JP5523010B2 - 樹脂組成物、溶融成形物、多層構造体及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、溶融成形物、多層構造体及び樹脂組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5523010B2
JP5523010B2 JP2009185245A JP2009185245A JP5523010B2 JP 5523010 B2 JP5523010 B2 JP 5523010B2 JP 2009185245 A JP2009185245 A JP 2009185245A JP 2009185245 A JP2009185245 A JP 2009185245A JP 5523010 B2 JP5523010 B2 JP 5523010B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
resin composition
dehydrated
carboxylate
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009185245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010059418A (ja
Inventor
眞治 岡本
博樹 増元
耕司 山田
友則 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2009185245A priority Critical patent/JP5523010B2/ja
Publication of JP2010059418A publication Critical patent/JP2010059418A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5523010B2 publication Critical patent/JP5523010B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/09Carboxylic acids; Metal salts thereof; Anhydrides thereof
    • C08K5/098Metal salts of carboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L29/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an alcohol, ether, aldehydo, ketonic, acetal or ketal radical; Compositions of hydrolysed polymers of esters of unsaturated alcohols with saturated carboxylic acids; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L29/02Homopolymers or copolymers of unsaturated alcohols
    • C08L29/04Polyvinyl alcohol; Partially hydrolysed homopolymers or copolymers of esters of unsaturated alcohols with saturated carboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K2201/00Specific properties of additives
    • C08K2201/008Additives improving gas barrier properties
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/31504Composite [nonstructural laminate]
    • Y10T428/31725Of polyamide
    • Y10T428/31736Next to polyester
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/31504Composite [nonstructural laminate]
    • Y10T428/31786Of polyester [e.g., alkyd, etc.]
    • Y10T428/31797Next to addition polymer from unsaturated monomers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/31504Composite [nonstructural laminate]
    • Y10T428/31855Of addition polymer from unsaturated monomers
    • Y10T428/31909Next to second addition polymer from unsaturated monomers
    • Y10T428/31928Ester, halide or nitrile of addition polymer

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、熱可塑性樹脂とカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物を含有する樹脂組成物およびかかる樹脂組成物の層を有する多層構造体に関する。
一般に、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物(以下、EVOHと称することがある)やポリアミド系樹脂等のガスバリア性樹脂層を含有する多層構造体は、レトルト処理(熱水処理)した場合に、多層構造体の端面等からガスバリア性樹脂層内に水分が入り込み、分子間の水素結合が崩れることによりガスバリア性能が低下することが知られている。
従来、これに対してEVOH層にリン酸一ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、シリカゲル等の水和物形成性の塩を乾燥剤として配合した樹脂組成物を用いることにより、該乾燥剤が熱水処理後に樹脂組成物に入り込んだ水分を結晶水として吸収し、分子間の水素結合の崩れを防止してガスバリア性能の低下を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法によれば、成型時の溶融混練工程で、樹脂組成物の粘度が経時的に増加し、押出機内における樹脂の滞留の原因となり、また滞留した樹脂がさらに増粘することで益々排出されにくくなり、樹脂の熱劣化物が発生して樹脂の取り扱い性が悪くなるという問題があった。また、熱水処理後のガスバリア性に改善の余地があった。
特開昭63−113062号公報
そこで、本発明は、成型時の溶融混練工程で、樹脂組成物の粘性が増加し、取り扱い性が悪くなる問題を解決し、熱水処理後のガスバリア性が優れ、かつ取り扱い性に優れた樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記事情に鑑み、鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂(A)とカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を含有する樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂(A)が、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物及び/又はポリアミド系樹脂であり、該熱可塑性樹脂(A)と該カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の含有比が、重量比にて10/90〜99/1である樹脂組成物が、溶融混錬時の粘度増加が抑制されて取り扱い性に優れており、かつ該樹脂組成物の層を少なくとも1層有する多層構造体は、熱水処理後のガスバリア性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、好ましくは、熱可塑性樹脂(A)中にカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が分散し、熱可塑性樹脂(A)に入り込んだ水分を結晶水として吸収するものであるが、該カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が、熱可塑性樹脂と親和性が良好であるために、熱水処理時等で熱可塑性樹脂(A)に入り込んだ水分を、該カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が良好に除去することが可能となり、熱水処理後のガスバリア性に優れ、かつ溶融混錬時の経時的な粘度増加が抑制されると推測される。
すなわち、本発明の要旨を以下に示す。
(1) 熱可塑性樹脂(A)とカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を含有する樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂(A)が、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物及び/又はポリアミド系樹脂であり、該熱可塑性樹脂(A)と該カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の含有比が、重量比にて10/90〜99/1である樹脂組成物
(2) 熱可塑性樹脂(A)とカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の含有比が、重量比にて80/20〜95/5である(1)記載の樹脂組成物。
(3) カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が、結晶水量が飽和量の70%以下であるカルボン酸塩水和物の脱水物である(1)または(2)記載の樹脂組成物。
(4) カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が、カルボン酸塩水和物の完全脱水物である(1)〜(3)いずれか記載の樹脂組成物。
(5) カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が、炭素数1〜12のカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物である(1)〜(4)いずれか記載の樹脂組成物。
(6) カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が、1〜4価のカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物である(1)〜(5)いずれか記載の樹脂組成物。
(7) 熱可塑性樹脂(A)が、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物及びポリアミド系樹脂を含み、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物に対してポリアミド系樹脂を1〜40重量%含有する(1)〜(6)いずれか記載の樹脂組成物。
(8) (1)〜(7)いずれか記載の樹脂組成物を含む溶融成形物。
(9) (1)〜(8)いずれか記載の樹脂組成物の層を少なくとも1層有する多層構造体。
(10) エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物を含む層を中間層として含み、その中間層の両側に、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有する熱可塑性樹脂を含む層を設けた多層構造体であって、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物を含む層およびエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物を含む層と積層する層の少なくとも1層が、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を含有する多層構造体。
(11) エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物を含む層が、さらにポリアミド系樹脂をエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物に対して1〜40重量%含有する(10)記載の多層構造体
(12) 熱可塑性樹脂(A)とカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)とを溶融混合する工程を含む(1)記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明の樹脂組成物は、成型時の溶融混練工程で樹脂組成物の粘性増加が抑制され、取り扱い性が良好となり、かつ本発明の樹脂組成物の層を少なくとも1層有する多層構造体は熱水処理後のガスバリア性に優れるとの効果が発揮されるものである。
以下、本発明の構成につき詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
<熱可塑性樹脂(A)の説明>
本発明における、熱可塑性樹脂(A)としては、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物及び/又はポリアミド系樹脂である。
本発明は、吸水しやすく、それによって物性が変化する樹脂に対して効果的である。
例えば具体的には、ポリアミド系樹脂としては、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン26)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン86)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン108)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン6/66)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン12/66)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン26/66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン66/610)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン6/66/610)等の脂肪族ポリアミドや、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリメタキシリレンアジパミド、ヘキサメチレンイソフタルアミド/テレフタルアミド共重合体、ポリ−P−フェニレンテレフタルアミドや、ポリ−P−フェニレン・3−4’ジフェニルエーテルテレフタルアミド等の芳香族ポリアミド、非晶性ポリアミド、上記のポリアミド系樹脂をメチレンベンジルアミン、メタキシレンジアミン等のカルボキシル基やアミノ基で末端を変性した末端変性ポリアミド等が挙げられる。
中でも、EVOHは水分によってガスバリア性が大きく低下するため、本発明の効果がより顕著に得られるものである。
以下、EVOHについて詳しく説明する。
EVOHは非水溶性の樹脂であり、エチレンとビニルエステル系モノマーを共重合させた後にケン化させることにより得られる樹脂であり、一般的に食品包装用のフィルムなどとして公知のものが挙げられる。かかるビニルエステル系モノマーは、代表的には酢酸ビニルである。エチレン−ビニルエステル共重合体は公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、得られたエチレン−ビニルエステル共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、市場入手性や製造時の不純物処理効率がよい点から、代表的には酢酸ビニルが用いられる。この他、例えばギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等が挙げられ、通常炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜10、特に好ましくは炭素数4〜7の脂肪族ビニルエステルである。これらは通常単独で用いるが、必要に応じて複数種を同時に用いてもよい。
EVOHにおけるエチレン構造単位の含有量は、ISO14663に基づいて測定した値で、通常20〜60モル%、好ましくは25〜50モル%、特に好ましくは29〜48モル%である。かかる含有量が低すぎる場合は、高湿時のガスバリア性、溶融成形性が低下する傾向があり、逆に高すぎる場合は、ガスバリア性が不足する傾向がある。
EVOHにおけるビニルエステル成分のけん化度は、JIS K6726(ただし、EVOH樹脂は水/メタノール溶媒に均一に溶解した溶液にて)に基づいて測定した値で、通常90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%、特に好ましくは99〜100モル%である。かかるケン化度が低すぎる場合にはガスバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下する傾向がある。
また、該EVOHのメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2,160g)は、通常0.5〜100g/10分であり、好ましくは1〜50g/10分、特に好ましくは3〜35g/10分である。かかるMFRが大きすぎる場合には、製膜性が不安定となる傾向があり、小さすぎる場合には粘度が高くなり過ぎて溶融押出しが困難となる傾向がある。
また、本発明におけるEVOHは、本発明の効果を阻害しない範囲(例えば10モル%以下)で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合していてもよい。
かかる単量体としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、3−ブテン−1−オール、3−ブテン−1,2−ジオール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1,2−ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類やそのエステル化物、アシル化物などの誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メタアクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル等のハロゲン化アリル化合物類、アリルアルコール、ジメトキシアリルアルコール等のアリルアルコール類、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
特に、ヒドロキシ基含有α−オレフィン類を共重合したEVOHは、溶融成型性が良好になる点で好ましく、中でも1,2−ジオールを側鎖に有するEVOHが好ましい。
かかる1,2−ジオールを側鎖に有するEVOHは、側鎖に1,2−ジオール構造単位を含むものである。かかる1,2−ジオール構造単位とは、具体的には下記構造単位(1)で示される構造単位である。
Figure 0005523010
[一般式(1)において、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。]
上記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位における有機基としては、特に限定されず、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の飽和炭化水素基、フェニル基、ベンジル基等の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。
1〜R3は通常炭素数1〜30、特には炭素数1〜15、さらには炭素数1〜4の飽和炭化水素基または水素原子が好ましく、水素原子が最も好ましい。R4〜R6は通常炭素数1〜30、特には炭素数1〜15、さらには炭素数1〜4のアルキル基または水素原子が好ましく、水素原子が最も好ましい。特に、R1〜R6がすべて水素であるものが最も好ましい。
また、一般式(1)で表わされる構造単位中のXは、代表的には単結合である。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲であれば結合鎖であってもよい。かかる結合鎖としては特に限定されないが、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素鎖(これらの炭化水素はフッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていても良い)の他、−O−、−(CH2O)m−、−(OCH2m−、−(CH2O)mCH2−等のエーテル結合部位を含む構造、−CO−、−COCO−、−CO(CH2mCO−、−CO(C64)CO−等のカルボニル基を含む構造、−S−、−CS−、−SO−、−SO2−等の硫黄原子を含む構造、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−等の窒素原子を含む構造、−HPO4−等のリン原子を含む構造などのヘテロ原子を含む構造、−Si(OR)2−、−OSi(OR)2−、−OSi(OR)2O−等の珪素原子を含む構造、−Ti(OR)2−、−OTi(OR)2−、−OTi(OR)2O−等のチタン原子を含む構造、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−等のアルミニウム原子を含む構造などの金属原子を含む構造等が挙げられる。なお、Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、またmは自然数であり、通常1〜30、好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10である。その中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で−CH2OCH2−、および炭素数1〜10の炭化水素鎖が好ましく、さらには炭素数1〜6の炭化水素鎖、特には炭素数1であることが好ましい。
上記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位における最も好ましい構造は、R1〜R6がすべて水素原子であり、Xが単結合であるものである。すなわち、下記構造式(1a)で示される構造単位が最も好ましい。
Figure 0005523010
特に、上記一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位を含有する場合、その含有量は通常0.1〜20モル%、さらには0.1〜15モル%、特には0.1〜10モル%のものが好ましい。
また、本発明で使用されるEVOHは、異なる他のEVOHとの混合物であってもよく、かかる他のEVOHとしては、一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位の含有量が異なるもの、ケン化度が異なるもの、重合度が異なるもの、他の共重合成分が異なるものなどを挙げることができる。
本発明における熱可塑性樹脂(A)の種類は、使用目的に応じて選択することができ、目的に応じて上記の樹脂を単独で使用しても、2種以上を同時に混合して用いてもよい。
このとき、特に、ガスバリア性を目的として用いる場合は、公知のガスバリア性樹脂であるEVOHまたはポリアミド系樹脂を、樹脂組成物全体に対して70%以上含有していることが好ましい。
さらに、ガスバリア性を目的として用い、かつ耐熱水性を付与する場合には、EVOHに対してポリアミド系樹脂を1〜40重量%、好ましくは2〜30重量%、特に好ましくは3〜15重量%配合した樹脂組成物を用いることが有効である。
<カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の説明>
カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)とは、カルボン酸塩の水和物を乾燥脱水した化合物を意味する。つまり、水分子を結晶水として取り込む性質を有するカルボン酸塩であればよい。
また、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)は通常、常温常圧において固体である。
上記したように、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)は、カルボン酸塩水和物の飽和水和物として安定な状態となるまで、結晶水を取り込むことが出来る。したがって、かかる飽和水和物になるまで取り込める結晶水の量が多いほど、乾燥能力に優れる。
上記カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)におけるカルボン酸塩は、飽和水和物にて通常1〜15水和物となるカルボン酸塩であり、好ましくは2〜15水和物となるカルボン酸塩であり、特に好ましくは3〜10水和物となるカルボン酸塩である。
そして、本発明のカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)は、結晶水を飽和量未満に含有する上記カルボン酸塩水和物の脱水物であればよく、好ましくは結晶水量が飽和量の70〜0%であるカルボン酸塩水和物の脱水物であり、特に好ましくはカルボン酸塩水和物の完全脱水物(無水カルボン酸塩)である。
カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)におけるカルボン酸塩の種類としては、通常、芳香族カルボン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、アミノ酸塩等が挙げられる。かかる脂肪族カルボン酸塩やアミノ酸塩は、熱可塑性樹脂とグラフト反応等を起こさないものが好ましいと考えられるため、飽和脂肪族化合物であることが好ましい。
上記カルボン酸塩は、通常金属塩またはアンモニウム塩であり、好ましくはナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩およびマグネシウムやカルシウム等のアルカリ土類金属塩であり、特に好ましくはアルカリ金属塩であり、最も好ましくはカリウム塩、ナトリウム塩である。
上記カルボン酸塩の炭素数は、通常1〜12であり、好ましくは2〜10であり、特に好ましくは2〜6である。
また、上記カルボン酸塩のカルボキシルイオンの価数は通常1価〜4価であり、好ましくは1価〜3価であり、特に好ましくは1〜2価である。
カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)における、カルボン酸塩水和物の重量平均分子量は通常50〜1000であり、好ましくは50〜600であり、特に好ましくは50〜400である。
上記カルボン酸塩水和物は具体的には、例えば1価カルボン酸塩として酢酸ナトリウム(CH3COONa・3H2O)、酢酸カルシウム((CH3COO)2Ca・H2O)等の酢酸塩、乳酸カルシウム((CH3CH(OH)COO)2Ca・5H2O)等の乳酸塩、グルコン酸亜鉛((CH2(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)COO)2Zn・3H2O)、グルコン酸カルシウム((CH2(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)COO)2Ca・H2O)等のグルコン酸塩、安息香酸マグネシウム((C65COO)2Mg・4H2O)、安息香酸カルシウム((C65COO)2Ca・3H2O)等の安息香酸塩、リンゴ酸ナトリウム(NaOOCCH(OH)CH2COONa)・3H2O)、リンゴ酸カルシウム(OOCCH(OH)CH2COO)Ca・H2O)等のリンゴ酸塩;2価カルボン酸塩としてシュウ酸カリウム((COONa)2・H2O)、シュウ酸アンモニウム((COONH42・H2O)等のシュウ酸塩、コハク酸二ナトリウム((CH2COONa)2・6H2O)、コハク酸二カリウム((CH2COOK)2・3H2O)等のコハク酸塩、L-グルタミン酸水素カリウム(HOOCCH(NH2)CH2CH2COOK・H2O)、L-グルタミン酸水素ナトリウム(HOOCCH(NH2)CH2CH2COONa・H2O)、L-グルタミン酸マグネシウム((OOCCH(NH2)CH2CH2COO)Mg・4H2O)等のグルタミン酸塩、L−アスパラギン酸ナトリウム(HOOCCH2CH(COOH)NH2・H2O)等のアスパラギン酸塩、L−酒石酸水素ナトリウム(HOOCCH(OH)CH(OH)COONa・H2O)等の酒石酸塩;3価カルボン酸塩としてクエン酸三カリウム(KOCOCH2C(OH)(COOK)CH2COOK・H2O)、クエン酸三ナトリウム((C35O(COO)3)Na3・2H2O)等のクエン酸塩;4価カルボン酸塩としてエチレンジアミン四酢酸カルシウムニナトリウム(Ca(OOCCH2)2NCH2CH2N(CH2COONa)2・2H2O)、エチレンジアミン四酢酸ニナトリウム((HOOCCH2)2NCH2CH2N(CH2COONa)2・2H2O)、等のEDTA四酢酸塩等のEDTAカルボン酸塩等が挙げられる。
なお、上記カッコ内で示した化学式は、最も多く水和水を有する水和物の化学式を表わす。
上記の中で、シュウ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、EDTAカルボン酸塩は脂肪族カルボン酸塩であり、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩はアミノ酸塩である。
生産性や安全性の点から、好ましくは1〜4価であり、重量平均分子量が50〜600の飽和脂肪族カルボン酸塩およびアミノ酸塩であり、特に好ましくは酢酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩である。
カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)は、通常粉体であり、その粒子径はASTM E11−04に基づいて測定した値で、通常100メッシュパスが50体積%以上であり、好ましくは100メッシュパスが60体積%以上、特に好ましくは100メッシュパスが100体積%以上である。かかる粒子径は、熱可塑性樹脂(A)への分散性が良好となる点から、小さいことが好ましい。粒子径が大きすぎる場合、熱可塑性樹脂(A)に入り込んだ水分を除去する効果が不足し、熱水処理(すなわちレトルト処理)後のガスバリア性が不足する傾向がある。
これらのカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)は通常は単独で用いるが、2種以上を混合して使用することもできる。
本発明においては、熱可塑性樹脂(A)中にカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が分散していることが好ましい。したがって、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の配合量は、特定化合物を選択したという本発明の技術思想によれば特に限定されず、配合量に応じた効果が発現できる。
本発明の樹脂組成物において、熱可塑性樹脂(A)/カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の含有比は、カルボン酸塩完全脱水物としての重量比にて、10/90以上、好ましくは30/70以上、より好ましくは50超/50未満、さらに好ましくは70/30以上、特に好ましくは80/20以上、殊に好ましくは85/15以上であり、また、99/1以下、好ましくは97/3以下、より好ましくは95/5以下、さらに好ましくは92/8以下である。なお、熱可塑性樹脂(A)/カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の含有比の範囲は、好ましくは10/90〜99/1であり、より好ましくは30/70〜97/3、さらに好ましくは80/20〜95/5である。
特に本発明の樹脂組成物を用いた成形物における、熱可塑性樹脂(A)/カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の含有比は、カルボン酸塩完全脱水物としての重量比にて通常50超/50未満〜99/1、さらに好ましくは70/30〜97/3、特には80/20〜95/5、殊には85/15〜92/8である。ただし、かかる(B)においては完全脱水物の状態における重量を意味する。かかる比率が大きすぎる場合には熱可塑性樹脂(A)に入り込んだ水分を除去する効果が不足し、熱水処理(レトルト処理)後のガスバリア性が十分とならない傾向があり、また、小さすぎる場合には熱可塑性樹脂(A)の層が形成されず、ガスバリア性が十分とならない傾向がある。
なお、本発明の樹脂組成物は、そのまま成形加工に供して各種成形物を得てもよいし、一旦、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の高濃度組成物(マスターバッチとも称される)を製造しておき、成形時に熱可塑性樹脂で希釈して、各種成形物を得てもよい。かかるマスターバッチにおける熱可塑性樹脂(A)とカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の含有比は、熱可塑性樹脂(A)/カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の重量比にて通常10/90〜50未満/50超である。
本発明の樹脂組成物は、本発明の趣旨を阻害しない範囲(例えば樹脂組成物全体に対して30重量%以下、好ましくは10重量%以下)において、上記熱可塑性樹脂(A)に一般的に用いられる可塑剤、フィラー、クレイ(モンモリロナイト等)、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、酸素吸収剤、紫外線吸収剤、滑剤、ワックス、分散剤(ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸カルシウム等)等の公知の添加剤を適宜配合することができる。
また、本発明の樹脂組成物は成型時の溶融混練工程で樹脂組成物の粘性増加が抑制され、取り扱い性が良好となるものであり、230℃の溶融粘度(Nm)における120分後の値/20分後の値が通常1.0〜1.5であり、好ましくは1.0〜1.3である。かかる値が低すぎる場合、製膜時に発泡が起こることが懸念され、高すぎる場合には、滞留劣化物を誘発しやすい傾向がある。
<混合方法>
上記の熱可塑性樹脂(A)と、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を混合するにあたっては、通常溶融混錬または機械的混合法(ペレットドライブレンド)を行ない、好ましくは溶融混錬法である。具体的には、各成分をドライブレンド後に溶融混合する方法や、溶融状態の熱可塑性樹脂(A)にカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を混合する方法が挙げられる。
混合順序は、例えば(1)(A)と(B)を同時にブレンドする方法、(2)(A)に(B)を過剰量配合してブレンドした(B)の高濃度組成物を製造し、かかる(B)の高濃度組成物に(A)を加えることで、(B)成分を希釈し、目的の組成とする方法がある。
特に、熱可塑性樹脂(A)として、例えば(A1)と(A2)の2種類の熱可塑性樹脂を用いる場合には、(3)予め(A1)または(A2)のどちらか一方に、(B)をブレンドし、次いで、他方の樹脂をブレンドする、(4)予め(A1)および/または(A2)に(B)を過剰量配合してブレンドした(B)の高濃度組成物を製造し、かかる(B)高濃度組成物に(A1)および/または(A2)を加えてブレンドし、(B)成分を希釈する方法がある。
通常は(1)の方法が用いられるが、流通時のコストの点から、(2)および(4)の方法のように、一旦(B)の高濃度組成物を製造し、成形時に希釈して用いることも好ましい。このとき、(B)の高濃度組成物と熱可塑性樹脂(A)との含有比は、(B)の高濃度組成物の組成にもよるが、熱可塑性樹脂(A)/(B)の高濃度組成物の重量比にて通常10/90〜90/10であり、好ましくは20/80〜90/10であり、特に好ましくは30/70〜90/10である。
混合方法は例えばバンバリーミキサー等でドライブレンドする方法や単軸または二軸の押出機等で溶融混練し、ペレット化する方法等任意のブレンド方法が採用され得る。かかる溶融混錬温度は、通常150〜300℃、好ましくは170〜250℃である。
場合によっては(B)の水溶液に(A)および/または他の熱可塑性樹脂を浸漬することにより(B)を含有させ、乾燥することによって製造する方法も採用可能である。
本発明における(B)は、樹脂組成物を成形した成形物中において、水和物形成能を有することが必要であるため、(B)の水溶液に(A)および/または他の熱可塑性樹脂を浸漬することにより(B)を含有させてから乾燥する方法は、(B)の水和物形成能を低下させる傾向があるため採用し難い。
また、場合によっては、EVOH等の熱可塑性樹脂(A)とカルボン酸塩の飽和水和物を混合し、溶融混練することで、カルボン酸塩の飽和水和物が有する水和水を蒸発させて本発明の樹脂組成物を得る方法も採用可能であるが、かかる方法では樹脂組成物中に発泡が起こる傾向があるため採用し難い。
本発明の樹脂組成物は、溶融成形により例えばフィルム、シート、カップやボトルなどの成形物に成形することができる。かかる溶融成形方法としては、押出成形法(T−ダイ押出、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、異型押出等)、射出成形法が主として採用される。溶融成形温度は、通常150〜300℃、好ましくは170〜250℃の範囲から選ぶことが多い。
本発明の樹脂組成物を含む溶融成形物はそのまま各種用途に用いてもよい。このとき、樹脂組成物の層の厚みは通常20〜5000μm、好ましくは40〜4000μm、特に好ましくは60〜3000μm以上である。
なお、樹脂組成物の層は、通常、熱可塑性樹脂(A)及びカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を含有する。また、樹脂組成物の層は、上記のようにして得られる樹脂組成物から形成される層であり、通常、上記のような溶融形成を行うことにより得られる。なお、本発明の樹脂組成物において、熱可塑性樹脂(A)とカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)は溶融時の熱により反応するものではない。通常、本願発明の樹脂組成物を成形してなる溶融成形物は、熱可塑性樹脂(A)のマトリックスにカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が分散して存在するものである。
<本発明の樹脂組成物の層を有する多層構造体の説明>
本発明の樹脂組成物は、さらに強度を上げたり他の機能を付与したりするために、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を含有しない他の基材と積層して多層構造体としてもよい。かかる他の基材としては、上記した熱可塑性樹脂(A)にあげられた樹脂と同様の熱可塑性樹脂が有用である。そして、通常は、さらに強度を上げたり他の機能を付与したりするため、熱可塑性樹脂(A)とは種類の異なる他の熱可塑性樹脂を用いる。
上記他の基材に用いる他の熱可塑性樹脂には、本発明の趣旨を阻害しない範囲(例えば30重量%以下、好ましくは10重量%以下)において、従来知られているような可塑剤、フィラー、クレイ(モンモリロナイト等)、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、酸素吸収剤、紫外線吸収剤、滑剤、ワックス、分散剤等の公知の添加剤を含んでいても良い。
本発明の樹脂組成物を、種類の異なる熱可塑性樹脂(A)を用いた本発明の樹脂組成物および/または他の熱可塑性樹脂と積層するときの積層方法としては公知の方法にて行うことができる。例えば、本発明の樹脂組成物のフィルム、シート等に他の基材を溶融押出ラミネートする方法、逆に他の基材に該樹脂を溶融押出ラミネートする方法、該樹脂と他の基材とを共押出する方法、該樹脂(層)と他の基材(層)とを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法、他の基材上に該樹脂の溶液を塗工してから溶媒を除去する方法等が挙げられる。
これらの中でも、コストや環境の観点から考慮して共押出しする方法が好ましい。
本発明の多層構造体は、多層構造体に含まれる各層に本発明の樹脂組成物を用いることが出来る。本発明の多層構造体は、通常2〜15層、好ましくは3〜10層である。このとき、本願発明の樹脂組成物の層は、多層構造体の最外層、中間層、最内層のいずれの位置に存在していてもよい。
例えば、本発明の樹脂組成物の層をa1((A)としてポリオレフィン系樹脂を使用)、a2((A)としてポリアミド系樹脂を使用)、a3((A)としてポリエステル系樹脂を使用)、a4((A)としてEVOHを使用)とした場合、a1/a2、a1/a4や、a1/a2/a1、a1/a4/a1、a3/a2/a3、a3/a4/a3、a2/a4/a2等任意の組み合わせが可能である。
また、本発明の樹脂組成物の層をα(α1、α2、・・・)、他の熱可塑性樹脂(すなわち、(B)成分を含有しない熱可塑性樹脂)層をβ(β1、β2、・・・)とするとき、α/βの二層構造のみならず、β/α/β、α/β/α、α1/α2/β、α/β1/β2、β/α1/α2/α1/β、β2/β1/α/β1/β2、β2/β1/α/β1/α/β1/β2等任意の組み合わせが可能である。また、該多層構造体を製造する過程で発生する端部や不良品当等を再溶融成形して得られる、該樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂の混合物を含むリサイクル層をRとするとき、β/R/α、β/R/α/β、β/R/α/R/β、β/a/R/α/β、β/R/α/R/α/R/β等とすることも可能である。
なお、上記の層構成において、それぞれの層間には、必要に応じて接着性樹脂層を設けることができ、かかる接着性樹脂としては、公知ものを使用すればよい。かかる接着性樹脂はaおよびα、βの樹脂の種類によって異なるため、適宜選択すればよいが、代表的には熱可塑性樹脂(A)の中でも、不飽和カルボン酸またはその無水物をポリオレフィン系樹脂に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性ポリオレフィン系樹脂を挙げることができる。例えば具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン(ブロックおよびランダム)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等であり、これらから選ばれた1種または2種以上の混合物が好ましい。またこれらの接着性樹脂には、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エラストマー成分、さらにはβ層の樹脂等をブレンドすることも可能である。特に、接着性樹脂の母体のポリオレフィン系樹脂と異なるポリオレフィン系樹脂をブレンドすることも有用である。
特に、多層構造体にガスバリア性を付与する場合には、EVOHやポリアミド系樹脂等のガスバリア性樹脂層を設けることが有用である。しかし、EVOHやポリアミド系樹脂は水分が入り込むことによってガスバリア性が低下するため、一般的には、該ガスバリア性樹脂層とは別に、疎水性の熱可塑性樹脂(以下、他の疎水性樹脂と称することがあり、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。なお、ポリアミド系樹脂は耐衝撃性に優れるため、ガスバリア性付与を目的とせず、該疎水性樹脂として用いることが可能である。)を積層し多層構造体として用いる。
このような多層構造体においては、ガスバリア性樹脂として用いられるEVOHやポリアミド系樹脂等に対して、本発明の技術を適用してもよいし、または積層する他の疎水性樹脂(例えば、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等)および接着性樹脂(例えば、変性ポリオレフィン系樹脂等)に本発明の樹脂組成物を用いることも、ガスバリア性樹脂層へ水分が入り込むことを防ぐことが出来る点で有用である。当然ながら、ガスバリア性樹脂および積層する他の疎水性樹脂のそれぞれ全てに本発明の技術を適用してもよい。
特に、レトルト処理等の熱水処理を行なう場合は、多層構造体の端面からだけでなく、わずかに他の疎水性樹脂層内に浸透し、他の疎水性樹脂層を通過してガスバリア性樹脂層へ水分が入り込むことがあるため、ガスバリア性樹脂層および/またはガスバリア性樹脂層に積層する各層に対して本発明の樹脂組成物を用いることが有用である。
このような観点から、ガスバリア性樹脂層に近い層、好ましくは、ガスバリア性樹脂層と接する層に対して本発明の樹脂組成物を用いることがより好ましい。
具体的には、例えば、他の疎水性樹脂(例えば、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等)層を(I)層、接着性樹脂(例えば、変性ポリオレフィン系樹脂等)層を(II)層、ガスバリア性樹脂(例えば、EVOH、ポリアミド系樹脂等)層を(III)層とし、(I)層/(II)層/(III)層/(II)層/(I)層という層構成をとる場合、(III)層に本発明の樹脂組成物を用いることが好ましい。
さらに、水分の影響を受けやすい(III)層に、より水分が浸入するのを防ぐためには、(III)層および該層と直接接触する(II)層に本発明の樹脂組成物を用いることがより好ましい。
そして、本発明においては、EVOHを含む層を中間層として含み、その中間層の両側にポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂の層を設けた多層構造体において、EVOHを含む層および/またはEVOHを含む層と積層する層にカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を含有させることが最も好ましい。
上記のようにして得られる本発明の多層構造体は、次いで必要に応じて加熱延伸処理が施される。かかる加熱延伸処理とは熱的に均一に加熱されたフィルム、シート状の多層構造体をチャック、プラグ、真空力、圧空力、ブローなどにより、チューブ、フィルム状に均一に成形する操作を意味し、かかる延伸については、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよく、二軸延伸の場合は同時延伸であっても逐次延伸であってもよい。
延伸方法としてはロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法、真空圧空成形等のうち延伸倍率の高いものも採用できる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は、多層構造体近傍の温度で通常40〜170℃、好ましくは60〜160℃程度の範囲から選ばれる。延伸温度が低すぎる場合は延伸性が不良となり、高すぎる場合は安定した延伸状態を維持することが困難となる。
なお、延伸後に寸法安定性を付与することを目的として、次いで熱固定を行ってもよい。熱固定は周知の手段で実施可能であり、例えば上記延伸フィルムを緊張状態を保ちながら通常80〜180℃、好ましくは100〜165℃で通常2〜600秒間程度熱処理を行う。
また、本発明の樹脂組成物から得られた多層延伸フィルムをシュリンク用フィルムとして用いる場合には、熱収縮性を付与するために、上記の熱固定を行わず、例えば延伸後のフィルムに冷風を当てて冷却固定するなどの処理を行えばよい。
本発明の多層構造体の全厚みは、通常200〜50000μm、好ましくは400〜40000μm、特に好ましくは600〜30000μmである。
多層構造体における本発明の樹脂組成物の層は、目的とする用途および樹脂の種類、層構成によって異なるが、通常20〜5000μm、好ましくは40〜4000μm、特に好ましくは60〜3000μmである。
特に、多層構造体においてガスバリア性樹脂層を用いて他の疎水性樹脂層および接着性樹脂層を設ける場合、その各層の厚みは、層構成、ガスバリア性樹脂、他の疎水性樹脂の種類、接着性樹脂の種類、用途や包装形態、要求される物性などにより調節すればよい。
かかる場合、ガスバリア性樹脂層は通常5〜500μmであり、好ましくは10〜250μm、特に好ましくは20〜100μmである。なお、該厚みは、ガスバリア性樹脂層が複数ある場合、個々の層の厚みを示す。かかる厚みが薄すぎると十分なガスバリア性が得られない傾向があり、逆に厚すぎるとフィルムの柔軟性が不足する傾向にある。
また、同様にかかる場合において、他の疎水性樹脂層は通常10〜1000μm、好ましくは50〜500μmであり、接着性樹脂層は5〜500μm、好ましくは10〜250μm程度の範囲から選択される。なお、該厚みは、他の疎水性樹脂層が複数ある場合、個々の層の厚みを示す。
そして、かかる他の疎水性樹脂層/樹脂組成物の層の厚み比は、各層が複数ある場合は最も厚みの厚い層同士の比で、通常1超〜30であり、好ましくは2〜30であり、接着性樹脂層/ガスバリア性樹脂層の厚み比は、通常0.1〜2であり、好ましくは0.1〜1である。
得られた多層構造体に、さらに他の基材を押出コートしたり、他の基材のフィルム、シート等を接着剤を用いてラミネートすることも可能である。かかる基材としては通常前記他の疎水性樹脂が使用されるが、それ以外にも任意の基材(紙、金属箔、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又はシートおよびその無機化合物蒸着物、織布、不織布、金属綿状、木質等)が使用可能である。
上記の如く得られた多層構造体は、フィルム、シート、延伸フィルムを含む袋およびカップ、トレイ、チューブ、ボトル等を含む容器や蓋材として、一般的な食品の他、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料、味噌等の発酵食品、サラダ油等の油脂食品、飲料、化粧品、医薬品等の各種の包装材料容器として有用である。
特に、本発明の樹脂組成物の層を少なくとも1層有する多層構造体は、熱水処理後のバリア性が優れるため、熱水処理を行なう食品の包装材料として特に有用である。
なお、該多層構造体の熱水処理後における本発明の樹脂組成物においては、経時的にカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)がEVOH等の熱可塑性樹脂(A)中の水分を吸収するものであり、水分を吸収した後の(B)成分は、通常水和水を飽和量の70%より多く有するカルボン酸塩水和物として存在するものである。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
熱可塑性樹脂(A)として、EVOH(エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物:エチレン構造単位の含有量29モル%、ケン化度99.7%、MFR4g/10分(210℃、荷重2160g))90部を、直径が30mm、ミキシングゾーンを2箇所有する2軸押出機に仕込み、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)としてコハク酸二ナトリウム(完全脱水物)10部(EVOH(A)/カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)=90/10)をパウダーフィーダーにより、サイド仕込みして、溶融混練し、ストランド状に押出してカッターで切断し、本発明の樹脂組成物の円柱状のペレットを得た。
押出機設定温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6/C7/H/D=200/210/230/230/230/230/230/230/230℃
次に該ペレットをTダイを備えた押出機に供給して、ダイを230℃とし、厚さ320μmの3種5層多層フィルムを製膜した。押出成形条件は下記のように設定した。
押出機を3台有し、3種5層型フィードブロック、多層フィルム成形用ダイおよび引取機を有する共押出多層フィルム成形装置を用いて共押出を実施し、冷却水の循環するチルロールにより冷却して多層構造体(ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社”EA6A”)/接着樹脂(三菱化学株式会社製、”MODIC−AP P604V”)/本発明の樹脂組成物/接着樹脂/ポリプロピレン(厚さ(μm):120/20/40/20/120))を得た。
<熱水処理後の酸素透過性評価>
上記の多層構造体のサンプル片(10cm×10cm)を、レトルト装置(日阪製作所)を用いて123℃で熱水加熱処理を33分間実施した後、取り出して酸素ガス透過量測定装置(モコン社製、OX−TRAN 10/50)を用いて、酸素透過速度(23℃、内部100%RH、外部50%RH)を測定した。結果を表1に示す。
<押出加工特性>
得られた樹脂組成物ペレットについて、押出加工特性の評価を以下の要領で行った。トルク検出型レオメーターで溶融混練した時のトルク値の経時的変化を下記の如く測定して評価した。
温度230℃に設定されたトルク検出型レオメーター(ブラベンダー社製「プラスチコーダーPLE331」、ローラーミキサー:W50E)を用い、樹脂組成物ペレット55gを投入後、5分間予熱し、その後回転数50rpmで溶融混練した時のトルク値を経時的に測定して、以下の通り評価した。結果を表2に示す。
実施例2
実施例1において、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)としてコハク酸二ナトリウムの代わりに、酒石酸ナトリウム(完全脱水物)を用いた以外は同様にして積層体を得、同様の評価を行なった。
実施例3
実施例1において、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)としてコハク酸二ナトリウムの代わりに、クエン酸三ナトリウム(完全脱水物)を用いた以外は同様にして積層体を得、同様の評価を行なった。
比較例1
実施例1において、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)としてコハク酸二ナトリウムの代わりに、ピロリン酸ナトリウム(完全脱水物)を配合した以外は同様にして積層体を得、同様の評価を行なった。
比較例2
実施例1において、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)としてコハク酸二ナトリウムの代わりに、硫酸ナトリウム(完全脱水物)を配合した以外は同様にして積層体を得、<熱水処理後の酸素透過性評価>の評価を行なった。
比較例3
実施例1において、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)としてコハク酸二ナトリウムの代わりに、シリカゲルを配合した以外は同様にして積層体を得、<熱水処理後の酸素透過性評価>の評価を行なった。
参考例1
実施例1において、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を配合しかった以外は同様にして積層体を得、同様の評価を行なった。
Figure 0005523010
以上の結果より、コハク酸二ナトリウム(完全脱水物)を用いた本発明の実施例1では、熱水処理後12時間経った時点で2cc/m2・day・atmと良好な状態であり、かつ、3日経っても同様の良好な値であった。また、酒石酸ナトリウム(完全脱水物)を用いた本発明の実施例2およびクエン酸三ナトリウム(完全脱水物)を用いた本発明の実施例3においても、熱水処理後3日経過後の酸素透過量が、それぞれ2cc/m2・day・atm、3cc/m2・day・atmと良好な値であった。
これに対して、ピロリン酸ナトリウム(完全脱水物)を用いた比較例1では、熱水処理後12時間経った時点で5cc/m2・day・atmと、実施例1の2倍以上の酸素透過量であり、かつ、3日経った時点でも4cc/m2・day・atmであり、実施例1の2倍の酸素透過量であった。かかる結果から、本発明の優位性は明らかである。
また、比較例2では、熱水処理後12時間経った時点で16cc/m2・day・atmと、実施例1の8倍以上の酸素透過量であり、比較例3では25cc/m2・day・atmと、実施例1の12倍以上の酸素透過量であった。また、3日後の時点では比較例2で12cc/m2・day・atmと、未だ実施例1の6倍の値であり、比較例3では21cc/m2・day・atmと、実施例1の10倍以上の酸素透過量であった。
以上の結果より、本発明の樹脂組成物の、熱水処理後のガスバリア性能は顕著に優れた効果であると言える。
Figure 0005523010
まず、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)成分を含有しないEVOHは、20分後において10.7Nmであるが、経時的に粘度が増加し、120分後には11.3Nmとなり、20分後の粘度の1.1倍に増加することが判る(参考例参照)。
また、ピロリン酸ナトリウム(完全脱水物)を用いた比較例1では、20分後において10.2Nmと、本願発明と同様の良好な数値であった。そして、80分後には13.6Nmと増加し、120分後には18.5Nmと、20分後の粘度の1.8倍にまで粘度が増加した。
これに対して、コハク酸二ナトリウム(完全脱水物)を用いた本発明の実施例1では、20分後のときに12.4Nmと良好な状態であった。さらに、その後80分後、100分後においても同様の数値を維持しており、230℃の溶融粘度(Nm)における120分後の値/20分後の値が、1.0であった。また、酒石酸ナトリウム(完全脱水物)を用いた本発明の実施例2においては、230℃の溶融粘度(Nm)における120分後の値/20分後の値が1.5であり、クエン酸三ナトリウム(完全脱水物)を用いた本発明の実施例3においては1.1と、粘度が抑制された良好な値であった。
かかる結果から、本発明の樹脂組成物は、従来技術と比較して経時的な粘度増加の抑制効果が顕著であることが判った。従って、本発明の優位性は明らかである。
実施例4
実施例1において、熱可塑性樹脂(A)として、側鎖1,2−ジオール変性EVOH(側鎖1,2−ジオール変性エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物:エチレン構造単位の含有量32モル%、構造式(1a)で表わされる側鎖1,2−ジオール構造単位含有量1.0モル%、ケン化度99.7%、MFR4g/10分(210℃、荷重2160g))を用いた以外は同様にして積層体を得、<熱水処理後の酸素透過性評価>の評価を行なった。結果を表3に示す。
実施例5
実施例1において、熱可塑性樹脂(A)として、ポリアミド系樹脂(6ナイロン:三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製:Novamid 1022BLMJ)(粘度数195ml/g(測定方法:JIS K−6933))を用いた以外は同様にして積層体を得、<熱水処理後の酸素透過性評価>の評価を行なった。結果を表3に示す。
実施例6
実施例1において、熱可塑性樹脂(A)として、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン:日本ポリプロ株式会社製:EA7A)(MFR1.4g/10分(測定方法:JIS K7210))を用いて本願発明の樹脂組成物を得、実施例1と同様にして多層構造体(本発明の樹脂組成物/接着樹脂(三菱化学株式会社製、”MODIC−AP P604V”)/EVOH(エチレン構造単位の含有量29モル%、ケン化度99.7%、MFR4g/10分(210℃、荷重2160g))/接着樹脂/本発明の樹脂組成物(厚さ(μm):120/20/40/20/120))を得た以外は同様にして積層体を得、<熱水処理後の酸素透過性評価>の評価を行なった。結果を表3に示す。
参考例2
実施例4において、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を配合しなかった以外は同様にして積層体を得、<熱水処理後の酸素透過性評価>の評価を行なった。結果を表3に示す。
参考例3
実施例5において、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を配合しなかった以外は同様にして積層体を得、<熱水処理後の酸素透過性評価>の評価を行なった。結果を表3に示す。
参考例4
実施例6において、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を配合しなかった以外は同様にして積層体を得、<熱水処理後の酸素透過性評価>の評価を行なった。結果を表3に示す。
Figure 0005523010
上記の結果より、変性EVOH、およびポリアミド系樹脂等のガスバリア性樹脂にも本発明の効果が有効に得られることがわかった。 また、ガスバリア性樹脂に本発明の技術を適用するのではなく、疎水性樹脂層として用いたポリオレフィン系樹脂層に対して本願発明の技術を適用した場合であっても、本発明の効果が有効に得られることがわかった。
実施例7
実施例1において、熱可塑性樹脂(A)として、EVOH(エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物:エチレン構造単位の含有量29モル%、ケン化度99.7%、MFR5g/10分(210℃、荷重2160g))とポリアミド系樹脂(6ナイロン:三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製:Novamid 1022BLMJ)(粘度数195ml/g(測定方法:JIS K−6933))を重量比にてEVOH/ポリアミド系樹脂=90/10にて配合し、かつ酢酸マグネシウム4水和物を360ppm含有させた樹脂組成物を用いた以外は同様にして積層体を得、<熱水処理後の酸素透過性評価>の評価を行なった。結果を表4に示す。
Figure 0005523010
以上の結果より、EVOHとポリアミド系樹脂との樹脂組成物においても、本発明の効果が良好に得られることがわかった。
実施例8
実施例1において、熱可塑性樹脂(A)として、EVOH(エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物:エチレン構造単位の含有量29モル%、ケン化度99.7%、MFR4g/10分(210℃、荷重2160g))とポリアミド系樹脂(6ナイロン:三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製:Novamid 1022BLMJ)(粘度数195ml/g(測定方法:JIS K−6933))を重量比にてEVOH/ポリアミド系樹脂=90/10にて配合した樹脂組成物を用いた以外は同様にして得られた樹脂組成物ペレットについて、押出加工特性の評価を行なった。結果を表5に示す。
Figure 0005523010
以上の結果より、EVOHとポリアミド系樹脂との樹脂組成物において、230℃の溶融粘度(Nm)における120分後の値/20分後の値が、1.3であったことから、EVOHとポリアミド系樹脂との樹脂組成物においても、本発明の効果が良好に得られることがわかった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本発明の樹脂組成物は、成型時の溶融混練工程で樹脂組成物の粘性増加が抑制され、取り扱い性が良好となり、かつ本発明の樹脂組成物の層を少なくとも1層有する多層構造体は熱水処理後のガスバリア性に優れるとの性質を有するため、食品、医薬品、工業薬品、農薬などの包装材料として有用である。

Claims (12)

  1. 熱可塑性樹脂(A)とカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を含有する樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂(A)が、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物及び/又はポリアミド系樹脂であり、該熱可塑性樹脂(A)と該カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の含有比が、重量比にて10/90〜99/1である樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂(A)とカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)の含有比が、重量比にて80/20〜95/5である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が、結晶水量が飽和量の70%以下であるカルボン酸塩水和物の脱水物である請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が、カルボン酸塩水和物の完全脱水物である請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物。
  5. カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が、炭素数1〜12のカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物である請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物。
  6. カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)が、1〜4価のカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物である請求項1〜5いずれか記載の樹脂組成物。
  7. 熱可塑性樹脂(A)が、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物及びポリアミド系樹脂を含み、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物に対してポリアミド系樹脂を1〜40重量%含有する請求項1〜6いずれか記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7いずれか記載の樹脂組成物を含む溶融成形物。
  9. 請求項1〜いずれか記載の樹脂組成物の層を少なくとも1層有する多層構造体。
  10. エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物を含む層を中間層として含み、その中間層の両側に、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有する熱可塑性樹脂を含む層を設けた多層構造体であって、
    エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物を含む層およびエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物を含む層と積層する層の少なくとも1層が、カルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)を含有する多層構造体。
  11. エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物を含む層が、さらにポリアミド系樹脂をエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物に対して1〜40重量%含有する請求項10記載の多層構造体
  12. 熱可塑性樹脂(A)とカルボン酸塩水和物の部分脱水物または完全脱水物(B)とを溶融混合する工程を含む請求項1記載の樹脂組成物の製造方法。
JP2009185245A 2008-08-08 2009-08-07 樹脂組成物、溶融成形物、多層構造体及び樹脂組成物の製造方法 Active JP5523010B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009185245A JP5523010B2 (ja) 2008-08-08 2009-08-07 樹脂組成物、溶融成形物、多層構造体及び樹脂組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008205122 2008-08-08
JP2008205122 2008-08-08
JP2009185245A JP5523010B2 (ja) 2008-08-08 2009-08-07 樹脂組成物、溶融成形物、多層構造体及び樹脂組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010059418A JP2010059418A (ja) 2010-03-18
JP5523010B2 true JP5523010B2 (ja) 2014-06-18

Family

ID=41663807

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009185245A Active JP5523010B2 (ja) 2008-08-08 2009-08-07 樹脂組成物、溶融成形物、多層構造体及び樹脂組成物の製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9376545B2 (ja)
EP (2) EP2845881B1 (ja)
JP (1) JP5523010B2 (ja)
CN (1) CN102216392B (ja)
WO (1) WO2010016595A1 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5590793B2 (ja) * 2007-12-27 2014-09-17 日本合成化学工業株式会社 Evoh樹脂組成物の製造方法
WO2010016595A1 (ja) 2008-08-08 2010-02-11 日本合成化学工業株式会社 樹脂組成物、溶融成形物、多層構造体及び樹脂組成物の製造方法
WO2010104013A1 (ja) 2009-03-09 2010-09-16 日本合成化学工業株式会社 エチレン-ビニルエステル共重合体加溶媒分解物組成物の製造方法
EP2474571B1 (en) 2009-09-01 2018-03-21 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. Resin composition, multilayered structure using resin composition, and method for producing same
SG10201502314UA (en) 2010-03-25 2015-05-28 Kuraray Co Resin composition, method for production thereof and multilayered structure
JP5681523B2 (ja) * 2011-02-28 2015-03-11 日本合成化学工業株式会社 エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物成形物の製造方法
JP5787630B2 (ja) * 2011-02-28 2015-09-30 日本合成化学工業株式会社 共射出成形物及び共射出成形方法
US9296887B2 (en) 2011-03-15 2016-03-29 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. Resin composition and molded product thereof
US8791186B2 (en) 2011-12-06 2014-07-29 International Business Machines Corporation Indication of improperly molded parts
WO2015053176A1 (ja) 2013-10-09 2015-04-16 日本合成化学工業株式会社 エチレン-ビニルエステル共重合体ケン化物組成物及び当該組成物を用いた多層構造体
BR112016026345B1 (pt) * 2014-05-12 2021-08-03 Kuraray Co., Ltd. Composição de resina peletizada, seus métodos de produção, película, e artigo moldado
JP6710944B2 (ja) * 2014-12-24 2020-06-17 三菱ケミカル株式会社 樹脂組成物および多層構造体
EP3281980B1 (en) * 2015-04-07 2021-03-03 Mitsubishi Chemical Corporation Resin composition and multilayer structure using same, and method of improving long-run stability
WO2016163407A1 (ja) * 2015-04-07 2016-10-13 日本合成化学工業株式会社 樹脂組成物及びこれを用いた多層構造体
SG11201804990WA (en) 2015-12-16 2018-07-30 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd Resin composition, melt-molded article using same, and multilayered structure
WO2017110561A1 (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 日本合成化学工業株式会社 エチレン-ビニルアルコール系共重合体組成物ペレット及び該エチレン-ビニルアルコール系共重合体組成物ペレットの製造方法
JP6713854B2 (ja) * 2016-06-28 2020-06-24 株式会社クラレ 多層構造体及び熱成形容器
JP7015792B2 (ja) * 2016-12-29 2022-02-03 株式会社クラレ 熱水殺菌処理された包装体及びその製造方法
WO2020203904A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 三菱ケミカル株式会社 樹脂組成物、フィルム及び多層構造体
JP2020164865A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 三菱ケミカル株式会社 樹脂組成物、フィルム及び多層構造体
JP7302754B2 (ja) * 2020-10-06 2023-07-04 東洋製罐グループホールディングス株式会社 ガスバリア性塗料組成物及びガスバリア性積層体

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US61270A (en) * 1867-01-15 Improvement in sewing-machines
US70052A (en) * 1867-10-22 waits
US4613644A (en) * 1984-03-23 1986-09-23 Kuraray Co., Ltd. Resinous composition
JPH0747303B2 (ja) * 1986-05-15 1995-05-24 株式会社クラレ 多層成形体
US4792484A (en) 1986-05-15 1988-12-20 Kuraray Co., Ltd. Composition, process for producing the same and multi-layer structure
JPH0222052A (ja) 1987-02-05 1990-01-24 Kureha Chem Ind Co Ltd 熱収縮性積層フイルム及びその製造方法
JP2744278B2 (ja) 1988-02-29 1998-04-28 株式会社クラレ レトルト用多層容器
JP3361359B2 (ja) * 1993-06-08 2003-01-07 日本合成化学工業株式会社 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物系樹脂組成物および該組成物の層を含む共押出積層体
JP3523340B2 (ja) 1994-08-30 2004-04-26 呉羽化学工業株式会社 塩化ビニリデン系重合体成形物
JP3797772B2 (ja) 1997-11-04 2006-07-19 日本ポリプロ株式会社 医療容器用ポリプロピレン系樹脂組成物
JP2002155159A (ja) 2000-08-31 2002-05-28 Dainippon Ink & Chem Inc 防曇性樹脂シート、防曇剤および成形品
EP1184408A3 (en) 2000-08-31 2003-05-02 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Anti-fog resin sheet, anti-fog agent and molded article
JPWO2005108440A1 (ja) * 2004-05-10 2008-03-21 東セロ株式会社 ガスバリア性膜、ガスバリア性積層体及びその製造方法
TW200607459A (en) * 2004-06-18 2006-03-01 Kuraray Co Oxygen-absorbing composition and packaging material
DE602007005987D1 (de) * 2006-02-24 2010-06-02 Nippon Synthetic Chem Ind Harzzusammensetzung und ihre verwendung
US20070275197A1 (en) * 2006-05-25 2007-11-29 Edgard Chow Resin composition and multilayer structure
US7713614B2 (en) 2006-09-19 2010-05-11 Kuraray Co., Ltd. Resin composition and multilayer structure
JP2008205122A (ja) 2007-02-19 2008-09-04 Nec Electronics Corp 半導体装置およびその製造方法
US20090054717A1 (en) * 2007-08-21 2009-02-26 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. Method of Producing 3,4-Diacyloxy-1-Butene
JP5334567B2 (ja) * 2008-01-15 2013-11-06 日本合成化学工業株式会社 樹脂組成物および積層体
EP2267074B1 (en) * 2008-04-14 2014-11-05 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. Resin composition and multi-layered construct using the resin composition
WO2010016595A1 (ja) 2008-08-08 2010-02-11 日本合成化学工業株式会社 樹脂組成物、溶融成形物、多層構造体及び樹脂組成物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2322578B1 (en) 2017-09-20
WO2010016595A1 (ja) 2010-02-11
EP2845881B1 (en) 2018-04-11
CN102216392B (zh) 2014-12-10
US20110135950A1 (en) 2011-06-09
US9376545B2 (en) 2016-06-28
JP2010059418A (ja) 2010-03-18
EP2845881A1 (en) 2015-03-11
CN102216392A (zh) 2011-10-12
EP2322578A4 (en) 2012-01-18
EP2322578A1 (en) 2011-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5523010B2 (ja) 樹脂組成物、溶融成形物、多層構造体及び樹脂組成物の製造方法
JP5836576B2 (ja) 樹脂組成物及び当該樹脂組成物を用いた多層構造体及びその製造方法
JP5334567B2 (ja) 樹脂組成物および積層体
JP7532003B2 (ja) 樹脂組成物及びそれを用いた多層構造体
JP6133095B2 (ja) 多層構造体及びその製造方法
WO2017204272A1 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた成形物、ならびに多層構造体
JP7031590B2 (ja) エチレン-ビニルアルコール系共重合体組成物、ペレット群および多層構造体
JP2017039950A (ja) 樹脂組成物及びそれを用いた多層構造体、並びにロングラン安定性改善方法
JP3512362B2 (ja) 樹脂組成物ペレットおよび成形物
JP2016199744A (ja) 樹脂組成物及びこれを用いた多層構造体
JP5787630B2 (ja) 共射出成形物及び共射出成形方法
JP4642170B2 (ja) 樹脂組成物および積層体
JP2000290458A (ja) 樹脂組成物および積層体
WO2022114032A1 (ja) 多層構造体、その分離方法及びリサイクル方法
TW201925310A (zh) 乙烯-乙烯醇系共聚物組成物、熔融成形用材料及多層結構體
JP2015183010A (ja) 樹脂組成物および多層構造体
JP2020105509A (ja) エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂組成物、多層構造体および包装体
JP2020105510A (ja) エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂組成物、多層構造体および包装体
JPWO2019103074A1 (ja) 樹脂組成物、溶融成形用材料、多層構造体および熱水殺菌用包装材料
JP2001158043A (ja) 延伸成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140408

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140408

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5523010

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350