溶解速度が非常に遅く、機械的物性が不足
し、硬く脆いために低温での耐衝撃性が極端に小さいと
いう欠点がある。農薬や殺虫剤などを包装するフィルム
としては、PVAおよびカルボン酸エステル変性PVA
に、ポリエチレングリコールおよび没食子酸プロピルな
どの助剤を配合してなる水溶性フィルムが知られている
(特開昭53−24351号)。また、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム変性P
VAに、ビスフェノールAなどのフェノール誘導体を配
合してなる農薬包装用の水溶性フィルムが知られている
(特開平7−118407号)。しかしながら、従来の
PVA系フィルムは、酸性物質、塩素含有物質、農薬お
よび殺菌剤などの薬剤を包装して長期間保存すると、フ
ィルムが褐色に変色し、冷水や熱水に不溶性となり、水
溶性フィルムとしての機能が失われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、機械
的強度に優れ、柔軟でタフネスを有し、さらに長期間に
渡って農薬や殺菌剤などの薬剤を包装した場合であって
も、初期の水易溶性が保持される水溶性フィルムを提供
することにある。本発明のさらなる目的は、酸性物質、
塩素系物質または農薬を包装してなる包装体を提供する
ことにある。本発明のさらなる目的は、上記の水溶性フ
ィルムの製造原料などに好適な組成物を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意検討した結果、スルホン酸基を有する
変性ポリビニルアルコール(A)100重量部および没
食子酸またはその炭素数1〜5のアルキルエステル
(B)0.05〜20重量部からなる水溶性フィルム;
該水溶性フィルムを用いて、酸性物質、塩素系物質また
は農薬を包装してなる包装体;スルホン酸基を有する変
性ポリビニルアルコール(A)100重量部および没食
子酸またはその炭素数1〜5のアルキルエステル(B)
0.05〜20重量部からなる組成物を見出し、本発明
を完成させるに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に使用するスルホン酸基を有する変性PV
A(A)は、ビニルエステルとスルホン酸基含有単量体
との共重合体のけん化物、あるいはポリビニルエステル
のけん化物であるPVAにスルホン酸基を有する化合物
を反応付加した重合体である。
【0008】ビニルエステルとスルホン酸基含有単量体
との共重合体のけん化物は、ビニルエステルとスルホン
酸基含有単量体を塊状またはアルコールなどの溶媒中で
ラジカル開始剤の存在下で共重合した後、アルカリまた
は酸触媒を作用させて部分的にあるいは高度にけん化す
ることにより得られる。ここで、ビニルエステルとして
は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、バ
ーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられ
るが、工業的に生産されコスト的に有利な酢酸ビニルが
通常使用される。スルホン酸基含有単量体としては、分
子内にスルホン酸基またはその塩を含有し、ビニルエス
テルと共重合可能なものであればいずれも使用できる。
具体例としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロ
パンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、及びそれらのアルカリ金属塩;エチ
レンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホ
ン酸などのオレフィンスルホン酸、及びそれらのアルカ
リ金属塩が挙げられる。これらの中でも、ビニルエステ
ルとの共重合反応性やけん化時の安定性などの点から、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ま
たはそのアルカリ金属塩が最も好ましい。ここで、アル
カリ金属としては、Na、K、Liなどが挙げられる。
また、その類似物として、アンモニウムやアミンなどの
塩が挙げられる。なお、スルホン酸基が酸の形態である
場合も本発明に使用可能であるが、共重合中におけるビ
ニルエステルの加水分解を防止するために、部分的にあ
るいは完全にアルカリ金属で中和されている方が好まし
い。次に、ビニルエステルとスルホン酸基含有単量体と
の共重合体をアルコール溶液中でアルカリまたは酸触媒
を用いてけん化することにより、本発明に用いられるス
ルホン酸基を有する変性PVAが得られる。
【0009】ポリビニルエステルのけん化物であるPV
Aにスルホン酸基を有する化合物を反応付加した重合体
は、アセタール化反応やマイケル付加反応などによりス
ルホン酸基を有する化合物をPVAに導入した重合体で
ある。アセタール化反応に使用されるスルホン酸基を有
する化合物としては、ブチルアルデヒドスルホン酸塩、
ベンズアルデヒドスルホン酸塩などのスルホン酸基を有
するアルデヒド化合物である。マイケル付加反応に使用
されるスルホン酸基を有する化合物としては、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルス
ルホン酸、及びそれらのアルカリ金属塩などのスルホン
酸基を有する不飽和化合物である。これらの方法のほか
に、エステル化反応によりスルホン酸基を有するアルコ
ール化合物をPVAに付加したり、縮合反応によりスル
ホン酸基を有するハロゲン化合物をPVAに導入する方
法が用いられる。
【0010】変性PVA(A)中におけるスルホン酸基
含有単位の含有量は、0.1〜20モル%が好ましく、
0.5〜10モル%がより好ましく、1〜5モル%が特
に好ましい。水溶性フィルムの場合には、フィルムの機
械的な物性も重要であり、10〜100μmの薄い厚さ
の場合であっても強度と柔軟性が要求されることから、
変性PVA(A)の粘度平均重合度(以下、重合度と略
記する)は300〜10000が好ましく、500〜8
000がより好ましい。重合度が300未満ではフィル
ム強度が低下する傾向にあり、重合度が10000より
大きいとフィルムを調製するときの溶液粘度が高くなり
作業性が低下する。
【0011】変性PVA(A)のけん化度は、フィルム
にした場合に、水溶性および耐薬品性を示すことが必要
であり、フィルム強度、フィルムの腰、製袋性を考慮す
ると、50〜100モル%、好ましくは80〜100モ
ル%である。
【0012】本発明に使用する没食子酸またはその炭素
数1〜5のアルキルエステル(B)は、水溶性フィルム
が水に不溶性となるのを防止する作用を有する化合物で
ある。具体的には、没食子酸、およびその塩、没食子酸
のメチル、エチル、プロピル、イソアミルなどのエステ
ルが挙げられる。これらの中でも、没食子酸および没食
子酸プロピルが特に好ましい。成分(B)の配合量は、
成分(A)100重量部に対して0.05〜20重量部
であり、好ましくは0.2〜10重量部、さらに好まし
くは0.5〜3重量部である。成分(B)の配合量が
0.05重量部未満の場合には薬剤を包装した状態で保
存中に水溶性が低下し、水不溶性になる。一方、成分
(B)の配合量が20重量部を越える場合にはフィルム
強度が大きく低下したり、フィルム表面に白色粉末が析
出する。
【0013】本発明の水溶性フィルムは、成分(A)お
よび成分(B)に加えて、還元性を有するヒドロキシカ
ルボン酸(C)を併用することにより、放置時の安定性
が飛躍的に改良される。さらに、鉄イオンのような多価
金属イオンが原因となる着色も防止される。還元性を有
するヒドロキシカルボン酸(C)としては、クエン酸、
酒石酸、L−アスコルビン酸、リンゴ酸、ブドウ酸、及
びそれらの塩が挙げられる。これらの中でも、クエン
酸、酒石酸、L−アスコルビン酸が好ましく、クエン酸
が特に優れている。成分(C)の配合量は、PVA(A)
100重量部に対して0.01〜10重量部が好まし
く、0.05〜5重量部がより好ましく、0.1〜3重
量部が特に好ましい。
【0014】本発明の水溶性フィルムは、高温多湿の地
域や寒冷地においても運搬、貯蔵および使用がなされる
ため、フィルムの強度やタフネスが要求される。特に低
温での耐衝撃性が必要とされることから、フィルムのガ
ラス転移点を下げる目的で種々の可塑剤が用いられる。
可塑剤としては、PVAの可塑剤として用いられている
ものであれば使用可能である。具体例としては、グリセ
リン、ジグリセリン、ジエチレングリコールなどの多価
アルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコールなどのポリエーテル類;ビスフェノール
A、ビスフェノールSなどのフェノール誘導体;N−メ
チルピロリドンなどのアミド化合物;グリセリン、ペン
タエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール
へエチレンオキサイドを付加した化合物;水などが挙げ
られる。これらの可塑剤は、単独あるいは2種類以上を
併用してもよい。
【0015】製膜方法としては、変性PVA(A)の水
溶液に、成分(B)および所望により成分(C)を添加
し、溶解あるいは分散させた後、流延製膜する方法、適
当な可塑剤または水の存在下で溶融押出製膜する方法が
挙げられる。その際、必要に応じて着色剤、香料、増量
剤、消泡剤、剥離剤、紫外線吸収剤、無機粉体、界面活
性剤、防腐剤、防黴剤などの通常の添加剤を適宜配合し
ても差し支えない。また必要に応じて、本発明の特徴を
失わない範囲内で、成分(A)以外のPVA、澱粉、カ
ルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロ
キシメチルセルロースなどの水溶性高分子を添加しても
良い。
【0016】本発明の水溶性フィルムを用いて包装する
薬剤としては、酸性物質、塩素系物質、農薬および殺菌
剤などの薬剤などが好ましい。そのほか、洗剤、染料お
よび植生関係物質などの薬剤も包装可能である。酸性物
質としては、水に溶解または分散したときに酸性を示す
物質であり、農薬、殺菌剤および消臭剤などが挙げられ
る。塩素系物質としては、分子中に塩素を含有する物質
であり、農薬、殺菌剤および漂白剤などが挙げられる。
具体的には、イソシアヌル酸トリクロライド、イソシア
ヌル酸ジクロライド、イソシアヌル酸ジクロライドのナ
トリウム塩、N,N-ジクロロヒダントイン、N-クロロ-N-
ブロモ-5,5-ジメチルヒダントインなどが挙げられる。
農薬としては、クロルピクリン、1,3−ジクロロプロ
ペン、ジクロロイソプロピルエーテルなどが挙げられ
る。薬剤の形状は、顆粒状、錠剤、粉体、場合によって
は液状でも良い。また、タルク、カオリン、ベントナイ
ト、珪藻土などの担体、展開剤、水への親和性を向上さ
せたり均一に分散するための界面活性剤や分散剤などが
含まれていても差し支えない。
【0017】本発明によると、成分(A)100重量部
および成分(B)0.05〜20重量部からなる組成物
が提供される。さらに、本発明によると、成分(A)1
00重量部、成分(B)0.05〜20重量部および成
分(C)0.01〜10重量部からなる組成物が提供さ
れる。これらの組成物は、上記において説明した水溶性
フィルムなどの製造原料などの他に、不織布などに使用
される繊維などの製造原料にも好適である。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中とくに断りのないかぎり、
「%」および「部」は重量基準を表す。
【0019】実施例1 酢酸ビニルとアクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸ナトリウムをメタノール溶媒中で共重合して得ら
れた共重合体のメタノール溶液に、水酸化ナトリウムの
メタノール溶液を添加して、けん化反応を行うことによ
り、重合度1700、けん化度88モル%、スルホン酸
基含有単位の含有量2モル%のスルホン酸基を有する変
性PVAを得た。この変性PVA100部に対して、没
食子酸プロピル1部、クエン酸0.2部、可塑剤として
グリセリン20部を添加して、均一な水溶液を作成し、
70℃の熱ロールへ流延し、厚さ40μmの変性PVA
フィルムを得た。この変性PVAフィルムを用いて、袋
(10cm,15cm)を作成した。この袋に、トリク
ロロイソシアヌル酸を主成分とするプール殺菌剤の錠剤
35gを入れた後、熱シールして密封することにより、
内部に薬剤を有する包装体を得た。アルミニウムの表面
にポリエチレンをラミネートしたフィルム(以下、アル
ミニウムラミネートフィルムと略記する)を用いて、上
記で得られた包装体の外側を包んだ後、熱シールして密
封することにより2重包装体を作成した。長期保存テス
トの促進試験として、薬剤を包装した2重包装体を40
℃の恒温器中に3ヶ月間放置した後、PVAフィルムの
水溶性の変化、PVAフィルムの着色および2重包装体
からアルミニウムラミネートフィルムを除去した状態で
の臭気を下記の方法で調べた。評価結果を表1に示す。 [PVAフィルムの水溶性の測定方法]PVAフィルム
を正方形(40mm,40mm)に切り、これを外枠で
挟み、撹拌している水(20℃,10℃)中に浸漬し、
PVAフィルムが完全に溶解するまでの時間(秒数)を
測定した。なお、30分間で溶解しない場合には、水不
溶と判定した。 [PVAフィルムの着色] 評価結果を下記の記号で示す。 ○:着色なし △:わずかに黄色に着色 ×:褐色に着色 [包装体からの臭気]2重包装体からアルミニウムラミ
ネートフィルムを除去し、PVAフィルムのみで包装し
た状態で、臭気の官能テストを行った。評価結果を下記
の記号で示す。 ○:臭気なし △:少し臭気がある ×:臭気が激しい
【0020】実施例2 実施例1と同様にして、酢酸ビニルとアクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムを共重合し、
けん化反応を行うことにより、重合度1250、けん化
度97モル%、スルホン酸基含有単位の含有量4モル%
のスルホン酸基を有する変性PVAを得た。この変性P
VA100部に対して、没食子酸プロピル1部、クエン
酸0.5部、可塑剤としてグリセリン10部、ジグリセ
リン15部を添加したほかは、実施例1と同様にして、
厚さ40μmの変性PVAフィルムを得た。この変性P
VAフィルムを用いて、トイレの洗浄殺菌剤(界面活性
剤を含むジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)30gの
錠剤を包装したほかは、実施例1と同様にして、2重包
装体を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0021】実施例3 実施例1と同様にして、酢酸ビニルとアクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムを共重合し、
けん化反応を行うことにより、重合度1250、けん化
度98モル%、スルホン酸基含有単位の含有量4モル%
のスルホン酸基を有する変性PVAを得た。この変性P
VA100部に対して、没食子酸エチル0.8部、L−
アスコルビン酸0.3部、可塑剤としてグリセリン15
部、ポリエチレングリコール#300を10部を添加し
たほかは、実施例1と同様にして、厚さ40μmの変性
PVAフィルムを得た。この変性PVAフィルムを用い
て、ブロモ,クロロ-5,5-ジメチルヒダントインを含む殺
菌剤を包装したほかは、実施例1と同様にして、2重包
装体を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0022】実施例4 L−アスコルビン酸を配合しないこと以外は、実施例3
と同様にして、厚さ40μmの変性PVAフィルムを作
成した。この変性PVAフィルムを用いて、実施例3と
同様にして、ブロモ,クロロ-5,5-ジメチルヒダントイン
を含む殺菌剤を包装した2重包装体を作成し、評価し
た。評価結果を表1に示す。
【0023】実施例5 重合度1700、けん化度99.6モル%のPVA水溶
液(塩酸により酸性に調節)に、スルホン酸ベンズアル
デヒドを5モル%(PVA中のビニルアルコール単位に
対する量)添加し、アセタール化反応によりスルホン酸
ベンズアルデヒドを付加させることにより、スルホン酸
基を有する変性PVAを得た。この変性PVA100部
に対して、没食子酸2.5部、酒石酸を1部、可塑剤と
してグリセリン10部、ジグリセリン15部を添加した
ほかは、実施例1と同様にして、厚さ40μmの変性P
VAフィルムを得た。この変性PVAフィルムを用い
て、実施例1と同様にして、プール殺菌剤を包装した2
重包装体を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0024】比較例1 没食子酸プロピルおよびクエン酸を添加しないこと以外
は、実施例1と同様にして、厚さ40μmの変性PVA
フィルムを作成した。この変性PVAフィルムを用い
て、実施例1と同様にして、プール殺菌剤を包装した2
重包装体を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0025】比較例2 没食子酸プロピルを添加しないこと以外は、実施例2と
同様にして、厚さ40μmの変性PVAフィルムを作成
した。この変性PVAフィルムを用いて、実施例2と同
様にして、トイレの洗浄殺菌剤を包装した2重包装体を
作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0026】比較例3 スルホン酸基を有する変性PVAに代えて、重合度17
00、けん化度88モル%の無変性を用いたほかは、実
施例1と同様にして、厚さ40μmの無変性PVAフィ
ルムを得た。この無変性PVAフィルムを用いて、実施
例1と同様にして、プール殺菌剤を包装した2重包装体
を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0027】比較例4 没食子酸プロピルに代えて、ビスフェノールA 7部を
添加したほかは、実施例1と同様にして、厚さ40μm
の変性PVAフィルムを得た。この変性PVAフィルム
を用いて、実施例1と同様にして、プール殺菌剤を包装
した2重包装体を作成し、評価した。評価結果を表1に
示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の水溶性フィルムは、酸性物質、
塩素系物質または農薬薬剤などをユニット包装した場合
であっても、水溶性が経時的に低下しないという優れた
作用効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 8/36 C08F 8/36 216/06 216/06 (C08F 216/06 228:02) (C08F 216/06 220:54)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸基を有する変性ポリビニルア
    ルコール(A)100重量部および没食子酸またはその
    炭素数1〜5のアルキルエステル(B)0.05〜20
    重量部からなる水溶性フィルム。
  2. 【請求項2】 スルホン酸基を有する変性ポリビニルア
    ルコール(A)100重量部、没食子酸またはその炭素
    数1〜5のアルキルエステル(B)0.05〜20重量
    部および還元性を有するヒドロキシカルボン酸(C)
    0.01〜10重量部からなる水溶性フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の水溶性フィルム
    を用いて、酸性物質、塩素系物質または農薬を包装して
    なる包装体。
  4. 【請求項4】 スルホン酸基を有する変性ポリビニルア
    ルコール(A)100重量部および没食子酸またはその
    炭素数1〜5のアルキルエステル(B)0.05〜20
    重量部からなる組成物。
  5. 【請求項5】 スルホン酸基を有する変性ポリビニルア
    ルコール(A)100重量部、没食子酸またはその炭素
    数1〜5のアルキルエステル(B)0.05〜20重量
    部および還元性を有するヒドロキシカルボン酸(C)
    0.01〜10重量部からなる組成物。
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