JP7301558B2 - 樹脂組成物、多層構造体、包装容器及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ガスバリア性に優れ、高温高湿下での耐湿性に優れ、さらにレトルト処理後の多層構造体の白化を抑制できる樹脂組成物を提供することを目的とする。また、該樹脂組成物からなる層を有し、レトルト処理時もガスバリア性の低下が抑制された多層構造体を提供することを目的とする。さらに、該樹脂組成物の好適な製造方法を提供することを目的とする。
水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)がリン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、スルホン酸塩又はスルフィン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む樹脂組成物;
(2)樹脂組成物中にエチレン-ビニルアルコール共重合体(A)を70.0~99.0質量%、及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を1.0~30.0質量%含有する、前記(1)に記載の樹脂組成物;
(3)水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)が芳香環又はアルキル基のいずれかを有する、前記(1)又は(2)に記載の樹脂組成物;
(4)さらにポリアミド(C)を含有し、
ポリアミド樹脂(C)の含有量がエチレン-ビニルアルコール共重合体(A)、及び水和物を形成可能な疎水基を有するアルカリ金属塩(B)の合計100質量部に対して、0.1~20.0質量部である、前記(1)~(3)のいずれかに記載の樹脂組成物;
(5)エチレン―ビニルアルコール共重合体(A)、及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を含む溶解物を析出させる工程を含む、前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法;
(6)水和物を形成可能な疎水基を有するアルカリ金属塩(B)を含む水溶液に、含水率1~200質量%のエチレン―ビニルアルコール共重合体(A)の含水ペレットを浸漬する工程を含む、前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法;
(7)エチレン―ビニルアルコール共重合体(A)及び水を含む溶融物に、水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を含む水溶液を添加する工程;及び
水溶液を添加した溶融物を溶融混練する工程を含む、前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法;
(8)エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を溶融混錬する工程を含む、前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法;
(9)前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層構造体;
(10)前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる層、及びポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル及びポリアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる層を有する多層構造体の回収物からなる樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有する多層構造体;
(11)前記(9)又は(10)に記載の多層構造体からなる包装容器;
(12)前記(11)に記載の包装容器に内容物を充填したものからなるレトルト包装容器;
(13)前記(12)に記載のレトルト包装容器を温度70℃以上140℃以下で水蒸気又は熱水で殺菌処理する方法。
本発明の樹脂組成物に用いられるEVOH(A)のエチレン含有量は15~65モル%が好ましい。エチレン含有量が15モル%未満であると、耐湿性が不十分となり、特にレトルト処理等の高温高湿の条件下での使用に適さない場合がある。エチレン含有量は20モル%以上がより好ましく、25モル%以上がさらに好ましい。エチレン含有量が65モル%を超えると、ガスバリア性が不十分となる場合がある。エチレン含有量は50モル%以下がより好ましく、40モル%以下がさらに好ましい。
水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)(以下、金属塩(B)と略称することがある)は水和物を形成することによって水分を吸収するものであって、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、スルホン酸塩又はスルフィン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。EVOH(A)に金属塩(B)を添加することで、レトルト処理中に樹脂組成物中に浸入する水分を金属塩(B)が取り込み、レトルト処理後も高いガスバリア性を維持することができる。金属塩(B)はリン酸塩、ホスホン酸塩又はホスフィン酸塩が好ましく、複数の水分子を結晶水として含む水和物を形成し、単位重量当たりに吸収できる水の重量が多いことからリン酸塩がより好ましい。リン酸塩は湿度の上昇に伴って形成できる結晶水の分子数が段階的に増加するため、湿度環境の変化に伴って徐々に水分を吸収することができる。
本発明の樹脂組成物はさらにポリアミド(C)を含有し、ポリアミド(C)の含有量はEVOH(A)、及び金属塩(B)の合計100質量部に対して、0.1~20.0質量部であることが好ましい。ポリアミド(C)の含有量が上記範囲であることで本発明の樹脂組成物からなる多層構造体をレトルト処理した際の白化を抑制することができる。ポリアミド(C)の含有量は1.0~15.0質量部がより好ましく、3.0~12.0質量部がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物における、EVOH(A)と金属塩(B)の配合比は(A)と(B)の合計100質量%に対して、(A)が70.0~99.0質量%、(B)が1.0~30.0質量%であることが好ましい。本発明の樹脂組成物では、EVOH(A)が主成分としてマトリックスを形成し、ガスバリア性が確保される。金属塩(B)の含有量が1.0質量%未満であると、樹脂組成物の耐湿性、特に高温高湿下での耐湿性が低下する。金属塩(B)の含有量は3.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上がさらに好ましい。一方、金属塩(B)の含有量が(A)と(B)の合計100重量部に対して30.0質量%を超えると、得られる多層構造体をレトルト処理した後に多層構造体における樹脂組成物層の端部溶出が発生する場合がある。金属塩(B)の含有量は20.0質量%以下がより好ましく、15.0質量%以下がさらに好ましい。
(1)EVOH(A)及び金属塩(B)を溶媒中で混合して混合ペーストを調製し、ストランド析出した後、ペレタイズして乾燥させる方法。
(2)含水EVOH(A)ペレットを金属塩(B)を含有する溶液に浸漬する方法。
(3)EVOH(A)及び水を含む溶融物に、金属塩(B)を押出機内で添加して溶融混練する方法。
(4)EVOH(A)及び粉砕乾燥した金属塩(B)を押出機内で溶融混練する方法。
溶媒としてはEVOH(A)及び金属塩(B)の双方が溶解する溶媒が好適に使用される。残留溶媒を容易に除去できる観点から水、アルコール並びに水及びアルコールの混合溶媒が好適に使用され、中でも、水及びメタノールの混合溶媒が特に好適に使用される。
含水EVOH(A)の含水量はEVOHの固形分に対して1~200質量%であることが好ましい。含水EVOH(A)の含水量が1質量%未満であると、含水EVOH(A)を金属塩(B)を含む水溶液中に浸漬しても金属塩(B)が含水EVOH(A)に十分取り込まれない場合がある。含水EVOHの含水量は20質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましい。含水EVOH(A)の含水量が200質量%を超えると、含水EVOH(A)に金属塩(B)が安定して取り込まれない場合がある。含水EVOH(A)の含水量は150質量%以下がより好ましい。
用いるEVOH(A)は含水状態であってもよく、乾燥状態であってもよい。EVOH(A)が含水状態の場合、例えば含水EVOH(A)の含水量は、EVOHの固形分に対して200質量%未満であることが好ましい。含水EVOH(A)の含水量が200質量%以上であると、押出機供給部にて水蒸気が逆流し、樹脂同士が膠着する場合がある。含水EVOH(A)の含水量は150質量%以下がより好ましく、100質量%以下がさらに好ましい。
金属塩(B)は粗大粒子を含まない方がよく、特定の粒径分布あるいは特定の平均粒径を有する粉体が好適に使用される。このような粉体を製造する方法は特に限定されないが、溶融混練する前に、予め金属塩(B)を粉砕することが好ましい。粉砕装置としては、例えばジェットミル、ボールミル、カッティングミル、衝撃粉砕機等が挙げられる。中でも、ジェットミル、特に流動層式ジェットミルが好適に使用される。流動層式ジェットミルでは、対向ジェットエアーの衝突によって粒子同士を衝突させることで、金属による汚染を防ぎながら粒子を粉砕することができる。また、粉砕装置は分級機を内蔵することが好ましい。内蔵される分級機としては、マルチホイール分級機が好ましく、これによって、シャープな粒度分布の粉体を効率よく得ることができる。
本発明の樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層構造体も、本発明の好適な実施態様である。多層構造体の層構成としては、熱可塑性樹脂層をX層、本発明の樹脂組成物からなる層をY、接着性樹脂層をZで表わすと、X/Y、X/Y/X、X/Z/Y、X/Z/Y/Z/X、X/Y/X/Y/X、X/Z/Y/Z/X/Z/Y/Z等が挙げられるが、これらに他の層を適宜付加することは何ら差支えなく上記の例に限定されるものではない。複数の他の樹脂からなる層を設ける場合は、互いに異なった種類でもよく、同じものでもよい。さらに、多層構造体を成形する際に発生するトリム等のスクラップからなる回収物からなる樹脂組成物層を別途設けてもよく、回収物からなる樹脂組成物を他の樹脂からなる層にブレンドして用いてもよい。多層構造体の厚みは特に限定されないが、成形性及びコスト等の観点から、全層厚みに対する本発明の樹脂組成物層Yの厚みの占める割合は2~20%が好ましい。
(1)多層構造体(シート又はフィルム等)を一軸又は二軸方向に延伸し、必要に応じて熱処理することによる多層共延伸シート又はフィルム
(2)多層構造体(シート又はフィルム等)を圧延することによる多層圧延シート又はフィルム
(3)多層構造体(シート又はフィルム等)を真空成形、圧空成形、真空圧空成形等、熱成形加工することによる多層トレーカップ状容器
(4)多層構造体(パイプ等)からのストレッチブロー成形等によるボトル、カップ状容器
(5)多層構造体(パリソン等)からの二軸延伸ブロー成形等によるボトル状容器
メトラー・トレド社のハロゲン水分率分析装置「HR73」を用い、乾燥温度180℃、乾燥時間20分、サンプル量約10gの条件で、含水EVOH樹脂ペレットの含水率を測定した。なお、含水EVOHの含水率は、EVOHの乾燥質量基準の質量%である。
各実施例及び比較例で得られたEVOH樹脂組成物ペレットを原料とし、3種5層共押出機を用いて、ポリプロピレン(PP)層(210μm)/接着樹脂層(20μm)/EVOH樹脂組成物層(40μm)/接着樹脂層(20μm)/PP層(210μm)の5層構成になるように製膜し、多層シートを作製した。PPとしては日本ポリプロ社製「ノバテック EG7FTB」を用い、接着樹脂としては三井化学製「アドマー QF500」を用いた。
得られた多層シートについて、株式会社村上色彩技術研究所製ヘイズメーター「MURAKAMI HR-100」を用いてASTM D1003-61に従ってヘイズを測定した。結果を表1に示す。なお、比較例6についてはEVOH樹脂組成物ペレットの代わりに、EVOH樹脂(株式会社クラレ製「エバール L171」)を原料として用いた。
(2)で得られた多層シートに、株式会社日阪製作所製「RCS-60」を用いて120℃30分間熱水に浸漬することでレトルト処理を行い、取り出した直後の多層シートについて、(2)と同様の方法でレトルト処理後のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
(2)で得られた多層シートを、株式会社日阪製作所製「RCS-60」を用いて120℃30分間熱水に浸漬することでレトルト処理を行い、取り出した直後の多層シートを20℃、65%RH(外)/100%RH(内)の条件で24時間調湿した後、同条件下でMocon社製「OX-TORANMODEL2/21」を用いて酸素透過速度を測定した。結果を表1に示す。
5Lセパラブルフラスコに純水930g及びメタノール930gを加え、混合溶媒を作製した。得られた混合溶媒にリン酸フェニル二ナトリウム二水和物(富士フィルム和光純薬工業社製)を140g加え溶解させた。得られた溶液にEVOH樹脂(株式会社クラレ製「エバール L171」)を1100g加え、90℃で撹拌しながら溶解させた。得られた溶液はペースト状の粘性の高い液体であった。得られた溶液を0℃の水/メタノール=90/10(質量比)の溶液中に連続的に押出してストランド状に析出させた後、得られたストランドをカットして含水EVOH樹脂組成物チップ(含水率145質量%)を得た。得られた含水EVOH樹脂組成物チップをスチーム乾燥機に入れて80℃で3時間乾燥を行い、さらに熱風乾燥機に入れて80℃で3時間乾燥を行い、ついで120℃で15時間乾燥を行った。乾燥後、EVOH樹脂組成物チップを用い、株式会社東洋精機製作所製20mm押出機「D2020」(D(mm)=20、L/D=20、圧縮比=2.0、スクリュー:フルフライト)を使用し、以下の条件にてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。なお、溶融混練時に押出機内の腐食は見られなかった。
シリンダー温度:供給部180℃、圧縮部220℃、計量部220℃
ダイ温度:220℃
スクリュー回転数:120rpm
吐出量:2.1kg/時間
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
EVOH(A)の含有量並びに金属塩(B)の種類及び含有量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。なお、実施例2~7および比較例2では溶融混練時に押出機内に腐食は見られなかったが、比較例5では溶融混練時に押出機内に腐食が見られた。
実施例1と同様にして、乾燥したEVOH樹脂組成物チップを得た。得られたEVOH樹脂組成物チップ950g、ポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製「宇部ナイロン SF1018A」)50g及びステアリン酸マグネシウム(富士フィルム和光純薬工業社製)2.9gを混合した後、株式会社東洋精機製作所製25mm押出機「D2020」(D(mm)=25、L/D=25、圧縮比=2.0、スクリュー:同方向完全噛合型)を使用し、以下の条件にてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。なお、溶融混練時に押出機内の腐食は見られなかった。
シリンダー温度:供給部180℃、圧縮部230℃、計量部230℃
ダイ温度:220℃
フィーダー回転数:37rpm
スクリュー回転数:100rpm
吐出量:2.5kg/時間
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
5Lセパラブルフラスコに純水930g及びメタノール930gを加え、混合溶媒を作製した。得られた混合溶媒にEVOH樹脂(株式会社クラレ製「エバール L171」)を1100g加え、90℃で撹拌しながら溶解させた。得られた溶液を0℃の水/メタノール=90/10(質量比)の溶液中に連続的に押出してストランド状に析出させた後、得られたストランドをカットした後、大量の水を加えて洗浄する操作を3回行い、含水EVOH樹脂チップ(含水率143質量%)を得た。
シリンダー温度:供給部180℃、圧縮部220℃、計量部220℃
ダイ温度:220℃
スクリュー回転数:120rpm
吐出量:2.1kg/時間
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
5Lセパラブルフラスコに純水930g及びメタノール930gを加え、混合溶媒を作製した。得られた混合溶媒にEVOH樹脂(株式会社クラレ製「エバール L171」)を1100g加え、90℃で撹拌しながら溶解させた。得られた溶液を0℃の水/メタノール=90/10(質量比)の溶液中に連続的に押出してストランド状に析出させた後、得られたストランドをカットした後、大量の水を加えて洗浄する操作を3回行い、含水EVOH樹脂チップ(含水率143質量%)を得た。同様の操作をさらに10回繰り返し行い、含水EVOH樹脂チップ(含水率143質量%)を合計11,000g得た。得られた含水EVOH樹脂チップを熱風乾燥機に入れて80℃で4時間乾燥を行い、含水EVOH樹脂チップ(含水率5質量%)を得た。
シリンダー温度:供給部110℃、圧縮部200℃、計量部200℃
ダイ温度:200℃
スクリュー回転数:200rpm
吐出量:10.0kg/時間
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
リン酸フェニル二ナトリウム二水和物(富士フィルム和光純薬工業社製)を、流動層式ジェットミル(Alpine and Hosokawa Micron Powder Systems製「Hosokawa AFG-400」)を用いて、120℃の対流オーブン内で12時間加熱して乾燥しながら粉砕することでリン酸フェニル二ナトリウム無水物を得た。得られたリン酸フェニル二ナトリウム無水物とEVOH樹脂(株式会社クラレ製「エバール L171」)を、得られる樹脂組成物中のリン酸フェニル二ナトリウムの含有量が10重量%になるように溶融混練した。溶融混練は、株式会社東洋精機製作所製25mm押出機「D2020」(D(mm)=25、L/D=25、圧縮比=2.0、スクリュー:同方向完全噛合型)を使用し、以下の条件にてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。なお、溶融混練時に押出機内の腐食は見られなかった。
シリンダー温度:供給部180℃、圧縮部230℃、計量部230℃
ダイ温度:230℃
フィーダー回転数:170rpm
スクリュー回転数:100rpm
吐出量:6.0kg/時間
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
EVOH(A)の含有量並びに金属塩(B)の種類及び含有量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例9と同様にしてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。なお、溶融混練時に押出機内の腐食は見られなかった。
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
EVOH(A)の含有量並びに金属塩(B)の種類及び含有量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例10と同様にしてEVOH樹脂組成物ペレットを得た。なお、溶融混練時に押出機内の腐食は見られなかった。
得られたEVOH樹脂組成物ペレットについて上述の通り各種物性値を評価した。結果を表1に示す。
Claims (11)
- エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を含む樹脂組成物であって、
水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)がリン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、スルホン酸塩又はスルフィン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
前記金属塩(B)の有する疎水基が、フェニル基、4-ニトロフェニル基、2,5-ジヒドロキシベンジル基、ナフチル基及びアルキル基からなる群より選択される少なくとも一つであり、
前記樹脂組成物における前記エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)と前記金属塩(B)の合計100質量%に対する前記エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)の含有量が80.0~95.0質量%、前記金属塩(B)の含有量が5.0~20.0質量%である、樹脂組成物。 - さらにポリアミド(C)を含有し、ポリアミド樹脂(C)の含有量がエチレン-ビニルアルコール共重合体(A)、及び水和物を形成可能な疎水基を有するアルカリ金属塩(B)の合計100質量部に対して、0.1~20.0質量部である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- エチレン―ビニルアルコール共重合体(A)、及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を含む溶解物を析出させる工程を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 水和物を形成可能な疎水基を有するアルカリ金属塩(B)を含む水溶液に、含水率1~200質量%のエチレン―ビニルアルコール共重合体(A)の含水ペレットを浸漬する工程を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
- エチレン―ビニルアルコール共重合体(A)及び水を含む溶融物に、水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を含む水溶液を添加する工程;及び
水溶液を添加した溶融物を溶融混練する工程を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。 - エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)及び水和物を形成可能な疎水基を有する金属塩(B)を溶融混錬する工程を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層構造体。
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物からなる層、及びポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル及びポリアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる層を有する多層構造体の回収物からなる樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有する多層構造体。
- 請求項7又は8に記載の多層構造体からなる包装容器。
- 請求項9に記載の包装容器に内容物を充填したものからなるレトルト包装容器。
- 請求項10に記載のレトルト包装容器を温度70℃以上140℃以下で水蒸気又は熱水で殺菌処理する方法。
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