JP4936847B2 - ポリアミド系多層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、食品等の包装に用いられるポリアミド系多層フィルムに関する。
ナイロン樹脂を含むポリアミド系多層フィルムは、ガスバリア性、強靱性、耐ピンホール性等に優れ、各方面で多用されている。特に、食品等の包装フィルムに用いられる場合には、内容物の変質や商品価値の低下を防止するために、高い保香性、防湿性、ガスバリア性、強靱性、耐摩耗性等が求められ、様々な改良が加えられたフィルムが知られている(例えば特許文献1を参照)。
しかしながら、このようなフィルムは、所望の特性を付与するために構成する層の数を増加させることによって対応することが多い。構成する層の数が増加すると、フィルムの厚みを調整することが難しく、そのため製造に手間がかかり、生産コストの増大を招くという問題があった。また、フィルムを構成する層数の増加によって、フィルム製造に要する設備が複雑になって設備投資が大きくなること、設備の整備、保全に手間がかかること等も問題視されていた。
このような背景から、構成する層の数が少なく、かつガスバリア性、強靱性、耐ピンホール性等に優れたフィルムが求められていた。
特開平7−89025
本発明は、ポリアミド層/バリア層/ポリアミド層の3層からなり、延伸性、耐ピンホール性等に優れたポリアミド系多層フィルムを提供することを主な目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ポリアミド層/バリア層/ポリアミド層の3層からなるポリアミド系多層フィルムにおいて、ポリアミド層に特定の樹脂の組み合わせからなるブレンド樹脂を用いることによって、延伸性及び耐ピンホール性に優れたポリアミド系多層フィルムが得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づき、さらに研究を重ねた結果、完成されたものである。
本発明は、以下のポリアミド系多層フィルム、該フィルムを用いた包装用袋を提供するものです。
項1.ポリアミド層/バリア層/ポリアミド層の3層からなるポリアミド系多層フィルムであって、該ポリアミド層が、50〜97重量%のナイロン6、3〜30重量%のナイロン6−66共重合体及び0〜20重量%の芳香族ポリアミドの混合物から構成されるポリアミド系多層フィルム。
項2.前記芳香族ポリアミドが、結晶性芳香族ポリアミド又は非晶性芳香族ポリアミドである、項1に記載のポリアミド系多層フィルム。
項3.前記結晶性芳香族ポリアミドがポリメタキシレンアジパミド(MXD−ナイロン)である、項1又は2に記載のポリアミド系多層フィルム。
項4.前記非晶性芳香族ポリアミドがヘキサメチレンジアミン−テレフタル酸−ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸の共重合体である、項1又は2に記載のポリアミド系多層フィルム。
項5.前記ナイロン6−66共重合体におけるナイロン66の共重合比率が、5〜40モル%である、項1〜4のいずれかに記載のポリアミド系多層フィルム。
項6.MD方向に2.5〜4.5倍、TD方向に2.5〜5倍に二軸延伸して得られる多層フィルムである、項1〜5のいずれかに記載のポリアミド系多層フィルム。
項7.前記ポリアミド系多層フィルムの総厚みが、10〜50μmである、項1〜6のいずれかに記載のポリアミド系多層フィルム。
項8.一方の面に、シール層をラミネートした項1〜7のいずれかに記載のポリアミド系多層フィルム。
項9.項1〜8のいずれかに記載のポリアミド系多層フィルムの両端を、円筒状になるように接着して筒状物とし、さらに該筒状物の開口部の一端を接着して得られる包装用袋。
項10.食品包装用である、項9に記載の包装用袋。
本発明によれば、3層(ポリアミド層/バリア層/ポリアミド層)という極めて単純な構成であっても、優れた延伸性及び耐ピンホール性を有するポリアミド系多層フィルムを提供することができる。すなわち、本発明のポリアミド系多層フィルムは、高い延伸性に加え、耐摩耗性、突刺強度、衝撃強度、耐屈曲性に優れたものである。このような優れた特徴を有する本発明のフィルムは、包装用袋として搬送、運搬される場合でも摩耗等によるピンホールを生じにくく、特に食品の包装用袋として好適に使用され得る。
また、本発明のフィルムは、構成する層の数が少なく、単純な構造となっていることから、フィルムの厚みを調整しやすく、生産工程が単純であるため、生産コストや設備投入に必要なコストを低く抑えることが可能である。
1.ポリアミド系多層フィルム
本発明のポリアミド系多層フィルムは、ポリアミド層/バリア層/ポリアミド層の3層からなる多層フィルムである。
(1)ポリアミド層
本発明のポリアミド系多層フィルムにおいて、ポリアミド層は、(i)ナイロン6及びナイロン6−66共重合体、又は(ii)ナイロン6、ナイロン6−66共重合体及び芳香族ポリアミドの組み合わせからなる。
ナイロン6は、ポリカプラミドとも呼ばれるものであり、商業的に入手可能なものを用いることができ、特に限定されないが、JISK 6810に準じ、96%HSO、1.0g/100ml、温度25℃の条件で相対粘度2〜6、好ましくは2〜5のものを用いることが好ましい。このようなナイロン6としては、例えば1022FDX04(宇部興産株式会社製)等が挙げられる。ポリアミド層におけるナイロン6の配合量としては、50〜97重量%程度、好ましくは65〜97重量%程度、より好ましくは70〜95重量%程度である。
ナイロン6−66共重合体は、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体とも呼ばれるものであり、商業的に入手可能なものを用いることができ、特に限定されないが、JISK 6810に準じ、96%HSO、1.0g/100ml、温度25℃の条件で相対粘度2〜6、好ましくは2〜5のものを用いることが好ましい。このようなナイロン6−66共重合体としては、例えば5034B(宇部興産株式会社製)等を用いることができる。該ナイロン6−66共重合体におけるナイロン66の共重合比率は、5〜40モル%程度、好ましくは5〜30モル%程度、より好ましくは10〜25モル%程度である。また、ポリアミド層におけるナイロン6−66共重合体の配合量は、3〜30重量%程度、好ましくは3〜25重量%程度、より好ましくは5〜20重量%程度である。
芳香族ポリアミドとしては、従来公知のものを用いることができるが、例えば、結晶性芳香族ポリアミド、非晶性芳香族ポリアミド等が挙げられる。
結晶性芳香族ポリアミドとしては、例えば、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン等の芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる結晶性芳香族ポリアミドが挙げられ、好ましくは、ポリメタキシレンアジパミド(MXD−ナイロン)等である。
また、非晶性芳香族ポリアミドとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンとテレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる非晶性芳香族ポリアミド(アモルファスナイロン)等が挙げられ、好ましくはヘキサメチレンジアミン-テレフタル酸-ヘキサメチレンジアミン-イソフタル酸の共重合体等である。
ポリアミド層における芳香族ポリアミドの配合量は、0〜20重量%程度、好ましくは0〜15重量%程度、より好ましくは0〜10重量%程度である。
本発明の多層フィルムにおけるポリアミド層の構成として好ましい組み合わせは、例えば、50〜97重量%のナイロン6;3〜30重量%のナイロン6−66共重合体;0〜20重量%の芳香族ポリアミドである。
(2)バリア層
本発明の多層フィルムを構成するバリア層には、エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)を主成分とする。
EVOHとしては、特に限定されないが、エチレン含量55モル%以下、好ましくは20〜50モル%程度、より好ましくは26〜44モル%程度であって、酢酸ビニル成分のけん化度が90モル%程度以上、好ましくは95モル%程度以上のものが好適に用いられる。
また、EVOHには、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で、更に少量のプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン;不飽和カルボン酸又はその誘導体(例えば、塩、部分アルキルエステル、完全アルキルエステル、ニトリル、アミド、無水物);不飽和スルホン酸又はその塩等のコモノマーを含んでいても差支えない。
また、EVOHのメルトインデックス(MI)は、0.5〜50g/10分(210℃、2160g荷重)が好ましく、更には1〜35g/10分(同上)が好ましい。かかるMIが0.5g/10分(同上)以上の粘度であれば溶融押出しに支障がない粘度であり、逆に50g/10分(同上)以下であれば製膜性の低下を抑制することができる。
バリア層は、EVOHからなるものであってもよいが、さらに本発明の効果に悪影響を与えない範囲で、脂肪族アミド、変性エチレン酢酸ビニル共重合体、メタクリル酸共重合体アイオノマー等の他の成分を含有していてもよい。バリア層に他の成分を含有する場合、この成分の含有量は、通常、EVOH又は芳香族ポリアミド100重量部に対して15重量部以下、好ましくは1〜7.5重量部程度であるのが好ましい。
以上のような3層を含む本発明のポリアミド系多層フィルムの総厚みは、10〜50μm程度、好ましくは10〜30μm程度、より好ましくは12〜25μm程度、さらに好ましくは12〜20μm程度である。また、2層のポリアミド層の厚み合計は、3〜49μm程度、好ましくは6〜29μm程度、より好ましくは8〜24μm程度、さらに好ましくは10〜15μm程度である。バリア層の厚みは、1〜20μm程度、好ましくは1〜15μm程度、より好ましくは1〜10μm程度、さらに好ましくは1〜5μm程度である。
2.ポリアミド系多層フィルムの製造方法
本発明のポリアミド系多層フィルムは、従来公知の方法に従って製造することができるが、例えば、ポリアミド層/バリア層/ポリアミド層の順になるようにTダイスより冷却水が循環するチルロール上に共押出せしめ、フラット状の多層(3層)フィルムを得る。得られたフィルムを、例えば50〜80℃のロール延伸機により2.5〜4.5倍程度にMD方向に延伸し、更に80〜140℃の雰囲気のテンター延伸機により2.5〜5倍程度にTD方向に延伸し、引き続いて同テンターにより180〜220℃雰囲気中で熱処理して得ることができる。本発明の多層フィルムは、二軸延伸によって延伸することが好ましく、逐次二軸延伸、同時二軸延伸のいずれの方法を採用してもよい。得られた多層フィルムは、必要ならばその両表面又は片表面にコロナ放電処理を施すこともできる。
3.ポリアミド系多層フィルムの特徴
上記のようにして製造される本発明のポリアミド系多層フィルムは、高い延伸性に加え、耐摩耗性、突刺強度、衝撃強度、耐屈曲性、耐熱収縮性を有することから耐ピンホール性に優れている。従って、本発明の多層フィルムは、包装用フィルムとして好適に用いられる。
本発明のポリアミド系多層フィルムは、具体的には、以下のように優れた特性を有している。
(i)延伸性
本発明のポリアミド系多層フィルムは、24時間の製膜において、延伸破断の発生が、2回以下、さらには1回以下であるという特徴を有する。
(ii)耐摩耗性
本発明のポリアミド系多層フィルムは、繰り返し接触による耐摩耗性に優れている。この「繰り返し接触による耐摩耗性」については、後述の実施例に記載の方法により評価する。
具体的には、錐状のアルミ製治具に多層フィルムを装着し、錐状の頂点を多層フィルムを介してボール紙に接触させる。次に、治具に10〜120gの荷重を載せて湿度65%RHの条件下、2700mm/分の速度で、移動距離45mmの範囲で摺動させて、ピンホールが開くまでの摺動回数を数える(例えば、図1を参照)。ピンホールの発生は、フィルムに治具の頂点が当たっていたところに浸透液を滴下して判定する。かかる測定条件において、本発明の多層フィルムでは、荷重63gのとき、ピンホールが開くまでの摺動回数が、350回以上、さらには400回以上である。300回以下であると、耐磨耗性能が低く実際の輸送時等による繰り返しの磨耗によりピンホールが発生し易くなる。
(iii)突刺強度
本発明のポリアミド系多層フィルムは、JISZ−1707による突刺強度の測定に置いて、7N以上、さらに8N以上という特徴を有する。
(iv)衝撃強度
本発明のポリアミド系多層フィルムは、インパクトテスターによる衝撃強度測定において、0.7J以上、さらに0.8J以上であるという特徴を有する。
(v)耐屈曲性
本発明のポリアミド系多層フィルムは、23℃又は5℃×1,000回のゲルボフレックス試験で発生するピンホールの個数が、23℃の場合4個/300cm以下、さらに2個/300cm以下;5℃の場合12個/300cm以下、さらに6個/300cm以下であるという特徴を有している。屈曲によるピンホールの評価は、試験例1に記載の通りである。
(vi)熱収縮率
MD×TD=100mm×100mmの本発明のポリアミド系多層フィルムを、沸騰水で30秒間処理した後の熱収縮率が、MD方向で2%未満、さらに1.6%未満であり、TD方向で1.2%未満、さらに0.6%未満であるという特徴を有する。
包装用袋として本発明のポリアミド系多層フィルムを使用する場合、例えば、フィルムを円筒状になるように、隙間なくフィルムどうしが密着するように両端を接着して筒状物とし、さらに該筒状物の開口部の一端を同様に接着して、包装用袋を得ることができる。
このとき予めポリアミド系多層フィルムの一方の面にシール層をラミネートしておくことが好ましい。また、特に限定されないが、フィルムの両端を円筒状になるように接着する際、フィルムのTD方向を円周となるように接着することが望ましい。TD方向の熱収縮率が大きいと、袋の下端又は上端が縮みすぎて見た目が悪いものとなり、袋として使用が不可能になってしまう場合もある。本発明の多層フィルムは、熱収縮率が小さいためにこのような問題を生じることがなく、商品価値、需用者の購買意欲等を高められるものである。
ここで、シール層としては、ヒートシール性を有する樹脂フィルムであればよく、例えば、LLDPE、LDPE、CPP、EVA等のポリオレフィン等、従来公知のものが挙げられる。ポリアミド系多層フィルムとシール層とをラミネートする方法は、公知の方法を採用することができる。また、ヒートシールする方法も公知の方法を採用することができる。
包装する内容物について特に限定は無いが、特に、餅、ウィンナー、調味料等の重量のある食品や、低温の状態で輸送される冷凍食品等を包装する場合に、本発明の効果が顕著に発揮される。
以下、実施例等を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
下記表1に示される組成のポリアミド層と、バリア層としてEVOHを用いたポリアミド系多層フィルムを製造した。製造方法は、以下の通りである。
(実施例1)
ナイロン6(95重量%:1022FDX04(宇部興産株式会社製))及びナイロン6−66共重合体(5重量%;ナイロン66の共重合比率20モル%:5034B(宇部興産株式会社製))を配合して第1層及び第3層を構成する樹脂組成物を製造した。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(エチレン含有量32モル%、けん化度99モル%:DC3203FB(日本合成株式会社製))を第2層を構成する樹脂として用いた。エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物のメルトインデックスは、3.2g/10分(210℃、2160g荷重)である。
各層を構成する樹脂組成物を、第1層/第2層/第3層の順序になるように、Tダイスより冷却水が循環するチルロール上に共押出しせしめて、フラット状の3層フィルムを得た。この3層フィルムを、65℃のロール延伸機により3.0倍にMD方向に延伸し、次いで110℃の雰囲気のテンター延伸機により4.0倍にTD方向に延伸し、さらに同テンターにより210℃の雰囲気中で熱処理して厚さ15μmのフィルムを得た。各層の厚みは6.5/2/6.5(μm)であった。
(実施例2〜5及び比較例1〜6)
実施例2〜5及び比較例1〜6のフィルムを、下記表1の組成に従って、上記実施例1と同じ方法で製造した。各フィルムの厚みも、15μm(各層厚み6.5μm/2μm/6.5μm)であった。
Figure 0004936847
表1中、アモルファスナイロンは、ヘキサメチレンジアミン-テレフタル酸-ヘキサメチレンジアミン-イソフタル酸の共重合体を用いた。
試験例
上記の様にして得られたポリアミド系多層フィルムを、以下の方法に従って評価した。
(1)延伸性
24時間の製膜において延伸破断の発生した回数により、延伸性を評価した。評価基準は以下の通りである。
破断発生回数:0〜1回…○ 2回…△ 3回以上…×
(2)耐摩耗性
グンゼ法により評価した。具体的には、以下の通りである。
形が錐状のアルミ製の治具に、テープ等を用いてフィルムを装着し、錐状の治具の頂点を、フィルムを介してボール紙(コクヨCampus 板目 美膿判用 430g/m)に接触させた。頂点のRは摺動方向R=0.1〜1.0mm、摺動方向と直角の方向R=0.1〜1.0mmとした。次に、治具に63gの荷重を乗せた。湿度65%の条件下で、治具を2700mm/分の速度で、かつ移動距離45mmの範囲でボール紙に対して平行に摺動させ、ピンホールができるまでの摺動回数を数えた。ピンホールの発生は、フィルムに治具の頂点が当たっていたところに浸透液を滴下して、白色紙の上で浸透するか否かにより判定した。
図1に測定装置の模式図を示す。また、図2に錐状のアルミ製治具の一例を示す。
耐摩耗性(摺動回数)は、50回単位で測定し、穴が開いた時点での回数で評価した(例えば、400回で開いて350回で開かない場合は、400回とした)。
摺動回数:400回以上…○ 350回…△ 300回以下…×
(3)突刺強度
JIS Z−1707に従って測定した。
8N以上…○ 7N以上〜8N未満…△ 7N未満…×
(4)衝撃強度
フィルムインパクトテスター[(株)東洋精機製作所製]によって、各フィルムの衝撃強度を測定した。
0.8J以上…○ 0.7J以上〜0.8J未満…△ 0.7J未満…×
(5)耐屈曲性
屈曲によるピンホール性の評価は、理化学工業(株)製のゲルボフレックステスターを用いて行った。その方法は、折り径150mm、長さ300mmの筒状に製袋したフィルムをゲルボフレックステスターに装着し、捻り角度440°で62.5cmの直線水平運動を常温(23℃又は5℃)条件下で1000回繰り返した後、浸透液を用いてピンホールの数を調べるものである。なお、ピンホール数の測定は、捻り屈曲を行ったサンプル中央部分の300cmの箇所で行った。3枚のサンプルについてピンホールの数を測定し、その平均値を求めた。
23℃(1,000回):0〜2個…○ 3〜4個…△ 5個以上…×
5℃ (1,000回):0〜6個…○ 7〜12個…△ 13個以上…×
(6)熱収縮率
MD×TD=100mm×100mmのサンプルを沸騰水で30秒間処理し、処理後の収縮率を測定した。
MD:1.6%未満…○ 1.6%以上〜2.0%未満…△ 2.0%以上…×
TD:0.6%未満…○ 0.6%以上〜1.2%未満…△ 1.2%以上…×

以上の評価結果を表2に示す。
Figure 0004936847
上記評価において、△以上を合格とした。本発明のポリアミド系多層フィルムは、延伸性、耐摩耗性、突刺強度、衝撃強度、耐屈曲性及び熱収縮率の全てにおいて優れた特性を有するものであることが確認された。
耐摩耗性評価に用いた測定装置の模式図を示す 錐状のアルミ製治具の一例を示す図である。

Claims (9)

  1. ポリアミド層/バリア層/ポリアミド層の3層からなるポリアミド系多層フィルムであって、該ポリアミド層が、50〜97重量%のナイロン6、3〜30重量%のナイロン6−66共重合体及び0〜20重量%の芳香族ポリアミドの混合物から構成され、該ナイロン6−66共重合体におけるナイロン66の共重合比率が、5〜40モル%である、ポリアミド系多層フィルム。
  2. 前記芳香族ポリアミドが、結晶性芳香族ポリアミド又は非晶性芳香族ポリアミドである、請求項1に記載のポリアミド系多層フィルム。
  3. 前記結晶性芳香族ポリアミドがポリメタキシレンアジパミド(MXD−ナイロン)である、請求項1又は2に記載のポリアミド系多層フィルム。
  4. 前記非晶性芳香族ポリアミドがヘキサメチレンジアミン−テレフタル酸−ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸の共重合体である、請求項1又は2に記載のポリアミド系多層フィルム。
  5. MD方向に2.5〜4.5倍、TD方向に2.5〜5倍に二軸延伸して得られる多層フィルムである、請求項1〜のいずれかに記載のポリアミド系多層フィルム。
  6. 前記ポリアミド系多層フィルムの総厚みが、10〜50μmである、請求項1〜のいずれかに記載のポリアミド系多層フィルム。
  7. 一方の面に、シール層をラミネートした請求項1〜のいずれかに記載のポリアミド系多層フィルム。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のポリアミド系多層フィルムの両端を、円筒状になるように接着して筒状物とし、さらに該筒状物の開口部の一端を接着して得られる包装用袋。
  9. 食品包装用である、請求項に記載の包装用袋。
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