JPH0621164B2 - ポリアミドエラストマ−の製法 - Google Patents

ポリアミドエラストマ−の製法

Info

Publication number
JPH0621164B2
JPH0621164B2 JP12059985A JP12059985A JPH0621164B2 JP H0621164 B2 JPH0621164 B2 JP H0621164B2 JP 12059985 A JP12059985 A JP 12059985A JP 12059985 A JP12059985 A JP 12059985A JP H0621164 B2 JPH0621164 B2 JP H0621164B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
caprolactam
polymerization
polytetramethylene glycol
dicarboxylic acid
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP12059985A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61278530A (ja
Inventor
良雄 鈴木
三樹彦 中村
淳 青島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP12059985A priority Critical patent/JPH0621164B2/ja
Priority to DE8686902511T priority patent/DE3684662D1/de
Priority to EP86902511A priority patent/EP0221188B1/en
Priority to US07/001,657 priority patent/US4820796A/en
Priority to KR1019860700932A priority patent/KR910004808B1/ko
Priority to PCT/JP1986/000209 priority patent/WO1986006390A1/ja
Publication of JPS61278530A publication Critical patent/JPS61278530A/ja
Publication of JPH0621164B2 publication Critical patent/JPH0621164B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリアミドエラストマーの製法に関する。さら
に詳しくはポリカプラミドをハードセグメントとし、ポ
リテトラメチレングリコールをソフトセグメントとし
た、優れた機械的性質及び透明性を有するポリエーテル
エステルアミド型のポリアミドエラストマーの製法に関
する。
[従来の技術] ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエーテルをソ
フトセグメントとし、両者をエステル結合で連結したポ
リエーテルエステルアミド型のポリアミドエラストマー
の製法としては、両末端にカルボキシル基を有するポリ
アミドとポリテトラメチレングリコールをTiあるいはZr
触媒を用いて迅速に脱水縮合させる方法(特公昭56-454
19号や特公昭58-11459号)、炭素数10以上のアミノカル
ボン酸あるいはラクタムとポリテトラメチレングリコー
ル及びジカルボン酸の混合物にさらに水を添加して重合
させる方法(特公昭57-24808号)、あるいはε−アミノ
カプロン酸、ポリテトラメチレングリコール及びジカル
ボン酸を反応させる方法(特開昭58-21095号)などが知
られている。又、ポリエーテルジオールとジカルボン酸
から得られるポリエステルとカプロラクタムとの反応に
ついても知られている(西ドイツ公開特許第2135770
号)。しかしながら、安価な原料であるカプロラクタム
を用いた、透明で強靭なポリエーテルエステルアミド型
のポリアミドエラストマーはいまだ知られていない。
[発明が解決しようとする問題点] ポリアミドとポリテトラメチレングリコールは相溶性が
悪く、特にポリカプラミドはポリテトラメチレングリコ
ールとの相溶性が悪く、しかもポリテトラメチレングリ
コールの分子量が大きくなる程、ポリカプラミドとの相
溶性は悪くなる。特公昭56-45419号や特公昭58-11459号
の方法はカルボキシル基末端ポリアミドとポリテトラメ
チレングリコールの脱水縮合を迅速に行うよう特殊な触
媒を用いており、なおかつ、ナイロン−11、ナイロン−
12などではポリテトラメチレングリコールとの相溶性が
比較的良いので、均質な重合ができるが、ポリカプラミ
ドを用いた場合には、粗大相分離が起こって、均質な重
合は困難である。
特公昭57-24808号では炭素数10以上のラクタムあるいは
アミノカルボン酸、ポリテトラメチレングリコール及び
ジカルボン酸の混合物にポリアミド形成性成分に対し、
2〜30重量パーセントの水を添加して重合を行うもので
ある。この重合系では、ディ・アンゲバンテ・マクロモ
レキュラーレ・ヘミー (Die Angewandte Makromolekula
re Chemie) 74 (1978) 49に示されている如く、ラクタ
ムの重合が優先して起こり、一方、エステル化はほとん
ど起こらず、重合系は主としてカルボキシル基末端ポリ
アミドとポリテトラメチレングリコールの混合物とな
る。ついで両者を脱水縮合してポリエーテルエステルア
ミドとするものである。この系にカプロラクタムを適用
すると上記と同様、カルボキシル基末端のポリカプラミ
ドが優先的に生成するが、これはポリテトラメチレング
リコールと相溶性が悪く、重合系中で粗大相分離を起こ
し、重合を進めても、層分離は解消されず、乳白色の機
械的物性の劣るポリアミドエラストマーしか得られな
い。
又、特開昭58-21095号はε−アミノカプロン酸、ポリテ
トラメチレングリコール及びジカルボン酸の混合物を加
熱溶融した後、重合せしめる方法であるが、ε−アミノ
カプロン酸は重合が速く、しかも重合時に多量の水を発
生する。この方法においても加熱溶融する均質化工程あ
るいは重合初期にエステル化はほとんど起こらず優先的
にポリアミドが生成し、生成したポリアミドはポリテト
ラメチレングリコールとは相溶化しにくいため、粗大相
分離が起こり、透明なポリアミドエラストマーは得られ
ない。
さらに、西ドイツ公開特許第2135770 号ではポリエーテ
ルジオールとジカルボン酸を脱水縮合して、あらかじめ
カルボキシル基末端を有するポリエーテルポリエステル
を合成し、これにカプロラクタムを重合させる方法につ
いて開示している。この方法で得られるのはもろいポリ
マーで、強靭なエラストマーとはなり難いものである。
これらの既知のポリエーテルエステルアミド型のポリア
ミドエラストマーの製造法は条件は異っていても、反応
の本質はあらかじめ、あるいは反応の場で優先的に重合
されたカルボキシル基末端ポリアミドとポリテトラメチ
レングリコールを縮合するものである。又、もう一方の
製造方法はジカルボン酸とポリエーテルジオールを反応
させて、ポリエステルとし、このポリエステルとラクタ
ムとを反応させるものである。いずれにしてもエステル
化とポリアミド化を区別して行う重合法をとっている。
さて、工業的に入手が容易で、かつ安価なカプロラクタ
ムをポリアミド成分とする、透明でしかも機械的物性の
優れたポリアミドエラストマーは工業上、極めて有用で
あると考えられるが、以上に述べた如く、満足すべき製
造方法はいまだないのである。
[問題を解決するための手段及び作用] そこで本発明者等はカプロラクタムをポリアミド成分と
して使用し、機械的物性の優れた物質なエラストマーを
合成すべく、重合中のポリアミド成分とポリエーテル成
分の相溶化について、鋭意検討したところ、末端にカル
ボキシル基を有するポリカプラミドとポリテトラメチレ
ングリコールを縮合させる際に、ポリカプラミドの少な
くとも0.7 重合倍のカプロラクタムを添加して重合し、
かつ重合中に生成するH2O を除去しながら重合すると、
添加したカプロラクタムがポリアミド鎖をさらに延長す
るアミド化反応とポリアミドとポリテトラメチレングリ
コールとのエステル化反応とが同時に進行し、反応の進
行と共に、重合初期には淡乳白色を呈していた重合物は
しだいに相分離が解消され、均一透明な溶融重合物とな
り、均一な重合が進行して透明で機械的強度の大きいエ
ラストマーが得られることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
すなわち、本発明は、 A)脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジ
カルボン酸から選ばれるジカルボン酸とカプロラクタム
との反応で得られる、平均分子量300 〜4000で、両末端
にカルボキシル基を有するポリカプラミドと B)平均分子量800 〜5000のポリテトラメチレングリコー
ル又は、ジオールをエーテル成分として共重合したジオ
ール変性ポリテトラメチレングリコール、又はこれらの
混合物 とを反応させて、ポリエーテルエステルアミド型のポリ
アミドエラストマーを製造するに際して、上記ポリカプ
ラミドの少なくとも0.7 重量倍のカプロラクタムを添加
して重合し、かつ重合は生成する水を除去しながら、15
0 〜300 ℃でおこない、次いで未反応カプロラクタムを
除去すること、あるいは未反応カプロラクタムを除去し
た後、さらに200 〜300 ℃で後重合することを特徴とす
る透明性を有するポリアミドエラストマーの製法に関す
る。
本発明のポリアミドエラストマーを製造するに当り、ポ
リマー中のハードセグメント(カルボキシル基末端のポ
リカプラミドとカプロラクタムが反応したセグメントと
して表わされるもの)の量は10〜70重量パーセントが好
ましく用いられ、さらに好ましくは10〜60重量パーセン
トが用いられる。重合時に用いるカルボキシル基末端の
ポリアミドの平均分子量は300 〜4000が用いられ、4000
を越えるものを用いると、重合時の相溶性が低下し、透
明なエラストマーが得にくくなるので好ましくない。重
合時に添加するカプロラクタムは少なくともポリカプラ
ミドの0.7 重量倍以上を必要とし、これよりもカプロラ
クタムが少ないと重合中に粗大層分離が解消されず、透
明なエラストマーが得にくくなるので好ましくない。重
合時に添加するカプロラクタムはポリカプラミドの0.9
重量倍以上とするのがより好ましい。また、用いるポリ
カプラミドの分子量やカプロラクタムとの比は目的とす
るポリアミドエラストマーの組成やポリテトラメチレン
グリコールの分子量によって、前記の範囲の中から選ば
れる。
さらに、本発明に用いるカルボキシル基末端ポリカプラ
ミドはポリテトラメチレングリコールに対しCOOH/OH=
1.1 〜0.9 となる様に用いるのが好ましく、カルボキシ
ル基末端ポリカプラミドの量が上記した範囲より多くと
も少なくとも、生成したポリアミドエラストマーの分子
量が大とならず、機械的物性の低下をきたすので好まし
くない。
又、かかるカルボキシル基末端ポリカプラミドはカプロ
ラクタムとジカルボン酸の反応により合成され、ここに
用いられるジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンニ酸などの脂
肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカ
リンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸などの芳
香族ジカルボン酸などが挙げられる。
ポリテトラメチレングリコールは平均分子量800 〜5000
のものが使用でき、ポリテトラメチレングリコールの平
均分子量が800 より小さいと組成にもよるが、エラスト
マーの融点が低くなったり、十分な物性がでないなどの
欠点が生じてくるので好ましくない。又、平均分子量が
5000よりも大きくなると用いるポリカプラミドの分子量
にもよるが、相溶性が低下し、均一重合がしにくくなる
ので好ましくない。
変性ポリテトラメチレングリコールを構成する 以外の構成は、次にあげるものに限定されるものではな
いが、ジオール又は構造上ジオール由来のものと同一に
なるもの(例えば、環状エーテル)であり、これをジオ
ールの形として例示すれば、アルキレングリコール
類、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、 1,6ヘキサンジオール
など、主鎖に酸素原子を含有するジオール、例えば上
記アルキレングリコールの縮合エーテルである、モノあ
るいはポリエーテルグリコール、主鎖にイオウを含有
するジオール類、例えばチオエーテルジオール、具体的
にはチオジエタノール、ポリチオジエタノールオリゴマ
ー、主鎖に窒素を含有するジオール、例えば第3級ア
ミンのジオール、具体的にはN-ブチルジエタノールアミ
ン、N-ブチルジプロパノールアミンなど挙げられる。本
発明にいう変性ポリテトラメチレングリコールは上記ジ
オール類、あるいはジオールの縮合物である環状エーテ
ルとブタンジオール、あるいはポリテトラメチレングリ
コール、あるいはこれらの縮合物である環状エーテルの
縮重合あるいは開環付加重合などによって製造される。
これらの変性ポリテトラメチレングリコールはエラスト
マーのソフトセグメントとなるもので、その組成はエラ
ストマーの要求性能、例えば低温特性、耐熱性、あるい
は耐候性により選ばれるものである。
本反応ではカルボキシル基末端ポリカプラミド、ポリテ
トラメチレングリコール及びカプロラクタムを150 〜30
0 ℃で、より好ましくは180 〜280 ℃で溶融重縮合させ
るが、反応温度は段階的に昇温させることもできる。
又、一部のカプロラクタムが未反応で残るが、これは減
圧下に留去することができるし、さらに高重合体とする
ようにカプロラクタム留去後、減圧下200 〜300 ℃、よ
り好ましくは220 〜280 ℃で後重合することもできる。
重合温度が150 ℃より低い場合は著しく重合速度が遅く
なるので好ましくなく、300 ℃を越えると熱劣化が起こ
るようになるので好ましくない。
本発明の様な透明性を有し、しかも強靭なエラストマー
を得るには均質な重合が必要であり、このためにはカル
ボキシル基末端ポリカプラミドに対し0.7 重量倍以上の
カプロラクタムを添加して重合し、かつ重合中に生成す
る水を除去しながら重合して、重合中に前記ポリカプラ
ミドがカプロラクタムと反応するアミド化反応とポリテ
トラメチレングリコールと反応するエステル化反応を同
時に起こさせることが重要であることを見いだした。重
合系に水を添加したり、あるいは生成する水を除去しな
い場合、前記ポリカプラミドとカプロラクタムの反応が
優先的に起こり、重合物の粗大相分離が解消されず、不
透明なエラストマーしか得られない。又、エステル化が
優先して起これば、目的の組成のエラストマーが得られ
にくくなったり、機械的強度が不足するなどの欠点が生
じる。従って生成する水を除去しながら重合することが
重要であり、重合系中の水の濃度としては1重量パーセ
ント以下とするのが好ましく、反応で生成する水を除去
するには不活性ガス気流下あるいは減圧下で行うことが
できる。
本反応にはエステル化触媒を重合促進剤として用いるこ
とができ、たとえばリン酸、テトラブチルチタネートな
どのテトラアルキルチタネート、ジブチルスズオキサイ
ド、ジブチルスズラウレートなどのスズ系触媒、酢酸マ
ンガンなどのマンガン系触媒及び酢酸鉛などの鉛系触媒
等が好ましく用いられる。触媒の添加時期は重合初期で
も重合中期でも良い。又、得られたポリアミドエラスト
マーの熱安定性を高めるために、各種の耐熱老化防止
剤、酸化防止剤などの安定剤を用いることができ、これ
らは重合の初期、中期、末期のどの段階で添加してもよ
い。又、重合後成形前に添加することもできる。耐熱安
定剤としては、たとえばN,N′−ヘキサメチレン−ビス
(3,5-ジ第3ブチル-4−ヒドロキシ桂皮酸アミド)、4,
4′−ビス(2,6-ジ第3ブチルフェノール)、2,2′−メ
チレンビス(4-エチル-6−第3ブチルフェノール)など
の各種ヒンダードフェノール類、N,N′−ビス(β−ナ
フチル)-p−フェニレンジアミン、N,N′−ジフェニル-
p−フェニレンジアミン、ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2
−ジヒドロキノリン)などの芳香族アミン類、塩化銅、
ヨウ化銅などの銅塩、ジラウリルチオジプロピオネート
などのイオウ化合物やリン化合物などが挙げられる。さ
らに、本発明のポリアミドエラストマーには紫外線吸収
剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤、耐加水分解改良剤な
どを任意に含有せしめることができる。
[発明の効果] 本発明によって得られるポリエーテルエステルアミド型
のポリアミドエラストマーは従来技術によって得られる
ものとは異なり、透明でかつ、強靭な物性を有するエラ
ストマーであり、透明性を要求される分野、たとえばホ
ース、チューブ、シートなどの分野には特に有利に使用
され、工業的価値の高いものである。
[実施例] 以下実施例によって本発明を説明する。なお、実施例
中、相対粘度はメタクレゾール中30℃、0.5wt/vol%で測
定した。重合物は熱プレスにより肉厚1〜2mmのシート
に形成し、引張試験を23℃で行った。
実施例1 撹拌器、還流冷却器を取り付けた500ml セパラブルフラ
スコにアジピン酸46.8g 、カプロラクタム253.2g、水4
g 及びN,N′−ヘキサメチレン−ビス(3.5-ジ-t−ブチ
ル-4−ヒドロキシ桂皮酸アミド)(商品名“イルガノッ
スクス1098”:酸化防止剤)0.2gを仕込み、260 ℃で6
時間反応して両末端がカルボキシル基のポリカプラミド
を得た。酸価測定からこのものは数平均分子量936 であ
った。
撹拌器、窒素導入口及び留去管を取り付けた500ml のセ
パラブルフラスコに上記ポリアミド32.3g ポリテトラメ
チレングリコール(数平均分子量3167)109.4g、カプロ
ラクタム33.7g 、リン酸0.2g及び“イルガノックス109
8”0.2gを仕込み、窒素を20ml/minで流しながら、220
℃で2時間、240 ℃で2時間、260 ℃で3時間重合し
た。重合物ははじめ、淡い乳白色を呈していたが、重合
開始後4時間目頃から透明となり、以後透明状態を保持
したまま重合が進行した。次いで減圧下で未反応カプロ
ラクタムを留去し、さらに260 ℃、1トールで2時間重
合した。ポリテトラメチレングリコール含量68.7%、相
対粘度1.86、引張強度430kg/cm2 、伸度950 %、融点20
6 〜214 ℃の淡黄色透明エラストマーが得られた。
実施例2 実施例1と同様装置にアジピン酸とカプロラクタムより
調製された末端カルボキシル基ポリカプラミド(平均分
子量581 )34.0g、ポリテトラメチレグリコール(平均
分子量2150)126.1g、カプロラクタム40.0g 、リン酸0.
2g及び“イルガノッスク1098”0.2gを仕込み、実施例1
と同様に重合して、ポリテトラメチレングリコール含量
72%、相対粘度1.80、引張強度300kg/cm2 、伸度920
%、融点175 〜191 ℃の淡黄色透明エラストマーが得ら
れた。
比較例1 実施例1と同様装置に平均分子量2150のポリテトラメチ
レングリコール111g、アジピン酸とカプロラクタムより
調製した平均分子量900 の末端カルボキシル基ポリカプ
ラミド47.6g 、テトラブチルチタネート1.2g及び“イル
ガノックス1098”0.3gを仕込み、1トール240 ℃で1時
間、1トール260 ℃で4時間重合した。重合中、重合物
は乳白色を呈し、乳白色は解消されることなく、乳白色
不透明エラストマーが得られた。このものはポリテトラ
メチレングリコールの含量が70%で、引張強度40kg/c
m2、伸度700 %のもろいものであった。
比較例2 比較例1と同様にして末端カルボキシル基ポリカプラミ
ド(数平均分子量1106)100g、数平均分子量1110のホリ
テトラメチレングリコール100g及びテトラブチルチタネ
ート0.8gを仕込み、260 ℃1トールで4時間重合した。
重合中、重合物は乳白色を呈し、乳白色不透明のエラス
トマーが得られた。このものは相対粘度1.72であるが、
引張強度100kg/cm2 、伸度300 %のもろいものであっ
た。
比較例3 内容積500ml のオートクーブにカプロラクタム151g、ポ
リテトラメチレングリコール111g(数平均分子量111
0)、アジピン酸15.6g 、リン酸0.15g 、水6.8g及び
“イルガノックス1098”0.15g を仕込み、270 ℃に加熱
するとオートクレーブ内の圧力は8kg/cm2のゲージ圧を
示した。
この温度で7時間反応し、オートクレーブを急冷して内
容物をとりだしたところ、2層に分離しており、上層は
白色の固体で赤外吸収スペクトルから末端カルボキシル
基のポリカプラミドであり、下層は液状で主としてポリ
テトラメチレングリコールであり、一部カプロラクタム
がとけ込んでいるものであった。この内容物を実施例1
と同様の装置に入れ、260 ℃に加熱して水を留去し、同
温度で8時間重合した。重合物は乳白色で粗大相分離を
起こしており、重合が進んでも乳白色のままであった。
重合後、同温度で30分間、減圧にして未反応カプロラク
タムを留去して、乳白色不透明のエラストマーが得られ
た。このものはポリテトラメチレングリコールを40重量
パーセント含有し、融点202 〜207 ℃、相対粘度1.31、
引張強度115kg/cm2 で伸度は100 %で、もろいものであ
った。
比較例4 実施例1と同様装置にε−アミノカプロン酸172g、ポリ
テトラメチレングリコール111g(数平均分子量1110)、
アジピン酸15.6g 、テトラブチルチタネート0.3g及び
“イルガノックス1098”0.15g を仕込み、220 ℃で30分
間反応させた。溶融した直後は均一透明であったが、30
分間で約18g の水が留出し、溶液は乳白色となって、そ
の赤外吸収スペクトルから末端カルボキシル基のポリア
ミドが生成しており、エステル結合がほとんど見られな
いことからポリテトラメチレングリコールはほとんど反
応していないことが分った。又、この間の反応液中の水
量は2.5 〜3.0 重量パーセントであった。続いて温度を
260 ℃に上げ、徐々に減圧にして最終的に1トールとし
て4時間重合して、乳白色不透明のエラストマーを得
た。このものは相対粘度1.35で引張強度90kg/cm2、伸度
20〜30%のもろいものであった。
比較例5 実施例1と同様の装置に平均分子量1500のポリテトラメ
チレングリコール114.9g、アジピン酸11.6g を仕込み、
窒素を20ml/minで流しながら12時間反応してポリエーテ
ルエステルを得た。これにカプロラクタム124gを添加
し、245 ℃で12時間反応し、次いで同温で減圧にして未
反応のカプロラクタムを留去して重合物を得た。この重
合物はポリテトラメチレングリコールを74重量パーセン
ト含有しており、引張強度50kg/cm2、伸び100 %のもろ
いものであった。
実施例3 実施例1と同様装置に実施例2で用いたポリカプラミド
50g 、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量11
10)95.5g 、カプロラクタム93.3g 、リン酸0.2g及び
“イルガノックス1098”0.2gを仕込み、窒素を20ml/min
で流しながら、220 ℃で2時間、240 ℃で2時間、260
℃で8時間重合した。次いで未反応のカプロラクタムを
減圧下除去して淡黄色透明性を有するエラストマーを得
た。
なお、重合開始後、2,4,7,11時間目にサンプリン
グをしてエステル化速度に対応する酸価の減少率及びカ
プロラクタムの転化率を調べたところ、それぞれ40%,
28%;59%,40%;83%,59%,95%,69%であった。
重合中、重合物は重合開始後4時間目頃から透明とな
り、以後、透明状態を保持して重合が進んだ。得られた
エラストマーはポリテトラメチレングリコールの含量45
%、相対粘度1.60で引張強度350kg/cm2 、伸度700 %の
透明性のあるものであった。
比較例6 実施例3のカプロラクタム93.3g を25g に代えて用いる
以外は実施例3と同様にして重合したが、乳白色は解消
されず、白色不透明のエラストマーが得られた。このも
のはポリテトラメチレングリコールを58重量パーセント
含有し、引張強度140kg/cm2 、伸度600 %のものであっ
た。
実施例4 実施例1と同様にしてアジピン酸とカプロラクタムから
調製されたカルボキシル基末端ポリアミド49g (数平均
分子量490 )、ポリテトラメチレングリコール111g(数
平均分子量1110)、カプロラクタム60g を6時間重合し
た。次いでテトラブチルチタネート0.6g及び酸化防止剤
としてポリ(2,2,4-トリメチル-1,2−ジヒドロキノリ
ン)(商品名;ノクラック224)0.8gを添加し、260
℃、減圧下、未反応カプロラクタムを除去しながら、3
時間重合した。引張強度420kg/cm2 、伸度800 %、相対
粘度1.92を示す無色透明なエラストマーが得られ、この
もののポリテトラメチレングリコール含量は60重量%で
あった。
実施例5 実施例4と同様にしてアジピン酸とカプロラクタムから
調製されたカルボキシル基末端ポリカプラミド62g (数
平均分子量3100)、数平均分子量3170のポリテトラメチ
レングリコール63.4g 、カプロラクタム65g を用いて、
リン酸及び“イルガノックス1098”存在下で重合し、相
対粘度1.75、ポリテトラメチレン含量48重量%、引張強
度360kg/cm2 、伸度500 %の透明エラストマーを得た。
実施例6 実施例1と同様にしてテレフタル酸とカプロラクタムか
ら調製されたカルボキシル基末端ポリカプラミド52.6g
(数平均分子量1600)、ポリテトラメチレングリコール
50g (数平均分子量1500)及びカプロラクタム43g を用
いて、リン酸及び“イルガノックス1098”存在下重合し
て、透明エラストマーを得た。このものはポリテトラメ
チレングリコールを43重量%含有し、応対粘度1.60、引
張強度320kg/cm2 、伸度600 %であった。
実施例7 撹拌装置と還流冷却器を付けた容器に、テトラヒドロフ
ラン(THF)600gとエチレングリコール25.5g を仕込
む。ついで、250 ℃で3時間加熱して無水の状態にした
リンタングステン酸(H3PW12O40 )を300g加える(エチ
レングリコールのモル数はリンタングステン酸のモル数
の約4倍である)。温度を60℃に設定して、4時間撹拌
を続けた後、室温で静置して二相に分離する。上層から
未反応のTHF を蒸留で除き、透明で粘性のあるポリマー
を126g得た。得られたポリマーの1H-NMR(400MHz) 、13C-
NMR (400MHz)測定の結果、ポリマーは、エチレングリコ
ール/THF =1/9 (mol 比)で共重合したポリエーテル
グリコールであり、エチレングリコールはブロック的で
なく、ランダムに共重合したものであり、水酸基価を測
定した結果、数平均分子量は1500で融点は14℃であっ
た。
実施例4と同様にして、上記エチレングリコール変性ポ
リテトラメチレングリコール45g 、実施例1に用いたポ
リカプラミド28.2g 、カプロラクタム30g を重合させ、
透明エラストマーを得た。このものはポリテトラメチレ
ングリコール含量45重量%、相対粘度1.75、引張強度31
0kg/cm2 、伸度700 %であった。
実施例8 エチレングリコールの代わりにネオペンチルグリコール
を用い、実施例8と同様にしてネオペンチルグリコール
がTHF /ネオペンチルグリコール=26/1で共重合した数
平均分子量1970のポリテトラメチレングリコールが得ら
れ、これを実施例2のポリテトラメチレングリコールに
代えて用いる他は実施例2と同様に重合してネオペンチ
ルグリコール変性テトラメチレングリコール69重量%含
有の透明エラストマーを得た。このものは引張強度280k
g/cm2 、伸度900 %であった。
実施例9 実施例7と同様にしてジオールとしてビス-(2-ヒドロキ
シエチル)-n-ブチルアミンを用いて、THF /ビス-(2-ヒ
ドロキシエチル)-n-ブチルアミン=25/1で共重合した、
数平均分子量1700のポリエーテルグリコールを合成し、
このポリエーテルグリコール51g 、デカンジカルボン酸
とカプロラクタムから調製したポリカプラミド24.9g
(数平均分子量830 )、カプロラクタム36g を実施例1
と同様にして重合し、ポリエーテルグリコール含量51
%、引張強度270kg/cm2 、伸度600 %の淡黄色透明エラ
ストマーを得た。
実施例10 ジオールとしてチオジエタノール(HOCH2-CH2S・CH2CH2O
H)を用いて実施例8と同様にして数平均分子量2000でT
HF /チオジエタノール=22/1の共重合ポリエーテルグ
リコールを得、実施例2と同様条件で重合して、ポリエ
ーテルグリコール含量71%、相対粘度1.6 、引張強度28
0kg/cm2 、伸度800 %の淡黄色透明エラストマーを得
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A)脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン
    酸、芳香族ジカルボン酸から選ばれるジカルボン酸とカ
    プロラクタムとの反応で得られる、平均分子量300 〜40
    00で、両末端にカルボキシル基を有するポリカプラミ
    ド、及び B)平均分子量800 〜5000のポリテトラメチレングリコー
    ル とを反応させて、ポリエーテルエステルアミド型のポリ
    アミドエラストマーを製造するに際して、上記ポリカプ
    ラミドの少なくとも0.7 重量倍のカプロラクタムを添加
    して重合し、かつ重合は生成する水を除去しながら、15
    0 〜300 ℃でおこない、次いで未反応カプロラクタムを
    除去すること、あるいは未反応カプロラクタムを除去し
    た後、さらに200 〜300 ℃で後重合することを特徴とす
    る透明性を有するポリアミドエラストマーの製法。
  2. 【請求項2】A)脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン
    酸、芳香族ジカルボン酸から選ばれるジカルボン酸とカ
    プロラクタムとの反応で得られる、平均分子量300 〜40
    00で、両末端にカルボキシル基を有するポリカプラミ
    ド、及び B)平均分子量800 〜5000でポリテトラメチレングリコー
    ルの-(CH2)4O- を、ジオール成分に由来する他の構造式
    で示されるものと一部おきかえてなる変性ポリテトラメ
    チレングリコール とを反応させて、ポリエーテルエステルアミド型のポリ
    アミドエラストマーを製造するに際して、上記ポリカプ
    ラミドの少なくとも0.7 重量倍のカプロラクタムを添加
    して重合し、かつ重合は生成する水を除去しながら、15
    0 〜300 ℃でおこない、次いで未反応のカプロラクタム
    を除去すること、あるいは未反応カプロラクタムを除去
    した後、さらに200 〜300 ℃で後重合をすることを特徴
    とする透明性を有するポリアミドエラストマーの製法。
JP12059985A 1985-04-26 1985-06-05 ポリアミドエラストマ−の製法 Expired - Lifetime JPH0621164B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12059985A JPH0621164B2 (ja) 1985-06-05 1985-06-05 ポリアミドエラストマ−の製法
DE8686902511T DE3684662D1 (de) 1985-04-26 1986-04-25 Durchsichtiges polyamidelastomer.
EP86902511A EP0221188B1 (en) 1985-04-26 1986-04-25 Transparent polyamide elastomer
US07/001,657 US4820796A (en) 1985-04-26 1986-04-25 Transparent polyamide elastomer from carboxy polycaprolactam and poly(tetramethylene oxy)glycol
KR1019860700932A KR910004808B1 (ko) 1985-04-26 1986-04-25 투명한 폴리아미드 엘라스토머의 제조방법
PCT/JP1986/000209 WO1986006390A1 (en) 1985-04-26 1986-04-25 Transparent polyamide elastomer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12059985A JPH0621164B2 (ja) 1985-06-05 1985-06-05 ポリアミドエラストマ−の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61278530A JPS61278530A (ja) 1986-12-09
JPH0621164B2 true JPH0621164B2 (ja) 1994-03-23

Family

ID=14790246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12059985A Expired - Lifetime JPH0621164B2 (ja) 1985-04-26 1985-06-05 ポリアミドエラストマ−の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0621164B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62292927A (ja) * 1986-06-10 1987-12-19 Honda Motor Co Ltd 油圧クラツチ
CN112695403A (zh) * 2020-12-11 2021-04-23 杭州津源新材料有限公司 一种抗静电聚酰胺弹性体纺丝及其加工方法
CN113861412B (zh) * 2021-11-09 2023-08-22 美瑞新材料创新中心(山东)有限公司 一种聚醚酰胺弹性体的制备方法及其产品

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61278530A (ja) 1986-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5107908B2 (ja) 脂肪族ポリエステルアミド組成物およびその製法
US4115475A (en) Method to prepare copolyesteramides for moulding
Niesten et al. Synthesis and properties of segmented copolymers having aramid units of uniform length
SE429134B (sv) Forfarande for framstellning av polyeteresteramider
JPS63159432A (ja) エラストマー
JPH04227632A (ja) 新規なポリエーテルアミド及びその製法
US20050080224A1 (en) Oil soluble hyperbranched polyesteramides
JPS63456B2 (ja)
JPS6338052B2 (ja)
JPH0635509B2 (ja) ポリアミド共重合体
US4081428A (en) Preparation of polymers
US6930164B1 (en) Telechelic ionomeric polyester and method of preparation thereof
AU603393B2 (en) Elastomers
JPH0621164B2 (ja) ポリアミドエラストマ−の製法
US4565849A (en) Polyamide elastomer from carboxy terminated polyamide and polyoxy-2-methyl-1,3-propylene diol
JP3377142B2 (ja) 脂肪族ポリエステル共重合体の製造法
JPH0621163B2 (ja) ポリアミドエラストマ−の製造方法
JP2612570B2 (ja) 低硬度ポリアミドエラストマーの製造方法
JP3000149B1 (ja) 生分解性高分子量脂肪族ポリエステル及びその製造方法
JP2875346B2 (ja) ポリアミドイミドエラストマーの製造方法
JPH0757801B2 (ja) 新規ポリエ−テル・エステル・アミド・ブロック・コポリマ−
JPH0672183B2 (ja) ポリアミドエラストマ−の製造方法
JP2641500B2 (ja) 低硬度ポリアミドイミドエラストマーの製造方法
JP3066500B1 (ja) 生分解性高分子脂肪族ポリエステル及びその製造方法
JPS63280736A (ja) 低硬度ポリアミドエラストマ−の製造法