JP3345118B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3345118B2 JP21734493A JP21734493A JP3345118B2 JP 3345118 B2 JP3345118 B2 JP 3345118B2 JP 21734493 A JP21734493 A JP 21734493A JP 21734493 A JP21734493 A JP 21734493A JP 3345118 B2 JP3345118 B2 JP 3345118B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外観が美麗で、耐気体
透過性に優れ、層内剥離性のない、しかも耐層間剥離性
に優れた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンは安価な上に、機械的特
性に優れ、加工が容易であり、優れた透明性、耐水蒸気
透過性、安全衛生性にも優れる等の良好な性質を有して
いるため、食品、化粧品、トイレタリー製品、化学薬品
等の包装材料として広く使用されている。しかしなが
ら、酸素ガス、炭酸ガス等の気体透過性が大きいため、
これらのガスが侵入することによって内容物の品質に影
響を受けるものについては、使用できないか、または極
短時間しか使用できないのが実情であった。
【0003】ポリオレフィンの耐気体透過性を改良する
ため、例えば、ポリオレフィンに耐気体透過性のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物をブレンドすることが
提案されている(特開昭49−38984)。しかしこ
の方法ではこのブレンド物とポリオレフィンとの接着性
を上げるには、ポリオレフィンのブレンド重量比を全重
量に対し50重量%以上にしなければならず、この際、
ポリオレフィンとの接着性は強固になるが、ブレンド物
層内ではポリオレフィンとエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物の相溶性が悪いため成形時に流動異常が起こ
り、外観不良になる。
【0004】また、特開昭53−39380号公報に記
載の発明ではポリオレフィン100重量部にポリオレフ
ィンより3倍以上の高いメルトインデックスを有するエ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物25〜60重量
部、エチレン含有率70〜98モル%、ケン化度20%
以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物5〜40
重量部を使用することを提案している。しかしながら、
ブレンド物層を外層に使用した場合、梨地、波模様が生
じ外観を著しく損ない実用には供し得ない。
【0005】さらに、特開平3−72539号公報に記
載の発明では、ポリオレフィン:エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物60:40〜99.1:0.1の合計
100重量部に対してエチレン含有率68〜98モル
%、ケン化度20%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物0.3重量部以上、不飽和カルボン酸または
その誘導体により変性されたポリオレフィン0.5〜6
0重量部を使用することを提案している。しかしなが
ら、このブレンド物の相溶性が改善されているとはい
え、未だ充分とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
相溶性不良に原因を発すると考えられる層内剥離を改善
し、耐層間剥離性が大であり、且つ耐気体透過性が優
れ、波模様のない、外観美麗な成形物を得る樹脂組成物
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリオレ
フィン(A)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
(B)(以下、EVOHという)、プロピレン含有率2
0〜98モル%、酢酸ビニル成分のケン化度20%以上
のプロピレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C)(以
下、S−EVOHという)および不飽和カルボン酸また
はその誘導体により変性されたポリオレフィン樹脂
(D)からなる樹脂組成物を用いて成形した場合には、
層内剥離がなく、耐層間剥離性が大であり、且つ耐気体
透過性に優れた、波模様のない、外観美麗なフィルムが
得られることを見い出して本発明を完成した。
【0008】本発明にいうポリオレフィン(A)とは、
高密度、中密度あるいは低密度のポリエチレン、酢酸ビ
ニル、アクリル酸エステル、あるいはブテン、ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類
を共重合したポリエチレン、アイオノマー樹脂、ポリプ
ロピレンホモポリマー、エチレンをグラフト重合したポ
リプロピレン、あるいはエチレン、ブテン、ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類を共
重合したポリプロピレン、ゴム系ポリマーをブレンドし
た変性ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチ
ル−1−ペンテンなどを含んでいる。本発明にとって特
に重要なのはポリプロピレン系樹脂であり、次いでポリ
エチレン系樹脂である。
【0009】また、本発明にいうEVOH(B)とはエ
チレンと酢酸ビニルの共重合体中の酢酸ビニル単位を加
水分解したものであれば任意のものを含むものである
が、ポリオレフィンとの相溶性が不良であるものは比較
的エチレン単位が少なく酢酸ビニル成分のケン化度(加
水分解度)が高いものである。特に、エチレン含有率が
20〜65モル%、好適には20〜60モル%、最適に
は20〜50モル%で、酢酸ビニル成分のケン化度が9
6%以上、とりわけ99%以上のものはポリオレフィン
と複合して用いることにより優れたフィルムが得られる
ことから、本発明の適用対象として特に重要である。ま
たEVOH(B)のメルトフローインデックス(MI)
(190℃、2160g荷重下での測定:ただし、融点
が190℃付近あるいは190℃を越えるものは216
0g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グ
ラフで絶対温度の逆数を横軸、メルトインデックスを縦
軸としてプロットし、190℃に外挿した値)は0.1
g/10分以上、好適には0.5g/10分以上であ
り、また100g/10分以下、好適には50g/10
分以下、最適には30g/10分以下である。
【0010】本発明にいうEVOH(B)は5モル%以
下の範囲の共重合モノマーで変性されていてもよく、か
かる変性用モノマーとしては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、高級脂肪酸ビニルエステル、アル
キルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチ
ル)メタクリルアミド類あるいはその4級化物、N−ビ
ニルイミダゾール、あるいはその4級化物、N−ビニル
ピロリドン、N,N−ブトキシメチルアクリルアミド、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、ビニルジメチルメトキシシラン等を例示すること
ができる。
【0011】本発明において、S−EVOH(C)と
は、ポリオレフィン(A)およびEVOH(B)の相溶
性を顕著に改善する目的で、特に選ばれ、新規に開発し
た特殊なEVOHであり、プロピレン含有率20〜98
モル%、酢酸ビニル成分のケン化度20%以上のプロピ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物である。このS−E
VOH(C)を用いることにより、ポリオレフィン
(A)およびEVOH(B)の相溶性および層間剥離強
度が顕著に改善される。この理由は、明確ではないが、
S−EVOH(C)中のプロピレン成分が、存在するこ
とによりポリオレフィン(A)とEVOH(B)の相溶
性を改善しているものと思われ、S−EVOH(C)に
エチレン含有率20〜98モル%、ケン化度20%以上
のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が添加されて
いても良く、S−EVOH(C)が、エチレン−プロピ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物として用いられても
良い。とくに相溶性改良に有効なのは、プロピレン含有
率30モル%以上である。また酢酸ビニル成分のより有
効なケン化度は30モル%以上、とりわけ40%以上で
ある。ケン化度の上限は、とくに限定されないが、実質
的に100%のケン化度のものも使用できる。
【0012】プロピレン含有率が20モル%未満、ある
いは酢酸ビニル成分のケン化度が20%未満のS−EV
OH(C)はポリオレフィンとの相溶性が悪い。また、
プロピレン含有率が98モル%以上のS−EVOH
(C)はEVOHとの相溶性が悪くなるため成形時に焦
げ、流動異常が生じ外観が著しく悪くなる。またS−E
VOH(C)のメルトインデックス(MI)は0.1/
10分以上、好適には0.5g/10分以上であり、1
00g/10分以下、好適には50g/10分以下、最
適には30g/10分以下である。
【0013】本発明にいうS−EVOH(C)は不飽和
カルボン酸またはその誘導体で変性されていてもよく、
かかる変性用酸モノマーとしてはα,β不飽和カルボン
酸、そのエステルあるいはその無水物あり、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、マレイン酸やフマル酸のモノメチルあるいはエチル
エステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸を例示する
ことができる。これらの酸モノマーは単独あるいは組合
せて用いられる。
【0014】また、S−EVOH(C)に、エチレン含
有率20〜98モル%、酢酸ビニル成分のケン化度が2
0%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
(E)が、(C):(E)の重量比で99:1〜1:9
9の割合で添加されていても良い。さらに、S−EVO
H(C)がプロピレン:エチレン=99:1〜1:99
の割合で共重合されたエチレン−プロピレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物として用いられても良い。
【0015】ポリオレフィン(A)、EVOH(B)か
らなる組成物を溶融成形するに際し、S−EVOH
(C)を、あらかじめポリオレフィン(A)あるいはE
VOH(B)あるいは(A)、(B)両方に配合してブ
レンドペレット化したものを、前記組成物に配合して溶
融成形すれば、本発明の効果はさらに顕著となる。S−
EVOH(C)をあらかじめEVOH(B)に配合して
おく例としては、EVOH(B)100部にS−EVO
H(C)を5〜100部配合したものが挙げられる。こ
のように、あらかじめS−EVOH(C)をEVOH
(B)にブレンドした場合には、S−EVOH(C)の
添加量を少なくしても効果は大きい。
【0016】本発明にいう不飽和カルボン酸またはその
誘導体により変性されたポリオレフィン樹脂(D)と
は、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和
カルボン酸、そのエステルまたはその無水物;アクリル
酸メチル、メタアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸
ブチル、酢酸ビニル、グリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム等
の不飽和カルボン酸誘導体;の群より選ばれた少なくと
も1種の不飽和カルボン酸またはその誘導体により変性
されたポリオレフィン樹脂もしくはその配合物である。
ここでポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニルまたはアクリル酸
エステル共重合体などが好適なものとしてあげられる。
【0017】本発明の樹脂組成物の各成分の配合割合は
次のとおりである。ポリオレフィン(A)とEVOH
(B)の組成比としては、ポリオレフィン(A):EV
OH(B)の重量比として60:40〜99.1:0.
1、とりわけ65:35〜99.7:0.3の範囲のも
のが本発明の効果の点で特に重要である。
【0018】S−EVOH(C)の添加量は、ポリオレ
フィン(A)とEVOH(B)の合計量100重量部に
対して0.3重量部以上、実用的には0.3〜30重量
部、とくに0.3〜20重量部、さらに好ましくは0.
3〜10重量部の範囲で用いられる。0.3重量部より
少ないと相溶性改善効果が見られず、好ましくない。ま
た上限は必ずしもないが、実用的には30重量部以下で
充分である。
【0019】また不飽和カルボン酸またはその誘導体に
より変性されたポリオレフィン樹脂(D)の配合割合
は、ポリオレフィン(A)およびEVOH(B)の合計
量100重量部に対して0.5〜60重量部、好適には
1〜50重量部である。
【0020】本発明の組成物を得るためのブレンド方法
は、特別に制限はなく、4者をドライブレンドする方
法、S−EVOH(C)をポリオレフィン(A)または
EVOH(B)の全部または一部にあらかじめ配合して
おく方法、あるいは、各樹脂の粉砕物をドライブレンド
する方法、上記組成物をブレンドペレット化する方法な
どがあげられる。本発明の組成物を得るための各成分の
配合手段としては、リボンブレンダー、高速ミキサーコ
ニーダー、ミキシングロール、押出機、インテイシブミ
キサー等が例示される。
【0021】本発明において、S−EVOH(C)およ
び変性ポリオレフィン(D)を複合して用いることによ
りポリオレフィン(A)およびEVOH(B)の溶融成
形物における相溶性をかくも顕著に向上させ、層内剥離
を防止する機構は十分明らかではないが、ポリオレフィ
ンおよびEVOHの溶融系におけるレオロジー的効果、
分散作用などが複雑に組合わさった状態においてS−E
VOH(C)および変性ポリオレフィン樹脂(D)の相
乗効果が有効に作用しているものと推定される。
【0022】また本発明の樹脂組成物にはたとえばポリ
オレフィンに慣用の他の添加剤を配合することもでき
る。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填
剤、あるいは他の高分子化合物を挙げることができ、こ
れらを本発明の作用効果が阻害されない範囲内でブレン
ドすることができる。添加剤の具体的な例としては次の
様なものが挙げられる。
【0023】酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイ
ドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル
フェノール)等。
【0024】紫外線吸収剤:エチレン−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メ
チルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−オクトキシベンゾフェノン等。
【0025】可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエ
チル、フタル酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィ
ン、リン酸エステル等。
【0026】帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステ
アレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオ
レフィン類、ポリエチレンオキシド、カーボワックス
等。
【0027】滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチ
ルステアレート等。
【0028】着色剤:カーボンブラック、フタロシアニ
ン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、酸化チタ
ン、ベンガラ等。 充填剤:グラスファイバー、アスベスト、マイカ、バラ
ストナイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、
炭酸カルシウム等。 また、他の多くの高分子化合物も本発明の作用効果が阻
害されない程度にブレンドすることもできる。
【0029】本発明の樹脂組成物は、フィルム成形に限
らず周知の溶融押出成形機、圧縮成形機、トラスファ成
形機、射出成形機、吹込成形機、熱成形機、回転成形
機、ディップ成形機などを使用して、シート、チュー
ブ、ボトル、カップなどの任意の成形品に成型してもフ
ィルムと同様の効果が得られる。
【0030】本発明の樹脂組成物は多層構造体の1層と
して使用するときには2層以上の任意の層構成をとり得
る。その層構成の適当な例としては、本発明の樹脂組成
物をF、ポリオレフィンをA、EVOHをB、接着剤を
ADで表わすと次の如き層構成となる。なおここでAD
としては本発明で使用する変性ポリオレフィン(D)を
使用することが好ましい。 2層 A/F 3層 A/F/B、F/B/F、F/AD/B 4層 F/B/AD/A、A/F/AD/B 5層 F/AD/B/AD/F、A/F/B/AD/
A、A/F/B/F/A 6層 A/F/AD/B/AD/A 7層 A/F/AD/B/AD/F/A
【0031】またこのような多層構造体において、本発
明の樹脂組成物は、多層構造体のスクラップで代用する
こともできる。また他のポリオレフィン成形体のスクラ
ップを混合して使用することもできる。多層成形方法と
しては、一般的にいって樹脂層の種類に対応する数の押
出機を使用し、この押出機を使用し、この押出機内で溶
融された樹脂の流れを重ねあわせた層状態で同時押出成
形するいわゆる共押出成形により実施する方法が最良で
ある。別の方法として、エキストルージョンコーティン
グ、ドライラミネーションなどの多層成形方法も採用さ
れうる。
【0032】上記の層構成の多層構造体は、ガスバリヤ
ー性に優れたEVOHを含有しているので、とくにガス
バリヤー性の要求される食品包装材、医療品(医薬品、
医療用具など)包装材として有用である。とくにEVO
H(A)層と樹脂組成物(F)層の少なくとも2層から
なる多層構造体はガスバリヤーの点で優れているので好
ましい。
【0033】本発明におけるポリオレフィン(A)、E
VOH(B)、S−EVOH(C)および変性ポリオレ
フィン(D)からなる樹脂組成物において、S−EVO
H(C)と変性ポリオレフィン(D)を共に用いること
が重要である。(A)、(B)に(C)もしくは(D)
だけをブレンドした場合にはポリオレフィン層とブレン
ド樹脂組成物層の耐層間剥離性が不良であり好ましくな
い。(C)と(D)を複合して使用することにより、耐
層間剥離性が改良され、外観が美麗のみならず、さらに
は耐気体透過性に優れた樹脂組成物を得ることができ
る。
【0034】
【実施例】以下、実施例により更に具体的に説明する。
なお部は重量部を意味している。 実施例1〜8 内外層が低密度ポリエチレン、中間層が樹脂ブレンド組
成物である2種3層の共押出フィルムを作製した。中間
層の樹脂の組成は低密度ポリエチレン(A)(メルトフ
ローインデックスASTM−D−1238、2.1g/
10分)、EVOH(B)(エチレン含有率32.5モ
ル%、酢酸ビニル成分のケン化度99.9%、メルトフ
ローインデックス1.4g/10分)、S−EVOH
(C)(プロピレン含有率74モル%、酢酸ビニル成分
のケン化度82%、メルトフローインデックス2.5g
/10分)および無水マレイン酸変性ポリエチレン
(D)(接着性樹脂)(三井石油化学製ADMER L
F−500)からなり、表1のブレンド比でドライブレ
ンド後、直径が40mm、L/D=24、圧縮比3.8
のフルフライト型スクリューを有する押出機で溶融押出
し、ペレット(F)を得た。内外層の低密度ポリエチレ
ン層を直径が45mm、L/D=22のスクリューを有
する押出機、中間層のブレンド組成物(F)を直径が3
5mm、L/D=23のスクリューを有する押出機によ
って温度が220℃の2種3層ダイを用いて共押出しを
行ない、ブレンド層の厚みが20μ、総厚み60μのフ
ィルムを得た。得られた共押出フィルムの外観、低密度
ポリエチレン層とブレンド層の接着強度(90°剥離、
引張スピード100mm/min)、酸素ガス透過量
(Modern Control社製 OX−TRAN
10−50A,20℃、0%RH)を測定した。結果
は表1および表2種に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】 なお表2において外観が「良好」とは、共押出フィルム
の外観に波模様、梨地模様、相分離がみられない状態を
言う。
【0037】比較例1 低密度ポリエチレン(メルトフローインデックスAST
M−D−1238、2.1g/10分)を直径が45m
m、L/D=22のスクリューを有する押出機に仕込
み、巾550mmのフラットダイを使用して単層製膜を
実施した。成膜温度は押出機を190〜220℃、ダイ
を220℃とし、厚さが60μフィルムを得た。酸素透
過量の測定結果を表4に示した。
【0038】比較例2 実施例1において、中間層のブレンド樹脂組成物で無水
マレイン酸変性ポリエチレン(接着性樹脂)を使用しな
い他は実施例1と同様にしてポリエチレンとブレンド樹
脂の2種3層の共押出フィルムを得た。外観は不良であ
り、剥離強力が50g/15mmと耐層間剥離が不良で
あった。
【0039】比較例3 実施例4において、ブレンド層に無水マレイン酸変性ポ
リエチレン(接着性樹脂)を使用しない他は実施例4と
同様にして2種3層の共押出フィルムを得た。フィルム
表面に波模様と梨地が見られ外観が非常に不良であっ
た。
【0040】比較例4 中間層を、実施例1で使用した低密度ポリエチレン10
0部、実施例1で使用したEVOH70部および実施例
1で使用したS−EVOH20部のブレンド組成物とし
た他は実施例1と同様にして2種3層の共押出フィルム
を得た。酸素ガス透過量は最も良かったが、層内デラミ
ネーションを起こし外観不良であった。以上の比較例1
〜4の結果をまとめて表3および表4に示した。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】 なお表4において外観が「不良」とは、共押出フィルム
の外観に波模様、梨地模様を有する状態を言う。
【0043】実施例9 実施例4において低密度ポリエチレン樹脂(A)の代わ
りにポリプロピレン樹脂(A)(メルトフローインデッ
クスASTM−D−1238、0.5g/10分)を使
用し、および無水マレイン酸変性ポリエチレン(D)
(接着性樹脂)(三井石油化学製ADMER LF−5
00)の代わりに無水マレイン酸変性ポリプロピレン接
着性樹脂(D)(ADMER QF−500)を使用し
た。その他は実施例4と同様にして、内、外層をポリプ
ロピレン樹脂、中間層をブレンド樹脂組成物の2種3層
の共押出フィルムを得た。外観は良好であり、剥離強力
595g/15mm、酸素ガス透過量20.1cc/m
2・day・atmであった。
【0044】比較例5 実施例9において、ブレンド層に無水マレイン酸変性ポ
リプロピレン(接着性樹脂)を使用しない他は実施例9
と同様にして2種3層の共押出フィルムを得た。フィル
ム表面に波模様と梨地が見られ外観が不良であった。剥
離強力520g/15mm、酸素ガス透過量20.3c
c/m2・day・atmであった。
【0045】実施例10 内外層がポリプロピレン樹脂、中間層が樹脂ブレンド組
成物である2種3層の共押出シートを作製した。中間層
の組成はポリプロピレン(A)(メルトフローインデッ
クスASTM−D−1238、0.5g/10分)10
0部、EVOH(B)(エチレン含有量32.5モル
%、酢酸ビニル成分のケン化度99.9%、メルトフロ
ーインデックス1.4g/10分)30部、S−EVO
H(C)(プロピレン含有率74モル%、酢酸ビニル成
分のケン化度82%、メルトフローインデックス2.5
g/10分)10部および無水マレイン酸変性ポリプロ
ピレン(D)(接着性樹脂)(三井石油化学製ADME
R QF−500)5部のブレンド比を有する。ポリプ
ロピレン(A)は直径が65mm、L/D=22の一軸
スクリューを備えた押出機を200〜240℃の温度と
して、ブレンド樹脂組成物は直径が40mm、L/D=
26の一軸スクリューを備えた押出機を160〜220
℃の温度として、フィードブロック型ダイ(巾600m
m)を240℃として、中間層厚み100μ、総厚み1
000μのシートを得た。得られたシートは波模様、梨
地がなく、層内剥離のない外観が良好なシートであっ
た。
【0046】比較例6 S−EVOH(C)を、エチレン含有率74モル%、酢
酸ビニル成分のケン化度82%、メルトフローインデッ
クス4.9g/10分のものに変更し、他は実施例1と
同様にして2種3層の共押出フィルムを得た。そのフィ
ルムの測定結果を表4に示したようにフィルム表面に波
模様と梨地はほとんどみられず良好であるが単層製膜後
のダイス内面への付着物は約1.0gと多かった。
【0047】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、耐気体透過性に
優れ、層内剥離性のない組成物であり、この組成物より
得た成形物は波模様がなく、外観が美麗であり、しかも
耐層間剥離性が優れている。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオレフィン、 (B)エチレン含有率20〜65モル%、酢酸ビニル成
    分のケン化度96%以上であるエチレン−酢酸ビニル共
    重合体ケン化物、 (C)プロピレン含有率20〜98モル%、酢酸ビニル
    成分のケン化度20%以上であるプロピレン−酢酸ビニ
    ル共重合体ケン化物、 (D)不飽和カルボン酸またはその誘導体により変性さ
    れたポリオレフィンからなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物を含む層と
    (A)ポリオレフィンからなる層の少なくとも2層から
    なる多層構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の樹脂組成物を含む層と
    (B)エチレン含有率20〜65モル%、酢酸ビニル成
    分のケン化度96%以上であるエチレン−酢酸ビニル共
    重合体ケン化物からなる層とが、接着剤(AD)を介し
    て積層された多層構造体。
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