JPH0819303B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH0819303B2
JPH0819303B2 JP62134313A JP13431387A JPH0819303B2 JP H0819303 B2 JPH0819303 B2 JP H0819303B2 JP 62134313 A JP62134313 A JP 62134313A JP 13431387 A JP13431387 A JP 13431387A JP H0819303 B2 JPH0819303 B2 JP H0819303B2
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収治 川井
恵史 松村
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【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は高温スチーム加熱殺菌(以下レトルト殺菌)
が可能であり、高ガスバリアー性を有する事より、常温
で流通が可能であり、かつ長期保存が可能であるばかり
でなく、内容物(食品)を別の容器に移しかえる事な
く、該容器のままで、ボイル加熱、電子レンジ加熱及び
グリルオーブン加熱(220℃以下)が可能な高ガスバリ
アー性、耐熱性、多層ポリエステル容器用にとくに適す
る樹脂組成物に関する。
B.従来の技術 熱可塑性ポリエステル(以下PET)に、結晶化促進剤
などを添加し、熱成形時、あるいは、後工程で熱固定を
行い、耐熱性(220℃以下)を付与する方法は公知(特
開昭59−62660)であり、多数の耐熱性容器が多数市販
されている。該耐熱性PET容器は、内容物(食品)を別
の容器に移しかえる事なく、該容器のままで、ボイル加
熱、電子レンジ加熱及びグリルオーブン加熱が可能であ
る。特に、グリルオーブン加熱が出来る事より、食品表
面にコゲを付ける事を可能にした。それ故、該容器の用
途が、ますます拡大すると予想されたが、以下の問題が
あり、限られた用途にしか使用されていないのが現状で
ある。すなわち、該容器は、耐熱性を付与するため、PE
Tの結晶化度を高める必要がある。その結果、衝撃強度
が低下し、容器が破損しやすい。この対策として、結晶
化度を押えた薄層PETをラミネートした構成物も見受け
られるが、十分な強度を有しない。また、該容器のガス
バリアー性が悪い為、この容器で、食品を長時間保存し
ようとする場合、低温(冷凍、冷蔵)保存する必要があ
る。さらに悪い事には、結晶化度を高めたPET容器は、
低温では、さらに低い衝撃強度を示す。それ故、ますま
す、容器の破損が生じ易くなる。
そこで、これらの欠点を改善し、さらに、常温での食
品の長期保存性を大幅に改善する方法として、PET層に
他の機能性樹脂、例えば、ガスバリアー性樹脂を複合す
る方法が考えられる。そこで、PET層にポリ塩化ビニリ
デン(PVDC)あるいは、ポリアクリロニトリル(PAN)
を複合し、ガスバリアー性を有する耐熱性多層PET容器
を作製したが、グリルオーブン加熱(220℃)した場
合、着色、臭気が激しく使用に耐えなかつた。
一方、最もガスバリアー性が良好なエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体けん化物(EVOH)は、グリルオーブン加熱
(220℃)した場合、着色、臭気が、ほとんど無い事よ
り、上記、問題点を解決する有効な樹脂と考えられる。
しかしながら、PET層とEVOH層とを効果的に接着させ
る、接着性樹脂がほどんど無く、また、グリルオーブン
加熱(220℃)した場合、接着性樹脂の着色、臭気が激
しく使用に耐えなかつた。また、この容器をレトルト殺
菌した後、早い時期にグリルオーブン加熱(220℃)を
行うと、EVOHに吸湿した水分が急激に蒸発し、EVOH層と
接着性樹脂層との間に層間剥離が生じ、容器の外見をそ
こなうという問題があつた。それ故、ガスバリアー性及
び衝撃特性が良好であり、かつレトルト殺菌が可能な耐
熱性PET系容器の開発が重要な課題の一つである。
C.発明が解決しようとする問題点 良好な耐熱性を付与したPET容器の性能を損なうこと
無く、優れたガスバリアー性、耐衝撃性をさらに付与し
た容器として、EVOH/PET複合容器があげられる。この容
器は、高温スチーム加熱殺菌が可能であり、高ガスバリ
アー性を有する事より、常温で流通が可能であり、か
つ、長期保存が可能であるばかりでなく、内容物(食
品)を別の容器に移しかえる事なく、該容器のままで、
ボイル加熱、電子レンジ加熱及びグリルオーブン加熱
(220℃以下)が可能な優れた容器である。しかしなが
ら、PET層とEVOH層とを効果的に接着させる、接着性樹
脂がほとんど無く、また、グリルオーブン加熱(220
℃)した場合、接着性樹脂の着色、臭気が激しく使用に
耐えなかつた。また、この容器をレトルト殺菌した後、
早い時期にグリルオーブン加熱(220℃)を行うと、EVO
Hに吸湿した水分が急激に蒸発し、EVOH層と接着性樹脂
層との間に層間剥離が生じ、容器の外見をそこなう、と
いう問題があつた。そこで、本発明者らは鋭意検討を行
つた結果、EVOHより好適にはケイ素含有率量0.0005〜0.
2モル%であるEVOHをエチレンテレフタレート単位を80
モル%以上含むPETに、結晶化促進剤を添加した、耐熱
性PET樹脂にブレンドした樹脂組成物は、驚くべき事
に、ガスバリアー性及び衝撃特性が良好であり、かつレ
トルト殺菌(120℃−60分)可能な耐熱性PET系容器であ
ることがわかり本発明を完成するに至つた。
D.問題点を解決するための手段 本発明は、エチレン含有量20〜60モル%、酢酸ビニル
成分のけん化度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共
重合体けん化物(A)、好ましくはケイ素含有量0.0005
〜0.2モル%のEVOH(A)と、ポリエチレンからなる結
晶化促進剤をポリエステルに対して1〜15重量%含有す
る耐熱性熱可塑性ポリエステル(B)が、(A)/
(B)=5/95〜95/5の重量比からなる樹脂組成物であ
る。
E.発明のより詳細な説明 以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明に使用されるPETは、エチレンテレフタレート
を主たる構成単位とし、エチレンテレフタレート単位を
80モル%以上、好ましくは、90モル%以上含むポリエス
テルをいい、テレフタール酸以外のジカルボン酸、ある
いはエチレングリコール以外のグリコール成分を含有す
ることができる。なおここでテレフタール酸以外のジカ
ルボン酸としてはイソフタル酸、オルソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフエニルエーテルジカルボン
酸、ジフエニル−4,4ジカルボン酸などの芳香族ジカル
ボン酸、シユウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セ
バシン酸などの脂肪族ジカルボン酸及びシクロヘキサン
ジカルボン酸などの脂環式カルボン酸などがあげられ、
これらを一種あるいはそれ以上使用することが出来る。
またエチレングリコール以外のグリコール成分として
は、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノ
ナンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコールなどの脂肪族グリコール及びシクロヘキサンジ
オール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオ
ールなどがあげられ、これらを一種あるいはそれ以上使
用することが出来る。該ポリエステルの分子量は、シー
ト成形あるいは容器の物性に大きく影響するので、固有
粘度が0.60dl/g以上、好ましくは0.70dl/g以上あること
が望ましい。ここでいう固有粘度とはフエノール/テト
ラクロルエタン混合溶媒(1:1重量比)中、30℃で測定
した値である。また、耐熱性容器の成形において実用上
重要である該ポリエステルの結晶化速度を増大させるた
めに、結晶化促進材をポリマーに添加する方法が、本発
明においてとくに有効に利用される。ここで、ポリエチ
レンからなる結晶化促進剤としては、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等が
挙げられる。これらは、前記PETに対して1〜15重量
%、より好適には2〜8重量%の割合で用いられる。
また、最終製品の段階で長時間、高温下にさらされる
ため、PETに、熱安定剤を0.05〜5重量%添加する事は
有効である。さらに次に、一種あるいは、それ以上の熱
安定剤が添加される場合が多い。熱安定剤としては、例
えば、アルキル化置換フエノール、ビスフエノール、置
換ビスフエノール、チオビスフエノール、ポリフエノー
ル、チオビスアクリレート、芳香族アミン、有機ホスフ
アイト、ポリフオスフアイト、そのうち芳香族アミンの
例として、第一級ポリアミン、ジアリルアミン、ビスジ
アリルアミン、アルキル化ジアリルアミン、ケトン−ジ
アリルアミン縮合生成物、アミルデヒド−アミン縮合生
成物、アルデヒド−アミンがあげられる。また、より好
ましい熱安定剤として化合物中に2個以上のフエノール
環構造を有するポリフエノール類があり、例えばテトラ
キス〔メチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−プロピオネート〕メタンおよび1,3,
5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、さらにアルカリ
あるいはアルカリ土類金属を含むカルボキシル化合物、
例えば酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムなどがあげら
れる。また、これらを混合する際、他の添加剤(可塑
剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤など)を本発明の作用効
果が阻害されない範囲内で使用する事は自由である。さ
らに、熱、紫外線あるいは電子線などにより、発泡構造
体または架橋構造体にするため、各種CO2ガス発生剤、
架橋剤及び助剤を目的に合せて添加することもできる。
以上の結晶化促進剤、熱安定剤、他の添加剤をPETに均
一に分散させる事は、最終製品容器の性能に大きな影響
を与える為、極めて重要であり、PETに添加剤をドライ
ブレンドし溶融押出し、ペレツト化したマスターペレツ
トにPETを所望の割合でブレンドする方法、PETに添加剤
をドライブレンドし溶融押出し、ペレット化した樹脂を
使用する方法、PETに添加剤をドライブレンドし直接使
用する方法などは、耐熱性あるいはガスバリアー性の面
で品質上のバラツキが生じ易い。そこで、本発明者ら
は、鋭意検討した結果PETの重合中に上記添加剤を添加
する方法が製品容器の性能、品質安定化に重要な役割を
果たしている事をみいだした。このことは、以下に示す
実施例からも明らかである。
本発明に使用されるEVOHはエチレン含有量20〜60モル
%、好適には25〜55モル%、酢酸ビニル成分のけん化度
は90%以上、好適には96%以上のエチレン酢酸ビニル共
重合体けん化物である。エチレン含有量20モル%以下に
なると、成形温度が分解温度に近くなり、成形が困難と
なる。一方、エチレン含有量が60モル%以上になると、
ガスバリアー性が低下し好ましくない。また酢酸ビニル
成分の鹸化度が96%未満、特に90%未満のEVOHはゲル状
物が多発しやすく、又ガスバリアー性が低いため好まし
くない。更に、このEVOHはケイ素化合物を分子中に、0.
0005〜0.2モル%含有することがより望ましい。この様
な、ケイ素化合物を含有するEVOHを用いる場合は、耐熱
性あるいはガスバリアー性の面で品質上のバラツキが生
じ難い傾向にあるので好ましい。EVOHに含有するケイ素
単位は、下記(I)、(II)および(III)から選ばれ
る。
〔但し、ここでnは0〜1、mは0〜2、R1は低級アル
キル基、アリル基またはアリル基を有する低級アルキル
基、R2は炭素数1〜40のアルコシキル基であり、該アル
コシキル基は酸素を含有する置換基を有していてもよ
い。R3は水素またはメチル基、R4は水素また低級アルキ
ル基、R5はアルキレン基または連鎖炭素原子が酸素もし
くは窒素によつて相互に結合された2価の有機残基、R6
は水素、ハロゲン、低級アルキル基、アリル基またアリ
ル基を有する低級アルキル基、R7はアルコキシル基また
はアシロキシル基(ここでアルコキシル基またはアシロ
キシル基は酸素もしくは窒素を有する置換基を有してい
てもよい。)、R8は水素、ハロゲン、低級アルキル基、
アリル基、またはアリル基を有する低級アルキル基、R9
は低級アルキル基である〕さらに詳細に述べれば、R1
炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数6〜18のアリル
基、または炭素数6〜18のアリル基を有する炭素数1〜
5の低級アルキル基を示しR4は水素原子または炭素数1
〜5の低級アルキル基を示し、R5は炭素数1〜5のアル
キレン基または連鎖炭素原子が酸素もしくは窒素によつ
て相互に結合された2価の有機残基を示し、R6は水素、
ハロゲン、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数6〜
18のアリル基または炭素数6〜18のアリル基を有する炭
素数1〜5の低級アルキル基を示し、R7は炭素数1〜40
のアルコキシル基またはアシロキシル基(ここでアルコ
キシル基またはアシロキシル基は酸素もしくは窒素を有
する置換基を有していてもよい。)を示し、R8は水素、
ハロゲン、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数6〜
18のアリル基または炭素数6〜18のアリル基を有する炭
素数1〜5の低級アルキル基を示し、R9は炭素数1〜5
の低級アルキル基を示す。
該EVOHはASTM−D1238−65Tにより、190℃、2160g荷重
で測定した溶融粘性指数が0.1〜25g/10分、好ましくは
0.3〜20g/10分である。そして、一種あるいはそれ以上
の添加剤(各種樹脂、酸化防止剤、可塑剤、着色剤な
ど)を本発明の作用効果が阻害されない範囲内で使用す
る事は自由である。特に、EVOHの熱安定性、ゲル発生防
止対策として、ヒンダードフエノール系、ヒンダードア
ミン系熱安定剤を0.01〜5重量%添加する事が好適であ
る。
EVOHと耐熱性PETとのブレンド比率に関しては、EVOH/
耐熱性PET=5/95〜95/5であり、好適にはEVOH/耐熱性PE
T=7/93〜70/30であり、最適には10/90〜50/である。EV
OH/耐熱性PET=5/95以下の場合ガスバリアー性が十分得
られず、またEVOH/耐熱性PET=95/5以上の場合、熱収縮
率が大きくなり、さらに220℃オーブン加熱時、容器が
着色しやすくなる。
該EVOHと耐熱性PETとを均一に分散させる事は、最終
製品容器の性能に大きな影響を与える為、極めて重要で
あり、PETに結晶促進剤およびEVOHをドライブレンドし
溶融押出し、ペレツト化して使用する方法あるいはEVOH
と耐熱性PETとのドライブレンド物を直接使用する方法
などは分散が十分でない為か、耐熱性あるいはガスバリ
アー性の面で品質上のバラツキが生じ易い傾向にあり、
好適にはEVOHと耐熱性PETとをドライブレンドし溶融押
出し、ペレット化してから使用する方法がよい。さら
に、該EVOHと耐熱性PETとをより均一に分散させ、製品
容器の品質上のバラツキを無くし、かつ耐衝撃性をより
改善するために、該EVOHと耐熱性PETとの両者に接着性
を有する接着性樹脂、とくに熱可塑性がポリエステル系
接着性樹脂を該組成物100重量部に対して0.5〜30重量
部、好適には1〜10重量部添加する事がより望ましい。
ここで熱可塑性ポリエステル系接着性樹脂の代表的な例
のひとつとして、エステル基/アミド基の比率(モル比
率)が、90/10〜10/90であるポリエステル−アミド共重
合体があげられる。該共重合体のジカルボン酸成分とし
てテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフエニルエーテルジカルボン
酸、ジフエニル−4,4ジカルボン酸などの芳香族ジカル
ボン酸、シユウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セ
バシン酸などの脂肪族ジカルボン酸及びシクロヘキサン
ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸を一種あるいは
それ以上、またグリコール成分としては、エチレングリ
コール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1.9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、トリエ
チエレングリコールなどの脂肪族グリコール及びシクロ
ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの
脂環式ジオールなどを一種あるいはそれ以上が、また少
量ならば、3価以上のカルボン酸またはアルコールも使
用できる。さらにアミン成分としてはペンタメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミ
ン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミンなどのジアミン、そしてラ
ウリンラクタム、ウンデカンアミド、ヘキサメチレンセ
バカミド、ヘキサメチレンアジパミド、ω−アミノヘプ
タン酸、ω−アミノノナン酸などの酸アミド類を1種類
あるいはそれ以上使用することができる。これらを共縮
合して得たポリエステル−アミド共重合体あるいは該共
重合体とポリエステルあるいはポリアミドとの溶融混合
組成物、さらにはポリエステルとポリアミドとの溶融混
合組成物などが用いられる。これらのポリエステル−ア
ミド(混合組成物の場合は該組成物)中のエステル基/
アミド基のモル比率は85/15〜15/85がより好適である。
好適にはジカルボン酸成分としてテレフタール酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸およびコハク酸のうち1種以上、
さらにグリコール成分としてエチレングリコールおよび
1,4−シクロヘキサンジメタノールのうち1種以上およ
びアミン成分としてピペラジンを含有し、かつエステル
基/アミド基のモル比率が70/30〜10/90のポリエーテル
ーアミド、あるいはジカルボン酸成分としてテレフター
ル酸、アジピン酸、アゼライン酸およびコハク酸のうち
1種以上、さらにグリコール成分としてエチレングリコ
ールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールのうち1
種以上を含有するポリエステルに6ナイロン、6−66ナ
イロン、66ナイロン、6−12ナイロン、6−9ナイロン
を10〜80重量%溶融混合した組成物があげられる。
本発明に用いる熱可塑性ポリエステル系のさらに好適
な例として、Al、Cr、Sn、Ge及びSiからなる群より選ば
れた、一種以上の元素をジカルボン酸成分100モルに対
し0.1〜5モル含有してなる変性ポリエステルがあげら
れる。金属元素としては、これらのなかでもAlとCrが大
きな接着力が得られるので好ましく、Alが特に好まし
い。また含有量として0.1モルより少ない場合は、効果
の発現不十分であり、一方5モル多くなるとポリマーの
ゲル化や着色など好ましくない現象が生じる様になる。
本発明では、これらの元素は、これらの元素を含有する
化合物としてポリエステル中に混在する態様、さらには
これらの元素がポリエステル分子に結合した状態で存在
する態様を含むが、後者の方が、高い接着力が得られる
ので好ましい。ポリエステル分子に上記元素を結合させ
る方法としては、ポリエステルの重合時に上記元素の化
合物(特に金属エステル、キレート化合物、有機酸塩な
どが好ましい)を添加して重合を行なう方法を上げるこ
とが出来る。例えば、Al化合物としては、アルミニウム
アセチルアセトネート、アルミニウムエトキシド、アル
ミニウムプロポキシド、あるいはこれらの化合物とモノ
カルボン酸との反応生成物などをあげることができる。
Cr化合物としては、クロムアセチルアセトネートあるい
はクロムのモノカルボン酸塩をあげることが出来る。Sn
化合物としてはテトラエチルスタネート、テトラプロピ
ルスタネート、テトラブチルスタネートあるいはこれら
とモノカルボン酸との反応生成物を、Ge化合物として
は、二酸化ゲルマニウムを、Si化合物としては、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ジフエニルジメトキシシランな
どをあげることが出来る。特に、好適にはアルミニウム
アセチルアセトネート、アルミニウムエトキシド、アル
ミニウムプロポキシドがあげられる。これらの化合物を
ポリエステル重合反応系へ添加する時期は、ポリエステ
ル重合反応がほぼ完了した時点以降で、230℃以下で加
えるのが好ましい。添加の形態は、ジオールに溶解する
方法、あるいは重合中のポリマーのゲル化を防止するた
め、モノカルボン酸あるいはそのエステルに溶解する方
法がある。これらの元素を含有する熱可塑性ポリエステ
ルを構成するジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸化、オルソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、ジフエニルエーテルジカルボン酸、ジフエニ
ル−4,4ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シユ
ウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸など
の脂肪族ジカルボン酸及びシクロヘキサンジカルボン酸
などの脂環式ジカルボン酸があげられ、これらを一種あ
るいはそれ以上使用することが出来る。またグリコール
成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコールなどの脂
肪族グリコール及びシクロヘキサンジオール、シクロヘ
キサンジメタノールなどの脂環式ジオールなどがあげら
れ、これらを一種あるいはそれ以上使用することが出来
る。さらに、少量ならば、3価以上のカルボン酸または
アルコールも使用できる。好適には、ジカルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸が、ま
たジオールとしてはエチレングリコール、ジエチレング
リコールが用いられる。得られた熱可塑性ポリエステル
の固有粘度は0.50dl/g以上であることが好ましく、さら
には0.60dl/g以上が好ましい。ここでいう固有粘度とは
フエノール/テートラクロルエタン混合溶媒(1:1重量
比)中、30℃で測定した値である。
ところで、耐熱性PET+EVOHブレンド組成物層に隣接
する耐熱性PET層との間には、接着性樹脂層は不要な場
合が多い。けれども、十分な接着性が得られない場合
や、ポリカーボネートあるいは他の耐熱性樹脂層と該ブ
レンド組成物層とを接着する場合には、上記接着性樹脂
を接着性樹脂層として使用することが好適である。
本発明において、ガスバリアー性を有する耐熱性容器
を得る方法としては、単層の場合、常法によるシートあ
るいはパイプ作成法、インジエクシヨン法などにより単
層シート、パリソンを得、これを使用して容器を得る方
法あるいは成形容器を直接得る方法がある。また多層の
場合、該組成物と耐熱性PET、耐熱性PETとは異なつたポ
リエステル類、ポリカーボネートあるいは他の耐熱性樹
脂を一種あるいはそれ以上を、接着性樹脂を介して押出
しラミ法、ドライラミ法、共押出ラミ法、共押出シート
作成法(フイードブロツク法、又はマルチマニホールド
法など)、共押出パイプ法、共インジエクシヨン法など
により該シート、パリソンを得、これを使用して容器を
得る方法があるが、成形容器を直接得る方法もある。成
形容器を直接得る場合には、容器は所望の結晶化度を達
成するに充分な温度にまで加熱した金型で熱処理され、
耐熱性が付与される。金型の温度範囲は、150℃〜215℃
であり、好適には160〜200℃であり、2〜60秒、好適に
は2〜20秒間金型内に保持される。一方、該シートある
いはパリソンから二次加工により容器を得るに際し、成
形後生じる結晶化の程度を最少限度にするために、成形
後直ちに急冷することが重要である。該シートあるいは
パリソン(以降、構造体)は可能な限り急速に昇温し熱
成形することがのぞましく、熱成形温度範囲は110〜170
℃、好適には120〜160℃である。そして、熱成形された
容器は所望の結晶化度を達成するに充分な温度にまで加
熱した金型で熱処理され、耐熱性が付与される。金型の
温度範囲は、150〜215℃であり、好適には160〜200℃で
あり、2〜60秒、好適には2〜20秒間金型内に保持され
る。成形品は温度が高く、柔軟なため、金型より取出す
時十分注意が必要であり、場合によつては、低温度金型
に再び投入したり、金型内部に冷風を吹込んだりして、
成形品の形状が整えられる。該容器は220℃オーブンレ
ンジで30分間加熱した時の容器胴部(縦方向)の熱収縮
率は10%以下、好適には6%以下である。ここで、容器
胴部(縦方向)の熱収縮率とは、100×(加熱前の寸法
−加熱後の寸法)/加熱前の寸法、にる値である。
該多層構造体の成形容器の形状に関しては、特に限定
されるものではなく、トレイ状、カツプ状、ボトル状い
ずれでもよい。そして、多層構造体を二次加工し成形容
器にする場合の延伸倍率に関しては、面積比で20倍以
下、好適には3〜15倍である。
成形品を得る際トリミングにより生じたスクラツプは
粉砕され、直接あるいはペレツト化した後、回収使用さ
れる。回収方法に関しては、特に限定されるものではな
いが、該スクラップは粉砕され、吸湿している場合は乾
燥した後、原料PETにドライブレンドする方法、粉砕ス
クラツプをペレツト化した後、PETにドライブレンドす
る方法、粉砕スクラツプと原料PETとをブレンドペレツ
ト化する方法などがある。原料PET組成物のブレンド比
率は、通常2〜100%程度の比率でブレンドされる。こ
のとき、分散性、熱安定性を向上させ容器成型時の異常
をおさえるため、金属セツケン類(脂肪族あるいは/ま
たは芳香族カルボン酸塩など)あるいは、キレート化合
物(EDTAなど)を一種またはそれ以上添加することが好
ましい場合がある。
また、構造体の構成としては、耐熱性PET+EVOHブレ
ンド組成物(以下、組成物)単層、組成物/PET、組成物
/耐熱性PET、PET/組成物/PET、耐熱性PET/組成物/耐
熱性PET、PET/組成物/耐熱性PET、組成物/接着性樹脂
/PET、組成物/接着性樹脂/耐熱性PET、PET/接着性樹
脂/組成物/接着性樹脂/PET、耐熱性PET/接着性樹脂/
組成物/接着性樹脂、耐熱性PET、PET/接着性樹脂/組
成物/接着性樹脂/耐熱性PETなどがあげられる。ま
た、回収樹脂組成物は該組成物層にブレンドされたり、
あるいは該組成物層に近接して設けられる事がある。さ
らに、該耐熱性PET層あるいはPET層はポリカーボネート
あるいは他の耐熱性樹脂に変更される場合がある。
多層容器の厚み構成に関しては、特に限定されるもの
ではないが、一般的には容器胴部分の全層厚みは200〜2
00μであり、EVOHと耐熱性PETとのブレンド層は全層に
対して5〜100%、好適には10〜80%である。
この様にして得られた本発明の容器はガスバリアー性
がきわめて良好であり、かつレトルト殺菌が可能である
事より、常温で長期間食品の保存が可能であるばかりで
なく、さらに耐熱性が良好な食品包装容器である事よ
り、食品を他の容器に移しかえることなく、該容器のま
まで、ボイル、電子レンジさらにグリルオーブンレンジ
(220℃)加熱が可能な優れた特性をもつ容器である。
またこの容器は、芳香性を要求される分野などにも有効
である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発
明はこれによつてなんら限定を受けるものではない。
F.実施例 実施例1 EVOHとしては、エチレン含有量32モル%、鹸化度99.6
%、ビニルトリメトキシシラン0.02モル%、メルトイン
デツクス(MI;190℃−2160g)1.5g/10分のものを使用
し、PET組成物としては、固有粘度0.94dl/gの耐熱性ポ
リエチレンテレフタレートを重合させるに際しポリエチ
レンテレフタレート100重量部に対し、MI(190℃−2160
g)5.0g/10分の低密度ポリエチレン3重量部、顔料とし
てTiO21.2重量部および熱安定剤としてイルガノツクス1
010(チバガイギ製)0.5重量部、酢酸カルシウム0.5重
量部になるように重合槽に投入し攪拌下に重合を行な
い、得られた樹脂を重合槽よりペレット状に取出し、15
0℃−8時間乾燥熱固定したものを使用した。そして、E
VOHとPET組成物とを30/70重量比でドライブレンドし、
二軸スクリユータイプ、ベント式40φ押出機にてペレッ
ト化を行ない、150℃で8時間乾燥した。このEVOHとPET
組成物とをブレンドした樹脂および上記PET組成物を用
いて、フイードブロツク型−2種3層共押出装置にて、
シートを作成した。シートの厚み構成は、両外層にPET
組成物が100μ、中間層にEVOHとPET組成物とをブレンド
した樹脂層が800μである。得られたシートを真空圧空
成形機にかけシート温度130℃、絞り比1、丸形カツプ
状金型(口部直径75mmφ、底部直径66mmφ、高さ75mm
H)で熱成形し、金型温度180℃〜10秒間の熱固定を行つ
た。得られた容器の外観は良好であり、220℃オーブン
レンジで30分間加熱した時の容器の収縮率は3%であつ
た。但し、容器の収縮率は容器胴部(縦方向)におい
て、100×(加熱前の寸法−加熱後の寸法)/加熱前の
寸法、で計算した値である。また、加熱した後の容器の
外観も良好であつた。一方、この容器10個を20℃−65%
RHでガスバリアー性をモコン社製10/50型を用いて測定
した所、加熱前の容器で測定値の平均が0.010cc/packag
e(pkg)24hr.atm、測定値のバラツキR(=最大値−最
小値)が0.001cc/pkg.24hr.atm、と良好であつた。また
加熱後の容器も0.009cc/pkg.24hr.atmと非常に良好なガ
スバリアー性を示した。
ところで、加熱前の容器にサラダ油を充填し、シーラ
ントをラミネートした市販の100μ二軸延伸PETフイルム
で容器に上蓋(熱シール)を行なつた。該容器を121℃
−30分間スチーム加熱殺菌(レトルト処理)し、外観の
良好な容器をえた。20℃−65%RHの雰囲気下で1週間放
置した後、上蓋を開き、家庭用電子レンジで5分間加熱
したが、容器の外観は良好であつた。この時、サラダ油
は180℃になつていた。また220℃オーブンレンジで30分
間加熱した場合も、容器の外観は良好であつた。加熱後
の容器の20℃−65%RHでのガスバリアー性を測定したと
ころ、0.009cc/pgk.24hr.atmと非常に良好なガスバリア
ー性を示した。
ところで、加熱前の容器にサラダ油を充填し、シーラ
ントをラミネートした市販の100μ二軸延伸PETフイルム
で容器に上蓋(熱シール)を行なつた。そして、該容器
を20℃でコンクリート床面に落とし落下衝撃度(落下高
さ)を測定した。その結果、10個の容器のうち5個破損
する落下高さは0.8m以上であつた。
実施例2 実施例1において、EVOHをエチレン含有量32モル%、
鹸化度99.5%、MI(190℃−2160g)1.6g/10分のSi化合
物を含まないEVOHに変え、実施例1と同様に実施した。
該容器を121℃−30分間スチーム加熱殺菌(レトルト処
理)し、外観の良好な容器を得た。20℃−65%RHの雰囲
気下で1週間放置した後、上蓋を開き、家庭用電子レン
ジで5分間加熱したが、容器の外観は良好であつた。こ
の時、サラダ油は180℃になつていた。また、220℃オー
ブンレンジで30分間加熱したろころ、容器の収縮率は実
施例1とほぼ同じ値を示した。また容器の表面にわずか
な斑点状のムラが認められたが、使用上問題になるほど
のものではなかつた。加熱後の容器の20℃−65%RHでの
ガスバリアー性を測定したところ、0.010cc/pkg.24hr.a
tmと非常に良好なガスバリアー性を示した。実施例1と
同様に落下衝撃強度を測定したところ、10個の容器のう
ち5個破損する落下高さは0.6m以上であつた。
実施例3 実施例1において、EVOHとPET組成物とをブレンドし
た樹脂組成物のみを用いて、1000μ単層シートを成膜
し、実施例1と同様に実施した。得られた容器は良好で
あり、220℃オーブンレンジ加熱した時の容器の収縮率
は4%であつた。けれども、加熱した後の容器の表面に
わずかな斑点状の着色が認められたが、使用上問題にな
るほどのものではなかつた。
実施例4 実施例1において、EVOHを、エチレン含有量44モル
%、鹸化度99.4%、ビニルトリメトキシシラン0.03モル
%、MI(190℃−2160g)1.6g/10分のEVOHに変え、さら
にEVOHとPET組成物との重量比を40/60に変え実施例1と
同様に実施した。得られた容器は良好であり、220℃オ
ーブンレンジ加熱した時の容器の収縮率は5%であり、
加熱した後の容器の外観も良好であつた。そして、加熱
後の容器の20℃−65%RHでのガスバリアー性を測定した
所0.012cc/pkg.24hr.atmと非常に良好なガスバリアー性
を示した。また該容器を121℃−30分間スチーム加熱殺
菌(レトルト処理)し、外観の良好な容器をえた。20℃
−65%RHの雰囲気下で1週間放置した後、上蓋を開き、
家庭用電子レンジで5分間加熱したが、容器の外観は良
好であつた。この時、サラダ油は180℃になつていた。
また220℃オーブンレンジで30分間加熱したところ、外
見は良好であつた。そして、加熱後の容器の20℃−65%
RHでのガスバリアー性を測定したところ0.009cc/pkg.24
hr.atmと非常に良好なガスバリアー性を示した。実施例
1と同様に落下衝撃強度を測定したところ10個のうち5
個破損する落下高さは0.8m以上であつた。
実施例5 実施例1において、EVOHとPET組成物とをブレンドし
た樹脂組成物を作るに際し、次に示す接着性樹脂を該樹
脂組成物に対して、5重量%含有してなる、樹脂組成物
にかえ実施例1と同様に実施した。接着性樹脂として
は、以下の方法で得られたポリエステルを使用した、す
なわち、300mlの三つ口フラスコに窒素ガスを導入管、
攪拌機、冷却管を取付けた重合装置にヘキシレングリコ
ール200ml、アルミニウムイソプロポキシド0.20モル、
カプリル酸0.10モル、P−オキシ安息香酸0.30モル、ア
セチルアセトン0.20モルを加えて100℃で反応させて得
られたアルミニウム化合物を、あらかじめビスーβ−ヒ
ドロキシエチルテレフタレート64g、アジピン酸36.5g、
エチレングリコール15.5g、ジエチレングリコール14.9g
を加え200℃−4時間反応させた溶液にリン酸トリブチ
ル25μl、三酸化アンチモン40mgと共に上記アルミニウ
ム化合物をアルミニウム化合物をアルミニウム原子換算
でジカルボン酸成分100モルに対して0.52モル加えたの
ち、260℃まで昇温し変圧しつつ、275℃−0.1mHgの減圧
下で90分間重合したものを使用した。この樹脂の固有粘
度は0.61dl/gであり、ガラス転移温度は−5℃であつ
た。得られた容器は良好であり、220℃オーブンレンジ
加熱した時の容器の収縮率は5%と小さく、またスチー
ム加熱殺菌(レトルト処理)加熱した後、およびこの容
器をさらに220℃オーブンレンジ加熱した容器の外観も
良好であつた。そして、加熱後の容器の20℃−65%RHで
のガスバリアー性を測定したところ、0.010cc.20μ/m2.
24hr.atmと非常に良好なガスバリアー性を示した。実施
例1と同様に落下衝撃強度を測定したところ、10個のう
ち5個破損する落下高さは1.5m以上であつた。
実施例6 実施例5において、接着性樹脂をアゼライン酸/シク
ロヘキサンジメタノール/ピペラジン(モル比0.50/0.0
9/0.41)からなる固有粘度0.75dl/gのポリエステル−ア
ミド(エステル基/アミド基のモル比率18/82)に変
え、実施例1と同様に実施した。得られた容器の外観は
良好であり、220℃オーブンレンジ加熱した時の容器の
収縮率は5%と小さく、またスチーム加熱殺菌(レトル
ト処理)加熱した後およびこの容器をさらに220℃オー
ブンレンジ加熱した容器の外観も良好であつた。そし
て、加熱後の容器の20℃−65%RHのガスバリアー性を測
定したところ0.009cc.20μ/m2.24hr.atmと非常に良好な
ガスバリアー性を示した。実施例1と同様に落下衝撃強
度を測定したところ、10個のうち5個破損する落下高さ
は1.7m以上であつた。
比較例1 実施例1において、EVOHを使用せず、実施例1と同様
に実施した。得られた容器の外観は良好であつたが、容
器の20℃−65%RHでのガスバリアー性を測定したとこ
ろ、0.46cc/pkg.24hr.atmとガスバリアー性が悪く、常
温での長期食品保存器としては使用にたえない。実施例
1と同様に落下衝撃強度を測定したところ、10個のうち
5個破損する落下高さは0.5mであつた。
比較例2 実施例1において、耐熱性PETをポリエチレンテレフ
タレートに変え、実施例1と同様に実施した。得られた
容器を220℃オーブンレンジで30分間、加熱したとこ
ろ、容器の収縮率が43%と大きく使用に耐えなかった。
実施例7 実施例1においてフイードブロツク型2種3層共押出
シート成形法を、日精ASB製共射出ストレツチブロー成
形機にか、実施例1と同様に実施した。得られた容器は
良好であり、220℃オーブンレンジ加熱した時の容器の
収縮率は5%と小さく、またスチーム加熱殺距(レトル
ト処理)加熱した後、およびこの容器をさらに220℃オ
ーブンレンジ加熱した容器の外観も良好であつた。そし
て、加熱後の容器の20℃−65%RHでのガスバリアー性を
測定したところ、0.009cc/pkg.24hr.atmと非常に良好な
ガスバリアー性を示した。
G.発明の効果 本発明の樹脂組成物を用いた耐熱性ポリエステル容器
は、高温スチーム加熱殺菌(レトルト殺菌)が可能な、
高ガスバリアー性容器であり、かつ内容物(食品)を別
の容器に移しかえる事なく、該容器のままで、ボイル加
熱、電子レンジ加熱及びグリルオーブン加熱(220℃以
下)が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−255956(JP,A) 特開 昭61−209259(JP,A) 特開 昭61−152542(JP,A) 特開 昭60−238345(JP,A) 特開 昭60−148442(JP,A) 特開 昭60−141522(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含有量20〜60モル%、酢酸ビニル
    成分のけん化度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共
    重合体けん化物(A)と、ポリエチレンからなる結晶化
    促進剤をポリエステルに対して1〜15重量%含有する耐
    熱性熱可塑性ポリエステル(B)からなり、かつ(A)
    /(B)=5/95〜95/5の重量比である樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
    (A)がケイ素含有量0.0005〜0.2モル%である特許請
    求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
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