JPH10151714A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JPH10151714A
JPH10151714A JP31061796A JP31061796A JPH10151714A JP H10151714 A JPH10151714 A JP H10151714A JP 31061796 A JP31061796 A JP 31061796A JP 31061796 A JP31061796 A JP 31061796A JP H10151714 A JPH10151714 A JP H10151714A
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JP
Japan
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resin
polyamide resin
acid
ethylene
layer
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Application number
JP31061796A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Urabe
宏 浦部
Katsuhiko Sugiura
克彦 杉浦
Takeshi Watabe
健 渡部
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層間の接着性と耐ピンホール性に優れ、且つ
ヘーズの少ない積層フィルムを提供する。 【解決手段】 (A)ポリアミド樹脂99.7〜85重
量%と(B)ASTM、D1043の規格に準拠して測
定した捻り剛性率が10〜1600kg/cm 2である
軟質重合体0.3〜15重量%とを配合してなるポリア
ミド樹脂組成物層と(C)熱可塑性樹脂層とを積層して
なる積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルムに関
するものであり、詳しくは、特定の軟質重合体が配合さ
れたポリアミド樹脂組成物を使用した積層フィルムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドフィルムは、強度、柔軟性、
耐熱性、耐薬品性に優れ、且つガスバリアー性が良好で
あることから、食品包材、医療用包材等に広く使用され
ており、特に、ポリアミドフィルムの有する優れた酸素
バリアー性により、内容物として、生肉、こんにゃく、
漬け物や医療用輸液等のいわゆる液物を入れる用途が多
い。
【0003】一般にフィルムの酸素バリアー性は、フィ
ルムが均一でピンホールなどの欠陥がないときにはじめ
て発揮される。具体的な使用方法としては、フィルムを
使用した包材に内容物を充填し、口部分をシールした後
に針金等で絞ったり、段ボール箱やプラスチック容器等
につめて輸送する際に、フィルムに繰り返し折り目がつ
くような外力が加わるとフィルムの繰り返し折り目部分
にピンホールが発生しやすく、そこから内容物が漏れだ
したり、そのピンホールから酸素が進入して内容物が酸
化劣化を起こしてしまうことがある。特に近年の冷凍技
術の進歩により、生肉等の食品類は0℃付近の温度、い
わゆるチルド状態で輸送することが増えてきている。し
かし、ポリアミドフィルムでは、温度依存性が大きいた
め、特に0℃のような低温下においては、実用的な耐ピ
ンホール性を維持することは困難であった。
【0004】更に、ポリアミドフィルムの酸素バリアー
性を向上させる種々の方法が提案されており、例えば、
エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂あるいは半芳香
族ナイロン樹脂の層などとポリアミド樹脂の層と積層す
る方法が挙げられている。また、水蒸気における透過性
や後加工工程で必要となる熱溶着性、いわゆるヒートシ
ール性が良好なポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂
あるいはエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂の層とポリア
ミド樹脂の層とを積層する方法が提案されている。
【0005】しかしながら、こうした方法で得られる積
層フィルムの各層間の接着性は必ずしも十分とは言え
ず、内容物を入れ包装した形で、段ボール箱やプラスチ
ック容器等につめて輸送する際に、段ボール箱や容器に
擦れて剥離が起こり、外観や透明性が著しく損なわれ、
更に擦れ続けるとその剥離部分がきっかけとなってフィ
ルムの表層が破れ、酸素バリアー性が不十分となり商品
価値を失ってしまう恐れがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、層間
の接着性と耐ピンホール性に優れ、且つヘーズの少ない
積層フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、
(A)ポリアミド樹脂99.7〜85重量%と(B)A
STM、D1043の規格に準拠して測定した捻り剛性
率が10〜1600kg/cm2である軟質重合体0.
3〜15重量%とを配合してなるポリアミド樹脂組成物
層と(C)熱可塑性樹脂層とを積層してなる積層フィル
ムに存する。
【0008】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明における(A)ポリアミド樹脂としては、その分子内
にアミド結合−CONH−を有する線状高分子化合物で
あり、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサ
メチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチ
レンセバカミド(ナイロン6 10)、ポリアミノウン
デカン酸(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナ
イロン12)及び、それらの共重合体、更に前記のポリ
アミド樹脂の末端アミノ基及び末端カルボキシル基が下
記のモノカルボン酸、ジカルボン酸、及びジアミン等で
封鎖されている樹脂が挙げられる。ポリアミド樹脂とし
ては、好ましくは、ポリカプロラクタム(ナイロン
6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)
及びそれらの共重合体、更にはこれらのポリアミド樹脂
の末端アミノ基が重合時に下記のモノカルボン酸、ジカ
ルボン酸、ジアミン等で封鎖されている樹脂が挙げられ
る。
【0009】モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオ
ン酸、イソプロピオン酸、ブタン酸エナント酸、カプリ
ル酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウ
リル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、アラキン酸、ベヘン酸のような脂肪族カルボン酸
類、シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキサン
酸のような脂環族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸、
エチル安息香酸、フェニル酢酸のような芳香族カルボン
酸類、ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカジ
オン酸、オクタデセンジオン酸、エイコサンジオン酸、
ドコサンジオン酸、2、2、4、−トリメチルアジピン
酸のような脂肪族ジカルボン酸類、1、4−シクロヘキ
サンジカルボン酸のような脂環族ジカルボン酸類、テレ
フタル酸イソフタル酸、フタル酸、キシリレンジカルボ
ン酸のような芳香族ジカルボン酸類、又ポリアミド製造
時に上記酸と同じ役割を果たしうる誘導体、たとえば、
酸無水物、エステルアミドなどが挙げられる。
【0010】ジアミンとしては、エチレンジアミン、ト
リメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメ
チレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレ
ンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレ
ンジアミン、2,2,4(又は2,2,4)−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類、シク
ロヘキサンジアミン、ビス−(4,4’−ジアミノシプ
ヘキシル)メタン等の脂環族ジアミン類、メタキシリレ
ンジアミン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミ
ン類が挙げられる。
【0011】ポリアミド樹脂の相対粘度は、JIS K
6810に従って98%硫酸中濃度1%、温度25℃で
測定した値で、好ましくは3.0〜5.0である。相対
粘度が低いと溶融粘度が小さすぎ成形が困難になり、強
度も低下する。逆に高すぎると溶融流動性が低下する。
ポリアミド樹脂の相対粘度は、より好ましくは3.0〜
4.5である。
【0012】本発明における(B)軟質重合体は、AS
TM、D1043の規格に準拠して測定した捻り剛性率
が10〜1600kg/cm2である軟質重合体であ
る。かかる軟質重合体としては、ポリアミド樹脂との相
溶性の点より、変性エチレン・α−オレフィン共重合
体、変性エチレン・アクリル酸エステル共重合体、変性
エチレン・酢酸ビニル共重合体、金属イオン含有エチレ
ン共重合体からなる群から選ばれた1種類の軟質共重合
体あるいは2種類以上の軟質共重合体の混合物軟質共重
合体であることが好ましい。
【0013】変性エチレン・α−オレフィン共重合体と
しては、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィン共重
合体(以下未変性エチレン・α−オレフィン共重合体とい
う)に、α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体を未変
性エチレン共重合体に対し0.05〜1.5重量%グラ
フト重合させて得た重合体が挙げられる。上記変性エチ
レン共重合体の原料となる未変性エチレン・α−オレフ
ィン共重合体としては、50モル%以上のエチレンと5
0モル%以下の炭素数3以上のα−オレフィンとを共重
合した重合体、好ましくは、80〜95モル%のエチレ
ンと、20〜5モル%の炭素数3以上のα−オレフィン
とを共重合した重合体が挙げられる。
【0014】炭素数3以上のα−オレフィンとしては、
プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、デセン−1、
4−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1などが
挙げられ、好ましくは、プロペン、ブテン−1が挙げら
れる。上記未変性エチレン共重合体にグラフト重合させ
るα、β−不飽和カルボン酸またはその誘導体(以下単に
不飽和カルボン酸という)としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸あるい
はこれらの酸の無水物又はエステルなどが挙げられ、好
ましくは、無水マレイン酸が挙げられる。
【0015】変性エチレン・アクリル酸エステル共重合
体としては、エチレンとアクリル酸エステル(メタクリ
ル酸エステルを含む)の共重合体(以下未変性エチレン・
アクリル酸エステル共重合体という)に、α、β−不飽和
カルボン酸又はその誘導体を未変性エチレン共重合体に
対し0.05〜1.5重量%グラフト重合させた重合体
が挙げられる。上記変性エチレン共重合体の原料となる
未変性エチレン・アクリル酸エステル共重合体として
は、50〜90重量%のエチレンと10〜50重量%の
アクリル酸エステルを共重合した重合体、好ましくは、
55〜85重量%のエチレンと15〜45重量%のアク
リル酸エステルを共重合した重合体が挙げられる。アク
リル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルな
どが挙げられ、好ましくはアクリル酸エチル、アクリル
酸ブチルが挙げられる。
【0016】上記未変性エチレン・アクリル酸エステル
共重合体にグラフト重合させるα、β−不飽和カルボン
酸またはその誘導体(以下単に不飽和カルボン酸という)
としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、
マレイン酸、フマル酸あるいはこれらの酸の無水物又は
エステルなどが挙げられ、好ましくは無水マレイン酸が
挙げられる。
【0017】変性エチレン・酢酸ビニル共重合体として
は、エチレンと酢酸ビニルの共重合体(以下未変性エチ
レン・酢酸ビニル共重合体という)に、α、β−不飽和カ
ルボン酸又はその誘導体を未変性エチレン共重合体に対
し0.05〜1.5重量%グラフト重合させた重合体が
挙げられる。上記変性エチレン酢酸ビニル共重合体の原
料となる未変性エチレン・酢酸ビニル共重合体として
は、30〜90重量%のエチレンと10〜70重量%の
酢酸ビニルを共重合した重合体、好ましくは、50〜8
5重量%のエチレンと15〜50重量%の酢酸ビニルを
共重合した重合体が挙げられる。
【0018】上記未変性エチレン・酢酸ビニル共重合体
にグラフト重合させるα、β−不飽和カルボン酸または
その誘導体(以下単に不飽和カルボン酸という)として
は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸あるいはこれらの酸の無水物又はエステ
ルなどが挙げられ、好ましくは無水マレイン酸が挙げら
れる。
【0019】金属イオン含有エチレン共重合体として
は、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸などの不飽和
カルボン酸との共重合体にナトリウム、亜鉛、マグネシ
ウムなどの金属イオンを結合させたもので一般にはアイ
オノマーと呼ばれているものである。
【0020】本発明におけるポリアミド樹脂組成物は、
(A)ポリアミド樹脂99.7〜85重量%と(B)A
STM、D1043の規格に準拠して測定した捻り剛性
率が10〜1600kg/cm2である軟質重合体0.
3〜15重量%とを配合してなるポリアミド樹脂組成物
である。
【0021】前記軟質重合体の配合量が、ポリアミド樹
脂組成物の0.3重量%未満であると摩耗剥離が起こり
やすく、15重量%を越えるとヘーズの値が大きくな
る。前記軟質重合体の配合量は、好ましくは0.3〜1
2重量%であり、更に好ましくは0.4〜11重量%で
ある。
【0022】本発明におけるポリアミド樹脂組成物は、
層間接着性及び耐ピンホールを損なわない範囲で滑剤や
離型剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、ブ
ロッキング防止剤、染料、顔料、無機系粒子、難燃剤な
どの添加剤を配合することができる。
【0023】前記軟質重合体や添加剤の配合は、ポリア
ミド樹脂の重合過程で添加したり、重合後のポリアミド
樹脂にドライブレンドしたり、ポリアミド樹脂とともに
溶融混練したり、高濃度のマスターバッチを作製し、こ
れを成形時に希釈して使用するなど、既に公知の任意の
添加方法に従って行うことができる。
【0024】本発明における(C)熱可塑性樹脂として
は、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂、MXDナ
イロン等の芳香族ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン
樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂からなる群から選ばれた1種類の熱可塑性樹脂あ
るいは2種類以上の熱可塑性樹脂の混合物が好ましく、
更に好ましくは、ガスバリヤー性の点より、エチレンビ
ニルアルコール共重合体樹脂、芳香族ポリアミド樹脂等
が挙げられ、ヒートシール性の向上の点では、ポリエチ
レン樹脂が挙げられる。
【0025】本発明の積層フィルムは、前記ポリアミド
樹脂組成物からなる層(以下、PA層と称することがあ
る。)と前記ポリアミド樹脂組成物以外の熱可塑性樹脂
からなる層とを積層してなる積層フィルムである。
【0026】本発明の積層フィルムの層構成としては、
2以上の層からなり、その内少なくとも1層はPA層で
あり、PA層と接する層は熱可塑性樹脂からなる層であ
ることが好ましい。積層フィルムとしては、例えば、P
A層と熱可塑性樹脂層からなる2層の積層フィルム、P
A層/熱可塑性樹脂層/PA層からなる3層の積層フィ
ルム、PA層/熱可塑性樹脂層/別の種類の熱可塑性樹
脂層からなる3層の積層フィルム、PA層/熱可塑性樹
脂層/別の種類の熱可塑性樹脂層/PA層からなる4層
の積層フィルムなど各種の多層フィルムが挙げられる。
更に、各層の接着性を向上させるために、例えば、酸変
性のポリオレフィン等の接着剤を各層の間に用いること
もできる。
【0027】本発明の積層フィルムの厚みは、好ましく
は、3〜200μm程度であり、PA層の厚みは、好ま
しくは、2〜150μm程度である。フィルムの厚みが
厚ければガスバリアー性が向上する一方、繰り返し屈曲
疲労性、透明性が低下する。また、このフィルムは、印
刷性の改良や、ラミネート性の改良のために片面、また
は両面にコロナ処理した後使用する場合もある。
【0028】本発明の積層フィルムの製造方法として
は、公知の方法を用いることができ、たとえば、共押出
シート成形、共押出T−ダイフィルム成形、共押出イン
フレーションフィルム成形などのいわゆる共押出法によ
りPA層とPA層以外の樹脂層とを積層する方法、ある
いは単層のPA層のフィルムを得たのちラミネーション
法によりPA層以外の層のフィルムと積層する方法が挙
げられるが、好ましくは、共押出法によりPA層とPA
層以外の熱可塑性樹脂層とを積層する方法が挙げられ
る。
【0029】共押出法としては、前記樹脂原料を別々の
押出機で溶融したものを、連続的にT−ダイより押出し
ダイ内及びダイ外で接着させ、キャスティングロールに
て冷却しながらフィルム状に成形する多層T−ダイ法、
環状のダイスより連続的に押出し、水を接触させて冷却
する多層水冷インフレーション法、同じく環状のダイス
より押出し、空気によって冷却する多層空冷インフレー
ション法などが挙げられる。又後の工程でフィルム状の
成形品を延伸することも可能で、この方法としては工業
的には公知の方法が応用でき例えば、T−ダイ法にて成
形したフィルムについては縦延伸はロール方式を用い、
さらに横方向に延伸する際にはテンター方式を使用した
逐次2軸延伸法、環状ダイより成形したチューブ状フィ
ルムについては上記の逐次2軸法以外に縦横同時に延伸
できるチューブラー延伸法が用いられる。また実験室的
には卓上延伸機(例えばT.M.Long社製や東洋精
機社製等)を使用して延伸フィルムを得ることができ
る。
【0030】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【実施例】尚、以下の実施例および比較例における各種
物性の評価は次のように行った。
【0031】(1)接着性測定法 フィルムを円形の固定板に接着させたのち、東洋精機製
テーバー磨耗試験器にてフィルム上を90gの荷重をか
けたCS−10番の回転砥石を60rpmの回転速度で
回転させ、フィルム表層のポリアミド層が剥離してはげ
落ちるまでの累積回転数を測定した。尚、本試験での値
としては600以上であることが実用上好ましい。
【0032】(2)耐ピンホール性評価法 フィルムを理学工業社製ゲルボフレックステスターにて
MIL−B−131Cに準拠した方法にて0℃、100
0回繰り返し屈曲疲労を与えた後、フィルムに生じたピ
ンホール数を数えた。尚、本試験での値としては0であ
ることが好ましい。
【0033】(3)透明性 東京電色株式会社製ヘーズメーターを使用してヘーズ値
で評価した。積層フィルムのヘーズの値としては、実用
上は、10以下であることが好ましく、更に好ましくは
8以下である。
【0034】以下の実施例および比較例においては下記
の樹脂、軟質重合体を用いた。 (4)ポリアミド樹脂:6ナイロン樹脂ノバミッド10
20A(三菱エンジニアリングプラスチックス社製6ナ
イロン、ηrel=3.5) (5)軟質重合体−1:変性エチレン・ブテン共重合
体、ノバテックAP701T(三菱化学株式会社製;A
STM D1043に準拠して測定した捻り剛性率が3
5kg/cm2である重合体) (6)軟質重合体−2:変性エチレン・プロピレン共重
合体、MH5010(三井石油化学社製;ASTM D
1043に準拠して測定した捻り剛性率が20kg/c
2である重合体)
【0035】(7)軟質重合体−3:変性エチレン・ア
クリル酸エステル共重合体、ボンダインAR201(三
井デユポンケミカル社製;ASTM D1043に準拠
して測定した捻り剛性率が15kg/cm2である重合
体) (8)軟質重合体−4:変性エチレン・酢酸ビニル共重
合体、VR103(三井デユポンケミカル社製;AST
M D1043に準拠して測定した捻り剛性率が30k
g/cm2である重合体)
【0036】(9)軟質重合体−5:金属イオン含有エ
チレン共重合体、ハイミラン1706(三井デユポンケ
ミカル社製;ASTM D1043に準拠して測定した
捻り剛性率が1570kg/cm2である重合体) (10)軟質重合体−6:変性高密度ポリエチレン、ノ
バテックAP520H(三菱化学社製;ASTM D1
043に準拠して測定した捻り剛性率が1700kg/
cm2である重合体) (11)エチレンービニルアルコール共重合樹脂:ソア
ノールDC3203(日本合成化学製、エチレン含有量
32モル%、JIS K−6719に従って温度210
℃、荷重2.16kgにて測定したMFI=3.2)
【0037】〔実施例1〜9〕表−1に記載のポリアミ
ド樹脂と軟質重合体とをを表−1に示す量比で配合し、
シリンダー直径30mmの同方向2軸押出機(日本製鋼
所製TEX−30)にて、樹脂温度260〜280℃の
範囲で溶融混練、ペレット化し、これを100℃の減圧
乾燥機で乾燥してポリアミド樹脂組成物を得た。得られ
たポリアミド樹脂組成物とエチレンービニルアルコール
共重合樹脂を使用して、プラコー製4種7層多層Tダイ
成形機にて、ポリアミド樹脂組成物をシリンダー径32
mmの押出機でスクリュー回転数20rpm、シリンダ
ー温度240℃にて溶融させ、エチレンービニルアルコ
ール共重合樹脂をシリンダー径25mmの押出機でスク
リュー回転数40rpm、シリンダー温度220℃にて
溶融させ、ダイリップクリアランスが4.0mmのダイ
内でポリアミド樹脂組成物/エチレンービニルアルコー
ル共重合樹脂/ポリアミド樹脂組成物の3層の形で合流
接着させた後、キャストイングロールにて30℃にて冷
却しながら、4.0m/minの引き取り速度で引き取
りを行い、層構成がポリアミド樹脂組成物/エチレンー
ビニルアルコール共重合体樹脂/ポリアミド樹脂組成物
=50μm/80μm/50μmの3層フィルムを成形
した。
【0038】この3層フィルムを卓上延伸機(T.M.
Long社製)を使用して、延伸前の余熱温度を90
℃、延伸倍率を3.0×3.0倍として同時2軸延伸し
たのち、210℃、30秒間ヒートセットして各層の厚
みがポリアミド樹脂組成物/エチレンービニルアルコー
ル共重合体樹脂/ポリアミド樹脂組成物=5μm/8μ
m/5μmの3層の積層フィルムを得た。 得られた積
層フィルムにつき、接着性、耐ピンホール性、透明性の
評価を行った。
【0039】
【表1】
【0040】〔比較例1〕実施例1において、ポリアミ
ド樹脂組成物の代わりにポリアミド樹脂(6ナイロン樹
脂、ノバミッド1020A、ηrel=3.5、三菱エン
ジニアリングプラスチックス社製)を用いて、実施例1
同様に積層フィルムを得、評価を行った。
【0041】〔比較例2〜6〕表−2に記載のポリアミ
ド樹脂と軟質重合体とをを表−2に示す量比で配合し、
実施例1同様にして溶融混練、ペレット化および乾燥を
してポリアミド樹脂組成物を得た。得られたポリアミド
樹脂組成物とエチレンービニルアルコール共重合樹脂を
使用して、実施例1と同様にして、層構成がポリアミド
樹脂組成物/エチレンービニルアルコール共重合体樹脂
/ポリアミド樹脂組成物=50μm/80μm/50μ
mの3層フィルムを成形した。この3層フィルムを実施
例1と同様にして、各層の厚みがポリアミド樹脂組成物
/エチレンービニルアルコール共重合体樹脂/ポリアミ
ド樹脂組成物=5μm/8μm/5μmの3層の積層フ
ィルムを得た。得られた積層フィルムにつき、接着性、
耐ピンホール性、透明性の評価を行った。
【0042】〔比較例7、8〕実施例1において、軟質
重合体−1の代わりに、軟質重合体−6(変性高密度ポ
リエチレン)を表−2に示す量比で配合し、実施例1と
同様にしてポリアミド樹脂組成物を得た。得られたポリ
アミド樹脂組成物を用いて、実施例1同様にして、各層
の厚みがポリアミド樹脂組成物/エチレンービニルアル
コール共重合体樹脂/ポリアミド樹脂組成物=5μm/
8μm/5μmの3層の積層フィルムを得、評価を行っ
た。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の積層フィルムは、層間接着性と
耐ピンホール性に優れ、且つヘーズが少なく、更に強
度、柔軟性、耐熱性、耐薬品性にも優れており、食品
用、医療用等の包材として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 健 神奈川県茅ヶ崎市円蔵370番地 三菱エン ジニアリングプラスチックス株式会社技術 センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリアミド樹脂99.7〜85重
    量%と(B)ASTM、D1043の規格に準拠して測
    定した捻り剛性率が10〜1600kg/cm2である
    軟質重合体0.3〜15重量%とを配合してなるポリア
    ミド樹脂組成物層と(C)熱可塑性樹脂層とを積層して
    なる積層フィルム。
  2. 【請求項2】 前記軟質重合体が、変性エチレン・α−
    オレフィン共重合体、変性エチレン・アクリル酸エステ
    ル共重合体、変性エチレン・酢酸ビニル共重合体および
    金属イオン含有エチレン共重合体からなる群から選ばれ
    た1種類の軟質共重合体あるいは2種類以上の軟質共重
    合体の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の
    積層フィルム。
  3. 【請求項3】 (C)熱可塑性樹脂が、エチレンビニル
    アルコール共重合体樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリ
    塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
    ン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂およびポリエ
    チレンテレフタレート樹脂からなる群から選ばれた1種
    類の熱可塑性樹脂あるいは2種類以上の熱可塑性樹脂の
    混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 前記ポリアミド樹脂組成物層の厚みが、
    2〜150μmであることを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 積層フィルムの厚みが、3〜200μm
    であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに
    記載の積層フィルム。
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