JP3021744B2 - 樹脂組成物、多層構造体および包装体 - Google Patents
樹脂組成物、多層構造体および包装体Info
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Description
コール共重合樹脂とポリアミド系樹脂を主剤とする樹脂
組成物およびそれを用いた多層構造体および包装体に関
する。
とポリアミド系樹脂との組成物は、エチレン−ビニルア
ルコール共重合樹脂の酸素遮断性、耐油性、耐薬品性、
芳香成分遮蔽性に、ポリアミドに基づく成形性、耐衝撃
性、耐熱水性が付与された非常に有用な性質を持つもの
として、容器、フィルムに多様に使用されている。
にわたって連続して実施すると、成形物中にゲルが発生
したり、押出機のスクリュー、ダイスに劣化樹脂が付着
して、成形物表面の荒れを起こしたり、時には劣化樹脂
が剥離し成形物に混入する事がある。このため、比較的
短時間で、運転を中止し、機械を解体掃除する必要があ
った。
分子末端にあるCOOH基をアミド基で封鎖したり、フ
ッ素系含有樹脂を添加したりする方法が提案されてき
た。これらはある程度の効果は発揮するものの、目的に
対し十分な効果とは言えず、またコスト面でも不利であ
る。
示されているように、酸を添加しないエチレン−ビニル
アルコール共重合樹脂とポリアミド樹脂とのブレンド系
を使用した組成物は、多層フィルムとして120℃のレ
トルトには耐えうるが、場合によってはレトルト処理装
置内が局部的に125〜130℃となる事があり、この
場合デラミネーションが発生する問題があった。従っ
て、更なる耐熱水性の向上が望まれていた。
技術の欠点を解消するために創案されたものであり、長
時間の溶融成形性(ロングラン性)の改善された、しか
も耐熱水性の優れた樹脂組成物を得ることを目的とす
る。
ノマー単位を20〜65モル%含むエチレン−ビニルア
ルコール共重合樹脂(以下EVOHと略記することがあ
る)40〜97重量%およびポリアミド系樹脂(以下P
Aと略記することがある)60〜3重量%よりなり、か
つ有機酸の含有量が前記樹脂の合計量に対し0.02〜
2重量%である樹脂組成物を提供することによって達成
される。
(特に金属塩と複合されていない場合)で含まれる場合
は、本発明の目的である以下ロングラン性に対して効果
が低いか、逆に悪化させる場合があり、一方、PAに対
して酸成分は、溶融成形時にアミド結合を分解させる作
用がある。したがって、酸をEVOHとPAの組成物に
含有させることは悪影響が予測される。
化挙動、および各種要因の影響について広範に検討した
結果、従来の予想とは全く逆の効果が奏せられること
が、本発明によって見い出だされた。後述する実施例か
らも明らかなように、ロングラン性が改善されたこと、
さらに本発明の組成物を用いた多層フィルムの耐熱水性
が向上し、それによって、とくにボイル殺菌用またはレ
トルト殺菌用多層フィルムとして極めて有用なフイルム
が得られるようになったことは注目に値する。このよう
な優れた効果が奏されるメカニズムは明らかでないが、
酸により分解したPAが低分子化し、分子数が増加し、
そのためにEVOHにCPAがより微分散するためと考
えられる。
Hとはエチレンと酢酸ビニルの共重合体中酢酸ビニル単
位を加水分解したものであれば任意の物を含むものであ
るが、本発明の目的に適合するものとして特にエチレン
単位の含有量が20〜65モル%、好適には20〜50
モル%、とりわけ27〜45モル%、酢酸ビニル単位の
鹸化度が96%以上、とりわけ99%以上のものが挙げ
られ、メルトインデックス(190℃、2160g)の
値としては0.2〜60g/10分の範囲が例示され
る。また、エチレン含量あるは重合度の異なるEVOH
を2種以上混合した形で用いても良い。また、本発明に
いうEVOHは5モル%以下の範囲の共重合モノマーで
変性されていてもよく、かかる変性モノマーとしては、
プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1ペンテン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、高級脂肪酸ビ
ニルエステル、アルキルビニルエーテル、N−(2−ジ
メチルアミノエチル)メタクリルアミド類あるいはその
4級化物、N−ビニルピロリドン、N,N−ブトキシメ
チルアクリルアミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシ
ラン等を例示することができる。
るポリアミド系樹脂(PA)としては、ポリカプラミド
(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイ
ロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−
9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリ
ラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジ
アミンアジパミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメ
チレンアジパミド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメ
チレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメ
チレンセバカミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサ
メチレンドデカミド(ナイロン−6,12)、ポリオク
タメチレンアジパミド(ナイロン−8,6)、ポリデカ
メチレンアジパミド(ナイロン−10,8)、あるい
は、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイ
ロン−6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン
酸共重合体(ナイロン−6/9)、カプロラクタム/ヘ
キサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイ
ロン−6/6,6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレ
ンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−12
/6,6)、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロ
ン−2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレ
ンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモ
ニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/
6,10)、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレン
ジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−2,6
/6,6/6,10)、ポリヘキサメチレンイソフタル
アミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ヘキサ
メチレンイソフタルアミド/テレフタルアミド共重合体
などが挙げられる。これらのPA類をメチルベンジルア
ミン、メタキシリレンジアミンのような芳香族アミンに
より変性したものも好ましい。またメタキシリレンジア
ンモニウムアジペートも好ましい。
した形で使用できる。これらのPA類の中で、本発明に
最も好適なものとしてはカプロラクタム/ラウリルラク
タム共重合体、すなわちナイロン−6/12を主成分と
するものが挙げられる。ナイロン−6/12における6
成分と12成分の組成は特に制限はないが12成分が5
〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%であるも
のが好ましい。また、その相対粘度は2.0〜4.0、
より好ましくは2.4〜3.9の範囲である。
12の縮重合時にポリエーテルジアミン類とジカルボン
酸(ダイマー酸等)を添加して、高分子鎖中にポリエー
テル結合を有するポリアミドとすることもできる。ま
た、縮合時に、NH 3 、あるいはモノアミンやヘキサメ
チレンジアミンやラウリルアミンのような脂肪族アミ
ン、あるいはメタキシリレンジアミンのような芳香族ア
ミンを添加して、ポリアミド中のカルボキシル末端基の
量を減少させることもできる。その場合、アミノ基が5
×10−5当量/g以上でかつカルボキシル末端基が3
×105等量/g以下とするのが良い。
素数12以下の有機酸が好ましい。たとえば飽和脂肪族
モノカルボン酸(例:蟻酸、酢酸、プロピオン酸、カプ
ロン酸、カプリル酸、ラウリン酸)、不飽和脂肪族モノ
カルボン酸(例:アクリル酸、クロトン酸)、飽和脂肪
族ジカルボン酸などの飽和脂肪族多価カルボン酸(例:
蓚酸、コハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン
酸、フマール酸)、芳香族モノカルボン酸、あるいは芳
香族ジカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸(例:安
息香酸、フタール酸)、オキシカルボン酸(例:乳酸、
グリエール酸、酒石酸、くえん酸)、スルホン酸(例:
ベンゼンスルホン酸)があげられる。これらの中で炭素
数12以下の飽和脂肪族モノカルボン酸がより好適であ
る。
グラン性に逆効果であった、これは酸性度が強すぎて、
EVOHの架橋を促進しすぎるためと考えられる。また
炭素数の多い有機酸は組成物に臭いが発生し、好ましく
ない。
比は、EVOH40〜97重量%:PA60〜3重量%
であり、好適にはEVOH45〜90重量%:PA55
〜10重量%である。PAの成分が少ないとPAによる
改質効果が少なく、多すぎるとEVOHのガスバリヤー
性が発揮されない。また、有機酸の含有量は前記EVO
HとPAの合計量に対し0.02〜2重量%であり、好
適には0.03重量%以上、さらには0.05重量%以
上、さらには0.1重量%以上、さらには0.2重量%
以上であり、さらにまた1重量%以下、さらには0.7
重量%以下が好適である。有機酸が少ないとロングラン
性改良効果が少なく、多すぎると成形時に酸が揮発し、
成形物の表面荒れが発生したり、成形物に酸臭がした
り、成形物の耐候性の点で好ましくない。なおここで酸
の組成比(重量%)とは、成形前の組成物(ペレットな
ど)の重量%を意味している。
い範囲で他のポリマーあるいは、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤など
を添加することもできる。その他のポリマーとしてはポ
リプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが挙
げられる。さらには、酢酸ビニル、アクリル酸エステル
およびメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一
成分単位を2〜25モル%含有するエチレン系不飽和単
量体(例、エチレン、プロピレンなどのオレフィン
類)、共重合体あるいはそのけん化物をブレンドするこ
とにより積層構造体に柔軟性を付与することも可能であ
る。また、ポリマー以外の添加剤の具体例としては次の
ようなものが挙げられる。
ロタルサイト類、の金属等。 酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4−チ
オビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メ
チレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,
4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)等。 紫外線吸収剤:エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェ
ニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オク
トキシベンゾフェノン等。 可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル
酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エス
テル等。 帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステアレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、硫酸化オレフィン酸、ポリ
エチレンオキシド、カーボンワックス等。 滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレー
ト等。 着色剤:カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリ
ドン、インドリン、アゾ系顔料、酸化チタン、ベンガラ
等。
マイカ、セリサイト、タルク、ガラスフレーク、バラス
トナイトケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、モン
モリロナイト等。 とくにマイカ、セリサイト、タルクおよびガラスフレー
ク、モンモリロナイトから選ばれる充填剤5〜60重量
%と上記の組成物(EVOHとPAとの組成物)95〜
40重量%との組成物を層(B)として用いたとき、ガ
スバリヤー性が向上する。これは主としてカップ、トレ
ーなどの容器に対して応用可能である。上記無機充填材
のうち、モンモリロナイトで代表される水膨潤性のフィ
ロケイ酸塩は、通常の溶融ブレンド法でも混練できる
が、以下に示す方法で混合すると少量の充填量で効果が
発揮される。水を分散媒とするコロイド状のモンモリロ
ナイト分散液にメチルアルコール、n−プロパノールあ
るいはイソプロピルアルコールなどのアルコール、水お
よびEVOHを添加・加熱撹拌しEVOHを溶解後、通
常の方法、すなわち溶液を冷却固化後、粉砕、乾燥し、
ペレット化にする方法を適用することができる。また、
上記のアルコール−水混合溶媒などに加熱溶解したEV
OH溶液にモンモリロナイトを添加・撹拌後、前記の方
法を適用するやり方をとってもよい。あるいは、該EV
OH溶液と水あるいは前記めアルコール水混合溶媒など
を分散媒としてゾルを形成しているコロイド状のモンモ
リロナイト分散液とを混合・撹拌後、前記の方法を適用
してもよい。あるいは、所望の量のモンモリロナイトが
均一に分散したEVOH組成物を得る際、予め前述の方
法でモンモリロナイトを高濃度で含むEVOH組成物を
作成し、これを最終的な希望濃度となるように使用して
もよい。また、ベント式混練押出機を使用し、EVOH
の融点以上で溶融している中にモンモリロナイトの水系
ゾルを滴下させ、混練を実施する方法も適用できる。
ては、EVOH樹脂あるいはPA樹脂に予め{例えば、
重合時(もちろん重合後のけん化、水洗などの一連の工
程も含まれる)など}酸成分を添加しておき、EVOH
とPAを単軸あるいは二軸スクリュー押出機(同方向あ
るいは異方向)、インテンシブミキサー、連続式インテ
ンシブミキサー等による溶融押出後、冷却下にペレット
化する方法、EVOH樹脂とPA樹脂を溶融混練する
際、酸成分を粉末あるいは液体の状態で添加する方法、
また酸成分を高濃度に添加したマスターバッチブレンド
などを実際の成形時に添加する方法などが挙げられる。
形後、単層あるいはこの組成物を用いた層を有する多層
構造体、たとえば多層のシート、フィルム、ボトル、チ
ューブ、さらには、繊維、機械部品等の成形物として使
用される。成形法は、特に規定されないが、通常の方法
を使用することができる。また、組成物を含んだ単層あ
るいは多層を延伸(一軸延伸または二軸延伸)して用い
る事も可能である。
のではないが、例えば多層シート、フィルムの中間層と
して使用する場合にはガスバリヤー材の役割を担うもの
であり、この場合、その厚みはバリヤー性能に直接影響
するし、10〜250μの範囲、通常15〜100μの
範囲から選ばれる。
て、無機膜を積層することもできる。ここで無機膜は、
透明性のある無機膜が望ましい。特に、無機酸化物膜、
例えば、酸化アルミニウム(AlOx)類、酸化珪素
(SiOx)類があげられる。これらの無機膜は代表的
には蒸着法により積層され、厚みは100〜500オン
グストローム、好適には200〜400オングストロー
ムである。
用いた多層包装体について述べる。外層(A)の透湿度
は本発明の多層包装体、とりわけ多層フィルム系レトル
ト用包装体として使用した場合、レトルト処理後の外観
とガスバリヤー性に影響を与える故に注意深い選択が必
要である。また、本発明により得られる多層包装体が1
00℃以下のいわゆるボイル殺菌処理に供される場合
は、耐熱性の低い樹脂が使用可能であるが、100℃を
越える場合、とりわけ105〜135℃で実施されるレ
トルト処理に供される場合には耐熱性に対する配慮も必
要である。さらに本発明においては、外観の透湿性を高
くするほどレトルト後の外観とガスバリヤー性に好影響
をおよぼすなど良好な結果となることが見出だされた。
透湿性を評価する方法としてはJIS−Z−0208に
示された方法、すなわち、吸湿剤を入れたカップに任意
の厚みのフィルムを取り付け、密封、固定した後、40
℃、相対湿度90%に調節された恒温恒湿装置内に放置
し、重量増加速度を測定することにより求める方法が便
利である。この方法により測定された透湿度(単位g/
m2・day)が40以上の値、とりわけ50以上、さ
らに好ましくは100以上の値を示すものを使用した場
合には、レトルト処理後の保存時のガスバリヤー性の回
復が速い。
(A)の樹脂はPA、ポリエステル、ポリカーボネート
であり、最も好適に用いられる外層用の樹脂はPAであ
る。その例としては前述したような各種PAを挙げるこ
とができるが、とりわけナイロン−6、ナイロン−6
6、ナイロン6/6,6等が挙げられる。この樹脂の厚
みは10μあたりの透湿度は無延伸品で900〜110
0g/m2・dayである。透湿度は、樹脂層(A)の
厚みにほぼ比例する。よって薄いほうが好ましいが、樹
脂によっては薄く成形できないもの、薄くしたゆえに強
度など不良が発生する場合があり、各樹脂によって好適
な範囲は少し異なる。
りわけ110μ以下、さらに好ましくは15〜40μで
使用される。二軸延伸ナイロンであれば97μ以下、と
りわけ、39μ以下、さらに好ましくは10〜20μの
厚みで使用できる。他の樹脂としてはポリカーボネート
樹脂(10μ厚みの透湿度が120〜150g/m2・
dayを挙げることができ、10〜38μの厚みの範囲
で使用することが好ましい。
に採用し得る。とりわけポリエチレンテレフタレート樹
脂は延伸フィルムの透湿度が厚み10μあたりで60g
/m2・dayであるので15μ以下で使用されること
が好ましい。
(A)に用いられる樹脂のフィルム10μあたりの透湿
度(カッコ内に表示)を示す。ポリエーテルケトン(1
43)、ポリサルフォン(490)、ポリエーテルサル
フォン(500)、ポリエーテルイミド(218)、ポ
リイミド(208)、ポリアリレート(510)。一
方、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンは透湿度が高い点
は、本発明の多層包装体の構成に適しているが、耐熱性
が低いため、低温の殺菌などの特殊な用途に限定され
る。また、ポリプロピレンは透湿性が低い(10μあた
りで14〜35g/m2・day)ため、通常その使用
は困難である。ポリエチレン類も透湿性が低く、耐熱性
も低いため適していない。
でき、無延伸ナイロンフィルム(CN)、二軸延伸ナイ
ロンフィルム(ON)、二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(O−PET)、ポリカーボネートフィ
ルムなどが好適であるが、とくに二軸延伸フィルムが最
良である。
層フィルムの透湿度が測定可能で、これをドライラミネ
ート法で積層したものについてはその単量フィルムの透
湿度の値とすることが出来る。ドライラミネートにおけ
る接着剤は、外層(A)の透湿度に与える影響は小さい
ので、とくに考慮する必要はない。既に積層されている
多層包装体(ラミネート品あるいは共押出品)について
は外層に使用されている樹脂を単層で製膜したフィルム
の透湿度をもって多層包装体の外層の透湿度の値に代用
することができる。外層が2層以上よりなる場合には構
成する樹脂の各々について単層で製膜したフィルムの透
湿度から、多層からなる外層の透湿度を常法により求め
ることができる。この透湿度の考え方は以下に述べる内
層についても適用できる。
透湿度が低いことが重要である。内層に使用される低吸
水性熱可塑性樹脂としては特に制限はないが、目的によ
っては透湿性、耐熱性、ヒートシール性、透明性等の点
を配慮することにより優れた包材を得ることができる。
られる多層構造体の酸素ガスバリヤー性を高度なものと
することができる。これは、内層の透湿度が低いほど中
間層の相対湿度が低くなるためと信じられる。前述した
透湿度で20g/m2・day以下、さらに好ましくは
10g/m2・day以下とすることが好ましく、例え
ばポリプロピレン60μ(透湿度6g/m2・day)
を用いることにより好適な結果が得られる。ポリプロプ
レンは耐熱性、ヒートシール性、透明性の点から満足で
きる結果を得ることができる。多くの目的に対してはポ
リプロピレンが内層用の樹脂として好適であるが、他の
熱可塑性樹脂も使用可能である。例としては、ポリプロ
ピレン以外のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン
系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂などが挙げられ、これらの樹脂が単独あるいは積層し
て使用される。
は、ナイロンフィルム(CNあるいはON)、無延伸ポ
リプロピレンフィルム(CPP)、二軸延伸ポリプロピ
レンフィルム(OPP)、ポリエチレンフィルム、ポリ
塩化ビニリデンフィルム等が好適であるが、レトルト
性、ヒートシール性を重視した場合、最内層は無延伸ポ
リプロピレンフィルムの使用が望ましい。
選択するか、または内層、外層の厚さ比などを調整する
ことにより達成される。また、本発明の積層構造体の一
部の層を共押出法によって作成する場合には中間層と内
層の主要樹脂は接着性樹脂をはさんで積層する通常の技
術が採用される。接着性樹脂としてはポリプロピレン、
ポリエチレン、あるいはエチレンとこれと共重合しうる
モノマー(酢酸ビニル、アクリル酸エステルなど)との
共重合体等のポリオレフィン類を無水マレイン酸などを
付加して変性した樹脂等が使用される。外層あるいは内
層に使用する樹脂には前述したような酸化防止剤、着色
剤、充填財等の添加物を添加しても良い。
次のような各種の積層方法によって製造可能である。共
押出法、ドライラミネート法、サンドラミネート法、押
出ラミネート法、共押出法において、外層にPAを用い
る場合は中間層との間に接着性樹脂層を必要としない場
合があり、工程上有利である。接着性樹脂層を設ける場
合には外層と接着性樹脂層を合わせた透湿度ができるだ
け高くなるように、とりわけ40g/m2・day以上
となるように配慮することが好ましい。ドライラミネー
トは外層、中間層、および内層の3種あるいはそれ以上
のフィルムを貼り合わせる方法が一般的である。従っ
て、無機膜は必要に応じて、貼り合わせ前に、希望の位
置に蒸着法により積層することになる。
構成としては、他に、次のものが使用できる。(A)/
(B)/(A)/(C)、(A)/(B)/(A)/
(B)(C)。これらの各層間には必要に応じ接着層を
設けることは自由であるし、また各層間にその他の層、
例えば樹脂層を設けることも自由である。このようにし
て得た多層包装体は、耐熱水性に優れているので、ボイ
ル殺菌用またはレトルト殺菌用多層包装体として有用で
ある。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 EVOHとしてエチレンモノマー単位の含量が28モル
%、鹸化度が99.8%、酢酸0.32重量%、メルト
インデックス(190℃、2160g)が1.2g/1
0minの樹脂ペレット80重量%と、PAとしてPA
−6/12共重合体[カプロラクタムの単位とラウリル
ラクタムの単位の重量比が80/20で、融点が196
℃、相対粘度が2.5]20重量%をドライブレンド
後、径30mmの同方向二軸押出機(ダイ温度230
℃)で溶融押出し、ブレンドペレットを乾燥した後、樹
脂(1)を得た。この樹脂中の酢酸量は0.22重量%
であった。この樹脂を径40mmのフルフライト型スク
リューと550mm巾のコートハンガーダイ(温度23
0℃)を有する押出機を用いて、厚み15μの組成物の
透明な無延伸フィルムの製膜を実施したところ、フィル
ム100cm2あたり50個以上にゲルが増加したの
は、運転開始後、約48時間であった。次に、この製膜
機をポリエチレン5kgで運転し置換したのち、装置を
分解し装置内面を観察したところ、付着物がスクリュー
にはほとんど見られず、ダイス内面に約10gの付着が
みられた。
に示す。
合でもほぼ同様の効果が見られた。その結果を表1に示
す。
1のPA20重量部、および、ラウリル酸0.3重量部
をドライブレンドし、実施例1と同様にペレット化し、
製膜したところ同様な結果が得られた。その結果を表1
に示す。
%、鹸化度が99.8%、酢酸0.32重量%、メルト
インデックス(190℃、2160g)が5.5g/1
0minの樹脂ペレットを用い、以下同様にして製膜し
たところ、フイルム100cm 2 あたり50個以上にゲ
ルが増加したのは26時間、ダイスへの付着量は24g
であった。
え、他は同様に、ブレンドペレットを製作し、以下同様
にして製膜したところ、フイルム100cm 2 あたり5
0個以上にゲルが増加したのは30時間、ダイスへの付
着量は12gであった。
A樹脂50重量%としたブレンドペレットを製作し、以
下同様にした製膜したところ、フイルム100cm 2 あ
たり50個以上にゲルが増加したのは36時間、ダイス
への付着量は18gであった。
製二軸延伸試験装置で、縦3.3倍、横3.3倍に延伸
し(延伸後の厚み15μ)、160℃で1分熱処理した
フィルムを試作した。これを、ドライラミネートし、多
層フィルムとした構成は外層から、二軸延伸ナイロン
(ON)15μ/上記延伸フィルム15μ/無延伸PP
フィルム(CPP)である。銘柄はONはユニチカ
(株)製エンブレムRT、CPPは東セロ化学(株)製
RXC−7、接着剤は武田薬品工業製タケラックA38
5/タケネートA−50系である。これを、パウチとし
内容物に水を入れ、130℃30分のレトルトを実施し
たところ、外観上デラミなどの問題は生じなかった。
重量%に調整したEVOHを用い、他は同様にしてブレ
ンドペレットを得た。このブレンドペレット中のりん酸
濃度は0.23重量%であった。また成形後、48時間
後にポリエチレンで押出機内を置換し、押出機内面を観
察したところ、付着物はスクリューに3g,ダイスに4
8gであった。
同様にして成形し、150μのフイルムを得た。このフ
イルムを実施例9と同様にして、ドライラミネートによ
り多層化し、包装体を得、レトルトしたところ、10個
中10個とも激しいデラミを生じた。 った。
優れ、さらに耐熱水性に優れている。
Claims (4)
- 【請求項1】 エチレンモノマー単位を20〜65モル
%含むエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂40〜
97重量%およびポリアミド系樹脂60〜3重量%より
なり、かつ有機酸の含有量が前記樹脂の合計量に対し
0.02〜2重量%である樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物からなる層を
有する多層構造体。 - 【請求項3】 透湿度(40℃、90%RH下で測定)
が40g/m2・day以上の値を有する外層(A)、
請求項1記載の樹脂組成物からなる中間層(B)および
透湿度(40℃、90%RH下で測定)が20g/m2
・day以下の値を有する内層(C)からなるガスバリ
ヤー性多層包装体。 - 【請求項4】 請求項2記載の多層構造体よりなるボイ
ル殺菌またはレトルト殺菌用多層構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3093469A JP3021744B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 樹脂組成物、多層構造体および包装体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3093469A JP3021744B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 樹脂組成物、多層構造体および包装体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04304253A JPH04304253A (ja) | 1992-10-27 |
JP3021744B2 true JP3021744B2 (ja) | 2000-03-15 |
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ID=14083200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3093469A Expired - Lifetime JP3021744B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 樹脂組成物、多層構造体および包装体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3021744B2 (ja) |
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JP4860169B2 (ja) * | 2005-04-01 | 2012-01-25 | 三菱樹脂株式会社 | 易開封性共押出フィルムならびに該フィルムを用いた蓋材および深絞り成形容器 |
JP2007015224A (ja) * | 2005-07-07 | 2007-01-25 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 深絞り成形用積層フィルム、及び該フィルムを使用した成形容器 |
JP4357593B2 (ja) | 2007-05-30 | 2009-11-04 | 横浜ゴム株式会社 | 低透過性積層体及びそれを用いた空気入りタイヤ |
-
1991
- 1991-03-29 JP JP3093469A patent/JP3021744B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH04304253A (ja) | 1992-10-27 |
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