JP5383538B2 - ポリアミド系多層フィルム - Google Patents
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Description
ポリメタキシリレンアジパミドの含有量が、ナイロン6の含有量100重量部に対して0.3〜5重量部である、ナイロン6及びポリメタキシリレンアジパミドを含む樹脂組成物から形成されるポリアミド層(B)、並びに
ナイロン6及び耐屈曲剤の含有量が、ポリメタキシリレンアジパミドの含有量100重量部に対して、ナイロン6が5〜45重量部であり、耐屈曲剤が0.3〜10重量部である、ナイロン6、耐屈曲剤及びポリメタキシリレンアジパミドを含む樹脂組成物から形成されるバリア層(C)を含むポリアミド系多層フィルムであって、
ポリアミド層(A)、ポリアミド層(B)、及びバリア層(C)が、A/B/C/B/Aの順で積層されたポリアミド系多層フィルム。
ナイロン6及びポリメタキシリレンアジパミド以外のナイロンの含有量が、ナイロン6の含有量100重量部に対して、0.3〜10重量部含有する項1に記載のポリアミド系多層フィルム。
ポリアミド層(A)は、繰り返し接触による耐ピンホール性及び延伸安定性を付与するために設けられる層であり、ポリメタキシリレンアジパミド(以下、MXD6ナイロンともいう)及びナイロン6を含む樹脂組成物から形成される。ここで、「ナイロン6」とは、ポリカプロラクタムを表す。
ポリアミド層(B)は、ポリアミド層(A)、バリア層(C)との層間強度の向上、耐摩耗性、延伸性のために設けられる層であり、MXD6ナイロン、及びナイロン6を含む樹脂組成物から形成される。MXD6ナイロンの含有量は、ナイロン6の含有量100重量部に対して、0.3重量部以上であり、0.5重量部以上が好ましく、1重量部以上がより好ましい。MXD6の含有量が、0.3重量部未満であると、延伸性が悪化し、フィルムの形成性に影響をもたらす傾向にある。また、MXD6ナイロンの含有量は、ナイロン6の含有量100重量部に対して、5重量部以下であり、4重量部以下が好ましく、3重量部以下がより好ましい。MXD6ナイロンの含有量が、5重量部を超えると、バリア層(C)との層間強度が低下するという傾向がある。
バリア層(C)は、多層フィルムにおいて、外部からの酸素等のガスに対するバリア性を向上させるために設けられる層であり、ナイロン6、MXD6ナイロン、及び耐屈曲剤を含む樹脂組成物から形成される。
また、ナイロン6の含有量は、MXD6ナイロンの含有量100重量部に対して、45重量部以下であり、40重量部以下が好ましく、35重量部以下がより好ましい。ナイロン6の含有量が、45重量部を超えると、ガスバリア性が低下する傾向がある。
本発明のポリアミド系多層フィルムは、前記ポリアミド層(A)、ポリアミド層(B)、及びバリア層(C)が、A/B/C/B/Aの順で積層された構造を有する。
本発明のポリアミド系多層フィルムは、例えば各層の樹脂組成物を上記したA/B/C/B/Aの順序になるように、Tダイスより冷却水が循環するチルロール上に共押出せしめフラット状の多層フィルムとして得ることができる。
結晶性芳香族ポリアミド(MXD6):S−6011(三菱ガス化学(株)製)
非晶性芳香族ポリアミド(アモルファスNY):X−21(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)
耐屈曲剤:変性エチレン−酢酸ビニル共重合体
表1に記載のポリアミド層(A)〜(C)となるように、表1に示す成分及び組成で配合して、各層を構成する樹脂組成物を、260℃に調整されたそれぞれの押出機に投入しA/B/C/B/Aの順序になるように、260℃のTダイスにより積層され、30℃の冷却水が循環するチルロール上に共押出しせしめて、フラット状の5層フィルムを得た。この5層フィルムを、65℃のロール延伸機により3.0倍に縦延伸し、次いで110℃の雰囲気のテンター延伸機により4.0倍に横延伸し、さらに同テンターにより210℃の雰囲気中で熱処理して厚さ15μmのフィルムを得た。各層の厚さは3/2/5/2/3(μm)であった。
実施例1〜7及び比較例1〜5に記載の5層フィルムについて、下記の特性を評価した。その結果を表2に示す。
24時間の製膜において延伸破断の発生した回数を数え、以下のように評価した。
形が錐状のアルミ製の治具に、テープ等を用いてフィルムを装着し、錐状の治具の頂点を、フィルムを介してボール紙(コクヨCampus 板目 美膿判用 430g/m2)に接触させた。頂点のRは摺動方向R=0.1〜1.0mm、摺動方向と直角の方向R=0.1〜1.0mmとした。次に、治具に63gの荷重を乗せた。湿度65%の条件下で、治具を2700mm/分の速度で、かつ移動距離45mmの範囲でボール紙に対して平行に摺動させ、摺動回数50回単位で測定し、ピンホールが開いた時点での回数を測定した。例えば、300回で開いて250回で開かない場合は300回とした。
なお、図1に測定装置の模式図を示す。また、図2に錐状のアルミ製治具の一例を示す。
理化学工業(株)製のゲルボフレックステスターを用いて測定した。折り径150mm、長さ300mmの筒状に製袋したフィルムをゲルボフレックステスターに装着し、3.5インチ移動する間に440度の捻りを与え、その後2.5インチの直進水平運動を行い、その後元に戻る工程を5℃の条件下で1000回繰り返した後、それぞれ浸透液を用いてピンホールの数を調べた。なお、ピンホール数の測定はサンプルの中央部における300cm2の箇所で行った。3枚のサンプルについてピンホールの数を測定し、その平均値を示す。
実際の製品を想定し、フィルムとシーラントフィルムとしてCPPフィルム(未延伸フィルム)の50μmとのドライラミネート品を作成し、ラミネート部分を10mm幅で剥離し、以下のように評価した。
酸素透過度は、測定条件(20℃×65%RH)において、JIS K 7126−2に従い測定した。なお、測定装置はOX−TRAN MODEL2/21(MOCON社製)を用いた。
×:90ml/m2・d・MPa以上
Claims (4)
- ポリメタキシリレンアジパミドの含有量が、ナイロン6の含有量100重量部に対して0.3〜10重量部である、ナイロン6及びポリメタキシリレンアジパミドを含む樹脂組成物から形成されるポリアミド層(A)、
ポリメタキシリレンアジパミドの含有量が、ナイロン6の含有量100重量部に対して0.3〜5重量部である、ナイロン6及びポリメタキシリレンアジパミドを含む樹脂組成物から形成されるポリアミド層(B)、並びに
ナイロン6及び耐屈曲剤の含有量が、ポリメタキシリレンアジパミドの含有量100重量部に対して、ナイロン6が5〜45重量部であり、耐屈曲剤が0.3〜10重量部である、ナイロン6、耐屈曲剤及びポリメタキシリレンアジパミドを含む樹脂組成物から形成されるバリア層(C)を含むポリアミド系多層フィルムであって、
ポリアミド層(A)、ポリアミド層(B)、及びバリア層(C)が、A/B/C/B/Aの順で積層されたポリアミド系多層フィルム。 - ポリアミド層(A)を形成する樹脂組成物が、さらに、ナイロン6及びポリメタキシリレンアジパミド以外のナイロンを含有し、
ナイロン6及びポリメタキシリレンアジパミド以外のナイロンの含有量が、ナイロン6の含有量100重量部に対して、0.3〜10重量部含有する請求項1に記載のポリアミド系多層フィルム。 - ナイロン6及びポリメタキシリレンアジパミド以外のナイロンが、アモルファスナイロン、又はナイロン6/6,6共重合体である請求項2に記載のポリアミド系多層フィルム。
- 耐屈曲剤が、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド系多層フィルム。
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