JP2010241910A - 樹脂組成物および多層構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリア性に優れた材料と、それを利用してなる多層構造物を提供する。
【解決手段】メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド(A)と、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)の少なくとも二成分からなる樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなるバリア層を有する多層構造物。
【選択図】なし

Description

本発明はガスバリア性、透明性、成形性にすぐれる樹脂組成物、およびそれを利用してなる多層構造物に係る発明である。詳しくは、食品、飲料、薬品、電子部品等の包装に適した樹脂組成物と、それを利用してなる多層構造物に関するものである。
食品や飲料等の包装に用いられる包装材料は、様々な流通、冷蔵等の保存や加熱殺菌などの処理等から内容物を保護するため、強度や割れにくさ、耐熱性といった機能ばかりでなく、内容物を確認できるよう透明性に優れるなど多岐に渡る機能が要求されている。さらに、近年では、食品の酸化を抑えるため外部からの酸素の侵入を防ぐ酸素バリア性や、二酸化炭素バリア性、各種香気成分等に対するバリア性機能も要求されている。
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6等の脂肪族ポリアミドからなるシート、フィルムは、透明で機械物性に優れるばかりでなく、その扱いやすさ、加工のしやすさから、包装材料用として広く用いられている。しかし、酸素等のガス状物質に対するバリア性が劣るため、内容物の酸化劣化が進みやすく、香気成分、二酸化炭素が透過しやすいため、内容物の賞味期限が短くなる欠点があった。プラスチック容器の利用範囲が広がる中、プラスチック容器に対するガスバリア性の更なる向上が要求されている。
このため近年、脱酸素包装技術の一つとして、熱可塑性樹脂に鉄系脱酸素剤等を配合した酸素吸収樹脂組成物を有する容器の開発が行われている。たとえば、酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層とガスバリア層が積層してなる容器が利用されている。(特許文献1参照)
一方、鉄を配合しない酸素吸収性樹脂として、キシリレン基含有ポリアミド等と遷移金属からなる樹脂組成物が知られており、それを成形して得られる包装容器の例示もある。(特許文献2〜3参照)
しかしながら、鉄粉等の酸素吸収剤を用いるものは金属探知に検知される、不透明であることから内部視認性が悪い、鉄粉により風味が損なわれる、酸素吸収層以外にガスバリア層が必要でありコスト高になるという問題を有していた。また、キシリレン基含有ポリアミド等と遷移金属からなる樹脂組成物は、ポリアミドの酸化劣化により包装容器の強度が低下するという問題を有していた。
特開平9−234832号公報 特開平5−140555号公報 特開平3−505843号公報
本発明の目的は、上記課題を解決し、ガスバリア性に優れた材料と、それを利用してなる多層構造物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定のポリアミドと、エチレン・ビニルアルコール共重合体(以下EVOHと表記する。)からなる樹脂組成物が、ガスバリア性、および包装容器の強度、成型加工性、透明性に優れ、さらには経済性に優れることを見出し本発明に到った。
即ち本発明は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド(A)と、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)の少なくとも二成分からなる樹脂組成物に関する。また、本発明は該樹脂組成物からなるバリア層を有することを特徴とする多層構造物に関する。
本発明によれば、ガスバリア性、成型加工性に優れた樹脂組成物を得ることができ、また本発明による樹脂組成物を利用してなる多層構造物は、ガスバリア性、透明性に優れ、強度に優れるのみならず経済性に優れるため、本発明の工業的意義は大きい。
本発明の樹脂組成物は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド(A)と、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)の少なくとも二成分からなる。樹脂組成物中で、ポリアミド(A)は1〜30重量%含まれていることが好ましく、より好ましくは5〜20重量%である。
本発明で使用するポリアミド(A)は、メタキシリレンジアミンを主成分とするジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分とを重縮合することにより得られる。ポリアミド(A)は、バリア性能が高く、耐熱性、成形加工性が良好である。
ポリアミド(A)におけるジアミン成分は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上、好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上含むものである。ジアミン成分中のメタキシリレンジアミン量が70モル%より少ないと、ポリアミド(A)のガスバリア性が低下するため好ましくない。本発明においてメタキシリレンジアミン以外に使用できるジアミン成分としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
ポリアミド(A)におけるジカルボン酸成分は、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上含むものである。上記の範囲であると、バリア性・成形性に優れたポリアミドとなる。本発明で使用する炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示できるが、これらの中でもアジピン酸やセバシン酸が好ましい。これらのジカルボン酸は単一成分を用いてもよいし、複数成分を任意の割合で使用しても良い。
また本発明では上記α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等に例示される芳香族ジカルボン酸類を、50モル%を上限に添加することもできる。
ポリアミド(A)の製造方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法、重合条件により製造される。ポリアミドの重縮合時に分子量調節剤として少量のモノアミン、モノカルボン酸を加えてもよい。例えば、メタキシリレンジアミンとセバシン酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧状態で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法により製造される。また、メタキシリレンジアミンを溶融状態のセバシン酸に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態で保つために、メタキシリレンジアミンをセバシン酸に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
また、ポリアミド(A)は、溶融重合法により製造された後に、固相重合を行うことによって重縮合を行っても良い。固相重合方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法、重合条件により製造される。
ポリアミド(A)の数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定によるPMMA(ポリメタクリル酸メチル)換算値として、18000〜43500が好ましく、より好ましくは、20000〜30000である。この範囲であると、耐熱性、成形加工が良好である。
ポリアミド(A)の融点は、150〜220℃が好ましく、160〜210℃がより好ましく、170〜200℃が特に好ましい。この範囲であると、EVOHとの成形加工性が良好となり好ましい。
ポリアミド(A)には、溶融成形時の加工安定性を高めるため、あるいはポリアミド(A)の着色を防止するためにリン化合物を添加することができる。リン化合物としてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含むリン化合物が好適に使用され、例えば、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩、次亜リン酸塩、亜リン酸塩が挙げられるが、特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の次亜リン酸塩を使用したものがポリアミドの着色防止効果に特に優れるため好ましく用いられる。リン化合物の濃度はリン原子として1〜500ppm、好ましくは350ppm以下、更に好ましくは200ppm以下である。
本発明で利用できるエチレン・ビニルアルコール共重合体(B)は、エチレンと酢酸ビニル共重合物の加水分解により得られ、エチレンと酢酸ビニルのモル比は任意のものを用いることができるが、エチレンが20〜50mol%のものが好ましく用いられる。
前記樹脂組成物には、酸素捕捉能を付与する目的で、遷移金属化合物を含むことが好ましい。遷移金属化合物としては、たとえば鉄、マンガン、コバルト、銅などの有機酸塩、塩化物リン酸塩硝酸塩などが例示できる。有機酸塩としては、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ステアリン酸などのC2〜C22の脂肪族アルキル酸の塩、あるいは、マロン酸、コハク酸、アジピン酸などの2塩基酸の塩、安息香酸、フタル酸などの芳香族カルボン酸塩などが例示できる。なかでもステアリン酸コバルト、ナフテン酸コバルトを好ましく利用できる。その添加量は、ポリアミド(A)に対して、遷移金属として10〜5000ppmが好ましいく、50〜1000ppmが特に好ましい。
前記樹脂組成物には、目的を損なわない範囲で、ポリアミド(A)以外のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、フェノキシ樹脂等の他樹脂を一種もしくは複数ブレンドできる。また、ガラス繊維、炭素繊維などの無機充填剤;ガラスフレーク、タルク、カオリン、マイカ、モンモリロナイト、有機化クレイなどの板状無機充填剤、各種エラストマー類などの耐衝撃性改質材、結晶核剤;脂肪酸アミド系、脂肪酸金属塩系、脂肪酸アマイド系化合物等の滑剤;銅化合物、有機もしくは無機ハロゲン系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、硫黄系化合物、リン系化合物等の酸化防止剤;熱安定剤、着色防止剤、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、着色剤、難燃剤などの添加剤、ポリアミドのゲル化防止を目的としたアルカリ化合物等の添加剤を添加することができる。
本発明において、多層構造物のバリア層として前記樹脂組成物を用いると、ガスバリア性、成形性、透明性が良好で好ましく、包装容器の強度が強く好ましい。また、前記樹脂組成物をバリア層とすることで、別途ガスバリア層を積層する必要が無く、経済性に優れる。多層構造物として、多層フィルム、多層シート、多層ボトル、多層ブローボトルなどを例示できる。
本発明の多層構造物の製造方法について特に制限はなく、公知の技術を使用することができる。例えば、共押出法によりフィルムを成形した後、各種容器に加工できる。共押出法としてはTダイ法、インフレーション法等、公知の方法を利用することができる。また、射出成形により多層プリフォームを製造した後、ブロー成形し多層ボトルとすることができる。
本発明の多層構造物は、四方シール袋や、各種ピロー袋、スタンディングパウチ等の袋状容器、容器用の蓋材等の各種包装材料、またはボトルなどとして利用することができる。さらに多層フィルムを原反として延伸フィルムを製造後、容器を製造することもできる。多層無延伸フィルムを熱成形し、カップ状の容器とすることもできる。また、紙とラミネートし多層構造物としても良い。本発明の多層構造物には、様々な物品を収納、保存することができる。例えば、炭酸飲料、ジュース、水、牛乳、日本酒、ウイスキー、焼酎、コーヒー、茶、ゼリー飲料、健康飲料等の液体飲料、調味液、ソース、醤油、ドレッシング、液体だし、マヨネーズ、味噌、すりおろし香辛料等の調味料、ジャム、クリーム、チョコレートペースト等のペースト状食品、液体スープ、煮物、漬物、シチュー等の液体加工食品に代表される液体系食品やそば、うどん、ラーメン等の生麺及びゆで麺、精米、調湿米、無洗米等の調理前の米類や調理された炊飯米、五目飯、赤飯、米粥等の加工米製品類、粉末スープ、だしの素等の粉末調味料等に代表される高水分食品、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、その他農薬や殺虫剤等の固体状や溶液状の化学薬品、液体及びペースト状の医薬品、化粧水、化粧クリーム、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャンプー、石鹸、洗剤等、種々の物品を収納することができる。
本発明の多層構造物は、前記バリア層(層(1))以外の層(層(2))を少なくとも1層有する。層(2)を構成する材料としては特に制約はなく、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン類、ポリアミド類、ポリスチレン、紙等が挙げられる。
前記層(2)には、ポリアミド類を好ましく使用でき、脂肪族ポリアミドがフィルムの外観を損なうことなく、機械物性が良好できることから特に好ましく用いられる。脂肪族ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン666等の共重合体を単独で、または複数以上を使用することができる。なかでも、ナイロン6、ナイロン66およびナイロン666がフィルムの機械物性を改善する効果が高いことから好ましく用いられる。層(2)は、脂肪族ポリアミドにより主として構成される層であることが好ましい。
前記層(2)には、多層構造物の機械物性を向上できることから、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン類、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロックコポリマー、プロピレン−エチレンランダムコポリマー等のポリプロピレン類、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、アイオノマー樹脂等の各種ポリオレフィン類を好ましく用いることができる。層(2)は、ポリオレフィン類により主として構成される層であることが好ましい。
本発明の多層構造物は、必要に応じて変性ポリオレフィン樹脂等からなる接着性樹脂層を各層間に積層しても良い。
前記層(2)には、機械物性をさらに向上させるため、各種エラストマー類などの耐衝撃性改質材を加えることができ、さらには結晶核剤、脂肪酸アミド系、脂肪酸金属塩系、脂肪酸アマイド系化合物等の滑剤、銅化合物、有機もしくは無機ハロゲン系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、硫黄系化合物、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウムなどのリン系化合物等の酸化防止剤、熱安定剤、着色防止剤、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、着色剤、難燃剤などの添加剤、酸化チタン等の無機顔料や染料等の有機顔料が含まれていても良い。
本発明の多層構造物は、パウチや蓋などの包装材料とした際にシーラントの役割を有する層を積層しても良い。シーラントとして使用可能な熱可塑性樹脂としては、シーラントとしての役割を発揮できるものであれば特に制限はなく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン類、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロックコポリマー、プロピレン−エチレンランダムコポリマー等のポリプロピレン類、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、アイオノマー樹脂等の各種ポリオレフィン類、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、イージーピール性を有する熱可塑性樹脂等が挙げられる。シーラント層は、上述の樹脂からなる単層でも良く、2層以上の多層構造を有していても良い。多層構造の場合、必要に応じて変性ポリオレフィン樹脂等からなる接着性樹脂層を各樹脂層間に積層しても良い。
シーラント層には、シーラントとしての能力を損なわない範囲で、各種エラストマー類などの耐衝撃性改質材、結晶核剤、脂肪酸アミド系、脂肪酸金属塩系、脂肪酸アマイド系化合物等の滑剤、銅化合物、有機もしくは無機ハロゲン系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、硫黄系化合物、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウムなどのリン系化合物等の酸化防止剤、熱安定剤、着色防止剤、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、着色剤、難燃剤などの添加剤、酸化チタン等の無機顔料や染料等の有機顔料が含まれていても良い。
さらに機械物性の向上や商品性を高めるための目的で、本発明の多層構造物にはポリエステルやポリアミド、ポリプロピレン等からなる無延伸又は延伸フィルムを押出ラミネートやドライラミネート等により積層しても良い。
本発明の多層構造物として多層ボトルが例示できる。該多層ボトルは、例えば2つの射出シリンダーを有する射出成形機を使用して、ポリエステルと樹脂組成物をスキン側、コア側それぞれの射出シリンダーから金型ホットランナーを通して金型キャビティー内に射出して得られた多層プリフォームを、公知の方法によって更に2軸延伸ブロー成形することにより得られる。
以下実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、樹脂組成物および多層構造物の評価は以下の方法で行った。
(1)ガスバリア性
23℃、60%RHの雰囲気下にてASTM D3985に準じてフィルムの酸素透過率(cc/m・day・atm)を測定した。測定は、モダンコントロールズ社製、OX−TRAN 2/61を使用した。値が低いほどガスバリア性が良好であることを示す。
また、23℃、ボトル内部100%RH、ボトル外部50%の雰囲気下にてASTM D3985に準じてボトルの酸素透過率(cc/bottle・day・0.21atm)を測定した。測定は、モダンコントロールズ社製、OX−TRAN 2/61を使用した。値が低いほど酸素バリア性が良好であることを示す。
(2)成形性
樹脂組成物を用いてなる多層構造物を成形した際に、バリア層が均一に存在し、安定して成形ができるか否かで成形性を判断した。
(3)容器の強度
ポリエステル層/バリア層/ポリエステル層からなる3層ボトルを作製し、水を充填し23℃の条件で6ヶ月保存した。保存後のボトルを高さ1mより落下させ、層間剥離の状況を確認した。層間剥離が観察されれば、容器の強度が低下しているとして、不良と判断し、層間剥離が観察されなければ、強度を維持しているとして、良好と判断した。
(4)透明性
日本電色製COH−400を用いてJIS K7105に準拠し、フィルムのヘーズを求めた。
(5)ポリアミドの融点およびガラス転移温度
島津製DSC−60を用いて、示差走査熱量測定(DSC)により求めた。測定条件は、約5mgのサンプルを10℃/minの条件で昇温し、250℃に到達した時点で急冷し、再び10℃/minの条件で昇温した際の、測定値を融点およびガラス転移温度として採用した。なお、ガラス転移温度は中間値を採用した。
(6)数平均分子量
東ソー製HLC−8320GPCを用いて、GPC測定によりPMMA換算値を求めた。なお、測定用カラムはTSK−GEL Hタイプを用い、溶媒にはトリフルオロ酢酸ナトリウムを10mmol溶解したヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用い、測定温度は40℃にて測定した。また、検量線は6水準のPMMAをHFIPに溶解させて測定し作成した。
<製造例1>
(ポリアミド(A1)の合成)
反応缶内でセバシン酸を170℃にて加熱し溶融した後、内容物を攪拌しながら、メタキシリレンジアミンをセバシン酸とのモル比が1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を240℃まで上昇させた。滴下終了後、260℃まで昇温した。反応終了後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化した。得られたペレットをタンブラーに仕込み、減圧下で固相重合し、分子量を調整したポリアミド(A1)を得た。
ポリアミド(A1)の融点は191℃、ガラス転移温度は60℃、数平均分子量は29000であった。
<製造例2>
(ポリアミド(A2)の合成)
セバシン酸の代わりに、セバシン酸とアジピン酸のモル比が4:6の混合ジカルボン酸を用いた以外は製造例1と同様にしてポリアミド(A2)を合成した。ポリアミド(A2)の融点は185℃、ガラス転移温度は75℃、数平均分子量は22000であった。
<実施例1>
ポリアミド(A1)20重量部、EVOH(クラレ製:グレードF171B、融点183℃、エチレン32mol%)80重量部と、ステアリン酸コバルト(コバルトとしてポリアミド(A1)に対して200ppm相当量)をドライブレンドした混合樹脂を、バレル入り口温度180℃、Tダイ温度220℃の条件で押出し、20μm厚のフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
下記の条件により、ポリエステル層/バリア層/ポリエステル層からなる3層プリフォーム(27g)を射出成形し、冷却後、プリフォームを加熱し2軸延伸ブロー成形を行い、多層ボトルを得た。尚、ポリエステル層を構成する樹脂としては、固有粘度(フェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)の混合溶媒を使用。測定温度30℃。)が0.75のポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット製 RT543C)を使用し、バリア層を構成する樹脂としては、前記の混合樹脂を使用した。バリア層は均一に存在し、安定した品質のプリフォームを得られ、成形性は良好であった。評価結果を表1に示す。
(3層プリフォーム形状)
全長95mm、外径22mm、肉厚4.2mm。なお、3層プリフォームの製造には、名機製作所(株)製の射出成形機(型式:M200、4個取り)を使用した。
(多層ボトル形状)
全長223mm、外径65mm、内容積500ml、底部形状はシャンパンタイプ、胴部にディンプルは無し。なお、2軸延伸ブロー成形はフロンティア社製ブロー成形機(型式:EFB1000ET)を使用した。
<実施例2〜4、比較例1〜2>
押出機に供給する組成を表1に記載のものに変更した以外は実施例1と同様にして単層フィルムおよび多層ボトルを得た。評価結果を表1に示す。
尚、表1記載の樹脂名略号は以下の通りである。
(1)S6007:ポリメタキシリレンアジパミド(三菱ガス化学株式会社製 MXナイロンS6007 固相重合品、数平均分子量:23500、相対粘度(樹脂1g/96%硫酸100ml、測定温度25℃):2.70、融点240℃)
(2)F171B:エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)(クラレ製:エバールF171B、融点183℃、エチレン32mol%)
(3)E171B:エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)(クラレ製:エバールE171B、融点1℃、エチレン44mol%)
(4)A1:製造例1で得られたポリアミド(A1)
(5)A2:製造例2で得られたポリアミド(A2)
Figure 2010241910
<実施例5>
3台の押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、引き取り機等からなる多層フィルム製造装置を用いて、第1の押出機からF171B 70重量部とポリアミド(A1) 30重量部、およびステアリン酸コバルト(コバルト濃度がポリアミド(A1)に対して100ppm相当量)からなるドライブレンド物(バリア層を形成)を、第2の押出機からLLDPEを、第3の押出機から変性ポリオレフィン樹脂(三井化学製アドマー)を共押出し、LLDPE層(20μm)/変性ポリオレフィン層(5μm)/バリア層(10μm)/変性ポリオレフィン層(5μm)/LLDPE層(20μm)の層構成を有する3種5層の多層フィルムを得た。得られたフィルムの酸素透過率は、0.02cc/m・day・atmであり、良好なバリア性を示した。多層フィルム中でバリア層は均一に存在し、安定した品質のフィルムを得られ、成形性は良好であった。
以上の実施例で示したように、本発明の樹脂組成物は、酸素バリア性、透明性、成形性が良好であり、包装容器の強度が改善されたものであった。

Claims (3)

  1. メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド(A)と、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)の少なくとも二成分からなる樹脂組成物。
  2. 更に遷移金属化合物を含む請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1記載の樹脂組成物からなるバリア層を有する多層構造物。
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