JP3185990B2 - 組成物、多層構造体および包装体 - Google Patents

組成物、多層構造体および包装体

Info

Publication number
JP3185990B2
JP3185990B2 JP10541692A JP10541692A JP3185990B2 JP 3185990 B2 JP3185990 B2 JP 3185990B2 JP 10541692 A JP10541692 A JP 10541692A JP 10541692 A JP10541692 A JP 10541692A JP 3185990 B2 JP3185990 B2 JP 3185990B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
evoh
film
nylon
resin
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10541692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05271497A (ja
Inventor
太一 祢宜
俐 廣藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP10541692A priority Critical patent/JP3185990B2/ja
Publication of JPH05271497A publication Critical patent/JPH05271497A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3185990B2 publication Critical patent/JP3185990B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、組成物、多層体および
それを用いた食品などの保存性に優れた多層包装体に関
し、とりわけ、高度なガスバリアー性と同時に優れた透
明性を具備する点で従来例を見ない温水加熱殺菌、レト
ルト用フィルム包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】レトルト用包装材料としてはアルミニウ
ム箔とポリオレフィンフィルムとのラミネートフィルム
などはガスバリアー性の点で良好であるが、不透明で内
容物が見えない欠点があり消費者の購買意欲をそそる上
からも内容物が透視できる事が求められている。更に、
該アルミニウム包装体は電子レンジ加熱が出来ない欠点
がある。しかるに、現在使用しうる透明プラスチックフ
ィルム包装材はガスバリアー性が不足しているため限ら
れた用途にのみ使用されているのが現状である。すなわ
ち、ガスバリアー樹脂の代表とされるポリ塩化ビニリデ
ン系樹脂(以下PVDCと記す)はヘイズが高い上に黄
色味が強く食品の外観を損ねるだけでなく、レトルト処
理による、とくにレトルト処理後の折曲げによる白色不
透明化、バリアー性の悪化などの欠点がある。PVDC
系以外のガスバリアー性樹脂としてメタキシリレンジア
ミイン−アジピン酸縮合体(MX−ナイロン)、ポリア
ミドあるいはPVDCコートポリアミドなどが使用され
るが、いずれも酸素ガスバリアー性が低く限られた食
品、あるいは低温流通食品などに利用されているに過ぎ
ない。特にスキンパック包装、シュリンク包装、深絞り
包装、ロケット包装などに使用される透明フィルム包材
はレトルト処理には適さず、またガスバリアー性も十分
でないため低温で流通させているのが現状である。一
方、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)
に電子線照射する事は特公平3−46490等で公知で
あるが、EVOHに電子線照射するだけでは、本発明の
レトルト体改善の効果が得られないだけでなく、そこに
は白化、ガスバリアー性の改善に関する記載はみあたら
ない。また上記特許にはEVOHにポリアミドを配合で
きることは記載されているが、ポリアミドの配合量など
について明記されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】EVOHは現在最高の
ガスバリアー性を有する熱可塑性樹脂であり、半透明あ
るいは不透明で厚いPP層を内外層とし、EVOHを中
間層とする構成のカップやトレーなどの硬い容器とした
場合にガスバリアー性の優れた容器として汎用されてい
るが、フレキシブルな薄手の透明フィルム包材として使
用した場合、熱水高温加熱殺菌、レトルト殺菌時、ガス
バリアー性が顕著に低下し、またEVOH層の白濁、波
状のしわや模様が発生するなど重大な問題点があり、ガ
スバリアーフィルム包材として外観上、実用に耐えない
状況にある。この様なEVOH層のレトルト時の異常は
90℃以上の熱水、とりわけ120℃以上の熱水中で
は、EVOHが吸水膨潤すると同時に溶融流動し不定形
状態になるためと推定される。そこで、改善策として、
EVOHにポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
ポリエステル系樹脂あるいはポリカーボネート系樹脂を
ブレンドする提案(特開平1−308626)がなさ
れ、それなりに改善効果は認められるが、ヒートシール
部分、折曲げ部分など局所的に歪みが掛かった部分でブ
レンド樹脂の再凝集などが生じ、EVOH樹脂層内のデ
ラミによる白化、レトルト後の折曲げによる白化発生な
ど種々の問題があり、さらなる改善が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、レトルト
処理によりEVOHのガスバリアー性が顕著に低下し、
またEVOH層の白濁、波状のしわや模様および層内デ
ラミ白化、折曲げによる白化などの発生を起こさぬよう
な手段について広範な検討を実施した。その結果、EV
OH(A)55〜97重量%およびポリアミド系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリ
カーボネート系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂
(B)45〜3重量%からなる組成物、または該組成物
に架橋剤および/または架橋助剤(C)を配合した組成
物からなり、水(10重量%)−フェノール(90重量
%)の混合溶媒の不溶解率が1%以上である組成物を用
いた場合、レトルト処理によるEVOH層の白濁、波状
のしわや模様の発生など外観不良を起こさない上に、E
VOH本来の高度なガスバリアー性を備えた透明レトル
ト用フィルムが得られ、さらに、EVOH層を最外層に
使用時、レトルト殺菌処理中に包装同士が接触した場合
に生じるEVOH層同士の粘着、融着、外観光沢不良な
どの問題点をも解決するという、従来のEVOHに対す
る常識を覆す驚くべき事実を確認し、本発明を完成した
ものである。
【0005】本発明において、EVOHとはエチレン−
ビニルエステル共重合体けん化物であり、エチレン含有
量は10〜70モル%、好適には20〜60モル%、さ
らには25〜58モル%の範囲から選ばれる。エチレン
含有量10モル%未満では溶融成形性が悪く、一方70
モル%以上では、ガスバリアー性が不足する。また、け
ん化度が90%未満では、ガスバリアー性および熱安定
性が悪くなる。
【0006】また、EVOHが共重合あるいはグラフト
重合体としてビニルシラン化合物0.0002〜0.2
モル%を含有する場合には低照射線量でレトルト時の問
題点を顕著に改善する。従って、架橋剤および/または
架橋助剤の低減、照射によるEVOH層を含む基材層フ
ィルムの強伸度特性、着色などの劣化低減に有効であ
る。ここで、ビニルシラン系化合物としては、下記
(I)、(II)および(III)で示される化合物が好適
である。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】
【0009】
【化3】
【0010】[ただし、ここでnは0〜1、mは0〜
2、R1は低級アルキル基、アリール基、またはアリー
ル基を有する低級アルキル基、R2は炭素数1〜40の
アルコキシル基であり、そのアルコキシル基は酸素を含
有する置換基を有していてもよい。R3は水素原子また
はメチル基、R4は水素原子または低級アルキル基、R5
はアルキル基または連鎖炭素原子が酸素もしくは窒素に
よって相互に結合された2価の有機残基、R6は水素原
子、ハロゲン原子、低級アルキル基、アリール基、また
はアリール基を有する低級アルキル基、R7はアルコキ
シル基またはアシロキシル基(ここでアルコキシル基ま
たはアシロキシル基は酸素もしくは窒素を含有する置換
基を有していてもよい。)、R8は水素原子、ハロゲン
原子、低級アルキル基、アリール基、またはアリール基
を有する低級アルキル基、R9は低級アルキル基であ
る。]。さらに詳しく述べれば、R1は炭素数1〜5の
低級アルキル基、炭素数6〜18のアリール基、または
炭素数6〜18のアリール基を有する炭素数1〜5の低
級アルキル基、R4は水素原子または炭素数1〜5の低
級アルキル基を示し、R5は炭素数1〜5のアルキル基
または連鎖炭素原子が酸素もしくは窒素によって相互に
結合された2価の有機残基を示し、R6は水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数6
〜18のアリール基、または炭素数6〜18のアリール
基を有する炭素数1〜5の低級アルキル基を示し、R7
はアルコキシル基またはアシロキシル基(ここでアルコ
キシル基またはアシロキシル基は酸素もしくは窒素を含
有する置換基を有していてもよい。)、R8は水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭
素数6〜18のアリール基、または炭素数6〜18のア
リール基を有する炭素数1〜5の低級アルキル基を示
し、R9は炭素数1〜5の低級アルキル基を示す。ビニ
ルシラン化合物(I),(II),(III)の具体的な化
合物名としては、たとえばビニルエトキシシラン、ビニ
ルメトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ、エトキ
シ)シランが挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられ
る。
【0011】また、該EVOHには本発明の目的が阻害
されない範囲で他の共単量体[例えば、プロピレン、ブ
チレン、不飽和カルボン酸又はそのエステル{(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルメチル、エチ
ル)など}、ビニルピロリドン(N−ビニルピロリドン
など)を共重合体することも出来るし、さらに可塑剤、
熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラ
ー、他の樹脂(ポリアミド、部分けん化エチレン−酢酸
ビニル共重合体など)をブレンドすることも自由であ
る。また、本発明に用いるEVOHの好適なメルトイン
デックス(MI)190℃、2160g荷重下)は好適
には0.1〜50g/10min.、最適には0.5〜
20g/10min.である。
【0012】EVOHにブレンドし、レトルト時のバリ
アー性、白化デラミなどの改善作用、柔軟性付与、延伸
性、熱成型性改善に効果を有する樹脂(B)として、ポ
リアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル
系樹脂およびポリカーボネート系樹脂が選ばれる。この
うち、ポリアミド系樹脂(PA)としては、ポリカプラ
ミド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸
(ナイロン−7)、ポリウンデカンアミド(ナイロン1
1)、ポリラウリンラクタム(ナイロン−12)、ポリ
エチレンジアミンアジパミド(ナイロン−2,6)、ポ
リテトラメチレンアジパミド(ナイロン−4,6)、ポ
リヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポ
リヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−2,10)、
ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン−6,1
2)、ポリオクタメチレンアジバミド(ナイロン−8,
6)、ポリデカノメチレンアジバミド(ナイロン−1
0,6)、ポリドデカメチレンセバカミド(ナイロン−
10,8)、あるいは、カプロラクタム/ラウリンラク
タム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム
/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、
カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミンアジペート共
重合体(ナイロン−6/6,6)、ラウリンラクタム/
ヘキサメチレンジアミンアジペート共重合体(ナイロン
−12/6,6)、ヘキサメチレンジアミンアジペート
/ヘキサメチレンジアミンセバケート共重合体(ナイロ
ン−6,6/6,10)、エチレンジアミンアジペート
/ヘキサメチレンジアミンアジペート共重合体(ナイロ
ン−2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレ
ンジアミンアジペート/ヘキサメチレンジアミンセバケ
ート共重合体(ナイロン−6,6/6,10)などが挙
げられる。これらのPA類の中で、本発明に最も好適な
ものとしてはナイロン−6/6,6およびナイロン−が
挙げられる。ナイロン−6/12における6成分と12
成分の組成は特に制限は無いが12成分が60モル%以
下、より好ましくは50モル%以下が好ましい。
【0013】これらのPA類、とりわけナイロン−6/
12の縮重合時にポリエーテルジアミン類とジカルボン
酸(ダイマー酸など)を添加して、高分子鎖中にポリエ
ーテル結合を有するポリアミドとしても良い。また、縮
合時にヘキサメチレンジアミンやラウリルアミンのよう
な脂肪族アミンやメタキシレンジアミンやメチルベンジ
ルアミンのような芳香族アミンを添加して、ポリアミド
中のカルボキシル末端基の量を減少させたものも好まし
い。また、メタキシリレン基含有PA樹脂も有効であ
り、メタキシリレンジアミンと全量の80%以下のパラ
キシリレンジアミンを含む混合キシリレンジアミンと、
炭素数が6〜10個のα,ω−脂肪族ジカルボン酸とか
ら生成された構成単位を分子鎖中に少なくとも70モル
%含有する重合体である。これらの重合体の例として
は、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレ
ンセバカミド、ポリメタキシリレンスペラミドなどのよ
うな単独重合体、およびメタキシリレン/パラキシリレ
ンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレ
ンアゼラミド共重合体、などのような共重合体、ならび
にこれらの単独重合体または共重合体の成分とヘキサメ
チレンジアミンのような脂肪族ジアミン、ピペラジンの
ような脂環式ジアミン、パラービス−(2−アミノエチ
ル)ベンゼンのような脂肪族ジアミン、テレフタル酸の
ような脂肪族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムのよう
なラクタム、γ−アミノヘプタン酸のようなω−アミノ
カルボン酸、パラーアミノメチル安息香酸のような芳香
族アミノカルボン酸等とを共重合した共重合体等が挙げ
られる。上記の共重合体において、パラキシリレンジア
ミンは全キシリレンジアミンに対して80%以下であ
り、好適には、75%以下である。またキシリレンジア
ミンと脂肪族ジカルボン酸とから生成された構成単位を
分子鎖中において少なくとも70モル%以上、好適に
は、75モル%以上である。また、これらのポリマーに
は、たとえばナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6
−10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−1
2等の重合体、帯電防止剤、滑剤、耐ブロッキング剤、
安定剤、染料、顔料等を含有してもよい。そして、該メ
タキシリレン基含有ポリアミド樹脂の相対粘度{96%
硫酸溶液(1g/100ml)、25℃}は1.0〜5
dl/g、さらには1.5〜4dl/gあることが望ま
しい。
【0014】更に、非晶質ポリアミド、すなわち、DS
C測定において、実質上吸熱結晶融解ピークを有さない
もので、主として、脂肪族ジアミンおよび芳香族ジカル
ボン酸の重縮合体も用いられる。脂肪族ジアミンとして
は、たとえばヘキサメチレンジアミン、2,2,4−ト
リメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメ
チルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレ
ンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)−メタン、
2,2−ビス−(4−アミノヘキシル)−イソプロピリ
ジン、1,4−(1,3)−ジアミノシクロヘキサン、
1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジアミノブタン、
1,3−ジアミノプロパン、および2−エチルジアミノ
ブタンなどが挙げられる。これらのジアミンは、一種ま
たはそれ以上を同時に用いることができる。なかでも、
ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタンメチレン
ジアミン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジアミ
ノブタン、および1,3−ジアミノプロパンが好適に用
いられる。芳香族ジカルボン酸としては、たとえばイソ
フタール酸、テレフタール酸、アルキル置換イソフター
ル酸、アルキル置換テレフタール酸、ナフタレンジカル
ボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸などが挙げら
れる。これらのジカルボン酸は、一種またはそれ以上を
同時に用いることができる。なかでも、イソフタール
酸、テレフタール酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸などが熱成形性、透明性およ
びガスバリアー性などの面で好適である。そして、非晶
質ポリアミドとしての例としては、ヘキサメチレンジア
ミン−イソフタール酸の重縮合体、ヘキサメチレンジア
ミン−イソフタール酸/テレフタール酸の重縮合体、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンおよび
2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン−テレ
フタール酸の重縮合体などが挙げられる。なかでもイソ
フタール酸/テレフタール酸のモル比が60/40〜9
5/5、さらには、65/35〜90/10の範囲にあ
るヘキサメチレンジアミン−イソフタール酸/テレフタ
ール酸の重縮合体が好適である。
【0015】ポリオレフィン系樹脂としては、高密度、
中密度、低密度あるいは直鎖状ポリエチレン、酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル、あるいはブテン、ヘキセン、
4−メチル−1ペンテンなどのα−オレフィン類を共重
合したポリエチレン、アイオノマー樹脂、ポリプロピレ
ンホモポリマー、エチレンを共重合したポリプロピレ
ン、あるいはブテン、ヘキセン、4−メチル−1−ペン
テンなどのα−オレフィン類を共重合したポリプロピレ
ン、ポリ−1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン
が使用出来る。EVOHとの相溶性をより改良したもの
として、上述のポリオレフィン類にマレイン酸、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマール酸、イタコ
ン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコ
ン酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、マレイ
ン酸エチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、ヤシ油脂肪酸アミド、マ
レイミドなどを作用させ変性した変性ポリオレフィン、
さらには該変性ポリオレフィンに上記PA樹脂を溶融化
ブレンド反応させたものが使用出来る。
【0016】飽和ポリエステル系樹脂としては、ポリ
(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタ
レート)、ポリ(エチレンテレフタレート/イソフタレ
ート)、ポリ(エチレングリコール/シクロヘキサンジ
メタノール/テレフタレート)などがその代表格として
あげられ、更にこれらの重合体に共重合成分としてエチ
レングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサン
ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオ
ールなどのジオール類、あるいはイソフタール酸、ベン
ゾフェノンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、プロピレンビス
(フェニルカルボン酸)、ジフェニルオキサイドジカル
ボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
サバチン酸、ジエチルコハク酸などのジカルボン酸を含
有せしめたものが使用できる。
【0017】上記樹脂(B)は1種または2種以上用い
られるが、上記樹脂(B)のうち好適なものは、ポリア
ミド系樹脂としてはナイロン6、ナイロン6−12、メ
タキシリレンジアミン含有ナイロン、非晶質ナイロンな
どであり、またポリオレフィン系樹脂としてはポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などであ
る。(A)と(B)の配合割合は、EVOH(A)55
〜97重量%および樹脂(B)45〜3重量%であり、
好適にはEVOH(A)60〜95重量%、樹脂(B)
40〜5重量%である。本発明においては(A)と
(B)を併用することが重要であり、いずれかを欠く場
合は本発明の目的が達成されない。
【0018】架橋剤および/または架橋助剤(C)とし
ては、多官能アリル系化合物、多官能(メタ)アクリル
系化合物、があげられ、また架橋助剤としては、水、多
価アリエール、金属酢酸物などが好適なものとしてあげ
られる。多官能アリル系化合物、多官能(メタ)アクリ
ル系化合物としては、官能基を少なくとも2個以上有す
るアクリル系化合物および(メタ)アクリル系化合物が
あげられる。具体的にはトリアリルシアヌレート(TA
C)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、ペン
タエリスリトールテトラメタクリレート(PENTM
A)、グルタルアルデヒド(GA)、エチレングリコー
ルジメタクリレート(EGDMA)、ジアリルマレエー
ト(DAM)、ジプロパジルマレエート(DPM)、ジ
プロパジルモノアリルシアヌレート(DPMAC)、ト
リメチロールプロパントリアクリレート(TMPA
T)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(T
MPTAT)、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト(TEGDA)、1,6ヘキサグリコールジアクリレ
ート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジ
プロパジルサクシネート、ジアリルフマレート、ジアリ
ルフタレートなどがあげられる。また、金属酸化物とし
ては、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、三酸化アンチモンなど
があげられる。さらに架橋剤および/または架橋助剤
(C)の多価アルコールとして、例えば、グリセリン、
エチレングリコール、ジエチレングリコールなどが挙げ
られる。また、架橋剤および/または架橋助剤(C)と
してこれらの化合物を二種類以上混合して使用する事が
有効な場合もある。中でも、トリアリルシアヌレート
(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAI
C)、ジアリルマレエート(DAM)、ジアリルフマレ
ート、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート(TMPAT)、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート(TMPTAT)、テトラエチレ
ングリコールジアクリレート(TEGDA)、酸化亜
鉛、二酸化ケイ素、グリセリンなどが好適である。これ
らの架橋剤、架橋助剤は1種のみを用いてもよいし、ま
た2種以上を併用することもできる。
【0019】組成物を形成するEVOH(A)と(B)
と架橋剤および/または架橋助剤(C)との組成比は、
EVOH(A)と(B)の合計量100重量部に対して
架橋および/または架橋助剤(B)を0.001〜20
重量部、好適には0.01〜10重量部である。架橋剤
および/または架橋助剤(B)の成分が少ないと、照射
線量を大きくしてもEVOH(A)の水−フェノール混
合溶媒不溶解率(以下、不溶解率と記す)が上昇せず、
レトルト処理時のEVOH層の白化、保存時の白味残
留、形態変形、ガスバリアー性悪化などの異常が改善出
来ないだけでなく、フィルム強度の大幅低下、着色など
の問題が発生する。一方、架橋剤および/または架橋助
剤(B)の成分が多すぎる場合には、EVOH(A)、
樹脂(B)と架橋剤および/または架橋助剤(C)とを
押出機でブレンドペレット化、あるいは製膜時の熱によ
り、樹脂の増粘、ゲル化などが生じ良好なフィルムが得
られず、延伸、熱成形などの二次成形性の悪化、また、
照射時フィルム強度の大幅低下、着色などの問題が発生
する場合がある。
【0020】本発明の組成物には、本発明の目的が損な
われない範囲で他のポリマーあるいは安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色
剤、充填剤、などを添加することが出来る。より具体的
な例として、例えば次のようなものが挙げられる。 安定剤 : 酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸亜
鉛、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ス
テアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸亜鉛、ハイドロタルサイト類、エチレンジアミ
ン四酢酸の金属塩など。 酸化防止剤 : 2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノ
ン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4
−チオビス−(6−tブチルフェノール)、2,2’−
メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)ピロピオネート、4,
4’−チオベス−(6−t−ブチルフェノール)など。 紫外線吸収剤 : エチル−2−シアノ−3,3−ジフ
ェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’ヒド
ロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オク
トキシベンゾフェノンなど。 可塑剤 : フタール酸ジエチル、フタール酸ジメチ
ル、フタール酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィ
ン、リン酸エステルなど。 帯電防止剤 : ペンタエリスリットモノステアレー
ト、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化オレイン酸、
ポリエチレンオキシド、カーボワックスなど。 滑剤 : エチレンビスステアロアミド、ブチルステア
レートなど。 着色剤 : カーボンブラック、フタロシアニン、キナ
クリドン、アゾ系顔料、酸化チタン、ベンガラなど。 充填剤 : グラスファイバー、アスベスト、マイカ、
セリサイト、タルク、ガラスフレーク、バラストナイ
ト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カル
シウム、酸化ケイ素、モンモリナイトなど。 このうちで、マイカ、タルク、セリサイト、モンモリロ
ナイトなどから選ばれる粉体1〜60重量%と上記の樹
脂ブレンド組成物99〜40重量%との組成物はガスバ
リアー性が向上することにより、主としてカップ、トレ
ーなどの容器に応用可能である。
【0021】組成物を得る方法としては、EVOH
(A)および樹脂(B)と架橋剤および/または架橋助
剤(C)を押出機でブレンドペレット化または両者をド
ライブレンドした後、押出機で製膜する方法、あるい
は、製膜したEVOH(A)と樹脂(B)のブレンドフ
ィルムを常温あるいは加熱下で溶剤等に溶解した架橋助
剤(C)溶液に浸漬し、含浸させる方法、さらには、E
VOH(A)および樹脂(B)と架橋剤および/または
架橋助剤(C)を押出機でブレンドペレット化した後、
後述の電子線を行った後、押出し成形する方法などがあ
る。ブレンド方法においては、単軸あるいは二軸スクリ
ュー押出機、インテンシブルミキサー、連続インテンシ
ブルミキサーなどにより可能な限り低温下溶融押出後、
冷却下にペレット化する方法が用いられる。ところで、
溶融ブレンド方法と溶液浸漬方法とを比較した場合、溶
液浸漬方法がブツなどのフィルム外観およびレトルト性
改善効果の面で優れている。
【0022】このようにして得られた組成物中のEVO
Hの不溶解率は1重量%以上であることが重要であり、
好適には5重量%以上、さらには10重量%以上であ
る。なお組成物とは混合物(ペレットなど)、あるいは
この混合物から得られるフィルム、シート(または)各
種成形物(容器など)を意味する。
【0023】ここで、EVOH(A)の水−フェノール
混合溶媒中における不溶解率とは、水(10重量%)−
フェノール(90重量%)の混合溶媒100重量部に組
成物1重量部を入れ、70℃、3時間加熱溶解し、瀘過
して不溶解部分と可溶部分を分離した後、それぞれから
溶媒を除去し、十分乾燥させた後、指差熱分析計(DS
C)(10℃/分昇温)により不溶解部分のEVOHと
可溶部分のEVOHの吸熱ピークを比較し、EVOHに
相当する吸熱ピーク面積により、X(可溶部分の重
量)、Y(不溶解部分の重量)を求め、(Y/X+Y)
×100で算出した値である。なおここで瀘過には溶解
したEVOHが実質的に100%通過する瀘過器材(瀘
紙、瀘布、メンブランなど)が使用される。ここで不溶
解率が1重量%未満の場合は、本発明の目的であるレト
ルト時の白化、融着、ガスバリアー性の劣化を防止する
効果が少なくなる。
【0024】このような不溶解を付与する方法として
は、組成物を電子照射する方法が好適である。照射法と
しては電子線を用いるのが有利である。電子線源として
は、加速電圧100〜3000KVの電子線加速機が使
用され、例えばパンタグラーフ式などの走査型装置やカ
ーテン型装置、あるいはエレクトロカーテン等の任意の
装置を用いる事が出来る。照射線量は、共重合体の種類
や、厚みによっても相違するが、一般的には0.5〜5
0Mrad、特に1〜30Mradの範囲から、所望す
る改善が生ずる線量を決定すればよい。上記範囲より照
射線量が低い場合、不溶解率が上昇せず、レトルト処理
時のEVOH層の白化、保存時の白味残留、形態変形、
ガスバリアー性悪化などの異常が改善出来ない。一方、
照射線量が多すぎる場合には、延伸、熱成形などの二次
成形性の悪化、また、フィルム強度の大幅低下、着色な
どの問題が発生する場合がある。他の照射条件は広範囲
に変更可能であり、照射温度は室温以上、より好適には
40〜80℃であり、雰囲気としては、特に限定されな
いが、窒素などの不活性雰囲気中で行う事がのぞまし
い。また、照射線源として、コバルト60、セシウム1
37などの放射性同位を用いる事も出来る。
【0025】本発明の樹脂組成物は通常、他の熱可塑性
樹脂との多層構成で使用される。ガスバリアー性を担う
該組成物層の厚みは5〜250μ、通常10〜100μ
の範囲から選ばれる。一方、内外層に使用する熱可塑性
樹脂は任意のものが採用され、特に制限はないが、目的
によっては透湿性、耐熱性、ヒートシール性、透明性な
どの点を配慮することにより優れた包材を得る事が出来
る。用いる樹脂としては、ポリプロピレン、ポリオレフ
ィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアセタール系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂および照射架橋したポリ
プロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体鹸化物、エチレ
ン−アクリル酸系共重合体、エチレン−メタクリル酸系
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル系共重合体、
エチレン−メタクリル酸エスレル系共重合体などが挙げ
られ、これらの樹脂が単独あるいは積層して使用され
る。
【0026】また、本発明の多層構造体を共押出法にて
製膜する場合、組成物層と熱可塑性樹脂層とを接着性樹
脂をはさんで積層する通常の方法が採用される。接着性
樹脂としてはポリプロピレン、ポリエチレン、あるいは
エチレンとこれと共重合しうるモノマー(酢酸ビニル、
アクリル酸エステルなど)との共重合体などのポリオレ
フィン類に無水マレイン酸などを付加して変性した樹脂
などが使用される。両外層に使用する樹脂には前述した
ような酸化防止剤、着色剤、充填剤などの添加物、およ
び前述の架橋剤および/または架橋助剤(C)を添加し
ても良い。
【0027】本発明の多層構造体は次のような各種の積
層方法によって製造可能であり、共押出法、ドライラミ
ネート法、サンドラミネート法、押出ラミネート法、共
押出ラミネート法、溶液コート法などがある。共押出法
とは熱可塑性樹脂(場合によっては、架橋剤および/ま
たは架橋助剤(C)などを配合)、接着性樹脂、組成物
などを押出機より溶融状態下積層し、ダイス出口よりフ
ィルム状に製膜した後、電子線などにより照射架橋を行
い、必要に応じて延伸、熱成形が行われる。共押出法の
別の方法として、組成物の電子線照射物を用いる方法な
どがある。
【0028】ドライラミネート法としては、あらかじめ
製膜しておいた組成物単層を、架橋剤および/または架
橋助剤(C)に浸漬した後、電子線などにより照射架橋
を行なう方法、あるいは組成物ペレットの電子線照射物
を単層製膜したフィルムに、接着剤をコートした熱可塑
性樹脂層{場合によっては架橋剤および/または架橋助
剤(C)配合}を熱ロールで接着多層化するか、あるい
は、更に電子線などにより照射架橋を行い、必要に応じ
て延伸、熱成形を行なう方法があげられる。ドライラミ
ネートなどに使用されるフィルムとしてはナイロンフィ
ルム(CN,ON)、ポリプロピレンフィルム(CP
P,OPP)、ポリエチレンフィルム(PE,架橋P
E)、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体フィルム(EVA,架橋EVA)などが挙げられ
る。
【0029】本発明の多層構造体はフィルム包材、とり
わけレトルト用のフィルム包装材料として使用した時、
最もその特徴が発揮される。フィルム包材の用途として
は、ふた材、パウチ類、真空包装、スキンパック、深絞
り包装、ロケット包装などが好適であるが、さらに、フ
ィルム包装以外にカップあるいはトレー型の容器として
も優れた性能を発揮する。また、ボトル形状あるいはチ
ューブ状となすことも出来る。本発明の多層包装材料に
内容物を充填し、加熱殺菌、とくにレトルト殺菌または
ボイル殺菌することにより保存性の優れた包装体を得る
ことが出来る。レトルト処理は回収式、置換式、蒸気
式、シャワー式、スプレー式など各種の方法が採用され
る。レトルト処理を実施した直後は、本発明の包材でも
白色不透明になる場合があるが、包材の表面水を除去し
た後、しばらく放置することで透明化する。より確実に
透明化、ガスバリアー性の回復をはかりたい場合には、
40〜150℃1〜120分間熱風で乾燥することが好
適である。また他の過熱殺菌法としては熱間充填法など
もあげられる。以下、実施例により更に具体的に説明す
るが、これによりなんら本発明を規制するものではな
い。
【0030】
【実施例】
実施例 1 エチレン含有量32モル%、けん化度99.6%、メル
トインデックス(MI190℃、2160g荷重)1.
3g/10min.のEVOH(A)80重量部、6/
12ナイロン(6/12=90重量%/10重量%、E
NS製グリロンCR−9)(B)20重量部、および架
橋剤(C)としてトリアリルシアヌレート(TAC)
0.1重量部をドライブレンドし、30φ二軸押出機、
220℃にてペレット化を行いEVOH組成物を得た。
次いで、該EVOH組成物を40φ一軸押出機、220
℃にて20μの単層フィルムを作成し、加速電圧300
KVの電子線で5Mradの照射を行った。この時、水
/フェノール=10/90重量比混合溶媒、70℃−3
時間加熱溶解試験による該フィルムの不溶解部分の含
量、すなわち不溶解率は38%であった。該照射フィル
ムの20℃−100%RH下でのガスバリアー性を測定
した所、20 cc.20μ/m2.24hr.atm
(モコン社製10/50型により測定)であった。該フ
ィルムを120℃、30分間レトルト殺菌処理した結
果、フィルム形態は良好であり、処理直後折曲げたとこ
ろ、多少白味を帯びていたが、3時間放置後には透明で
あった、この時のガスバリアー性は28 cc.20μ
/m2.24hr.atmと比較的良好なガスバリアー
性を示した。
【0031】実施例2−6 および 比較例1−6 表1に示す以外は実施例1と同様の条件でフィルムを得
た。その結果を表1および表2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】実施例7 エチレン含有量32モル%、けん化度99.6%、メル
トインデックス(MI190℃、2160g荷重)1.
3g/10min.のEVOH(A)80重量部、6/
12ナイロン(6/12=90重量%/10重量%、E
NS製グリロンCR−9)(B)20重量部をドライブ
レンドし、30φ二軸押出機、220℃にてペレット化
を行い、EVOH組成物を得た。次いで、40φ一軸押
出機、220℃にて20μの単層フィルムを作成した
後、架橋剤(C)としてジアリルフタレート溶液に1日
浸漬した後、加速電圧300KVの電子線で5Mrad
の照射を行った。この時、溶剤可溶分の溶液粘度は0.
85dl/gであった。該照射フィルムの20℃−10
0%RH下でのガスバリアー性は18 cc.20μ/
2.24hr.atmであった。該フィルムを120
℃、30分間レトルト殺菌処理した結果、フィルム形態
は良好であり、処理直後は多少白味を帯びていたが、3
時間放置後には透明であった、この時のガスバリアー性
は22 cc.26μ/m2.24hr.atmと比較
的良好なガスバリアー性を示した。
【0035】実施例8 実施例1で得られた照射フィルムを多層化する為、延伸
ナイロンフィルム(ON)および、延伸ポリプロピレン
フィルム(OPP)をアンカーコート用接着剤を介して
EVOH組成物層の両側にドライラミネートした。該多
層フィルムを製袋機にかけ袋状のパウチを作り食品充填
後、真空下で投入口をヒートシールした。その後、12
0℃、30分間レトルト殺菌処理した結果、フィルム形
態は良好であり、処理直後は多少白味を帯びていたが、
3時間放置後には、透明であった。この時のガスバリア
ー性は35 cc.20μ/m2.24hr.atmと
比較的良好なガスバリアー性を示した。
【0036】実施例9 実施例2で得られた架橋剤(C)浸漬ずみ(未照射品)
フィルムを多層化する為、延伸ナイロンフィルム(O
N)および、延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)を
アンカーコート用接着剤を介してEVOH塑性物層の両
側にドライラミネートした。その後、加速電圧300K
Vの電子線で2.5Mradの照射を行った。この時、
溶剤可溶分の溶液粘度は0.88dl/gであった。該
照射フィルムの20℃−100%RH下でのガスバリア
ー性は25 cc.20μ/m2.24hr.atmで
あった。該多層フィルムを製袋機にかけ袋状のパウチを
作り食品充填後、真空下で投入口をヒートシールした。
その後、120℃、30分間レトルト殺菌処理した結
果、フィルム形態は良好であり、処理直後は多少白味を
帯びていたが、3時間放置後には透明であった、この時
のガスバリアー性は28cc.20μ/m2.24h
r.atmと比較的良好なガスバリアー性を示した。
【0037】実施例10 実施例1で得られた、EVOH(A)、樹脂(B)およ
び架橋剤(C)のブレンド(未照射品)フィルムを多層
化する為、延伸ナイロンフィルム(ON)および、延伸
ポリプロピレンフィルム(OPP)をアンカーコート用
接着剤を介してEVOH組成物層の両側にドライラミネ
ートした。その後、加速電圧300KVの電子線で10
Mradの照射を行った。この時、溶剤可溶分の溶液粘
度は0.68dl/gであったが、OPPまたはONフ
ィルムの電子線による分解劣化の為か、フィルムに着色
が認められた。該照射フィルムの20℃−100%RH
下でのガスバリアー性は19 cc.25μ/m2.2
4hr.atmであった。該多層フィルムを製袋機にか
け袋状のパウチを作り、食品充填後、真空下で投入口を
ヒートシールした。その後、120℃、30分間レトル
ト殺菌処理した結果、フィルム形態は良好であり、処理
直後は多少白味を帯びていたが、3時間放置後には透明
であった。この時のガスバリアー性は34 cc.20
μ/m2.24hr.atmと比較的良好なガスバリア
ー性を示した。
【0038】実施例12 エチレン含有量27モル%、けん化度99.6%、メル
トインデックス(MI210℃、2160g荷重)2.
5g/10min.のEVOH(A)80重量部、6/
66ナイロン(東レアミラン2030)(B)20重量
部、および架橋助剤(C)としてグリセリン1重量部を
ドライブレンドし、30φ二軸押出機、220℃にてペ
レット化を行い、EVOH組成物を得た。該EVOH組
成物を用いて3種3層共押出装置にかけ、多層シートを
作成した。シートの構成は内層PP樹脂層(三菱油化:
ノーブレンMA−6)が500μまた接着性樹脂層(三
井石油化学 アドマーQF−500,EVA樹脂の無水
マレイン酸変性物)50μ、さらに外層には上記EVO
H組成物層50μである。このシートをEVOH層を温
水吸湿させた後、加速電圧300KVの電子線で20M
radの照射を行い、さらに、シート温度160℃にて
熱成形を行い、トレーを得た。食品充填、シール後、1
20℃、30分間レトルト殺菌処理した結果、トレー形
態は良好であり、処理直後は多少白味を帯びていたが、
3時間放置後には透明であった、この時のガスバリアー
性は28 cc.20μ/m2.24hr.atmと比
較的良好なガスバリアー性を示した。
【0039】実施例13 エチレン含有量27モル%、けん化度99.6%、メル
トインデックス(MI210℃、2160g荷重)2.
5g/10min.のEVOH(A)80重量部、6/
66ナイロン(東レアミラン2030)(B)20重量
部をドライブレンドし、30φ二軸押出機、220℃に
てペレット化を行い、EVOH組成物を得、3種3層共
押出装置にかけ、多層シートを作成した。シートの構成
は内層PP樹脂層(三菱油化:ノーブレンMA−6)が
500μまた接着性樹脂層(三井石油化学 アドマーQ
F−500、EVA樹脂の無水マレイン酸変性物)50
μ、さらに外層には上記EVOH組成物層50μであ
る。このシートを温度160℃にて熱成形を行い、トレ
ーを得、次にEVOH層を温水吸湿させた後、加速電圧
300KVの電子線で20Mradの照射を行った。食
品充填、シール後、120℃、30分間レトルト殺菌処
理した結果、トレー形態は良好であり、トレー同士(ト
レー外表面EVOH層同士)の粘着、融着もなく(未照
射品では粘着融着発生)、処理直後は多少白味を帯びて
いたが、3時間放置後には透明であった、この時のガス
バリアー性は22 cc.20μ/m2.24hr.a
tmと比較的良好なガスバリアー性を示した。
【0040】実施例14 エチレン含有量32モル%、けん化度99.6%、メル
トインデックス(MI190℃、2160g荷重)1.
5g/10min.のEVOH(A)70重量部、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量=24%
三井デュポンケミカル製EV260)(B)30重量
部、をドライブレンドし、30φ二軸押出機、220℃
にてペレット化を行い、まず、加速電圧300KVの電
子線で5Mradの照射を行った直後、3種5層共押出
装置にかけ、多層シートを作成した。シートの構成は内
層共重合PP樹脂層(三菱油化:ノーブレンEX−6)
が500μまた接着性樹脂層(三井石油化学 アドマー
QF−500、EVA樹脂の無水マレイン酸変性物)5
0μ、さらに外層には上記EVOH組成物層50μであ
る。このシートを温度140℃にて熱成形を行い、透明
性良好な容器を得、そのまま、あるいはさらにEVOH
組成物層を温水吸湿させた後、加速電圧300KVの電
子線で20Mradの照射を行った。食品充填、シール
後、120℃、30分間レトルト殺菌処理した結果、ト
レー形態は良好であり、トレー同士(トレー外表面EV
OH層同士)の粘着、融着もなく、処理直後は多少白味
を帯びていたが、3時間放置後には透明であった。この
時のガスバリアー性は32cc.20μ/m2.24h
r.atmと比較的良好なガスバリアー性を示した。
【0041】比較例5 実施例14において、EVOH組成物のペレットに電子
線照射を行わなかった以外は実施例14と同様に行っ
た。得られた熱成形容器は不透明であり、外観上問題で
あった。
【0042】実施例15 エチレン含有量44モル%、けん化度99.6%、メル
トインデックス(MI190℃、2160g荷重)5.
5g/10min.のEVOH(A)80重量部、6/
12ナイロン(6/12=50/50%、EMS製CF
6S)(B)20重量部、架橋剤(C)としてトリアリ
ルシアヌレート(TAC)0.1重量部をドライブレン
ドし、30φ二軸押出機、220℃にてペレット化を行
いEVOH組成物を得た。該EVOH組成物を用いて3
種5層共押出装置にかけ、多層シートを作成した。シー
トの構成は両最外EVA樹脂層(三井デュポンケミカ
ル:エバフレックスP1403)が各300μまた接着
性樹脂層(三井石油化学 アドマーVF−600、EV
A樹脂の無水マレイン酸変性物)各50μ、さらに最内
層中央には上記EVOH組成物層50μである。得られ
たシートをパンタグラフ式二軸延伸機にかけ90℃で延
伸倍率3×3倍で同時二軸延伸を行った。得られた多層
熱収縮フィルムはクラック、ムラ、偏肉も少なく、外
観、透明性も比較的良好であった。このフィルムを20
℃−100℃RHに調湿し、ガスバリアー性を測定した
所、15 cc.20μ/m229hr.atmと良好
なガスバリアー性を示した。また、90℃での熱収縮性
を測定した所67%の面積収縮率を示した。該延伸フィ
ルムを120℃、30分間レトルト殺菌処理した結果、
処理直後は多少白味を帯びていたが、3時間放置後には
透明であった。この時のガスバリアー性は34 cc.
20μ/m2.24hr.atmと比較的良好なガスバ
リアー性を示した。一方、上記多層シートの厚み構成を
両最外層EVA樹脂層が各30μまた接着性樹脂層が各
5μ、最内層中央には上記EVOH組成物層10μに変
更し、得られたシートをスキンパック包装機(ムルチバ
ック社製 180℃)にかけスキンパック包装を実施し
た。その結果、包装フィルムの外観は折れジワ、内容物
のツブレも少なく、比較的良好であった。また、該スキ
ンパック包装袋を120℃、30分間レトルト殺菌処理
した結果、処理直後は多少白味を帯びていたが、1時間
放置後には透明であった。この時のガスバリアー性は2
9 cc.30μ/m224hr.atmと比較的良
好なガスバリアー性を示した。
【0043】
【発明の効果】本発明の組成物は、高いガスバリアー性
と高温過熱殺菌性、とくにレトルト殺菌性に優れ、さら
にレトルト処理後の折曲げによる白化の発生も少ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 77:00) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/28 C08L 23/00 - 23/36 B32B 27/32 B65D 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
    (A)55〜97重量%と、ナイロン−6/6,6、ナ
    イロン−6/12およびナイロン−6からなる群より選
    ばれる少なくとも1種のポリアミド系樹脂(B)45〜
    3重量%からなり、かつ前記エチレン−ビニルアルコー
    ル共重合体の水(10重量%)−フェノール(90重量
    %)の混合溶媒不溶解率が1%以上である組成物からな
    るレトルト殺菌またはボイル殺菌用包装材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の包装材料に内容物を充填
    し、レトルト殺菌またはボイル殺菌した包装体。
  3. 【請求項3】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
    (A)55〜97重量%と、ナイロン−6/6,6、ナ
    イロン−6/12およびナイロン−6からなる群より選
    ばれる少なくとも1種のポリアミド系樹脂(B)45〜
    3重量%からなる組成物を成形後、電子線照射すること
    を特徴とする請求項1記載の包装材料の製造方法。
JP10541692A 1992-03-30 1992-03-30 組成物、多層構造体および包装体 Expired - Lifetime JP3185990B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10541692A JP3185990B2 (ja) 1992-03-30 1992-03-30 組成物、多層構造体および包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10541692A JP3185990B2 (ja) 1992-03-30 1992-03-30 組成物、多層構造体および包装体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05271497A JPH05271497A (ja) 1993-10-19
JP3185990B2 true JP3185990B2 (ja) 2001-07-11

Family

ID=14407008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10541692A Expired - Lifetime JP3185990B2 (ja) 1992-03-30 1992-03-30 組成物、多層構造体および包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3185990B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3828218B2 (ja) * 1996-12-09 2006-10-04 株式会社クラレ エチレン−ビニルアルコール共重合体
JP2002338767A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ヒートシール材
JP6218177B2 (ja) * 2014-02-12 2017-10-25 株式会社クラレ 樹脂組成物及びその製造方法
WO2015183036A1 (ko) * 2014-05-30 2015-12-03 한국식품연구원 내천공성 및 내변색성이 개선된 레토르트 식품 포장용 적층 필름
JP2017013309A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 クラレプラスチックス株式会社 多層積層フィルム及びその製造方法
JP2020029305A (ja) * 2018-08-24 2020-02-27 三菱ケミカル株式会社 食品包装用多層フィルム、食品包装用ラミネート複合フィルム、および、深絞り成形体

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62252409A (ja) * 1986-04-25 1987-11-04 Sumitomo Electric Ind Ltd エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体の架橋方法
JPH0819303B2 (ja) * 1987-05-28 1996-02-28 株式会社クラレ 樹脂組成物
JPS641746A (en) * 1987-06-23 1989-01-06 Fujikura Ltd Resin composition
JPH03188146A (ja) * 1989-12-15 1991-08-16 Kuraray Co Ltd 樹脂組成物および積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05271497A (ja) 1993-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010016595A1 (ja) 樹脂組成物、溶融成形物、多層構造体及び樹脂組成物の製造方法
JPH08239528A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物系樹脂組成物及びその用途
JP3357136B2 (ja) 樹脂組成物および包装体
JP3512362B2 (ja) 樹脂組成物ペレットおよび成形物
JPH0564868A (ja) ヒートシール可能な高寸法安定性積層フイルム
JP3185990B2 (ja) 組成物、多層構造体および包装体
WO2007129368A1 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた多層構造体
JPWO2004000934A1 (ja) 樹脂組成物およびその多層構造体
JP3185991B2 (ja) 包装材および包装体
JP3425479B2 (ja) 多層構造体及びその製造方法
JP3440123B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物系樹脂組成物および該組成物の層を含む共押出積層体
JP3647537B2 (ja) 樹脂組成物、食品包装材、その製法およびそれを用いた包装体
JP3091275B2 (ja) 熱収縮性フィルム及びその製造方法
JPH0641197B2 (ja) 加熱延伸多層構造体
JPH08259757A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物系樹脂組成物及びその用途
JP2710825B2 (ja) 多層構造体
JP4008143B2 (ja) 熱成形用多層構造体および熱成形容器
JP3021744B2 (ja) 樹脂組成物、多層構造体および包装体
JP3372316B2 (ja) 重合体組成物および積層構造体
EP0483695A2 (en) Resin composition and use thereof
JP3474277B2 (ja) 熱収縮性フィルム
JP2555078B2 (ja) ガスバリア−性を有する耐熱性ポリエステル容器
JP3452216B2 (ja) 多層構造体及びその製造方法
JPH0819303B2 (ja) 樹脂組成物
JP2842925B2 (ja) 樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090511

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090511

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100511

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term