JP7301558B2 - 樹脂組成物、多層構造体、包装容器及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、多層構造体、包装容器及び樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン-ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH」と略することがある)及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩を含む樹脂組成物に関する。当該樹脂組成物からなる層を有する多層構造体は、レトルト処理される包装容器として好適に使用される。
野菜やシーフード等の食品をレトルト処理するための容器の素材としては、ガラス、金属及び金属箔が現在でも独占的な地位にある。しかし最近では、スープやペットフード、及びその他の食品をレトルト処理するための容器としてプラスチック製容器が一般的に使用されている。該容器はリジッド又はセミリジッドであることから、優れた加工性とガスバリア性を有するEVOHが該プラスチック製容器のバリア性樹脂として採用されている。
EVOHはその化学構造に由来して、相対湿度が85%を超える環境ではそのガスバリア性が低下する傾向にあることが知られている。これは水がEVOHの可塑剤として作用し、EVOHの非晶領域の水素結合を弱めて自由体積の量を増加させ、結果として高分子マトリックス中のガス拡散を増加させるためと考えられている。そのため、包装体を110~132℃の温度で15~80分間処理する典型的なスチームレトルト処理を行った際に、EVOHの酸素透過速度が劇的に増加し、食品が酸化劣化して、風味が低下したり、賞味期限が短くなったりすることがある。これに対して、例えばEVOHに乾燥剤を配合する方法が知られている。例えば特許文献1には、EVOHに水和物を形成可能なリン酸塩及び分散剤を配合した樹脂組成物からなる多層構造体がガスバリア性に優れ、かつ高温高湿下での耐湿性に優れることが記載されている。
特許文献2には、EVOH樹脂並びにカルボン酸塩水和物の部分脱水物又は完全脱水物を含有する樹脂組成物が混錬時の粘度増加を抑制し、取り扱い性に優れること、及び該樹脂組成物を含む層を少なくとも1層有する多層構造体が、熱水処理後のガスバリア性に優れることが記載されている。
特許文献3には、EVOH樹脂、メジアン径0.5~25μmである水和物形成性のカルボン酸塩、及び塩基性金属塩を含有する樹脂組成物が溶融混錬時の粘度増加を抑制し、ロングラン加工性に優れること、及び該樹脂組成物から得られる成形物が、高湿度下で長期間保管した場合に発生する白濁模様の発生を抑制できることが記載されている。
特開2008-75084号公報 特開2010-59418号公報 特開2016-121335号公報
しかしながら、特許文献1~3に記載の多層構造体はレトルト処理後に白化してしまい、容器の中身の食品が見えなくなり、食品の視認性を悪化させる問題があった。また、カルボン酸塩を使用した場合、溶融混練時に押出機内で腐食が見られるおそれがあった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ガスバリア性に優れ、高温高湿下での耐湿性に優れ、さらにレトルト処理後の多層構造体の白化を抑制できる樹脂組成物を提供することを目的とする。また、該樹脂組成物からなる層を有し、レトルト処理時もガスバリア性の低下が抑制された多層構造体を提供することを目的とする。さらに、該樹脂組成物の好適な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、EVOHと特定の金属塩を含む樹脂組成物が、上記の課題を解決できることを見出した。その具体的構成は以下の通りである。
(1)エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を含む樹脂組成物であって、
水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)がリン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、スルホン酸塩又はスルフィン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む樹脂組成物;
(2)樹脂組成物中にエチレン-ビニルアルコール共重合体(A)を70.0~99.0質量%、及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を1.0~30.0質量%含有する、前記(1)に記載の樹脂組成物;
(3)水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)が芳香環又はアルキル基のいずれかを有する、前記(1)又は(2)に記載の樹脂組成物;
(4)さらにポリアミド(C)を含有し、
ポリアミド樹脂(C)の含有量がエチレン-ビニルアルコール共重合体(A)、及び水和物を形成可能な疎水基を有するアルカリ金属塩(B)の合計100質量部に対して、0.1~20.0質量部である、前記(1)~(3)のいずれかに記載の樹脂組成物;
(5)エチレン―ビニルアルコール共重合体(A)、及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を含む溶解物を析出させる工程を含む、前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法;
(6)水和物を形成可能な疎水基を有するアルカリ金属塩(B)を含む水溶液に、含水率1~200質量%のエチレン―ビニルアルコール共重合体(A)の含水ペレットを浸漬する工程を含む、前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法;
(7)エチレン―ビニルアルコール共重合体(A)及び水を含む溶融物に、水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を含む水溶液を添加する工程;及び
水溶液を添加した溶融物を溶融混練する工程を含む、前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法;
(8)エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を溶融混錬する工程を含む、前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法;
(9)前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層構造体;
(10)前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる層、及びポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル及びポリアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる層を有する多層構造体の回収物からなる樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有する多層構造体;
(11)前記(9)又は(10)に記載の多層構造体からなる包装容器;
(12)前記(11)に記載の包装容器に内容物を充填したものからなるレトルト包装容器;
(13)前記(12)に記載のレトルト包装容器を温度70℃以上140℃以下で水蒸気又は熱水で殺菌処理する方法。
本発明の樹脂組成物を用いることにより、ガスバリア性に優れ、高温高湿下での耐湿性に優れ、さらにレトルト処理後の多層構造体の白化を抑制できる樹脂組成物が得られる。
本発明の樹脂組成物は、エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を含む樹脂組成物であって、水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)がリン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、スルホン酸塩又はスルフィン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。EVOH(A)に水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を配合することによって、レトルト処理後に発生するシート白化を改善することができる。
(EVOH(A))
本発明の樹脂組成物に用いられるEVOH(A)のエチレン含有量は15~65モル%が好ましい。エチレン含有量が15モル%未満であると、耐湿性が不十分となり、特にレトルト処理等の高温高湿の条件下での使用に適さない場合がある。エチレン含有量は20モル%以上がより好ましく、25モル%以上がさらに好ましい。エチレン含有量が65モル%を超えると、ガスバリア性が不十分となる場合がある。エチレン含有量は50モル%以下がより好ましく、40モル%以下がさらに好ましい。
EVOH(A)のケン化度は95モル%以上が好ましい。ケン化度が95モル%未満であると、EVOHの結晶化度が低くなり、ガスバリア性が低下するとともに、溶融成形時の熱安定性が大きく低下する。ケン化度は好適には98モル%以上であり、より好適には99モル%以上である。
EVOH(A)のメルトフローレート(210℃、2160g荷重下)は、0.1~50g/10分が好ましい。メルトフローレートが0.1g/10分未満であると、溶融成形が困難になるおそれがある。メルトフローレートは、0.5g/10分以上がより好ましく、1g/10分以上がさらに好ましい。メルトフローレートが50g/10分を超えると、樹脂組成物の押出成形が困難になり、得られるEVOH(A)を含む層の強度が低下するおそれがある。メルトフローレートは、20g/10分以下がより好ましく、10g/10分以下がさらに好ましい。
EVOH(A)は、本発明の効果が阻害されない範囲で、エチレンとビニルエステル及びそのケン化物以外の他の単量体由来の単位を有していてもよい。EVOH(A)が他の単量体由来の単位を有する場合、その含有量はEVOH(A)中の全単量体単位に対して、10モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましく、3モル%以下がさらに好ましい。また、他の単量体単位の含有量は0.05モル%以上であってもよい。他の単量体としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β-メトキシ-エトキシ)シラン、γ-メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等ビニルシラン化合物等が挙げられる。
EVOH(A)は、本発明の目的が阻害されない範囲で下記式(I)で表される構造単位(I)、下記式(II)で表される構造単位(II)、及び下記一般式(III)で表される構造単位(III)の少なくともいずれか一種を有してもよい。EVOH(A)がこのような構造単位を有することで、得られる多層構造体の熱成形性を高めることができる。
Figure 0007301558000001
式(I)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、炭素数3~10の脂環式炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基又は水酸基を表す。また、R1、R2及びR3のうちの一対は、結合していてもよい。また、前記炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、炭素数3~10の脂環式炭化水素基及び炭素数6~10の芳香族炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部は、水酸基、カルボキシル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
式(II)中、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、炭素数3~10の脂環式炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基又は水酸基を表す。また、R4とR5とは、又はR6とR7とは、結合していてもよい。また、前記炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、炭素数3~10の脂環式炭化水素基及び炭素数6~10の芳香族炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部は、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
式(III)中、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、炭素数3~10の脂環式炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基又は水酸基を表す。また、上記炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、炭素数3~10の脂環式炭化水素基及び炭素数6~10の芳香族炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部は、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、ホルミル基又は炭素数2~10のアルカノイル基を表す。
EVOH(A)が上記式に示す構造単位を含む場合、その含有量の下限は0.1モル%が好ましく、0.5モル%がより好ましく、1モル%がさらに好ましい。また、該含有量の上限は30モル%が好ましく、15モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。上記式に示す構造単位の含有量が上記範囲であると、樹脂組成物の柔軟性及び加工特性が向上し、得られる多層構造体の熱成形性が向上する。
上記式に示す構造単位において、炭素数1~10の脂肪族炭化水素基としてはアルキル基、アルケニル基等が挙げられ、炭素数3~10の脂環式炭化水素基としてはシクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、炭素数6~10の芳香族炭化水素基としてはフェニル基等が挙げられる。
構造単位(I)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、水酸基、ヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基であることが好ましく、中でも、それぞれ独立に水素原子、メチル基、水酸基及びヒドロキシメチル基であることが、得られる多層構造体における熱成形性をさらに向上させる観点から好ましい。
構造単位(II)において、R4及びR5は共に水素原子であることが好ましい。特にR4及びR5が共に水素原子であり、前記R6及びR7のうちの一方が炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、他方が水素原子であることがより好ましい。この脂肪族炭化水素基は、アルキル基及びアルケニル基が好ましい。得られる多層構造体におけるガスバリア性を特に重視する観点からは、R6及びR7のうちの一方がメチル基又はエチル基、他方が水素原子であることが特に好ましい。また前記R6及びR7のうちの一方が(CH2hOHで表される置換基(但し、hは1~8の整数)、他方が水素原子であることも特に好ましい。この(CH2hOHで表される置換基において、hは、1~4の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
構造単位(III)において、R8、R9、R10及びR11は水素原子又は炭素数1~5の脂肪族炭化水素基であることが好適であり、当該脂肪族炭化水素基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基又はn-ペンチル基が好適である。
EVOH(A)は、1種単独で用いることもできるし、2種以上を併用してもよい。
(水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B))
水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)(以下、金属塩(B)と略称することがある)は水和物を形成することによって水分を吸収するものであって、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、スルホン酸塩又はスルフィン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。EVOH(A)に金属塩(B)を添加することで、レトルト処理中に樹脂組成物中に浸入する水分を金属塩(B)が取り込み、レトルト処理後も高いガスバリア性を維持することができる。金属塩(B)はリン酸塩、ホスホン酸塩又はホスフィン酸塩が好ましく、複数の水分子を結晶水として含む水和物を形成し、単位重量当たりに吸収できる水の重量が多いことからリン酸塩がより好ましい。リン酸塩は湿度の上昇に伴って形成できる結晶水の分子数が段階的に増加するため、湿度環境の変化に伴って徐々に水分を吸収することができる。
本発明の樹脂組成物は金属塩(B)が疎水基を有することで、レトルト処理時の吸水に伴う金属塩の凝集を抑制し、得られる多層構造体の白化を抑制することができる。金属塩(B)が有する疎水基としては、例えば芳香環又はアルキル基が挙げられ、具体的にはフェニル基、4-ニトロフェニル基、2,5-ジヒドロキシベンジル基等のフェニル基;1-ナフチル基等のナフチル基;メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基又はn-ペンチル基等のアルキル基等が挙げられる。
金属塩(B)としては、例えばリン酸フェニル二ナトリウム、4-ニトロフェニルリン酸二ナトリウム、リン酸エチル二ナトリウム、1-ナフチルリン酸一ナトリウム、1-ナフチルリン酸二ナトリウム、α-グリセロリン酸二ナトリウム、β-グリセロリン酸二ナトリウム、リン酸フェニルカルシウム、リン酸フェニルマグネシウム、フェニルホスホン酸二ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、ビス(2,5-ジヒドロキシベンゼンスルホン酸)カルシウム等が挙げられ、リン酸フェニル二ナトリウム、フェニルホスホン酸二ナトリウム、リン酸エチル二ナトリウムが好ましい。これらは無水物であっても水和物であってもよい。
(ポリアミド(C))
本発明の樹脂組成物はさらにポリアミド(C)を含有し、ポリアミド(C)の含有量はEVOH(A)、及び金属塩(B)の合計100質量部に対して、0.1~20.0質量部であることが好ましい。ポリアミド(C)の含有量が上記範囲であることで本発明の樹脂組成物からなる多層構造体をレトルト処理した際の白化を抑制することができる。ポリアミド(C)の含有量は1.0~15.0質量部がより好ましく、3.0~12.0質量部がさらに好ましい。
ポリアミド(C)の具体例としては、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリ-ω-アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ-ω-アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン26)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン86)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン6/12)、カプロラクタム/ω-アミノノナン酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン6/66)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン12/66)、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン26/66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン6/66/610)、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン26/66/610)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド共重合体(ナイロン6I/6T)、11-アミノウンデカンアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド共重合体、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリヘキサメチレンシクロヘキシルアミド、ポリノナメチレンシクロヘキシルアミドあるいはこれらのポリアミドをメチレンベンジルアミン、メタキシレンジアミン等の芳香族アミンで変性したものが挙げられる。また、メタキシリレンジアンモニウムアジペート等も挙げられる。EVOHとの相溶性の観点から、中でもポリカプラミド(ナイロン6)が好適である。
ポリアミド(C)の重合度は、JIS K6810に準じて測定される相対粘度で1.7~5.0であることが好ましく、2.0~5.0であることがより好ましい。
ポリアミド(C)の重合方法としては、溶融重合、界面重合、溶液重合、塊状重合、固相重合、又はこれらを組み合わせた方法を採用することができる。また、ポリアミド原料としては、より良好な耐レトルト性が得られるという点よりε-カプロラクタムが好ましい。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物における、EVOH(A)と金属塩(B)の配合比は(A)と(B)の合計100質量%に対して、(A)が70.0~99.0質量%、(B)が1.0~30.0質量%であることが好ましい。本発明の樹脂組成物では、EVOH(A)が主成分としてマトリックスを形成し、ガスバリア性が確保される。金属塩(B)の含有量が1.0質量%未満であると、樹脂組成物の耐湿性、特に高温高湿下での耐湿性が低下する。金属塩(B)の含有量は3.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上がさらに好ましい。一方、金属塩(B)の含有量が(A)と(B)の合計100重量部に対して30.0質量%を超えると、得られる多層構造体をレトルト処理した後に多層構造体における樹脂組成物層の端部溶出が発生する場合がある。金属塩(B)の含有量は20.0質量%以下がより好ましく、15.0質量%以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で他の成分を含有してもよい。例えば、EVOH(A)以外の熱可塑性樹脂を含有してもよく、ポリエチレン(超低密度、低密度、中密度、高密度)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、アイオノマー等のポリオレフィン;前記ポリオレフィンの無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート等のグラフト変性物;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の半芳香族ポリエステル;ポリバレロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル;ポリエチレングリコール、ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル等が挙げられる。
また、他の各種可塑剤、安定剤、界面活性剤、色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、架橋剤、金属塩、充填剤、各種繊維等の補強剤等を含有することも可能である。
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定さないが、通常、以下の方法(1)~(4)に記載の方法によって製造される。
(1)EVOH(A)及び金属塩(B)を溶媒中で混合して混合ペーストを調製し、ストランド析出した後、ペレタイズして乾燥させる方法。
(2)含水EVOH(A)ペレットを金属塩(B)を含有する溶液に浸漬する方法。
(3)EVOH(A)及び水を含む溶融物に、金属塩(B)を押出機内で添加して溶融混練する方法。
(4)EVOH(A)及び粉砕乾燥した金属塩(B)を押出機内で溶融混練する方法。
((1)EVOH(A)及び金属塩(B)を溶媒中で混合して混合ペーストを調製し、ストランド析出した後、ペレタイズして乾燥させる方法)
溶媒としてはEVOH(A)及び金属塩(B)の双方が溶解する溶媒が好適に使用される。残留溶媒を容易に除去できる観点から水、アルコール並びに水及びアルコールの混合溶媒が好適に使用され、中でも、水及びメタノールの混合溶媒が特に好適に使用される。
上記混合溶媒における水とメタノールの配合比は、水とメタノールの合計100質量%に対して、水が20~70質量%、メタノールが30~80質量%が好ましい。メタノールの含有量が水とメタノールの合計100質量%に対して30質量%未満であると、混合溶媒に対するEVOHの溶解性が低下する。メタノールの含有量は35質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、45質量%以上が特に好ましい。メタノールの含有量が水とメタノールの合計100質量%に対して80質量%以上であると、混合溶媒に対する金属塩(B)の溶解性が低下する。メタノールの含有量は70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、55質量%以下が特に好ましい。
EVOH(A)、金属塩(B)及び混合溶媒の合計100質量%に対するEVOH(A)の含有量は、10~50質量%であることが好ましい。EVOH(A)の含有量が10質量%未満であると、溶媒中でのストランド析出において樹脂組成物の固化が進行しにくくなる。EVOH(A)の含有量は、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、35質量%以上が特に好ましい。EVOH(A)の含有量が50質量%以上であると、溶液の粘度が高く、ストランド析出が行えない場合がある。EVOH(A)の含有量は45%以下がより好ましく、40%以下がさらに好ましい。
溶解を促進する観点から、混合溶媒を加温した状態でEVOH(A)を溶解することが好ましい。混合ペーストは溶媒中でストランド析出させ、ペレタイズされる。当該製造方法で得られるペレットは溶媒を含んでいるため、ペレタイズ後60~130℃で乾燥させることが好ましい。
((2)含水EVOH(A)ペレットを金属塩(B)を含有する溶液に浸漬する方法)
含水EVOH(A)の含水量はEVOHの固形分に対して1~200質量%であることが好ましい。含水EVOH(A)の含水量が1質量%未満であると、含水EVOH(A)を金属塩(B)を含む水溶液中に浸漬しても金属塩(B)が含水EVOH(A)に十分取り込まれない場合がある。含水EVOHの含水量は20質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましい。含水EVOH(A)の含水量が200質量%を超えると、含水EVOH(A)に金属塩(B)が安定して取り込まれない場合がある。含水EVOH(A)の含水量は150質量%以下がより好ましい。
金属塩(B)を含む水溶液への含水EVOH(A)の浸漬時間は10分~48時間が好ましい。含水EVOH(A)の浸漬時間が10分未満であると、金属塩(B)が含水EVOH(A)に十分取り込まれない場合がある。含水EVOH(A)の浸漬時間は30分以上がより好ましく、1時間以上がさらに好ましく、2時間以上が特に好ましい。含水EVOH(A)の浸漬時間が48時間以上であると、水溶液から水分が揮発し、金属塩(B)の濃度が上昇するおそれがある。含水EVOH(A)の浸漬時間は24時間以下がより好ましく、18時間以下がさらに好ましく、12時間以下が特に好ましい。当該製造方法で得られるペレットは水を含んでいるため、ペレタイズ後60~130℃で乾燥させることが好ましい。
((3)EVOH(A)及び水を含む溶融物に、金属塩(B)を押出機内で添加して溶融混練する方法)
用いるEVOH(A)は含水状態であってもよく、乾燥状態であってもよい。EVOH(A)が含水状態の場合、例えば含水EVOH(A)の含水量は、EVOHの固形分に対して200質量%未満であることが好ましい。含水EVOH(A)の含水量が200質量%以上であると、押出機供給部にて水蒸気が逆流し、樹脂同士が膠着する場合がある。含水EVOH(A)の含水量は150質量%以下がより好ましく、100質量%以下がさらに好ましい。
押出機内での溶融混練は、通常100~250℃の温度で行われる。混練温度が100℃未満であると、含水EVOH(A)が溶融せず、金属塩(B)との混合が十分に行われない。混練温度は120℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましい。混練温度が250℃以上であると、含水EVOH(A)が熱により劣化する場合がある。混練温度は230℃以下が好ましく、220℃以下がより好ましい。
溶融された含水EVOH(A)は金属塩(B)と混合される。ここで、金属塩(B)は含水EVOH(A)と混合してから混練してもよいし、予め押出機内で溶融したEVOH(A)に金属塩(B)の水溶液を途中で添加して押出機内で混合してもよい。ペレット化する際のボイド発生抑制の観点から、含水EVOH(A)及び金属塩(B)の水溶液に含まれる水分はベントにより除去することが好ましい。
((4)EVOH(A)及び粉砕乾燥した金属塩(B)を押出機内で溶融混練する方法)
金属塩(B)は粗大粒子を含まない方がよく、特定の粒径分布あるいは特定の平均粒径を有する粉体が好適に使用される。このような粉体を製造する方法は特に限定されないが、溶融混練する前に、予め金属塩(B)を粉砕することが好ましい。粉砕装置としては、例えばジェットミル、ボールミル、カッティングミル、衝撃粉砕機等が挙げられる。中でも、ジェットミル、特に流動層式ジェットミルが好適に使用される。流動層式ジェットミルでは、対向ジェットエアーの衝突によって粒子同士を衝突させることで、金属による汚染を防ぎながら粒子を粉砕することができる。また、粉砕装置は分級機を内蔵することが好ましい。内蔵される分級機としては、マルチホイール分級機が好ましく、これによって、シャープな粒度分布の粉体を効率よく得ることができる。
金属塩(B)の含水率は2質量%以下が好ましい。金属塩(B)の含水率が2質量%を超えると、EVOH(A)と溶融混練した際に、得られる樹脂組成物に凝集物が発生しやすくなる。金属塩(B)の含水率は、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。金属塩(B)の含水率を上記範囲に調整する方法としては、例えばEVOH(A)と溶融混練する前に、予め金属塩(B)を60~130℃で乾燥する方法が挙げられる。
金属塩(B)の乾燥は、予め金属塩(B)のみを乾燥してもよく、粉砕と同時に乾燥してもよい。粉砕と乾燥を同時に行う方法としては、例えば粉砕機の中に乾燥ガスを導入しながら粉砕する方法が挙げられる。ジェットミルを用いる場合は、加熱した圧縮ガスを用いて粉砕することで、粉砕と乾燥を同時に行うことができる。
押出機内で溶融混練する場合は、樹脂の溶融混練に用いられる一般的な装置を採用することができ、一軸押出機、二軸押出機等の連続混練装置を用いてもよく、バンバリーミキサー等のバッチ式混練装置を用いてもよい。また、混練装置に投入する前に、EVOH(A)のペレットに対して、金属塩(B)をヘンシェルミキサーやタンブラーを用いて予め混合してもよい。
押出機内で溶融混練する際の温度は、EVOH(A)が溶融可能な温度であれば特に限定されないが、190~260℃が好ましい。溶融混練する際の温度が190℃未満であると、EVOH(A)の溶融が不十分になるおそれがある。溶融混練する際の温度は210℃以上がより好ましい。溶融混練する際の温度が260℃を超えると、EVOH(A)及び/又は金属塩(B)が分解するおそれがある。溶融混練する際の温度は245℃以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物がさらにポリアミド(C)を含有する場合、ポリアミド(C)を混合する方法としては、上述の方法(1)~(4)で得られたEVOH(A)と金属塩(B)を含む樹脂組成物にポリアミド(C)をさらに溶融混錬しても良く、予めEVOH(A)とポリアミド(C)を混合した後、金属塩(B)を押出機内で溶融混練してもよい。
本発明の樹脂組成物は、レトルト処理のような高温高湿条件での処理を経た後であっても、ガスバリア性の低下が少ない。また、オートクレーブ中で100℃以上に加熱して加圧する通常のレトルト処理以外にも、スチームレトルト処理、ウォーターカスケードレトルト処理、マイクロウェーブレトルト処理、ホット充填、殺菌処理、ボイリング処理等においても同様の効果が得られると期待される。
本発明の樹脂組成物は、溶融成形によりフィルム、シート、容器、パイプ、繊維等、各種の成形物に成形される。溶融成形法としては押出成形、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、射出成形等が可能である。溶融成形温度はEVOH(A)の融点等により異なるが、150~270℃程度が好ましい。
本発明の樹脂組成物を溶融成形する際に、溶融成形の前に予め樹脂組成物の含水率を1質量%以下とすることが好ましい。含水率を上記範囲とすることで、溶融成形時の発泡を防止できる。含水率は0.5質量%以下がより好ましく、0.25質量%以下がさらに好ましい。
(多層構造体)
本発明の樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層構造体も、本発明の好適な実施態様である。多層構造体の層構成としては、熱可塑性樹脂層をX層、本発明の樹脂組成物からなる層をY、接着性樹脂層をZで表わすと、X/Y、X/Y/X、X/Z/Y、X/Z/Y/Z/X、X/Y/X/Y/X、X/Z/Y/Z/X/Z/Y/Z等が挙げられるが、これらに他の層を適宜付加することは何ら差支えなく上記の例に限定されるものではない。複数の他の樹脂からなる層を設ける場合は、互いに異なった種類でもよく、同じものでもよい。さらに、多層構造体を成形する際に発生するトリム等のスクラップからなる回収物からなる樹脂組成物層を別途設けてもよく、回収物からなる樹脂組成物を他の樹脂からなる層にブレンドして用いてもよい。多層構造体の厚みは特に限定されないが、成形性及びコスト等の観点から、全層厚みに対する本発明の樹脂組成物層Yの厚みの占める割合は2~20%が好ましい。
本発明の多層構造体は、本発明の樹脂組成物からなる層の両側に、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル及びポリアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる層を有することが好ましい。上記構成とすることで、本発明の多層構造体は耐湿性に優れる。耐湿性の観点からは、上記熱可塑性樹脂はポリオレフィン、ポリスチレン及びポリエステルがより好ましく、ポリオレフィンがさらに好ましい。
ポリオレフィンとしては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、アイオノマー等が挙げられる。
本発明の多層構造体は、本発明の樹脂組成物からなる層の少なくとも片側に接着性樹脂層を介してポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル及びポリアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる層を有することが好ましい。
接着性樹脂層は、本発明の樹脂組成物層と熱可塑性樹脂層とを接着できるものであれば特に限定されないが、カルボン酸変性ポリオレフィンを含むことが好ましい。カルボン酸変性ポリオレフィンとは、オレフィン系重合体にエチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物を化学的(たとえば付加反応、グラフト反応により)結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体のことをいう。また、オレフィン系重合体とはポリエチレン(低圧、中圧、高圧)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ボリブテン等のポリオレフィン、オレフィンと該オレフィンとを共重合し得るコモノマー(ビニルエステル、不飽和カルボン酸エステル等)との共重合体、例えばエチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチルエステル共重合体等をいう。エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物としてはエチレン性不飽和モノカルボン酸、そのエステル、エチレン性不飽和ジカルボン酸、そのモノ又はジエステル、その無水物が挙げられ、中でもエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物が好ましい。具体的にはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル等が挙げられ、無水マレイン酸が特に好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物のオレフィン系重合体への付加量又はグラフト量(変性度)はオレフィン系重合体に対し0.01~15重量%、好ましくは0.02~10重量%である。
本発明の多層構造体の各層には各種の添加剤を配合することもできる。このような添加剤としては、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー等が挙げられ、具体的には、本発明の樹脂組成物に添加することができるものとして上述したものが挙げられる。
本発明の樹脂組成物から得られる共押出多層構造体又は共射出多層構造体を二次加工することで、各種成形品(フィルム、シート、チューブ、ボトル等)を得ることができる。例えば以下が挙げられる。
(1)多層構造体(シート又はフィルム等)を一軸又は二軸方向に延伸し、必要に応じて熱処理することによる多層共延伸シート又はフィルム
(2)多層構造体(シート又はフィルム等)を圧延することによる多層圧延シート又はフィルム
(3)多層構造体(シート又はフィルム等)を真空成形、圧空成形、真空圧空成形等、熱成形加工することによる多層トレーカップ状容器
(4)多層構造体(パイプ等)からのストレッチブロー成形等によるボトル、カップ状容器
(5)多層構造体(パリソン等)からの二軸延伸ブロー成形等によるボトル状容器
本発明の樹脂組成物及び多層構造体の用途は特に限定されず、例えば、包装容器、包装用フィルム、深絞り容器、カップ状容器、ボトル等の材料として好適に用いられる。中でも、酸素劣化が嫌われる内容物、特に食品を包装する容器として好適である。本発明の多層構造体は、高温高湿条件下でも優れたガスバリア性を有することから、レトルト処理用の容器として特に好適である。レトルト処理としては、100℃以上に加熱して加圧する通常のレトルト処理以外にも、スチームレトルト処理、ウォーターカスケードレトルト処理、マイクロウェーブレトルト処理等も採用される。また、レトルト処理に限られず、ホット充填、殺菌処理、ボイリング処理を行う容器としても好適である。
本発明の包装容器は、前記容器に内容物が充填された包装容器を熱水殺菌処理してなるものである。前記容器に充填される内容物は特に限定されないが、食品、飲料、医薬品等が挙げられる。
本発明における熱水殺菌処理とは、レトルト包装容器を温度70℃以上140℃以下で水蒸気又は熱水で殺菌する方法であり、具体的には、レトルト処理及びボイル処理が挙げられ、ガスバリア性樹脂からなる中間層を有する容器に食品等を充填した包装容器を、105~140℃、0.15~0.3MPa、5~120分の条件で加圧殺菌処理する方法が挙げられる。レトルト処理装置には、加熱蒸気を利用する蒸気式や加圧過熱水を利用する熱水浸漬式等があり、内容物の食品等の殺菌条件に応じて適宜使い分ける。ボイル処理とは、食品等を保存するため熱水で殺菌する方法であり、内容物にもよるが、通常は、ガスバリア性樹脂からなる中間層を有する容器に食品等を充填した包装体を60~100℃、大気圧下で、10~120分の条件で殺菌処理を行う。ボイル処理は、通常、熱水槽を用いて行い、一定温度の熱水槽の中に浸漬した後、一定時間後に取り出すバッチ式と、熱水槽の中をトンネル式に通して殺菌する連続式がある。
本発明の熱水殺菌処理された包装容器は、ガスバリア性に優れているため、食品、医薬品等の内容物の品質の低下が長期間抑制される。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)含水EVOH樹脂ペレットの含水率
メトラー・トレド社のハロゲン水分率分析装置「HR73」を用い、乾燥温度180℃、乾燥時間20分、サンプル量約10gの条件で、含水EVOH樹脂ペレットの含水率を測定した。なお、含水EVOHの含水率は、EVOHの乾燥質量基準の質量%である。
(2)レトルト処理前のヘイズ
各実施例及び比較例で得られたEVOH樹脂組成物ペレットを原料とし、3種5層共押出機を用いて、ポリプロピレン(PP)層(210μm)/接着樹脂層(20μm)/EVOH樹脂組成物層(40μm)/接着樹脂層(20μm)/PP層(210μm)の5層構成になるように製膜し、多層シートを作製した。PPとしては日本ポリプロ社製「ノバテック EG7FTB」を用い、接着樹脂としては三井化学製「アドマー QF500」を用いた。
得られた多層シートについて、株式会社村上色彩技術研究所製ヘイズメーター「MURAKAMI HR-100」を用いてASTM D1003-61に従ってヘイズを測定した。結果を表1に示す。なお、比較例6についてはEVOH樹脂組成物ペレットの代わりに、EVOH樹脂(株式会社クラレ製「エバール L171」)を原料として用いた。
(3)レトルト処理後のヘイズ測定
(2)で得られた多層シートに、株式会社日阪製作所製「RCS-60」を用いて120℃30分間熱水に浸漬することでレトルト処理を行い、取り出した直後の多層シートについて、(2)と同様の方法でレトルト処理後のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
(4)レトルト処理後の酸素透過速度(OTR)
(2)で得られた多層シートを、株式会社日阪製作所製「RCS-60」を用いて120℃30分間熱水に浸漬することでレトルト処理を行い、取り出した直後の多層シートを20℃、65%RH(外)/100%RH(内)の条件で24時間調湿した後、同条件下でMocon社製「OX-TORANMODEL2/21」を用いて酸素透過速度を測定した。結果を表1に示す。
実施例1
5Lセパラブルフラスコに純水930g及びメタノール930gを加え、混合溶媒を作製した。得られた混合溶媒にリン酸フェニル二ナトリウム二水和物(富士フィルム和光純薬工業社製)を140g加え溶解させた。得られた溶液にEVOH樹脂(株式会社クラレ製「エバール L171」)を1100g加え、90℃で撹拌しながら溶解させた。得られた溶液はペースト状の粘性の高い液体であった。得られた溶液を0℃の水/メタノール=90/10(質量比)の溶液中に連続的に押出してストランド状に析出させた後、得られたストランドをカットして含水EVOH樹脂組成物チップ(含水率145質量%)を得た。得られた含水EVOH樹脂組成物チップをスチーム乾燥機に入れて80℃で3時間乾燥を行い、さらに熱風乾燥機に入れて80℃で3時間乾燥を行い、ついで120℃で15時間乾燥を行った。乾燥後、EVOH樹脂組成物チップを用い、株式会社東洋精機製作所製20mm押出機「D2020」(D(mm)=20、L/D=20、圧縮比=2.0、スクリュー:フルフライト)を使用し、以下の条件にてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。なお、溶融混練時に押出機内の腐食は見られなかった。
シリンダー温度:供給部180℃、圧縮部220℃、計量部220℃
ダイ温度:220℃
スクリュー回転数:120rpm
吐出量:2.1kg/時間
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
実施例2~7、比較例2、比較例5
EVOH(A)の含有量並びに金属塩(B)の種類及び含有量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。なお、実施例2~7および比較例2では溶融混練時に押出機内に腐食は見られなかったが、比較例5では溶融混練時に押出機内に腐食が見られた。
実施例8
実施例1と同様にして、乾燥したEVOH樹脂組成物チップを得た。得られたEVOH樹脂組成物チップ950g、ポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製「宇部ナイロン SF1018A」)50g及びステアリン酸マグネシウム(富士フィルム和光純薬工業社製)2.9gを混合した後、株式会社東洋精機製作所製25mm押出機「D2020」(D(mm)=25、L/D=25、圧縮比=2.0、スクリュー:同方向完全噛合型)を使用し、以下の条件にてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。なお、溶融混練時に押出機内の腐食は見られなかった。
シリンダー温度:供給部180℃、圧縮部230℃、計量部230℃
ダイ温度:220℃
フィーダー回転数:37rpm
スクリュー回転数:100rpm
吐出量:2.5kg/時間
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
実施例9
5Lセパラブルフラスコに純水930g及びメタノール930gを加え、混合溶媒を作製した。得られた混合溶媒にEVOH樹脂(株式会社クラレ製「エバール L171」)を1100g加え、90℃で撹拌しながら溶解させた。得られた溶液を0℃の水/メタノール=90/10(質量比)の溶液中に連続的に押出してストランド状に析出させた後、得られたストランドをカットした後、大量の水を加えて洗浄する操作を3回行い、含水EVOH樹脂チップ(含水率143質量%)を得た。
次に、10Lのポリバケツに純水6200g及びリン酸フェニル二ナトリウム二水和物(富士フィルム和光純薬工業社製)780gを加え水溶液を作製した。得られた水溶液に、上記含水EVOH樹脂チップ(含水率143質量%)1800gを加え、20℃で4時間撹拌した。その後、含水EVOH樹脂組成物チップを水溶液から取り出し、熱風乾燥機に入れて80℃で3時間乾燥を行い、さらに120℃で15時間乾燥を行った。乾燥後、EVOH樹脂組成物チップを用い、株式会社東洋精機製作所製20mm押出機「D2020」(D(mm)=20、L/D=20、圧縮比=2.0、スクリュー:フルフライト)を使用し、以下の条件にてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。なお、溶融混練時に押出機内の腐食は見られなかった。
シリンダー温度:供給部180℃、圧縮部220℃、計量部220℃
ダイ温度:220℃
スクリュー回転数:120rpm
吐出量:2.1kg/時間
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
実施例10
5Lセパラブルフラスコに純水930g及びメタノール930gを加え、混合溶媒を作製した。得られた混合溶媒にEVOH樹脂(株式会社クラレ製「エバール L171」)を1100g加え、90℃で撹拌しながら溶解させた。得られた溶液を0℃の水/メタノール=90/10(質量比)の溶液中に連続的に押出してストランド状に析出させた後、得られたストランドをカットした後、大量の水を加えて洗浄する操作を3回行い、含水EVOH樹脂チップ(含水率143質量%)を得た。同様の操作をさらに10回繰り返し行い、含水EVOH樹脂チップ(含水率143質量%)を合計11,000g得た。得られた含水EVOH樹脂チップを熱風乾燥機に入れて80℃で4時間乾燥を行い、含水EVOH樹脂チップ(含水率5質量%)を得た。
次に、上記含水EVOH樹脂チップ(含水率5質量%)を用い、東芝機械社製二軸押出機「TEM-35BS」(37mmφ、L/D=52.5)を使用し、以下の条件にてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。なお、押出機の圧縮部よりリン酸フェニル二ナトリウム25質量%水溶液を添加し、水をベントより除去した。さらに押出機の圧縮部よりリン酸フェニル二ナトリウム25質量%水溶液を添加し、水をベントより除去した。溶融混練時に押出機内の腐食は見られなかった。
シリンダー温度:供給部110℃、圧縮部200℃、計量部200℃
ダイ温度:200℃
スクリュー回転数:200rpm
吐出量:10.0kg/時間
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
実施例11
リン酸フェニル二ナトリウム二水和物(富士フィルム和光純薬工業社製)を、流動層式ジェットミル(Alpine and Hosokawa Micron Powder Systems製「Hosokawa AFG-400」)を用いて、120℃の対流オーブン内で12時間加熱して乾燥しながら粉砕することでリン酸フェニル二ナトリウム無水物を得た。得られたリン酸フェニル二ナトリウム無水物とEVOH樹脂(株式会社クラレ製「エバール L171」)を、得られる樹脂組成物中のリン酸フェニル二ナトリウムの含有量が10重量%になるように溶融混練した。溶融混練は、株式会社東洋精機製作所製25mm押出機「D2020」(D(mm)=25、L/D=25、圧縮比=2.0、スクリュー:同方向完全噛合型)を使用し、以下の条件にてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。なお、溶融混練時に押出機内の腐食は見られなかった。
シリンダー温度:供給部180℃、圧縮部230℃、計量部230℃
ダイ温度:230℃
フィーダー回転数:170rpm
スクリュー回転数:100rpm
吐出量:6.0kg/時間
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
EVOH(A)の含有量並びに金属塩(B)の種類及び含有量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例9と同様にしてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。なお、溶融混練時に押出機内の腐食は見られなかった。
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
比較例3、4
EVOH(A)の含有量並びに金属塩(B)の種類及び含有量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例10と同様にしてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。なお、溶融混練時に押出機内の腐食は見られなかった。
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007301558000002
表1からわかるように、金属塩(B)を用いることにより、得られる樹脂組成物層を含む多層構造体をレトルト処理した後のガスバリア性に優れる。さらに、金属塩(B)が疎水基を有することで、レトルト処理時の吸水に伴う金属塩の凝集を抑制し、得られる多層構造体の白化を抑制することができる。また、比較例1~4に示すように、疎水基を有さない水和物を形成可能な金属塩を使用した場合には、レトルト処理後に白化が発生する。また、比較例5に示すように、金属塩としてカルボン酸塩を使用した場合には、溶融混練時に押出機内で腐食が発生する。さらに、比較例6に示すように、金属塩を用いない場合には、レトルト処理後のガスバリア性が低下する。このことから、金属塩(B)が水和物を形成することでレトルト処理後のガスバリア性を保つことができ、かつ疎水基を有することにより金属塩の凝集が抑制されし、白化を抑制することができる。

Claims (11)

  1. エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を含む樹脂組成物であって、
    水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)がリン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、スルホン酸塩又はスルフィン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記金属塩(B)の有する疎水基が、フェニル基、4-ニトロフェニル基、2,5-ジヒドロキシベンジル基、ナフチル基及びアルキル基からなる群より選択される少なくとも一つであり、
    前記樹脂組成物における前記エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)と前記金属塩(B)の合計100質量%に対する前記エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)の含有量が80.0~95.0質量%、前記金属塩(B)の含有量が5.0~20.0質量%である、樹脂組成物。
  2. さらにポリアミド(C)を含有し、ポリアミド樹脂(C)の含有量がエチレン-ビニルアルコール共重合体(A)、及び水和物を形成可能な疎水基を有するアルカリ金属塩(B)の合計100質量部に対して、0.1~20.0質量部である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. エチレン―ビニルアルコール共重合体(A)、及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を含む溶解物を析出させる工程を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 水和物を形成可能な疎水基を有するアルカリ金属塩(B)を含む水溶液に、含水率1~200質量%のエチレン―ビニルアルコール共重合体(A)の含水ペレットを浸漬する工程を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  5. エチレン―ビニルアルコール共重合体(A)及び水を含む溶融物に、水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を含む水溶液を添加する工程;及び
    水溶液を添加した溶融物を溶融混練する工程を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  6. エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を溶融混錬する工程を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層構造体。
  8. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物からなる層、及びポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル及びポリアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる層を有する多層構造体の回収物からなる樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有する多層構造体。
  9. 請求項又はに記載の多層構造体からなる包装容器。
  10. 請求項に記載の包装容器に内容物を充填したものからなるレトルト包装容器。
  11. 請求項10に記載のレトルト包装容器を温度70℃以上140℃以下で水蒸気又は熱水で殺菌処理する方法。
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