JPH0672183B2 - ポリアミドエラストマ−の製造方法 - Google Patents

ポリアミドエラストマ−の製造方法

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JPH0672183B2
JPH0672183B2 JP25071786A JP25071786A JPH0672183B2 JP H0672183 B2 JPH0672183 B2 JP H0672183B2 JP 25071786 A JP25071786 A JP 25071786A JP 25071786 A JP25071786 A JP 25071786A JP H0672183 B2 JPH0672183 B2 JP H0672183B2
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良雄 鈴木
重夫 椎橋
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旭化成工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はポリアミドエラストマーの製造方法に関するも
のである。さらに詳しくいえば、本発明は、ハードセグ
メントのポリアミド成分として工業的に入手が容易で安
価なカプロラクタムを用い、透明で機械的特性が良好な
かつ低温特性に優れたポリアミドエラストマーを製造す
るための方法に関するものである。
従来の技術 ポリアミドをハードセグメント、ポリエーテルをソフト
セグメントとし、両者をエステル結合で連結したポリエ
ーテルエステルアミド型のポリアミドエラストマーは、
工業用素材として有用であることが知られている。
このようなポリアミドエラストマーの製造方法として
は、例えば(1)両末端にカルボキシル基を有するポリ
アミドとポリオキシテトラメチレングリコールとを、チ
タン系触媒やジルコニウム系触媒を用いて迅速に脱水縮
合させる方法(特公昭56−45419号公報、特公昭58−114
59号公報)、(2)炭素数10以上のアミノカルボン酸又
はラクタムとポリオキシテトラメチレングリコールとジ
カルボン酸との混合物にさらに水を添加して重合させる
方法(特公昭57−24808号公報)、(3)ε−アミノカ
プロン酸、ポリオキシテトラメチレングリコール及びジ
カルボン酸を反応させる方法(特開昭58−21095号公
報)、(4)ポリオキシテトラメチレングリコールの代
りに、両末端に水酸基を有する炭化水素を用いる方法
(特開昭60−158217号公報)などが知られている。
ところで、ポリアミド成分として安価なカプロラクタム
を用いたポリアミドエラストマーは経済的に有利である
が、該ポリアミドエラストマーを前記の方法によつて製
造する場合、透明で機械的物性に優れたものが得られな
いという欠点がある。これはポリカプラミドとポリオキ
シテトラメチレングリコールや両末端に水酸基を有する
炭化水素との相容性が低く、しかもこれらのグリコール
の分子量が大きくなるほど、ポリカプラミドとの相容性
が低下することに起因する。
例えば、前記(1)の方法において、カルボキシル基末
端ポリアミドとしてナイロン−11やナイロン−12などを
用いる場合には、これらはポリオキシテトラメチレング
リコールとの相容性が比較的に良く、かつポリオキシテ
トラメチレングリコールとの脱水縮合を迅速に行うため
に特殊な触媒を用いているので、均質な重合が可能であ
るが、ポリカプラミドを用いる場合には、粗大相分離が
生じて均質な重合が困難であり、透明で機械的特性に優
れたものが得られない。
また、前記(2)の方法は、炭素数10以上のアミノカル
ボン酸又はラクタムとポリオキシテトラメチレングリコ
ールとジカルボン酸との混合物に、水2〜30重量%を添
加して重合を行う方法であつて、このような重合系にお
いては、「デイ・アンゲバンテ・マクロモレキユラーレ
・ヘミー(Die Angewandte Makromolekulare Chemi
e)」第74巻、第49ページ(1978年)に示されているよ
うに、まずアミノカルボン酸又はラクタムの重合が優先
して起こり、エステル化はほとんど起こらないので、重
合系はカルボキシル基末端ポリアミドとポリオキシテト
ラメチレングリコールとの混合物となり、次いで両者が
脱水縮合してポリエーテルエステルアミドが生成する。
したがつて、この(2)の方法において、ラクタムとし
てカプロラクタムを用いる場合も、前記と同様に、まず
カルボキシル基末端のポリカプラミドが優先的に生成
し、このものはポリオキシテトラメチレングリコールと
の相容性が低いので、重合系中で粗大相分離を起こし、
重合が進行してもこの相分離は解消されず、乳白色の機
械的物性の劣るポリアミドエラストマーしか得られな
い。
さらに、前記(3)の方法はε−アミノカプロン酸、ポ
リオキシテトラメチレングリコール及びジカルボン酸の
混合物を加熱溶融したのち、重合させる方法であるが、
該ε−アミノカプロン酸は重合が速く、しかも重合時に
多量の水を発生するので、この方法においても加熱溶融
する均質化工程や重合初期にはエステル化はほとんど起
こらず、優先的にポリアミドが生成し、このものはポリ
オキシテトラメチレングリコールと相容を欠くため、粗
大相分離が起こり、透明なポリアミドエラストマーは得
られない。また、前記(4)の方法は、ポリオキシテト
ラメチレングリコールの代りに両末端に水酸基を有する
炭化水素を用いる方法であるが、この方法をカプロラク
タムを原料とするポリアミドエラストマーの製造に適用
しても、該炭化水素はポリオキシメチレングリコールと
同様にポリカープラミドとは相容性を欠くので、重合中
に粗大相分離が生じて、不透明のもろいポリマーしか得
られない。
これら従来のポリアミドエラストマーの製造法は、それ
ぞれ条件が異なつていても、反応の本質はあらかじめ、
あるいは反応の場で優先的に、重合されたカルボキシル
基末端ポリアミドとポリオキシテトラメチレングリコー
ル又は両末端に水酸基を有する炭化水素とを縮合するも
のであつて、ポリアミド化とエステル化が別々に進行す
る重合法である。
さらに、該ポリオキシテトラメチレングリコールは、得
られるポリアミドエラストマーの機械的強度や耐水性な
どの点から、そのソフトセグメントとして好適である
が、分子量が大きくなると、ブロツクポリマー中に組み
込まれていても、低温で凍結しやすくなり、該エラスト
マーの低温における弾性がそこなわれるという問題が生
じる。
このような事情で、工業的に入手が容易で、かつ安価な
カプロラクタムをポリアミド成分とする透明で機械的特
性が良好であり、かつ低温特性に優れたポリアミドエラ
ストマーは、これまで見出されていないのが実情であ
り、その開発が強く望まれていた。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、このような要望にこたえ、安価なカプロラク
タムをポリアミド成分とし、かつ透明で機械的特性が良
好である上に、低温特性に優れたポリアミドエラストマ
ーを提供することを目的としてなされたものである。
問題点を解決するための手段 本発明者らは前記目的を達成するために、カプロラクタ
ムをポリアミド成分とし、かつ高分子量でも凍結しにく
いソフトセグメントについて、さらに透明で機械的特性
に優れた均質なエラストマーを得るべく、重合中のポリ
アミド成分とソフトセグメントとの相容性について鋭意
検討を重ねたところ、原料としてカプロラクタム、両末
端に水酸基を有する炭化水素すなわちα,ω−ジヒドロ
キシ炭化水素又は該炭化水素とポリオキシテトラメチレ
ングリコールとの混合物及びジカルボン酸を用い、これ
らを重合する際に、ラクタムの重合促進剤である水を加
えずに、かつ反応系中の水の量が特定の範囲になるよう
にエステル化で生成した水を系外に除去しながら重合す
ると、エステル化の起こる条件下でカプロラクタムの重
合が著しく促進され、エステル化とカプロラクタムの開
環重合が平行して進行し、その結果重合系は粗大相分離
を起こさず、均一透明な溶融状態を保つたまま重合が進
行して、透明で機械的特性が良好な、しかも低温特性に
優れたポリアミドエラストマーが得られることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至つた。
すなわち、本発明は、(A)カプロラクタム、(B)数
平均分子量800〜5000の両末端にα,ω−ジヒドロキシ
炭化水素又は該炭化水素とポリオキシテトラメチレング
リコール若しくは変性ポリオキシテトラメチレングリコ
ールとの混合物、及び(C)炭素数4〜20の脂肪族ジカ
ルボン酸、炭素数8〜20の脂環式ジカルボン酸及び炭素
数8〜20の芳香族ジカルボン酸の中から選ばれた少なく
とも1種のジカルボン酸を重合してポリアミドエラスト
マーを製造するに当り、反応系の水分含有量を0.1〜1
重量%に保持しながら150〜300℃の温度において重合
し、次いで未反応カプロラクタムを除去することを特徴
とするポリアミドエラストマーの製造方法を提供するも
のである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法において、原料の(A)成分として用いられ
るカプロラクタムの使用量については特に制限はない
が、透明でかつ強靭なエラストマーを得るためには、該
エラストマー中のポリアミドの含有量が10〜80重量%、
好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは20〜60重量
%となるように、カプロラクタムを用いるのが望まし
い。さらには、このカプロラクタムの使用量は、目的と
するエラストマーの硬度やその他の物性、あるいは使用
するソフトセグメントの組成や分子量によつて適宜選ば
れる。
本発明方法においては、原料の(B)成分として、α,
ω−ジヒドロキシ炭化水素又は該炭化水素とポリオキシ
テトラメチレングリコール若しくは変性ポリオキシテト
ラメチレングリコールとの混合物が用いられる。
α,ω−ジヒドロキシ炭化水素としては、例えばオレフ
インやブタジエンを重合して末端を水酸基化し、かつそ
の二重結合を水添して得られるポリオレフイングリコー
ルや水添ポリブタジエングリコールなどを用いることが
できるが、これらの炭化水素は数平均分子量が800〜500
0の範囲にあることが必要である。この数平均分子量が8
00より小さいと、得られるエラストマーの融点が低くな
つたり、優れた物性のものにならないなどの問題を生
じ、一方、5000を超えると反応点が少なくなつて、エス
テル化とカプロラクタムの開環重合とのバランスがとり
にくくなり、重合系をコントロールしにくくなる。
また、該炭化水素と併用するポリオキシテトラメチレン
グリコールとしては、数平均分子量800〜4000のものが
好ましい。この数平均分子量が4000を超えると得られる
エラストマーの低温特性が不十分となる。
本発明方法においては、前記のポリオキシテトラメチレ
ングリコールの代りに、変性ポリオキシテトラメチレン
グリコールも用いることができる。この変性ポリオキシ
テトラメチレングリコールとしては、通常のポリオキシ
テトラメチレングリコールの−(CH2−O−の一部
を−R−O−でおきかえたものが挙げられる。ここでR
は炭素数2〜10のアルキレン基であり、具体的にはエチ
レン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2−
メチル−1,3−プロピレン基、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロピレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基など
が好ましく挙げられる。変性量については特に制限はな
いが、通常3〜50重量%の範囲で選ばれる。またこの変
性量や前記アルキレン基の種類は、エラストマーの要求
特性、例えば低温特性、耐熱性、耐候性などによつて適
宜選ばれる。
この変性ポリオキシテトラメチレングリコールは、例え
ばヘテロポリ酸を触媒とするテトラヒドロフランとジオ
ールとの共重合や、ジオール又はジオールの縮合物であ
る環状エーテルとブタンジオールとの共重合などによつ
て製造することができる。
本発明方法においては、原料の(C)成分として、炭素
数4〜20の脂肪族ジカルボン酸、炭素数8〜20の脂環式
ジカルボン酸、及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸
の中から選ばれた少なくとも1種のジカルボン酸が用い
られる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えばアジピン
酸、セバチン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸などが、
脂環式ジカルボン酸としては、例えばシクロヘキサンジ
カルボン酸、デカリンジカルボン酸などが、芳香族ジカ
ルボン酸としては、例えばイソフタル酸、テレフタル
酸、ナフタリンジカルボン酸などが挙げられる。これら
のジカルボン酸はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種
以上組み合わせて用いてもよい。
本発明方法における該ジカルボン酸と前記(B)成分の
グリコールとの使用割合については、カルボキシル基/
水酸基モル比が0.9〜1.1になるような割合で両者を用い
ることが好ましい。このモル比が前記範囲を逸脱する
と、得られるポリアミドエラストマーの分子量が十分に
大きくならず、機械的特性が劣つたものとなるので好ま
しくない。
本発明方法においては、前記の(A)カプロラクタム、
(B)グリコール及び(C)ジカルボン酸を150〜300
℃、好ましくは180〜280℃の範囲の温度において溶融重
縮合させるが、反応温度は段階的に昇温させることもで
きる。反応温度が150℃未満では重合速度が著しく遅く
て実用的でなく、また300℃を超えると熱劣化が起こる
ようになるので好ましくない。
本発明においては、透明性を有し、かつ機械的特性の良
好なエラストマーを得るためには、エステル化反応とカ
プロラクタムとの重合を同時に進行させて、均質な重合
を行うことが必要である。カプロラクタムが優先的に重
合したり、エステル化が優先して起こると、重合中に粗
大相分離が生じて透明性の低いエラストマーや強度の小
さいエラストマーしか得られない。
エステル化反応とカプロラクタムの重合を同時に起こさ
せ、しかもそれぞれの反応速度をコントロールして、透
明性を有し、かつ機械的特性の良好なエラストマーを得
るためには、生成する水を系外に除去して、反応系の水
分含量を0.1〜1重量%の範囲に保持して重合すること
が必要である。この水分含量が1重量%を超えるとカプ
ロラクタムの重合が優先して粗大相分離を生じ、一方0.
1重量%未満ではエステル化が優先してカプロラクタム
が反応せず、所望の組成のエラストマーが得られない。
また、該水分含量はエラストマーに望まれる物性に応じ
て前記範囲内で適宜選ばれる。
本発明方法においては、所望に応じ、重合の進行に伴
い、反応系中の水分含量を減少させていく方法もとりう
る。この水分含量のコントロールは、例えば重合温度、
不活性ガスの導入流量、減圧度、あるいは反応器構造な
どの重合条件によつて行うことができる。
このような条件においては、カプロラクタム転化率/エ
ステル化率の比は、使用するグリコールの分子量やカプ
ロラクタムの量にもよるが、通常0.2〜3の範囲であ
る。
本発明方法においては、所望に応じ重合促進剤としてエ
ステル化触媒を用いることができる。このエステル化触
媒としては、例えばリン酸、ポリリン酸、メタリン酸な
どのリン化合物、テトラブチルチタネートなどのテトラ
アルキルチタネート、ジブチルスズオキサイド、ジブチ
ルスズラウレートなどのスズ系触媒、酢酸マンガンなど
のマンガン系触媒、酢酸鉛などの鉛系触媒などが好まし
く用いられる。触媒の添加時期については特に制限はな
く、重合初期に添加してもよいし、重合中期に添加して
もよい。
本発明方法においては、このようにして重合反応を行つ
たのち、未反応カプロラクタムを除去するが、除去方法
としては、減圧下に加熱して留去させる方法が好適であ
る。さらに、所望に応じ、カプロラクタム留去後、減圧
下において200〜300℃、好ましくは230〜280℃の範囲の
温度に加熱し、後重合を行つて高重合体のエラストマー
とすることもできる。
本発明においては、得られるポリアミドエラストマーの
熱安定性を高めるために、各種の耐熱老化防止剤、酸化
防止剤などの安定剤を用いることができ、これらは重合
の初期、中期、末期のどの段階で添加してもよいし、重
合後成形前に添加してもよい。耐熱安定剤としては、例
えばN,N′−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ第3ブチル
−4−ヒドロキシケイヒ酸アミド)、4,4′−ビス(2,6
−ジ第3ブチルフエノール)、2,2′−メチレンビス
(4−エチル−6−第3ブチルフエノール)などの各種
ヒンダードフエノール類、N,N′−ビス(β−ナフチ
ル)−p−フエニレンジアミン、N,N′−ジフエニル−
p−フエニレンジアミン、ポリ(2,2,4−トリメチル−
1,2−ジヒドロキノリン)などの芳香族アミン類、塩化
銅、ヨウ化銅などの銅塩、ジラウリルチオジプロピオネ
ートなどのイオウ化合物やリン化合物などが挙げられ
る。さらに、本発明で得られるポリアミドエラストマー
には紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤、耐加
水分解改良剤などを任意に含有させることができる。
発明の効果 本発明方法によつて得られるポリアミドエラストマー
は、従来技術によつて得られるものとは異なり、透明で
機械的特性が良好である上に、低温特性にも優れたもの
であつて、透明性を要求される分野、例えばホース、チ
ユーブ、シートなどに特に好適に用いられる。したがつ
て、本発明方法は極めて工業的価値の高い方法といえ
る。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本
発明はこれらの例によつてなんら限定されるものではな
い。
なお、エラストマーの各物性は次のようにして求めた。
(1) シヨア硬度 デユロメーターを用い、ASTM D−2240に準拠して測定し
た。
(2) 引張破断強度 エラストマーを熱プレスで肉厚1mmのシートに成形し、J
IS K 6301に準拠してダンベル型試料片を打ち抜き、引
張強度試験機(インストロン社)で強度を測定した。
(3) 弾性回復率(100%伸長時) 1mm厚のプレスシートから試験部の長さ48mm、幅3mmのダ
ンベル型試験片を打ち抜き、これに距離48mmの標線をつ
け、23℃で100%伸ばして所定の温度に15分間保持した
のち、応力を除いて同温度で10分間保持後、標線間距離
aを測定し、式 より弾性回復率を求めた。
(4) 相対粘度 メタクレゾール中30℃、0.5重量/容量%の条件で測定
した。
実施例1 かきまぜ機、窒素導入口及び留去管を取り付けた500ml
セパラブルフラスコにカプロラクタム32.6g、数平均分
子量2200の飽和であるポリオレフイングリコール〔三菱
化成工業(株)製、ポリテールHA)70g及びアジピン酸
4.6gをN,N′−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシケイヒ酸アミド)(商品名“イル
ガノツクス"1098酸化防止剤)0.4g及びリン酸0.11gと共
に仕込み、窒素を30ml/minで流し、220℃で2時間、240
℃で2時間重合した。次いでテトライソプロピルチタネ
ート0.22gを添加したのち、260℃で徐々に減圧とし、1
トール10分で未反応のカプロラクタム16.2gを系外に留
去し、同温度で3時間重合を行つたところ、淡黄色透明
のエラストマーを得た。このエラストマーはポリオレフ
イングリコールの含有量が74重量%であり、相対粘度1.
64、引張強度及び伸度はそれぞれ154Kg/cm2、930%、硬
度シヨアA及びシヨアDはそれぞれ77,19であつた。ま
た、23℃、0℃、−10℃、−20℃での弾性回復率はそれ
ぞれ91%、85%、77%、71%であつた。また、重合開始
後1、2、4時間後の重合系中の含水量はそれぞれ0.
7、0.5、0.4重量%であつた。
比較例1 実施例1の装置の留去管をコンデンサーに変えカプロラ
クタム303g、アジピン酸46.8g及び水4gを仕込み、260℃
で6時間反応し、末端カルボキシル基のポリカプラミド
を合成した。このものは酸価測定から平均分子量1106で
あつた。実施例1の装置に上記ポリアミド100g、数平均
分子量2200のポリテールHA199g及びテトラブチルチタネ
ート0.6gを仕込み、260℃1トールで12時間重合した。
重合中、重合物は乳黄白色を呈し、エラストマー状のも
のは得られなかつた。
比較例2 実施例1と同様の装置にε−アミノカプロン酸50.9g、
分子量2200のポリテールHA100g及びアジピン酸66g“イ
ルガノツクス"1098 0.3g及びテトラブチルチタネート
0.32gを仕込み、220℃で30分間反応させた。引き続き26
0℃に温度を上げ10分間かけて1トールまで減圧にし7
時間反応させた。このものは、乳白色不透明で、相対粘
度1.46で引張強度80Kg/cm2、伸度100%のもろいもので
あつた。
実施例2 実施例1と同様の装置にカプロラクタム41.4g、ポリオ
キシテトラメチレングリコール(数平均分子量1980)40
g、数平均分子量2200のポリテールHA40g、アジピン酸5.
6g、N,N′−ビス(β−ナフチル)−p−フエニレンジ
アミン(耐熱老化防止剤:商品名“ノクラツクホワイ
ト”)0.13g、ピロリン酸0.13gを仕込み、窒素を30ml/m
inで流し、260℃で4時間重合した。引き続き、テトラ
イソプロピルチタネート0.26gを添加したのち、1トー
ル、15分間で未反応カプロラクタム17.4gを留去し、同
温度で4時間重合を行つたところ、淡黄色透明のエラス
トマーを得た。このエラストマーは、ポリオキシテトラ
メチレングリコールとポリオレフイングリコールの含有
量が72重量%であり、相対粘度1.78、引張強度及び伸度
はそれぞれ274Kg/cm2、930%、硬度シヨアA及びシヨア
Dはそれぞれ80、29であつた。また、23℃、0℃、−10
℃、−20℃での弾性回復率はそれぞれ87%、79%、68
%、61%であつた。さらに、エステル化率及びカプロラ
クタムの転化率は、1時間目、2時間目、4時間目でそ
れぞれ61%、42%;75%、49%;84%、58%であり、重合
系中の含水量は0.4〜0.8重量%であつた。
比較例3 実施例1の装置に、比較例1と同様の方法で得たポリカ
プラミド(平均分子量1106)100g、数平均分子量2200の
ポリテールHA100g、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル(平均分子量1980)88.1g及びテトライソプロピルチ
タネート0.6gを仕込み、260℃、1トールで8時間重合
した。重合物は、反応中淡黄色不透明で、最終生成物
は、相対粘度1.4で引張強度75Kg/cm2、伸度80%のもろ
いものであつた。
実施例3 実施例1と同様の装置にカプロラクタム72.1g、ポリオ
キシテトラメチレングリコール(数平均分子量1070)40
g、数平均分子量1300のポリオレフイングリコール〔三
菱化成工業(株)製、ポリテールHAM〕40g、アジピン酸
10.0g、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重
合物(老化防止剤、商品名“ノクラツク224")0.16g、
ポリリン酸0.16gを仕込み、窒素を20ml/minで流し、260
℃で10時間重合した。その後、260℃で減圧にして未反
応のカプロラクタムを留去し、淡黄色透明なエラストマ
ーを得た。このエラストマーはポリオキシテトラメチレ
ングリコールとポリオレフイングリコールを61重量%含
有し、相対粘度1.70、引張強度340Kg/cm2、伸度80%で
あり、重合物中の水分量は重合開始後1、3、5、7、
10時間目で、それぞれ0.7、0.9、0.8、0.6、0.6重量%
であつた。
また、エステル化率及びカプロラクタムの転化率は、
1、3、5、7及び10時間目でそれぞれ59%、45%;66
%、49%;70%、52%;82%、55%;89%、56%であつ
た。さらに、23℃、0℃、−10℃、−20℃での弾性回復
率はそれぞれ91%、85%、75%、71%であつた。
実施例4 かきまぜ装置と還流冷却器を付けた容器に、テトラヒド
ロフラン(THF)600gとエチレングリコール25.5gを仕込
み、次いで、250℃で3時間加熱して無水の状態にした
リンタングステン酸(H3PW12O40)300gを加える(エチ
レングリコールのモル数はリンタングステン酸のモル数
の約4倍である)。温度を60℃に設定して、4時間かき
まぜたのち、室温で静置して二相に分離する。上層から
未反応のTHFを蒸留で除き、透明で粘性のあるポリマー1
26gを得た。得られたポリマーの1H−HMR(400NHz)、13
C−NMR(400NHz)測定の結果、ポリマーは、エチレング
リコール/THF=1/9(mol比)で共重合したポリエーテル
グリコールであり、エチレングリコールはブロツク的で
なく、ランダムに共重合したものであり、水酸基価を測
定した結果、数平均分子量は1500で融点は14℃であつ
た。
次に、実施例1と同様の装置にカプロラクタム56.5g、
上記で得られたエチレングリコールを共重合したポリオ
キシテトラメチレングリコール50g、数平均分子量2200
のポリテールHA50g、テレフタル酸9.3g、“ノクラツク2
24"0.16g及びリン酸0.16g仕込み、200〜250mmHgの減圧
下、260℃で4時間重合を行つた。その後、テトラブチ
ルチタネート0.32gを添加して、260℃で減圧とし、未反
応カプロラクタムを留去し、さらに3時間、1トールで
重合して、淡黄色透明のポリアミドエラストマーを得
た。このエラストマーは、共重合ポリオキシテトラメチ
レングリコールとポリオレフイングリコールを72重量%
含有し、相対粘度1.71、引張強度290Kg/cm2、伸度910%
であつた。また、23℃、0℃、−10℃、−20℃での弾性
回復率はそれぞれ86.1%、85.0%、80.2%、75.6%であ
つた。さらに重合物中の含水量は重合中0.5〜0.9重量%
であつた。
実施例5 エチレングリコールの代りにネオペンチルグリコールを
用い、実施例4と同様にしてネオペンチルグリコールが
THF/ネオペンチルグリコール5/1(mol比)で共重合した
数平均分子量1970のポリオキシテトラメチレングリコー
ルを得た。
次に、このネオペンチルグリコール変性ポリオキシテト
ラメチレングリコールを用いて、実施例4と同様の条件
で重合を行い、淡黄色透明なエラストマーを得た。この
エラストマーは、ネオペンチルグリコール変性ポリオキ
シテトラメチレングリコールとポリオレフイングリコー
ルの含有量が69重量%、相対粘度が1.73、引張強度が30
4Kg/cm2、伸度が930%であつた。
実施例6 実施例1と同様の装置にカプロラクタム56.5g、ポリオ
キシテトラメチレングリコール(数平均分子量1980)50
g、両末端に水酸基を有するポリブタジエン水添物〔日
本曹達(株)NISSO PBGI 2000〕50g、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸8.6g、“イルガノツクス1098"0.16g
及びリン酸0.16gを仕込み、窒素を30ml/minで流し、260
℃で4時間重合した。引き続き、ポリリン酸0.32gを添
加したのち、1トール、10分で未反応カプロラクタム2
3.8gを留去し、同温度で2時間重合を行つたところ、淡
黄色透明のエラストマーを得た。このエラストマーは、
両末端に水酸基を有するポリブタジエン水添物とポリオ
キシテトラメチレングリコールの含有量が71重量%であ
り、引張強度及び伸度はそれぞれ230Kg/cm2、800%、硬
度シヨアA及びシヨアDはそれぞれ80、23であつた。ま
た、23℃、0℃、−10℃、−20℃の弾性回復率はそれぞ
れ85%、79%、52%、15%であつた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−247732(JP,A) 特開 昭61−278530(JP,A) 特開 昭62−70422(JP,A) 特開 昭62−101630(JP,A) 特公 昭56−45419(JP,B2) 米国特許4332920(US,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)カプロラクタム、(B)数平均分子
    量800〜5000をもつα,ω−ジヒドロキシ炭化水素又は
    該炭化水素とポリオキシテトラメチレングリコール若し
    くは変性ポリオキシテトラメチレングリコールとの混合
    物、及び(C)炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸、炭
    素数8〜20の脂環式ジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳
    香族ジカルボン酸の中から選ばれた少なくとも1種のジ
    カルボン酸を重合してポリアミドエラストマーを製造す
    るに当り、反応系の水分含有量を0.1〜1重量%に保持
    しながら150〜300℃の温度において重合し、次いで未反
    応カプロラクタムを除去することを特徴とするポリアミ
    ドエラストマーの製造方法。
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