JP4008143B2 - 熱成形用多層構造体および熱成形容器 - Google Patents

熱成形用多層構造体および熱成形容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレンービニルアルコール共重合体とポリアミド−層状ケイ酸塩複合体からなる樹脂組成物層を有する熱成形用多層構造体、及び当該多層構造体を熱成形してなる容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHとする。)は、酸素、臭気、フレーバ−等に対してバリア−性が優れており食品等の分野において、有効性が認められている。しかし、EVOH単体は、熱水又は水蒸気に長時間さらされると白化したり、形態を保持することができない。
【0003】
この耐熱水性の欠点を改善するために、EVOHとポリアミドとの組成物を用いる事については公知である。しかしながら、当該組成物と他の樹脂を各種方法で積層した多層積層体を熱成形して容器に二次加工する場合、EVOH層にクラック、局所偏肉などが多発し、外観が不良となり、食品等の容器として使用に耐えない。
【0004】
そこで従来から、熱成形時に発生するEVOH層のクラック、局所偏肉などを防止する目的で、EVOHに各種可塑剤の添加(特開昭53−88067、特開昭61−283644、特開平6−340785)、ポリアミドのブレンド(特開昭52−141785、特開昭58−154755、特開昭58−36412)、非晶性ポリアミドの配合(特開昭64―70544)等が検討されてはいるが、いずれの場合も、次の点で満足すべきものではないことが判明した。
【0005】
すなわち、各種可塑剤の添加系においては、可塑剤を10〜20重量部添加する為に熱成形特性は改良されるが、ガスバリアー性の大巾な低下と層間接着強度の低下、耐熱水性不良等の問題があり、使用に耐えない。
一方、ポリアミドの配合においては、熱成形時に不均一な厚み分布となり熱成形性が不良で、問題がある。又、非晶性ポリアミドの配合は可塑剤添加系と同じく熱成形性は改良されるが耐熱水性不良などの問題があり、使用に耐えない。
【0006】
また、特開平5−86241には、EVOH、水膨潤性フィロケイ酸塩およびポリアミドからなり、EVOH中に水膨潤性フィロケイ酸塩が分散している樹脂組成物が記載され、当該樹脂組成物層を有する積層体が加熱延伸性に優れている旨も記載されている。
しかしながら、当該樹脂組成物はポリアミド中に水膨潤性フィロケイ酸塩が分散したものではない。また、水の存在下にEVOHと水膨潤性フィロケイ酸塩とを配合してから、乾燥し、引き続いてポリアミドと配合することによって得られるものであり、樹脂組成物を製造する操作が煩雑である。さらに、薄物のフィルムのように高度な熱成形性が要求される用途においては、その熱成形性が必ずしも充分とは言えなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱成形性に優れた多層構造体を提供すること、またそれを熱成形してなる耐熱水性およびガスバリア性に優れた容器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、種々のポリマー等をEVOHに配合し、該フィルムの外観、ガスバリアー性、熱成形性及び耐熱水性の測定・評価を行った。その結果、EVOHに通常のポリアミド10〜30重量%を添加した組成物は耐熱水性の改善が認められるものの、ガスバリアー性が大巾に悪化し、且つ熱成形性が不十分であり実用上、問題がある。EVOHに疎水性可塑剤を添加した場合は、耐熱水性が改良されず又、ガスバリアー性の面で問題であった。一方、EVOHに非晶性ポリアミドを配合した場合は、可塑剤添加系と同じく熱成形性は改良されるが耐熱水性が不良となり、使用に耐えなかった。
【0009】
そこで、本発明者は鋭意検討した結果、上記目的は、エチレン含有率20〜60モル%、ケン化度90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)70〜95重量%;およびポリアミドマトリックス中に0.1〜10重量%の層状ケイ酸塩がその基本構成単位である層単位で均一に微分散してなるポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)5〜30重量%;からなる樹脂組成物層を有する熱成形用多層構造体を採用した場合、ガスバリアー性の低下が少なく、かつ熱成形性の大巾な改善と耐熱水性を有することを見い出した。

【0010】
このとき、ポリオレフィン層あるいはポリアミド層を有することが好適であり、特に中間層として樹脂組成物層を有し、内層としてポリオレフィン層を有し、かつ外層としてポリアミド層を有する態様が最適である。
また全層の厚みが50〜300μmで樹脂組成物層の厚みが3〜50μmであることも好適である。
【0011】
こうして得られた多層構造体は熱成形され、熱成形容器として好適に使用されるが、中でもレトルト処理用容器として用いられることが本発明の効果が最も効果的に奏される点で好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において、EVOH(A)とは、エチレン−ビニルエステル共重合体のけん化物であり、エチレン含有量20〜60モル%、好適には25〜50モル%、更に、ビニルエステル成分のけん化度が90%以上、好適には95%以上のものが使用できる。エチレン含有量20モル%未満では溶融成形性が悪く、一方、60モル%以上では、ガスバリア−性が不足する。また、けん化度が90%未満では、ガスバリア−性および熱安定性が悪くなる。
【0013】
本発明に有用なEVOHの製造時に用いるビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとしてあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。また、EVOHに共重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有することができる。ここで、ビニルシラン系化合物としては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシランなどが挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。更に、本発明の目的が阻害されない範囲で、他の共単量体{例えば、プロピレン、ブチレン、不飽和カルボン酸又はそのエステル{(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなど}、ビニルピロリドン(N−ビニルピロリドンなど)を共重合することもでき、さらに熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、他の樹脂(部分けん化エチレン−酢酸ビニル共重合体など)をブレンドすることも自由である。また、本発明に用いるEVOHの好適なメルトフローインデックス(MFR:210℃、2160g荷重下)は0.1〜50g/10分、最適には1〜20g/10分である。
【0014】
本発明において使用するポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)は、ポリアミドマトリックス中に0.1〜10重量%の層状ケイ酸塩がその基本構成単位である層単位で均一に微分散してなるものである。かかるポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)は、例えば日本合成樹脂技術協会発行「合成樹脂」1997年3月号(Vol.43,NO.3)等に記載されているものである。
【0015】
すなわち、ポリアミドマトリックス中で、粘土鉱物である層状ケイ酸塩の基本構成単位である層1枚1枚を引き離し、分子レベルで均一に超微分散化を達成したものである。これは粘土鉱物のインターカレーションを利用することによって、ポリマー中に無機フィラーを分子レベルで分散させて得られるものである。
【0016】
層状ケイ酸塩としては、インターカレーション機能を持つ層状ケイ酸塩のモンモリロナイトが好適である。モンモリロナイトを用いたときのポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)の製造方法の一例は以下の通りである。
すなわち、モンモリロナイトの層間のナトリウムイオンをアミノラウリン酸アンモニウムイオン等のアンモニウムイオンによってインターカレートする。次にインターカレートしたモンモリロナイトをイプシロンカプロラクタム等のポリアミドの単量体中に分散し、重合することによりポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)が得られる。これにより、約1nm程度の厚みのケイ酸塩層が分散したポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)を得ることができる。
【0017】
ポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)に使用するポリアミドとしては、アミド結合を有する重合体であって、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン−6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6,12)の如き単独重合体、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸共重合体(ナイロン−6/11)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6,9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,12)の如き共重合体などが例示できる。
【0018】
使用し得るポリアミドの例には、イソフタル酸、テレフタル酸、アルキル置換されたイソ又はテレフタル酸、アジピン酸、セパシン酸、ブタンジカルボン酸等のジカルボン酸とジアミンから製造される非晶性ポリアミドも含まれる。
また、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸から製造される半結晶性ポリアミドも本発明で用いる事ができる。
【0019】
使用し得るポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)に用いられるポリアミドとしては、EVOHとの相溶性が良好なナイロン−6が最適でありナイロン−6に融点220℃〜230℃、相対粘度2.70〜3.80のものが好適である。
また、ポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)中の層状ケイ酸塩の含有量は0.1〜10重量%であり、好適には1〜3重量%である。
【0020】
本発明の樹脂組成物中の、ポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)の配合量は、5〜30重量%であり、好ましくは10〜25重量%である。30重量%以上になると透明性、ガスバリアー性が悪化し、5重量%以下では、耐熱水性が損なわれて本発明の目的を達成する事ができない。
【0021】
本発明の組成物は、EVOH(A)とポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)とを単にブレンドして用いても良く、或いは単軸もしくは二軸スクリュー溶融押出機を用いて溶融配合しても製造しうる。本発明の組成物は、EVOHもしくはポリアミドの溶融温度以上で、均一な溶融物が生じるに十分に高い温度で行う。代表的には、230℃〜260℃の溶融温度で行う。本発明の組成物は、キャスティング法又はブロン法の如き代表的な成形法によりフィルムに成形し得る。
【0022】
また、上記操作の前又は、途中もしくは最後に他の添加剤(熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、他の樹脂など)を本発明の目的が阻害されない範囲で添加する事は自由である。特に、ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノール系熱安定剤、ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カルボン酸の金属塩(たとえば、ステアリン酸カルシュウム、ステアリン酸マグネシュウムなど)の一種又は二種以上を0.01〜1重量%添加する事は、ゲル発生防止の点で好適である。
【0023】
本発明の多層構造体は、かかる樹脂組成物層を有する熱成形用多層構造体である。多層構造体を得る方法としては、ドライラミネート法、押出ラミネート法、共押出ラミネート法、共押出成形法、共押出パイプ成形法、共射出成形法、溶液コート法などが例示できる。次いで、かかる多層構造体を熱成形する方法としては、真空成形法、固相圧空成形法などが例示できるが、本発明では、EVOHの融点以下の温度で成形する固相圧空成形法の採用により、特に美麗な容器を得る事ができる。
【0024】
多層構造体の構成は特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂層/該樹脂組成物層/熱可塑性樹脂層、該樹脂組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/該樹脂組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層等が代表的なものとして挙げられる。両外層に熱可塑性樹脂層を設ける場合は、該樹脂が異なっていてもよく、同じものでもよい。また、成形時発生するトリムなどのスクラップを熱可塑性樹脂層にブレンドしたり、別途、回収層をもうけて再利用しても良い。
【0025】
なかでも本発明の多層構造体はポリオレフィン層を有することが好ましい。このとき、ポリオレフィン層は樹脂組成物層より内層側に配置されることが好ましい。そうすることで、内容物が水分を含有するものである場合に、その水分が樹脂組成物層に移動してガスバリア性が低下するのを防止することができる。また、かかるポリオレフィン層を最内層に配置した場合にはヒートシール性が良好となり、容器の密封の際に便利である。
【0026】
また、本発明の多層構造体がポリアミド層を有することも好ましい態様である。ポリアミドと積層することで、積層しない場合よりも一般的に熱成形性が改善されるからである。また、ポリアミド層を組成物層の外側に配置する場合には、レトルト処理をした際に、樹脂組成物層が吸収した水分が当該ポリアミド層を通って速やかに放出され、ガスバリア性の回復速度が速い点からも好適である。
【0027】
したがって、本発明の多層構造体の最適な層構成としては、中間層として樹脂組成物層を有し、内層としてポリオレフィン層を有し、かつ外層としてポリアミド層を有する構成を挙げることができる。かかる構成を採用することで、上述の効果を得ることができる。
【0028】
また、本発明の多層構造体の全層の厚みが50〜300μmで樹脂組成物層の厚みが3〜50μmであることも好ましい。一般に、全層の厚みが厚い場合に比べて薄い場合の方が熱成形を均一に行うことが困難であることから、全層の厚みが薄い場合に熱成形性の良好な本発明の構成を採用することの意義が大きいからである。
【0029】
本発明の熱成形用多層構造体は熱成形操作により容器に成形される。ここで熱成形とは、熱的に均一に加熱された多層構造体をチャック、プラグ、真空力、圧空力などにより、カップ、トレイ状に均一に成形する操作を意味する。熱成形する事により得られるものとしては、カップ、トレイなどの容器がある。加熱操作は、一般的に成形前に行われるが、該積層体を熱成形に必要な温度に所定の時間加熱し、該積層体が熱的にほぼ均一になる様に操作する方法であればよく、操業性を考慮して、種々のヒーターで均一加熱する方法が好ましい。また、熱成形容器の形状は目的に応じて適宜選択できるので、特に限定されるものではない。
【0030】
また、本発明において、組成物を製造する前のEVOH(A)の含水率は、0.01〜0.3重量%の範囲、又ポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)の含水率は、0.01〜0.1重量%の範囲に調整する事が組成物を溶融配合して製造する場合においてゲルやフィッシュアイの発生を軽減できる点で好ましい。いずれの場合も含水率が上記の範囲を超えて大きくなると溶融配合時に発泡するので好ましくない。一方、積層体の熱成形時において樹脂組成物層の含水率を0.5〜10重量%の範囲、好ましくは、1〜5重量%に調整する事が望ましい。含水率が0.5%重量未満である場合には熱成形性の改善効果が充分でなく、含水率が10重量%を超えたのでは熱成形時に樹脂組成物層が白化する場合がある。
【0031】
このようにして得られた本発明の多層構造体は、良好な熱成形性を有しており延びムラ、偏肉のない熱成形容器を与えることができる。かかる熱成形容器はガスバリアー性が良好で、かつ耐熱水性、特に耐レトルト耐性に優れるので、レトルト殺菌が必要な食品包装用容器などに大変有用である。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、評価は、以下の方法に基づいて実施した。
【0033】
破断強度、破断伸度
試料(15μm単層フィルム)を20℃、65%RHの条件下で3週間調湿した後、島津製作所製オートグラフ(DCS−50M)を使用してASTM D 882の方法に基づいて測定した。
【0034】
酸素ガス透過量
試料(15μm単層フィルム)を20℃、65%RHの条件下で3週間調湿した後、モコン社(米国)製2/20型酸素透過量測定装置を用いて、20℃、65%RHの条件でJIS K 7126に準じて酸素透過量を求めた。
【0035】
熱成形
試験機は、直方体金型(縦:13cm、横:10cm、深さ:3cm、絞り比0.3及び深さ:4cm、絞り比0.4)を有する熱成形機(MULTIVAC社製R7111)を用いて、金型温度105℃、加熱時間1.5秒で被成形体を成形した。このときナイロンフィルム層が外側になるようにして容器を成形した。
【0036】
熱成形性評価
熱成形性の判定は、下記の判定基準をもとに目視で実施した。
○(良)……伸びムラは認められない。
△(可)……伸びムラが極く僅か認められる。
×(不良)……伸びムラが認められる。
【0037】
耐熱水性試験
水180g/天ぷら油20gの混合液を上記の方法で成形した絞り比0.3の容器に入れ、蓋材として成形前の本発明の多層構造体を用いてポリプロピレンフィルム層同士が接するようにして熱シールした後に、日阪製作所製(RCS−40RTGN型)の加熱殺菌装置(通称:レトルト装置)を用いて処理した。処理温度条件は、95℃、30分間加熱の熱水式と120℃、30分間加熱のスチーム式の2条件で実施した。
【0038】
耐熱水性評価
耐熱水性試験の評価基準は下記の通りである。
○(良)……形態を保持しており、白化は認められない。
△(可)……形態を保持しているが僅かに白化している。
×(不良)……形態を保持せず且つ、白化している。
【0039】
実施例1
エチレン含有量27モル%、鹸化度99.7%、メルトフローインデックス4g/10分(210℃、2160g荷重)、含水率0.15重量%のEVOH(A)70重量%と含水率0.07%のポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(宇部興産、商品名NCH1015C2)(B)を30重量%とをドライブレンドした配合物を混練付き単軸スクリュー押出機を用い、240℃の溶融押出しによって厚み15μmの単層キャストフィルムを作成し、次いで調湿器にて含水させた。得られた単層フィルムの酸素透過量及び物性を表1に示す。
【0040】
次いで該単層キャストフィルムを用いてドライラミネーション法により無延伸ナイロンフィルム(東レ合成フィルム、レイファンNO、1401,30μm)/該樹脂組成物層(15μm)/無延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ化学、トーセロCP、RXC18、60μm)の積層体を作成した。接着剤は、武田薬品工業、タケラック、A385/A50を用いて塗布量を固形分4g/m2とし、温度を70℃でラミネートした。尚、接着剤の使用を省略して、前期と同様の工程を経た後の組成物層の含水率は、1.5重量%であった。得られた積層体フィルムの耐熱水性と熱成形性の評価結果を表2に示す。
【0041】
実施例2〜4、比較例1、2および参考例1、2
表1の実施例2〜4、比較例1、2および参考例1、2に記載の組成物を用い、実施例1と同様にして積層体を作成した。評価結果を表2に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004008143
【0043】
【表2】
Figure 0004008143
【0044】
【発明の効果】
本発明の多層構造体は熱成形性に優れ、当該多層構造体を熱成形して得られる容器は耐熱水性を有し、ガスバリア性に優れる。

Claims (7)

  1. エチレン含有率20〜60モル%、ケン化度90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)70〜95重量%;およびポリアミドマトリックス中に0.1〜10重量%の層状ケイ酸塩がその基本構成単位である層単位で均一に微分散してなるポリアミド−層状ケイ酸塩複合体(B)5〜30重量%;からなる樹脂組成物層を有する熱成形用多層構造体。
  2. ポリオレフィン層を有する請求項1記載の熱成形用多層構造体。
  3. ポリアミド層を有する請求項1または2に記載の熱成形用多層構造体。
  4. 中間層として樹脂組成物層を有し、内層としてポリオレフィン層を有し、かつ外層としてポリアミド層を有する請求項1記載の熱成形用多層構造体。
  5. 全層の厚みが50〜300μmで樹脂組成物層の厚みが3〜50μmである請求項1〜4のいずれかに記載の熱成形用多層構造体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の多層構造体を熱成形してなる熱成形容器。
  7. レトルト処理用である請求項6記載の熱成形容器。
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