JP3059194B2 - 熱水処理包装用ガスバリヤー性積層フィルム - Google Patents
熱水処理包装用ガスバリヤー性積層フィルムInfo
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- JP3059194B2 JP3059194B2 JP2156148A JP15614890A JP3059194B2 JP 3059194 B2 JP3059194 B2 JP 3059194B2 JP 2156148 A JP2156148 A JP 2156148A JP 15614890 A JP15614890 A JP 15614890A JP 3059194 B2 JP3059194 B2 JP 3059194B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱水処理包装用ガスバリヤー性積層フィル
ムに関するものであり、詳しくは、ポリアミド層/ガス
バリヤー層/ポリアミド層の順に積層した二軸延伸フィ
ルムより成り、ガスバリヤー層の原料として特定の樹脂
組成物を使用した熱水処理包装用ガスバリヤー性積層フ
ィルムに関するものである。
ムに関するものであり、詳しくは、ポリアミド層/ガス
バリヤー層/ポリアミド層の順に積層した二軸延伸フィ
ルムより成り、ガスバリヤー層の原料として特定の樹脂
組成物を使用した熱水処理包装用ガスバリヤー性積層フ
ィルムに関するものである。
従来より、包装用フィルムとしては、各種のものが提
案され実用に供されている。
案され実用に供されている。
そして、ガスバリヤー性の包装用フィルムについても
数多くの提案がなされている。
数多くの提案がなされている。
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(以
下、EVOHと略する)フィルムの一方の面に低密度ポチレ
ンフィルムを積層し、他方の面にポリプロピレン、ナイ
ロン、ポリエステル等のフィルムを積層することによ
り、EVOHのガスバリヤー特性を維持しながら、落下強
度、熱成形性、防湿性などのEVOHの欠点を改良する提案
(特公昭49−6192号公報)、EVOHにポリアミドを混合す
ることにより、EVOHの耐衝撃性や延伸性の欠点を改良す
る提案(特公昭44−24277号公報)、同目的のために、E
VOHにポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体を混
合する提案(特公昭60−139733号公報、特公昭60−1614
53号公報)、EVOHにガス転移温度(Tg)が−150〜25℃
であり結晶融解熱(ΔHu)が30J/g以下の熱可塑性ポリ
エステルを混合することにより、EVOHの耐屈曲疲労性、
延伸性、熱成形性の欠点を改良する提案(特公昭63−21
8352号公報)等がなされている。
下、EVOHと略する)フィルムの一方の面に低密度ポチレ
ンフィルムを積層し、他方の面にポリプロピレン、ナイ
ロン、ポリエステル等のフィルムを積層することによ
り、EVOHのガスバリヤー特性を維持しながら、落下強
度、熱成形性、防湿性などのEVOHの欠点を改良する提案
(特公昭49−6192号公報)、EVOHにポリアミドを混合す
ることにより、EVOHの耐衝撃性や延伸性の欠点を改良す
る提案(特公昭44−24277号公報)、同目的のために、E
VOHにポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体を混
合する提案(特公昭60−139733号公報、特公昭60−1614
53号公報)、EVOHにガス転移温度(Tg)が−150〜25℃
であり結晶融解熱(ΔHu)が30J/g以下の熱可塑性ポリ
エステルを混合することにより、EVOHの耐屈曲疲労性、
延伸性、熱成形性の欠点を改良する提案(特公昭63−21
8352号公報)等がなされている。
上記のガスバリヤー性の包装用フィルムは、酸素によ
る変質を嫌う内容物、例えば、食品、薬品等の包装に好
適である。
る変質を嫌う内容物、例えば、食品、薬品等の包装に好
適である。
ところで、特に、食品等の包装においては、例えば、
レトルト食品の包装のように、加熱殺菌の目的で包装後
に95℃以上の熱水で処理することがある。
レトルト食品の包装のように、加熱殺菌の目的で包装後
に95℃以上の熱水で処理することがある。
従って、斯かる熱水処理包装用フィルムとしては、前
記のガスバリヤー性と共に耐ボイル性が要求される。
記のガスバリヤー性と共に耐ボイル性が要求される。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、上記のいずれの提案も、EVOHのガスバ
リヤー性を維持しながら、その機械物性や成形性の改良
に関するものであり、ガスバリヤー性を維持しながら、
耐ボイル性を改良した包装用フィルムの提案は余りなさ
れていない状況にある。
リヤー性を維持しながら、その機械物性や成形性の改良
に関するものであり、ガスバリヤー性を維持しながら、
耐ボイル性を改良した包装用フィルムの提案は余りなさ
れていない状況にある。
そして、実際に、例えば、前記特公昭49−6192号公報
にて提案された代表的なガスバリヤー性積層フィルム、
すなわち、ポリアミド層/EVOH層/ポリアミド層の順に
積層した二軸延伸フィルムよりなるフィルムは、これを
熱水処理包装用フィルムとして使用した場合は、耐ボイ
ル性に劣るためにフィルムが白化するという欠点があ
り、ガスバリヤー性の優れた包装用フィルムは、同時に
耐ボイル性を満足すると言うのではなく、ガスバリヤー
性と耐ボイル性とは独立した特性である。
にて提案された代表的なガスバリヤー性積層フィルム、
すなわち、ポリアミド層/EVOH層/ポリアミド層の順に
積層した二軸延伸フィルムよりなるフィルムは、これを
熱水処理包装用フィルムとして使用した場合は、耐ボイ
ル性に劣るためにフィルムが白化するという欠点があ
り、ガスバリヤー性の優れた包装用フィルムは、同時に
耐ボイル性を満足すると言うのではなく、ガスバリヤー
性と耐ボイル性とは独立した特性である。
このことは、本発明者等によって得られた次の第1表
に示す試験結果より明らかにされている。
に示す試験結果より明らかにされている。
第1表は、市販のEVOH二軸延伸フィルム(クラレ
(株)製エバールEF−XL 15μ)及び市販のナイロン二
軸延伸フィルム(三菱モンサント化成(株)製サンニー
トルSN−15 15μ)の物理的性質の測定結果を示したも
のである。
(株)製エバールEF−XL 15μ)及び市販のナイロン二
軸延伸フィルム(三菱モンサント化成(株)製サンニー
トルSN−15 15μ)の物理的性質の測定結果を示したも
のである。
第1表中の各試験法は、後記実施例に記載した試験方
法である。
法である。
第1表から明らかなように、EVOH二軸延伸フィルム
は、ガスバリヤー性に優れるが、耐ボイル性に劣る。一
方、ナイロン二軸延伸フィルムは、ガスバリヤー性に劣
るが、耐ボイル性に優れる。
は、ガスバリヤー性に優れるが、耐ボイル性に劣る。一
方、ナイロン二軸延伸フィルムは、ガスバリヤー性に劣
るが、耐ボイル性に優れる。
本発明の目的は、ガスバリヤー性を維持しながら耐ボ
イル性を改良した、熱水処理包装用ガスバリヤー性積層
フィルムを提供することにある。
イル性を改良した、熱水処理包装用ガスバリヤー性積層
フィルムを提供することにある。
本発明者等は、上記実情に鑑み鋭意検討を重ねた結
果、前記特公昭63−218352号公報にて提案された特定の
EVOH、すなわち、ガラス転移温度(Tg)が−150〜25℃
であり結晶融解熱(ΔHu)が30J/g以下の熱可塑性ポリ
エステルを混合してなるEVOH、または、特開平1−2845
24号にて提案された相溶化剤、すなわち、不飽和カルボ
ン酸類をグラフト重合したポリオレフィン類とポリアミ
ドのモノアミノ化オリゴマーとの反応物より成る相溶化
剤をポリオレフィン樹脂に混合して樹脂組成物となし、
これを混合してなるEVOHは、意外にも、顕著な耐ボイル
性を有し、従って、斯かるEVOHをガスバリヤー層の原料
とするならば、熱水処理包装用として優れたガスバリヤ
ー性積層フィルムが得られるとの知見を得た。
果、前記特公昭63−218352号公報にて提案された特定の
EVOH、すなわち、ガラス転移温度(Tg)が−150〜25℃
であり結晶融解熱(ΔHu)が30J/g以下の熱可塑性ポリ
エステルを混合してなるEVOH、または、特開平1−2845
24号にて提案された相溶化剤、すなわち、不飽和カルボ
ン酸類をグラフト重合したポリオレフィン類とポリアミ
ドのモノアミノ化オリゴマーとの反応物より成る相溶化
剤をポリオレフィン樹脂に混合して樹脂組成物となし、
これを混合してなるEVOHは、意外にも、顕著な耐ボイル
性を有し、従って、斯かるEVOHをガスバリヤー層の原料
とするならば、熱水処理包装用として優れたガスバリヤ
ー性積層フィルムが得られるとの知見を得た。
本発明は、上記の知見に基ずき完成されたものであ
り、その発明の要旨は、ポリアミド層/ガスバリヤー層
/ポリアミド層の順に積層した二軸延伸フィルムより成
り、ガスバリヤー層は、エチレン含有量20〜50モル%、
けん化度95モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体
けん化物100重量部に対し、以下に規定する(A)又は
(B)成分を0.5〜30重量部の割合で混合して成る樹脂
組成物にて構成されていることを特徴とする熱水処理包
装用ガスバリヤー性積層フィルムに存する。
り、その発明の要旨は、ポリアミド層/ガスバリヤー層
/ポリアミド層の順に積層した二軸延伸フィルムより成
り、ガスバリヤー層は、エチレン含有量20〜50モル%、
けん化度95モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体
けん化物100重量部に対し、以下に規定する(A)又は
(B)成分を0.5〜30重量部の割合で混合して成る樹脂
組成物にて構成されていることを特徴とする熱水処理包
装用ガスバリヤー性積層フィルムに存する。
(A)ガラス転移温度(Tg)が−150〜25℃であり、結
晶融解熱(ΔHu)が30J/g以下の熱可塑性ポリエステル (B)ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、不飽和カ
ルボン酸類をグラフト重合したポリオレフィン類とポリ
アミドのモノアミノ化オリゴマーとの反応物を1〜10重
量部の割合で混合して成るポリオレフィン樹脂組成物 以下、本発明を詳細に説明する。本発明の熱水処理包
装用ガスバリヤー性積層フィルムは、ポリアミド層/ガ
スバリヤー層/ポリアミド層の順に積層した二軸延伸フ
ィルムより成り、そして、ガスバリヤー層の原料とし
て、特定の樹脂組成物を使用したものである。
晶融解熱(ΔHu)が30J/g以下の熱可塑性ポリエステル (B)ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、不飽和カ
ルボン酸類をグラフト重合したポリオレフィン類とポリ
アミドのモノアミノ化オリゴマーとの反応物を1〜10重
量部の割合で混合して成るポリオレフィン樹脂組成物 以下、本発明を詳細に説明する。本発明の熱水処理包
装用ガスバリヤー性積層フィルムは、ポリアミド層/ガ
スバリヤー層/ポリアミド層の順に積層した二軸延伸フ
ィルムより成り、そして、ガスバリヤー層の原料とし
て、特定の樹脂組成物を使用したものである。
先ず、ポリアミド層を構成する原料ポリアミド樹脂に
ついて説明する。
ついて説明する。
本発明で使用されるポリアミド樹脂は、一般的には、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6/66、
芳香族ナイロン等である。
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6/66、
芳香族ナイロン等である。
上記のポリアミド樹脂の原料としては、具体的には、
ε−カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラク
タム、ラウリルラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリ
ドンのようなラクタム類、6−アミノカプロン酸、7−
アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウ
ンデカン酸のようなωアミノ酸類または二塩基酸とジア
ミンとのナイロン塩が使用される。
ε−カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラク
タム、ラウリルラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリ
ドンのようなラクタム類、6−アミノカプロン酸、7−
アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウ
ンデカン酸のようなωアミノ酸類または二塩基酸とジア
ミンとのナイロン塩が使用される。
そして、上記のような二塩基酸としては、マンロ酸、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン
酸、ドデカンジオン酸、トリデカンジオン酸、テトラデ
カンジオン酸、ヘキサデカンジオン酸、ヘキサデセンジ
オン酸、オクタデカンジオン酸、オクタデセンジオン
酸、エイコサジオン酸、エイコセンジオン酸、ドコサン
ジオン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸のような脂肪
族カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のよ
うな脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、キシリレンジカルボン酸のような芳香族
ジカルボン酸等が挙げられ、ジアミンとしては、エチレ
ンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ヘプタメチレンジアミン、オタクメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウ
ンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ト
リデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミ
ン、オクタデカメチレンジアミン、2,2,4(または2,4,
4)−トリメチルヘキサメチレンジアミンのような脂肪
族ジアミン、シクロヘキサンザアミン、メチルシクロヘ
キサンジアミン、ビスー(4,4′アミノシクロヘキシ
ル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミ
ンのような芳香族ジアミン等が挙げられる。
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン
酸、ドデカンジオン酸、トリデカンジオン酸、テトラデ
カンジオン酸、ヘキサデカンジオン酸、ヘキサデセンジ
オン酸、オクタデカンジオン酸、オクタデセンジオン
酸、エイコサジオン酸、エイコセンジオン酸、ドコサン
ジオン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸のような脂肪
族カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のよ
うな脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、キシリレンジカルボン酸のような芳香族
ジカルボン酸等が挙げられ、ジアミンとしては、エチレ
ンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ヘプタメチレンジアミン、オタクメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウ
ンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ト
リデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミ
ン、オクタデカメチレンジアミン、2,2,4(または2,4,
4)−トリメチルヘキサメチレンジアミンのような脂肪
族ジアミン、シクロヘキサンザアミン、メチルシクロヘ
キサンジアミン、ビスー(4,4′アミノシクロヘキシ
ル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミ
ンのような芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明で使用するポリアミド樹脂には、本発明の趣旨
を越えない限り、各種の安定剤、フィラー、顔料、染
料、滑剤、ブロッキング防止剤あるいは各種熱可塑性樹
脂等の周知の添加剤を配合してもよい。
を越えない限り、各種の安定剤、フィラー、顔料、染
料、滑剤、ブロッキング防止剤あるいは各種熱可塑性樹
脂等の周知の添加剤を配合してもよい。
次に、ガスバリヤー層を構成する原料樹脂組成物につ
いて説明する。
いて説明する。
本発明は、ガスバリヤー層の原料として、EVOHに特定
の成分を特定量で混合して成る樹脂組成物を使用する。
の成分を特定量で混合して成る樹脂組成物を使用する。
本発明で使用されるEVOHは、エチレン−酢酸ビニル共
重合体をけん化して製造されるものである。
重合体をけん化して製造されるものである。
そして、EVOHは、エチレン含有量が20〜70mol %、好
ましくは25〜50mol %、酢酸ビニル成分のけん化度が95
mol %以上、好ましくは98mol %以上のものが使用され
る。エチレン含有量が20mol %未満の場合は、溶融押出
性が劣り、着色し易く、一方、70mol %を超える場合
は、酸素遮断性や印刷適性等の物性が劣化する。また、
けん化度が95mol %未満の場合は、酸素遮断性や耐湿性
が低下する。
ましくは25〜50mol %、酢酸ビニル成分のけん化度が95
mol %以上、好ましくは98mol %以上のものが使用され
る。エチレン含有量が20mol %未満の場合は、溶融押出
性が劣り、着色し易く、一方、70mol %を超える場合
は、酸素遮断性や印刷適性等の物性が劣化する。また、
けん化度が95mol %未満の場合は、酸素遮断性や耐湿性
が低下する。
上記のEVOHは、少量のプロピレン、イソブテン、α−
オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オ
フィレン、不飽和カルボン酸、その塩、部分アルキルエ
ステルもしくは完全アルキルエステル、ニトリル、アミ
ド、無水物、不飽和スルホン酸またはその塩等のコモノ
マーを含んでいても差し支えない。
オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オ
フィレン、不飽和カルボン酸、その塩、部分アルキルエ
ステルもしくは完全アルキルエステル、ニトリル、アミ
ド、無水物、不飽和スルホン酸またはその塩等のコモノ
マーを含んでいても差し支えない。
本発明において、EVOHに混合される特定の成分は、次
の(A)又は(B)で規定される成分である。
の(A)又は(B)で規定される成分である。
(A)ガラス転移温度(Tg)が−150〜25℃であり、結
晶融解熱(ΔHu)が30J/g以下の熱可性塑性ポリエステ
ル 上記の(A)成分において、Tgが−150℃未満の場合
は、ガスバリヤー層を構成する原料樹脂組成物がブロッ
キングして作業性が劣り、Tgが25℃を越える場合は、耐
屈曲ピンホール性、延伸性が劣る。また、ΔHuが30J/g
を越える場合も耐屈曲ピンホール性、延伸性が劣るので
好ましくない。
晶融解熱(ΔHu)が30J/g以下の熱可性塑性ポリエステ
ル 上記の(A)成分において、Tgが−150℃未満の場合
は、ガスバリヤー層を構成する原料樹脂組成物がブロッ
キングして作業性が劣り、Tgが25℃を越える場合は、耐
屈曲ピンホール性、延伸性が劣る。また、ΔHuが30J/g
を越える場合も耐屈曲ピンホール性、延伸性が劣るので
好ましくない。
(B)ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、不飽和カ
ルボン酸類をグラフト重合したポリオレフィンとポリア
ミドのモノアミノ化オリゴマーとの反応物を1〜10重量
部の割合で混合して成るポリオレフィン樹脂組成物 上記(B)成分において、不飽和カルボン酸類をグラ
フト重合したポリオレフィン類は、不飽和カルボン酸類
とα−モノオレフィンポリマーを反応させることにより
得ることができる。
ルボン酸類をグラフト重合したポリオレフィンとポリア
ミドのモノアミノ化オリゴマーとの反応物を1〜10重量
部の割合で混合して成るポリオレフィン樹脂組成物 上記(B)成分において、不飽和カルボン酸類をグラ
フト重合したポリオレフィン類は、不飽和カルボン酸類
とα−モノオレフィンポリマーを反応させることにより
得ることができる。
反応方法としては、例えば、溶融状態で反応させる方
法(例えば、特公昭43−27421号公報)、溶液状態で反
応させる方法(例えば、特公昭44−15422号公報)、ス
ラリー状態で反応させる方法(例えば、特公昭43−1814
4号公報)、気相状態で反応させる方法(例えば、特公
昭50−77493号公報)等が挙げられる。
法(例えば、特公昭43−27421号公報)、溶液状態で反
応させる方法(例えば、特公昭44−15422号公報)、ス
ラリー状態で反応させる方法(例えば、特公昭43−1814
4号公報)、気相状態で反応させる方法(例えば、特公
昭50−77493号公報)等が挙げられる。
不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、またはそれらの酸無水物もしくは金属塩等
であり、例えば、無水マレインサン酸、無水シトラコン
酸、無水イタコン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリ
ル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カ
リウム等が挙られる。特に、無水マレイン酸が好適であ
る。
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、またはそれらの酸無水物もしくは金属塩等
であり、例えば、無水マレインサン酸、無水シトラコン
酸、無水イタコン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリ
ル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カ
リウム等が挙られる。特に、無水マレイン酸が好適であ
る。
一方、α−モノ−オレフィンポリマーとしては、エチ
レン、プロピレン等のα−オレフィンの重合体または共
重合体が挙げられる。
レン、プロピレン等のα−オレフィンの重合体または共
重合体が挙げられる。
そして、ポリオレフィン類中の不飽和カルボン酸類の
含有量は、0.05〜10%重量%が望ましく、0.5〜2重量
%の含有率が特に望ましい。不飽和カルボン酸類の含有
率が0.05重量%の未満の場合は、ポリアミドのモノアミ
ノ化オリゴマーとのグラフト化反応が充分できず、ま
た、10重量%を超える場合は、製造コストが高くなるば
かりか、本発明の目的とする耐ボイル性の改良効果も飽
和してしまう。
含有量は、0.05〜10%重量%が望ましく、0.5〜2重量
%の含有率が特に望ましい。不飽和カルボン酸類の含有
率が0.05重量%の未満の場合は、ポリアミドのモノアミ
ノ化オリゴマーとのグラフト化反応が充分できず、ま
た、10重量%を超える場合は、製造コストが高くなるば
かりか、本発明の目的とする耐ボイル性の改良効果も飽
和してしまう。
また、上記(B)成分において、ポリアミドのモノア
ミノ化オリゴマーは一般式〔I〕で表される化合物であ
る。
ミノ化オリゴマーは一般式〔I〕で表される化合物であ
る。
(一般式〔I〕中、lは3〜11の整数、nは5〜80の整
数、R1は水素または炭素数20以下の直鎖もしくは分岐状
のアルキル基、R2は炭素数20以下の直鎖もしくは分岐状
のアルキル基、アルチニル基、飽和もしくは不飽和の脂
環式基、芳香族またはこれらの組合せを表わす) 上記のモノアミノ化オリゴマーは、下記位一般式〔I
I〕で表わされる一官能性の重合調節剤の存在下に下記
一般式〔III〕で表されるアミノ酸を重縮合することに
より得ることができる。
数、R1は水素または炭素数20以下の直鎖もしくは分岐状
のアルキル基、R2は炭素数20以下の直鎖もしくは分岐状
のアルキル基、アルチニル基、飽和もしくは不飽和の脂
環式基、芳香族またはこれらの組合せを表わす) 上記のモノアミノ化オリゴマーは、下記位一般式〔I
I〕で表わされる一官能性の重合調節剤の存在下に下記
一般式〔III〕で表されるアミノ酸を重縮合することに
より得ることができる。
R1−NH−R2 〔II〕 (一般式〔II〕中、R1及びR2は前記定義と同義を表わ
す。) H2N−(CH2)m−COOH 〔III〕 (一般式〔III〕中、mは前記定義と同義を表わす) 一般式〔II〕で表わされる一官能性重合調節剤は、ラ
ウリルアミン又はオレイルアミンが好適である。また、
一般式〔III〕で表わされるアミノ酸は、11−アミノウ
ンデカン酸が好適である。
す。) H2N−(CH2)m−COOH 〔III〕 (一般式〔III〕中、mは前記定義と同義を表わす) 一般式〔II〕で表わされる一官能性重合調節剤は、ラ
ウリルアミン又はオレイルアミンが好適である。また、
一般式〔III〕で表わされるアミノ酸は、11−アミノウ
ンデカン酸が好適である。
また、上記のポリアミドのモノアミノ化オリゴマー
は、下記一般式〔IV〕で表わされるラクタムを重付加す
ることにより得ることができる。
は、下記一般式〔IV〕で表わされるラクタムを重付加す
ることにより得ることができる。
(一般式〔IV〕中、nは前記定義と同義を表わす) 一般式〔IV〕で表わされるラクタムは、カプロラクタ
ムが好適である。
ムが好適である。
そして、前記の不飽和カルボン酸類をグラフト重合し
たポリオレフィン類とポリアミドのモノアミノ化オリゴ
マーとの反応は、ポリオレフィン類の少なくとも1つ以
上の無水または酸官能基とオリゴマーのアミノ基との付
加反応により達成され、アミド又はイミド結合が形成さ
れる。
たポリオレフィン類とポリアミドのモノアミノ化オリゴ
マーとの反応は、ポリオレフィン類の少なくとも1つ以
上の無水または酸官能基とオリゴマーのアミノ基との付
加反応により達成され、アミド又はイミド結合が形成さ
れる。
上記の付加反応は、溶融状態で行うことが望ましい。
すなわち、押出機中で、一般に、230〜250℃の温度で不
飽和カルボン酸類をグラフト重合したポリオレフィン類
とポリアミドのモノアミノ化オリゴマーとを混練する方
法で行うことができる。押出機中での溶融材料の平均滞
留時間は15秒〜5分間であり、特に、1〜3分間が好ま
しい。
すなわち、押出機中で、一般に、230〜250℃の温度で不
飽和カルボン酸類をグラフト重合したポリオレフィン類
とポリアミドのモノアミノ化オリゴマーとを混練する方
法で行うことができる。押出機中での溶融材料の平均滞
留時間は15秒〜5分間であり、特に、1〜3分間が好ま
しい。
更にまた、前記(B)成分において、ポリオレフィン
樹脂は、通常、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレ
ン/プロピレンコポリマー、エチレン−酢ビコポリマー
の各樹脂が使用される。
樹脂は、通常、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレ
ン/プロピレンコポリマー、エチレン−酢ビコポリマー
の各樹脂が使用される。
そして、前記(B)成分は、ポリオレフィン樹脂100
重量部に対し、不飽和カルボン酸類をグラフト重合した
ポリオレフィン類とポリアミドのモノアミノ化オリゴマ
ーとの反応物を1〜10重量部の割合で混合することによ
り得られる。混合割合が1重量部未満の場合は、(B)
成分とEVOHが均一に混合せず、得られたフィルムがヘイ
ジーとなり好ましくない。一方、混合割合が10重量部を
超える場合は、得られたフィルムの熱水接触時の白化防
止効果が飽和するばかりか、コストも高くなり好ましく
ない。
重量部に対し、不飽和カルボン酸類をグラフト重合した
ポリオレフィン類とポリアミドのモノアミノ化オリゴマ
ーとの反応物を1〜10重量部の割合で混合することによ
り得られる。混合割合が1重量部未満の場合は、(B)
成分とEVOHが均一に混合せず、得られたフィルムがヘイ
ジーとなり好ましくない。一方、混合割合が10重量部を
超える場合は、得られたフィルムの熱水接触時の白化防
止効果が飽和するばかりか、コストも高くなり好ましく
ない。
本発明におけるガスバリヤー層を構成する原料樹脂組
成物は、EVOHに前述の(A)成分または(B)成分を特
定量混合したものである。
成物は、EVOHに前述の(A)成分または(B)成分を特
定量混合したものである。
そして、EVOHに対する(A)成分または(B)成分の
混合割合は、EVOH100重量部に対し、各成分を0.5〜30重
量部にする必要がある。0.5重量部未満の場合は、得ら
れたフィルムの熱水接触時の白化防止効果がなくなり、
30重量部を超える場合は、得られたフィルムがヘイジー
となり、また酸素ガスバリヤー性も低下するので好まし
くない。
混合割合は、EVOH100重量部に対し、各成分を0.5〜30重
量部にする必要がある。0.5重量部未満の場合は、得ら
れたフィルムの熱水接触時の白化防止効果がなくなり、
30重量部を超える場合は、得られたフィルムがヘイジー
となり、また酸素ガスバリヤー性も低下するので好まし
くない。
上記の混合は、各ペレット同士を均一に混合すれば足
りる。そして、EVOHと(B)成分の混合においては、EV
OHと不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリオレフィ
ン類とポリアミドのモノアミノ化オリゴマーとの反応物
およびポリオレフィン樹脂とを混合してもよい。
りる。そして、EVOHと(B)成分の混合においては、EV
OHと不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリオレフィ
ン類とポリアミドのモノアミノ化オリゴマーとの反応物
およびポリオレフィン樹脂とを混合してもよい。
均一に混合された各ペレットは、直ちに溶融成形機に
搬送するか、または、この混合ペレットを溶融し、混合
樹脂のペレットを形成した後に溶融成形機に搬送しても
よい。溶融押しは、問題なく行うことができる。押出機
のスクリューは、混練り効果を発揮させるために、ミキ
シングゾーン付きのスクリューがよいが、一般的なフル
フライトスクリューを用いてもよい。また、二軸の押出
機でもよい。ダイは、T−ダイでも環状ダイでもよい
が、樹脂の滞留ができるだけ少なく設計されたダイが望
ましい。
搬送するか、または、この混合ペレットを溶融し、混合
樹脂のペレットを形成した後に溶融成形機に搬送しても
よい。溶融押しは、問題なく行うことができる。押出機
のスクリューは、混練り効果を発揮させるために、ミキ
シングゾーン付きのスクリューがよいが、一般的なフル
フライトスクリューを用いてもよい。また、二軸の押出
機でもよい。ダイは、T−ダイでも環状ダイでもよい
が、樹脂の滞留ができるだけ少なく設計されたダイが望
ましい。
本発明において、ポリアミド層/ガスバリヤー層/ポ
リアミド層の各層と厚みは、ポリアミド層3〜10μ、ガ
スバリヤー層3〜20μ、ポリアミド層3〜10μとし、全
厚みは、10〜30μとすることが望ましい。ポリアミド層
の厚みが3μ未満の場合は、包装用途に使用する十分な
耐ピンホール性をもたせることができず、また、10μを
越える場合は、製造コストが高くなるばかりか、フィル
ム全体の硬さも増し、ハンドリング性も低下するので好
ましくない。上記2層のポリアミド層は、同じ厚みにす
ることが望ましいが、異なった厚みにすることも可能で
ある。ガスバリヤー層の厚みが3μ未満の場合は、得ら
れた包装用フィルムに十分なガスバリヤー性を持たせる
ことができず、また、20μを越える場合は、ガスバリヤ
ー性が飽和するばかりではなく、製造コストも高くなる
ので好ましくない。
リアミド層の各層と厚みは、ポリアミド層3〜10μ、ガ
スバリヤー層3〜20μ、ポリアミド層3〜10μとし、全
厚みは、10〜30μとすることが望ましい。ポリアミド層
の厚みが3μ未満の場合は、包装用途に使用する十分な
耐ピンホール性をもたせることができず、また、10μを
越える場合は、製造コストが高くなるばかりか、フィル
ム全体の硬さも増し、ハンドリング性も低下するので好
ましくない。上記2層のポリアミド層は、同じ厚みにす
ることが望ましいが、異なった厚みにすることも可能で
ある。ガスバリヤー層の厚みが3μ未満の場合は、得ら
れた包装用フィルムに十分なガスバリヤー性を持たせる
ことができず、また、20μを越える場合は、ガスバリヤ
ー性が飽和するばかりではなく、製造コストも高くなる
ので好ましくない。
本発明の積層フィルムを製造するためには、先ず、ポ
リアミド層/ガスバリヤー層/ポリアミド層の順に積層
された、実質的に無定形で配向していない未延伸の積層
フィルム(以下「積層未延伸フィルム」という)製造す
る。
リアミド層/ガスバリヤー層/ポリアミド層の順に積層
された、実質的に無定形で配向していない未延伸の積層
フィルム(以下「積層未延伸フィルム」という)製造す
る。
上記の積層未延伸フィルムは、共押出法で製造するこ
とができる。共押出法としては、具体的には、マルチマ
ニホールドダイ法、フィードブロック法、マルチスロッ
ドダイ法等を採用することができる。共押出しされた積
層未延伸フィルムは、40℃以下、好ましくは35℃以下に
保たれたキャスティングロールの表面に密着される。密
着手段は、静電ピニング法、エアナイフ法等の公知な手
段を採用することができる。
とができる。共押出法としては、具体的には、マルチマ
ニホールドダイ法、フィードブロック法、マルチスロッ
ドダイ法等を採用することができる。共押出しされた積
層未延伸フィルムは、40℃以下、好ましくは35℃以下に
保たれたキャスティングロールの表面に密着される。密
着手段は、静電ピニング法、エアナイフ法等の公知な手
段を採用することができる。
次いで、積層フィルムは、二軸に延伸される。
二軸延伸の方法は、同時二軸延伸(特開昭52−115880
号公報)、逐次二軸延伸(特開昭61−273931号公報)の
いずれでもよい。また、環状ダイを用いて製膜後に延伸
してもよい。
号公報)、逐次二軸延伸(特開昭61−273931号公報)の
いずれでもよい。また、環状ダイを用いて製膜後に延伸
してもよい。
二軸延伸の延伸倍率は、各軸方向に各2〜5倍が望ま
しく、2.5〜4倍が特に好ましい。延伸倍率が2倍未満
の場合は、延伸の効果が少なくフィルムの強度が劣り、
また、5倍を越える場合は、延伸中にフィルムの破断が
多くなり実用上ロングランが劣る。
しく、2.5〜4倍が特に好ましい。延伸倍率が2倍未満
の場合は、延伸の効果が少なくフィルムの強度が劣り、
また、5倍を越える場合は、延伸中にフィルムの破断が
多くなり実用上ロングランが劣る。
テンター逐次二軸延伸の場合は、例えば、ロール式縦
延伸機によって45℃〜80℃で縦方向に2〜5倍に延伸
し、続いて、熱風あるいは熱輻射式のテンター(横延伸
機)によって60〜120℃で横方向に2〜5倍に延伸すれ
ばよい。
延伸機によって45℃〜80℃で縦方向に2〜5倍に延伸
し、続いて、熱風あるいは熱輻射式のテンター(横延伸
機)によって60〜120℃で横方向に2〜5倍に延伸すれ
ばよい。
また、テンター同時二軸延伸、チューブラー同時二軸
延伸の場合は、例えば、60〜120℃で縦方向に各2〜5
倍に延伸すればよい。
延伸の場合は、例えば、60〜120℃で縦方向に各2〜5
倍に延伸すればよい。
延伸後の熱処理により、寸法安定性の優れた延伸フィ
ルムが得られる。熱処理温度としては、120℃を下限と
して原料ポリアミドの融点より5℃低い温度を上限とす
る温度範囲から選択され、採用する熱処理温度により、
任意の熱水収縮率を持った延伸フィルムが得られる。
ルムが得られる。熱処理温度としては、120℃を下限と
して原料ポリアミドの融点より5℃低い温度を上限とす
る温度範囲から選択され、採用する熱処理温度により、
任意の熱水収縮率を持った延伸フィルムが得られる。
上記のようにして得られた積層フィルムは、105℃で3
0分熱水処理しても殆ど白化せずに優れた耐ボイル性を
発揮する。勿論、その酸素透過率の低下も殆ど認められ
ない。また、繰り返し屈曲テスト(ゲルボレックステス
ト)を実行してもピンホールは殆ど発生しない。
0分熱水処理しても殆ど白化せずに優れた耐ボイル性を
発揮する。勿論、その酸素透過率の低下も殆ど認められ
ない。また、繰り返し屈曲テスト(ゲルボレックステス
ト)を実行してもピンホールは殆ど発生しない。
従って、耐ボイル性の要求される熱水処理包装用に好
適に使用され、食品包装、医療品包装、その他多くの包
装分野に有利な包装資材として使用することができる。
適に使用され、食品包装、医療品包装、その他多くの包
装分野に有利な包装資材として使用することができる。
本発明の熱水処理包装用ガスバリヤー性積層フィルム
を袋体にする場合は、一般的なシーラント材料を使用し
て袋体とする。フィルムとシーラント材との貼り合わせ
は、接着剤を使用したドライラミネート法あるいは押出
ラミネート法等を採用し得る。
を袋体にする場合は、一般的なシーラント材料を使用し
て袋体とする。フィルムとシーラント材との貼り合わせ
は、接着剤を使用したドライラミネート法あるいは押出
ラミネート法等を採用し得る。
そして、袋体にするためには、シートラント材面を合
わせて加熱融着すればよい。加熱融着の方法は、ヒート
シール法が好ましく採用されるが、シール強度が充分で
あるならば、他の方法を採用してもよい。
わせて加熱融着すればよい。加熱融着の方法は、ヒート
シール法が好ましく採用されるが、シール強度が充分で
あるならば、他の方法を採用してもよい。
袋体の形状は、ビロー方式、三方シール方式、ガセッ
ト方式などのあらゆる形状が利用できる。
ト方式などのあらゆる形状が利用できる。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定
されるものではない。
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定
されるものではない。
以下の例において、フィルムの物理的性質は、次に記
した方法によって評価した。
した方法によって評価した。
(1)酸素透過率(cc/m2・24hrs) 酸素透過率測定装置OXY−TRAN100 型(Modern contr
ol 社製)を使用して25℃、60%RHの条件にて測定し
た。
ol 社製)を使用して25℃、60%RHの条件にて測定し
た。
(2)耐ボイル性(熱水処理) フィルムを95℃の熱水中に入れ、105℃まで加熱して3
0分間保持し、そのまま90℃まで冷却して取り出し、更
に、23℃、50%RHの環境化で24時間保持し、外観を観察
した。
0分間保持し、そのまま90℃まで冷却して取り出し、更
に、23℃、50%RHの環境化で24時間保持し、外観を観察
した。
(3)耐屈曲ピンポール性 理学工業(株)製ゲルボフレックステスターNo.1を使
用し、23℃、50%RHの環境下で1000回の屈曲テストを行
い、その後のサンコー電子研究所製ピンホールテスター
TRD型で1kVの電圧をかけてフィルムのピンホール数を計
測し、フィルム1m2あたりのピンホール数に換算した。
用し、23℃、50%RHの環境下で1000回の屈曲テストを行
い、その後のサンコー電子研究所製ピンホールテスター
TRD型で1kVの電圧をかけてフィルムのピンホール数を計
測し、フィルム1m2あたりのピンホール数に換算した。
なお、上記の屈曲テストにおいて、1回の屈曲は、3.
5インチ直進中に440度回転して、2.5インチ直進し、次
に、これを逆進して元の位置に戻す操作を意味する。
5インチ直進中に440度回転して、2.5インチ直進し、次
に、これを逆進して元の位置に戻す操作を意味する。
実施例1 <A.ポリアミドオリゴマーの合成> 100のステンレスの反応器中に31kgのカプロラクタ
ム、0.91kgのラウリルアミン、3.5の水を導入した。
ム、0.91kgのラウリルアミン、3.5の水を導入した。
反応器を窒素でパージした後、35回転/分の速度で攪
拌しながら密閉状態で250℃、2時間加熱した。続い
て、反応器内の気圧を1時間要して減圧した。
拌しながら密閉状態で250℃、2時間加熱した。続い
て、反応器内の気圧を1時間要して減圧した。
反応器を窒素で15分間パージした後、オリゴマーを水
に注入し、遠心分離し、10℃の水で洗浄し、真空炉中、
80℃で16時間乾燥した。
に注入し、遠心分離し、10℃の水で洗浄し、真空炉中、
80℃で16時間乾燥した。
<B.グラフトコポリマーの合成> 65mmφ押出機を使用し、変性ポリプロピレン(三菱化
成(株)ノバテックAP199P)60重量%とポリアミドオリ
ゴマー40重量%との混合物を240℃で溶融混練して押し
出し、ペレット状にした。
成(株)ノバテックAP199P)60重量%とポリアミドオリ
ゴマー40重量%との混合物を240℃で溶融混練して押し
出し、ペレット状にした。
<C.積層二軸延伸フィルムの製造> ガスバリヤー層原料; エチレン含有率32モル%のEVOH(日本合成化学(株)
製、ソアノールD.C)100重量部に対してポリプロピレン
10重量部および上記Bにて合成したペレット0.5重量部
の混合物 ポリアミド層原料; ポリ−ε−カプロアミド(三菱化成(株)製、ノバミ
ッド1022) ガスバリヤー層原料を65mmφの押出機を使用して230
℃の温度で加熱融解し、同時に、ポリアミド層原料を別
の65mmφの押出機を使用して260℃の温度で加熱溶融し
た。
製、ソアノールD.C)100重量部に対してポリプロピレン
10重量部および上記Bにて合成したペレット0.5重量部
の混合物 ポリアミド層原料; ポリ−ε−カプロアミド(三菱化成(株)製、ノバミ
ッド1022) ガスバリヤー層原料を65mmφの押出機を使用して230
℃の温度で加熱融解し、同時に、ポリアミド層原料を別
の65mmφの押出機を使用して260℃の温度で加熱溶融し
た。
上記の2つの溶融樹脂を2つの導入口と3つのマニホ
ールドとを有するTダイに導いた。
ールドとを有するTダイに導いた。
中央マニホールドに第1の押出機からのガスバリヤー
層原料を導き、その上下のマニホールドに他の押出機か
らのポリアミド層原料を導いた。ポリアミド層原料は、
流路によって2つに分岐させて上下のマニホールドに導
いた。そして、Tダイ出口で3層に積層してフィルム状
に押出した。
層原料を導き、その上下のマニホールドに他の押出機か
らのポリアミド層原料を導いた。ポリアミド層原料は、
流路によって2つに分岐させて上下のマニホールドに導
いた。そして、Tダイ出口で3層に積層してフィルム状
に押出した。
上記の積層フィルムを35℃に保たれた800mmφの冷却
ロールに静電ピニング法で密着させ、急冷することによ
り、ポリアミド層が各約53μm、ガスバリヤー層が約52
μ、全厚約158μmの積層未延伸フィルムを得た。
ロールに静電ピニング法で密着させ、急冷することによ
り、ポリアミド層が各約53μm、ガスバリヤー層が約52
μ、全厚約158μmの積層未延伸フィルムを得た。
上記の積層未延伸フィルムを複数ロールで構成される
縦延伸機に導き、50℃、3倍の条件で縦延伸を行なっ
た。引き続き、テンターに導き、70℃で3.5倍まで横延
伸を行い、200℃で熱処理を行なった。
縦延伸機に導き、50℃、3倍の条件で縦延伸を行なっ
た。引き続き、テンターに導き、70℃で3.5倍まで横延
伸を行い、200℃で熱処理を行なった。
フィルムは、フィルム両耳を切断し、ワインダーによ
って巻き取り、ポリアミド層/ガスバリヤー層/ポリア
ミド層の構成より成り、各層の厚みが約5μmで全厚み
が約15μmの積層二軸延伸フィルムを製造した。
って巻き取り、ポリアミド層/ガスバリヤー層/ポリア
ミド層の構成より成り、各層の厚みが約5μmで全厚み
が約15μmの積層二軸延伸フィルムを製造した。
得られた積層二軸延伸フィルムの物理的性質の測定結
果を第2表に示す。
果を第2表に示す。
実施例2 実施例1において、ガスバリヤー層原料として、エチ
レン含有率32モル%のEVOH(日本合成化学(株)製、ソ
アノールD.C)100重量部に対して熱可塑性ポリエステル
(Tgが−25℃、ΔHuが13J/g)10重量部をを混合した樹
脂組成物を使用した他は、実施例1と同様して、各層の
厚みが約5μmで全厚みが約15μmの積層二軸延伸フィ
ルムを製造した。
レン含有率32モル%のEVOH(日本合成化学(株)製、ソ
アノールD.C)100重量部に対して熱可塑性ポリエステル
(Tgが−25℃、ΔHuが13J/g)10重量部をを混合した樹
脂組成物を使用した他は、実施例1と同様して、各層の
厚みが約5μmで全厚みが約15μmの積層二軸延伸フィ
ルムを製造した。
得られた積層二軸延伸フィルムの物理的性質の測定結
果を第2表に示す。
果を第2表に示す。
比較例1 実施例1において、ガスバリヤー層原料として、エチ
レン含有率32モル%のEVOH(日本合成化学(株)製、ソ
アノールD.C)を単独で使用した他は、実施例1と同様
にして、各層の厚みが約5μmで全厚みが約15μmの積
層二軸延伸フィルムを製造した。
レン含有率32モル%のEVOH(日本合成化学(株)製、ソ
アノールD.C)を単独で使用した他は、実施例1と同様
にして、各層の厚みが約5μmで全厚みが約15μmの積
層二軸延伸フィルムを製造した。
得られたフィルムの物理的性質の測定結果を第2表に
示す。
示す。
〔発明の効果〕 以上説明した本発明によば、ガスバリヤー層の原料と
して、特定の原料を利用したことにより、食品、薬品、
医療品等の包装に使用される熱水処理包装用ガスバリヤ
ー性積層フィルムがされ、本発明の産業上の利用価値は
極めて大である。
して、特定の原料を利用したことにより、食品、薬品、
医療品等の包装に使用される熱水処理包装用ガスバリヤ
ー性積層フィルムがされ、本発明の産業上の利用価値は
極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08L 23/08,29/04 B65D 65/00 - 65/46
Claims (1)
- 【請求項1】ポリアミド層/ガスバリヤー層/ポリアミ
ド層の順に積層した二軸延伸フィルムより成り、ガスバ
リヤー層は、エチレン含有量20〜50モル%、けん化度95
モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物10
0重量部に対し、以下に規定する(A)又は(B)成分
を0.5〜30重量部の割合で混合して成る樹脂組成物にて
構成されていることを特徴とする熱水処理包装用ガスバ
リヤー性積層フィルム。 (A)ガラス転移温度(Tg)が−150〜25℃であり、結
晶融解熱(ΔHu)が30J/g以下の熱可塑性ポリエステル (B)ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、不飽和カ
ルボン酸類をグラフト重合したポリオレフィン類とポリ
アミドのモノアミノ化オリゴマーとの反応物を1〜10重
量部の割合で混合して成るポリオレフィン樹脂組成物
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2156148A JP3059194B2 (ja) | 1990-06-14 | 1990-06-14 | 熱水処理包装用ガスバリヤー性積層フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2156148A JP3059194B2 (ja) | 1990-06-14 | 1990-06-14 | 熱水処理包装用ガスバリヤー性積層フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0445930A JPH0445930A (ja) | 1992-02-14 |
JP3059194B2 true JP3059194B2 (ja) | 2000-07-04 |
Family
ID=15621387
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2156148A Expired - Fee Related JP3059194B2 (ja) | 1990-06-14 | 1990-06-14 | 熱水処理包装用ガスバリヤー性積層フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3059194B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6303091B1 (en) | 1993-08-11 | 2001-10-16 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Metal oxide powder and method for the production of the same |
-
1990
- 1990-06-14 JP JP2156148A patent/JP3059194B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6303091B1 (en) | 1993-08-11 | 2001-10-16 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Metal oxide powder and method for the production of the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0445930A (ja) | 1992-02-14 |
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