JP2002129041A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2002129041A
JP2002129041A JP2000330304A JP2000330304A JP2002129041A JP 2002129041 A JP2002129041 A JP 2002129041A JP 2000330304 A JP2000330304 A JP 2000330304A JP 2000330304 A JP2000330304 A JP 2000330304A JP 2002129041 A JP2002129041 A JP 2002129041A
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resin
titanium oxide
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JP2000330304A
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Shukichi Kawamura
修吉 河村
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性と光線遮蔽機能とを兼備えた樹
脂組成物を得ること。 【解決手段】 バリア性樹脂(A)、平均粒子径0.0
1〜0.9μmの酸化チタン(B)、ハイドロタルサイ
ト類化合物(C)、および炭素数4〜24の高級脂肪
酸、その金属塩、エステルおよびアミドから選ばれる少
なくとも1種の化合物(D)からなる樹脂組成物
(E)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスバリア性と光線
遮蔽機能とを兼備えた樹脂組成物に関する。また、本発
明は、前記樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】単層または多層の構造体からなる包装容
器にはさまざまなものが充填されるが、一部の薬品や食
品類など、光により劣化しやすい性質のものを内容物と
することも多い。かかる内容物を長期間安定に保存する
ためにはガスバリア性に優れ、光遮断性に優れた単層ま
たは多層の構造体が求められている。特に、内容物が酒
類(特にアルコール度数の高くない日本酒やワインな
ど)や一部の薬品類は可視光によっても品質が低下する
ことがあるため紫外線および、可視光線のいずれにおい
ても優れた光遮断性を示すことが望ましい。
【0003】従来、ガスバリア性を有し、紫外線の遮断
機能を兼ね備えた構造体を得る方法として、特開平6−
128433号公報には(A)エチレン含有量20〜6
5モル%、ビニルエステル成分のケン化度90モル%以
上のエチレンービニルエステル共重合体けん化物、
(B)粒子径0.1μm以下の微粒子無機物および、
(C)炭素数4〜24の高級脂肪酸、その金属塩、エス
テルおよびアミドから選ばれる1種または2種以上から
なり、かつ(A)100重量部に対し(B)0.01〜
5重量部、(C)0.005〜5重量部含有する樹脂組
成物が開示されている。しかしながら、上記の先行技術
には、樹脂組成物にハイドロタルサイト類化合物を配合
する旨の記載がない。
【0004】ガスバリア性を有し、紫外線の遮蔽機能を
兼ね備えた構造体を得る方法としては、ガスバリア性樹
脂として塩化ビニリデン共重合体、ビニルアルコール共
重合体、アクリロニトリル共重合体などを用い、ベンゾ
フェノン誘導体、サリチル酸誘導体、安息香酸誘導体、
ベンゾトリアゾール誘導体などの紫外線吸収剤を樹脂、
接着剤、インキなどに練込む方法が知られている。しか
し紫外線吸収剤自身の変質による吸収能の低下の問題が
あり、また樹脂にこれら有機物系の紫外線吸収剤を練込
む方法は、内容物への移行の問題もある。接着剤やイン
キなどにこれら有機物系の紫外線吸収剤を練込む方法
は、それまで使用していた接着剤やインキなどを紫外線
吸収剤を練込んだ接着剤やインキに置換する必要があ
り、時間と接着剤やインキなどのロスが発生してコスト
高の要因となっている。
【0005】またガスバリア性を有し、可視光線の遮蔽
機能を兼ね備えた構造体を得る方法としては、ガスバリ
ア性樹脂として塩化ビニリデン共重合体、ビニルアルコ
ール共重合体、アクリロニトリル共重合体などを用い、
着色顔料(黒色、赤色等)をインキなどに練込み表面に
塗布する方法が一般的である。この場合、インキを塗布
する前のアンカーコートが必要となりまた、それまで使
用していたインキなどを着色顔料を練込んだインキに置
換する必要があり、時間とインキなどのロスが発生して
コスト高の要因となっている。
【0006】一方、アルミニウム箔を積層することによ
りガスバリア性と光線遮蔽性とを兼備えた構造体を得る
ことは可能であるが、柔軟性や耐衝撃性が必ずしも充分
ではなく、運搬などの流通過程においてピンホール等を
生じ、ガスバリア性が低下する虞がある。また、アルミ
ニウム箔のリサイクルが必ずしも容易と言えず、さらに
焼却時には焼却炉内に設置されている熱交換器の水管に
アルミ蒸気が凝縮して熱効率を悪化させる虞がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ガス
バリア性および光線遮断性に優れた樹脂組成物を提供す
ることである。本発明のさらに他の目的は、上記樹脂組
成物を用いて、上記ガスバリア性および光線遮断性に優
れた成形品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、バリア性樹
脂(A)、平均粒子径0.01〜0.9μmの酸化チタ
ン(B)、ハイドロタルサイト類化合物(C)、および
炭素数4〜24の高級脂肪酸、その金属塩、エステルお
よびアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物(D)
からなる樹脂組成物(E)によって解決される。
【0009】好適な実施態様では、前記樹脂組成物
(E)は、バリア性樹脂(A)100重量部に対し、酸
化チタン(B)を0.1〜80重量部含有してなる。ま
た、好適な実施態様では、前記樹脂組成物(E)は、バ
リア性樹脂(A)100重量部に対し、ハイドロタルサ
イト類化合物(C)を0.001〜5重量部含有してな
る。さらに、好適な実施態様では、前記樹脂組成物
(E)はバリア性樹脂(A)100重量部に対し、化合
物(D)を0.001〜15重量部含有してなる。
【0010】好適な実施態様では、本発明に用いられる
バリア性樹脂(A)が、ポリビニルアルコール系樹脂お
よび/またはポリアミドである。より好適な実施態様で
は、前記バリア性樹脂(A)が、エチレン−ビニルアル
コール共重合体であり、特に好適にはエチレン含有量5
〜60モル%、ケン化度90%以上のエチレン−ビニル
アルコール共重合体である。
【0011】好適な実施態様では、本発明に用いられる
酸化チタン(B)が、平均粒子径0.01〜0.09μ
mの酸化チタン(b1)である。別の好適な実施態様で
は、前記酸化チタン(B)が、平均粒子径0.1〜0.
9μmの酸化チタン(b2)である
【0012】また、本発明は、バリア性樹脂(A)10
0重量部に対し、前記樹脂組成物(E)1〜100重量
部を配合してなる樹脂組成物に関する。
【0013】また、本発明は、バリア性樹脂(A)10
0重量部に対し、バリア性樹脂(A)100重量部、平
均粒子径0.01〜0.09μmの酸化チタン(b1)
1〜50重量部、ハイドロタルサイト類化合物0.05
〜5重量部および、炭素数4〜24の高級脂肪酸、その
金属塩、エステルおよびアミドから選ばれる少なくとも
1種の化合物(D)0.05〜15重量部からなる樹脂
組成物(e1)1〜50重量部を混合し、溶融成形して
得られる成形物に関する。さらに、本発明は、バリア性
樹脂(A)100重量部に対し、バリア性樹脂(A)1
00重量部、平均粒子径0.1〜0.9μmの酸化チタ
ン(b2)10〜80重量部、ハイドロタルサイト類化
合物0.05〜5重量部および、炭素数4〜24の高級
脂肪酸、その金属塩、エステルおよびアミドから選ばれ
る少なくとも1種の化合物(D)0.05〜15重量部
からなる樹脂組成物(e2)を5〜60重量部混合し、
溶融成形してなる成形物に関する。
【0014】好適な実施態様では、前記成形物がフィル
ムまたはシートである。また、好適な実施態様では、前
記成形物が、前記フィルムまたはシートを少なくとも一
軸方向に2倍以上延伸してなるフィルムまたはシートで
ある。別の好適な実施態様では、前記フィルムの厚みが
5〜200μmであり、当該フィルムの全ヘイズと内部
ヘイズの差が10%以下である。
【0015】また、本発明は、前記フィルムまたはシー
トからなる層を少なくとも一層含む多層構造体を包含
し、好ましくは壁紙、化粧板等に用いられる。さらに、
本発明は、前記フィルムまたはシートからなる層を少な
くとも一層含む容器を包含する。また、前記容器の好ま
しい実施態様は紙容器、ブロー容器、射出容器等であ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるバリア性樹脂
(A)は、ガスバリア性を有する樹脂である。かかるバ
リア性樹脂(A)としては、酸素透過量が100cc・
20μm/m 2・day(20℃−65%RHで測定し
た値)以下であることが好ましい。より好適には50c
c・20μm/m2・day・atm以下であり、さら
に好適には10cc・20μm/m2・day・atm
以下であり、特に好適には5cc・20μm/m2・d
ay・atm以下である。
【0017】また、本発明に用いられるバリア性樹脂
(A)として、ポリビニルアルコール系樹脂および/ま
たはポリアミドを用いることも好適である。
【0018】本発明におけるポリビニルアルコール系樹
脂とは、ビニルエステル重合体、またはビニルエステル
と他の単量体との共重合体をアルカリ触媒等を用いてケ
ン化して得られる樹脂のことを指す。ビニルエステルと
しては酢酸ビニルが代表的なものとして挙げられるが、
その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、
ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。
【0019】また、本発明に用いられるポリビニルアル
コール系樹脂のビニルエステル成分のケン化度は好適に
は90%以上であり、より好適には95%以上であり、
更に好適には99%以上である。ケン化度が90モル%
未満では、高湿度下でのガスバリア性が低下する虞があ
り、かつガスバリア性が不充分になる虞がある。なおこ
こで、ポリビニルアルコール系樹脂がケン化度の異なる
2種類以上のポリビニルアルコール系樹脂の配合物から
なる場合には、配合重量比から算出される平均値をケン
化度とする。かかるポリビニルアルコール系樹脂のケン
化度は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることがで
きる。
【0020】本発明に用いられるポリビニルアルコール
系樹脂としては、溶融成形が可能で優れたガスバリア性
を有する観点から、エチレン−ビニルアルコール共重合
体(以下、EVOHと略記することがある)が好適であ
る。
【0021】本発明に用いられるEVOHとしては、エ
チレン−ビニルエステル共重合体をケン化して得られる
ものが好ましく、その中でも、エチレン含有量は5〜6
0モル%であることが好ましい。エチレン含有量の下限
はより好適には15モル%以上であり、さらに好適には
25モル%以上である。エチレン含有量の上限はより好
適には55モル%以下であり、さらに好適には50モル
%以下である。エチレン含有量が5モル%未満の場合は
溶融成形性が悪化する虞があり、60モル%を超えると
バリア性が不足する虞がある。
【0022】さらに、本発明に用いられるEVOHのビ
ニルエステル成分のケン化度は90%以上である。ビニ
ルエステル成分のケン化度は、好ましくは95%以上で
あり、最適には99%以上である。ケン化度が90%未
満では、ガスバリア性、熱安定性が不充分となる虞があ
る。
【0023】EVOH製造時に用いるビニルエステルと
しては酢酸ビニルが代表的なものとして挙げられるが、
その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、
ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。また、EVOH
は共重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜
0.2モル%を含有することができる。ここで、ビニル
シラン系化合物としては、たとえば、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β
−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシ
プロピルメトキシシランが挙げられる。なかでも、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好
適に用いられる。さらに、本発明の目的が阻害されない
範囲で、他の共単量体、例えば、プロピレン、ブチレ
ン、あるいは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
酸メチルもしくは(メタ)アクリル酸エチルなどの不飽
和カルボン酸またはそのエステル、及び、N−ビニルピ
ロリドンなどのビニルピロリドンを共重合することも出
来る。
【0024】さらに、本発明の目的を阻外しない範囲で
EVOHにホウ素化合物をブレンドすることもできる。
ここでホウ素化合物としては、ホウ酸類、ホウ酸エステ
ル、ホウ酸塩、水素化ホウ素類等が挙げられる。具体的
には、ホウ酸類としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、
四ホウ酸などが挙げられ、ホウ酸エステルとしてはホウ
酸トリエチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げられ、ホウ
酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、ア
ルカリ土類金属塩、ホウ砂などが挙げられる。これらの
化合物のうちでもオルトホウ酸(以下、単にホウ酸と表
示する場合がある)が好ましい。
【0025】ホウ素化合物をブレンドする場合、ホウ素
化合物の含有量は好ましくはホウ素元素換算で20〜2
000ppm、より好ましくは50〜1000ppmで
ある。この範囲にあることで加熱溶融時のトルク変動が
抑制されたEVOHを得ることができる。20ppm未
満ではそのような効果が小さく、2000ppmを超え
るとゲル化しやすく、成形性不良となる場合がある。
【0026】また、本発明に用いられるEVOHに対
し、アルカリ金属塩をアルカリ金属元素換算で5〜50
00ppm含有させることも層間接着性や相容性の改善
のために効果的であることから好ましい。アルカリ金属
塩のより好適な含有量はアルカリ金属元素換算で20〜
1000ppm、さらには30〜500ppmである。
ここでアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、
カリウムなどが挙げられ、アルカリ金属塩としては、一
価金属の脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、燐
酸塩、金属錯体等が挙げられる。例えば、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩
等が挙げられる。中でも酢酸ナトリウム、酢酸カリウム
が好適である。
【0027】また、本発明に用いられるEVOHに対し
リン酸化合物を、リン酸根換算で20〜500ppm、
より好適には30〜300ppm、最適には50〜20
0ppm含有させることも好ましい。かかる範囲でリン
酸化合物を含有させることにより、EVOHの溶融成形
性や熱安定性を改善することができる。特に、かかる範
囲でリン酸化合物を含有させることにより、EVOHを
用いて長時間に渡る溶融成形を行なう際に、ゲル状ブツ
の発生や着色の発生を、効果的に抑制することが出来
る。
【0028】EVOH中に配合するリン酸化合物の種類
は特に限定されるものではない。リン酸、亜リン酸等の
各種の酸やその塩等を用いることができる。リン酸塩と
しては第1リン酸塩、第2リン酸塩、第3リン酸塩のい
ずれの形で含まれていても良く、そのカチオン種も特に
限定されるものではないが、アルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩であることが好ましい。中でもリン酸2水素
ナトリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2ナト
リウム、リン酸水素2カリウムの形でリン酸化合物を添
加することが好ましい。
【0029】また本発明の目的を阻外しない範囲で熱安
定剤、酸化防止剤の他、グリセリンやグリセリンモノス
テアレートなどの可塑剤をEVOHにブレンドすること
もできる。
【0030】本発明のバリア性樹脂(A)として用いら
れるポリアミドはアミド結合を有する重合体であり、例
えば、ポリカプロアミド(ナイロン−6)、ポリウンデ
カンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム
(ナイロン−12)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン−6,12)の如き単独重合体、カプロラク
タム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/1
2)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸重合体(ナ
イロン−6/11)、カプロラクタム/ω−アミノノナ
ン酸重合体(ナイロン−6,9)、カプロラクタム/ヘ
キサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイ
ロン−6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレン
ジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニ
ウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,
12)、ポリメタキシリレンアジパミド(以下、MXD
−6と略記することがある)、あるいはヘキサメチレン
ジアミンとm,p−フタル酸との重合体である芳香族系
ナイロンなどが挙げられる。これらのポリアミドはそれ
ぞれ単独で用いることもでき、2種類以上を混合して用
いることもできる。
【0031】これらのポリアミドの中でもガスバリア性
の観点からはポリメタキシリレンアジパミド(MXD−
6)、強度の観点からはポリカプロアミド(ナイロン−
6)が好適である。
【0032】以上に例示されたバリア性樹脂(A)の中
でも、ガスバリア性の観点からエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(EVOH)、ポリメタキシリレンアジパ
ミド(MXD−6)が好適であり、特にEVOHを用い
ることが好ましい。
【0033】本発明の樹脂組成物からなる成形物は、好
適な実施態様では光線を遮断する用途、例えば壁紙や紙
容器の構成材などに用いられるが、かかる実施態様にお
いては、本発明の樹脂組成物からなる成形物は、通常、
長時間に渡り光に晒される。ところが、本発明者らの詳
細な検討の結果、酸化チタン(B)を含有するバリア性
樹脂(A)からなる成形物(フィルムなど)を長時間、
光に晒していた場合、バリア性樹脂(A)からなる成形
物の一部が、若干黄変することがあることが明らかにな
った。本発明者らの検討によれば、ポリビニルアルコー
ル系樹脂とポリアミドを比較した場合、バリア性樹脂
(A)としてポリビニルアルコール系樹脂を用いた場合
に、かかる黄変の発生が抑制される。特にバリア性樹脂
(A)としてEVOHを用いることにより、酸化チタン
(B)を必須成分とする本発明の樹脂組成物において
も、長時間の光曝露に耐え、黄変を顕著に抑制すること
が可能である。かかる観点からも、バリア性樹脂(A)
としてEVOHを用いることが好ましい。
【0034】本発明に用いられる酸化チタン(B)とし
ては、化学的に安定であり、屈折率が大きく光線遮断性
に優れる観点から、ルチル型の酸化チタンを用いること
が好ましい。また、本発明に用いられる酸化チタン
(B)は、平均粒子径0.01〜0.09μmの酸化チ
タン(b1)と、平均粒子径0.1〜0.9μmの酸化
チタン(b2)の二種類に大別される。
【0035】前記酸化チタン(b1)は、主に紫外線の
遮蔽を担うものである。酸化チタン(B)として平均粒
子径が0.01〜0.09μmの酸化チタン(b1)の
みを用いることにより、樹脂組成物(E)に選択的な光
線遮断性を付与することが出来る。すなわち、かかる樹
脂組成物(E)は、可視光線は透過するが、紫外線のみ
を遮断する。
【0036】酸化チタン(b1)の平均粒子径の下限は
特に制限されないが、平均粒子径が0.01μmに満た
ないものは、製造が必ずしも容易ではないため、入手が
困難となることがある。前記(b1)の平均粒子径の下
限は0.015μm以上であることが好ましく、0.0
2μm以上であることがより好ましい。また、平均粒子
径が0.09μmを超える場合は可視光線の一部を遮蔽
するようになるため、上記に示した樹脂組成物(E)の
選択的な光線遮断性が低下し、その結果、樹脂組成物
(E)からなる成形物の透明性が低下する。可視光線の
遮断を抑制し、紫外線のみを効率的に遮断する観点から
は、前記(b1)の平均粒子径の上限は好ましくは0.
06μm以下であり、より好ましくは0.04μm以下
である。
【0037】上記酸化チタン(b1)の、バリア性樹脂
(A)への分散性を改良するために、酸化チタン(b
1)の粒子表面を酸化アルミ、ステアリン酸などで処理
することが好ましく、中でも、粒子表面を酸化アルミで
処理することがより好ましく、酸化アルミで処理した後
に、さらに該表面をオルガノシロキサン処理することが
特に好ましい。
【0038】本発明に用いられる平均粒子径0.1〜
0.9μmの酸化チタン(b2)は主に可視光線の遮蔽
を担うものである。酸化チタン(b2)の平均粒子径が
0.1μmに満たない場合は、樹脂組成物(E)の可視
光線遮断性が不満足なものとなり、平均粒子径が0.9
μmを超える場合は、樹脂組成物(E)からなる成形物
の表面の平滑性が低下する。特に、前記成形物がフィル
ムである場合にその傾向が顕著となる。酸化チタン(b
2)の平均粒子径の下限はより好ましくは0.15μm
以上であり、より好ましくは0.2μm以上である。ま
た、酸化チタン(b2)の平均粒子径の上限は好ましく
は0.6μm以下であり、より好ましくは0.4μm以
下である。
【0039】上記酸化チタン(b2)の、バリア性樹脂
(A)への分散性を改良するために、上記した酸化チタ
ン(b1)と同様、酸化チタン(b2)の粒子表面を酸
化アルミ、ステアリン酸などで処理することも好まし
く、粒子表面を酸化アルミで処理することがより好まし
い。酸化チタン(b2)においても、酸化チタン(b
1)の好適な実施態様と同様に、粒子表面を酸化アルミ
で処理した後に、さらに該表面をオルガノシロキサン処
理することも可能である。しかしながら、酸化チタン
(b2)と酸化チタン(b1)を比較した場合、一般に
酸化チタン(b2)の方がバリア性樹脂(A)に対する
分散性が良好であるため、酸化アルミ処理のみで充分な
分散性が得られる場合が多い。
【0040】本発明における酸化チタン(B)の平均粒
子径とは、透過型電子顕微鏡を用いて5万倍〜15万倍
で観察し、任意の20個の直径(二次凝集している場合
は、構成している一次粒子)を測定した値の平均値であ
る。
【0041】本発明に用いられるハイドロタルサイト類
化合物(C)としては、特にMxAly(OH)2x+3y-2z
(A)z・aH2O(MはMg、CaまたはZn、AはC
3またはHPO4、x、y、z、aは正数)で示される
複塩であるハイドロタルサイト化合物を挙げることがで
きる。特に好適なものとして以下のハイドロタルサイト
化合物が例示される。
【0042】 Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O Mg10Al2(OH)22(CO32・4H2O Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O Zn6Al6(OH)16CO3・4H2O Mg4 . 5Al2(OH)13CO3・3.5H2
【0043】また、ハイドロタルサイト類化合物(C)
として、特開平1−308439号(USP49545
57)に記載されているハイドロタルサイト系固溶体で
ある、[Mg0.75Zn0.250.67Al0.33(OH)
2(CO30.167・0.45H2Oのようなものも用いる
ことができる。
【0044】本発明に用いられる炭素数4〜24の高級
脂肪酸、その金属塩、エステルおよびアミドから選ばれ
る少なくとも1種の化合物(D)本発明に用いられる炭
素数4〜24の高級脂肪酸、その金属塩、エステルおよ
びアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合
物(D)において、炭素数4〜24の高級脂肪酸として
は、直鎖または分岐を持つ飽和および不飽和脂肪酸であ
り、酪酸、イソ酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプロン
酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、オレイン酸、エライジン酸、ステア
リン酸、イソステアリン酸、リシノール酸、エルカ酸、
ベヘニン酸などが例示される。
【0045】上記化合物(D)の炭素数が4未満の場合
は、酸化チタン(B)のバリア性樹脂(A)への分散性
の改善効果が不充分なものとなり、ブツが発生しやすく
なる。酸化チタン(B)のバリア性樹脂(A)への分散
性を改善する観点からは、化合物(D)の炭素数は10
以上であることが特に好ましい。一方、(D)の炭素数
が24を超える場合は化合物(D)自身のバリア性樹脂
(A)への分散性が悪くなり、樹脂組成物の加熱溶融時
のトルク変動が抑制される効果が充分に得られない。
【0046】炭素数4〜24の高級脂肪酸の金属塩とし
ては、上記高級脂肪酸とリチウム、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛などの
金属との塩が例示される。
【0047】炭素数4〜24の高級脂肪酸のエステルと
は、前記高級脂肪酸と水酸基を持つ化合物とのエステル
であり、水酸基を持つ化合物としては、メタノール、エ
タノール、エチレングリコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、
グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、蔗
糖、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、オ
クタノール、エチルヘキシルアルコール、ラウリルアル
コール、オレイルアルコール、ステアリルアルコールな
どのアルコールが例示される。
【0048】炭素数4〜24の高級脂肪酸のアミドと
は、前記高級脂肪酸とアミノ基を持つ化合物とのアミド
であり、アミノ基を持つ化合物としては、アンモニア、
メチルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、メチ
ロールアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、
オクチルアミン、エチルヘキシルアミン、ラウリルアミ
ン、オレイルアミン、ステアリルアミンなどのアミンが
例示される。
【0049】本発明における炭素数4〜24の高級脂肪
酸、その金属塩、エステルおよびアミドからなる群より
選ばれる少なくとも1種の化合物(D)としては、上記
に例示した高級脂肪酸、およびその高級脂肪酸の金属
塩、エステル、アミドより選ばれた1種または2種以上
の混合物を使用する事が可能である。これらの中でも、
エチレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウムを用いることが好まし
い。
【0050】本発明の樹脂組成物(E)を製造する方法
は特に限定されず、(A)、(B)、(C)および
(D)を一括混合してブレンドペレット化する方法、
(B)、(C)および(D)をドライブレンドなどによ
り混合した後、該混合物を(A)とブレンドペレット化
する方法、バリア性樹脂(A)の溶液に(B)、(C)
および(D)を添加、混合した後、溶剤を除去してペレ
ットまたはフィルムを得る方法などが好適なものとして
例示される。(A)、(B)、(C)および(D)を溶
融混合して樹脂組成物(E)を得る場合は、(A)、
(B)、(C)および(D)の水分率は1%以下である
ことが好ましく、0.5%以下とすることがより好まし
い。かかる水分率とすることで、溶融混練時における樹
脂組成物のブツの発生をより効果的に回避することがで
きる。
【0051】また、溶融配合操作においては、混練度の
高い二軸押出機を用いてペレット化することが(A)に
対する(B)の分散性が良好となる観点から特に好まし
い。さらに、ブレンドが不均一になったり、ゲル、ブツ
が発生、混入したりする可能性があるので、ブレンドペ
レット化はなるべく混練度の高い押出機を使用し、ホッ
パー口を窒素ガスでシールし、低温で押出しすることが
望ましい。
【0052】中でも、本発明の効果を充分に奏するため
には、(A)、(B)、(C)および(D)を一括混合
してブレンドペレット化し、当該樹脂組成物(E)から
なるペレットとバリア性樹脂(A)からなるペレットを
混合し、成形物を作成する実施態様が特に好ましい。
【0053】すなわち、高濃度の(B)を含有する、樹
脂組成物(E)からなるペレット(以下、マスターバッ
チペレットと略すことがある)を、バリア性樹脂(A)
からなるペレットと混合し、溶融成形することで、
(B)が希釈された樹脂組成物からなる成形物を得る実
施態様が特に好適である。具体的な例を挙げれば、
(A)100重量部、(B)15重量部、(C)0.5
重量部および(D)1重量部を一括混合し、ブレンドペ
レット化により樹脂組成物(E)からなるペレットを作
製し、これをマスターバッチペレットとする。このマス
ターバッチペレット13重量部に対し、(A)100重
量部を混合し、溶融成形することで、(A)100重量
部、(B)1.5重量部、(C)0.05重量部および
(D)0.1重量部からなる成形物を得ることができ
る。
【0054】上述のように、マスターバッチを用いて樹
脂組成物(E)、および該樹脂組成物(E)からなる成
形物を得ることにより、以下に示すような利益を享受す
ることが出来る。
【0055】一つは、生産できる製品の銘柄を多様化す
ることが可能になることである。一般に、樹脂組成物の
光線遮断性は、酸化チタン(B)の含有量に依存するた
め、樹脂組成物からなる成形物の実施態様や要求性能に
応じて、酸化チタン(B)の含有量を変更することが望
ましい。マスターバッチを用いない場合は、酸化チタン
(B)の含有量を変える度に、その都度各成分の配合量
比を変更し、必要に応じて運転条件を変更しなければな
らない。しかしながら、上記マスターバッチを用いるこ
とにより、マスターバッチと、マスターバッチを希釈す
るバリア性樹脂(A)の混合比を適切に調整すること
で、樹脂組成物中の酸化チタン(B)の含有量を自在に
制御することが可能となる。このため、樹脂組成物
(E)およびそれを用いた成形物を製造する際の生産性
を顕著に向上させることができる。
【0056】さらに、マスターバッチと、バリア性樹脂
(A)を混合した後、溶融性を行うことで、成形物の外
観をさらに向上させることができる。(A)、(B)、
(C)および(D)を一括混合してなる本発明の樹脂組
成物(E)を溶融成形して得られる成形物は優れた外観
を有する。しかしながら、マスターバッチを作製し、該
マスターバッチとバリア性樹脂(A)を混合した後、溶
融成形して成形物を得ることにより、さらに成形物の外
観を向上させることができる。この傾向は成形物がフィ
ルムである場合に特に顕著であり、マスターバッチを希
釈する実施態様を採用することにより、酸化チタン
(B)の二次凝集がさらに効果的に抑制され、極めて外
観に優れた成形物を得ることができる。
【0057】上記成形物としては特に限定されず、フィ
ルム、シートおよびボトルなどが好適なものとして例示
される。また、上記成形物はペレットを包含する。すな
わち、マスターバッチを作製し、該マスターバッチとバ
リア性樹脂(A)を混合した後、溶融成形を行いブレン
ドペレットを作製することも可能である。しかしなが
ら、熱履歴を低減し、本発明の樹脂組成物からなる成形
物の、熱劣化による外観の悪化を抑制する観点からは、
マスターバッチペレットとバリア性樹脂(A)からなる
ペレットをタンブラー等を用いて混合し、当該混合物を
押出機に投入し、ブレンドペレット化することなく、フ
ィルムやシートなどの成形物を溶融成形することが好ま
しい。
【0058】本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を阻
害しない範囲であれば、バリア性樹脂(A)以外の熱可
塑性樹脂を配合することは任意である。熱可塑性樹脂と
しては各種ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンと炭素数
4以上のα−オレフィンとの共重合体、ポリオレフィン
と無水マレイン酸との共重合体、エチレン−ビニルエス
テル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体、またはこれらを不飽和カルボン酸またはその誘導体
でグラフト変性した変性ポリオレフィンなど)、ポリウ
レタン、ポリアセタールなどが挙げられる。
【0059】しかしながら、樹脂組成物(E)のガスバ
リア性の観点からは、バリア性樹脂(A)以外の熱可塑
性樹脂の配合量が少ないことが好ましい。樹脂組成物
(E)を構成する熱可塑性樹脂は、バリア性樹脂(A)
以外の熱可塑性樹脂の含有量が20重量%以下であるこ
とが好ましく、10重量%以下であることがより好まし
く、5重量%以下であることがさらに好ましく、3重量
%以下であることが特に好ましく、樹脂組成物(E)を
構成する熱可塑性樹脂が実質的にバリア性樹脂(A)の
みからなることが最適である。
【0060】また、上述の通り、マスターバッチをバリ
ア性樹脂(A)と混合した後に、溶融成形を行うことに
より、酸化チタン(B)の二次凝集が抑制され、外観に
優れた成形物が得られるが、かかる効果を充分に得る観
点からは、マスターバッチを希釈するバリア性樹脂
(A)に含まれる酸化チタン(B)の含有量は、バリア
性樹脂(A)100重量部に対して10重量部以下であ
ることが好ましく、1重量部以下であることがより好ま
しく、マスターバッチを希釈するバリア性樹脂(A)
が、酸化チタン(B)を実質的に含有しない実施態様が
特に好適である。
【0061】さらに、マスターバッチをバリア性樹脂
(A)で希釈するにあたっては、マスターバッチを構成
するバリア性樹脂(A)のMFRが、マスターバッチを
希釈するバリア性樹脂(A)のMFRよりも大きいこと
が、樹脂組成物(E)中の酸化チタン(B)の分散性が
さらに改善される観点から好ましい。
【0062】例えば、本発明に用いられるバリア性樹脂
(A)は最適にはEVOHであるが、そのメルトフロー
レート(MFR)(190℃、2160g荷重下)は
0.1〜50g/10分であることが好ましい。そし
て、マスターバッチを構成するEVOHのMFRをMF
R(a1)、当該マスターバッチを希釈するEVOHの
MFRをMFR(a2)とした場合、下記式(1)を満
足することにより、樹脂組成物(E)中の酸化チタン
(B)の分散性がさらに改善される。 1.5≦MFR(a1)/MFR(a2)≦20 (1) ただし、MFR(a1):マスターバッチを構成するE
VOHのMFR(190℃、2160g荷重で測定) MFR(a2):マスターバッチを希釈するEVOHの
MFR(190℃、2160g荷重で測定)
【0063】上記式(1)において、MFR(a1)/
MFR(a2)の下限はより好適には2以上である。ま
た、MFR(a1)/MFR(a2)の上限は15以下
であり、より好適には10以下である。
【0064】本発明の樹脂組成物(E)は、バリア性樹
脂(A)、平均粒子径0.01〜0.9μmの酸化チタ
ン(B)、ハイドロタルサイト類化合物(C)、および
炭素数4〜24の高級脂肪酸、その金属塩、エステルお
よびアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物(D)
からなる。これらの総てを含有することが必須であっ
て、その何れか一つが欠けた場合でも、本発明の効果を
奏することは出来ない。
【0065】特開平6−128433号公報には、EV
OH100重量部、粒子径0.1μm以下の微粒子無機
物0.01〜5重量部および、炭素数4〜24の高級脂
肪酸、その金属塩、エステルおよびアミドから選ばれる
1種または2種以上の化合物0.005〜5重量部を含
有する樹脂組成物が開示されている。しかしながら、上
記の先行技術には、樹脂組成物にハイドロタルサイト類
化合物を配合する旨の記載がない。
【0066】本発明においては、樹脂組成物(E)がハ
イドロタルサイト類化合物(C)を含有することが極め
て重要であり、ハイドロタルサイト類化合物(C)を適
切に配合することにより、樹脂組成物(E)中の酸化チ
タン(B)の分散性を大幅に改善することができる。
【0067】酸化チタン(B)は、一般に、さまざまな
樹脂、例えばポリオレフィンなどに配合されて用いられ
るが、通常、その分散性が問題とされることはない。と
ころが、本発明者の検討の結果、酸化チタン(B)をバ
リア性樹脂(A)、特にEVOHと配合する場合に、そ
の分散性が必ずしも満足なものとならないことが有るこ
とが明らかとなった。
【0068】本発明者はさらに検討を重ね、バリア性樹
脂(A)、酸化チタン(B)、炭素数4〜24の高級脂
肪酸、その金属塩、エステルおよびアミドから選ばれる
少なくとも1種の化合物(D)に加え、さらにハイドロ
タルサイト化合物(C)を加えることにより、酸化チタ
ン(B)のバリア性樹脂(A)への分散性が顕著に改善
されることは極めて驚くべき事実を明らかにした。特
に、酸化チタン(B)が平均粒子径0.01〜0.09
μmの酸化チタン(b1)である場合にその改善効果が
顕著である。
【0069】例えば、EVOH100重量部に対する、
平均粒子径0.01〜0.09μmの酸化チタン(b
1)の配合量が5重量部以下である場合は、特開平6−
128433号公報に示されるように、EVOHと酸化
チタン(b1)からなるブレンドペレットを作製するこ
とが可能であり、当該ブレンドペレットを用いてフィル
ム製膜を行うことも可能である。しかしながら、
(A)、(B)、(D)に加え、ハイドロタルサイト類
化合物(C)を配合する本発明の樹脂組成物を用いるこ
とにより、さらに酸化チタン(b1)の分散性を改善す
ることが可能であり、製膜性を向上させ、外観美麗な成
形物を得ることができ、かつ、光線遮断性を向上させる
ことが可能である。
【0070】また、特開平6−128433号公報に記
載されているように、ハイドロタルサイト類化合物
(C)を配合しない場合は、平均粒子径0.01〜0.
09μmの酸化チタン(b1)の配合量が5重量部を超
えると、酸化チタン(b1)の分散性が不良となるた
め、バリア性樹脂(A)および酸化チタン(b1)から
なるブレンドペレットを作製することが困難となる(本
願比較例3参照)。ところが、ハイドロタルサイト類化
合物(C)を含有する本発明の樹脂組成物は、(A)1
00重量部に対し、(b1)を5重量部より多く配合し
た場合においても、バリア性樹脂(A)への(b1)の
分散性を良好に保つことが可能となる。
【0071】このように、従来の技術では達成し得なか
った、酸化チタン(B)とバリア性樹脂(A)からなる
マスターバッチを作製することを可能にした観点から
も、本発明の意義は大きい。
【0072】好適な実施態様では、本発明の樹脂組成物
(E)は、バリア性樹脂(A)100重量部、酸化チタ
ン(B)0.1〜80重量部、ハイドロタルサイト類化
合物(C)0.001〜5重量部および、炭素数4〜2
4の高級脂肪酸、その金属塩、エステルおよびアミドか
ら選ばれる少なくとも1種の化合物(D)0.001〜
15重量部含有してなる。
【0073】また、本発明の樹脂組成物(E)からなる
成形物を得るための最も優れた実施態様は、上述の通
り、高濃度の(B)を含有する樹脂組成物(E)からな
るペレット(マスターバッチペレット)を、実質的に
(B)を含有しないバリア性樹脂(A)からなるペレッ
トと混合し、溶融成形によりフィルムなどの成形物を得
る実施態様である。
【0074】かかる実施態様において、酸化チタン
(B)が平均粒子径0.01〜0.09μmの酸化チタ
ン(b1)である場合、マスターバッチ(e1)は、バ
リア性樹脂(A)100重量部、酸化チタン(b1)1
〜50重量部、ハイドロタルサイト類化合物(C)0.
05〜5重量部および化合物(D)0.05〜15重量
部からなることが好ましい。前記(e1)中の(b1)
の含有量の下限は、(A)100重量部に対して5重量
部以上であることがより好ましく、7重量部以上である
ことがさらに好ましく、10重量部以上であることが特
に好ましい。また、前記(e1)中の(b1)の含有量
の上限は、(A)100重量部に対して45重量部以下
であることがより好ましく、40重量部以下であること
がさらに好ましい。
【0075】前記(e1)中の(C)の含有量の下限
は、(A)100重量部に対して0.1重量部以上であ
ることがより好ましく、0.2重量部以上であることが
さらに好ましい。また、前記(e1)中の(C)の含有
量の上限は、(A)100重量部に対して3重量部以下
であることがより好ましい。
【0076】また、(b1)の(A)への分散性をさら
に改良するためには、(e1)中の(b1)と(C)の
配合量が下記式(2)を満たすことが好ましい。 5≦W(b1)/W(C)≦60 (2) ただし、 W(b1):マスターバッチ(e1)中の、バリア性樹
脂(A)100重量部に対する(b1)の含有量(重量
部) W(C):マスターバッチ(e1)中の、バリア性樹脂
(A)100重量部に対する(C)の含有量(重量部)
を示す。
【0077】上記式(2)において、W(b1)/W
(C)の下限は10以上であることがより好ましく、1
5以上であることがさらに好ましく、20以上であるこ
とが特に好ましい。また、W(b1)/W(C)の上限
は50以下であることがより好ましく、40以下である
ことがさらに好ましい。
【0078】前記(e1)中の(D)の含有量の下限
は、(A)100重量部に対して0.1重量部以上であ
ることがより好ましく、0.2重量部以上であることが
さらに好ましい。また、前記(e1)中の(D)の含有
量の上限は、(A)100重量部に対して10重量部以
下であることがより好ましく、7重量部以下であること
がさらに好ましい。
【0079】上記マスターバッチ(e1)と、バリア性
樹脂(A)を混合した後、溶融成形を行うことによりフ
ィルムなどの成形物を得ることが好ましい。(e1)と
(A)の混合比は特に限定されないが、(A)100重
量部に対して(e1)1〜50重量部を混合することが
好ましい。(e1)の混合量の下限は、(A)100重
量部に対して3重量部以上であることがより好ましく、
5重量部以上であることがさらに好ましい。また、(e
1)の混合量の上限は、(A)100重量部に対して4
0重量部以下であることがより好ましく、30重量部以
下であることがさらに好ましく、20重量部以下である
ことが特に好ましい。
【0080】上記(e1)と(A)を混合した後、溶融
成形して得られる成形物は、(A)100重量部、(b
1)0.1〜20重量部、(C)0.001〜1重量部
および(D)0.001〜3重量部からなる樹脂組成物
でなる成形物であることが好ましく、(A)100重量
部、(b1)0.5〜10重量部、(C)0.001〜
0.5重量部および(D)0.001〜1重量部からな
る樹脂組成物でなる成形物であることがより好ましく、
(A)100重量部、(b1)0.5〜5重量部、
(C)0.005〜0.1重量部および(D)0.05
〜0.5重量部からなる樹脂組成物でなる成形物である
ことがより好ましい。
【0081】一方、酸化チタン(B)が平均粒子径0.
1〜0.9μmの酸化チタン(b2)である場合、マス
ターバッチ(e2)は、バリア性樹脂(A)100重量
部、酸化チタン(b2)10〜80重量部、ハイドロタ
ルサイト類化合物(C)0.05〜10重量部および化
合物(D)0.05〜15重量部からなることが好まし
い。前記(e2)中の(b2)の含有量の下限は、
(A)100重量部に対して15重量部以上であること
がより好ましく、20重量部以上であることがさらに好
ましい。また、前記(e2)中の(b2)の含有量の上
限は、(A)100重量部に対して75重量部以下であ
ることがより好ましく、70重量部以下であることがさ
らに好ましい。
【0082】前記(e2)中の(C)の含有量の下限
は、(A)100重量部に対して0.1重量部以上であ
ることがより好ましく、0.2重量部以上であることが
さらに好ましい。また、前記(e2)中の(C)の含有
量の上限は、(A)100重量部に対して3重量部以下
であることがより好ましい。
【0083】また、(b2)の(A)への分散性をさら
に改良するためには、(e2)中の(b2)と(C)の
配合量が下記式(3)を満たすことが好ましい。 20≦W(b2)/W(C)≦100 (3) ただし、 W(b2):マスターバッチ(e2)中の、バリア性樹
脂(A)100重量部に対する(b2)の含有量(重量
部) W(C):マスターバッチ(e2)中の、バリア性樹脂
(A)100重量部に対する(C)の含有量(重量部) を示す。
【0084】上記式(3)において、W(b2)/W
(C)の下限は30以上であることがより好ましく、4
0以上であることがさらに好ましく、45以上であるこ
とが特に好ましい。また、W(b2)/W(C)の上限
は90以下であることがより好ましく、80以下である
ことがさらに好ましい。
【0085】前記(e2)中の(D)の含有量の下限
は、(A)100重量部に対して0.1重量部以上であ
ることがより好ましく、0.2重量部以上であることが
さらに好ましい。また、前記(e2)中の(D)の含有
量の上限は、(A)100重量部に対して10重量部以
下であることがより好ましく、5重量部以下であること
がさらに好ましく、3重量部以下であることが特に好ま
しい。
【0086】上記マスターバッチ(e2)と、バリア性
樹脂(A)を混合した後、溶融成形を行うことによりフ
ィルムなどの成形物を得ることが好ましい。(e2)と
(A)の混合比は特に限定されないが、(A)100重
量部に対して(e2)5〜60重量部を混合することが
好ましい。(e2)の混合量の下限は、(A)100重
量部に対して10重量部以上であることがより好まし
く、15重量部以上であることがさらに好ましい。ま
た、(e2)の混合量の上限は、(A)100重量部に
対して55重量部以下であることがより好ましく、50
重量部以下であることがさらに好ましい。
【0087】上記(e2)と(A)を混合した後、溶融
成形して得られる成形物は、(A)100重量部、(b
2)1〜40重量部、(C)0.001〜3重量部およ
び(D)0.001〜3重量部からなる樹脂組成物でな
る成形物であることが好ましく、(A)100重量部、
(b2)1〜30重量部、(C)0.01〜1重量部お
よび(D)0.05〜1重量部からなる樹脂組成物でな
る成形物であることがより好ましく、(A)100重量
部、(b2)3〜15重量部、(C)0.05〜0.5
重量部および(D)0.05〜0.5重量部からなる樹
脂組成物でなる成形物であることがより好ましい。
【0088】また、酸化チタン(B)として、平均粒子
径0.01〜0.09μmの酸化チタン(b1)および
平均粒子径0.1〜0.9μmの酸化チタン(b2)を
併用することも好適である。(b1)および(b2)を
適切に配合することによって、紫外光および可視光のい
ずれの領域においても優れた光線遮断性を奏する樹脂組
成物および該樹脂組成物からなる成形物を得ることがで
きる。
【0089】(A)、(b1)、(b2)、(C)およ
び(D)からなる樹脂組成物でなる成形物を得る方法は
特に限定されないが、上述した(A)、(b1)、
(C)および(D)からなるマスターバッチ(e1)で
なるペレットと、(A)、(b2)、(C)および
(D)からなるマスターバッチ(e2)でなるペレッ
ト、および実質的に(b1)、(b2)のいずれも含有
しないバリア性樹脂(A)からなるペレットを混合し、
溶融成形を行うことにより成形物を得る方法が特に好ま
しい。
【0090】一方、(A)、(b2)、(C)および
(D)からなり、実質的に(b1)を含有しない樹脂組
成物を用いた場合は、実施態様によっては、紫外線の遮
断能力が必ずしも満足なものとはならない場合がある。
しかしながら、かかる樹脂組成物からなる成形物、例え
ばフィルムを、適切な基材と積層することにより、この
問題点は解決することが出来る。その好適な実施態様と
しては、上記の(A)、(b2)、(C)および(D)
からなり、実質的に(b1)を含有しない樹脂組成物か
らなるフィルムを、紙からなる基材と積層し、紙容器と
する実施態様が挙げられる。また、前記フィルムをポリ
オレフィンなどと積層することによっても、紫外光およ
び可視光のいずれの領域においても優れた光線遮断性を
奏する積層体を得ることができる。
【0091】本発明の樹脂組成物は、溶融成形によりフ
ィルム、シート、容器、パイプ、繊維等、各種の成形体
に成形される。これらの成形物は再使用の目的で粉砕し
再度成形することも可能である。また、フィルム、シー
ト、繊維等を一軸または二軸延伸することも可能であ
る。延伸を行う場合は、少なくとも一軸方向に2倍以上
延伸されていることが好ましい。溶融成形法としては押
出成形、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡
糸、射出成形等が可能である。溶融温度は該共重合体の
融点等により異なるが150〜270℃程度が好まし
い。
【0092】本発明の樹脂組成物からなるフィルムの厚
みは特に限定されないが、5〜200μmであることが
好ましい。5μm未満の場合は、フィルムの機械強度が
不満足なものとなる虞があり、ピンホール等が発生しや
すくなることがある。フィルムの厚みはより好適には1
0〜100μmであり、特に好適には10〜50μmで
ある。かかる膜厚みにおいても、本発明の樹脂組成物か
らなるフィルムは充分な可視光線および/または紫外線
の遮蔽機能、およびガスバリア性を有する観点から好適
である。
【0093】また、本発明の樹脂組成物からなるフィル
ムを、艶消しフィルムなどの可視光を遮断する遮光性フ
ィルムとして用いる場合は、本発明の樹脂組成物からな
る厚みが5〜200μmのフィルムにおいて、全ヘイズ
が60%以上であることが可視光線の遮断機能という本
願の効果を充分に奏する観点から特に好ましい。当該フ
ィルムの全ヘイズは70%以上であることがより好まし
く、75%以上であることがさらに好ましい。また、当
該フィルムの全ヘイズと内部ヘイズの差は10%以下で
あることが好ましく、より好ましくは5%以下である。
フィルムの全ヘイズと内部ヘイズの差が10%以下であ
る場合、該フィルムを他の熱可塑性樹脂からなるフィル
ムまたはシートなどに積層した場合においても、良好な
可視光線遮断機能を発揮することが可能である。
【0094】また、本発明の樹脂組成物からなるシート
またはフィルムを少なくとも一軸方向に2倍上延伸し、
延伸フィルムとすることも好適である。延伸処理を行う
ことで、可視光線および紫外線の遮断機能を維持したま
ま、さらにガスバリア性を向上させることが可能であ
る。
【0095】本発明の樹脂組成物は、上述した如く該樹
脂組成物のみを単層とする樹脂成形物の製造以外に、本
発明の組成物からなるフィルム、シート等の成形物を少
なくとも1層とする多層構造体として実用に供せられる
ことが多い。該多層構造体の層構成としては、本発明の
樹脂組成物をE、接着性樹脂をAd、熱可塑性樹脂をT
で表わすと、E/Ad/T、T/Ad/E/Ad/T等
が挙げられるが、これに限定されない。それぞれの層は
単層であってもよいし、場合によっては多層であっても
よい。両外層に熱可塑性樹脂層を設ける場合は、異なっ
た種類のものでもよいし、同じものでもよい。さらに、
成形時に発生するトリムなどのスクラップからなる回収
樹脂層を別途設けてもよいし、回収樹脂を熱可塑性樹脂
層にブレンドしてもよい。多層構造体の厚み構成に関し
ても特に限定されるものではないが、成形性およびコス
ト等を考慮した場合、全層厚みに対する当該樹脂組成物
層の厚み比は2〜20%が好適である。
【0096】上記に示す多層構造体を製造する方法は特
に限定されない。例えば、成形物(フィルム、シート
等)に熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、本発明の樹脂
組成物と他の熱可塑性樹脂とを共押出する方法、本発明
の樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂とを共射出する方法、
更には本発明の樹脂組成物より得られた成形物(フィル
ムまたはシートなど)と他の基材のフイルム、シートと
を有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエス
テル系化合物等の公知の接着剤を用いてラミネートする
方法等が挙げられる。
【0097】用いられる熱可塑性樹脂としては、直鎖状
低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピ
レン、プロピレン−α−オレフィン共重合体(炭素数4
〜20のα−オレフィン)、ポリブテン、ポリペンテン
等のオレフィンの単独またはその共重合体、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル、ポリエステルエラ
ストマー、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリア
ミド樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポ
リウレタンエラストマー、ポリカーボネート、塩素化ポ
リエチレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられる。
上記の中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステルが好まし
く用いられる。
【0098】本発明の樹脂組成物と熱可塑性樹脂とを積
層するに際し、接着性樹脂を使用する場合がある。この
場合の接着性樹脂は特に限定されないが、本発明の樹脂
組成物に用いられるバリア性樹脂(A)がEVOHであ
る場合は、カルボン酸変性ポリオレフィンからなる接着
性樹脂が好ましい。ここでカルボン酸変性ポリオレフィ
ンとは、オレフィン系重合体にエチレン性不飽和カルボ
ン酸またはその無水物を化学的(たとえば付加反応、グ
ラフト反応により)結合させて得られるカルボキシル基
を含有する変性オレフィン系重合体のことをいう。ま
た、ここでオレフィン系重合体とはポリエチレン(低
圧、中圧、高圧)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ボリブテンなどのポリオレフィン、オレフィ
ンと該オレフィンとを共重合し得るコモノマー(ビニル
エステル、不飽和カルボン酸エステルなど)との共重合
体、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エチルエステル共重合体などを意味する。
このうち直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(酢酸ビニルの含有量5〜55重量%)、
エチレン−アクリル酸エチルエステル共重合体(アクリ
ル酸エチルエステルの含有量8〜35重量%)が好適で
あり、直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体が特に好適である。エチレン性不飽和カル
ボン酸またはその無水物とはエチレン性不飽和モノカル
ボン酸、そのエステル、エチレン性不飽和ジカルボン
酸、そのモノまたはジエステル、その無水物があげら
れ、このうちエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物が好
適である。具体的にはマレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノ
メチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレ
イン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル
などが挙げられ、なかんずく、無水マレイン酸が好適で
ある。
【0099】エチレン性不飽和カルボン酸またはその無
水物のオレフィン系重合体への付加量またはグラフト量
(変性度)はオレフィン系重合体に対し0.01〜15
重量%、好ましくは0.02〜10重量%である。エチ
レン性不飽和カルボン酸またはその無水物のオレフィン
系重合体への付加反応、グラフト反応は、たとえば溶媒
(キシレンなど)、触媒(過酸化物など)の存在下でラ
ジカル重合法などにより得られる。このようにして得ら
れたカルボン酸変性ポリオレフィンの190℃、216
0g荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)は
0.2〜30g/10分であることが好ましく、より好
ましくは0.5〜10g/10 分である。これらの接
着性樹脂は単独で用いてもよいし、また二種以上を混合
して用いることもできる。
【0100】このようにして得られた多層構造体を二次
加工することにより、各種成形品(フィルム、シート、
チューブ、ボトルなど)を得ることができ、たとえば以
下のようなものが挙げられる。 (1)多層構造体(シート又はフィルムなど)を少なく
とも一軸方向に2倍以上延伸、又は二軸方向に延伸、熱
処理することによる多層共延伸シート又はフィルム (2)多層構造体(シート又はフィルムなど)を圧延す
ることによる多層圧延シート又はフィルム (3)多層構造体(シート又はフィルムなど)を真空成
形、圧空成形、真空圧空成形、等熱成形加工することに
よる多層トレーカップ状容器 (4)多層構造体(パイプなど)からのストレッチブロ
ー成形等によるボトル、カップ状容器 このような二次加工法には特に制限はなく、上記以外の
公知の二次加工法(ブロー成形など)も採用できる。
【0101】本発明の樹脂組成物を成形して得られる単
層構造体または多層構造体は、ガスバリア性に優れ、可
視光線と紫外線の遮蔽性にも優れているので各種食品、
酒類、酸化劣化を嫌う工業用品などを保存する容器とし
て好適に用いられる。容器の形態としては特に限定され
ないが、カップおよびその蓋材、ボトル、チューブ、紙
容器などが好適なものとして例示されるが、特に紙容器
が好適である。
【0102】従来、可視光線および紫外線により劣化し
やすい内容物を充填する紙容器には、薄い膜厚で可視光
線および紫外線遮断機能とガスバリア性を付与できる観
点から、アルミ箔が積層されていた。しかしながらアル
ミ箔を用いた多層構造体は、上述のようにリサイクル性
および焼却性のいずれにおいても問題が残されていた。
ところが、本発明の樹脂組成物からなる層を含む紙容器
を用いることにより、リサイクル性が大幅に向上し、焼
却時の問題も解決される。
【0103】紙容器の層構成として、熱可塑性樹脂を
T、当該樹脂組成物をE、接着性樹脂層をAd、紙をP
とすると、T/P/Ad/E/Ad/T、 T/P/A
d/E/Ad/P/T、 T/P/Ad/E/Adなど
の層構成が例示されるがこれらに他の層を適宜付加する
ことは何ら差しつえなく、上記の例に限定するものでは
ない。
【0104】また着色フィルムないしシート、鋼鈑、合
板を含む単層構造体または多層構造体との積層も可能で
ある。これら単層構造体または多層構造体に積層される
場合には、その表面保護や艶消し効果などのために用い
られ、壁紙、化粧板、建材、看板、鳥獣被害防止具等が
好適な用途として例示される。
【0105】本発明の樹脂組成物からなる層を含む紙容
器や、壁紙および化粧板を製造するにあたっては、本発
明の樹脂組成物より得られた成形物(フィルムまたはシ
ートなど)と他の基材のフイルム、シートとを有機チタ
ン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合
物等の公知の接着剤を用いてラミネートする方法、いわ
ゆるドライラミネート法が好適である。本発明の樹脂組
成物は、バリア性樹脂(A)への酸化チタン(B)の分
散性が非常に良好であるため、製膜性が良好であり、製
膜によって得られるフィルムまたはシートの表面は、酸
化チタン(B)の二次凝集が効果的に抑制され、平滑性
に優れている。そのため、本発明の樹脂組成物からなる
フィルムまたはシートは、他の基材のフイルムとドライ
ラミネート法により積層した場合に、優れた接着性を示
す。また、かかる高い平滑性を有する本発明の樹脂組成
物からなるフィルムまたはシートは、優れたエンボス加
工性を示すため、かかる観点からも、本発明の樹脂組成
物からなるフィルムは壁紙や化粧板として用いることが
好適である。
【0106】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
なお部とあるのは、特に断りのない限り、重量基準であ
る。
【0107】<酸素透過度>MODERN CONTR
OLS INC.製酸素透過量測定装置MOCONOX
−TRAN2/20型を用い、20℃、65%RH条件
でJIS K7126(等圧法)に記載の方法に準じて
測定した。なお、本発明でいう酸素透過量は、単一の層
からなるフィルムについて測定した酸素透過量(ml/
2・day・atm)を膜厚20μmに換算した値
(ml・20μm/m2・day・atm)である。
【0108】<ヘイズ>日本精密光学(株)製積分式
H.T.Rメーターを使用し、JIS D8741に準
じて測定を行った。全ヘイズおよび、内部ヘイズはフィ
ルム厚み15μmの値であり、内部ヘイズはフィルム両
面にシリコンオイルを約2μm塗布して測定した値であ
る。
【0109】<光線透過率>島津製作所(株)製自記分
光光度計UV−2100を用い、JIS K7105に
記載の方法に準じて光線透過率を測定し、測定線図から
波長500nmにおける光線透過率(可視光線透過率)
および、波長300nmにおける光線透過率(紫外線透
過率)を求めた。
【0110】<接着力>各実施例および比較例で製膜し
た単層フィルムの片面に、厚さ25μmのナイロンフィ
ルム(ユニチカ(株)製、ON−RT)を接着剤を用い
て貼り合わせ、複合フィルムを作製した。接着剤
((株)武田薬品工業製、タケラックA385/A5
0)は塗布量を固形分2.4g/m2とし、温度70℃
でラミネートした後、4日間エージング(40℃)し
た。20℃、65%RH条件でオートグラフ(島津製作
所製1M−100型)を用い、JIS P8139に記
載の方法に準じて接着力(g/15mm幅)を測定し
た。
【0111】実施例1 バリア性樹脂(A)としてエチレン含有量32モル%、
ケン化度99.5モル%、MFR4.4g/10分(1
90℃、2160g荷重)のEVOH(エバールEC−
F104A(登録商標);(株)クラレ製)、酸化チタ
ン(b1)として平均粒子径0.03μmの酸化チタン
(タイペークTTO−55S、粒子表面を酸化アルミ処
理した後、オルガノシロキサン処理;石原産業製)、ハ
イドロタルサイト類化合物(C)としてDHT−4A
(協和化学製)および、炭素数4〜24の高級脂肪酸、
その金属塩、エステルおよびアミドから選ばれる1種ま
たは2種以上の化合物(D)としてエチレンビスステア
リン酸アミド(アルフローH−50T;日本油脂製、以
下EBSAと略すことがある)を用いた。上記した
(A)100部、(b1)15部、(C)0.5部およ
び(D)1部をヘンシェルミキサーで一括混合した後、
ホッパー口を窒素ガスでシールしながら、二軸溶融押出
機を用いて230℃でブレンドペレット化し、マスター
バッチ樹脂組成物(e1)からなるペレットを得た。ペ
レット化の段階における当該マスターバッチ樹脂組成物
(e1)のストランドは安定しており、目ヤニの発生は
認められなかった。
【0112】次いで、上記マスターバッチ樹脂組成物
(e1)13部に対して、バリア性樹脂(A)としてエ
チレン含有量32モル%、ケン化度99.5モル%、M
FR1.3g/10分(190℃、2160g荷重)の
EVOH(エバールEC−F101A(登録商標);
(株)クラレ製)100部をタンブラーで混合した後、
前記(e1)がEVOHで希釈された、(A)100重
量部、(b1)1.5重量部、(C)0.05重量部お
よび(D)0.1重量部からなる樹脂組成物でなる、厚
さ15μmの無延伸フィルムを以下の条件で得た。 形式 単軸押出機(ノンベントタイプ) L/D 20 口径 20mmφ スクリュー 一条フルフライトタイプ、表面窒化鋼 スクリュー回転数 40rpm ダイス 300mm幅コートハンガーダイ リップ間隙 0.3mm シリンダー、ダイ温度設定 C1/C2/C3/ダイ=195/230/230/220(℃)」
【0113】得られたフィルムの表面は平滑であり、酸
化チタンの2次凝集および、熱劣化によるブツは認めら
れなかった。また、当該フィルムは酸素透過量0.3m
l・20μm/m2・day・atmであり、ガスバリ
ア性に優れていた。また、当該フィルムは、全ヘイズ9
%、内部ヘイズ7%、可視光線透過率73%、紫外線透
過率3%であり、光線遮断性に優れていた。そして、当
該フィルムの接着力は470g/15mm幅であった。
【0114】実施例2 無機物(b1)として平均粒子径0.03μmの酸化チ
タン(タイペークTTO−55A、粒子表面を酸化アル
ミ処理;石原産業製)を用いた以外は、実施例1と同様
にしてマスターバッチ樹脂組成物(e1)ペレットを作
製した。ペレット化の段階における当該マスターバッチ
樹脂組成物(e1)のストランドは安定しており、目ヤ
ニの発生は認められなかった。
【0115】さらに、当該マスターバッチ樹脂組成物
(e1)ペレット13重量部と、エチレン含有量32モ
ル%、ケン化度99.5モル%、MFR1.3g/10
分(190℃、2160g荷重)のEVOH(エバール
EC−F101A(登録商標);(株)クラレ製)10
0部をタンブラーで混合し、実施例1と同様にして、前
記(e1)がEVOHで希釈された、(A)100重量
部、(b1)1.5重量部、(C)0.05重量部およ
び(D)0.1重量部からなる樹脂組成物でなる、厚さ
15μmの無延伸フィルムを得た。得られたフィルムの
表面の一部に、ごく僅かな酸化チタン(b1)の2次凝
集が認められたが、実用上大きな問題になるものではな
かった。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0116】実施例3 (A)、(b1)、(C)および(D)としては、実施
例1と同一のものを用いた。(A)100部、(b1)
30部、(C)1部および(D)3部をヘンシェルミキ
サーで一括混合した後、実施例1と同様な方法でブレン
ドペレット化し、マスターバッチ樹脂組成物(e1)か
らなるペレットを得た。ペレット化の段階における当該
マスターバッチ樹脂組成物のストランドは安定してお
り、目ヤニの発生は認められなかった。
【0117】得られた(e1)からなるペレット7重量
部と、エチレン含有量32モル%、ケン化度99.5モ
ル%、MFR1.3g/10分(190℃、2160g
荷重)のEVOH(エバールEC−F101A(登録商
標);(株)クラレ製)100部をタンブラーで混合
し、実施例1と同様にして、厚さ15μmの無延伸フィ
ルムを得た。得られたフィルムの表面は平滑であり酸化
チタンの2次凝集および、熱劣化によるブツは認められ
なかった。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0118】実施例4 無機物(b2)として平均粒子径0.25μmの酸化チ
タン(タイペークCR60、粒子表面を酸化アルミ処
理;石原産業製)を用い、(A)、(C)および(D)
は実施例1と同一のものを用いた。(A)100部、
(b2)30部、(C)0.5部および(D)0.6部
をヘンシェルミキサーで一括混合した後、実施例1と同
様な方法でブレンドペレット化し、マスターバッチ樹脂
組成物(e2)からなるペレットを得た。ペレット化の
段階における当該マスターバッチ樹脂組成物(e2)の
ストランドは安定しており、目ヤニの発生は認められな
かった。
【0119】得られた(e2)からなるペレット40重
量部と、エチレン含有量32モル%、ケン化度99.5
モル%、MFR1.3g/10分(190℃、2160
g荷重)のEVOH(エバールEC−F101A(登録
商標);(株)クラレ製)100部をタンブラーで混合
し、実施例1と同様にして、(A)100重量部、(b
2)7重量部、(C)0.12重量部および(D)0.
14重量部からなる樹脂組成物でなる、厚さ15μmの
無延伸フィルムを得た。得られたフィルムの表面は平滑
であり酸化チタンの2次凝集および、熱劣化によるブツ
は認められなかった。得られたフィルムの評価結果を表
1に示す。
【0120】実施例5 (A)、(b2)、(C)および(D)としては、実施
例4と同一のものを用いた。(A)100部、(B2)
60部、(C)1部および(D)1部をヘンシェルミキ
サーで一括混合した後、実施例1と同様な方法でブレン
ドペレット化し、マスターバッチ樹脂組成物(e2)か
らなるペレットを得た。ペレット化の段階における当該
マスターバッチ樹脂組成物のストランドは安定してお
り、目ヤニの発生は認められなかった。
【0121】得られた(e2)からなるペレット21部
と、エチレン含有量32モル%、ケン化度99.5モル
%、MFR1.3g/10分(190℃、2160g荷
重)のEVOH(エバールEC−F101A(登録商
標);(株)クラレ製)100部をタンブラーで混合
し、実施例1と同様にして、厚さ15μmの無延伸フィ
ルムを得た。得られたフィルムの表面は平滑であり酸化
チタンの2次凝集および、熱劣化によるブツは認められ
なかった。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0122】実施例6 実施例4で得られたマスターバッチ樹脂組成物(e2)
40部に対して、エチレン含有量32モル%、ケン化度
99.5モル%、MFR1.3g/10分(190℃、
2160g荷重)のEVOH(エバールEC−F101
A(登録商標);(株)クラレ製)100部をタンブラ
ーで混合した後、混練部付一軸押出機を用いて230℃
で溶融押出し、温度10℃の冷却ロールに接触させ、厚
さ135μmの延伸フィルム原反を得た。得られた延伸
フィルム原反表面は、平滑でブツが無く、厚薄精度も良
好であった。
【0123】次いで、東洋精機(株)製の2軸延伸装置
を用いて予熱80℃・20秒間、延伸温度80℃、延伸
倍率9倍(縦3.0倍×横3.0倍)、延伸速度1m/
分で同時二軸延伸をして厚み15μmの延伸フィルムを
得た。さらに得られた延伸フィルムを木枠に固定して、
熱処理(熱処理温度140℃、10分間)した。得られ
たフィルムの評価結果を表1に示す。
【0124】なお、本発明でいう延伸温度とは、延伸原
反を所定時間加熱した後の、延伸直前の延伸原反の表面
温度を測定した値を指す。また、本発明における熱処理
温度とは、熱処理工程において、延伸フィルムを所定時
間加熱直後の延伸フィルムの表面温度を測定した値を指
す。
【0125】実施例7 バリア性樹脂(A)としてMXD6ナイロン(MXナイ
ロン6007、(株)三菱瓦斯化学製)を用い、(b
2)、(C)および(D)としては実施例4と同一のも
のを用いた。(A)100部、(B2)30部、(C)
0.5部および(D)0.6部をヘンシェルミキサーで
一括混合した後、実施例1と同様な方法でブレンドペレ
ット化し、マスターバッチ樹脂組成物(e2)からなる
ペレットを得た。ペレット化の段階における当該マスタ
ーバッチ樹脂組成物(e2)のストランドは安定してお
り、目ヤニの発生は認められなかった。
【0126】得られた(e2)からなるペレット40重
量部と、上記のMXナイロン100重量部をタンブラー
で混合した後、混練部付一軸押出機を用いて280℃で
溶融押出して、(A)100重量部、(b2)7重量
部、(C)0.12重量部および(D)0.14重量部
からなる樹脂組成物でなる、厚さ15μmの無延伸フィ
ルムを得た。得られたフィルムの表面は平滑であり酸化
チタンの2次凝集および、熱劣化によるブツは認められ
なかった。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0127】実施例8 バリア性樹脂(A)をナイロン−6(ナイロン1011
FB、(株)宇部興産製)を用い、(b2)、(C)お
よび(D)としては実施例4と同一のものを用いた。
(A)100部、(B2)30部、(C)0.5部およ
び(D)0.6部をヘンシェルミキサーで一括混合した
後、実施例1と同様な方法でブレンドペレット化し、マ
スターバッチ樹脂組成物(e2)からなるペレットを得
た。ペレット化の段階における当該マスターバッチ樹脂
組成物(e2)のストランドは安定しており、目ヤニの
発生は認められなかった。
【0128】得られた(e2)からなるペレット40重
量部と、ナイロン−6(ナイロン1024B、(株)宇
部興産製)100部をタンブラーで混合した後、混練部
付一軸押出機を用いて250℃で溶融押出して、(A)
100重量部、(b2)7重量部、(C)0.12重量
部および(D)0.14重量部からなる樹脂組成物でな
る、厚さ15μmの無延伸フィルムを得た。得られたフ
ィルムの表面は平滑であり酸化チタンの2次凝集およ
び、熱劣化によるブツは認められなかった。得られたフ
ィルムの評価結果を表1に示す。
【0129】実施例9 実施例1で作製したマスターバッチ樹脂組成物(e1)
17.6部、実施例4で作製したマスターバッチ樹脂組
成物(e2)45.9部、およびエチレン含有量32モ
ル%、ケン化度99.5モル%、MFR1.3g/10
分(190℃、2160g荷重)のEVOH(エバール
EC−F101A(登録商標);(株)クラレ製)10
0部をタンブラーで混合した後、混練部付一軸押出機を
用いて230℃で溶融押出して、EVOH100重量部
に対し、酸化チタン(b1)1.5部、酸化チタン(b
2)7部を含有する厚さ15μmの無延伸フィルムを得
た。
【0130】実施例10 (A)、(b1)、(C)および(D)としては、実施
例1と同一のものを用いた。(A)100部、(b1)
1.5部、(C)1部および(D)3部をヘンシェルミ
キサーで一括混合した後、実施例1と同様な方法でブレ
ンドペレット化を行った。ペレット化の段階における当
該樹脂組成物のストランドは安定しており、目ヤニの発
生は認められなかった。
【0131】得られたペレットを用い、実施例1と同様
にして、厚さ15μmの無延伸フィルムを得た。得られ
たフィルムの表面の一部に、ごく僅かな酸化チタン(b
1)の2次凝集が認められたが、実用上大きな問題にな
るものではなかった。得られたフィルムの評価結果を表
1に示す。
【0132】比較例1 MFR1.3g/10分(190℃、2160g荷重)
のEVOH(エバールEC−F101A(登録商標);
(株)クラレ製)を混練部付一軸押出機を用いて230
℃で溶融押出して厚さ15μmの無延伸フィルムを得
た。得られたフィルム全ヘイズは1.5%、内部ヘイズ
は0.9%、可視光線透過率は94%、紫外線透過率は
81%であり、光線遮断性を有していなかった。また、
当該フィルムの酸素透過量は0.3ml・20μm/m
2・day・atmであり、当該フィルムの接着力は5
20g/15mm幅であった。
【0133】比較例2 バリア性樹脂(A)および酸化チタン(b1)として
は、実施例1で使用したものと同一のものを用いた。
(A)100部および(b1)15部をヘンシェルミキ
サーで一括混合した後、実施例1と同様な方法でブレン
ドペレット化を行った。ペレット化の段階における当該
マスターバッチ樹脂組成物のストランドは不安定であ
り、目ヤニの発生が認められた。
【0134】次いで、得られた樹脂組成物からなるペレ
ット13重量部と、エチレン含有量32モル%、ケン化
度99.5モル%、MFR1.3g/10分(190
℃、2160g荷重)のEVOH(エバールEC−F1
01A(登録商標);(株)クラレ製)100部をタン
ブラーで混合し、実施例1と同様にして、厚さ15μm
の無延伸フィルムを得た。得られたフィルムの表面は樹
脂の熱劣化によるブツおよび、酸化チタン(b1)の2
次凝集が多く認められた。
【0135】比較例3 バリア性樹脂(A)、酸化チタン(b1)および化合物
(D)としては、実施例1で使用したものと同一のもの
を用いた。(A)100部、(b1)15部および
(D)1部をヘンシェルミキサーで一括混合した後、実
施例1と同様な方法でブレンドペレット化を行った。ペ
レット化の段階における当該マスターバッチ樹脂組成物
のストランドは不安定であり、目ヤニの発生が認められ
た。
【0136】次いで、得られた樹脂組成物からなるペレ
ット13重量部と、エチレン含有量32モル%、ケン化
度99.5モル%、MFR1.3g/10分(190
℃、2160g荷重)のEVOH(エバールEC−F1
01A(登録商標);(株)クラレ製)100重量部を
タンブラーで混合し、実施例1と同様にして、厚さ15
μmの無延伸フィルムを得た。得られたフィルムの表面
は樹脂の熱劣化によるブツおよび、酸化チタン(b1)
の2次凝集が多く認められた。
【0137】比較例4 バリア性樹脂(A)、酸化チタン(b1)およびハイド
ロタルサイト類化合物(C)としては、実施例1で使用
したものと同一のものを用いた。(A)100部、(b
1)15部および(C)1部をヘンシェルミキサーで一
括混合した後、実施例1と同様な方法でブレンドペレッ
ト化を行った。ペレット化の段階における当該マスター
バッチ樹脂組成物のストランドは不安定であり、目ヤニ
の発生が認められた。
【0138】次いで、得られた樹脂組成物からなるペレ
ット13重量部と、エチレン含有量32モル%、ケン化
度99.5モル%、MFR1.3g/10分(190
℃、2160g荷重)のEVOH(エバールEC−F1
01A(登録商標);(株)クラレ製)100重量部を
タンブラーで混合し、実施例1と同様にして、厚さ15
μmの無延伸フィルムを得た。得られたフィルムの表面
は樹脂の熱劣化によるブツおよび、酸化チタン(b1)
の2次凝集が多く認められた。
【0139】比較例5 バリア性樹脂(A)および酸化チタン(b2)として
は、実施例4で用いたものと同一のものを用いた。
(A)100部および(b2)30部をヘンシェルミキ
サーで一括混合した後、実施例1と同様な方法でブレン
ドペレット化を行った。ペレット化の段階における当該
マスターバッチ樹脂組成物のストランドは不安定であ
り、目ヤニの発生が認められた。
【0140】次いで、得られた樹脂組成物からなるペレ
ット13重量部と、エチレン含有量32モル%、ケン化
度99.5モル%、MFR1.3g/10分(190
℃、2160g荷重)のEVOH(エバールEC−F1
01A(登録商標);(株)クラレ製)100部をタン
ブラーで混合し、実施例1と同様にして、厚さ15μm
の無延伸フィルムを得た。得られたフィルムの表面は樹
脂の熱劣化によるブツおよび、酸化チタン(b2)の2
次凝集が多く認められた。
【0141】比較例6 バリア性樹脂(A)、酸化チタン(b2)および化合物
(D)としては、実施例4で使用したものと同一のもの
を用いた。(A)100部、(b2)30部および
(D)0.6部をヘンシェルミキサーで一括混合した
後、実施例1と同様な方法でブレンドペレット化を行っ
た。ペレット化の段階における当該マスターバッチ樹脂
組成物のストランドは不安定であり、目ヤニの発生が認
められた。
【0142】次いで、得られた樹脂組成物からなるペレ
ット13重量部と、エチレン含有量32モル%、ケン化
度99.5モル%、MFR1.3g/10分(190
℃、2160g荷重)のEVOH(エバールEC−F1
01A(登録商標);(株)クラレ製)100重量部を
タンブラーで混合し、実施例1と同様にして、厚さ15
μmの無延伸フィルムを得た。得られたフィルムの表面
は樹脂の熱劣化によるブツおよび、酸化チタン(b2)
の2次凝集が多く認められた。
【0143】比較例7 バリア性樹脂(A)、酸化チタン(b1)および化合物
(D)としては、実施例1で使用したものと同一のもの
を用いた。(A)100部、(b1)1.5部および
(D)1部をヘンシェルミキサーで一括混合した後、実
施例1と同様な方法でブレンドペレット化を行った。ペ
レット化の段階における当該マスターバッチ樹脂組成物
のストランドは安定であったが、若干の目ヤニの発生が
認められた。
【0144】得られたブレンドペレットを用いて、実施
例1と同様にして、厚さ15μmの無延伸フィルムを得
た。得られたフィルムの表面の一部に、樹脂の熱劣化に
よるブツおよび、酸化チタン(b1)の2次凝集が若干
見られたが、実用上大きな問題を生じるものではなかっ
た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0145】
【表1】
【0146】実施例1〜10に示した、本発明の樹脂組
成物は、ガスバリア性に優れ、かつ、良好な光線遮断性
(紫外線遮断性および/または可視光線遮断性)を示し
た。また、実施例1〜9において、高濃度の酸化チタン
(B)を含むマスターバッチペレットを作製する際に
も、ストランドは安定しており、ストランド表面の目ヤ
ニの発生なども見られなかった。さらに、実施例1〜1
0で得られた本発明の樹脂組成物からなるフィルムは、
酸化チタン(B)の二次凝集が効果的に抑制されてお
り、外観に優れ、接着性も良好であった。
【0147】比較例7と実施例10を比較した場合、本
発明の構成を有する実施例10の実施態様では、樹脂組
成物からなるストランドの作製時において、目ヤニの発
生等が見られず、ストランドの安定性も向上しており、
比較例7の実施態様に比べて、生産性が向上していた。
また、それぞれの実施態様で得られた単層フィルムの表
面を観察したところ、実施例10で得られたフィルムの
方が、酸化チタンの二次凝集が少なく、外観の点におい
て改善されていた。
【0148】また、実施例1および実施例10におい
て、得られた単層フィルムの表面の状態を比較したとこ
ろ、実施例1ではさらに酸化チタンの二次凝集が効果的
に抑制されており、フィルム表面の平滑性がさらに改善
されていた。また、実施例1および実施例10では、樹
脂組成物に含まれる酸化チタンの量が同じであるにも関
わらず、実施例1で得られたフィルムの方が、紫外線遮
断性効果がより優れていた。
【発明の効果】本発明の樹脂組成物はガスバリア性およ
び光線遮断性(紫外線および/または可視光線遮蔽性)
に優れている。また、本発明の樹脂組成物の製造方法を
用いることにより、前記樹脂組成物の各種物性を向上さ
せられるのみならず、生産性も向上させることができ
る。当該樹脂組成物を用いて各種の溶融成形をすること
で各種食品、水産加工品、薬品、化粧品等の容器、紙容
器、壁紙、建材、看板等に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/00 CEX C08J 5/18 4J002 5/18 C08K 3/22 C08K 3/22 3/26 3/26 5/04 5/04 C08L 29/04 A C08L 29/04 77/00 77/00 B29K 29:00 // B29K 29:00 77:00 77:00 105:16 105:16 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 B65D 1/00 B Fターム(参考) 3E033 BA17 BA21 BB04 BB10 CA16 FA04 3E067 BB14A CA04 CA12 CA13 3E086 AB01 BA04 BA15 BA35 BB05 BB22 BB23 CA12 CA28 CA29 4F071 AA29 AA54 AA79 AB18 AB21 AC09 AC10 AE05 AE18 AH05 BA01 BB05 BB06 BB07 BC01 BC04 BC05 BC07 4F210 AA04E AA19 AB16 AB19 AG01 QC07 QG01 4J002 AA031 BE021 CL001 CL011 CL031 CL051 DE136 DE287 EF038 EF058 EG018 EH028 FD016 FD207 FD208

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バリア性樹脂(A)、平均粒子径0.0
    1〜0.9μmの酸化チタン(B)、ハイドロタルサイ
    ト類化合物(C)、および炭素数4〜24の高級脂肪
    酸、その金属塩、エステルおよびアミドから選ばれる少
    なくとも1種の化合物(D)からなる樹脂組成物
    (E)。
  2. 【請求項2】 バリア性樹脂(A)100重量部に対
    し、酸化チタン(B)を0.1〜80重量部含有してな
    る請求項1記載の樹脂組成物(E)。
  3. 【請求項3】 バリア性樹脂(A)100重量部に対
    し、ハイドロタルサイト類化合物(C)を0.001〜
    5重量部含有してなる請求項1または2記載の樹脂組成
    物(E)。
  4. 【請求項4】 バリア性樹脂(A)100重量部に対
    し、化合物(D)を0.001〜15重量部含有してな
    る請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物(E)。
  5. 【請求項5】 バリア性樹脂(A)が、ポリビニルアル
    コール系樹脂および/またはポリアミドである請求項1
    〜4のいずれかに記載の樹脂組成物(E)。
  6. 【請求項6】 バリア性樹脂(A)が、エチレン−ビニ
    ルアルコール共重合体である請求項5記載の樹脂組成物
    (E)。
  7. 【請求項7】 酸化チタン(B)が、平均粒子径0.0
    1〜0.09μmの酸化チタン(b1)である請求項1
    〜6のいずれかに記載の樹脂組成物(E)。
  8. 【請求項8】 酸化チタン(B)が、平均粒子径0.1
    〜0.9μmの酸化チタン(b2)である請求項1〜6
    のいずれかに記載の樹脂組成物(E)。
  9. 【請求項9】 バリア性樹脂(A)100重量部に対
    し、請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物(E)
    1〜100重量部を配合してなる樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 バリア性樹脂(A)100重量部に対
    し、バリア性樹脂(A)100重量部、平均粒子径0.
    01〜0.09μmの酸化チタン(b1)1〜50重量
    部、ハイドロタルサイト類化合物0.05〜5重量部お
    よび、炭素数4〜24の高級脂肪酸、その金属塩、エス
    テルおよびアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物
    (D)0.05〜15重量部からなる樹脂組成物(e
    1)1〜50重量部を混合し、溶融成形して得られる成
    形物。
  11. 【請求項11】 バリア性樹脂(A)100重量部に対
    し、バリア性樹脂(A)100重量部、平均粒子径0.
    1〜0.9μmの酸化チタン(b2)10〜80重量
    部、ハイドロタルサイト類化合物0.05〜5重量部お
    よび、炭素数4〜24の高級脂肪酸、その金属塩、エス
    テルおよびアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物
    (D)0.05〜15重量部からなる樹脂組成物(e
    2)を5〜60重量部混合し、溶融成形してなる成形
    物。
  12. 【請求項12】 成形物がフィルムまたはシートである
    請求項10または11記載の成形物。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のフィルムまたはシー
    トを少なくとも一軸方向に2倍以上延伸してなるフィル
    ムまたはシート。
  14. 【請求項14】 請求項12または13記載のフィルム
    またはシートからなる層を少なくとも一層含む多層構造
    体。
  15. 【請求項15】 請求項12または13記載のフィルム
    またはシートからなる層を少なくとも一層含む容器。
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