JP3372316B2 - 重合体組成物および積層構造体 - Google Patents

重合体組成物および積層構造体

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JP3372316B2
JP3372316B2 JP26550993A JP26550993A JP3372316B2 JP 3372316 B2 JP3372316 B2 JP 3372316B2 JP 26550993 A JP26550993 A JP 26550993A JP 26550993 A JP26550993 A JP 26550993A JP 3372316 B2 JP3372316 B2 JP 3372316B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチレン−ビニルアルコ
ール系共重合体組成物、該組成物からなる層を有する積
層構造体、該積層構造体を用いてなる包装材料、および
該組成物を用いて成形品を製造する方法に関する。詳細
には、本発明は、エチレン−ビニルアルコール系共重合
体と特定のポリアミド系重合体生成物を含むガスバリア
ー性および透明性に優れた重合体組成物、該重合体組成
物を用いてなる積層構造体、該積層構造体を用いてなる
包装材料、および該重合体組成物を用いて成形品を製造
する方法に関するものである。本発明の重合体組成物を
用いて製造された成形品、積層構造体などは、透明性お
よびガスバリアー性に優れており、包装用のフイルムや
シート、容器などに特に適している。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム箔とポリオレフィンフイル
ムとのラミネートフイルムはその優れたガスバリアー性
によりレトルト用包装材料として広く用いられている
が、不透明で内容物が見えず不便であり、しかも電子レ
ンジ加熱ができないという欠点がある。そこで透明で且
つガスバリアー性のある包装材料が色々開発されてお
り、その代表例として、ポリ塩化ビニリデンフイルム、
メタキシレンジアミン−アジピン酸縮合体やその他のポ
リアミドのフイルム、ポリ塩化ビニリデンコートポリア
ミドフイルムなどを挙げることができる。
【0003】しかし、ポリ塩化ビニリデンフイルムはガ
スバリアー性は高いもののヘイズがあって透明性が充分
ではなく、しかも黄色味を帯びているために食品などの
被包装内容物の見栄えを損ない消費者の購買意欲を低減
させがちである。その上、レトルト処理などの高温処理
を施すと白色不透明になったり、バリアー性が低下する
という欠点がある。また、ポリアミドフイルムおよびポ
リ塩化ビニリデンコートポリアミドフイルムの場合は酸
素ガスに対するバリアー性が低く、特にスキンパック包
装、シュリンク包装、深絞り包装、ロケット包装などに
使用されている透明ポリアミドフイルム包材はレトルト
処理などの加熱処理に適さないところから、その使用対
象が限られており、低温流通食品などで利用されている
に過ぎない。
【0004】一方、エチレン−ビニルアルコール系共重
合体は極めて高いガスバリアー性を有する熱可塑性樹脂
の一つであり、そのガスバリアー性を活かして、半透明
または不透明な厚いポリプロピレン層を内外層としそれ
らの間にエチレン−ビニルアルコール系共重合体の中間
層を設けて厚手の硬質積層体とし、それを用いてガスバ
リアー性のカップやトレーを製造することが行われてい
る。しかし、エチレン−ビニルアルコール系共重合体を
透明な薄手のフイルム包装材料に使用した場合には、熱
水高温加熱殺菌、レトルト殺菌などの高温加熱処理を施
すと、ガスバリアー性の大幅な低下、エチレン−ビニル
アルコール系共重合体層の白濁やしわの発生などを生じ
て、その性能および外観が著しく不良となり実用に耐え
得なくなるという欠点がある。
【0005】上記したエチレン−ビニルアルコール系共
重合体層における異常は、それが90℃以上、特に12
0℃以上の熱水にさらされたときに該共重合体の吸水お
よび膨潤が生じ、それと同時に共重合体が溶融流動して
不定形の状態になることによると推定されている。そこ
でその改善策として、エチレン−ビニルアルコール系共
重合体にポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂をブレ
ンドすることが従来から色々提案されており、ある程度
の改良は見られるもののその効果は充分ではなく、特に
包装材料におけるヒートシール部分、折り曲げ部分等の
局所的に歪みのかかっている部分で、ブレンド樹脂の再
凝集などに伴うエチレン−ビニルアルコール系共重合体
組成物中での樹脂相間の分離による白化現象などが発生
し易く、一層の改良が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性やガスバリアー性に優れ、レトルト処理などの高温処
理、特に熱水や水蒸気を用いる加熱または加熱加圧処理
を施した場合にも、ガスバリアー性の低下、ブレンドし
た樹脂との相間分離による白化、不透明化などが生じ
ず、しかも他の素材と積層した場合にも層間剥離やしわ
の発生などの外観不良の発生がなく、エチレン−ビニル
アルコール系共重合体本来の優れた透明性およびガスバ
リアー性、良好な形態や外観を保つことのできるフイル
ムなどを得ることのできるエチレン−ビニルアルコール
系共重合体組成物、その組成物に基づく積層構造体、該
積層構造体を用いてなる包装材料、該組成物を用いて成
形品を製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らが種々検討を
重ねた結果、特定のポリアミド系重合体素材、すなわち
特定のポリアミド重合体ブロツクと特定の他の重合体ブ
ロツクとを有するブロツク共重合体、ないしは特定のポ
リアミドと特定の他の重合体を溶融混合して得られる生
成物を、エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対し
て所定の割合でブレンドした重合体組成物を用いると、
熱水や水蒸気を用いる高温加熱処理を施してもガスバリ
アー性の低下、白化、層間剥離、しわの発生などがな
く、良好なガスバリアー性、透明性、外観、形状などを
維持することのできるフイルムや積層構造体が得られる
ことを見出して本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、エチレン含量が20
〜60モル%であるエチレン−ビニルアルコール系共重
合体(A)55〜97重量%に対して、ブロツク共重合
体(B)45〜3重量%を含有する重合体組成物であっ
て、ブロツク共重合体(B)が下記の式(I);
【0009】
【化7】 −NH−(CH2)5−CO− (I) で表されるアミド単位および下記の式(II);
【0010】
【化8】 −NH−CH2−(CH2)m−CH2−NH−CO−(CH2)n−CO− (II) (式中、mは0〜10の整数およびnは4〜12の整数
であって、mおよびnの少なくとも一方が4である) で表されるアミド単位のうちの少なくとも一方からなる
繰返し単位を10モル%以上有するポリアミド(b1)か
らなる重合体ブロックと、他のポリアミド、ポリエステ
(但し脂肪族ポリエステルを除く)およびポリカーボ
ネートのうちの少なくとも1つの重合体(b2)からな
る重合体ブロックを有するブロツク共重合体であること
を特徴とする重合体組成物である。
【0011】そして本発明は、エチレン含量が20〜6
0モル%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体
(A)55〜97重量%に対して、溶融混合生成物
(C)45〜3重量%を含有する重合体組成物であっ
て、溶融混合生成物(C)が、下記の式(I);
【0012】
【化9】 −NH−(CH2)5−CO− (I) で表されるアミド単位および下記の式(II);
【0013】
【化10】 −NH−CH2−(CH2)m−CH2−NH−CO−(CH2)n−CO− (II) (式中、mは0〜10の整数およびnは4〜12の整数
であって、mおよびnの少なくとも一方が4である) で表されるアミド単位のうちの少なくとも一方からなる
繰返し単位を10モル%以上有するポリアミド(b1
と、他のポリアミド、ポリエステル(但し脂肪族ポリエ
ステルを除く)、ポリカーボネートおよびこれら3者の
うちの2種以上からなるブロツク共重合体のうちの少な
くとも1つの重合体(b2)を240℃以上、好適には
270℃以上の温度で溶融混合して得られる生成物であ
ることを特徴とする重合体組成物である。この場合の溶
融混合時の温度の上限は重合体の分解温度以内にとどめ
るべきである。また溶融混合は減圧下、例えば40mm
Hg以下、更には10mmHg以下で行うのが好まし
い。更に、本発明はそのような重合体組成物からなる層
を少なくとも一層有する積層構造体、および該積層構造
体を用いてなる包装材料である。そして、本発明は、エ
チレン含量が20〜60モル%であるエチレン−ビニル
アルコール系共重合体(A)に対して、ブロツク共重合
体(B)または溶融混合生成物(C)を混合し、溶融混
練した後に成形して成形品を製造する方法であって、 ・ブロツク共重合体(B)が、上記の式(I)で表され
るアミド単位および上記の式(II)で表されるアミド単
位のうちの少なくとも一方からなる繰返し単位を10モ
ル%以上有するポリアミド(b1)からなる重合体ブロ
ックと、他のポリアミド、ポリエステル(但し脂肪族ポ
リエステルを除く)およびポリカーボネートのうちの少
なくとも1つの重合体(b2)からなる重合体ブロック
を有するブロツク共重合体であり; ・溶融混合生成物(C)が、上記の式(I)で表される
アミド単位および上記の式(II)で表されるアミド単位
のうちの少なくとも一方からなる繰返し単位を10モル
%以上有するポリアミド(b1)と、他のポリアミド、
ポリエステル(但 し脂肪族ポリエステルを除く)、ポリ
カーボネートおよびこれら3者のうちの2種以上からな
るブロツク共重合体のうちの少なくとも1つの重合体
(b2)を240℃以上の温度で溶融混合して得られる
生成物である;ことを特徴とする成形品の製造方法であ
る。
【0014】本発明の重合体組成物で成分(A)として
用いるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(以下
「EVOH系共重合体」という)は、エチレン−ビニル
エステル共重合体のケン化物であって、エチレン単位を
20〜60モル%、好ましくは25〜28モル%含有し
ている。エチレン単位の割合が20モル%未満である
と、重合体組成物の溶融成形性が不良になり、一方60
モル%を超えるとガスバリアー性が低下する。また、E
VOH系共重合体におけるビニルエステル単位のケン化
度は80%以上であるのが好ましく、90%以上がより
好ましい。ケン化度が80%未満であるとガスバリアー
性および熱安定性が低下する。また限定されるものでは
ないが、EVOH系共重合体として、そのメルトフロー
インデックス(MI;温度190℃;荷重2160gで
測定:ただし融点が190℃付近または190℃を超え
るものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測
定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、メルトイ
ンデックスを縦軸としてプロットし、190℃に外挿し
た値)が0.1g/10分〜50g/10分のものを使
用するのが、成形性、ブレンド物の分散性などの点から
好ましく、0.5g/10分〜20g/10分のものが
より好ましい。
【0015】EVOH系共重合体は、本発明の目的が阻
害されない範囲(一般に10モル%以下の割合)で他の
共重合性単量体から誘導された単位を有していてもよ
く、そのような単量体の例としては、プロピレン、ブチ
レン、オクテン、ドデセン等のオレフィン類;不飽和カ
ルボン酸またはそのエステル類[例えば(メタ)アクリ
ル酸またはそのメチル−、エチル−エステル等のアルキ
ルエステル];(メタ)アクリロニトリル;(メタ)ア
クリルアミド類;ビニルシラン(ビニルトリメトキシシ
ランやビニルトリエトキシシラン等のビニルアルコキシ
シランなど);N−ビニルピロリドン等のビニルピロリ
ドン類などを挙げることができ、それらの単量体の1種
または2種以上からなる単位を含み得る。
【0016】また、EVOH系共重合体は、電子線など
による架橋が促進されるように、2官能以上の多官能性
単量体から誘導された単位を必要に応じて含んでいても
よ。その際の多官能性単量体の例としては、トリアリル
シアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリル
マレエート、ジアリルフマレート、ジアリルフタレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレートなどの多
官能性(メタ)アクリル系化合物などを挙げることがで
きる。多官能性単量体は通常の共重合またはグラフト重
合などの任意の形態でEVOH系共重合体中に共重合さ
せておくことができる。多官能性単量体を共重合させて
おく場合は、その割合を0.002〜0.2モル%程度
にしておくのが好ましい。また必要に応じて、酸化亜
鉛、二酸化ケイ素、水、グリセリンなどの架橋助剤をE
VOH系共重合体中に更に含有させておいてもよい。
【0017】そして本発明の重合体組成物は、上記のE
VOH系共重合体と共にブロツク共重合体(B)または
溶融混合生成物(C)を含有している。ブロツク共重合
体(B)は、上記の式(I)で表されるアミド単位(す
なわちカプラミド単位)[以下「アミド単位(I)」と
いう]および上記の式(II)で表されるアミド単位[以
下「アミド単位(II)」という]のうちの少なくとも一
方からなる繰返し単位を10モル%以上有するポリアミ
ド(b1)からなる重合体ブロックと、他のポリアミ
ド、ポリエステルおよびポリカーボネートのうちの少な
くとも1つの重合体(b2)からなる重合体ブロックを
有するブロツク共重合体である。
【0018】その際に、ブロツク共重合体を構成するポ
リアミド(b1)のブロツクが上記の式(II)で表され
るアミド単位(II)を有する場合に、式(II)における
mおよびnの少なくとも一方が4であるから、アミド単
位(II)中には、ヘキサメチレンジアミンに由来する構
造単位、アジピン酸に由来する構造単位、またはヘキサ
メチレンジアミンとアジピン酸の両方に由来する構造単
位が常に存在する。
【0019】ポリアミド(b1)におけるアミド単位
(I)および/またはアミド単位(II)の割合[アミド
単位(I)とアミド単位(II)の両方を有している場合
は両者の合計割合]が10モル%以上であることが必要
であり、10モル%未満であるとEVOH系共重合体と
の相溶性が低下する。ポリアミド(b1)におけるアミ
ド単位(I)および/またはアミド単位(II)の割合が
15モル%以上であるのがEVOH系共重合体との相溶
性、耐レトルト性(白化、デラミ防止性)などの点から
好ましく、20〜95モル%がより好ましい。
【0020】ポリアミド(b1)の例としては、ポリカ
プラミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド(ナイロン6,6)、ポリエチレンアジパミド(ナイ
ロン2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロ
ン4,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン
6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン
6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン
8,6)、ポリデカノメチレンアジパミド(ナイロン1
0,6)、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体
(ナイロン6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノ
ナン共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/ヘ
キサメチレンジアミンアジペート共重合体(ナイロン6
/6,6)、ラウリンラクタム/ヘキサメチレンッジア
ミンアジペート共重合体(ナイロン12/6,6)、ヘ
キサメチレンジアミンアジペート/ヘキサメチレンジア
ミンセバケート共重合体(ナイロン6,6/6,1
0)、エチレンジアミンアジペート/ヘキサメチレンジ
アミンアジペート共重合体(ナイロン2,6/6,
6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミンアジペ
ート/ヘキサメチレンジアミンセバケート共重合体(ナ
イロン6/6,6/6,10)などを挙げることができ
る。
【0021】上で挙げたポリアミド類のうちで、アミド
単位(I)および/またはアミド単位(II)と共に他の
アミド単位を有するポリアミドを使用する場合は、他の
アミド単位の割合が90モル%以下のものを用いるのが
よい。上記で挙げたもののうちで、ポリアミド(b1
としては特にポリカプラミド(ナイロン6)、ポリヘキ
サメチレンアジパミド(ナイロン6,6)、カプロラク
タム/ラウリンラクタム共重合体(ナイロン6/12)
およびカプロラクタム/ヘキサメチレンジアミンアジペ
ート共重合体(ナイロン6/6,6)が好ましい。
【0022】また、ポリアミド(b1)としては、12
0℃以上の融点または軟化点を有するものを使用するの
がよく、融点または軟化点が120℃未満であると、E
VOH系共重合体との相溶性が充分でなく透明性が不足
し、しかも120℃以上で加熱加圧処理(レトルト処理
など)を行った際に透明性が失われ、また加熱加圧処理
時に一時的に生じた白化現象が解消がされにくくなる。
【0023】 ブロツク共重合体(B)を構成するもう一
方の重合体(b2)からなる重合体ブロツクは、ポリア
ミド(b1)以外のポリアミド、ポリエステル(但し脂
肪族ポリエステルを除く)およびポリカーボネートのう
ちの少なくとも1種の重合体からなっている。重合体
(b2)は、120℃で飽和状態になるまで含水させた
際にその最大の融点または軟化点が120℃以上である
ものを使用するのがよく、該融点または軟化点が120
℃未満であると、120℃以上で加熱加圧処理(レトル
ト処理など)を行った際に、重合体組成物中での相間分
離による透明性が低下し、また加熱加圧処理時に一時的
に生じた白化現象が解消されないでそのまま残留し易く
なる。
【0024】重合体(b2)のブロツクをポリアミド
(b1)以外のポリアミド(他のポリアミド)から形成
する場合は、その相対粘度(96%硫酸100ml中に
ポリアミド1gを溶解させて25℃で測定)が1.0〜
5dl/gのポリアミドを使用するのが好ましく、1.
5〜4dl/gのポリアミドがより好ましい。
【0025】重合体(b2)として使用し得る他のポリ
アミドとしては、上記したアミド単位(I)および/ま
たはアミド単位(II)の含量が10モル%未満、好まし
くは5モル%未満の、ポリラクタム類、脂肪族ジアミン
と脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミド、ラクタム
類−脂肪族ジアミン−脂肪族ジカルボン酸とからなるポ
リアミドなどを使用することができ、例えばポリドデカ
ンアミド(ナイロン12)、ポリウンデカンアミド(ナ
イロン11)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン
9)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン7)など
を挙げることができる。
【0026】また、上記したポリアミド以外にも、重合
体(b2)としてメタキシリレン基を有するポリアミド
を好ましく使用することができ、そのようなポリアミド
としては、メタキシリレンジアミン、またはメタキシリ
レンジアミンと80モル%以下(好ましくは75モル%
以下)のパラキシリレンジアミンとの混合キシリレンジ
アミンを、炭素数6〜10のα,ω−脂肪族ジカルボン
酸と反応させて得られる構造単位を70モル%以上(好
ましくは75モル%以上)有するポリアミド類を挙げる
ことができる。具体例としては、ポリメタキシリレンア
ジパミド、ポリメタキシリレンセバカミド、ポリメタキ
シリレンスペラミド、メタキシリレン/パラキシレンア
ジパミド共重合体を挙げることができる。これらのポリ
アミドは、30モル%以下の割合で、ヘキサメチレンジ
アミンのような脂肪族ジアミン類、ピペラジンのような
脂環式ジアミン類、パラ−ビス−(2−アミノエチル)
ベンゼンのような芳香核を有するジアミン類、テレフタ
ル酸のような芳香族ジカルボン酸類、ε−カプロラクタ
ムのようなラクタム類、γ−アミノヘプタン酸のような
ω−アミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸
のような芳香族アミノカルボン酸類から誘導された共重
合単位を含んでいてもよい。
【0027】更に、上記したポリアミド以外にも、非晶
質ポリアミド、すなわちDCS測定において実質的に吸
熱結晶融解ピークを示さない、主として脂肪族ジアミン
と芳香族ジカルボン酸とからなるポリアミドも重合体
(b2)として好ましく使用することができる。その場
合に、非晶質ポリアミドを構成する脂肪族ジアミンの例
としては、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリ
メチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタンメチレ
ンジアミン、ビス(4−アミノヘキシル)メタン、2,
2−ビス(4−アミノヘキシル)イソプロピリジン、
1,4−(1,3)−ジアミノシクロヘキサン、1,5
−ジアミノペンタン、1,4−ジアミノブタン、1,3
−ジアミノプロパン、2−エチルジアモノブタンなどを
挙げることができ、これらの1種または2種以上を用い
ることができる。そのうちでも、ヘキサメチレンジアミ
ン、2−メチルペンタンメチレンジアミン、1,5−ジ
アミノペンタン、1,4−ジアミノブタンおよび/また
は1,3−ジアミノプロパンが好ましい。
【0028】また、上記の非晶質ポリアミドを構成する
芳香族ジカルボン酸の例としては、イソフタル酸、テレ
フタル酸、アルキル置換イソフタル酸、アルキル置換テ
レフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエー
テルジカルボン酸などを挙げることができ、これらの芳
香族ジカルボン酸の1種または2種以上を用いることが
できる。なかでも、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸
などから得られた非晶質ポリアミドが、熱成形性、透明
性、ガスバリアー性が優れており好ましい。
【0029】非晶質ポリアミドの具体例としては、ヘキ
サメチレンジアミン/イソフタル酸重縮合体、ヘキサメ
チレンジアミン/イソフタル酸/テレフタル酸重縮合
体、2,24−トリメチルヘキサメチレンジアミン/
2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン/テレ
フタル酸重縮合体などを挙げることができ、なかでもイ
ソフタル酸/テレフタル酸のモル比が60/40〜95
/5、特に65/35〜90/10である芳香族ジカル
ボン酸とヘキサメチレンジアミンとの重縮合体が好まし
い。
【0030】 そして、重合体(b2)のブロツクをポ
リエステルから構成する場合は、脂肪族ポリエステル以
外のポリエステルから構成する。脂肪族ポリエステル以
外のポリエステルとして固有粘度が0.2〜2.0dl
/gの範囲にあるものを使用するのが好ましい。前記
リエステルの好ましい例としては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレ
ンテレフタレート/イソフタレート)、ポリ(エチレン
グリコール/シクロヘキサンジメタノール/テレフタレ
ート)などを挙げることができる。これらのポリエステ
ルは、場合により他の共重合成分からなる単位を少量
(一般に10モル%以下)含んでいてもよく、そのよう
な他の共重合成分としては、エチレングリコール、ブチ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペ
ンチルグリコール、ペンタンジオールなどのジオール
類、イソフタル酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、]ジ
フェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカ
ルボン酸、プロピレンビス(フェニルカルボン酸)、ジ
フェニルオキサイドジカルボン酸、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、サバチン酸、ジエチルコハ
ク酸などのジカルボン酸を挙げることができる。
【0031】また、重合体(b2)のブロツクをポリカ
ーボネートから構成する場合は、その固有粘度が0.2
〜2.0dl/gのポリカーボネートを用いるのがよ
い。ポリカーボネートの好ましい例としては、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールE、ビス
フェノールF、ビスフェノールP、ビスフェノールS、
ビスフェノールZ、テトラクロロビスフェノールA、テ
トラブロモビスフェノールAなどに基づくポリカーボネ
ートを挙げることができる。
【0032】ブロツク共重合体(B)は、ポリアミド
(b1)からなる重合体ブロックと重合体(b2)からな
る重合体ブロックを1/99〜99/1の重量割合で有
しているのがよく、5/95〜80/20の重量割合で
有しているのがより好ましい。{ポリアミド(b1)か
らなる重合体ブロック}/{重合体(b2)からなる重
合体ブロック}の割合が1/99未満であると、EVO
H系共重合体(A)との相溶性が不充分になって透明性
が損なわれ、しかもレトルト処理などの高温加熱時に生
ずる白化現象の解消や重合体組成物における重合体の相
間分離の防止効果が充分に発揮されず、一方99/1を
超えると熱安定性が悪くなり、製膜時にゲルやブツなど
のいわゆるフィッシュアイが発生し外観が不良になり易
い。
【0033】ブロツク共重合体(B)では、ポリアミド
(b1)からなる重合体ブロツクと重合体(b2)からな
る重合体ブロツクをそれぞれ1個以上有している限り
は、各重合体ブロツクの数は限定されず、また各重合体
ブロツクの結合方式なども特に制限されない。例えば、
それら2つの重合体ブロツクが直鎖状で交互に、ランダ
ムにまたはテーパー状に結合していても、或いは一方の
重合体にもう一方の重合体がグラフト重合して結合して
いても、2つの重合体が星型状に結合していてもよい。
【0034】また、ブロツク共重合体(B)の製法も特
に制限されず、任意の方法で製造することができ、例え
ば、(1)ポリアミド(b1)と重合体(b2)を重合槽
や押出機(好ましくは二軸押出機)中に投入し、酸素を
含まない雰囲気(例えば窒素雰囲気)中で減圧下に24
0〜340℃の温度で5〜100分間撹拌しながら加熱
して、両方の重合体間でアミド交換反応またはエステル
交換反応を生じさせてブロツク共重合体(B)を製造す
る方法;(2)ポリアミド(b1)に重合体(b2)用の
モノマーをグラフト重合させる方法;(3)重合体(b
2)にポリアミド(b1)用のモノマーをグラフト重合さ
せる方法;(4)ポリアミド(b1)および重合体
(b2)の一方の重合体を製造した後、その末端にもう
一方の重合体用のモノマーを引き続いて結合させ重合さ
せる方法などを採用して製造することができ、特に上記
(1)の方法が好ましい。上記(1)の方法によりブロ
ツク共重合体(B)を製造する場合は、用いるポリアミ
ド(b1)および重合体(b2)の種類などに応じてその
加熱温度を上記の240〜340℃の範囲で調節して、
重合体の分解防止をはかりながらアミド交換反応または
エステル交換反応を促進させるのがよい。
【0035】また、ポリアミド(b1)と重合体(b2
を窒素雰囲気下で240℃以上(好ましくは240〜3
40℃)の温度で溶融混合させた際に、ブロツク共重合
体が生成されずにポリアミド(b1)と重合体(b2)と
の溶融混合物が生成される場合があるが、そのような溶
融混合生成物[溶融混合生成物(C)]も本発明ではブ
ロツク共重合体(B)の代わりに有効に使用することが
できる。溶融混合生成物(C)をEVOH系共重合体
(A)に配合することによって、透明性およびガスバリ
アー性に優れ、レトルト処理などの高温処理を施した場
合にも、ガスバリアー性の低下、ブレンドした樹脂との
相間分離による白化、他の素材と積層した場合の層間剥
離やしわの発生などのない優れた重合体組成物が得られ
る。したがって、本発明はEVOH系共重合体(A)5
5〜97重量%に対して該溶融混合生成物(C)45〜
3重量%を含有する重合体組成物、並びにその重合体組
成物よりなる層を有する積層構造体をも包含する。
【0036】EVOH系共重合体(A)にポリアミド
(b1)および重合体(b2)の一方のみをブレンドした
重合体組成物、並びにEVOH系共重合体(A)にポリ
アミド(b1)と重合体(b2)を単にそのままブレンド
した重合体組成物は、透明性およびガスバリアー性が本
発明の重合体組成物に比べて劣っており、しかもレトル
ト処理などの高温処理を施した際にガスバリアー性の低
下、ブレンドした樹脂との相間分離による白化、他の素
材と積層した場合の層間剥離やしわの発生などが起こ
り、本発明におけるような優れた効果は奏されない。し
たがってEVOH系共重合体(A)にブロツク共重合体
(B)または溶融混合生成物(C)を配合したことによ
る上記した本発明の優れた効果はかかる点からも全く予
想外の効果であるということができる。
【0037】本発明の重合体組成物は、必要に応じて他
の重合体、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑
剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤などのたの添加
剤を含有することができる。限定されるものではない
が、例えば、安定剤としては酢酸カルシウム、酢酸ナト
リウム、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、
酢酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸亜鉛、ハイドロタルサイト類、
エチレンジアミン四酢酸などを挙げることができる。ま
た酸化防止剤としては例えば2,5−ジ−t−ブチルハ
イドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−チオビス(6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、4,4’−チオビス(6−t−ブチルフ
ェノール)などを挙げることができる。更に紫外線吸収
剤の例としてはエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニ
ルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−
ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2
−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンなどを挙
げることができる。
【0038】また、可塑剤としては、例えばフタル酸ジ
エチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、ワッ
クス、流動パラフィン、リン酸エステルなどを、帯電防
止剤としてはペンタエリスリットモノステアレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、硫酸化オレイン酸、ポリエ
チレンオキシド、カーボワックスなどを挙げることがで
きる。更に滑剤としては例えばエチレンビスステアロア
ミド、ブチルステアレートなどを、着色剤としてはカー
ボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、アゾ系
顔料、酸化チタン、ベンガラなどを挙げることができ
る。充填剤としては例えばグラスファイバー、アスベス
ト、マイカ、セリサイト、タルク、ガラスフレーク、バ
ラストナイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、モンモリロナイトな
どを挙げることができる。
【0039】上記したもののうちで、マイカ、タルク、
セリサイト、モンモリロナイトなどの無機粉末の1〜6
0重量%と、EVOH系共重合体(A)にブロツク共重
合体(B)または溶融混合生成物(C)を配合した重合
体組成物の99〜40重量%とからなる組成物は、ガス
バリアー性が一層良好であり、カップ、トレーなどの容
器用に極めて有効に使用することができる。
【0040】本発明の重合体組成物の調製法は特に限定
されず、熱可塑性重合体組成物の調製に従来一般に採用
されている既知の方法のいずれもが採用できる。例え
ば、EVOH系共重合体(A)に対してブロツク共重合
体(B)または溶融混合生成物(C)および必要に応じ
て他の添加剤をドライブレンドした後、単軸または二軸
押出機に供給して溶融混練して押出した後、適当な大き
さに切断して、ペレットやその他の形状の重合体組成物
にすることができる。
【0041】本発明の重合体組成物は、熱可塑性重合体
またはその組成物に対して一般に採用されている成形方
法および成形装置を用いて成形することができ、押出成
形、射出成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロ
ー成形などによって任意の形状や寸法を有する種々の成
形品にすることができる。そのうちでも、特に押出成形
などによってフイルムやシート状に成形するのがよく、
そのようなフイルムやシートと他の熱可塑性樹脂との積
層構造体にして用いるのが好ましい。
【0042】本発明の重合体組成物を積層構造体に用い
る場合は、層の数、各層に用いる他の熱可塑性樹脂の種
類などは特に制限されないが、本発明の重合体組成物を
厚み約5〜250μm、好ましくは約10〜100μm
程度の中間層とし、その表面と裏面(内外層)を他の熱
可塑性樹脂から構成するのがよい。内外層に使用する熱
可塑性樹脂の種類は特に制限されず、積層構造体の目的
や用途に応じて、透湿性、耐熱性、ヒートシール性、透
明性などを考慮して適宜選択することができ、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、架橋ポリプロピレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、その部分ケン化物、エ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリン酸エステル共重合体などのポリオレフィン
またはオレフィン共重合体、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル系重合
体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアセタール、ポリカーボ
ネートなどからなる内外層を設けることができる。その
際に内外層の数は各1層とは限らず、上記した種々の熱
可塑性重合体の1種または2種以上を組み合わせて、3
層または4層以上の積層構造体にしてもよい。
【0043】積層構造体の製法は特に制限されず、例え
ば共押出法、ドライラミネート法、サンドラミネート
法、押出ラミネート法、共押出ラミネート法、溶液コー
ト法などの任意の方法を採用して積層構造体を製造する
ことができる。共押出法により積層構造体を製造する場
合は、本発明の重合体組成物からなる層が積層構造体の
内部に中間層として位置するようにして、内外層用の上
記した熱可塑性樹脂、中間層と内外層とを結合するため
のバインダー用樹脂(例えばポリプロピレン、ポリエチ
レン、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エステルなど
の他のモノマーとの共重合体などのオレフィン系樹脂を
無水マレイン酸で変性した樹脂など)および本発明の重
合体組成物を、合計3層以上の積層フイルムやシートの
形態に同時押出成形する方法を採用するのが便利であ
る。その場合に、押出された積層フイルムまたはシート
を必要に応じて電子線照射などにより架橋しても、更に
延伸、熱成形を行って所定形状の成形品(包装用の容器
やトレーなど)にしてもよい。
【0044】また、ドライラミネート法により積層構造
体を製造する場合は、例えば、本発明の重合体組成物か
ら予めフイルムを作製しておき、必要に応じてこのフイ
ルムに架橋助剤を含浸させたりまたは電子線照射して架
橋した後、接着剤を塗布した熱可塑性樹脂フイルムを熱
ロールなどを用いて接着積層させる方法を採用すること
ができる。その場合に得られた積層構造体を必要に応じ
て電子線照射などにより架橋しても、更に延伸、熱成形
を行って所定形状の成形品(包装用の容器やトレーな
ど)にしてもよい。
【0045】上記した積層構造体においては、積層を行
う前の樹脂の段階で、または積層前のフイルムの段階で
あるいは積層構造体を製造した後に、電子線照射を行っ
て積層構造体を構成する樹脂の架橋を行うと、ガスバリ
アー性が向上し、レトルト処理などの高温加熱処理によ
る白化や重合体相間の分離、層間剥離などを防止するこ
とができる。限定されるものではないが、その場合の電
子線源としては加速電圧100〜3000KVの電子線
加速機(例えばパンタグラフ式などの走査型装置、カー
テン型装置、エレクトロカーテン型装置など)を使用す
ることができる。照射線量は、層を構成する樹脂の種
類、積層構造体の厚み、各層の厚みなどに応じて変わり
得るが、一般に0.5〜50Mrad、好ましくは1〜
30Mrad程度にするのがよい。照射線量が低いとガ
スバリアー性が低下し、レトルト処理などの高温加熱処
理による白化や重合体相間の分離、層間剥離などが発生
し易くなり、一方照射線量が多すぎると延伸や熱成形時
の成形性の悪化、積層構造体の強度低下や着色などを生
ずる場合がある。
【0046】EVOH系共重合体(A)とブロツク共重
合体(B)または溶融混合生成物(C)よりなる重合体
組成物から構成される層を含む本発明の積層構造体は、
フイルムまたはシートの形態で、あるいはそれをプレス
成形(絞り成形)や真空成形などの任意の方法で二次成
形して、種々の包装材料として有効に使用することがで
き、例えばふた材、パウチ類、真空包装材、スキンパッ
ク材、深絞り包材、ロケット包材、カップ、トレー、ボ
トル、チューブ状の包装材料などとして使用することが
できる。
【0047】本発明の積層構造体から得られた上記の包
装材料は、レトルト殺菌,、ボイル殺菌などの高温加熱
処理、特に熱水や水蒸気を用いる高温加熱処理が可能で
あり、高温加熱処理によってその優れたガスバリアー性
や透明性が失われず、層間剥離やしわの発生などの外観
不良も生じない。場合によっては、レトルト加熱直後に
白化してやや不透明になることがあるが、それは一時的
なものであり、しばらく放置しておくと再度透明にな
り、特にレトルト加熱後に40〜150℃の熱風を用い
て乾燥処理するとその透明性やガスバリアー性が速やか
に回復し、極めて高い品質を有している。
【0048】
【実施例】以下に本発明を実施例などによって具体的に
説明するが本発明はそれにより限定されない。なお、以
下の実施例および比較例において、積層フイルム(レト
ルトパウチ)のガスバリアー性の測定は下記の方法によ
り測定した。また、積層フイルム(レトルトパウチ)の
フィッシュアイの発生の有無、透明性およびデラミ(E
VOH系重合体層内または層間の剥離や破壊等により点
状に白く見える現象)の有無の評価は、各実施例および
比較例で得られた積層フイルム(レトルトパウチ)を肉
眼で観察して、下記の表1に示す評価基準にしたがって
行った。
【0049】ガスバリアー性の測定:試作した多層フイ
ルムを袋状に製袋し、内容物を入れた後所定の条件でレ
トルト処理し、次いで20℃、65%RHで所定の時間
放置し、その後、袋を破り、モコニ社製の「10/50
型酸素ガス透過測定装置」にかけて、20℃で内部10
0%RH、外部65%RHの湿度下にガスバリヤー性の
測定を行った。
【0050】
【表1】 ○フィッシュアイの発生: 良 :積層フイルム100cm2当りフィッシュアイの
発生個数が10個未満不良:積層フイルム100cm2当りフィッシュアイの
発生個数が50個以上透明性: 良 :完全に透明 不良:透明性低い 白味:乳白色で多少透明性があり白化:完全に不透明で白色デラミ: 無し:デラミによる不透明な点状物の発生全くなし 微小:デラミによる不透明な点状物の数が100cm2
当り10個未満不良:デラミによる不透明な点状物の数が100cm2
当り10個以上
【0051】《実施例 1》 (1) ポリアミド(b1)としてカプロラクタム/ラ
ウリンタクタム共重合体(ナイロン6/12)(6/1
2=90モル%/10モル%;融点205℃)(ENS
製「グリロンCR−9」)20重量部と、重合体
(b2)としてポリラウリンラクタム(ナイロン12;
融点185℃)(ENS製「L−16」)80重量部を
ドライブレンドした後、110℃の窒素雰囲気下で減圧
−加圧を繰り返して重合体中に溶存または吸収されてい
る酸素を充分に除去した後、窒素雰囲気下にベント式二
軸押出機に投入し、減圧下(3mmHg)、300℃で
15分間(平均滞留時間)溶融混練後の押出した。その
結果、GPC、NMRで調べたところ、ナイロン6/1
2の重合体ブロックとナイロン12の重合体ブロックと
が結合したブロツク共重合体(B)が生成していること
が確認された。 (2) EVOH共重合体[エチレン含量28モル%、
ケン化度99.6%、MI(190℃、荷重2160
g)1.3g/10min]80重量部と上記(1)で
製造したブロツク共重合体(A)20重量部をドライブ
レンドした後、30φ二軸押出機に投入して220℃で
溶融混練しストランド状に押出した後切断して、直径3
mm、長さ5mmのペレット(本発明の重合体組成物)
を製造した。
【0052】(3) 上記(2)で得られたペレットを
中間層用重合体組成物として用い、更にナイロン6(東
レ社製「CM1021」;最外層用)、ポリプロピレン
(三菱油化製「ノーブレンMA−6」;最内層用)およ
びエチレン−酢酸ビニル共重合体の無水マレイン酸変性
物(三井石油化学製「アドマーQF−500」;接着層
用)を用いて、4種5層共押出装置にかけて、ポリプロ
ピレン(60μm;最内層)/接着樹脂層(10μm)
/上記(2)の重合体組成物層(20μm)/接着樹脂
層(10μm)/ナイロン6層(20μm;最外層)か
らなる積層フイルムを製造した。 (4) 上記(3)で得られた積層フイルムのガスバリ
アー性を上記した方法で測定すると共に、フィッシュア
イの発生状態および透明性を上記表1の評価基準にした
がって調べたところ、下記の表2に示すとおりであっ
た。
【0053】(5) 上記(3)で得られた積層フイル
ムを用いてレトルトパウチを作製し、それに水油(サラ
ダ油含量10重量%)を充填した後、180℃でヒート
シールし、120℃で30分間、加熱加圧蒸気によるレ
トルト殺菌処理を行った。処理直後のデラミ状態および
透明性は下記の表2に示すとおりであった。また、処理
後3時間放置した段階でのガスバリアー性は表2に示す
とおりであり、また12時間放置した時点での透明性は
表2に示すとおりであった。 (6) レトルト殺菌処理を120℃で60分間行った
以外は上記(5)と同様にして、処理直後のデラミ状態
および透明性、3時間放置した時点でのガスバリアー性
および12時間放置した時点での透明性を調べたとこ
ろ、表2に示すとおりであった。
【0054】《実施例 2〜5》ポリアミド(b1)お
よび重合体(b2)として下記の表2に示す重合体を表
2に示す割合で使用した以外は実施例1と同様にして積
層フイルムを製造した後、レトルトパウチを作製し、実
施例1と同様にしてその物性を調べた。その結果を表2
に示す。
【0055】《実施例 6》実施例1の(3)で得た積
層フイルムに、加速電圧300KVの電子線で5Mra
dの照射を行った。この積層フイルムの物性およびそれ
より得られたレトルトパウチの物性を実施例1と同様に
して調べたところ、表2に示すとおりであった。
【0056】《比較例 1》ブロツク共重合体(B)を
用いる代わりに、下記の表2に示すポリアミドをEVO
H系共重合体(A)に単独でブレンドして重合体組成物
をつくり、それ以外は実施例1とと同様にして積層フイ
ルムを製造した後、レトルトパウチを作製し、実施例1
と同様にしてその物性を調べた。その結果を表2に示
す。
【0057】《比較例 2〜3》EVOH系共重合体と
してエチレン含量が32モル%である以外は実施例1で
用いたのと同様のEVOH共重合体を用い、ブロツク共
重合体(B)を用いる代わりに下記の表2に示すポリア
ミドをEVOH共重合体に単独でブレンドして重合体組
成物をつくり、それ以外は実施例1とと同様にして積層
フイルムを製造した後、レトルトパウチを作製し、実施
例1と同様にしてその物性を調べた。その結果を表2に
示す。
【0058】《比較例 4》実施例1で使用したのと同
じEVOH系共重合体(A)80重量部に、実施例1で
使用したのと同じナイロン6/12の4重量部およびナ
イロン12の16重量部をそれぞれそのままドライブレ
ンドし、それ以後は実施例1と同様にして溶融押出によ
るペレットの製造、積層フイルムの作製、レトルトパウ
チの作製を行って、実施例1と同様にしてその物性を調
べた。その結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】上記表2の結果から、EVOH系共重合体
(A)に対して、ポリアミド(b1)と重合体(b2)と
のブロツク共重合体(B)を配合した本発明の重合体組
成物による場合には、透明性およびガスバリアー性に優
れ、しかもフィッシュアイの発生のない積層フイルムが
得られること、しかもそのような優れた物性はレトルト
処理後もそのまま維持されることがわかる。それに対し
て、ポリアミド(b1)および重合体(b2)の一方のみ
をEVOH系共重合体(A)に配合している比較例1〜
2、ポリアミド(b1)以外のポリアミドをEVOH系
共重合体(A)に配合している比較例3、ポリアミド
(b1)と重合体(b2)を単にそのままEVOH系共重
合体(A)に配合している比較例4の重合体組成物を用
いた場合には、積層フイルムのガスバリアー性や透明性
が劣り、またフィッシュアイの発生が多いこと、または
レトルト処理をする前はそれらの物性が良好であって
も、レトルト処理後はその透明性、ガスバリアー性、デ
ラミ特性が大幅に低下していることがわかる。
【0061】
【発明の効果】本発明の重合体組成物を用いた場合に
は、透明性やガスバリアー性に優れ、レトルト処理など
の高温処理、特に熱水や水蒸気を用いる加熱または加熱
加圧処理を施した場合にも、ガスバリアー性の低下およ
びブレンドした樹脂との相間分離による白化、不透明化
などが生じず、しかも他の素材と積層した場合にも層間
剥離やしわの発生などの外観不良の発生がなく、EVO
H系共重合体本来の優れた透明性およびガスバリアー
性、良好な形態や外観を保つことのできるフイルムやシ
ートなどの成形品、更には積層構造体を製造することが
でき、特に本発明の重合体組成物からなる層を有する積
層構造体(特に積層フイルム)は、レトルトパウチなど
の高温の熱水や水蒸気を用いる加熱または加熱加圧処理
の必要な包装材料として極めて有効に使用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 77:00) C08L 29/04 (C08L 29/04 77:00) (56)参考文献 特開 平4−139248(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 B32B 27/00 - 27/42 C08G 69/48

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含量が20〜60モル%である
    エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)55〜9
    7重量%に対して、ブロツク共重合体(B)45〜3重
    量%を含有する重合体組成物であって、ブロツク共重合
    体(B)が下記の式(I); 【化1】 −NH−(CH2)5−CO− (I) で表されるアミド単位および下記の式(II); 【化2】 −NH−CH2−(CH2)m−CH2−NH−CO−(CH2)n−CO− (II) (式中、mは0〜10の整数およびnは4〜12の整数
    であって、mおよびnの少なくとも一方が4である) で表されるアミド単位のうちの少なくとも一方からなる
    繰返し単位を10モル%以上有するポリアミド(b1
    からなる重合体ブロックと、他のポリアミド、ポリエス
    テル(但し脂肪族ポリエステルを除く)およびポリカー
    ボネートのうちの少なくとも1つの重合体(b2)から
    なる重合体ブロックを有するブロツク共重合体であるこ
    とを特徴とする重合体組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン含量が20〜60モル%である
    エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)55〜9
    7重量%に対して、溶融混合生成物(C)45〜3重量
    %を含有する重合体組成物であって、溶融混合生成物
    (C)が、下記の式(I); 【化3】 −NH−(CH2)5−CO− (I) で表されるアミド単位および下記の式(II); 【化4】 −NH−CH2−(CH2)m−CH2−NH−CO−(CH2)n−CO− (II) (式中、mは0〜10の整数およびnは4〜12の整数
    であって、mおよびnの少なくとも一方が4である) で表されるアミド単位のうちの少なくとも一方からなる
    繰返し単位を10モル%以上有するポリアミド(b1
    と、他のポリアミド、ポリエステル(但し脂肪族ポリエ
    ステルを除く)、ポリカーボネートおよびこれら3者の
    うちの2種以上からなるブロツク共重合体のうちの少な
    くとも1つの重合体(b2)を240℃以上の温度で溶
    融混合して得られる生成物であることを特徴とする重合
    体組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の重合体組成物よりな
    る層を少なくとも一層有する積層構造体。
  4. 【請求項4】 請求項3の積層構造体を用いてなる包装
    材料。
  5. 【請求項5】 エチレン含量が20〜60モル%である
    エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)に対し
    て、ブロツク共重合体(B)または溶融混合生成物
    (C)を混合し、溶融混練した後に成形して成形品を製
    造する方法であって、 ・ブロツク共重合体(B)が、下記の式(I)で表され
    るアミド単位および下記の式(II)で表されるアミド単
    位のうちの少なくとも一方からなる繰返し単位を10モ
    ル%以上有するポリアミド(b1)からなる重合体ブロ
    ックと、他のポリアミド、ポリエステル(但し脂肪族ポ
    リエステルを除く)およびポリカーボネートのうちの少
    なくとも1つの重合体(b2)からなる重合体ブロック
    を有するブロツク共重合体であり; ・溶融混合生成物(C)が、下記の式(I)で表される
    アミド単位および下記の式(II)で表されるアミド単位
    のうちの少なくとも一方からなる繰返し単位を10モル
    %以上有するポリアミド(b1)と、他のポリアミド、
    ポリエステル(但し脂肪族ポリエステルを除く)、ポリ
    カーボネートおよびこれら3者のうちの2種以上からな
    るブロツク共重合体のうちの少なくとも1つの重合体
    (b2)を240℃以上の温度で溶融混合して得られる
    生成物である; 【化5】 −NH−(CH2)5−CO− (I) 【化6】 −NH−CH2−(CH2)m−CH2−NH−CO−(CH2)n−CO− (II) (式中、mは0〜10の整数およびnは4〜12の整数
    であって、mおよびnの少なくとも一方が4である) ことを特徴とする成形品の製造方法。
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