JPH06270345A - 多層構造体 - Google Patents

多層構造体

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JPH06270345A
JPH06270345A JP5868193A JP5868193A JPH06270345A JP H06270345 A JPH06270345 A JP H06270345A JP 5868193 A JP5868193 A JP 5868193A JP 5868193 A JP5868193 A JP 5868193A JP H06270345 A JPH06270345 A JP H06270345A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレン含有量20〜60モル%のエチレン
−ビニルアルコール共重合体(EVOH)(A)100
重量部に対し、下記式(i)〜(ii)を満足する化合物
(B)を0.1〜30重量部および無機粉末(C)を
0.1〜30重量部含有する組成物(D)層、および前
記(D)層に隣接し、下記式(ii)を満足する少なくと
も1層の樹脂(E)層を有する多層構造体。 6.5≧19−CH(A)×0.1−SP(B)≧1.5・・(i) 3.5≧SP(B)−SP(E)≧−1 ・・(ii) [上記式(i)〜(ii)において、CH(A)はEVO
H(A)のエチレン含有率(モル%)を、SP(B)は
化合物(B)の溶解性パラメーター(Fedorsの
式)を、SP(E)は樹脂(E)の溶解性パラメーター
(Fedorsの式)を示す。] 【効果】 本発明の多層構造体は、ピンホール、クラッ
ク、ムラ、局所的偏肉などがなく、しかも、熱収縮性、
ガスバリアー性、および、その信頼性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱延伸性に優れ、特
に加熱延伸操作時にピンホール、クラック、局所的偏肉
などがなく延伸することができ、かつ、熱収縮性、ガス
バリアー性、とくに高湿度下(相対温度90%RH以
上)におけるガスバリアー性に優れたエチレン−ビニル
アルコール共重合体(以下EVOHと記す)組成物を用
いた多層構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】生肉、加工畜肉などの脂肪性食品の多く
はその形状が不規則で大きさも不揃いである。この様な
形態が多様な食品の包装方法としては、熱収縮性のフィ
ルムを用いるシュリンク包装、および、スキンパック包
装機を用いて延伸−収縮−熱シールを同時に行うスキン
パック包装などが工業的に採用されている。シュリンク
包装の一般的な操作手順としては袋状の延伸フィルムに
内容物を入れ、次いで減圧下で袋内の空気を除去し、袋
の開口部を密封した後、加熱することによりフィルムを
熱収縮せしめて内容物に密着せしめる操作手順が一般的
に採用され、この手順により奇麗な包装体を得る事が出
来る。この手順において、加熱処理は、内容物の殺菌を
兼ねて行われる場合もあり、通常70〜120℃の温度
で処理される。また、スキンパック包装においては、無
延伸フィルムをスキンパック包装機に通し、加熱部分で
該フィルムを60〜200℃昇温後、場合によっては金
型で熱成形後、ただちに真空下、内容物(生肉、加工畜
肉など)を置いた基材フィルム、シート、トレイ上にか
ぶせ、周囲を密封した後、大気圧にもどし、収縮させ、
内容物と周囲のフィルムとを密着させる操作手順が一般
的に採用され、その操作手順により奇麗な包装体を得る
事が出来る。
【0003】このような包装において使用されるフィル
ムはガスバリアー性および密着性に優れ、且つ40〜2
00℃で容易に延伸が可能であり、かつ、加熱によって
充分に熱収縮する特性を有する事が必要である。また、
多層構造体(フィルム、シート、パリソンなど)を熱成
形、あるいはストレッチブローにて容器に加工する場
合、特にEVOHの融点以下で延伸成形を行う場合、E
VOH層に小さなボイド、クラック、局所的偏肉などが
多発し、その結果、成形容器の酸素バリアー性が大巾に
悪化する。また、とくに、最近、外見、透明性が重要視
される傾向にあり、食品等の容器として使用に耐えない
状況にあった。更にまた、該包装袋は冷蔵庫、冷蔵陳列
ケース等、高湿度(相対湿度90%RH以上)下で保存
される場合が多く、高湿度下でのガスバリアー性を高レ
ベルに維持することが重要な技術課題である。
【0004】そこで従来から、加熱延伸時に発生するE
VOH層のピンホール、クラックなどを防止する目的
で、EVOH層に各種可塑剤の添加(特開昭53−88
067,特開昭59−20345)、ポリアミド系樹脂
のブレンド(特開昭52−141785,特開昭58−
36412)等が検討されてはいるが、いずれの場合
も、下記の点で十分満足すべきものではない事が判明し
た。すなわち、各種可塑剤の添加系においては、加熱延
伸特性を充分改善する為には、可塑剤をEVOH100
重量部に対して、多価アルコール系可塑剤を10〜20
重量部添加する必要があり、ガスバリアー性の大巾な低
下(特に高湿度下)、EVOH層との層間接着強度の低
下などの多くの問題があり使用に耐えない。一方、ポリ
アミド系樹脂の添加系においては、EVOHとの化学反
応性が大きい為か、成形物に多数のゲル状物の存在、顕
著な着色などの為、使用に耐えない。またゲル着色が比
較的少ないポリアミド系樹脂の添加系においては、EV
OHとポリアミドとの相溶性が十分でない為か、見掛け
上、良好な容器が得られるが、特に加熱高速延伸成形時
微少なピンホールが存在するためか、ガスバリアー性の
測定値のバラツキが大きく、ガスバリアー性容器として
の信頼性がなく、使用に耐えなかった。また、特公昭6
3−56893に記載のエチレン含有量の異なる二種類
のEVOHにポリアミドをEVOH/ポリアミドの重量
比で5/95〜95/5ブレンドしてなる組成物は熱成
形性などが改良されるとしているが、長期運転時、ゲル
などが発生し外観不良が生じ易い事、ゲルなどが加熱高
速延伸成形時ピンホールを生じさせる為か、ガスバリア
ー性の測定値のバラツキが大きかったり、さらに悪い事
にはスクラップなどの回収再使用時、着色、ゲル発生な
どの異常が多発する傾向にあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記E
VOH樹脂単独を積層したフィルムは延伸性が必ずしも
満足するものではなく、均一な熱収縮性を有するフィル
ムが得られるとは言いがたい。従って、高いガスバリア
ー性を有し、且つより優れた延伸性、熱収縮性、寸法安
定性を示す多層構造体の提供が望まれている。しかし
て、本発明の目的は、EVOH樹脂の高湿下における高
いガスバリアー性を維持しながら、優れた延伸性および
均一な熱収縮性を有する多層構造体を得る事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、まず、下記
式(i)〜(ii)を満足するEVOH(D)、すなわち
EVOH(A)100重量部に対し、下記式(i)〜
(ii)を満足する化合物(B)を0.1〜30重量部、
および無機粉末(C)を0.1〜30重量部含有する組
成物(D)層、および前記(D)層と隣接し、下記式
(ii)を満足する少なくとも一層の樹脂(E)層との多
層構造体を提供することによって達成される。 6.5≧19−CH(A)×0.1−SP(B)≧1.5・・(i) 3≧SP(B)−SP(E)≧−1 ・・(ii) [上記式(i)〜(ii)において、CH(A)はEVO
H(A)の平均エチレン含有率(モル%)を、SP
(B)は化合物(B)の溶解性パラメーター(Fedo
rsの式)を、SP(E)は樹脂(E)の溶解性パラメ
ーター(Fedorsの式)を示す。]
【0007】本発明者らは、種々の可塑剤、ポリマー等
をEVOHにブレンドし、接着性樹脂、熱可塑性樹脂を
配してなる各種多層シートを作製し、再加熱、延伸操作
によって、カップ、ボトル、フィルムを得、該容器の外
観及びガスバリアー性の測定を行った。その結果、EV
OHに通常よく使用される多価アルコール系可塑剤5〜
20重量%添加した組成物は熱成形性、加熱高速延伸性
等の改善が認められるものの、ガスバリアー性、特に高
湿下(相対湿度:90%RH以上)でのガスバリアー性
が大巾に悪化し実用上問題である。一方、ポリオレフィ
ン、塩化ビニル系に常用される疎水性可塑剤をEVOH
に添加した場合、熱成形性、加熱高速延伸性等の改善が
あまり大きくなく、添加比率を大きくする必要がある
為、ガスバリアー性の面で問題であった。
【0008】一方、ガスバリアー性を改善する方法とし
て、アスペクト比率が大きい燐片状の無機粉末、例えば
マイカ、タルク等をEVOHに添加する方法があるが、
押出機での溶融均一混練が困難であるため、透明性が悪
くかつ延伸操作時、微小ボイドの発生によると思われる
不透明化、白化が生じ、その結果ガスバリアー性が逆に
悪化する場合もある。そこで、本発明者らは鋭意検討し
た結果、驚くべき事に特定の疎水性可塑剤と無機粉末と
のブレンド品をEVOHに溶融下混練添加し、かつ特定
の熱可塑性樹脂を積層した場合、すなわち上記式(i)
〜(ii)を満足する構成を採用した場合、高湿下でのガ
スバリアー性の低下が少なくかつ熱成形性、加熱高速延
伸性等の大巾な改善が可能である事を見出した。原因は
定かではないが、疎水性可塑剤が無機粉末の界面特性を
改善し、EVOHとの超微分散化を促進し、延伸性、ガ
スバリアー性の改善を計るとともに、ガスバリアー性が
放置、経過時間と共に改善する事から、組成物(D)中
の化合物(B)が放置している間に、組成物(D)層に
隣接する樹脂(E)層に移行しガスバリアー性が改善し
たものと推定される。
【0009】更に、検討を継続した結果、EVOHとし
て、エチレン含有量20〜60モル%、鹸化度90%以
上のEVOH(a−1)99〜50重量%とエチレン含
有量35〜80モル%、鹸化度85%以上であり、かつ
式(iii)〜(iv)を満足するEVOH(a−2)1〜
50重量%とからなる組成物を用いた場合、成形性が良
好なだけでなく、透明性、ガスバリアー性の悪化もほと
んどなく、さらに、ガスバリアー測定値のバラツキが少
なく信頼性の高い、高ガスバリアー性容器が得られる事
を見出し本発明を完成するにいたった。 SP(a−1)−SP(a−2)≧0.1 ・・(iii) 3≧SP(a−2)−SP(B)≧−2 ・・(iv) この顕著な改善効果の原因も定かではないが、一般に疎
水性可塑剤はSPが大きいEVOH(a−2)の可塑化
に大きく貢献し、また、疎水性可塑剤はEVOH(a−
1)の高湿下でのガスバリアー性改善に関与し、これら
の相乗効果により予想外の効果が発揮したものと推定さ
れる。
【0010】ところで、化合物(B)は、更に、下記式
(i)′〜(ii)′で表される条件を満す化合物である
事が好適である。 6.0≧19−CH(A)×0.1−SP(B)≧2・・(i)′ 3≧SP(B)−SP(E)≧−1 ・・(ii)′ 式(i)において、19−CH(A)×0.1−SP
(B)が6.5を越える場合、EVOHと化合物(B)
との相溶性、溶解性が悪化し、化合物(B)の分離、樹
脂の白化、不透明化あるいは押出成形性不良等の異常が
発生しやすく、また1.5未満の場合、ガスバリアー性
が悪化し好ましく無い。一方、式(ii)においてSP
(B)−SP(E)が3.5を越える場合、あるいは−
1未満の場合、EVOH中の化合物(B)がEVOH層
に隣合った樹脂(E)層に移行しずらくなる為かガスバ
リアー性の放置改善効果が認められなくなる。
【0011】化合物(B)としては、疎水性可塑剤、た
とえば芳香族エステル、脂肪族エステル、リン酸エステ
ル、及びそれらのエポキシ化合物などが挙げられる。芳
香族エステルとしては、ジブチルフタレート、ジオクチ
ルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ2エチルヘキ
シルフタテート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチル
ラウリルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ブチ
ルココナッツアルキルフタレート、ジトリデシルフタレ
ート、ジラウリルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ブチルベンジルフタレート、オクチルデカノイルフ
タレート、ジメチルグリコールフタレート、エチルフタ
リルエチレングリコレート、メチルフタリルエチエング
リコレート、ブチルフタリルブチレングリコレート、ジ
ノニルフタレート、ジヘプチルフタレート、オクチルデ
シルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジカプリル
フタレート、ジ3,5,5トリメチルヘキシルフタレー
ト、イソオクチルイソデシルフタレート、ジメトキシエ
チルフタレート、ジブトキシジエチルフタレート、ビス
(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)フタレー
ト、ヘンゾフェノールなどが挙げられる。
【0012】脂肪族エステルとしては、多価アルコール
(2価、3価あるいはそれ以上の多価アルコール)と高
級脂肪酸(炭素数8以上好適には8〜30の高級脂肪
酸)とのモノエステル、ジエステル、あるいはそれ以上
のエステル)、たとえばグリセリンモノステアレート、
グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレー
トがあげられ、さらにはポリプロピレンアジペート、ジ
イソデシルアジペート、ジ2メチルヘキシルアジペー
ト、ジカプリルアジペート、ジイソオクチルアジペー
ト、オクチルデシルアジペート、イソオクチルイソデシ
ルアジペート、ジブチルフマレート、ジオクチルフマレ
ート、トリエチルシトレート、アセチルトリエチルシト
レート、トリブチルシトレート、アセチルトリブチルシ
トレート、アセチルトリ−2−エチルヘキシルシトレー
トなどがあげられる。またリン酸エステルとしては、ト
リクレジルホスヘート、フェニルジクレジフフォスフェ
ート、キシレニルジクレシルフォスヘート、クレジルジ
キシレニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェー
ト、トリブチルフォスフェート、トリクロルエチルフォ
スフェート、トリオクチルフォスフェート、トリブチル
フォスフェート、トリクロルエチルフォスフェート、ト
リオクチルフォスフェート、トリエチルフォスフェー
ト、アリールアルキルフォスフェート、ジフェニルモノ
オルソキセニルフォスフェートなどがあげられる。
【0013】またエポキシ系化合物としては、エポキシ
モノエステル、ブチルエポキシステアレート、オクチル
エポキシステアレート、エポキシブチルオレエート、エ
ポキシ化オレイン酸ブチル、エポキシ化ダイズ油、エポ
キシ化アマニ油、エポキシ化アルキルフオイル、エポキ
シ化アルキルオイルアルコールエステルなどが挙げられ
る。中でもグリセリンモノステアレート、グリセリント
リステアレート、ベンゾフェノール、ブチルベンジルフ
タレート、エポキシ化ダイズ油、エポキシ化アマニ油、
ジネチルヘキシルアジペート、ジイソオクチルアジペー
ト、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ2エ
チルヘキシルフタレート、メチルフタリルエチレングリ
コレートなどが好適に用いられる。化合物(B)として
は前記した化合物の1種または2種以上が使用される。
化合物(B)の配合量としては、EVOH(A)100
重量部に対し0.1〜30重量部であり、更に好ましく
は1〜20重量部である。
【0014】本発明において、EVOH(A)とはエチ
レン−ビニルエステル共重合体鹸化物であり、EVOH
(a−1)のエチレン含量は20〜60モル%、好適に
は22〜58モル%の範囲から選ばれ、また、EVOH
(a−2)のエチレン含量は35〜80モル%、好適に
は40〜70モル%の範囲から選ばれ、EVOH(a−
1)の溶解度パラメーターSP(a−1)とEVOH
(a−2)の溶解度パラメーターSP(a−2)との差
が0.1以上、好適には0.2以上である。0.1以下
では熱成形性等の改善が顕著でない。また、SP(a−
2)とEVOHに添加する化合物(B)の溶解度パラメ
ーターSP(B)との差が3以下、好適には2.5以下
である。3を越える場合、化合物(B)とEVOH(a
−2)との相溶性、溶解性が悪化し熱成形性等の改善が
顕著でない。また、−2を下回る場合ガスバリアー性改
善効果が十分でなく好ましくない。
【0015】上記条件を満足するEVOHとしてはEV
OH(a−1)とEVOH(a−2)とのエチレン含有
量の差が3モル%以上であることが好ましく、さらに好
適には、4モル%以上である。またEVOHの鹸化度の
選定も重要で、EVOH(a−1)とEVOH(a−
2)との鹸化度の差が2モル%以上、好適には3モル%
であり、さらにEVOH(a−1)およびEVOH(a
−2)全体の平均鹸化度は90%以上の範囲からまた全
体の平均エチレン含有量は25〜60モル%に選択する
事が好適である。全体の平均エチレン含量が20モル%
未満では溶融成形性が悪く、一方60モル%以上では、
ガスバリアー性が不足する。また、平均鹸化度が90%
未満では、ガスバリアー性および熱成形性が悪くなる。
本発明においてEVOHは、EVOH(a−1)および
(a−2)を溶融ブレンドすることにより得る事もでき
るし、またエチレン−ビニルエステル共重合体を溶媒を
用いてブレンドし、これを鹸化することによって得る事
が出来るが、後者の方がより効果的である。すなわち、
鹸化度を異にするEVOHのブレンド物を用いるより
は、エチレン含有率の異なる(3モル%以上)エチレン
−ビニルエステル共重合体を溶剤下に溶液ブレンドし、
酸性、あるいは塩基性触媒下鹸化することにより得た組
成物を用いた方が、より再現性の高いバリアー性熱成形
容器が得られる場合があり好ましい。
【0016】本発明においては、EVOH製造時に用い
るビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものと
してあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プ
ロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用でき
る。また、EVOHに共重合成分としてビニルシラン化
合物0.0002〜0.2モル%を含有する場合にも基
材と該EVOHとの溶融粘性の整合性が改善され、均質
な共押出多層フィルムの製造が可能なだけでなく、EV
OH(a−1)とEVOH(a−2)との、分散性が改
善された為か、熱成形性、延伸性が改善され有効であ
る。ここで、ビニルシラン系化合物としては、たとえ
ば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、
γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシランが挙げら
れる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシランが好適に用いられる。更に、本発明の
目的が阻害されない範囲で、他の共単量体[例えば、プ
ロピレン、ブチレン、不飽和カルボン酸又はそのエステ
ル{(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル
メチル、エチル)など}、ビニルピロリドン(N−ビニ
ルピロリドンなど)を共重合することも出来るし、さら
に熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、他の
樹脂(ポリアミド、部分けん化エチレン−酢酸ビニル共
重合体など)をブレンドすることも自由である。また、
本発明に用いるEVOHの好適なメルトインデックス
(MI)190℃、2160g荷重下)は0.1−50
g/10min.、最適には0.5−20g/10mi
n.である。
【0017】本発明において、無機粉末(C)として
は、アルミナ、ジルコニアン、ムライト、コーディライ
ト、チタニア、ステアタイト、シリカ、シリカアルミ
ナ、ゼオライト等の酸化物セラミック、炭化ケイ素、炭
化タングステン、炭化ジルコニウム等の炭化物セラミッ
ク、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物セ
ラミック、ホウ化ジルコニウム、ホウ化チタン等のホウ
化物セラミック、ケイ化タングステン、ケイ化モリブテ
ン等のケイ化物セラミック、また、マイカ、合成マイ
カ、水膨潤性マイカ、タルク、層状ケイ酸塩たとえばモ
ンモリロナイト、サボナイト、バイデライト、ノントロ
ナイト、ヘクトライト、ラポナイト、スティブンサイ
ト、バーミキュライト、ハロイサイト等、また超微粒子
酸化亜鉛、超微粒子酸化鉄、超微粒子酸化チタン、超微
粒子酸化アルミ、コロイダルシリカ等、超微粒子粉末が
挙げられる。なかでも、水膨潤性合成マイカ、モンモリ
ロナイト、サボナイト、ヘクトライト、ラポナイト、超
微粒子酸化亜鉛、超微粒子酸化チタン、超微粒子酸化ア
ルミニム、コロイダルシリカ等があげられ、このうちア
スペクト比が3以上、とくに5以上の鱗片状無機物が好
適である。またこれらの無機粉末は加圧熱水(140
℃)には不溶であるものがガスバリアー性の点から好ま
しい。また、無機粉末の界面特性を改善する為、シラン
カップリング剤、界面活性剤等の表面処理を、また膨潤
性無機粉末に関しては更に溶剤等で膨潤させた物を用い
る事がより好ましい。
【0018】本発明に於いて、不溶性の無機粉末、とく
に鱗片状無機物をブレンドすることによりフィルム中を
移動拡散する酸素等の分子、原子が行手を阻まれ、その
結果フィルムのガスバリアーが向上する。従って、アス
ペクト比率が大きく、微細に分散するものほどガスバリ
アー性の改善効果が大きいのみならず、フィルムの透明
性、紫外線遮断性等の付随的特性の改善にも有効であ
る。また、無機粉末の軟化温度が成形温度(160〜3
00℃)以下のものは、成形時分散性の変動、再凝集が
生じないので好ましい。
【0019】しかしながら、製造技術的側面から見た場
合、EVOH樹脂中に該無機粉末を均一に分散させる事
は困難であり、特に樹脂溶融下押出機等で分散させるこ
とは非常に困難である。すなわち、一見均一分散してい
る様に見受けられても、延伸操作等融点以下での二次加
工を行うと、微小ボイド等の発現により、不透明化、破
れ等の問題が生じる。そこで、均一分散性を確保する
為、金属石鹸等を添加する場合もあるが、延伸時のボイ
ド白化は減少するが不十分なだけでなく、ガスバリアー
性、接着性等の悪化が生じ完全解決には至らない。従っ
て、延伸時のボイド白化、ガスバリアー性、接着性等の
悪化が無い化合物(B)を用いることが本発明の技術的
ポイントである。
【0020】EVOH、化合物(B)及び無機粉末をブ
レンドする方法に関しては、特に限定されるものではな
いが、まず最初、化合物(B)と無機粉末とをドライブ
レンドし、そのまま、あるいは溶融混合−冷却−粉末化
した後、EVOH樹脂にドライブレンドしバンバリーミ
キサー、単軸、又は二軸スクリュー押出機などでペレッ
ト化、乾燥する方法、あるいは押出機溶融EVOH樹脂
中に化合物(B)と無機粉末とのブレンド物をサイドフ
ィードする方法があげられる。ブレンドが不均一であっ
たり、またブレンドペレット化操作時にゲル、ブツの発
生、混入があると加熱延伸成形時EVOH組成物層の破
れ、クラック、ムラが発生する可能性が大きい。従っ
て、ブレンドペレット化操作時混練度の高い押出機を使
用し、ホッパー口をN2シールし、低温で押出しする事
が望ましい。また、ブレンド、ペレット化する際、他の
添加剤(可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、着色剤、フィラー、他の樹脂など)を本発明の目的
が阻害されない範囲で使用する事は自由である。特に、
ゲル発生防止対策として、ハイドロタルサイト系化合
物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系熱安
定剤、高級脂肪族カルボン酸の金属塩(たとえば、ステ
アリン酸カルシュウム、ステアリン酸カルシュウムマグ
ネシュウムなど)の一種、または、二種以上を0.01
〜1重量%添加する事は好適である。
【0021】本発明において、組成物(D)に隣接し
て、使用される樹脂(E)層としては式(ii)を満足
し、かつ、組成物(D)層と接着するものであれば、特
に限定されるものではないが、不飽和カルボン酸又はそ
の無水物(無水マレイン酸など)をオレフィン系重合体
または共重合体[ポリエチレン{低密度ポリエチレン
(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、超低密度ポリエチレン(SLDPE)}、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸エステル(メチルエステル、またはエチルエステル)
共重合体]にグラフトしたものが、好適にもちいられ
る。樹脂(E)層は、組成物(D)層の片側または両側
に隣接して設けられるが、両側に隣接して設けることが
好ましい。
【0022】さらに本発明においては組成物(D)層と
樹脂(E)層の多層構造体の(D)層側にしばしば熱可
塑性樹脂層が設けられる。ここで熱可塑性樹脂とは、下
記の温度で延伸成形可能な樹脂であれば良く、ポリプロ
ピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹
脂などが好適なものとして挙げられる。 X−10℃≧Y≧X−110℃ 但し、XはEVOHの融点を、また、Yは加熱延伸温度
℃を示す。
【0023】Yが(X−10)℃より高い場合は、加熱
延伸成形時EVOHが軟化、融解する為、添加剤を加え
無くても成形が可能である。一方、Yが(X−100)
℃より低い場合、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(T
g)が室温以下となる為、成形物の形状、寸法安定性が
悪く使用に耐えない。
【0024】本発明の多層構造体を得る方法としては、
組成物(D)層と熱可塑性樹脂層とを樹脂(E)層とく
に接着性樹脂を介して押出ラミネート法、ドライラミネ
ート法、共押出ラミネート法、共押出シート成形法、共
押出パイプ成形法、共射出成形法、溶液コート法などに
より積層体を得、次いで、該積層体を真空圧空深絞り成
形、延伸ブロー成形、などにより、EVOHの融点以下
の範囲で再加熱し延伸操作を行う方法、あるいは、該積
層体(フィルム又はシート)を二軸延伸機に供し、加熱
延伸する方法、さらには、EVOH組成物と熱可塑性樹
脂とを共射出二軸延伸ブローする方法などがあげられ
る。
【0025】さらに、多層構造体の厚み構成に関して
も、特に限定されるものではないが、成形性およびコス
ト等を考慮した場合、全厚みに対する組成物(D)層の
厚み比率は2〜20%程度が好適である。また、多層構
造体の構成としては組成物(D)層/樹脂(E)層、組
成物(D)層/樹脂(E)層/熱可塑性樹脂層、熱可塑
性樹脂(E)層/組成物(D)層、熱可塑性樹脂層/樹
脂(E)層/組成物(D)層/樹脂(E)層/熱可塑性
樹脂層、熱可塑性樹脂層/回収層/樹脂層(E)/組成
物(D)層/樹脂(E)層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性
樹脂層/回収(E)層/組成物(D)層/回収(E)層
/熱可塑性樹脂層、等が代表的なものとしてあげられ
る。両外層に熱可塑性樹脂層を設ける場合は、該樹脂が
異なっていてもよいし、また、同じものでもよい。ま
た、成形時発生するトリムなどのスクラップを熱可塑性
樹脂層にブレンドしたり、別途、回収層をもうけて再利
用される場合も多い。
【0026】本発明において、加熱延伸多層構造体とは
前記したとおり、加熱延伸する事により得られるカッ
プ、ボトルなどの容器あるいはシート、フィルム状物で
あり、また加熱とは該多層構造体を加熱延伸に必要な温
度に所定の時間放置し、該多層構造体が熱的にほぼ均一
になる様に操作する方法であればよく、操業性を考慮し
て、種々のヒーターで加熱、均一化する方法が好まし
い。加熱操作は延伸と同時におこなっていてもよいし、
また、延伸前に行っても良い。また、延伸操作とは、熱
的に均一に加熱された多層構造体をチャック、プラグ、
真空力、圧空力などにより、容器、カップ、ボトル、フ
ィルム状に均一に成形する操作を意味し、一軸延伸、二
軸延伸(同時または遂次)のいずれでも採用できる。ま
た、延伸倍率、延伸速度は目的の応じて適宜選択できる
が、本発明において高速延伸とは、延伸速度が5×10
%/min.以上の高速で均一に延伸する方法を意味
し、必ずしも成形品が配向している必要なない。
【0027】また、本発明において、EVOHの含水率
については、特に限定するものではないが、0.001
〜10重量%以内である事が好適である。一般的には、
組成物(D)を多層構造体に成形する工程においては、
EVOHの含水率は0.001〜1重量%と可能な限り
低いほうが望ましい。一方多層構造体の熱成形において
は、EVOHの含水率は0.01〜10重量%と、EV
OHを含む組成物(D)層に発泡が発生しない範囲で含
水率が高いほうが好適である。このようにして得られた
本発明の加熱延伸多層構造体は、組成物層にピンホー
ル、クラック、偏肉がみられないので、ガスバリアー性
はきわめて良く、バラツキのほとんどない非常に良好な
食品包装用容器、あるいは、保香性を要求される容器な
どに有効である。以下、実施例により本発明をさらに説
明するが、これによりなんら限定されるものではない。
【0028】
【実施例】
実施例1 エチレン含有量32モル%、鹸化度99.6%、メルト
インデックス(MI190℃、2160g荷重)1.3
g/10min.のEVOH(a−1)80重量部、エ
チレン含有量50モル%、ビニルメトキシシラン0.0
2モル%、鹸化度95.0%、メルトインデックス(M
I 190℃、2160g荷重)6.3g/10mi
n.のEVOH(a−2)20重量部を含有したEVO
H100重量部に対し、ジエチルフタレート(DEP)
(B)4重量部およびモンモリロナイト10重量部を二
軸スクリュータイプ、ベント式40Φ押出機に入れ、窒
素の存在下、200℃で押出しペレット化を行った。こ
の時、ペレットのMI(190℃、2160g荷重下)
は2.7g/10min.であった。該ペレットを用い
て3種5層共押出装置にかけ、多層シート(ポリスチレ
ン樹脂層/接着性樹脂(E)層/EVOH組成物(D)
層/接着性樹脂(E)層/ポリスチレン樹脂層)を作成
した。シートの構成は、両最外層のポリスチレン樹脂層
(旭ダウ スタイロン 691)が800μ、また接着
性樹脂層{東ソ−「メルセンM−5420」、無水マレ
イン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体}が各50
μ、さらに、中間層(EVOH組成物層)が50μであ
る。得られたこれらのシートは、真空圧空熱成形機にか
け(延伸速度9×10%/min.)、130℃で成形
をおこなった。得られたこれら三種類の成形物は、クラ
ック、ムラ、偏肉もなく、外観、および、透明性も良好
であった。この容器を20℃−100%RH、5日間調
湿し、ガスバリアー性を測定した所(モコン社製10/
50型)、25cc.20μ/m2.day.atmで
あったが、更に、20℃−100%RH、20日間調湿
した後では15cc.20μ/m2.day.atmと
非常に良好なガスバリアー性を示した。また、20日間
調湿後の容器のガスバリアー性のバラツキを調べる為、
10コの容器でガスバリアー性を評価した結果、ガス透
過性の最大値と最小値の差Rは、4cc.20μ/
2.day.atmであった。
【0029】実施例2 エチレン含有量48モル%、鹸化度99.6%、メルト
インデックス(MI)(190℃、2160g荷重)
5.5g/10min.のEVOH(a−1)50重量
部、および、エチレン含有量50モル%、鹸化度95
%、メルトインデックス(MI)(190℃、2160
g荷重)5.8g/10min.のEVOH(a−2)
50重量部を含有したEVOH100重量部に対し、グ
リセリンモノステアレート(GMS)(B)4重量部お
よび超微粒子酸化チタン10重量部を二軸スクリュータ
イプ、ベント式40Φ押出機に入れ、窒素の存在下、2
00℃で押出しペレット化を行った。この時、ペレット
化のMI(190℃、2160g荷重下)は2.7g/
10min.であった。該EVOH(A)を用いて3種
5層共押出装置にかけ、5℃冷却ニップロールで急冷し
た多層シートを作成した。シートの構成は両最外層エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)層(三井デュポン
ケミカル:エバフレックスP1403)が各300μま
た接着性樹脂層(三井石油化学 アドマーVF−50
0)が各50μ、さらに、最内層中央)には上記EVO
H組成物層50μである。得られたシートをパンタグラ
フ式二軸延伸機にかけ、70℃で延伸倍率3×3倍で同
時二軸延伸を行った。得られた多層熱収縮フィルムはク
ラック、ムラ、偏肉も少なく、外観、透明性も比較的良
好であった。このフィルムを20℃−100%RHに5
日間調湿し、ガスバリアー性を測定した所(モコン社製
10/50型)15cc.20μ/m2.day.at
mと良好なガスバリアー性を示した。また、90℃の熱
水中な1分間浸漬したときの熱収縮性を測定した所、6
0%の面積収縮率を示した。また、上記多層熱収縮フィ
ルムを2枚に折り畳み2方向(両サイド)をヒートシー
ルして袋を作成し、生肉を投入後、真空下で投入口をヒ
ートシールした。その後、該真空包装袋を80℃温水に
15秒間浸漬しフィルムを熱収縮させた。その結果、生
肉に密着したフィルムの外観はおれじわ、内容物の異常
変形も少なく比較的良好であった。ところで、上記多層
シートの厚み構成を両最外層EVA樹脂層が各30μま
た接着性樹脂層が各5μ、最内層中央には上記EVOH
(A)層10μに変更し、得られたシートをスキンパッ
ク包装機(ムルチバック社製)にかけスキンパック包装
を実施した。その結果、包装フィルムの外観は折れジ
ワ、内容物のツブレも少なく、比較的良好であった。
【0030】実施例3 実施例2で用いたEVOH(A)を、4種5層共押出装
置にて、両最外層がそれぞれ300μのEVA樹脂層
(三井デュポンケミカル:エバフレックスP140
3)、最内層中央が50μの上記EVOH組成物層であ
り、EVA層とEVOH組成物層との間にそれぞれ50
μの接着性樹脂層(三井石油化学 アドマーVF−50
0、EVAの無水マレイン酸変性物)(E)を有する5
層構成のシートを5℃冷却ニップロールで急冷下製膜し
た。得られたシートをパンタグラフ式二軸延伸機にか
け、70℃で延伸倍率3×3倍で同時二軸延伸を行い、
延伸後のフィルム放置寸法安定化の為、2.8×2.8
倍下、75℃−5秒間の熱固定を行った。得られた多層
熱収縮性フィルムは伸びムラも無く良好な外観を示し
た。得られた多層熱収縮性フィルムはクラック、ムラ、
偏肉も少なく、外観(透明性、ゲル、ブツ)も比較的良
好であった。このフィルムを20℃−100%RHに5
日間調湿し、ガスバリアー性を測定した所(モコン社製
10/50型)15cc.20μ/m2.day.at
mと良好なガスバリアー性を示した。また、90℃での
熱収縮性を測定した所67%の面積収縮率を示した。さ
らに、上記延伸フィルムを20日間放置した後ガスバリ
アー性(20℃−100%RHに調湿)、熱収縮性を測
定した結果12cc.20μ/m2.day.atmと
さらに良好なガスバリアー性を示した。また上記5層構
成シートの厚み構成を両最外層EVA樹脂層が各30μ
また接着性樹脂層が各5μ、最内層中央にはEVOH樹
脂組成物層が10μと変更した以外は同様にして多層熱
収縮フィルムを作成した。得られたシートをスキンパッ
ク包装機(ムルチバック社製)にかけスキンパック包装
を実施した。その結果、包装フィルムの外観は折れジ
ワ、内容物のツブレも少なく、比較的良好であった。
【0031】実施例2−5および比較例1−3 表1に、示す以外は実施例1と同様にして成形をおこな
った。その結果を示す。
【0032】実施例6 エチレン含有量32モル%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体81.5重量部とエチレン含有量50モル%、ビニ
ルメトキシシラン0.02モル%のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体18.5重量部を含む、30%メタノール溶
液を煮沸下、10g/l濃度のNaOHメタノール溶液
を滴下しつつ、メタノール蒸気を吹き込み鹸化を行っ
た。得られたEVOHを指差熱量計(DSC)で融点を
測定し、融点と鹸化度との関係より、エチレン含量32
モルのEVOH(a−1)は鹸化度が99%以上、また
エチレン含量50モル%のEVOH(a−2)の鹸化度
は95%である事を確認した。該EVOH組成物を用い
て実施例1と同様の操作を行った結果、得られた成形物
は良好であり、ガスバリアー性及びそのばらつきも小さ
かった。結果を表1、および表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の多層構造体は、ピンホール、ク
ラック、ムラ、局所的偏肉などがなく、しかも、熱収縮
性、ガスバリアー性、および、その信頼性に優れてい
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有率20〜60モル%のエチ
    レン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)(A)1
    00重量部に対し、下記式(i)〜(ii)を満足する化
    合物(B)を0.1〜30重量部および無機粉末(C)
    を0.1〜30重量部含有する組成物(D)層、および
    前記(D)層に隣接し、下記式(ii)を満足する少なく
    とも1層の樹脂(E)層を有する多層構造体。 6.5≧19−CH(A)×0.1−SP(B)≧1.5・・(i) 3.5≧SP(B)−SP(E)≧−1 ・・(ii) [上記式(i)〜(ii)において、CH(A)はEVO
    H(A)のエチレン含有率(モル%)を、SP(B)は
    化合物(B)溶解性パラメーター(Fedors式)
    を、SP(E)は樹脂(E)の溶解性パラメーター(F
    edorsの式)を示す。]
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