JP2000345053A - ガスバリヤー性に優れた成形体 - Google Patents

ガスバリヤー性に優れた成形体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な酸素捕獲性を有するガスバリヤー性容器
など成型体を提供する。 【解決手段】被酸化性の熱可塑性樹脂であるメタキシリ
レンジアミン含有ポリアミド樹脂とポリエステルなど非
酸化性熱可塑性樹脂、及びCo化合物など金属触媒から
構成される酸素敏感性物質含有の食料、飲料または医薬
品用の保存に適した容器など成型体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスバリヤー性に優
れた容器などに用いられる成型体に関する。更に詳しく
は酸素によって風味や酸素敏感性物質などが損なわれる
食料や飲料あるいは医薬品の保存に適するガスバリヤー
性に優れた容器などの成型体に関する。そのため、容器
の壁体や充填空隙、蓋などに酸素捕獲性に優れた材料を
用いる。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンテレフタレートを主
体とする熱可塑性ポリエステル樹脂は、その素材の優れ
た力学的性質、ガスバリヤー性、耐薬品性、保香性、衛
生性などから各種の容器、フィルム、シートなどに加工
され、包装材料として広く利用されている。しかしなが
ら、ポリエチレンテレフタレートを主体とする熱可塑性
ポリエステル樹脂とて万全の性能を具備しているわけで
なく、特に充填する内容物がガス遮断性を要求する食品
や飲料物、化粧品、医薬品などの容器としては、殊にそ
の酸素に対するガスバリヤー性の不足から不適当であっ
た。そのため、ポリエチレンテレフタレートを主体とす
るポリエステル樹脂にガスバリヤー性の優れたガスバリ
ヤー材をブレンド、または積層することにより改善がな
されているが、酸素に敏感な食品や飲料には不適当であ
った。また、特公平2−500846号公報、及び特公
平3−762号公報に紹介されている技術に見られるよ
うにポリエステル樹脂に被酸化性のポリアミド樹脂であ
るMXD6(メタキリレンジアミンとアジピン酸縮合高
分子)、及び酸化触媒であるCo化合物を混合または積
層した容器や包装体、蓋材などの成形体においても、あ
る程度の改善が見られるものの酸素敏感な食料、飲料、
医薬品、化粧品においては依然として不適当であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術では到達できなかった酸素敏感性の食品、ビールや
清涼飲料、あるいは化粧品、医薬品などを長期間に亘っ
て損うことなく保存可能にする優れたガスバリヤー性包
装容器などの成形体に関する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係わるガスバリヤー性包装容器・成型
体に含有せしめる組成物の構成は、非酸化熱可塑性樹脂
に少なくとも1種の酸素捕獲作用を有する被酸化性ポリ
マーと被酸化性ポリマーの酸化を触媒する金属触媒がブ
レンドまたは、積層されるのである。ここで言う被酸化
性樹脂とは、酸素の存在化で酸化反応により酸化される
樹脂を意味し、具体的な構造としては芳香族環に結合し
たメチレン基を持ち該メチレン基がさらに水素、炭素以
外の元素と結合した構造単位を持つものが挙げられる。
なお水素、炭素以外の原子としては、N,O,Sなどが
挙げられ、好ましくは、キシリレンジアミン構造を持つ
ものである。ブレンド、または積層される成型体を構成
する被酸化性樹脂の含有量は構成成分の1重量%以上で
あって、アミノ基などの塩基性基が20mmol/kg
以下の樹脂を用いることが特に重要である。金属触媒と
しては、第一周期遷移金属のうちFe、Mn、Coの化
合物などが挙げられる。また、これら金属触媒は、成型
加工する前に予め被酸化性樹脂に含有せしめることも可
能である。以下にその作用を含めた本発明の内容を詳述
する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明者らは被酸化性樹脂に含有
されるアミノ基が被酸化性樹脂の金属触媒による酸化反
応での酸素捕獲作用に影響することを見出し、それら官
能基の量を適正な範囲の値に制御することにより、優れ
た酸素捕獲能を有するガスバリヤー性樹脂を見出すに至
った。本発明者らにより得られた知見によると被酸化性
樹脂に含まれるアミノ基など塩基性基の量は20mmo
l/kg以下、好ましくは15mmol/kg以下、更
に好ましくは10mol/kg以下に規定するすること
により、Coなどの金属触媒による優れた酸素捕獲能を
有することを見出した。
【0006】本発明に使用される被酸化性のポリアミド
樹脂は、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂が好まし
い。この中でもメタキシリレンジアミン、もしくはメタ
キシリレンジアミンと全量の80%以下のパラキシリレ
ンジアミンを含む混合キシリレンジアミンと、炭素数が
6〜10個のα,ω脂肪族ジカルボン酸とから生成され
た構成単位を分子鎖中に少なくとも70モル%含有した
重合体が好ましい。これら重合体の例としてはポリメタ
キシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンセバカミ
ド、ポリメタキシリレンスペラミド等のような単独重合
体、及びメタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフ
タル酸共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアジ
パミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピペ
ラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼ
ラミド共重合体等が挙げられる。
【0007】これらメタキシリレン基含有ポリアミド樹
脂は非晶状態では脆いため、相対粘度で好ましくは1.
5以上、更に好ましくは2.0以上有することが必要で
ある。被酸化性樹脂に含まれるアミノ基(AG)の量は
20mmoleq/kg以下であることが必要である。
アミノ基の量を調整する手段としては、例えば重合時、
ジアミン成分に対してジカルボン酸成分を過剰に加えた
り、重合終了段階で酸無水物、モノカルボン酸などのア
ミノ基と反応する封止剤を加える方法などが挙げられ
る。
【0008】また、ポリアミド樹脂に含まれるカルボキ
シル末端基の量は10mml/kg以上が好ましく、よ
り好ましくは20mmol/kg以上である。さらに
は、ポリアミド樹脂に含まれるカルボキシル末端基(C
EG)とアミノ基(AG)のモル比(CEG/AG)を
2以上、更には4以上にすることにより、Coなどの金
属触媒による酸素捕獲能を高めることができ好ましい。
【0009】本発明の成形体は被酸化性ポリアミド樹脂
以外にも非酸化性熱可塑性樹脂を用い、ブレンドや積層
により成形体とすることが好ましい。非酸化性熱可塑性
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ナイロン6やナイロ
ン66などポリアミド樹脂、高ニトリル含有量の重合
体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。非酸化性
の熱可塑性ポリエステル樹脂とは、通常酸成分の80モ
ル%以上、好ましくは90モル%以上がテレフタル酸で
あり、グリコール成分の80モル%以上、好ましくは9
0モル%以上がエチレングリコールであるポリエステル
を意味し、残部の他の酸成分としてイソフタル酸、ジフ
ェニルエーテル4,4’−ジカルボン酸、ナフタレン
1,4−または2,6−ジカルボン酸、アジピン酸、セ
バシン酸、デカン1,10−ジカルボン酸、ヘキサハイ
ドロテレフタル酸、また他の残部のグリコール成分とし
てはプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノール、または、ポリエチレンナフタ
レート、あるいはその共重合体、更にはオキシ酸として
p−オキシ安息香酸などを含有するポリエステル樹脂を
意味する。また2種以上のポリエステルのブレンドによ
りエチレンテレフタレートが上記範囲となるブレンドで
あっても良い。本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂の固
有粘度は、0.55以上有することが好ましく、更に好
ましくは0.65〜1.4である。固有粘度0.55未
満では得られる容器など成形体の機械的強度が不十分と
なる。
【0010】本発明において使用される非酸化性ポリア
ミド樹脂としては、例えばポリカプラミド(ナイロン
6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラ
ウリンラクタム(ナイロン12)、ポリヘキサメチレン
アジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサメチレンセ
バカミド(ナイロン6,10)、カプロラクタム/ラウ
リンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレ
ンジアンモニウムアジペート共重合体などの熱可塑性ポ
リアミド樹脂、並びにこれらの単独重合体、共重合体の
ブレンド等を挙げることが出来る。これら非酸化性ポリ
アミド樹脂の相対粘度も1.5以上、更には2.0以上
有することが好ましい。本発明で非酸化性熱可塑性樹脂
として使用される高ニトリル含有量の重合体としては、
アクリロニトリル、メタクリルニトリルあるいはそれら
の混合物のようなニトリル基含有エチレン系不飽和単量
体を重合体全体の40〜97モル%含有し、残余の共重
合成分としてスチレン、ビニルトルエン、ブタジエン、
イソプレン、メチルメタアクリレートメチルアクリレー
ト、メチルビニルエーテルなどの共重合性単量体を1種
あるいは2種以上の組合せで3〜60モル%含有する熱
可塑性共重合体が挙げられる。本発明で非酸化性熱可塑
性樹脂として使用されるエチレン−ビニルアルコール共
重合体としては、エチレンとギ酸ビニル、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニルのようなビニルエステルとの共重合
体ケン化物が挙げることが出来る。
【0011】尚、本発明において包装容器など成型体が
積層された多層構造の場合、非酸化性熱可塑性樹脂と被
酸化性ポリアミド樹脂のブレンド体を一つの層として構
成することもできる。また、適当な層に着色剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、滑材などの添加剤を適宜の割合で
含有させことが出来る。
【0012】本発明において使用される金属触媒として
第一周期の遷移金属(Fe,Mn,Co,Cu)の化合
物が挙げられる。具体的には、有機酸塩、塩化物、リン
酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、ピロリン酸塩、メタ
リン酸塩、硫酸塩、アルキルリン酸塩、あるいはフタロ
シアニン錯体などの単独またはそれらの混合物などが挙
げられる。 有機酸塩としては、例えば酢酸、プロピオ
ン酸、オクタノイック酸、ラウリン酸、ステアリン酸な
どC2〜C22の脂肪族アルキル酸の塩、あるいはマロン
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘキサハイド
ロフタル酸、など2塩基酸の塩、ブタンテトラカルボン
酸の塩、安息香酸、トルイック酸、o−フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、トリメシン酸など芳香族カル
ボン酸塩、あるいはポリアクリル酸、エチレン/アクリ
ル酸共重合体など高分子カルボン酸の塩の単独、若しく
は混合物が挙げられる。本発明の提示した構成の包装容
器を作成し、その効果を調べた。その結果、従来技術で
はなしえなかった熱可塑性樹脂による酸素敏感性食品や
飲料の包装容器などの成形体として適当であることを見
出した。尚、本発明で言う成形体とは包装に用いられ得
るフィルムやシート形状のもの、包装袋、中空容器、ト
レイ、あるいは容器や包装袋の一部を構成する蓋材など
の部材などが例示される。以下実施例で本発明の効果を
説明する。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0014】メタキシリレンジアミン含有の被酸化性ポ
リアミド樹脂のアミノ末端基など塩基性基量(AG)と
カルボキシル末端基量(CEG)の調製は、ジアミン成
分とジカルボン酸成分のモル濃度を等量に調整したの
ち、末端基量調整の添加剤を所定の量、添加し重合する
方法により行った。また、そのようにして得られたレジ
ンを固相重合する方法によっても行った。表1にモノマ
ー組成を示す。
【0015】
【表1】
【0016】表での記号は以下の通りである。 MXD:メタキシレンジアミン、PXD:パラキシレンジアミ
ン、AA:アジピン酸、IPA:イソフタル酸、SA:セバ
シン酸、PYA:ピロメリット酸無水物、DA:ドデカン酸 なお、表1のポリアミド樹脂の相対粘度は96%硫酸溶
媒を用いて25℃で測定した値。塩基性基とカルボキシ
末端基の定量はそれぞれ滴定法により求めた。尚、アミ
ノ基など塩基性基、カルボキシ末端基の定量法について
は、勿論他の合理的な分析法を用いることも可能であ
る。
【0017】<アミノ基の定量>サンプル(約0.6g
を秤量)にフェノール/エタノール(4:1容量比)4
50ml、及びエタノール性塩酸水溶液(1/10N塩
酸100ml、エタノール50mlに蒸留水を加えて5
00mlに調整した)4mlを加え1晩放置後撹拌溶解
する。指示薬メチルオレンジを1滴加え1/50N水酸
化ナトリウムにて滴定する。滴定は三菱化学社製の自動
滴定装置GT−05にて行った。
【0018】<カルボキシル末端基の定量>サンプル約
0.6gをセルに入れ秤量する。ベンジルアルコール2
0mlをサンプルの入ったセルに加え、窒素ガスを流し
ながらマグネットスターラーで撹拌し180±5℃にて
溶解する(10分間)。撹拌溶解後、フェノールフタレ
ン指示薬5滴加えスターラーで撹拌しながら1/50N
水酸化カリウムのエチルアルコール溶液で滴定する。金
属化合物を被酸化性ポリアミド樹脂単独、若しくは非酸
化性熱可塑性樹脂との混合物に所定の量ブレンドし、1
00℃で真空乾燥(1晩)行った後、窒素雰囲気下30
0℃の30mmφの2軸押出機で溶融混練し、押出し冷
却後ペレット化することによって得た。表2に調整した
ペレットを示す。
【0019】
【表2】
【0020】 PET1:ポリエチレンテレフタレート[η]=0.72 PET2:ポリエチレンテレフタレート[η]=1.02 本発明で用いたPETの固有粘度[η]の測定は、次の
方法によった:フェノール/テトラクロロエタン=6/
4(重量比)混合溶媒を用いて30℃で測定した。 エバール:エチレン・ビニールアルコール共重合体:ク
ラレ社製 ”エバールE” Ny6:東洋紡績社製 ”T−830” 高ニトリル含有量重合体Vistron社製 ”Bar
ex210”
【0021】実施例1〜13 表2に示す12種のレジンA〜D、G〜N、及びQと固
有粘度0.72のPET樹脂を用いて内層、外層がPET
で、中間層が表2のレジンからなる3層パリソンを作成
し、つづいてブロー成型によりボトルを成型した。パリ
ソンの成型は公開特許公報(A)昭57−123051
の実施例に記載の方法に従って行った。得られたパリソ
ンは外径35mm、長さ140mm、肉厚5mmであっ
た。また各層の厚みは、外層(PET)/中間層(表2
のレジン)/内層(PET)=2mm/1mm/2mm
であった。つづいて各パリソンを2軸延伸吹込成形機を
用いて、延伸ロッドの移動速度22cm/秒、圧縮気体
圧20kg/cm2、延伸温度130℃、延伸倍率(軸
方向2.04×周方向2.74)=5.59の条件下容
器を吹き込み成形した。このようにして得られた容器
(内容積1543cm 3)に酸素敏感性物質L−アスコ
ルビン酸100ppmを含有する水溶液1.5lを加
え、密栓し40℃の環境下に保存し10日、20日、3
0日後の容器水溶液中のL−アスコルビン酸の量を測定
した。
【0022】実施例14 表2のレジンO、10部とPET−2、90部をブレン
ドし、有底円筒状のパリソン(外径35mm、長さ14
0mm、肉厚5mm)を2軸延伸吹込成形機を用いて、
延伸ロッドの移動速度22cm/秒、圧縮気体圧20k
g/cm2、延伸温度130℃、延伸倍率(軸方向2.
04×周方向2.74)=5.59の条件下容器を吹き
込み成形した。このようにして得られた容器(内容積1
543cm3)に酸素敏感性物質L−アスコルビン酸1
00ppmを含有する水溶液1.5lを加え、密栓し4
0℃の環境下に保存し10日、20日、30日後の容器
水溶液中のL−アスコルビン酸の量を測定した。
【0023】実施例15 表2のレジンBと固有粘度0.72のPET樹脂を用い
て内層、 外層がPETで、中間層がレジンBからなる3
層パリソンを作成し、つづいてブロー成型によりボトル
を成型した。パリソンの成型は公開特許公報(A)昭5
7−123051の実施例に記載の方法に準じて行っ
た。得られたパリソンは外径35mm、長さ140m
m、肉厚5mmであった。また各層の厚みは、外層(P
ET)/中間層(表2のレジン)/内層(PET)=2.
5mm/0.5mm/2mmであった。つづいて各パリソン
を2軸延伸吹込成形機を用いて、実施例1〜13と同様
な方法で容器を作成した。また、このようにして得られ
れた容器(内容積1543cm3)に酸素敏感性物質L
−アスコルビン酸100ppmを含有する水溶液1.5
lを加え、実施例1〜13と同様な方法で10日、20
日、30日後の容器水溶液中のL−アスコルビン酸の量
を測定した。
【0024】実施例16 実施例15で用いたレジンBと固有粘度0.72のPE
T樹脂を用いて5層からなるパリソンを成形した。得ら
れたパリソンは外径35mm、長さ140mm、肉厚5
mmであった。また各層の厚み、層構成は次の通り(括
弧内の数値は厚さmm): 最外層=PET(1.5)/レジンD(0.25)/PET(1.5)/レジン
D(0.25)/PET(1.5)=最内層 得られたパリソンを2軸延伸吹込成形機を用いて、延伸
ロッドの移動速度22cm/秒、圧縮気体圧20kg/
cm2、延伸温度130℃、延伸倍率(軸方向2.04
×周方向2.74)=5.59の条件下容器を吹き込み
成形した。このようにして得られた容器(内容積154
3cm3)に酸素敏感性物質L−アスコルビン酸100
ppmを含有する水溶液1.5lを加え、密栓し40℃
の環境下に保存し10日、20日、30日後の容器水溶
液中のL−アスコルビン酸の量を測定した。
【0025】実施例17 表2のレジンG25重量%とナイロン6樹脂(東洋紡社
製T814)75重量%の混合樹脂を295℃の30m
mφの押出し機で押出、延伸後、厚さ30μmのフィル
ムを得た。該のフィルムに厚さ25μmのLDPEフィ
ルムを貼り合せ、積層した後、200℃熱板を用いてヒ
ートシールすることにより、100mm×200mmの
大きさの袋を成形した。該袋に酸素敏感性物質L−アス
コルビン酸100ppmを含有する水溶液を満たし密封
し、40℃の環境下に保存し10日、20日、30日後
の容器水溶液中のL−アスコルビン酸の濃度を測定し
た。
【0026】実施例18 実施例17の積層フィルムのナイロン層にエステルウレ
タン糸接着剤を用い、7μmの厚みのアルミ箔とラミネ
ートし、200℃の熱板を用いてヒートシールすること
により、100mm×200mmの大きさの袋を成形し
た。該袋に酸素敏感性物質L−アスコルビン酸100p
pmを含有する水溶液を満たし密封し、40℃の環境下
に保存し、10日、20日、30日後の容器水溶液中の
L−アスコルビン酸濃度を測定した。
【0027】実施例19 表2のレジンNo.Oとポリエステル樹脂([η]=
1.02)との共射出成形を行い、外層ポリエステル、
内層レジンNo.Oする内径32mm、高さ20mmの
スクリューキャップを成形した。内容量1lのPETボ
トルに酸素敏感性物質L−アスコルビン酸100ppm
を含有する水溶液を満たし密封し、40℃の環境下に保
存し10日、20日、30日後の容器水溶液中のL−ア
スコルビン酸濃度を測定した。
【0028】実施例20 表2のレジンOとLDPE、アドマーとしてをエチレン酢ビ
共重合体の共押出を行いLDPE(350μm)/アドマー
(50μm)/レジンO(100μm)/アドマー(5
0μm)/LDPE(350μm)の5層からなる厚さ90
0μmのシートを成形した。このシートを直径32mm
に切り、内径32mm、高さ20mmのアルミ製スクリ
ューキャップのライナーに使用し、内容量500mlの
ガラスボトルに酸素敏感性物質L−アスコルビン酸10
0ppmを含有する水溶液を満たし密封した。ヘッドス
ペースは10mlであった。40℃の環境下に保存し1
0日、20日、30日後の容器水溶液中のL−アスコル
ビン酸濃度を測定した。
【0029】比較例1〜4 表2に示す(12種のを削除)レジンE、F、P及びR
と固有粘度0.72のPET樹脂を用いて内層、外層が
PETで、中間層がそれぞれレジンE、F、P、及びRか
らなる3層パリソンを作成し、つづいてブロー成型によ
りボトルを成型した。パリソンの成型は公開特許公報
(A)昭57−123051の実施例に記載の方法に従
って行った。得られたパリソンは外径35mm、長さ1
40mm、肉厚5mmであった。また各層の厚みは、外
層(PET)/中間層(表2のレジン)/内層(PE
T)=2mm/1mm/2mmであった。つづいて各パ
リソンを2軸延伸吹込成形機を用いて、延伸ロッドの移
動速度22cm/秒、圧縮気体圧20kg/cm2、延
伸温度130℃、延伸倍率(軸方向2.04×周方向
2.74)=5.59の条件下容器を吹き込み成形し
た。このようにして得られた容器(内容積1543cm
3)に酸素敏感性物質L−アスコルビン酸100ppm
を含有する水溶液1.5lを加え、密栓し40℃の環境
下に保存し10日、20日、30日後の容器水溶液中の
L−アスコルビン酸の量を測定した。
【0030】比較例5(4を5に訂正) 表2のレジンNoF、5部とPET−2、95部をブレ
ンドし、有底円筒状のパリソン(外径35mm、長さ1
40mm、肉厚5mm)を2軸延伸吹込成形機を用い
て、延伸ロッドの移動速度22cm/秒、圧縮気体圧2
0kg/cm2、延伸温度130℃、延伸倍率(軸方向
2.04×周方向2.74)=5.59の条件下容器を
吹き込み成形した。このようにして得られた容器(内容
積1543cm3)に酸素敏感性物質L−アスコルビン
酸100ppmを含有する水溶液1.5lを加え、密栓
し40℃の環境下に保存し10日、20日、30日後の
容器水溶液中のL−アスコルビン酸の量を測定した。
【0031】比較例6(5を6に訂正) 表2のレジンNo.A、0.5部とPET−2、99.
5部をブレンドし、有底円筒状のパリソン(外径35m
m、長さ140mm、肉厚5mm)を2軸延伸吹込成形
機を用いて、延伸ロッドの移動速度22cm/秒、圧縮
気体圧20kg/cm2、延伸温度130℃、延伸倍率
(軸方向2.04×周方向2.74)=5.59の条件
下容器を吹き込み成形した。このようにして得られた容
器(内容積1543cm3)に酸素敏感性物質L−アス
コルビン酸100ppmを含有する水溶液1.5lを加
え、密栓し40℃の環境下に保存し10日、20日、3
0日後の容器水溶液中のL−アスコルビン酸の量を測定
した。
【0032】比較例7 表2のレジンNo.Gの替わりにレジンNo.Fを用い
た他は実施例17とまったく同様にして袋を成形した。
該袋に酸素敏感性物質L−アスコルビン酸100ppm
を含有する水溶液を満たし密封し、40℃の環境下に保
存し10日、20日、30日後の容器水溶液中のL−ア
スコルビン酸の濃度を測定した。
【0033】比較例8 実施例18で表2のレジンNo.Gの替わりにレジンN
o.Fを用いた他は、全く実施例18と同様にしてアル
ミ箔積層の袋を成形した。該袋に酸素敏感性物質L−ア
スコルビン酸100ppmを含有する水溶液を満たし密
封し、40℃の環境下に保存し10日、20日、30日
後の容器水溶液中のL−アスコルビン酸の濃度を測定し
た。
【0034】比較例9 表2のレジンNo.Oの替わりレジンNo.Sを用いた
他は実施例19と同様にしてポリエステル樹脂([η]
=1.02)との共射出成形を行い、外層ポリエステ
ル、内層レジンSとする内径32mm、高さ20mmの
スクリューキャップを成形した。内容量1lのPETボ
トルに酸素敏感性物質L−アスコルビン酸100ppm
を含有する水溶液を満たし密封し、40℃の環境下に保
存し10日、20日、30日後の容器水溶液中のL−ア
スコルビン酸濃度を測定した。
【0035】 比較例10表2のレジンNo.Oの替わりにレジンN
o.Sを用いて実施例20と同様にして、LDPE、及びア
ドマーとしてをエチレン酢ビ共重合体の共押出を行い、
LDPE(350μm)/アドマー(50μm)/レジンS
(100μm)/アドマー(50μm)/LDPE(350
μm)の5層からなる厚さ900μmのシートを成形し
た。このシートを直径32mmに切り、内径32mm、
高さ20mmのアルミ製スクリューキャップのライナー
に使用し、内容量500mlのガラスボトルに酸素敏感
性物質L−アスコルビン酸100ppmを含有する水溶
液を満たし密封し、40℃の環境下に保存し10日、2
0日、30日後の容器水溶液中のL−アスコルビン酸濃
度を測定した。
【0036】表3に実施例1〜13、及び比較例1〜5
の結果を示す。実施例1〜13は40℃の環境下で30
日後でもL−アスコルビン酸の残存率70%以上の良好
な結果を得た。
【0037】
【表3】
【0038】表4に実施例17〜20、及び比較例7〜
10の結果を示す。実施例17〜20は40℃の環境下
で30日後でも比較例に対して良好なL−アスコルビン
酸の残存率を示した。
【0039】
【表4】
【0040】L−アスコルビン酸の定量は、下記の条件
で行った。 装置:Waters社製高速液体クロマトグラフ(Wa
ters625LC System) 検出:UV245nm カラム:ShodexPS80H 移動相:0.1vol%HClO4水溶液
【0041】表5に多層容器など成形体の被酸化性ポリ
アミド樹脂層に含有される遷移金属化合物の金属量を示
す。
【0042】
【表5】
【0043】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
酸素敏感性物質を保存するに適した容器や包装袋、蓋材
など成型体を提供し得ることになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 77/06 C08L 77/06 // C08J 5/00 CFG C08J 5/00 CFG

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷移金属化合物を含み、かつ少なくとも
    2種の熱可塑性樹脂とからなる成形体であって、熱可塑
    性樹脂の少なくとも1種はアミノ基含有量が20mmo
    leq/kg以下の被酸化性の樹脂であって、該被酸化
    性のポリアミド樹脂が全樹脂中の1重量%以上含むこと
    を特徴とする成型体。
  2. 【請求項2】 被酸化性樹脂が被酸化性ポリアミド樹脂
    であることを特徴とする請求項1に記載の成型体。
  3. 【請求項3】 被酸化性ポリアミド樹脂を構成するモノ
    マーのジアミン成分がキシリレンジアミンである請求項
    2に記載の成型体。
  4. 【請求項4】 被酸化性樹脂と非酸化性樹脂が積層され
    2層以上の多層構造からなる請求項1,2または3に記
    載の成型体。
  5. 【請求項5】 容器を構成するポリマー中に遷移金属化
    合物が金属として少なくとも30ppm以上含有される
    ことを特徴とする請求項1〜4記載の成型体。
  6. 【請求項6】 遷移金属化合物が被酸化性樹脂層に主と
    して含有され、該被酸化性樹脂層に含有される遷移金属
    化合物が金属量として少なくとも200ppm以上であ
    る請求項1〜4に記載の成型体。
  7. 【請求項7】 遷移金属化合物の遷移金属がCo、C
    u、Mn、Feであることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載の成型体。
  8. 【請求項8】 成形体が、布、不織布、フィルム、シー
    ト、袋、中空容器、トレイ、容器の蓋のいずれかの形態
    であることを特徴とする請求項1〜7に記載の成形体。
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