JP2000264328A - 熱成形用多層構造体および熱成形容器 - Google Patents

熱成形用多層構造体および熱成形容器

Info

Publication number
JP2000264328A
JP2000264328A JP7345099A JP7345099A JP2000264328A JP 2000264328 A JP2000264328 A JP 2000264328A JP 7345099 A JP7345099 A JP 7345099A JP 7345099 A JP7345099 A JP 7345099A JP 2000264328 A JP2000264328 A JP 2000264328A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
polyamide
thermoforming
multilayer structure
thermoformed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7345099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4008143B2 (ja
Inventor
Shukichi Kawamura
修吉 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP7345099A priority Critical patent/JP4008143B2/ja
Publication of JP2000264328A publication Critical patent/JP2000264328A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4008143B2 publication Critical patent/JP4008143B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱成形性に優れた多層構造体を提供するこ
と。またそれを熱成形して得られる耐熱水性、ガスバリ
ア性に優れた熱成形容器を提供すること。 【解決手段】 エチレン含有率20〜60モル%、ケン
化度90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体
(A)70〜95重量%;およびポリアミドマトリック
ス中に0.1〜10重量%の層状ケイ酸塩がその基本構
成単位である層単位で均一に微分散してなるポリアミド
−層状ケイ酸塩複合体(B)5〜30重量%;からなる
樹脂組成物層を有する熱成形用多層構造体。このとき、
ポリオレフィン層あるいはポリアミド層を有することが
好適であり、特に中間層として樹脂組成物層を有し、内
層としてポリオレフィン層を有し、かつ外層としてポリ
アミド層を有する態様が最適である。また全層の厚みが
50〜300μmで樹脂組成物層の厚みが3〜50μm
であることも好適である。こうして得られた多層構造体
は熱成形され、熱成形容器として好適にしようされる
が、中でもレトルト処理用容器として用いられることが
本発明の効果が最も効果的に奏される点で好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレンービニル
アルコール共重合体とポリアミド−層状ケイ酸塩複合体
からなる樹脂組成物層を有する熱成形用多層構造体、及
び当該多層構造体を熱成形してなる容器に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−ビニルアルコール共重合体
(以下、EVOHとする。)は、酸素、臭気、フレーバ
−等に対してバリア−性が優れており食品等の分野にお
いて、有効性が認められている。しかし、EVOH単体
は、熱水又は水蒸気に長時間さらされると白化したり、
形態を保持することができない。
【0003】この耐熱水性の欠点を改善するために、E
VOHとポリアミドとの組成物を用いる事については公
知である。しかしながら、当該組成物と他の樹脂を各種
方法で積層した多層積層体を熱成形して容器に二次加工
する場合、EVOH層にクラック、局所偏肉などが多発
し、外観が不良となり、食品等の容器として使用に耐え
ない。
【0004】そこで従来から、熱成形時に発生するEV
OH層のクラック、局所偏肉などを防止する目的で、E
VOHに各種可塑剤の添加(特開昭53−88067、
特開昭61−283644、特開平6−34078
5)、ポリアミドのブレンド(特開昭52−14178
5、特開昭58−154755、特開昭58−3641
2)、非晶性ポリアミドの配合(特開昭64―7054
4)等が検討されてはいるが、いずれの場合も、次の点
で満足すべきものではないことが判明した。
【0005】すなわち、各種可塑剤の添加系において
は、可塑剤を10〜20重量部添加する為に熱成形特性
は改良されるが、ガスバリアー性の大巾な低下と層間接
着強度の低下、耐熱水性不良等の問題があり、使用に耐
えない。一方、ポリアミドの配合においては、熱成形時
に不均一な厚み分布となり熱成形性が不良で、問題があ
る。又、非晶性ポリアミドの配合は可塑剤添加系と同じ
く熱成形性は改良されるが耐熱水性不良などの問題があ
り、使用に耐えない。
【0006】また、特開平5−86241には、EVO
H、水膨潤性フィロケイ酸塩およびポリアミドからな
り、EVOH中に水膨潤性フィロケイ酸塩が分散してい
る樹脂組成物が記載され、当該樹脂組成物層を有する積
層体が加熱延伸性に優れている旨も記載されている。し
かしながら、当該樹脂組成物はポリアミド中に水膨潤性
フィロケイ酸塩が分散したものではない。また、水の存
在下にEVOHと水膨潤性フィロケイ酸塩とを配合して
から、乾燥し、引き続いてポリアミドと配合することに
よって得られるものであり、樹脂組成物を製造する操作
が煩雑である。さらに、薄物のフィルムのように高度な
熱成形性が要求される用途においては、その熱成形性が
必ずしも充分とは言えなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱成
形性に優れた多層構造体を提供すること、またそれを熱
成形してなる耐熱水性およびガスバリア性に優れた容器
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々のポリ
マー等をEVOHに配合し、該フィルムの外観、ガスバ
リアー性、熱成形性及び耐熱水性の測定・評価を行っ
た。その結果、EVOHに通常のポリアミド10〜30
重量%を添加した組成物は耐熱水性の改善が認められる
ものの、ガスバリアー性が大巾に悪化し、且つ熱成形性
が不十分であり実用上、問題がある。EVOHに疎水性
可塑剤を添加した場合は、耐熱水性が改良されず又、ガ
スバリアー性の面で問題であった。一方、EVOHに非
晶性ポリアミドを配合した場合は、可塑剤添加系と同じ
く熱成形性は改良されるが耐熱水性が不良となり、使用
に耐えなかった。
【0009】そこで、本発明者は鋭意検討した結果、上
記目的は、エチレン含有率20〜60モル%、ケン化度
90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体
(A)70〜95重量%;およびポリアミドマトリック
ス中に0.1〜10重量%の層状ケイ酸塩がその基本構
成単位である層単位で均一に微分散してなるポリアミド
−層状ケイ酸塩複合体(B)5〜30重量%;からなる
樹脂組成物層を有する熱成形用多層構造体を採用した場
合、ガスバリアー性の低下が少なく、かつ熱成形性の大
巾な改善と耐熱水性を有することを見い出した。。
【0010】このとき、ポリオレフィン層あるいはポリ
アミド層を有することが好適であり、特に中間層として
樹脂組成物層を有し、内層としてポリオレフィン層を有
し、かつ外層としてポリアミド層を有する態様が最適で
ある。また全層の厚みが50〜300μmで樹脂組成物
層の厚みが3〜50μmであることも好適である。
【0011】こうして得られた多層構造体は熱成形さ
れ、熱成形容器として好適に使用されるが、中でもレト
ルト処理用容器として用いられることが本発明の効果が
最も効果的に奏される点で好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、EVOH(A)
とは、エチレン−ビニルエステル共重合体のけん化物で
あり、エチレン含有量20〜60モル%、好適には25
〜50モル%、更に、ビニルエステル成分のけん化度が
90%以上、好適には95%以上のものが使用できる。
エチレン含有量20モル%未満では溶融成形性が悪く、
一方、60モル%以上では、ガスバリア−性が不足す
る。また、けん化度が90%未満では、ガスバリア−性
および熱安定性が悪くなる。
【0013】本発明に有用なEVOHの製造時に用いる
ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとし
てあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロ
ピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用でき
る。また、EVOHに共重合成分としてビニルシラン化
合物0.0002〜0.2モル%を含有することができ
る。ここで、ビニルシラン系化合物としては、たとえ
ば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、
γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシランなどが挙
げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシランが好適に用いられる。更に、本発
明の目的が阻害されない範囲で、他の共単量体{例え
ば、プロピレン、ブチレン、不飽和カルボン酸又はその
エステル{(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エ
ステルなど}、ビニルピロリドン(N−ビニルピロリド
ンなど)を共重合することもでき、さらに熱安定剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、他の樹脂(部分けん
化エチレン−酢酸ビニル共重合体など)をブレンドする
ことも自由である。また、本発明に用いるEVOHの好
適なメルトフローインデックス(MFR:210℃、2
160g荷重下)は0.1〜50g/10分、最適には
1〜20g/10分である。
【0014】本発明において使用するポリアミド−層状
ケイ酸塩複合体(B)は、ポリアミドマトリックス中に
0.1〜10重量%の層状ケイ酸塩がその基本構成単位
である層単位で均一に微分散してなるものである。かか
るポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)は、例えば日
本合成樹脂技術協会発行「合成樹脂」1997年3月号
(Vol.43,NO.3)等に記載されているもので
ある。
【0015】すなわち、ポリアミドマトリックス中で、
粘土鉱物である層状ケイ酸塩の基本構成単位である層1
枚1枚を引き離し、分子レベルで均一に超微分散化を達
成したものである。これは粘土鉱物のインターカレーシ
ョンを利用することによって、ポリマー中に無機フィラ
ーを分子レベルで分散させて得られるものである。
【0016】層状ケイ酸塩としては、インターカレーシ
ョン機能を持つ層状ケイ酸塩のモンモリロナイトが好適
である。モンモリロナイトを用いたときのポリアミド−
層状ケイ酸塩複合体(B)の製造方法の一例は以下の通
りである。すなわち、モンモリロナイトの層間のナトリ
ウムイオンをアミノラウリン酸アンモニウムイオン等の
アンモニウムイオンによってインターカレートする。次
にインターカレートしたモンモリロナイトをイプシロン
カプロラクタム等のポリアミドの単量体中に分散し、重
合することによりポリアミド−層状ケイ酸塩複合体
(B)が得られる。これにより、約1nm程度の厚みの
ケイ酸塩層が分散したポリアミド−層状ケイ酸塩複合体
(B)を得ることができる。
【0017】ポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)に
使用するポリアミドとしては、アミド結合を有する重合
体であって、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン−
6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリ
ラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリヘキサメチ
レンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチ
レンセバカミド(ナイロン−6,12)の如き単独重合
体、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイ
ロン−6/12)、カプロラクタム/アミノウンデカン
酸共重合体(ナイロン−6/11)、カプロラクタム/
ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6,9)、カ
プロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペー
ト共重合体(ナイロン−6/6,6)、カプロラクタム
/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメ
チレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−
6/6,6/6,12)の如き共重合体などが例示でき
る。
【0018】使用し得るポリアミドの例には、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、アルキル置換されたイソ又はテレ
フタル酸、アジピン酸、セパシン酸、ブタンジカルボン
酸等のジカルボン酸とジアミンから製造される非晶性ポ
リアミドも含まれる。また、脂肪族ジアミンと脂肪族ジ
カルボン酸から製造される半結晶性ポリアミドも本発明
で用いる事ができる。
【0019】使用し得るポリアミド−層状ケイ酸塩複合
体(B)に用いられるポリアミドとしては、EVOHと
の相溶性が良好なナイロン−6が最適でありナイロン−
6に融点220℃〜230℃、相対粘度2.70〜3.
80のものが好適である。また、ポリアミド−層状ケイ
酸塩複合体(B)中の層状ケイ酸塩の含有量は0.1〜
10重量%であり、好適には1〜3重量%である。
【0020】本発明の樹脂組成物中の、ポリアミド−層
状ケイ酸塩複合体(B)の配合量は、5〜30重量%で
あり、好ましくは10〜25重量%である。30重量%
以上になると透明性、ガスバリアー性が悪化し、5重量
%以下では、耐熱水性が損なわれて本発明の目的を達成
する事ができない。
【0021】本発明の組成物は、EVOH(A)とポリ
アミド−層状ケイ酸塩複合体(B)とを単にブレンドし
て用いても良く、或いは単軸もしくは二軸スクリュー溶
融押出機を用いて溶融配合しても製造しうる。本発明の
組成物は、EVOHもしくはポリアミドの溶融温度以上
で、均一な溶融物が生じるに十分に高い温度で行う。代
表的には、230℃〜260℃の溶融温度で行う。本発
明の組成物は、キャスティング法又はブロン法の如き代
表的な成形法によりフィルムに成形し得る。
【0022】また、上記操作の前又は、途中もしくは最
後に他の添加剤(熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、着色剤、フィラー、他の樹脂など)を本発明の目的
が阻害されない範囲で添加する事は自由である。特に、
ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノール系
熱安定剤、ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カ
ルボン酸の金属塩(たとえば、ステアリン酸カルシュウ
ム、ステアリン酸マグネシュウムなど)の一種又は二種
以上を0.01〜1重量%添加する事は、ゲル発生防止
の点で好適である。
【0023】本発明の多層構造体は、かかる樹脂組成物
層を有する熱成形用多層構造体である。多層構造体を得
る方法としては、ドライラミネート法、押出ラミネート
法、共押出ラミネート法、共押出成形法、共押出パイプ
成形法、共射出成形法、溶液コート法などが例示でき
る。次いで、かかる多層構造体を熱成形する方法として
は、真空成形法、固相圧空成形法などが例示できるが、
本発明では、EVOHの融点以下の温度で成形する固相
圧空成形法の採用により、特に美麗な容器を得る事がで
きる。
【0024】多層構造体の構成は特に限定されるもので
はないが、熱可塑性樹脂層/該樹脂組成物層/熱可塑性
樹脂層、該樹脂組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂
層、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/該樹脂組成物層/
接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層等が代表的なものとして
挙げられる。両外層に熱可塑性樹脂層を設ける場合は、
該樹脂が異なっていてもよく、同じものでもよい。ま
た、成形時発生するトリムなどのスクラップを熱可塑性
樹脂層にブレンドしたり、別途、回収層をもうけて再利
用しても良い。
【0025】なかでも本発明の多層構造体はポリオレフ
ィン層を有することが好ましい。このとき、ポリオレフ
ィン層は樹脂組成物層より内層側に配置されることが好
ましい。そうすることで、内容物が水分を含有するもの
である場合に、その水分が樹脂組成物層に移動してガス
バリア性が低下するのを防止することができる。また、
かかるポリオレフィン層を最内層に配置した場合にはヒ
ートシール性が良好となり、容器の密封の際に便利であ
る。
【0026】また、本発明の多層構造体がポリアミド層
を有することも好ましい態様である。ポリアミドと積層
することで、積層しない場合よりも一般的に熱成形性が
改善されるからである。また、ポリアミド層を組成物層
の外側に配置する場合には、レトルト処理をした際に、
樹脂組成物層が吸収した水分が当該ポリアミド層を通っ
て速やかに放出され、ガスバリア性の回復速度が速い点
からも好適である。
【0027】したがって、本発明の多層構造体の最適な
層構成としては、中間層として樹脂組成物層を有し、内
層としてポリオレフィン層を有し、かつ外層としてポリ
アミド層を有する構成を挙げることができる。かかる構
成を採用することで、上述の効果を得ることができる。
【0028】また、本発明の多層構造体の全層の厚みが
50〜300μmで樹脂組成物層の厚みが3〜50μm
であることも好ましい。一般に、全層の厚みが厚い場合
に比べて薄い場合の方が熱成形を均一に行うことが困難
であることから、全層の厚みが薄い場合に熱成形性の良
好な本発明の構成を採用することの意義が大きいからで
ある。
【0029】本発明の熱成形用多層構造体は熱成形操作
により容器に成形される。ここで熱成形とは、熱的に均
一に加熱された多層構造体をチャック、プラグ、真空
力、圧空力などにより、カップ、トレイ状に均一に成形
する操作を意味する。熱成形する事により得られるもの
としては、カップ、トレイなどの容器がある。加熱操作
は、一般的に成形前に行われるが、該積層体を熱成形に
必要な温度に所定の時間加熱し、該積層体が熱的にほぼ
均一になる様に操作する方法であればよく、操業性を考
慮して、種々のヒーターで均一加熱する方法が好まし
い。また、熱成形容器の形状は目的に応じて適宜選択で
きるので、特に限定されるものではない。
【0030】また、本発明において、組成物を製造する
前のEVOH(A)の含水率は、0.01〜0.3重量
%の範囲、又ポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)の
含水率は、0.01〜0.1重量%の範囲に調整する事
が組成物を溶融配合して製造する場合においてゲルやフ
ィッシュアイの発生を軽減できる点で好ましい。いずれ
の場合も含水率が上記の範囲を超えて大きくなると溶融
配合時に発泡するので好ましくない。一方、積層体の熱
成形時において樹脂組成物層の含水率を0.5〜10重
量%の範囲、好ましくは、1〜5重量%に調整する事が
望ましい。含水率が0.5%重量未満である場合には熱
成形性の改善効果が充分でなく、含水率が10重量%を
超えたのでは熱成形時に樹脂組成物層が白化する場合が
ある。
【0031】このようにして得られた本発明の多層構造
体は、良好な熱成形性を有しており延びムラ、偏肉のな
い熱成形容器を与えることができる。かかる熱成形容器
はガスバリアー性が良好で、かつ耐熱水性、特に耐レト
ルト耐性に優れるので、レトルト殺菌が必要な食品包装
用容器などに大変有用である。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、評
価は、以下の方法に基づいて実施した。
【0033】破断強度、破断伸度 試料(15μm単層フィルム)を20℃、65%RHの
条件下で3週間調湿した後、島津製作所製オートグラフ
(DCS−50M)を使用してASTM D882の方
法に基づいて測定した。
【0034】酸素ガス透過量 試料(15μm単層フィルム)を20℃、65%RHの
条件下で3週間調湿した後、モコン社(米国)製2/2
0型酸素透過量測定装置を用いて、20℃、65%RH
の条件でJIS K 7126に準じて酸素透過量を求
めた。
【0035】熱成形 試験機は、直方体金型(縦:13cm、横:10cm、
深さ:3cm、絞り比0.3及び深さ:4cm、絞り比
0.4)を有する熱成形機(MULTIVAC社製R7
111)を用いて、金型温度105℃、加熱時間1.5
秒で被成形体を成形した。このときナイロンフィルム層
が外側になるようにして容器を成形した。
【0036】熱成形性評価 熱成形性の判定は、下記の判定基準をもとに目視で実施
した。 ○(良)……伸びムラは認められない。 △(可)……伸びムラが極く僅か認められる。 ×(不良)……伸びムラが認められる。
【0037】耐熱水性試験 水180g/天ぷら油20gの混合液を上記の方法で成
形した絞り比0.3の容器に入れ、蓋材として成形前の
本発明の多層構造体を用いてポリプロピレンフィルム層
同士が接するようにして熱シールした後に、日阪製作所
製(RCS−40RTGN型)の加熱殺菌装置(通称:
レトルト装置)を用いて処理した。処理温度条件は、9
5℃、30分間加熱の熱水式と120℃、30分間加熱
のスチーム式の2条件で実施した。
【0038】耐熱水性評価 耐熱水性試験の評価基準は下記の通りである。 ○(良)……形態を保持しており、白化は認められな
い。 △(可)……形態を保持しているが僅かに白化してい
る。 ×(不良)……形態を保持せず且つ、白化している。
【0039】実施例1 エチレン含有量27モル%、鹸化度99.7%、メルト
フローインデックス4g/10分(210℃、2160
g荷重)、含水率0.15重量%のEVOH(A)70
重量%と含水率0.07%のポリアミド−層状ケイ酸塩
複合体(宇部興産、商品名NCH1015C2)(B)
を30重量%とをドライブレンドした配合物を混練付き
単軸スクリュー押出機を用い、240℃の溶融押出しに
よって厚み15μmの単層キャストフィルムを作成し、
次いで調湿器にて含水させた。得られた単層フィルムの
酸素透過量及び物性を表1に示す。
【0040】次いで該単層キャストフィルムを用いてド
ライラミネーション法により無延伸ナイロンフィルム
(東レ合成フィルム、レイファンNO、1401,30
μm)/該樹脂組成物層(15μm)/無延伸ポリプロ
ピレンフィルム(東セロ化学、トーセロCP、RXC1
8、60μm)の積層体を作成した。接着剤は、武田薬
品工業、タケラック、A385/A50を用いて塗布量
を固形分4g/m2とし、温度を70℃でラミネートし
た。尚、接着剤の使用を省略して、前期と同様の工程を
経た後の組成物層の含水率は、1.5重量%であった。
得られた積層体フィルムの耐熱水性と熱成形性の評価結
果を表2に示す。
【0041】実施例2〜4、比較例1、2および参考例
1、2 表1の実施例2〜4、比較例1、2および参考例1、2
に記載の組成物を用い、実施例1と同様にして積層体を
作成した。評価結果を表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の多層構造体は熱成形性に優れ、
当該多層構造体を熱成形して得られる容器は耐熱水性を
有し、ガスバリア性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 29/04 C08L 29/04 S // B29C 51/14 B29C 51/14 (C08L 29/04 77:00) Fターム(参考) 3E033 AA08 AA10 AA20 BA07 BA13 BA14 BA21 BB04 BB08 FA04 4F100 AA20A AK03B AK07B AK46A AK46C AK48C AK69A AL05A BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C DE02A GB16 JD02 JJ03 JL01 4F208 AA03 AA10 AA19K AA29 AB16 AB27 AG03 AH56 MA01 MA02 MB01 MG04 MG11 4J002 BE031 CL012 CL032 CL052 DJ006 FA016 FD016 GF00 GG00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有率20〜60モル%、ケン
    化度90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体
    (A)70〜95重量%;およびポリアミドマトリック
    ス中に0.1〜10重量%の層状ケイ酸塩がその基本構
    成単位である層単位で均一に微分散してなるポリアミド
    −層状ケイ酸塩複合体(B)5〜30重量%;からなる
    樹脂組成物層を有する熱成形用多層構造体。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン層を有する請求項1記載
    の熱成形用多層構造体。
  3. 【請求項3】 ポリアミド層を有する請求項1または2
    に記載の熱成形用多層構造体。
  4. 【請求項4】 中間層として樹脂組成物層を有し、内層
    としてポリオレフィン層を有し、かつ外層としてポリア
    ミド層を有する請求項1記載の熱成形用多層構造体。
  5. 【請求項5】 全層の厚みが50〜300μmで樹脂組
    成物層の厚みが3〜50μmである請求項1〜4のいず
    れかに記載の熱成形用多層構造体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の多層構
    造体を熱成形してなる熱成形容器。
  7. 【請求項7】 レトルト処理用である請求項6記載の熱
    成形容器。
JP7345099A 1999-03-18 1999-03-18 熱成形用多層構造体および熱成形容器 Expired - Fee Related JP4008143B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7345099A JP4008143B2 (ja) 1999-03-18 1999-03-18 熱成形用多層構造体および熱成形容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7345099A JP4008143B2 (ja) 1999-03-18 1999-03-18 熱成形用多層構造体および熱成形容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000264328A true JP2000264328A (ja) 2000-09-26
JP4008143B2 JP4008143B2 (ja) 2007-11-14

Family

ID=13518589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7345099A Expired - Fee Related JP4008143B2 (ja) 1999-03-18 1999-03-18 熱成形用多層構造体および熱成形容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4008143B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146135A (ja) * 2000-11-15 2002-05-22 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物
WO2009041710A1 (ja) * 2007-09-27 2009-04-02 The Yokohama Rubber Co., Ltd. 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
US7527919B2 (en) 2003-08-05 2009-05-05 Fujikura Ltd. Production device and production method for an optical device component having a grating structure
JP2010037496A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Yokohama Rubber Co Ltd:The 熱可塑性エラストマー組成物並びにその製造方法及びそれを用いた空気入りタイヤ
WO2022080458A1 (ja) * 2020-10-15 2022-04-21 株式会社クラレ 多層構造体及びそれを用いた包装材

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146135A (ja) * 2000-11-15 2002-05-22 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物
US7527919B2 (en) 2003-08-05 2009-05-05 Fujikura Ltd. Production device and production method for an optical device component having a grating structure
US7680375B2 (en) 2003-08-05 2010-03-16 Fujikura Ltd. Production device and production method for an optical device component having a grating structure
US8067755B2 (en) 2003-08-05 2011-11-29 Fujikura Ltd. Production device and production method for an optical device component having a grating structure
WO2009041710A1 (ja) * 2007-09-27 2009-04-02 The Yokohama Rubber Co., Ltd. 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JPWO2009041710A1 (ja) * 2007-09-27 2011-01-27 横浜ゴム株式会社 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP5515741B2 (ja) * 2007-09-27 2014-06-11 横浜ゴム株式会社 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2010037496A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Yokohama Rubber Co Ltd:The 熱可塑性エラストマー組成物並びにその製造方法及びそれを用いた空気入りタイヤ
WO2022080458A1 (ja) * 2020-10-15 2022-04-21 株式会社クラレ 多層構造体及びそれを用いた包装材

Also Published As

Publication number Publication date
JP4008143B2 (ja) 2007-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6416832B1 (en) Packaging film or sheet
WO2010016595A1 (ja) 樹脂組成物、溶融成形物、多層構造体及び樹脂組成物の製造方法
JP2836943B2 (ja) 樹脂組成物および多層構造体
JPS63230757A (ja) 樹脂組成物
JP4553482B2 (ja) 深絞り成形用フィルム
WO2005061224A1 (ja) 積層体
JP2659027B2 (ja) 樹脂組成物
JP3549664B2 (ja) 積層構造体、包装容器、熱成形用多層フィルムおよび熱成形容器
JP4008143B2 (ja) 熱成形用多層構造体および熱成形容器
JPH0641197B2 (ja) 加熱延伸多層構造体
JPH08259802A (ja) ガスバリアー性樹脂組成物
JP3091275B2 (ja) 熱収縮性フィルム及びその製造方法
JP3329875B2 (ja) 多層構造体
JPS62225543A (ja) 樹脂組成物
JP2790339B2 (ja) 樹脂組成物および積層体
JP2000108256A (ja) 熱成形用多層構造体および熱成形容器
JP2001151972A (ja) 樹脂組成物および多層構造体
JP2710825B2 (ja) 多層構造体
JP3043060B2 (ja) 樹脂組成物および多層構造体
JP2604485B2 (ja) 多層構造体
JP4642170B2 (ja) 樹脂組成物および積層体
JP3329940B2 (ja) 多層包装体
JP3372316B2 (ja) 重合体組成物および積層構造体
JP3009234B2 (ja) 樹脂組成物および多層構造体
JP2930600B2 (ja) 積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070807

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070829

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110907

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130907

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees