JPH07102658B2 - ガスバリヤ−性多層構造物 - Google Patents

ガスバリヤ−性多層構造物

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JPH07102658B2
JPH07102658B2 JP10201987A JP10201987A JPH07102658B2 JP H07102658 B2 JPH07102658 B2 JP H07102658B2 JP 10201987 A JP10201987 A JP 10201987A JP 10201987 A JP10201987 A JP 10201987A JP H07102658 B2 JPH07102658 B2 JP H07102658B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、殺菌を目的として熱水処理を施したり、食品
や飲料を高温で充填しても変形を起こさない、透明な耐
熱性に優れるガスバリヤー性多層容器、フイルムおよび
シート類に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、ガス遮断性が高度に要求される食品や飲料用の包
装用に、各種ガスバリヤー性樹脂と、ポリエステル、ポ
リアミドおよびポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂から
なる多層シート、フイルムおよび容器が広く用いられて
きている。
ガスバリヤー層に使用される樹脂としては、エチレン−
ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニリデン系共重合
樹脂、アクリロニトリル系共重合樹脂およびポリメタキ
シリレンアジパミド(以下ナイロンMXD6と略記する)等
のポリアミドなどが知られている。
これらのガスバリヤー性樹脂のうち、ナイロンMXD6はガ
スバリヤー性が優れているのに加えて溶融時の熱安定性
が他の樹脂に比べて良好であることから、ポリエチレン
テレフタレート(以下PETと略記する)、ナイロン6お
よびポリプロピレンなど種々の熱可塑性樹脂との共押出
や共射出成形などが可能であり、多層構造物のガスバリ
ヤー層としての利用が最近、積極的に進められている。
ナイロンMXD6に代表される脂肪族ジカルボン酸とメタキ
シリレンジアミンとの重縮合反応から得られるポリアミ
ドのガラス転移点は、70℃付近にあり、例えば、延伸ブ
ロー成形により、ナイロンMXD6からなる層とPETからな
る層より作成された透明広口容器や透明ボトルは、80℃
以上の熱水に浸漬すると大きく収縮する。
その為、ナイロンMXD6を使用した容器は、殺菌を目的と
して、熱水処理や高温での充填を必要とする食品および
飲料の容器用に使用できないのが現状である。
特公昭56−23792において、ポリエチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフィン層と、ナイロンMXD6からなる
層を有するガスバリヤー性多層容器が提案されている。
しかし、ポリオレフィンを用いた場合には、深絞りおよ
びブロー成形などによる加工時の適正温度がPETに比べ
て高いため、ナイロンMXD6が結晶化し易く、延伸加工が
困難であったり、厚みむらや白化を起こし易く、形状や
透明性において、満足する容器を得ることは難しい。
また、特開昭60−232952において、メタキシリレンジア
ミンと一定割合以上のイソフタル酸を含むジカルボン酸
との重縮合反応から得られるポリアミドとPETに代表さ
れる熱可塑性ポリエステルとからなるガスバリヤー性多
層成形体が提案されている。この場合、例示されている
イソフタル酸をジカルボン酸成分単位の一部に持つ共重
合ポリアミドは、ナイロンMXD6に比べてガラス転移温度
が高く、また結晶性は低いか、実質的に非晶質のポリマ
ーであるとみなされる。
しかし、特開昭60−232952において例示されている共重
合ポリアミドは、非晶性を付与する為にイソフタル酸の
使用割合を増加していくと、溶融粘度が高くなってゴム
状化し易くなり、高分子量のポリマーを得られにくくな
る問題点を有している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
現状では、軽量、破損し難い等の特徴に加えて殺菌のた
めの熱処理や熱間充填に耐えることが出来、さらに優れ
た透明性とガスバリヤー性能を有する実用的な合成樹脂
製の包装体は得られていない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはこのような問題点を解決すべく、ガスバリ
ヤー性能を有する包装体について鋭意検討した結果、メ
タキシリレジアミンと、脂肪族ジカルボン酸、およびイ
ソフタル酸とテレフタル酸とからなるジカルボン酸との
重縮合反応から得られる共重合ポリアミドと、他の熱可
塑性樹脂とを共押出し、共射出成形し、得られるシー
ト、フィルム、パリソン等の前駆体にブロー成形、深絞
り成形および延伸等の二次加工をすることにより殺菌を
目的とする熱水処理や食品、飲料類の高温充填において
も収縮、膨張等の変形、および白化を起こさない耐熱
性、透明性に優れさらに高度なガスバリヤー性をも有す
る多層構造物が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
すなわち、本発明は、55ないし70モル%の脂肪族ジカル
ボン酸、20ないし30モル%のイソフタル酸および5ない
し20モル%のテレフタル酸から成り、イソフタル酸およ
びテレフタル酸から成る芳香族ジカルボン酸が30ないし
45モル%であるジカルボン酸とメタキシリレンジアミン
との重縮合反応から得られる共重合ポリアミドの少なく
とも一つの層と、他の熱可塑性樹脂からなる少なくとも
一つの層が接合してなる透明性な耐熱性を有するガスバ
リヤー性多層構造物に関するものである。
本発明において使用される共重合ポリアミド(以下、本
共重合ポリアミドと言う)は、脂肪族ジカルボン酸、イ
ソフタル酸およびテレフタル酸を含む芳香族ジカルボン
酸からなるジカルボン酸とメタキシリレンジアミンを主
成分とするジアミンとの重縮合反応から得られる。
本共重合ポリアミドを得る為の重縮合反応は、ジカルボ
ン酸とジアミンとから得られるナイロン塩を経由する方
法でもよく、またジカルボン酸とジアミンを直接反応さ
せる方法によって実施してもよい。
また直接反応させる例として、粉体状の芳香族ジカルボ
ン酸を分解させた溶融ジカルボン酸に、160〜300℃まで
昇温しながらメタキシリレンジアミンを常圧下で滴下
し、反応させることも可能である。
この直接反応させる方法によれば、ナイロン塩を経由す
る方法と異なり、融点が高いテレフタル酸とメタキシリ
レンジアミンからのナイロン塩が反応系中に取り残され
る事なく、本共重合ポリアミドを容易に得ることができ
る。
本共重合ポリアミドの原料として使用される脂肪族ジカ
ルボン酸としては、得られるポリアミドのガスバリヤー
性等を考慮するとアジピン酸が最も好ましいが、それ以
外のジカルボン酸としてコハク酸、グルタル酸、スベリ
ン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびド
デカンジオン酸などをあげることができる。
本共重合ポリアミドの全ジカルボン酸のうち脂肪族ジカ
ルボン酸の使用割合は、55ないし70モル%、イソフタル
酸の成分単位は、20ないし30モル%、テレフタル酸の成
分単位は5ないし20モル%の範囲であることが必要であ
る。
本共重合ポリアミドにおいて、全ジカルボン酸成分単位
のうち脂肪族ジカルボン酸の成分単位が70モル%を越え
ると、得られる共重合ポリアミドのガラス転移温度は低
下し、その結果、本発明の目的である熱水処理や高温充
填に耐える包装体を得ることが出来なくなる。
又、全ジカルボン酸成分単位のうち脂肪族ジカルボン酸
の成分単位が55モル%以下になると、得られる共重合ポ
リアミドは溶融粘度が高くなると共に溶融時の熱安定性
が低下し、重縮合反応の完了および溶融成形が困難にな
るため、本発明に使用し得る好適な材料とはならない。
また、全ジカルボン酸成分単位のうちイソフタル酸の成
分単位を20モル%以下、あるいはテレフタル酸の成分単
位を5モル%以下にすると、得られる共重合ポリアミド
は結晶性ポリマーとしての性状を示して、二次加工時の
加熱、二次加工後に得られる製品の熱水処理などにより
白化し易くなる為、耐熱性と透明性を特徴とする本発明
の多層構造物に採用しうる好適な材料とならない。
本共重合ポリアミドのジアミン成分単位を構成するメタ
キシリレンジアミンは、少量の他のジアミンを含んでい
てもよい。
この場合の他のジアミンとしては、テトラメチレンジア
ミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3
−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン等の環状構造を有する
脂肪族ジアミン、さらにパラキシリレンジアミン、メタ
フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンを例示すること
ができる。
脂肪族ジカルボン酸とメタキシリレンジアミンから得ら
れるポリアミドのDSC法により求めたガラス転移温度は7
5℃付近であるのに対し、本共重合ポリアミドは90〜130
℃の同ガラス転移温度を示す。さらに本共重合ポリアミ
ドは、ガラス転移温度以下での延伸の如き特別な場合を
除き、押出、射出成形などの溶融成形後であってもまた
ブロー成形、深絞り成形などの二次加工や延伸後にあっ
ても、DSC分析において融点に対応した明瞭な吸熱ピー
クおよび複屈折が認められないと言う点で実質的に非晶
質のポリマーとしての性質を示す。
すなわち本共重合ポリアミドは実質的に非晶性であり、
通常のブロー成形、深絞り成形などの熱加工における余
熱中に結晶化して、白化したり加工性を低下させること
はない。
また加工中の余熱や意図的な加熱により、他の熱可塑性
樹脂層の結晶化を進めた場合にも、本共重合ポリアミド
は白化の原因となる数多くの過大な結晶を発生させるこ
とがなく、多層構造物の透明性を低下させることがな
い。
本発明において本共重合ポリアミドと共に使用される他
の熱可塑性樹脂とはポリオレフィン、ポリスチレン、ポ
リエステル、ポリカーボネートおよびポリアミド等であ
る。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、あるいはエチレン、プロピレン、ブテンなどの二種
以上のポリオレフィン共重合体およびそれらの混合体が
例示できる。
ポリエステルの原料として使用できるジオール成分とし
てはエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール
を主体とするジオール成分単位、更にネオペンチルグリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエ
チレングリコール、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン等を例示することができる。
ポリエステルのもう一方の原料のジカルボン酸成分とし
て、テレフタル酸、イソフタル酸およびナフタレンジカ
ルボン酸を主体とするジカルボン酸成分単位、その他に
アジピン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等
を例示することができる。
前記成分を原料とするポリエステルとして、具体的には
PET、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、
ポリシクロヘキサンジメチレンイソフタレート、ポリエ
チレンナフタレンジカルボキシレートおよび該ポリエス
テルの成分単位を主体とした共重合ポリエステルを例示
することができる。
またジオールおよびジカルボン酸成分単位の一部にパラ
オキシ安息香酸などのオキシ酸成分単位を含むポリエス
テルも使用できる。
これらのポリエステルは、単独あるいは混合物として使
用することもできる。
ポリカーボネートとは、ビスフェノールAの炭酸エステ
ル成分単位を主体とするポリ炭酸エステルである。
ポリアミドとは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン610等の脂肪族ポ
リアミドおよび該ポリアミドを形成する成分単位を主体
とする共重合ポリアミドである。
また、本発明において使用しうる熱可塑性樹脂として、
以上に例示したポリオレフィン、ポリエステル、ポリカ
ーボネートおよびポリアミドは混合により、完全に透明
性が失われない限り、互いに混合して使用することが可
能である。
本発明の多層構造物とは、本共重合ポリアミドからなる
層と他の熱可塑性樹脂からなる層により構成されるシー
ト、フィルム、チューブおよびボトル、カップ、缶等の
容器、さらに袋状物等を意味する。
多層構造物中、本共重合ポリアミドからなる層は少なく
とも一つ存在し、他の熱可塑性樹脂からなる層は少なく
とも一つ存在する必要がある。
熱間充填する必要がある含水食品や飲料類を対象とする
容器類の場合には、通常、共重合ポリアミド層が吸水し
てガスバリヤー性および機械物性が低下しないように内
層をポリアミド以外の熱可塑性樹脂とすることが好まし
い。
また、層間の接着力を向上させるために本共重合ポリア
ミド層と他の熱可塑性樹脂との間、または異なる二種の
熱可塑性樹脂層の間に接着性の樹脂層を設けた多層構造
物も本発明に含まれる。
また、層間の接着力を向上させるために接着性の樹脂を
ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートおよびポ
リオレフィンの熱可塑性樹脂に溶融混合した組成物の層
を設けた多層構造物も本発明に含まれる。
例えば、本共重合ポリアミドとポリオレフィン類の接着
性樹脂として変性したポリエチレン、ポリプロピレンあ
るいはエチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類
の共重合体等が使用可能である。また本共重合ポリアミ
ドとポリエステルあるいはポリカーボネートとの接着に
は、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−アク
リル酸系共重合体、エチレン−アクリル酸系共重合体の
アルカリまたはアルカリ土類金属架橋体およびエチレン
−アクリル酸エステル系共重合体等が使用可能である。
本発明の多層構造物はインフレーション法およびTダイ
法等に基づく共押出、および金型内に二種以上の溶融樹
脂を順次射出するサンドイッチ成形および二色成形と呼
ばれる共射出成形等により製造される。
共押出、共射出成形により製造されるシート、フィル
ム、チューブおよび容器はそのまま、または若干の加熱
およびヒートシールその他の接着方法により容器状ある
いは袋状物として使用することも可能であるが、通常は
パリソンを含めブロー成形、深絞り成形等の延伸を伴う
二次加工をほどこしてボトル、カップ等の容器としてか
ら使用される。
また、シート、およびフィルムは延伸後ヒートシールそ
の他の接着方法により袋状物としてから使用されること
も可能である。
〔実施例〕
次に、参考例、実施例および比較例を示して本発明を具
体的に説明する。
尚、採用した特性等の測定方法を以下に記す。
(1)曇度の測定: JIS K−6714叉はASTM D883−62Tによる。
日本電色工業株式会社製デジタル曇度計ND−504AA使用 (2)収縮率の測定: フィルム、容器の縦および横方向に標線を描いておき、
処理前後の標線の長さを測定して次式より求めた。
a0,b0:処理前の縦横方向の標線の長さ a,b:処理後の縦横方向の標線の長さ (3)酸素透過率の測定: モダンコントロール社製OXTRAN 100A使用 (4)ガラス転移温度〔T9〕: DSC法により求めたガラス転移温度 セイコー電子社製SSC/560Sを使用 昇温速度;20℃/min (5)相対粘度〔ηrel.〕の測定: 測定する樹脂1gを96%硫酸100mlに溶解し、温度25℃で
測定 参考例 攪拌機、ジャケットおよび分縮器を備えた内容積20の
反応槽にアジピン酸3100g、イソフタル酸1640gおよびテ
レフタル酸910gを仕込み、熱媒循環装置により加熱し
て、アジピン酸を溶融した。次に粉体のイソフタル酸お
よびテレフタル酸が分散している溶融アジピン酸中にメ
タキシリレンジアミン(以下、MXDAと略記する)4990g
を滴下して反応させた。MXDAの滴下中、反応温度を50分
間で170℃から240℃まであげ、MXDAの滴下終了後さらに
260℃まで昇温した。260℃で1.5時間反応を継続し、溶
融重縮合反応を完了させた。
得られた共重合ポリアミド中には、未反応の固体状のイ
ソフタル酸およびテレフタル酸は認められず、相対粘度
は2.35であった。
実施例1 アジピン酸、イソフタル酸およびテレフタル酸とMXDAを
原料として用い(原料組成モル比:アジピン酸/イソフ
タル酸/テレフタル酸/MXDA=58/27/15/100)、参考例
に示したと同様の反応方法により、共重合ポリアミド
(ガラス転移温度Tg=123℃)を得た。
この共重合ポリアミドとポリプロピレン(三菱油化
(株)製、FY−6C)を樹脂層とし、さらに変性ポリプロ
ピレン(三井石油化学(株)製、QF−305)を両樹脂層
の接着層として用い、3台のそれぞれの押出機、および
フィードブロックを使用し、Tダイ法により、二つの外
層がポリプロピレン、中間層が共重合ポリアミド、両層
間が変性ポリプロピレンである3種5層シートを作成し
た。
次に作成したシートを真空成形機を用いて、深さ26mm、
開口部直径64mm、底部直径53mmの容器を作成した。
得られた容器に水を入れ、ヒートシール層を有するアル
ミ箔をかぶせて、ヒートシールマシーンにより溶着密閉
した。
この水を入れた容器をレトルト処理用のオートクレーブ
((株)トミー精工製)により120℃で30分間加圧熱水
処理を行なった。
第1表に示すごとく、加圧熱水処理後も実施例の容器は
良好な透明性と原形を保っていることが確認できた。
また得られた3種5層シートをテンター方式の延伸機
(東洋精機製作所製)を用いて、面積延伸倍率を4倍と
し、同時二軸延伸した。
次いで、二軸延伸フィルムを120℃で30分間、加圧下で
熱水処理した。延伸加工性、加熱および加圧熱水処理後
の曇度の測定結果を第2、3表に示す。
比較例1 ナイロンMXD6(Tg=75℃)と、ポリプロピレン(三菱油
化(株)製、FY−6C)を樹脂層とし、さらに変性ポリプ
ロピレン(三井石油化学(株)製、QF−305)を両樹脂
層の接着層として用い、実施例1と同様の方法で、二つ
の外層がポリプロピレン、中間層がナイロンMXD6、両層
間が変性ポリプロピレンである3種5層シートを作成し
た。
次に実施例1と同様に真空成形により、容器を作成し、
加圧熱水処理を行なった。加圧熱水処理後の透明性と収
縮性を第1表に示す。
また実施例1と同様に得られた3種5層シートをテンタ
ー方式の延伸機(東洋精機製作所製)を用いて、延伸時
の温度をそれぞれ150℃、140℃、110℃とし、面積延伸
倍率を4倍として同時二軸延伸した。
延伸加工性、延伸後の曇度の測定結果を第2表に示す。
比較例2 アジピン酸、イソフタル酸およびテレフタル酸とMXDAを
原料として用い(原料組成モル比:アジピン酸/イソフ
タル酸/テレフタル酸/MXDA=83/11/6/100)、参考例に
示したと同様の反応方法により、共重合ポリアミド(ガ
ラス転移温度Tg=89℃)を得た。
この共重合ポリアミドとポリプロピレン(三菱油化
(株)製、FY−6C)を樹脂層とし、変性ポリプロピレン
(三井石油化学(株)製、QF−305)を両樹脂層の接着
層として用い、実施例1と同様の装置により、二つの外
層がポリプロピレン、中間層が共重合ポリアミド、両層
間が変性ポリプロピレンである3種5層シートを作成し
た。
次に、実施例1と同様にテンター方式の延伸機(東洋精
機製作所製)を用いて、面積延伸倍率を4倍とし、同時
二軸延伸した。さらに、二軸延伸フィルムを150℃で30
秒間熱固定した後、120℃で30分間、加圧下で熱水処理
した。
延伸加工性、加熱および加圧熱水処理後の曇度の測定結
果を第2,3表に示す。
実施例2 アジピン酸、イソフタル酸およびテレフタル酸とMXDAを
原料として用い(原料組成モル比:アジピン酸/イソフ
タル酸/テレフタル酸/MXDA=67/27/6/100)、参考例に
示したと同様の反応方法により得られた共重合ポリアミ
ド(ガラス転移温度Tg=107℃)、およびPET(日本ユニ
ペット(株)製、RT−543)を、それぞれ別の射出成形
機を用いて同一の金型内に順次射出し、内外層および中
間層がPET、内外層および中間層の間の層が上記共重合
ポリアミドである5層構造を有するパリソンを成形し
た。
得られたパリソンを吹込圧20Kg/cm2、吹込成形温度約11
0℃で吹込成形し、内容積1.5の5層ボトルを得た。こ
の5層ボトルの評価結果を第4表に示す。
比較例3 共重合ポリアミドの代わりに、ナイロンMXD6を用いた以
外は実施例2と同様にして、内外層および中間層がPE
T、内外層および中間層の間の層がナイロンMXD6からな
る5層構造を有するパリソンを成形した。
得られたパリソンを吹込圧20Kg/cm2、吹込成形温度85〜
95℃で吹込成形し、内容積1.5の5層ボトルを得た。
得られた5層ボトルの各層の厚さおよび評価結果を第4
表に示す。
本比較例において、吹込成形温度を実施例2と同様にし
て吹込成形を実施しようとしたが、パリソンの自重によ
る変形、またはナイロンMXD6層の白化・結晶化が起き、
吹込成形することが困難であった。また、成形が行えた
場合であっても得られたボトルは厚みが不均一であった
り、白化していた。
実施例3 アジピン酸、イソフタル酸およびテレフタル酸とMXDAを
原料とし(原料組成モル比:アジピン酸/イソフタル酸
/テレフタル酸/MXDA=60/25/15/100)、参考例に示し
たと同様の反応方法により得られた共重合ポリアミド
(ガラス転移温度Tg=120℃)、および低密度ポリエチ
レン(日本石油化学(株)製、日石レクスロンM201)、
ナイロン6−ナイロン66系共重合ポリアミド(三菱化成
(株)製、ノバミッド2030)およびポリアミド樹脂とポ
リエチレンの接着層としての変性ポリエチレン(日本石
油化学(株)製、日石NポリマーR1100)をそれぞれ4
台の押出機、およびフィードブロックを用い、Tダイ法
により一方の外層に低密度ポリエチレン、中間層に本発
明の共重合ポリアミド、もう一方の外層にナイロン6−
ナイロン66系共重合ポリアミドそして外層と中間層の間
に接着剤層が存在する4種4層シートを作成した。
次に得られた多層シートを延伸機(東洋精機製作所
(株)製)を使用して、4倍の面積倍率に同時二軸延伸
した。更に、得られた二軸延伸フィルムを2枚重ねてポ
リエチレン層を溶着層としてヒートシールすることによ
り、袋状物を作成した。
第5表に延伸時の加工性と外観、とよびヒートシール
時、熱水充填時の収縮についての評価結果を示す。
比較例4 共重合ポリアミドに代えて、ナイロンMXD6(Tg=75℃)
を単独で使用した以外は、実施例36と同様の装置および
材料を採用して、一方の外層に低密度ポリエチレン、中
間層にナイロンMXD6、もう一方の外層にナイロン6−ナ
イロン66系共重合ポリアミドそして外層と中間層の間に
接着層が存在する4種4層シートを作成した。
ついで得られた多層シートを延伸機(東洋精機製作所
(株)製)を使用して、4倍の面積倍率に同時二軸延伸
した。
さらに、得られた二軸延伸フィルムを2枚重ねてポリエ
チレン層を融着層としてヒートシールすることにより、
袋状物を作成した。第5表に延伸時の加工性と外観、と
よびヒートシール時、熱水充填時の収縮についての評価
結果を示す。
実施例4 アジピン酸、イソフタル酸およびテレフタル酸とMXDAを
原料とし(原料組成モル比:アジピン酸/イソフタル酸
/テレフタル酸/MXDA=60/25/15/100)、参考例に示し
たと同様の反応方法により得られた共重合ポリアミド
(ガラス転移温度Tg=120℃)、およびポリカーボネー
ト(三菱瓦斯化学(株)製、ユーピロンS2000)をそれ
ぞれ別の射出成形機を用いて同一金型に順次射出し、内
外層がポリカーボネート、中間層が上記共重合ポリアミ
ドである3層構造を有するパリソンを成形した。
得られたパリソンを吹込圧20Kg/cm2、吹込成形温度160
〜180℃で吹込成形し、内容積1の3層ボトルを得
た。
ここで得られた3層ボトルは優れた透明性を有してお
り、また第6表に示すように、95℃の熱水を充填しても
ほとんど変形せず、また高度な酸素バリヤー性能を有し
ていた。
尚、比較の為ポリカーボネート単層の評価結果も第6表
に併記した。
比較例5 共重合ポリアミドに代えてナイロンMXD6を単独で使用し
た以外は、実施例4と同様の装置および材料を使用し、
内外層がポリカーボネート、中間層がナイロンMXD6であ
る3層構造を有するパリソンを成形した。
次に、得られたパリソンを吹込圧20Kg/cm2、吹込成形温
度160〜180℃で吹込成形しようとしたがナイロンMXD6層
が結晶化し、加工が困難であったか、辛うじて得られた
ボトルもナイロン層が白化して、透明性が悪く、またナ
イロンMXD6層とポリカーボネート層が容易に剥離し実用
性に欠けていた。
実施例5 セバシン酸、イソフタル酸およびテレフタル酸とMXDAを
原料とし(原料組成モル比:セバシン酸/イソフタル酸
/テレフタル酸/MXDA=65/25/15/100)、参考例に示し
たと同様の反応方法により得られた共重合ポリアミド
(ガラス転移温度Tg=93℃)、およびPET(日本ユニペ
ット(株)製、ユニペットRT543)をそれぞれ別の射出
成形機を用いて同一金型に順次射出し、内外層がPET、
中間層が上記共重合ポリアミドである3層構造を有する
パリソンを成形した。
次に、得られたパリソンを吹込圧20Kg/cm2、吹込成形温
度95〜105℃の条件下で吹込成形し、内容積1の3層
ボトルを得た。
得られた3層ボトルは優れた透明性を有しており、また
第7表に示すように、低温殺菌を想定して、75℃の温水
に浸漬してもほとんど変形せずまた、良好な酸素バリヤ
ー性能を有していた。
比較例6 共重合ポリアミドの代わりに、ポリメタキシリレンセバ
カミドを単独で使用した以外は、実施例5と同様の装
置、材料および方法を採用し、内外層がPET、中間層が
ポリメタキシリレンセバカミドからなる3層構造を有す
るパリソンを成形した。次に、得られたパリソンを吹込
圧20Kg/cm2、吹込成形温度85〜95℃で吹込成形し内容積
1の3層ボトルを得た。
得られたボトルを実施例5と同様に75℃の温度に浸漬し
たところ、第7表に示すごとく、実施例5に示した本発
明のボトルに比べて、大きな収縮が認められた。
〔効果〕 本ガスバリアー性多層構造物を容器、袋状物等の多層構
造物等に用いることにより、殺菌、消毒を目的とする熱
水、加圧水蒸気処理時に外力や内圧等により、変形し易
いという樹脂製包装材の欠点を克服することが可能にな
る。
また、本発明によって得られる多層構造物は、熱水処理
あるいはレトルト処理を行っても、さらに食品、飲料類
の高温充填を行っても良好な透明性とガスバリヤー性を
維持する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 百瀬 義昭 神奈川県秦野市北矢名1028の5 審査官 森田 ひとみ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】55ないし70モル%の脂肪族ジカルボン酸、
    20ないし30モル%のイソフタル酸および5ないし20モル
    %のテレフタル酸から成り、イソフタル酸およびテレフ
    タル酸から成る芳香族ジカルボン酸が30ないし45モル%
    であるジカルボン酸と、メタキシリレンジアミンとの重
    縮合反応から得られる共重合ポリアミドの少なくとも一
    つの層と、他の熱可塑性樹脂からなる少なくとも一つの
    層が接合してなる透明な耐熱性を有するガスバリヤー性
    多層構造物
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