JP2011122140A - 酸素吸収樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオレフィン樹脂、遷移金属触媒及び芳香族ジアミンとジカルボン酸との重縮合によって得られるポリアミド樹脂を含有する酸素吸収樹脂組成物であって、該ポリアミド樹脂がカルボン酸により末端封止され、末端アミノ基濃度が30μeq/g以下であり、且つ該遷移金属触媒と該ポリアミド樹脂の合計含有量が酸素吸収樹脂組成物の総量に対して15〜60重量%であることを特徴とする酸素吸収樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
遷移金属触媒はポリオレフィン樹脂に混練し、マスターバッチを製造し、その後、末端封止したポリアミド樹脂Aと溶融混合し、酸素吸収樹脂組成物とする。遷移金属触媒は、ポリオレフィン樹脂に対する該触媒中の全遷移金属の濃度が、好ましくは200ppm〜5000ppm、より好ましくは300ppm〜3000ppmとなるように添加する。この場合、添加量が上記の範囲を外れる場合と比較して、ポリアミド樹脂Aの酸素吸収性能を高めることができる。また、5000ppmを超える場合、マスターバッチを製造することが困難となる場合があり、均一な性状を有するものを製造できなくなる場合がある。もし、遷移金属触媒をポリアミド樹脂Aに添加した場合には、ポリアミド樹脂Aの粘度低下による樹脂加工性の悪化が生じる。
本発明のマスターバッチとポリアミド樹脂Aを溶融混練する際に、ポリオレフィン樹脂を同時に加えることで、ポリアミド樹脂Aの含有量及び遷移金属濃度を調整することもできる。
Tgは、JIS K7122に準拠して測定した。測定装置は(株)島津製作所製「DSC−60」を使用した。
融点は、ISO11357に準拠して、DSC融解ピーク温度を測定した。測定装置は(株)島津製作所製「DSC−60」を使用した。
数平均分子量は、GPC−LALLSにて測定した。測定装置は昭和電工(株)製「Shodex GPC−2001」を使用した。
各樹脂のMFRは、JIS K7210に準拠した装置((株)東洋精機製作所製「メルトインデックサ」)を用いて、特定の温度において、荷重2160gの条件下で測定し、温度と共にその値を記載した(単位:「g/10分」)。なお、JIS K7210に準拠してMFRを測定した場合はその旨、特に記載した。
酸素透過係数は、MOCON社製「OX−TRAN−2/21」を使用し、23℃・60%RH、セル面積50cm2の条件下で測定した。
試料0.5gを30mLのフェノール/エタノール=4/1(体積比)に溶解させ、メタノール5mL加え、滴定液として0.01規定の塩酸にて自動滴定装置(平沼製作所製「COM−2000」)にて滴定した。試料を加えず滴定した同様の操作をブランクとし、下記式より末端アミノ基濃度を算出した。
末端アミノ基濃度(μeq/g)=(A−B)×f×10/C
(A;滴定量(mL)、B;ブランク滴定量(mL)、f;規定液のファクター、C;試料量(g))。
試料0.5gを30mLのベンジルアルコールに溶解させ、メタノール10mL加え、滴定液として0.01規定の水酸化ナトリウム溶液にて自動滴定装置(平沼製作所製「COM−2000」)にて滴定した。試料を加えず滴定した同様の操作をブランクとし、下記式より末端カルボキシル基濃度を算出した。
末端カルボキシル基濃度(μeq/g)=(A−B)×f×10/C
(A;滴定量(mL)、B;ブランク滴定量(mL)、f;規定液のファクター、C;試料量(g))。
各温度にて、ペレットを溶融させ、各温度にて樹脂を結晶化させた場合、すべてが結晶化する時間を結晶化時間といい、結晶化50%到達時間を半結晶化時間という。半結晶化時間の測定は、脱偏光強度法により行った。即ち、溶融したサンプルペレットに光を照射し、サンプルペレットの結晶化とともに、光の透過量が減少して安定した時点を結晶化とし、その時間を結晶化時間とし、光の透過量が50%に到達した時間を半結晶化時間とした。なお、結晶化時間及び半結晶化時間は、測定温度で異なるが、以下の記載においては、各温度の半結晶化時間の内、最も半結晶化時間の短いものを「半結晶化時間」として記載した。また、結晶化時間及び半結晶化時間の測定にはコタキ製「ポリマー結晶化速度測定装置MK−701型」を使用した。
反応缶内でジカルボン酸を170℃にて加熱し、溶融した後、内容物を攪拌しながら、芳香族ジアミンをジカルボン酸とのモル比が約1:1となるように徐々に連続的に滴下し、かつ温度を240℃まで上昇させた。滴下終了後、260℃に昇温し、反応を継続した。反応終了後、反応缶内を窒素にて微加圧し、穴を有するダイヘッドからストランドを押出し、ペレタイザーでペレット化した。
上記の方法で溶融重合して得られたペレットを加熱装置付き回転式タンブラーに仕込み、回転させながらタンブラー内を1torr以下まで減圧した後、窒素で常圧にする操作を3回行った。その後、タンブラーを回転させながら装置内を30torr以下としながら加熱し、装置内が150℃以上になるよう調整し、その温度で所定時間、反応させた。その後、60℃まで冷却し、ポリアミド樹脂を得た。
メタキシリレンジアミン:セバシン酸:アジピン酸を0.996:0.4:0.6の割合のモル比で使用し、前記合成条件にて溶融重合及び固相重合を行ってポリアミド樹脂を合成した後、末端アミノ基濃度を測定した(末端アミノ基濃度は33.6μeq/gであった)。次いで、末端封止剤として無水フタル酸を該末端アミノ基濃度に対して1.5当量添加後、二軸押出機にて200℃で溶融混練し、末端アミノ基を封止してポリアミド樹脂を合成した(以下、当該ポリアミド樹脂をポリアミド1と表記する)。なお、滴下時間は2時間、溶融重合の反応時間は1時間、固相重合時の装置内圧力は1torr以下、重合温度は160℃、重合時間は4時間とした。ポリアミド1は、Tg73℃、融点184℃、半結晶化時間は2000秒以上、末端アミノ基濃度21.5μeq/g、末端カルボキシル基濃度64.0μeq/g、数平均分子量は22200、240℃のMFRが15.0g/10分であった。また、得られたポリアミド1単体で未延伸フィルムを作製し、その酸素透過係数を求めたところ、0.34cc・mm/(m2・日・atm)(23℃・60%RH)であった。これらの結果を表1に示した。
無水フタル酸に代えて末端封止剤として無水コハク酸を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した(以下、当該ポリアミド樹脂をポリアミド2と表記する)。ポリアミド2は、Tg73℃、融点184℃、半結晶化時間は2000秒以上、末端アミノ基濃度22.0μeq/g、末端カルボキシル基濃度63.8μeq/g、数平均分子量は21800、240℃のMFRが16.1g/10分であった。また、得られたポリアミド2単体で未延伸フィルムを作製し、その酸素透過係数を求めたところ、0.34cc・mm/(m2・日・atm)(23℃・60%RH)であった。これらの結果を表1に示した。
無水フタル酸に代えて末端封止剤として無水トリメリット酸を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した(以下、当該ポリアミド樹脂をポリアミド3と表記する)。ポリアミド3は、Tg73℃、融点184℃、半結晶化時間は2000秒以上、末端アミノ基濃度21.8μeq/g、末端カルボキシル基濃度65.0μeq/g、数平均分子量は22000、240℃のMFRが15.5g/10分であった。また、得られたポリアミド3単体で未延伸フィルムを作製し、その酸素透過係数を求めたところ、0.34cc・mm/(m2・日・atm)(23℃・60%RH)であった。これらの結果を表1に示した。
メタキシリレンジアミン:セバシン酸:アジピン酸を0.999:0.4:0.6の割合のモル比で使用し、前記合成条件にて溶融重合及び固相重合を行ってポリアミド樹脂を合成した後、末端アミノ基濃度を測定した(末端アミノ基濃度は35.8μeq/gであった)。次いで、末端封止剤として無水フタル酸を該末端アミノ基濃度に対して0.2当量添加後、二軸押出機にて200℃で溶融混練し、末端アミノ基を封止してポリアミド樹脂を合成した(以下、当該ポリアミド樹脂をポリアミド4と表記する)。なお、滴下時間は2時間、溶融重合の反応時間は1時間、固相重合時の装置内圧力は1torr以下、重合温度は160℃、重合時間は4時間とした。ポリアミド4は、Tg73℃、融点184℃、半結晶化時間は2000秒以上、末端アミノ基濃度29.2μeq/g、末端カルボキシル基濃度52.8μeq/g、数平均分子量は24000、240℃のMFRが11.2g/10分であった。また、得られたポリアミド4単体で未延伸フィルムを作製し、その酸素透過係数を求めたところ、0.34cc・mm/(m2・日・atm)(23℃・60%RH)であった。これらの結果を表1に示した。
無水フタル酸の添加量を、固相重合後の末端アミノ基濃度に対して4.0当量とした以外は実施例4と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。(以下、当該ポリアミド樹脂をポリアミド5と表記する)。ポリアミド5は、Tg73℃、融点184℃、半結晶化時間は2000秒以上、末端アミノ基濃度13.5μeq/g、末端カルボキシル基濃度53.8μeq/g、数平均分子量は19700、240℃のMFRが35.0g/10分であった。また、得られたポリアミド5単体で未延伸フィルムを作製し、その酸素透過係数を求めたところ、0.34cc・mm/(m2・日・atm)(23℃・60%RH)であった。これらの結果を表1に示した。
無水フタル酸の添加量を、固相重合後の末端アミノ基濃度に対して5.0当量とした以外は実施例4と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。(以下、当該ポリアミド樹脂をポリアミド6と表記する)。ポリアミド6は、Tg73℃、融点184℃、半結晶化時間は2000秒以上、末端アミノ基濃度11.5μeq/g、末端カルボキシル基濃度52.8μeq/g、数平均分子量は18100、240℃のMFRが50.1g/10分であった。また、得られたポリアミド6単体で未延伸フィルムを作製し、その酸素透過係数を求めたところ、0.34cc・mm/(m2・日・atm)(23℃・60%RH)であった。これらの結果を表1に示した。
メタキシリレンジアミン:アジピン酸:イソフタル酸を1.0:0.9:0.1の割合のモル比で使用し、前記合成条件にて溶融重合及び固相重合を行ってポリアミド樹脂を合成した後、末端アミノ基濃度を測定した(末端アミノ基濃度は35.4μeq/gであった)。次いで、末端封止剤として無水フタル酸を該末端アミノ基濃度に対して1.5当量添加後、二軸押出機にて220℃で溶融混練し、末端アミノ基を封止してポリアミド樹脂を合成した(以下、当該ポリアミド樹脂をポリアミド7と表記する)。なお、滴下時間は2時間、溶融重合の反応時間は1時間、固相重合時の装置内圧力は1torr以下、重合温度は160℃、重合時間は4時間とした。ポリアミド7は、Tg94℃、融点228℃、半結晶化時間は2000秒以上、末端アミノ基濃度18.8μeq/g、末端カルボキシル基濃度52.1μeq/g、数平均分子量は24000、240℃では、融点付近であるため、MFRが測定できず、250℃のMFRを測定し、250℃におけるMFRは、15.8g/10分であった。得られたポリアミド7単体で未延伸フィルムを作製し、その酸素透過係数を求めたところ酸素透過係数は、0.08cc・mm/(m2・日・atm)(23℃・60%RH)であった。これらの結果を表1に示した。
メタキシリレンジアミン:セバシン酸:アジピン酸を1.0:0.3:0.7の割合のモル比で使用し、前記合成条件にて溶融重合及び固相重合を行ってポリアミド樹脂を合成した後、末端アミノ基濃度を測定した(末端アミノ基濃度は37.7μeq/gであった)。次いで、末端封止剤として無水フタル酸を該末端アミノ基濃度に対して1.5当量添加後、二軸押出機にて220℃で溶融混練し、末端アミノ基を封止してポリアミド樹脂を合成した(以下、当該ポリアミド樹脂をポリアミド8と表記する)。なお、滴下時間は2時間、溶融重合の反応時間は1時間、固相重合時の装置内圧力は1torr以下、重合温度は160℃、重合時間は4時間とした。ポリアミド8は、Tg78℃、融点199℃、半結晶化時間は2000秒以上、末端アミノ基濃度19.5μeq/g、末端カルボキシル基濃度50.2μeq/g、数平均分子量は23800、240℃のMFRが14.1g/10分であった。また、得られたポリアミド8単体で未延伸フィルムを作製し、その酸素透過係数を求めたところ、0.21cc・mm/(m2・日・atm)(23℃・60%RH)であった。これらの結果を表1に示した。
メタキシリレンジアミン:セバシン酸:アジピン酸を1.001:0.7:0.3の割合のモル比で使用し、前記合成条件にて溶融重合及び固相重合を行ってポリアミド樹脂を合成した後、末端アミノ基濃度を測定した(末端アミノ基濃度は38.3μeq/gであった)。次いで、末端封止剤として無水フタル酸を該末端アミノ基濃度に対して1.5当量添加後、二軸押出機にて200℃で溶融混練し、末端アミノ基を封止してポリアミド樹脂を合成した(以下、当該ポリアミド樹脂をポリアミド9と表記する)。なお、滴下時間は2時間、溶融重合の反応時間は1時間、固相重合時の装置内圧力は1torr以下、重合温度は160℃、重合時間は4時間とした。ポリアミド9は、Tg66℃、融点160℃、半結晶化時間は2000秒以上、末端アミノ基濃度20.8μeq/g、末端カルボキシル基濃度52.2μeq/g、数平均分子量は21500、240℃のMFRが16.5g/10分であった。また、得られたポリアミド9単体で未延伸フィルムを作製し、その酸素透過係数を求めたところ、0.68cc・mm/(m2・日・atm)(23℃・60%RH)であった。これらの結果を表1に示した。
溶融混練時の重量比を、ステアリン酸コバルト含有ポリアミド1:LLDPE=55:45とした以外は実施例1と同様にフィルムを製造して、該フィルムの酸素吸収量の測定・伸び率の測定・外観の観察を行った。これらの結果を表2に示した。
溶融混練時の重量比を、ステアリン酸コバルト含有ポリアミド1:LLDPE=25:75とした以外は実施例1と同様にフィルムを製造して、該フィルムの酸素吸収量の測定・伸び率の測定・外観の観察を行った。これらの結果を表2に示した。
溶融混練時の重量比を、ステアリン酸コバルト含有ポリアミド1:LLDPE=17:83とした以外は実施例1と同様にフィルムを製造して、該フィルムの酸素吸収量の測定・伸び率の測定・外観の観察を行った。これらの結果を表2に示した。
メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンを7:3の割合のモル比で混合し、これらのジアミンとアジピン酸を1:1の割合のモル比で使用し、前記合成条件にて溶融重合のみを行ってポリアミド樹脂を合成した後、末端アミノ基濃度を測定した(末端アミノ基濃度は43.4μeq/gであった)。次いで、末端封止剤として無水フタル酸を該末端アミノ基濃度に対して1.5当量添加後、二軸押出機にて285℃で溶融混練し、末端アミノ基を封止してポリアミド樹脂を合成した(以下、当該ポリアミド樹脂をポリアミド10と表記する)。ただし、滴下時間は2時間、溶融重合においてメタキシリレンジアミン滴下終了後の重合温度は277℃とし、反応時間は30分とした。このポリアミド10は、Tg87℃、融点259℃、半結晶化時間は17秒、末端アミノ基濃度27.8μeq/g、末端カルボキシル基濃度64.3μeq/g、数平均分子量は18000であった。また、260℃では、融点付近であるため、MFRが測定できず、270℃のMFRを測定し、270℃におけるMFRは、30.3g/10分であった。得られたポリアミド10単体で未延伸フィルムを作製し、その酸素透過係数を求めたところ酸素透過係数は、0.13cc・mm/(m2・日・atm)(23℃・60%RH)であった。これらの結果を表1に示した。
LLDPEにステアリン酸コバルトをコバルト濃度600ppmとなるよう二軸押出機にて、溶融したLLDPEにサイドフィードにて添加した。さらに得られたLLDPEとステアリン酸コバルトの混合物に、ポリアミド1を、ポリアミド1:ステアリン酸コバルト含有LLDPE1=35:65の重量比で、240℃にて溶融混練し、酸素吸収樹脂ペレットを得た。
無水フタル酸を添加せず、末端封止を行わなかったこと以外は実施例4と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した(以下、当該ポリアミド樹脂をポリアミド11と表記する)。ポリアミド11は、Tg73℃、融点184℃、半結晶化時間は2000秒以上、末端アミノ基濃度35.8μeq/g、末端カルボキシル基濃度49.7μeq/g、数平均分子量は24300、240℃のMFRが10.0g/10分であった。また、得られたポリアミド11単体で未延伸フィルムを作製し、その酸素透過係数を求めたところ、0.34cc・mm/(m2・日・atm)(23℃・60%RH)であった。これらの結果を表1に示した。
無水フタル酸の添加量を、固相重合後の末端アミノ基濃度に対して0.1当量とした以外は実施例4と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。(以下、当該ポリアミド樹脂をポリアミド12と表記する)。ポリアミド12は、Tg73℃、融点184℃、半結晶化時間は2000秒以上、末端アミノ基濃度31.8μeq/g、末端カルボキシル基濃度49.7μeq/g、数平均分子量は24000、240℃のMFRが10.6g/10分であった。また、得られたポリアミド12単体で未延伸フィルムを作製し、その酸素透過係数を求めたところ、0.34cc・mm/(m2・日・atm)(23℃・60%RH)であった。これらの結果を表1に示した。
溶融混練時の重量比をステアリン酸コバルト含有ポリアミド1:LLDPE=80:20とした以外は実施例1と同様にフィルムを製造して、該フィルムの酸素吸収量の測定・伸び率の測定・外観の観察を行った。これらの結果を表2に示した。
LLDPEと溶融混練せず、ステアリン酸コバルト含有ポリアミド1のみのフィルムとした以外は、実施例1と同様にフィルムを製造して、該フィルムの酸素吸収量の測定・伸び率の測定・外観の観察を行った。これらの結果を表2に示した。
溶融混練時の重量比をステアリン酸コバルト含有ポリアミド10:LLDPE=10:90とした以外は、実施例13と同様にフィルムを製造して、該フィルムの酸素吸収量の測定・伸び率の測定・外観の観察を行った。これらの結果を表2に示した。
実施例1で得られた酸素吸収樹脂組成物をコア層とし、スキン層をLLDPEとした、2種3層フィルム1(厚み;10μm/20μm/10μm)を、幅1000mmで、120m/分で、片面をコロナ放電処理して、作製した。得られたフィルムの外観は良好で、HAZEは77%であった。コロナ処理面側にウレタン系ドライラミネート用接着剤(製品名;東洋モートン(株)製「AD817/CAT−RT86L−60」)を用いて、PET(製品名;東洋紡績(株)製「E5100」、12)/接着剤(3)/アルミ箔(9)/接着剤(3)/ナイロン(製品名;東洋紡績(株)製「N1202」、15)/接着剤(3)/LLDPE(10)/酸素吸収樹脂組成物(20)/LLDPE(10)の酸素吸収多層フィルムを得た。尚、括弧内の数字は各層の厚さ(単位:μm)を意味する。また、以下の実施例でも特別な断りがない限り、同様の表記をする。
本酸素吸収多層フィルムを用いて、4×4cmの三方シール袋を作製し、水分活性0.35のビタミンCの粉末を10g充填し、密封後、23℃下にて保存した。1ヶ月保存後の袋内酸素濃度及び外観を調査した所、袋内酸素濃度は、0.1%以下であり、ビタミンC錠剤の外観は、良好に保持されていた。
実施例15と同様にして2種3層フィルム1を作製し、これを用いて低密度ポリエチレン(製品名;三井化学(株)製「ミラソン18SP」)による押し出しラミネートにて、晒クラフト紙(坪量340g/m2)/ウレタン系ドライラミネート用接着剤(製品名;東洋モートン(株)製「AD817/CAT−RT86L−60」、3)/アルミナ蒸着PETフィルム(製品名;凸版印刷(株)製「GL−ARH−F」、12)/ウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン(株)製「EL−557A/B」、0.5)/低密度ポリエチレン(20)/LLDPE(10)/酸素吸収樹脂組成物(20)/LLDPE(10)の酸素吸収多層紙基材を得た。この基材を、1リットル用のゲーベルトップ型の紙容器に成形した。容器の成形性は良好であった。この紙容器に、米焼酎を充填し、密封後、23℃下にて保存した。1ヶ月後の風味及び紙容器内の酸素濃度は、0.1%以下であり、米焼酎の風味は良好に保持されていた。
LLDPEに代えてエチレン−プロピレンブロック共重合体(製品名;日本ポリプロ(株)製「ノバテック FG3DC」、230℃のMFR9.5g/10分、240℃のMFR10.6g/10分、以下PPと表記する)を使用した以外は実施例1と同様にして酸素吸収樹脂組成物を得た。次いで、該酸素吸収樹脂組成物をコア層とし、スキン層をLLDPEに代えてPPとした以外は実施例15と同様にして、2種3層フィルム2(厚み;15μm/30μm/15μm)を作製した。得られたフィルムのHAZEは64%であった。コロナ処理面側にウレタン系ドライラミネート用接着剤(製品名;東洋モートン(株)製「AD817/CAT−RT86L−60」)を用いて、アルミナ蒸着PET(製品名;凸版印刷(株)製「GL-ARH」、12)/接着剤(3)/ナイロン(製品名;東洋紡績(株)製「N1202」、15)/接着剤(3)/PP(15)/酸素吸収樹脂組成物(30)/PP(15)の酸素吸収多層フィルムを得た。本酸素吸収多層フィルムを用いて、10×20cmの三方シール袋を作製し、その一部に直径2mmの円状の通蒸口を設け、その通蒸口をラベルシールにて周辺を仮着した。その袋に、ニンジン、肉を含んだカレーを充填し、密封後、124℃、30分のレトルト調理、加熱殺菌した後、23℃下にて保存した。袋内部のシチューを視認することができた。1ヶ月後、袋をそのまま電子レンジにて約4分加熱し、約3分後には、袋が膨張し、仮着したラベルシール部が剥がれ、通蒸口から蒸気が出ることを確認した。調理終了後、カレーの風味、ニンジンの色調を調査した所、ニンジンの外観は、良好に保持され、カレーの風味は良好であった。
平均粒径20μmの鉄粉と塩化カルシウムを100:1の割合で混合し、LLDPEと30:70の重量比で混練して、鉄粉系酸素吸収樹脂組成物Aを得た。鉄粉系酸素吸収樹脂組成物Aをコア層とし、実施例15と同様に2種3層フィルムを作製しようとしたが、フィルム表面に鉄粉の凹凸が発生し、フィルムが得られなかった。そのため、厚さ40μmのLLDPEに酸素吸収層として、鉄粉系酸素吸収樹脂組成物Aを厚さ20μmで押出ラミネートし、酸素吸収層面をコロナ放電処理したラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを実施例16同様に晒クラフト紙と積層し、晒クラフト紙(坪量340g/m2)/ウレタン系ドライラミネート用接着剤(製品名;東洋モートン(株)製「AD817/CAT−RT86L−60」、3)/アルミナ蒸着PETフィルム(製品名;凸版印刷(株)製「GL-ARH」、12)/ウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン(株)製「EL−557A/B」、0.5)/低密度ポリエチレン(製品名;三井化学(株)製「ミラソン18SP」、20)/鉄粉系酸素吸収樹脂組成物A(20)/LLDPE(40)の酸素吸収多層紙基材からなるゲーベルトップ型紙容器を作製しようとしたが、厚みが厚く、紙容器の角を作製することが困難であった。容器作製速度を落とし、不良品を排除してようやく容器得た。以下、実施例16と同様に、米焼酎の保存試験を行ったが、開封時アルデヒド臭が発生しており、風味は著しく低下した。
LLDPEに代えてPPを使用した以外は比較例6と同様にして、鉄粉系酸素吸収樹脂組成物Bを得た。また同じく、LLDPEに代えてPPを使用した以外は比較例6と同様にして、鉄粉系酸素吸収樹脂組成物B(20)/PP(40)のラミネートフィルムを作製後、酸素吸収層面をコロナ放電処理した。以下、実施例17と同様にして、アルミナ蒸着PET(製品名;凸版印刷(株)製「GL-ARH」、12)/接着剤(3)/ナイロン(製品名;東洋紡績(株)製「N1202」、15)/接着剤(3)/鉄粉系酸素吸収樹脂組成物B(20)/PP(40)の酸素吸収多層フィルムを得た。得られた酸素吸収多層フィルムを用いて実施例17と同様の試験をした結果、風味は良好に保持されていたが、内容物は視認できず、電子レンジ加熱時に、表面に気泡状のムラが発生した。
Claims (6)
- ポリオレフィン樹脂、遷移金属触媒及び芳香族ジアミンとジカルボン酸との重縮合によって得られるポリアミド樹脂を含有する酸素吸収樹脂組成物であって、該ポリアミド樹脂がカルボン酸により末端封止され、末端アミノ基濃度が30μeq/g以下であり、且つ該遷移金属触媒と該ポリアミド樹脂の合計含有量が酸素吸収樹脂組成物の総量に対して15〜60重量%であることを特徴とする酸素吸収樹脂組成物。
- 上記ジカルボン酸に、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸又はこれらの混合物を用いることを特徴とする請求項1記載の酸素吸収樹脂組成物。
- 上記芳香族ジアミンに、パラキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミン又はこれらの混合物を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の酸素吸収樹脂組成物。
- 上記遷移金属触媒がステアリン酸コバルトであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸素吸収樹脂組成物。
- 上記ポリアミド樹脂を得る際のジカルボン酸のモル比を、セバシン酸:アジピン酸=0.3〜0.7:0.7〜0.3とすることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の酸素吸収樹脂組成物。
- 上記ポリアミド樹脂を得る際のジカルボン酸のモル比を、アジピン酸:イソフタル酸=0.7〜0.97:0.3〜0.03とすることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の酸素吸収樹脂組成物。
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