JP4179404B2 - 成形物のスクラップを回収する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)(以下、EVOHと記す場合がある。)と熱可塑性樹脂(D)とを含む成形物を回収する方法に関する。また、本発明はこの回収した樹脂組成物を用いる、外観が美麗で、耐衝撃性、透明性、溶融成形性、ガスバリアー性に優れる多層構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
EVOHは優れたガスバリアー性を有しており、食品や医薬品等、品質の保持が重要視される内容物を包装する材料として好適に用いられている。しかし、EVOHは防湿性、柔軟性等に劣ることから、防湿性、機械的特性に優れる熱可塑性樹脂、特にポリオレフィン系樹脂(以下、POと略記することがある)と積層されて用いられている。この様な多層プラスチック構造体を製造する際、シート、フィルム等の製膜においては、製品のクズや端部あるいは不良品が、ボトル等のブロー成形ではピンチオフによりバリが、また、カップ成形の場合には、打ち抜きクズ等のリグラインド(スクラップ)が必然的に発生し、その再生利用がコスト及び省資源の見地から必要とされている。
【0003】
このリグラインドを有効に再利用するために、主材料のポリオレフィン等の熱可塑性樹脂層にリグラインドを混合して利用する方法(特公昭59−29409号)、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂層とEVOH層との間にリグラインド層を介在させる方法(特開昭59−101338号)が提案されている。しかしながら、多くの熱可塑性樹脂、特にポリオレフィン系樹脂とEVOHとを含むリグラインド樹脂を同時溶融押出成形する場合、EVOHが劣化する傾向にある。例えば、混合溶融押出に際しては押出機内部における黒色状付着物(焦げ)等が生じ、あるいは押出に際しダイリップ等に付着するゲル状物質(目ヤニ)等が生じる。さらに、不均一な相分離異物、あるいは流動異常が生じ、またこれにより容器の外観特性の低下、樹脂分解物の臭い等の発生、耐衝撃性等の機械特性の低下等があり、押出成形は実質的に全く実施できないか、出来ても短時間しか運転できない場合が多いのが実情である。
【0004】
また、特開昭49−57086号(米国特許第3931449)には、低密度ポリエチレンとEVOHに、主鎖または側鎖にカルボニル基を有する熱可塑性重合体(アイオノマー、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、エチレン−無水マレイン酸共重合体など)を配合することにより加工性が改善されることが記載されている。また、特開平3−72539号(EP401666)には、ポリオレフィンとEVOHに、高エチレン含有EVOHと不飽和カルボン酸をグラフト変性したポリオレフィン等を配合することにより、成形物の外観を改善することが記載されている。さらに、特開平5−98084号には、ポリオレフィンとEVOHに不飽和カルボン酸で変性したポリオレフィンを配合することにより耐環境応力亀裂性が改善される記載があるが、その性能には、未だ改善の余地が残されている。
【0005】
また、特開平5−147177号には、リグラインドとしてEVOH(x1)、ポリオレフィン系樹脂(x2)、ポリオレフィン系樹脂にエチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト反応させたものに更にポリアミドを反応させてなるグラフト重合体(x3)を用いて得られた多層構造体の平滑性、耐衝撃性について記載がある。しかしながら、透明性についての記載はない。さらに特開平8−27332号では、リグラインドとしてポリオレフィン系樹脂(y1)、EVOH(y2)、オレフィン−不飽和カルボン酸無水物―不飽和カルボン酸エステルまたはビニルエステル共重合体(y3)を用いているが、透明性についての記載はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、リグラインド等のスクラップ組成物を有効に回収、再利用し、波模様のない、外観美麗で、しかも、耐衝撃性、透明性、溶融成形性、ガスバリア性に優れた多層構造体を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下に説明する本発明で解決される。
【0008】
本発明は、ポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)とを相容化剤として使用し、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と11以下の溶解性パラメーター(Fedorsの式から算出)を有する前記樹脂以外の熱可塑性樹脂(D)とを含有する成形物のスクラップを回収する方法に関する。
【0009】
好ましい実施態様では、前記ポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)と前記エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と前記熱可塑性樹脂(D)とが、回収樹脂組成物の配合比として、以下の式(1)〜(4):
0.001≦W(A)/W(T)≦0.49 (1)
0.01≦W(B+C)/W(T)≦0.30 (2)
0.50≦W(D)/W(T) (3)
0.01≦W(B)/W(B+C)≦0.99 (4)
(但し、W(A);組成物中の(A)の重量
W(B);組成物中の(B)の重量
W(B+C);組成物中の(B)と(C)との合計重量
W(D);組成物中の(D)の重量
W(T);組成物の合計重量)
を満足するように配合されてなる。
【0010】
さらに、本発明は、上記方法で回収されたスクラップ回収層を少なくとも一層含む、多層構造体に関する。好ましい実施態様では、本発明の多層構造体のヘイズが20%以下である。
【0011】
そして、本発明は、上記多層構造体からなるフィルムまたはシート、チューブ容器および熱成形容器に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と11以下の溶解性パラメーター(Fedorsの式から算出)を有する熱可塑性樹脂(D)とを含有する成形物のスクラップを回収する方法においては、ポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)の2成分を相容化剤として使用することが最大の特徴である。ポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)とを組合せて使用することにより、EVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)との間の相容性を著しく改善し、優れた特性を有する樹脂組成物として回収することができる。
【0013】
ここで、EVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)とを含有する成形物は、EVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)とを主成分とするものが好ましい。主成分というときは、EVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)との合計量が成形物中で50重量%またはそれ以上である場合をいう。
【0014】
本発明の回収方法は、EVOH(A)、ポリアミド樹脂(B)、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)及び熱可塑性樹脂(D)の4成分からなる回収樹脂組成物が得られるのであれば、その方法に特に限定されない。
【0015】
なかでも、ポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)とのブレンド物をEVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)とを含有する(あるいは主成分とする)成形物、特に多層体、に加えることが、本発明の目的を効果的に達成する上で好ましい。この理由は必ずしも明らかではないが、EVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)の相容化剤として働くポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)のブレンド物を予め作製しておくことにより、EVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)の相容性が向上し、4成分からなる樹脂組成物が安定したモルフォロジーを形成するためと思われる。具体的には、ポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)とを溶融混合−冷却−ペレット化した後、EVOH(A)とポリオレフィン(D)とを含有する(あるいは主成分とする)成形物(特に多層体)にドライブレンドし、単軸または二軸スクリュー押出機などでペレット化し、乾燥する方法等があげられる。
【0016】
また、ポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)とを予めブレンドせずに、EVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)とを含有する成形物にドライブレンドしても構わない。
【0017】
また、ポリアミド樹脂(B)を、EVOH(A)、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)および熱可塑性樹脂(D)を含有する成形物(特に多層体)に添加しても良く、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)を、EVOH(A)、ポリアミド樹脂(B)および熱可塑性樹脂(D)を含有する成形物(特に多層体)に添加しても良い。これらの成形物(特に多層体)はEVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)とを主成分とすることが好ましい。さらに、EVOH(A)、ポリアミド樹脂(B)、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)および熱可塑性樹脂(D)からなる成形物(特に多層体)を回収することもできる。この場合、相容化剤としてポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)とを単独で用いても良く、組合わせて用いても良いし、改めて添加する必要がない場合もある。
【0018】
このような場合、相容化剤と成形物(多層体)とを同時に、単軸または二軸スクリュー押出機などでペレット化し、乾燥すればよい。
【0019】
なお、分散状態を均一なものとし、ゲル、ブツの発生や混入を防止するためには、混練ペレット化操作時に混練度の高い押出機を使用し、ホッパー口を窒素シールし、低温で押出すことが望ましい。
【0020】
以上の回収方法で、EVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)とを含有する(あるいは主成分とする)成形物、特に、多層構造体が回収され、EVOH(A)、ポリアミド樹脂(B)、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)および熱可塑性樹脂(D)の4成分を有する樹脂組成物が得られる。得られた樹脂組成物は、スクラップ回収層として、再度、多層構造体に使用される。このスクラップ回収層を有する多層構造体は、外観が美麗で、耐衝撃性、透明性、溶融成形性、ガスバリアー性に優れる。
【0021】
まず、相容化剤として用いられるポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)とについて説明する。
【0022】
本発明で用いられるポリアミド樹脂(B)は、アミド結合を有する重合体であって、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン−6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6,12)の如き単独重合体、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸重合体(ナイロン−6/11)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸重合体(ナイロン−6,9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,12)、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとの重合体、あるいはヘキサメチレンジアミンとm,p−フタル酸との重合体である芳香族系ナイロンなどが挙げられる。これらのポリアミド樹脂は、それぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
【0023】
EVOH(A)との相容性の点から、これらのポリアミド樹脂(B)のうち、ナイロン6成分を含むポリアミド樹脂(例えば、ナイロン−6、ナイロン−6,12、ナイロン−6/12、ナイロン−6/6,6等)が好ましい。EVOHとポリアミド樹脂は高温での溶融過程で反応してゲル化するため、ブレンド組成物(スクラップ回収樹脂)の熱劣化を抑制する点から、ポリアミド樹脂(B)の融点は240℃以下が好ましく、230℃以下であることがより好ましい。
【0024】
本発明に用いられるポリアミド樹脂(B)の好適なメルトフローレート(MFR)(210℃、2160g荷重下)は0.1〜50g/10min.、最適には0.5〜30g/10min.である。但し、融点が210℃付近あるいは210℃を超えるものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、210℃に外挿した値で表す。
【0025】
本発明に用いられるオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)とは、オレフィン、特にα−オレフィンと不飽和カルボン酸とからなる共重合体のことをいい、分子中にカルボキシル基を有するポリオレフィンおよびポリオレフィン中に含有されるカルボキシル基の全部あるいは一部が金属塩の形で存在しているものも含まれる。
【0026】
オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)のベースとなるポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)および超低密度ポリエチレン(VLDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の各種ポリオレフィンが挙げられる。
【0027】
本発明に用いられるオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)の中でも、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸またはその無水物をランダム共重合して得られる重合体またはその金属塩が好ましく、エチレンと不飽和カルボン酸またはその無水物がランダムに共重合していることがさらに望ましい。ランダム共重合体またはその金属塩がグラフト化合物よりも優れている理由は、グラフト化合物では、相容性を発揮するのに必要な高い酸含有量を得ることが難しいためである。さらに、不飽和カルボン酸、例えば無水マレイン酸のグラフト化合物の場合は、EVOH中の水酸基とグラフト共重合体中のカルボキシル基が反応して、ゲル・フィッシュアイの原因となるため、好ましくない場合がある。特に長時間に渡る溶融成形を行う場合にゲル・ブツの発生が顕著となり易い。また、本樹脂組成物において、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体より、その金属塩を用いる方が優れている。その理由は明確でないが、金属塩の方が極性が高くなるために、ポリアミド樹脂に対する相容性が増すためと考えられる。
【0028】
不飽和カルボン酸またはその無水物の含有量は、好ましくは2〜15モル%、より好ましくは3〜12モル%である。不飽和カルボン酸含有量が、この範囲以外では、回収した樹脂組成物の十分な透明性が得にくくなる。不飽和カルボン酸またはその無水物としては、アクリル酸、メタアクリル酸、エタアクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸などが例示され、特にアクリル酸あるいはメタアクリル酸が好ましい。また、共重合体に含有されても良い他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸イソブチル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素などが例示される。
【0029】
オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体の金属塩における金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛などの遷移金属が例示され、特に亜鉛を用いた場合がポリアミド樹脂に対する相容性の点で好ましい。オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体の金属塩における中和度は、100%以下、特に90%以下、さらに70%以下の範囲が望ましい。中和度の下限値については、通常5%以上、特に10%以上、さらには30%以上が望ましい。
【0030】
本発明に用いるオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)の好適なメルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷重下)は、好ましくは0.05〜50g/10min.、さらに好ましくは0.5〜30g/10min.である。これらのオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)は、それぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
【0031】
EVOH(A)は、エチレンとビニルエステルからなる共重合体を、アルカリ触媒等を用いてケン化して得られる。ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとして挙げられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。また、EVOHは共重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有していてもよい。ここで、ビニルシラン系化合物としては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシランが挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。さらに、本発明の目的が阻害されない範囲で、他の共単量体、例えば、プロピレン、ブチレン、あるいは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルもしくは(メタ)アクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸またはそのエステル、及び、N−ビニルピロリドンなどのビニルピロリドンが共重合されたものであってもよい。
【0032】
EVOH(A)のエチレン含量は20〜60モル%が好ましく、25〜55モル%がより好ましく、さらに好ましくは、25〜50モル%である。エチレン含量が20モル%未満では、高湿度下でのガスバリア性が低下しやすくなる。また60モル%を超えると十分なガスバリア性が得られにくくなる。また、かかるEVOHが2種類以上の混合物であっても良い。この場合には、配合重量比から算出される平均値をエチレン含量とする。
【0033】
また、EVOH(A)のケン化度は特に限定されるものではないが、単体、もしくは2種類以上のEVOHのブレンド系、いずれにおいても90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましく、99モル%以上であることがガスバリアの観点から最適である。
【0034】
さらに、EVOH(A)がホウ素化合物を含有する場合にも、得られる回収樹脂組成物の溶融粘性が改善され、ブレンドに際し分散性が改善されるだけでなく、均質な共押出多層フィルムまたはシートの製造の面でも有効である。ここでホウ素化合物としては、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ素類等が挙げられる。具体的には、ホウ酸類としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げられ、ホウ酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ホウ砂などが挙げられる。これらの化合物うちでもオルトホウ酸、NaBH4が好ましい。樹脂組成物の回収時に、ホウ素化合物を添加してもよい。
【0035】
ホウ素化合物の含有量はホウ素元素換算で20〜2000ppmが好ましく、より好ましくは50〜1000ppmである。この範囲にあることで加熱溶融時のトルク変動が抑制されたEVOHを得ることができる。20ppm未満ではそのような効果が小さく、2000ppmを超えるとゲル化しやすく、成形性不良となる場合がある。
【0036】
また、EVOH(A)が、アルカリ金属塩をアルカリ金属元素換算で5〜5000ppm含有していても特に問題はなく、むしろ、含有することが、相容性の改善のために効果的であることから好ましい。また、アルカリ金属塩を含有させることにより、得られる回収樹脂組成物の焦げ、目ヤニなどの流動異常が防止され、そのためスクラップの回収性能が大幅に改善される。アルカリ金属塩は、回収時に添加されてもよい。
【0037】
アルカリ金属塩のより好適な含有量は、アルカリ金属元素換算で20〜1000ppm、さらには30〜500ppmである。ここでアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどがあげられ、アルカリ金属塩としては、一価金属の脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、燐酸塩、金属錯体等が挙げられる。例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、燐酸ナトリウム、燐酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩等が挙げられる。中でも酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、燐酸ナトリウムが好適である。
【0038】
また、EVOH(A)がリン化合物を含有していてもよい。リン化合物は、リン元素換算で2〜200ppm、より好適には3〜150ppm、最適には5〜100ppm含有することが好ましい。EVOH中のリン濃度が2ppmより少ない場合や200ppmより多い場合には、溶融成形性や熱安定性に問題を生じることがある。特に、長時間にわたる溶融成形を行なう際のゲル状ブツの発生や着色の問題が発生しやすくなる。回収時にリン化合物を添加してもよい。
【0039】
配合されるリン化合物の種類は特に限定されるものではない。リン酸、亜リン酸等の各種の酸やその塩等を用いることができる。リン酸塩としては第1リン酸塩、第2リン酸塩、第3リン酸塩のいずれの形で含まれていても良く、そのカチオン種も特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩であることが好ましい。中でも、リン酸2水素ナトリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウムの形でリン化合物を添加することが好ましい。
【0040】
EVOH(A)の好適なメルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷重下)は0.1〜50g/10min.、最適には0.5〜30g/10min.である。但し、融点が190℃付近あるいは190℃を超えるものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿した値で表す。これらのEVOH樹脂は、それぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
【0041】
熱可塑性樹脂(D)は、成分(A)、(B)、(C)とは異なる熱可塑性樹脂であり、溶解性パラメーターが11以下である事が重要である。即ち、熱可塑性樹脂(D)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)の溶解性パラメーター(Fedorsの式から算出)が近いことにより、結果として、4成分(A)、(B)、(C)、(D)間の相容性が向上し、樹脂が回収されやすくなるとともに、多層構造体として用いる場合、優れた性質を付与できる。熱可塑性樹脂(D)の溶解性パラメーターが11を超える場合、4成分(A)、(B)、(C)、(D)間の相容性が低下し、回収性が低下するのみならず、得られる多層構造体の熱成形性、機械強度、透明性等が著しく低下する。
【0042】
溶解性パラメーターが11以下の熱可塑性樹脂(D)として、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。その中でも、ポリオレフィン系樹脂が最も好ましく、高密度もしくは低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1などのα−オレフィンの単独重合体、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1などから選ばれたα−オレフィン同士の共重合体などが例示される。また、α−オレフィンに以下の成分:ジオレフィン、塩化ビニル、酢酸ビニルなどのビニル化合物、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの不飽和カルボン酸エステルなど;を共重合したものも含まれる。また、スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS)等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
【0043】
熱可塑性樹脂(D)の好適なメルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷重下)は、好ましくは0.05〜100g/10分、さらに好ましくは0.05〜50g/10分、最適には0.5〜30g/10分である。但し、融点が190℃付近あるいは190℃を超えるものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿した値で表す。
【0044】
EVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)とを含有する成形物のスクラップを回収する方法において、このポリアミド樹脂(B)およびオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)は、好ましくは、回収樹脂組成物の配合比が、以下の式(1)〜(4)を満足するように、配合される。
【0045】
0.001≦W(A)/W(T)≦0.49 (1)
0.01≦W(B+C)/W(T)≦0.30 (2)
0.50≦W(D)/W(T) (3)
0.01≦W(B)/W(B+C)≦0.99 (4)
(但し、W(A);組成物中の(A)の重量
W(B);組成物中の(B)の重量
W(B+C);組成物中の(B)と(C)との合計重量
W(D);組成物中の(D)の重量
W(T);組成物の合計重量)
(1)〜(4)式はそれぞれ好適には、
0.001≦W(A)/W(T)≦0.29 (1’)
0.01≦W(B+C)/W(T)≦0.15 (2’)
0.70≦W(D)/W(T) (3’)
0.05≦W(B)/W(B+C)≦0.95 (4’)
であり、より好適には、
0.001≦W(A)/W(T)≦0.19 (1”)
0.01≦W(B+C)/W(T)≦0.10 (2”)
0.80≦W(D)/W(T) (3”)
0.10≦W(B)/W(B+C)≦0.90 (4”)
である。
【0046】
W(A)/W(T)が0.49を超える場合、回収樹脂組成物全体量のうち熱可塑性樹脂(D)の比率が低下するため、回収樹脂組成物において、本来熱可塑性樹脂(D)の有する溶融成形性、耐衝撃性等の性能が低下する虞がある。また、W(B+C)/W(T)が0.01に満たない場合、熱可塑性樹脂(D)とEVOH(A)との相容性が悪化し、得られる回収樹脂組成物を含む成形品の外観が不良となるばかりでなく、耐衝撃性も低下する虞がある。一方、W(B+C)/W(T)が0.30を超える場合、前述のように相対的に熱可塑性樹脂(D)とEVOH(A)の含量が減り、本発明の目的である回収、再利用が充分に行われない虞がある。
【0047】
本発明は熱可塑性樹脂(D)の回収、再利用を目的とするため、W(D)/W(T)が0.50に満たない場合は、本発明の目的を充分に達成できない。また、W(B)/W(B+C)が0.01に満たない場合、EVOH(A)との相容性が低下するため、充分な耐衝撃性を発揮することが出来ない。一方、W(B)/W(B+C)が0.99を超える場合は、溶融ペレット化時、EVOH(A)との架橋反応が劇的に進行し、ゲル、ブツの発生原因となる。
【0048】
回収される樹脂組成物には、高級脂肪族カルボン酸の金属塩およびハイドロタルサイト化合物の少なくとも1種が含有されていてもよい。EVOH(A)とポリアミド樹脂(B)とが反応することによるEVOH(A)の熱劣化を防ぐ観点からは、含有されていることが好ましい。高級脂肪族カルボン酸の金属塩またはハイドロタルサイト化合物は、回収時に添加してもよい。
【0049】
ここで、ハイドロタルサイト化合物としては特にMxAly(OH)2x+3y−2z(A)z・aH2O(MはMg、CaまたはZn、AはCO3またはHPO4、x、y、z、aは正数)で示される複塩であるハイドロタルサイト化合物を挙げることができる。特に好適なものとして以下のハイドロタルサイト化合物が例示される。
【0050】
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O
Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O
Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O
Mg10Al2(OH)22(CO3)2・4H2O
Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O
Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O
Zn6Al6(OH)16CO3・4H2O
Mg4 . 5Al2(OH)13CO3・3.5H2O
【0051】
また、ハイドロタルサイト化合物として、特開平1−308439号(USP4954557)に記載されているハイドロタルサイト系固溶体である、[Mg0.75Zn0.25]0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.167・0.45H2Oのようなものも用いることができる。
【0052】
高級脂肪族カルボン酸の金属塩とは炭素数8〜22の高級脂肪酸の金属塩であり、炭素数8〜22の高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸などがあげられ、また金属としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウムなどがあげられる。このうちマグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属が好適である。
【0053】
これらの高級脂肪族カルボン酸の金属塩およびハイドロタルサイト化合物の含有量は、樹脂組成物の合計重量に対して0.01〜3重量部が好ましく、より好適には0.05〜2.5重量部である。
【0054】
また、回収して得られた樹脂組成物には、他の添加剤(熱安定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、他の樹脂など)が、本発明の目的を阻害しない範囲で使用されてもよい。
【0055】
本発明の方法で回収した樹脂組成物を含む多層構造体からなるフィルムまたはシートを得る方法は、特に限定されない。一般のポリオレフィン等の分野において実施されている成形方法、例えば、Tダイ成形、インフレーション成形、共押出成形、ドライラミネート成形等を採用することができ、特に共押出成形が好適である。また、これら成形方法を組み合わせて、共押出成形にて特定の構成のフィルムまたはシートを作製後、さらにドライラミネート成形を行って、多層フィルムまたはシートを得る方法も採用できる。中でも共押出成形による方法が工程を簡略化でき、製造コストを抑えられる面から好ましい。
【0056】
多層構造体の厚み、構成に関しても特に限定されるものではない。具体的な層構成として、本発明における樹脂組成物をReg、接着剤層をADとすると、EVOH/AD/Reg/PO、EVOH/AD/PO/Reg、EVOH/AD/Reg/AD/PO、PO/AD/EVOH/AD/Reg/PO、Reg/AD/EVOH/AD/Reg/PO、Reg/AD/EVOH/AD/EVOH/AD/POなどの層構成が例示されるがこれらに他の層を適宜付加することは何ら差しつえなく上記の例に限定するものではない。両外層に熱可塑性樹脂層を設ける場合は、異なった種類のものでもよいし、同じものでもよい。
【0057】
また、多層構造体を得るに当たって、他のポリオレフィン成形体のスクラップを混合して使用することもできる。上記の層構成の多層構造体は、ガスバリアー性に優れたEVOHを含有しているので、特にガスバリアー性の要求される食品包装材、医療品(医薬品、医療器具等)包装材、工業材料として有用である。
【0058】
本発明の方法で回収され、得られた樹脂組成物を含む多層構造体は、溶融成形によりフィルム、シート、容器、パイプ、繊維等、各種の成形体に成形される。これらの成形物は再使用の目的で粉砕し、再度成形することも可能である。また、フィルム、シート、繊維等を一軸または二軸延伸することも可能である。溶融成形法としては押出成形、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、射出成形等が可能である。溶融温度は樹脂組成物の組成等により異なるが、150〜270℃程度が好ましい。
【0059】
得られたフィルムまたはシートは、ガスバリア性、溶融成形性及び透明性に優れるので、そのまま包装材料として使用することもできるが、さらに、延伸フィルムとすることもできる。延伸方法は特に限定されないが、得られたフィルムまたはシートを、縦および/または横方向に面積倍率で1.5倍以上に共延伸または共圧延する方法として、例えば、ダブルバブル法、テンター法、ロール法などで一軸または二軸延伸する方法や、ロールで圧延する方法などの適切な方法が例示される。得られた延伸フィルムまたはシートは、ガスバリア性及び透明性に優れるので、そのまま包装材料として使用することもできる。
【0060】
本発明の多層構造体を熱成形用に用いる場合、全体の厚みは特に限定されない。しかしながら、厚みが薄いフィルム状のものを熱成形することは、厚みが厚いシート状のものを熱成形することよりも困難なことが多いので、本発明の回収樹脂組成物を用いる有用性が大である。従って、その場合の多層構造体の厚みは、50〜300μmであることが好ましく、より好ましくは80〜250μmである。全体厚みが300μmを超える場合には、必要以上に容器の重量が大きくなり、コストの点から好ましくない場合がある。また全体厚みが50μm未満では、成形した際に凹部の肉厚が薄くなりすぎ、力学的強度が低く破れやすいので内容物を充分に保護することが出来ない場合がある。
【0061】
なお、多層構造体を用いてフィルムまたはシートを製膜した場合、そのへイズは20%以下であることが好ましい。ヘイズが20%を超える場合、最終商品としての包材を形成した際に、内容物を鮮明に外部より見ることが出来ない問題を生じるおそれがある。
【0062】
本発明の多層構造体からなるチューブ容器は、上記の一般のポリオレフィンの分野における適切な成形法で成形される。得られたチューブ容器は、バリア性、機械強度、透明性に優れているため、食品包装容器、例えば、ツーピースチューブ容器、ワンピースチューブ容器として、有用である。
【0063】
本発明の熱成形容器は、フィルムまたはシートの平面に凹部を形成した形の3次元状に熱成形されてなる容器である。凹部の形状は内容物の形状に対応して決定されるが、特に凹部の深さが深いほど、凹部の形状が滑らかでないほど、通常のEVOH積層体では厚みムラを発生しやすく、コーナー部等が極端に薄くなる。熱成形容器がフィルムまたはシートを成形してなるものである場合、絞り比(S)は、好適には0.2以上、より好適には0.3以上、更に好適には0.4以上のときに本発明の効果はより有効に発揮される。
【0064】
ここで、絞り比(S)とは、下記式(5)で示される値をいう。
S=(容器の深さ)/(容器の開口部に内接する最大形の円の直径)(5)
すなわち、絞り比(S)とは、容器の最深部の深さを、フィルムまたはシートの平面に形成された凹部(開口部)の形状に接する最も大きい内接円の円の直径で割ったものである。例えば、凹部の形状が円である場合にはその直径、楕円である場合にはその短径、長方形である場合にはその短辺の長さがそれぞれ内接する最大形の円の直径となる。
【0065】
得られた多層構造体を熱成形する際の熱成形温度は特に限定されるものではないが、成形する際に充分なだけ樹脂が軟化する温度であればよい。原料シートまたはフィルムによってその好適温度範囲は異なる。シートまたはフィルムを成形する際には、加熱によるシートまたはフィルムの溶解が生じたり、ヒーター板の金属面の凹凸がシートまたはフィルムに転写したりするほど高温にはせず、一方、賦形が充分でないほど低温にしないことが好ましい。具体的な熱成形温度としては、130〜180℃の温度範囲から組み合わせる樹脂に応じて適宜選択される。
【0066】
上述のシートまたはフィルムから成形されてなる本発明の熱成形容器は、各種用途に用いられる。中でも、食品、医薬品、農薬等、酸素の存在によって品質が悪化しやすいものの包装容器、例えばプリン、ゼリー、味噌等のカップとして特に好適である。
【0067】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、これにより本発明が何ら限定されるものではない。
【0068】
実施例1
外層の熱可塑性樹脂(D)として、ポリプロピレン(グランドポリマー製、E102)を、内層のEVOH(A)としてナトリウム元素を重量換算で65ppm含有するEVOH{エチレン含量48モル%、ケン化度99.6%、MFR=33g/10分(210℃、2160g荷重)}を用いて、3層の共押し出しシート(570μm/100μm/570μm)を成形し、得られたシートを粉砕して、スクラップ((A):(D)=10重量部:85重量部)を得た。
【0069】
他方で、ポリアミド樹脂(B)である6/12−ポリアミド(B−1){宇部興産製、UBE7024B}とエチレン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体金属塩(C−1){メタクリル酸(MAA)の含有量:7.5モル%、中和金属:亜鉛、MFR=1.1g/10分(190℃、2160g荷重)}との重量比30/70混合物(以下、N−Ionomerと略する)を、上記スクラップに対して、5重量部加え、ドライブレンドした後、ニーディングディスクを有する30mmφの2軸押出機(日本製鋼所製TEX30:L/D=30)を用いてフィーダー下部のシリンダー温度を200℃、混練部及びノズル付近を220℃に設定し、押出機のスクリューの回転数は300rpm、フィーダーのスクリュー回転数220rpmで、溶融混練しペレット化を行った。
【0070】
得られた樹脂組成物(a1)を用いて、多層シートを作製した。すなわち、樹脂組成物(a1)、EVOH{エチレン量48モル%、ケン化度99.6%、MFR=33g/10分(210℃、2160g荷重)}(a2)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(三井石油化学製、QF−500)(a3)を別々の押出機に仕込みa1/a3/a2/a3/a1(膜厚み:450μm/50μm/250μm/50μm/450μm)の構成を有する全層厚み1250μの多層シートを3種5層の共押出シート成形装置により得た。
【0071】
押出成形は樹脂組成物(a1)が直径65mm、L/D=22の一軸スクリューを備えた押出機を200〜240℃の温度とし、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(a3)は直径40mm、L/D=26の一軸スクリューを備えた押出機を175〜220℃の温度とし、EVOH(a2)は直径40mm、L/D=22の一軸スクリューを備えた押出機を190〜240℃の温度として、フィードブロック型ダイ(幅600mm)を240℃で運転した。
【0072】
得られた多層シートを10×10cmに切り出した後、下記の(1)〜(3)の項目を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0073】
(1)ヘイズ
成形品の一部を切り取り、シリコンオイルを塗布して、村上色彩技術研究所製HR−100を用い、ASTM D1003−61に従ってヘイズ値を測定した。
【0074】
(2)延伸性
得られた樹脂組成物の単層シートを作成後、熱風で1分間予備加熱後、縦方向に110℃で4〜5倍に延伸し、ついで同様に熱風で1分間予備加熱後、横方向に160℃で8〜10倍に延伸し、破れずに延伸できるかどうかを判断した。すなわち、それぞれのサンプルに対して、4×8倍、5×9倍および5×10倍の各延伸倍率で延伸した際の破断状態で、以下の基準で評価した。
○:破断せずに延伸可能。
△:破断することがある。
×:破断する。
【0075】
(3)カール性
延伸して得られた多層延伸フィルムを、延伸後5日間、20℃―65%RHの雰囲気下に放置し、フィルムのカール状況を以下の評価項目に従い評価した。評価したサンプルは、5×10倍に延伸されたものである。
A:全くカールしない。
B:フィルム端部に若干のカールが見られる。
C:フィルムの端部が一巻きほどカールする。
D:激しくカールする。
【0076】
比較例1
実施例1において、N−Ionomerを用いないで樹脂を回収し、得られた樹脂組成物を実施例1と同様に評価した。得られた結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
実施例1のフィルムは、延伸性、ヘイズ、カール性に優れているが、比較例のフィルムは、ヘイズ値が高く、延伸性が高くなく、カール性も悪かった。
【0079】
実施例2
外層の熱可塑性樹脂(D)として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、三井石油化学製、ウルトゼックス3520L)を、内層のEVOH(A)として{エチレン含量32モル%、ケン化度99.6%、MFR=3.1g/10分(210℃、2160g荷重)}を用い、3層の共押し出しシート(560μm/100μm/560μm)を成形し、得られたシートを粉砕して、スクラップ((A):(D)=10重量部:85重量部)を得た。他方で、ポリアミド樹脂(B)である6/12−ポリアミド(B−1)とエチレン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体金属塩(C−1)との混合物であるN−Ionomerを溶融し、上記スクラップ95重量部に対して、5重量部加え、実施例1と同様にして樹脂組成物(b1)のペレットを作製した。
【0080】
得られた樹脂組成物(b1)を用い、特開昭56−25411号公報(特公昭64−7850号)に記載されている射出成形法によるチューブ容器成形機を用いて、射出成形法によりチューブ容器を作製した。樹脂組成物(b1)ペレットを射出成形機に供給して口頭部を作製しつつ、一方で同成形機の金型には、あらかじめ同じ樹脂組成物(b1)で作製した胴部となる筒状チューブを供給した。
【0081】
射出成形機は、35mmφインラインスクリュータイプ射出成形機を用い、シリンダー温度240℃、ノズル温度235℃の条件で口頭部を成形した。得られたチューブ容器の口頭部は、外径35mmφ、口頭部絞り出し口の外径12mmφ、内径7mmφの構成であり、口頭部の肉厚は2mmであった。筒状チューブの構成は、樹脂組成物(b1、厚み150μ)/接着性樹脂(三井石油化学製、アドマーNF−500、厚み20μ)/EVOH{エチレン含量32モル%、ケン化度99.6%、MFR=3.1g/10分(210℃、2160g荷重)、厚み20μ}/接着性樹脂(三井石油化学製、アドマーNF−500、厚み20μ)/樹脂組成物(b1、厚み150μ)であり、環状ダイを用いて共押出法にて作製したものである。
【0082】
こうして得られたチューブ容器を、(4)〜(6)(それぞれ、熱接着性、口頭部の強度、胴部の外観)の評価項目を以下の基準で評価した。得られた結果を表2に示す。
【0083】
(4)熱接着性
チューブ胴部を15mm幅で縦方向に2カ所、それぞれが対向するように口頭部との熱接着部分まで切り、前記胴部切開部分の各端部を引っ張り試験機に取り付け、JISK7127に基づき、20℃−65%RHの条件下で、熱接着部の剥離強度を測定した。
A:3.0kg以上
B:2.5〜3.0kg
C:2.0〜2.5kg
D:2.0kg以下
【0084】
(5)口頭部の強度
20℃−65%RHの条件下で、チューブ容器のキャップ開閉を30回繰り返し、口頭部ネジ部分の欠け、割れなどの破壊状況、口頭部のクラック発生状況を目視及びルーペで観察し、以下のA〜Dの基準で評価した。但し、キャップ締めはトルクメーターを使用し、5kg・cmのトルクで実施した。
A:クラック、欠け、割れの発生なし。
B:微少なクラックの発生をルーペで確認。
C:微少なクラックの発生を目視で確認。
D:微少な欠け、割れの発生を目視で確認。
【0085】
(6)胴部の外観
胴部の外観(表面状態、着色状態、ゲル・フィッシュアイの発生状況)を以下のA〜Dの基準で、目視にて評価した。
A:異常なし。
B:微少なゲル、フィッシュアイ、あるいは表面荒れが発生した。
C:明確なゲル、フィッシュアイ、あるいは表面荒れが部分的に発生した。
D:微少なゲル、フィッシュアイ、あるいは表面荒れが全面に発生した。
【0086】
比較例2
実施例2において、N−Ionomerを用いないで樹脂組成物を回収し、実施例2と同様に評価した。得られた結果を表2に示す。
【0087】
【表2】
【0088】
実施例のチューブ容器は、熱接着性、口頭部の強度および胴部の外観に優れていたが、比較例のチューブ容器は、熱接着性がわるく、口頭部には割れ目が生じ、フィッシュアイが全面に発生した。
【0089】
実施例3
外層の熱可塑性樹脂(D)として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、三井石油化学製、ウルトゼックス3520L)を、内層のEVOH(A)として{エチレン含量32モル%、ケン化度99.6%、MFR=3.1g/10分(210℃、2160g荷重)}を用い、3層の共押出シート(560μm/100μm/560μm)を成形し、得られたシートを粉砕して、スクラップ((A):(D)=10重量部:85重量部)を得た。他方で、ポリアミド樹脂(B)である6/12−ポリアミド(B−1)とエチレン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体金属塩(C−1)との混合物であるN−Ionomerを溶融し、上記スクラップ95重量部に対して、5重量部加え、実施例2と同様にして樹脂組成物(c1)のペレットを作製した。
【0090】
得られた樹脂組成物(c1)と、EVOH{エチレン含量32モル%、ケン化度99.6%、MFR=3.1g/10分(210℃、2160g荷重)}(c2)、無水マレイン酸変性ポリエチレン{MFR=3.3g/10分(210℃、2160g荷重)、三井石油化学製「アドマーSF600」}(c3)、さらにナイロン6(宇部興産製、UBEナイロン1022B)(c4)とする構成で、T型ダイを備えた共押出機にて4種5層(c1/c3/c2/c3/c4=80μ/5μ/20μ/5μ/20μ)で全体厚みが130μmの熱成形用フィルムを得た。
【0091】
こうして得られた熱成形用フィルムを熱成形機(ムルチバック社製R530)にて、ヒーター板温度100℃にて1.5秒間加熱しフィルム温度を約85℃にして、金型形状(タテ:130mm、ヨコ:110mm、深さ:50mmの直方体形状、絞り比S=0.45)に圧縮空気(気圧5kgf/cm2)を用いて成形し、熱成形容器を得た。得られた熱成形容器について、以下の(7)〜(9)の評価を行った。評価結果は表3に示す。
【0092】
(7)落下試験
成形品(タテ:130mm、ヨコ:110mm、深さ:50mmの直方体形状の金型にて成形)に500ccの水を入れ、上面に低密度ポリエチレンフィルム(厚み100μm)を加熱溶着させた。この容器をコンクリート上に落下させ、容器の破壊(容器内部の水が漏れる)する高さを求めた。破壊高さは、n=30の試験結果を用いて、JIS試験法に示される計算方法を用いて、50%破壊高さを求めた。
【0093】
(8)ヘイズ
熱成形フィルムの一部を切り取りシリコンオイルを塗布して、村上色彩技術研究所製HR−100を用い、ASTM D1003−61に従ってヘイズ値を測定した。
【0094】
(9)成形品外観
熱成形容器にて、スジ、シワ、ムラ等に着目して目視にて判定した。
良:A>B>C>D:悪
【0095】
比較例3
実施例3において、N−Ionomerを用いないで樹脂組成物を回収し、実施例3と同様に評価した。得られた結果を表3に示す。
【0096】
【表3】
【0097】
実施例3の熱成形容器は、厚みも均一でムラがなく、機械強度、外観、透明性ともに優れていたが、比較例の熱成形容器は、透明性に欠け、厚みにムラがあり、機械強度も弱かった。
【0098】
【発明の効果】
本発明の方法により、EVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)を含有する成形物が、ポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)とを相容化剤とすることによって効率的に回収され、しかも、回収された樹脂は、機械強度、外観、透明性ともに優れているので、多層構造体に使用されて、厚みが均一で、機械強度、外観、透明性ともに優れているフィルム、シート、チューブ容器、熱成形容器が提供される。
Claims (6)
- ポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)とを相容化剤として使用し、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と11以下の溶解性パラメーター(Fedorsの式から算出)を有する前記樹脂以外の熱可塑性樹脂(D)とを含有する成形物のスクラップを、回収樹脂組成物として回収する方法であって、
該ポリアミド樹脂(B)と該オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)と該エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と該熱可塑性樹脂(D)とが、該回収樹脂組成物の配合比として、以下の式(1)〜(4):
0.001≦W(A)/W(T)≦0.49 (1)
0.01≦W(B+C)/W(T)≦0.30 (2)
0.50≦W(D)/W(T) (3)
0.01≦W(B)/W(B+C)≦0.99 (4)
(但し、W(A);組成物中の(A)の重量
W(B);組成物中の(B)の重量
W(B+C);組成物中の(B)と(C)との合計重量
W(D);組成物中の(D)の重量
W(T);組成物の合計重量)
を満足するように配合されてなる、方法。 - 請求項1に記載の方法で回収された前記回収樹脂組成物を、スクラップ回収層として少なくとも一層含む、多層構造体。
- ヘイズが20%以下である請求項2に記載の多層構造体。
- 請求項2または3に記載の多層構造体からなるフィルムまたはシート。
- 請求項2または3に記載の多層構造体からなるチューブ容器。
- 請求項2または3に記載の多層構造体からなる熱成形容器。
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