JPH06191149A - 感圧性記録材料用の発色性組成物 - Google Patents
感圧性記録材料用の発色性組成物Info
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- JPH06191149A JPH06191149A JP5280390A JP28039093A JPH06191149A JP H06191149 A JPH06191149 A JP H06191149A JP 5280390 A JP5280390 A JP 5280390A JP 28039093 A JP28039093 A JP 28039093A JP H06191149 A JPH06191149 A JP H06191149A
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Abstract
適したエステルビヒクルの提供。 【構成】 前記のエステルビヒクルは、少くとも3個の
炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖を持
った非芳香族モノカルボン酸のモノエステル、ジエステ
ル又はトリエステルで構成される。適当なエステルに
は、ココエート、イソステアレート、ミリステート、パ
ルミテートのような脂肪酸エステルと、脂肪族カルボン
酸と脂肪族アルコールのアルキル分岐エステルのような
ワックスエステルが含まれる。
Description
ノーカーボン複写紙として知られる感圧複写紙に用いら
れる発色性組成物に関する。感圧複写紙は周知であっ
て、ビジネス用記録紙セットの製造に広く使用されてい
る。種々の感圧複写紙が知られているが、最も広く利用
されているのは転移型である。転移型の感圧記録紙を使
用したビジネス用複写紙セットは、少なくとも1種の発
色剤の油性溶媒溶液を含有するマイクロカプセルを下面
に塗布した上紙(CBシートとも呼ばれる)と、顕色剤
組成物を上面に塗布した下用紙(CFシートとも呼ばれ
る)とで構成されている。1枚以上のコピーが必要な場
合には、下面が前記のマイクロカプセルで、上面が顕色
剤組成物で塗布された1枚以上の中用紙(CFBシート
とも呼ばれる)が使用される。筆記、タイプまたはイン
パクトプリンティング(例えば、ドットマトリックスプ
リンターまたはディジホイールプリンター)にて、記録
紙上に印字圧力が加わると、マイクロカプセルが圧壊さ
れて発色剤溶液が顕色剤組成物と接触して反応し、発色
剤が発色する結果、複写像が形成される。発色剤溶液を
細かい圧壊性マイクロカプセルに内蔵させる代りに、こ
れを連続相の圧壊性マトリックスに小滴として分散させ
ることもできる。別のタイプの感圧性複写紙は、通常自
己保有型または自己発色型として知られるもので、この
種類の感圧性複写紙では、マイクロカプセル及び顕色共
反応体をシートの同一面に塗布されている。この塗布シ
ートの上に置かれたシートに筆記又はタイプを施すと、
マイクロカプセルが破壊されて発色剤溶液が放出し、こ
れによりシートに塗布された顕色剤と反応し発色像を形
成する。
剤を溶解するために用いられる溶剤は、典型的には石油
又は石炭から導かれており、部分水素化されたテルフェ
ニル、アルキルナフタリン、ジアリールメタン誘導体、
ジベンジルベンゼン誘導体、塩素化パラフィン等がその
例である。しばしば主要溶媒と呼ばれるこれらは、灯油
等の安価な稀釈剤と通常混合されて使用され、この混合
物は溶媒和力が低下するものの、経済的な溶剤組成物と
して重用されている。植物油もまた感圧性複写紙用の溶
媒として知られており、これらは石油系又は石炭系溶媒
組成物の代替品として主として使用されている。しかし
ながら、本発明者らが知る限りでは、これら植物油を感
圧性複写紙に商業的に利用した例がない。幾つかのエス
テルも、感圧性複写紙の溶媒組成物に使用することが提
案されている。例えば、欧州特許第24898A号及び
英国特許第1526353号は、芳香族炭化水素を特定
な脂肪族酸ジエステルと混合して使用することを開示し
ている。ジブチルフタレートのようなフタル酸エステル
及びマレエートのような他のエステルを、感圧性複写紙
の溶媒又は顔料懸濁媒体として使用することは、例え
ば、米国特許第3016308号に記載されている。欧
州特許出願第390432号には、疎水性液状分散媒に
固体の発色剤を分散させる際の助剤として、ある種の非
イオン系界面活性剤を、感圧性複写紙に使用することが
記載されている。これらの界面活性剤には、ある種の脂
肪酸エステル、特にソルビタンエステル、ポリオキシエ
チレンソルビットエステル、脂肪酸のポリエチレングリ
コールエステル及びポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエステルが包含される。欧州特許出願第487347
A号には、特定なポリグリコールエステルを、脂肪族二
塩基酸のジアルキルエステル及び/又は芳香族一塩基酸
のエステルと組み合せて使用することが記載されてい
る。また、欧州特許出願第520639A号には、植物
油を溶媒として使用した場合に遭遇する不都合が、少な
くとも3ヶの炭素原子を有する飽和又は不飽和の直鎖状
又は分岐鎖状炭化水素鎖を持った非芳香族モノカルボン
酸のモノエステル又ジエステルを併用すれば、解消又は
軽減できることが記載されている。
州特許出願第487347A号に記載されているよう
に、植物油と併用しなくても、また欧州特許出願第24
898A号に記載されているように、炭化水素油と併用
しなくても、それ自体、感圧性複写紙の有用な溶媒とし
て機能することを見いだした。感圧性複写紙に関してこ
の新しくて有用な溶媒を確認したことは、当業界の発展
に寄与するものである。ちなみに、従来の感圧性複写紙
用溶媒が事実上、石油や石炭などの再生不能な資源から
誘導されているのとは対照的に、本発明のエステルは天
然の植物油又は動物油から、換言すれば、再生可能な供
給源から導くことができる。そればかりでなく、本発明
のエステルは、通常無色であって、化学的に安定であ
り、マイクロカプセルの破壊によって容易に流出する
が、これらは全て感圧性複写紙にとって重要な性質であ
る。従来提案されている溶媒の多くは、この点で必ずし
も満足できない。
色性組成物を提供するものであって、その発色性組成物
は、発色剤をエステルビヒクルに分散させてなる発色性
組成物において、前記のエステルビヒクルが、カルボキ
シル基の炭素原子を加えて少なくとも3ヶの炭素原子を
有する飽和又は不飽和の直鎖状炭化水素鎖または分岐鎖
状炭化水素鎖を持った非芳香族モノカルボン酸のモノエ
ステル、ジエステル又はトリエステルを含有することを
特徴とする。但し、前記のエステルは、植物油との混合
物で存在することがなく、また、前記のエステルがジエ
ステルの場合は、炭化水素油との混合物で存在すること
がない。本発明はまた、マイクロカプセル化された前記
の発色性組成物を包含するばかりでなく、発色性組成物
をマイクロカプセル化した状態で、あるいは圧壊性バリ
アー中に個々の小滴として含有する感圧性記録材料を包
含する。
基は、末端カルボキシル基出歩湖とが好ましく、そのエ
ステルは、動物油又は植物油から誘導される酸、すなわ
ち、脂肪酸のエステルであることが好ましい。このよう
なエステルを以下便宜的に脂肪酸エステルと呼ぶ。脂肪
酸という表現は、全ての技術文献に常に定義されている
とは限らないが、本明細書での用法、すなわち、動物油
又は植物油から誘導された酸を意味するとして用法は、
バン・ノストランド・レインホルド社から出版された
H.イルヴィング サックス及びリチャード J.ルイ
ス シリア改訂の行物「ハーレース コンデンスド ケ
ミカル ディクショナリー」第11版での定義と一致す
る。脂肪酸は一つの末端カルボキシル基を有する飽和又
は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖を有し、全
炭素数はカルボキシル基の炭素を含めて一般に4〜22
の偶数個である。一例として、脂肪酸は、ミリスチン
酸、カプリン酸、カプリル酸、ステアリン酸、イソステ
アリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸のような直鎖状又
は分岐鎖状の飽和脂肪酸であって差し支えなく、また、
オレイン酸のような不飽和脂肪酸であっても差し支えな
い。さらに、ココナッツオイルの加水分解で得られる脂
肪酸混合物、つまり、ココナッツ酸であっても差し支え
ない。ココナッツ酸の脂肪酸成分は、主として、ラウリ
ン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びオ
レイン酸である。ココナッツ酸のエステルを、以下ココ
エート(ココナッツエートとも呼ばれる)と呼ぶが、コ
コエートはココアオイル又はココアバターに存在する酸
とは無関係である。
脂肪酸のエステル残基は、広く変化させることが可能で
ある。例えば、メチルのように1ヶの炭素原子を有する
ものでもよく、イソプロピル、オクチル、2−エチルヘ
キシルのように複数個の炭素を有していても差し支えな
い。これらのエステル残基は、全て一官能性である。適
当な二官能性エステル残基の例は、プロピレングリシル
(すなわち、プロピレングリコールから誘導されるエス
テル残基)である。三官能性エステルの例は、グリセリ
ルエステルである。これらのエステルはグリセロール又
は他の適当な三価のアルコールを、モノカルボン酸でエ
ステル化することで合成することができ、従って、これ
らのエステルは植物油に存在する天然のトリグリセライ
ドと区別される。上記したような脂肪酸のモノエステ
ル、ジエステル、トリエステルは、商業的に入手可能な
製品であって、これらは化粧品等の分野で広く利用され
ており、粗植物油の蒸留及び/又は精製で得られる脂肪
酸を、適当なアルコールでエステル化することで製造す
ることが可能である。このエステル化に必要なアルコー
ルも容易に入手できる。本発明の発色性組成物に使用し
て適当な脂肪酸エステルの例には、次のようなものがあ
り、これらは単独でも混合しても使用することができ
る。 2−エチルヘキシルココエート (EHC) 2−エチルヘキシルイソステアレート (EHIS) イソプロピルミリステート (IPM) メチルオレート (MO) (注1) プロピレングリコールジカプリレート/カプレート (PGCC) (注2) メチルイソスレアレート (MIS) グリセリルトリカプリレート/カプレート (GTCC) (注3) メチルパルミテート (MP) プロピレングリコールジイソステアレート (PGDIS) グリセリルトリオクタノエート (GTO)
チルエステルの混合物の商品名であって、その主成分
(約73%)はメチルオレートであるが、少量成分とし
てメチルリノリエート(約9%)、メチルパルミトレエ
ート(約5%)、メチルリノレエート(約2%)などの
不飽和物質を含有する外、さらに酸残基の炭素数が4〜
18の各種の飽和メチルモノエステル(合計で約10
%)を含有する。 注2:プロピレングリコールジカプリレート/カプレー
ト(PGCC)は、主な酸残基としてカプリル酸とカプ
リン酸を含有し(それぞれ約59%及び36%)、少量
成分として主としてラウリン酸(約5%)などの他の酸
残基を含有する。 注3:グリセリルトリカプリレート/カプレート(GT
CC)は、主な酸残基としてカプリル酸とカプリン酸を
含有する(それぞれ約72%及び26%)。上に列記し
たエステルは全て商業的に入手可能であって、例えば、
オランダのユニチマ インターナショナル社から手に入
れることができる。
肪酸エステルの酸残基は、実際には天然油から誘導され
るものであるが、天然油から誘導される種類のものであ
っても、実際には天然油以外から製造される脂肪酸も、
そのエステルは原則的には、本発明の溶媒として使用す
ることができる。この種の酸から得られるエステルをこ
こでは合成脂肪酸エステルと呼ぶ。脂肪酸エステル又は
合成脂肪酸エステルを使用する代りに、天然の脂質に存
在する類似のエステルも使用可能である。ワックスエス
テルとも呼ばれるこれらのエステルは、一般に、脂肪族
カルボン酸と脂肪族アルコールのアルキル分岐エステル
である。これらはある種の鳥類の分泌物又は動物の皮膚
(例えはヒトの肌)に存在する外、酵母、菌類及び他の
有機体に存在する。これらは天然に産するものである
が、商業的に入手可能なものは、非天然物から誘導され
たアルコール及び酸を出発物質として一般に合成され
る。2−エチルヘキシル−2−エチルヘキサノエート
(EHEH)は、商業的に入手可能な合成ワックスエス
テルの一例であって、このものは本発明の溶媒として使
用できると共に、ユニチマ インターナショナル社から
入手できるものである。天然産のワックスエステルのさ
らに詳しい情報は、アムステルダムのエルセヴィア社か
ら1972年に出版されたPE.コラッルクディ編の
「ケミストリー アンド バイオケミストリー オブナ
チュラルワックス」に見ることができる。
ル全てが本発明の溶媒として使用可能であるが、それら
の幾つかは好ましくない副作用を持っている。例えば、
エステルはマイクロカプセル化に適した粘度を有してい
なければならない。また、エステルは不快な臭気を持っ
ていてはならない(ある種のエステルは全てではないも
のの、不純物を含有しているがために不快な臭気を有し
ている)。さらに、本発明者らが得た知見によれば、あ
る種の脂肪酸エステルは、例えばポリエチレングリコー
ルココエートは減感作用を持ち、顕色剤と接触した発色
剤の適正な発色を阻害する。これは感圧性複写紙の減感
剤として知られるポリエチレングリコールのような不純
物が存在することに起因する。従って、本発明を実施す
るには、上記した不都合を考慮して、潜在的に適当であ
るエステルを選別しなければならない。しかし、この選
別には簡単な実験が必要なだけであるので、その詳細は
省略する。望ましくない不純物の存在に原因する問題
は、原則的には、改良された精製技術によって解決する
ことができる。カプセル化には作業に適した粘度が必要
であるが、環境温度で固体又は半固体であるエステル
も、これが比較的高い温度(例えば、50〜55℃)で
適度な流動性を示すものであれば、使用することができ
る。上記の比較的高い温度は、格別な費用増大を伴うこ
となく、ポンプ輸送、撹拌及びマイクロカプセル壁の形
成が可能な温度である。本発明の溶媒は実質的に全て本
発明で規定したエステルで構成することが好ましい。発
色剤を溶解して含有する本発明の溶媒は、使用に際して
マイクロカプセル化することでき、常法通り使用するこ
とができる。マイクロカプセルは、米国特許第2800
457号、同第2800458号又は同第304128
9号に教示されているように、ゼラチン及び1種もしく
はそれ以上の他のポリマーのコアセルベーションによっ
て製造することができ、あるいは米国特許第40011
40号、同第4100103号、同第4105823号
及び同第4396670号に記載されていように、ポリ
マー前駆物質の現場重合によって製造することができ
る。マイクロカプセルに使用する発色剤は、例えば、
3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド(CVL)及び3,3−ビス(1
−オクチル−2−メチルインドル−3−イル)フタリド
のようなフタリド誘導体、2’−アニリノ−6’−ジエ
チルアミノ−3’−メチルフロオラン、6’−ジメチル
アミノ−2’−(N−エチル−N−フェニルアミノ−
4’−メチルフロオラン、2’−N−メチル−N−フェ
ニルアミノフルロラン−6’−N−エチル−N(4−メ
チルフェニルアミノフルオラン、3’−クロロ−6’−
シクロヘキシルアミノフルオランのようなフルオラン誘
導体、3’−i−プロピル−7−ジベンジルアミノ−
2,2’−スピロビ−(2H−1−ベンゾピラン)のよ
うなスピロビピラン誘導体等である。欧州特許出願第2
62569A号に記載されているようなトリフェニルメ
チル系発色剤も使用可能である。製造された発色剤含有
マイクロカプセルは、例えば、澱粉又は澱粉とカルボキ
シメチルセルロースとの混合物のような適当なバインダ
ー、さらには時期尚早な破壊からカプセルを保護するた
めの粒状剤と共に、塗布組成物に配合される。前記の粒
状剤には、例えば、小麦澱粉粒とか、セルロース繊維塊
状物の粉砕品とか、あるいはこれらの混合物が使用され
る。こうして得られた塗布組成物は、メタリングロール
コーターやエアナイフコーター等を使用して常法通り塗
布される。
来とそれと同じである。この複写紙は特許文献その他で
広く紹介されている。本発明の複写紙のマクロカプセル
と塗布する前の厚さと坪量は、この種の複写紙のそれと
同様であって、例えば、厚さは約60〜90ミクロンで
あり、坪量は約35〜50g/平方メートルであり、坪
量は約100g/平方メートル程度であることもある。
坪量は最終的に得られた複写紙をCBシートにするか、
CFBシートにするかによって、多少変更される。上に
記載した高い坪量は、通常CBシートだけに適用される
ものである。
記載されているような酸性クレー、米国特許第3672
935号又は同第4612254号に記載されているよ
うなフェノール系樹脂が使用できるほか、米国特許第3
024927号、欧州特許出願第275107A号、欧
州特許出願第428994A号、さらにはドイツ公開特
許第4110354A号に記載されているような有機酸
又はその金属塩を使用することができる。以下、実施例
によって本発明を説明するが、実施例における部、パー
セント及び比率は、特別な断わりがない限り重量基準で
ある。
1つのワックスエステル即ちEHEH及び従来のアルキルナ
フタレン/ケロシンを比較のため対照として用いた。
1つのワックスエステルに溶かし、カプセル化用溶液を
調整した。これらの発色性物質は周知のものであり、こ
れらは総濃度5%のCVL混合物、緑発生フルオラン、
黒発生フルオラン、赤色発生ビス−インドリル フタリ
ドを加えたものを用いた。これらの相対使用量は周知の
如く黒色印刷が得られるように選ばれた。対照組成物は
総濃度5.5%のCVL混合物、比較的発色の遅い青色
発色剤及び緑発生フルオラン、黒発生フルオラン、オレ
ンジ発生フルオラン及び赤色発生フルオランを含むもの
を用いた。
ゼラリンコアセルベート法により実験室スケールでカプ
セル化した。この方法は英国特許第870476号に記
載の通りカルボキシメチルセルローズとビニルメチルエ
ステル/無水マレイン酸共重合体をアニオンコロイドと
して用いたものである。カプセル化の最初の工程で発色
性溶液は50乃至55°Cのゼラチン溶液内に攪拌下に
分散した。得られた分散液を所定の小滴サイズに粉砕し
た。さらに粉砕された分散液を水を加えて稀釈したのち
ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体を加え
その後カルボキシメチルセルローズ溶液を加えた。酢酸
を加えてpHを約4.2に調製しコアセルベーションを
生じさせた。乳化油小滴の周りにコアセルベートが付着
し液体壁マイクロカプセルを形成した。混合物を約10
°Cに冷却し、液体コアセルベート壁を固化した後硬化
剤(グルタアルデヒト)を加えて、該壁を架橋(温度上
昇時の再溶解)を防いだ。次にビニルエチルメーテル/
無水マレイン酸共重合体をさらに加えた。得られたマイ
クロカプセル分散液のpHを水酸化ナトリウム溶液を加
えて7に調整した。いずれのサンプルのカプセル化には
問題は生じなかった。
ーズ繊維フロックをマイクロカプセルの早期破壊を防ぐ
ために加えて従来のCB塗料組成物を調製した。このC
B塗料組成物をパイロットプラント規模のメータリング
ロールコーターを用いて市販の46gm2 CFシートの
面に塗布した。CFシートには顕色剤として酸洗浄ジオ
クタヘドラルモントモリナイトクレーを用いた。
た紙(CB紙)を本実施例で制作された被塗布紙試片に
重ね合せ、これを試験室カレンダーに通しカプセルを破
壊し、その結果試片上に色を発色させ、該試片(I)の
リフレクタンスを測定することにある。測定結果(I/
Io)を未使用対照試片(Io)のリフレクタンスの百
分率で表わす。カレンダー濃度値(I/Io)は低いほ
ど顕色強度が高い。リフレクタンス測定はカレンダー掛
け後それぞれ2分後と48時間後に行った。その間試片
は暗室に放置した。カレンダー濃度値はいずれの場合も
マイクロカプセル塗布紙の顕色能力を表わすものであ
る。 2.印刷後の変色 ビジネス用セットを製造する行程においてCB及びCF
Bシートに印刷処理を施した場合、一定の量のマイクロ
カプセルに破損が生じ、この結果発色材溶液が解放され
隣接するCFシートの表面に移り、多くの小さな斑点に
よる変色が生じる。これが印刷後の変色として知られて
いる。印刷後の変色はラム試験及び実際の印刷後のサン
プルを調べることによって評価した。ラム試験では20
枚のCFBシートを重ね合せた各サンプルを油圧ラムの
下側に置き、1724KPa(250P.S.i.)ラ
ム圧力を30分間加えた。その結果生じる変色の度合い
を可視的に評価した。 3.貯蔵中の変色試験 CFBシートは使用前の貯蔵段階で除々に変色する傾向
があることが判明した。これはマイクロカプセルコーテ
ィング時に少量の発色材溶液がカプセル化されずに残っ
てしまうこと、マイクロカプセル壁を介して発色材溶液
が除々に浸透すること及びリールの張力または製品化さ
れたシートが高く上積みされた場合の重量による不完全
なカプセルの破損によるものである。それぞれの場合、
これらの自由な発色材物質はシートを介して移動しCF
シートに塗布された顕色剤と接触する可能請求項があ
る。この作用は全体的に灰色化することにより認められ
これを通常貯蔵中の変色と読んでいる。2つの異なる試
験を行った。 i接触貯蔵 20枚のCFBシートを重ね合せた各サンプルをCF面
を全て上向きにし2kgの荷重下に40°Cのオーブン
に入れ3週間放置した。同じ様な試験を60°C3週間
の条件で行った。その結果のCF面に生じる変色を可視
的に評価した。 ii.促進老化試験 各サンプルのCFBシートを3週間32°C90%相対
湿度条件でオーブンに放置した。これたの条件は貯蔵時
に変色が激しい例えば高温気象の使用地域に長期に亘っ
て貯蔵された場合の変化をシュミレートするのに適切で
ある。CF面の変色の度合を視覚評価した。カレンダー
濃度試験の結果を表1に示す。
であるが、エステルが対照例より低い変色度を示したこ
とが判明し、この新しいエステル溶剤は画像形成におい
て効果的であるということがこの表から明らかになっ
た。
を含むシートは同等であり対照例より変色度が著しく低
かった。実際に印刷した後のCFBシートを調べた結果
エステルを含んだサンプルと対照例は同じような結果が
得られた。これはエステル溶剤は技術的にも許容できる
ということを示している。
分許容できるものであった。
価)エステルを含むサンプルは対照例と類似した変色度
合を示した。従って、この点においてもエステルは技術
的に許容可能である。
を挙げる。2つの脂肪酸モノエステルの内1つは周囲温
度で液体であるIPM、もう1つは周囲温度で固体であ
るMP(融点は29乃至30°C)を用いた。また従来
のアルキルナフタレン/ケロシンを比較のため用いた。
この実施例では実施例1の方法に従ったがカプセル化は
パイロットプラント規模ではなく実験室規模で行い、パ
イロットプラント規模のコーターは比較的小さなものを
用いた。さらにシートには印刷をしなかった。さらに実
施例1とは異なる点は発色性物質はCVL、緑色及び黒
色フルオランと赤色ビス−インドリルフタリドの総濃度
6.4 %の混合物で、混合割合は黒色プリントが得られる
ように選んだことである。MPは発色剤を溶解する前に
溶融するように加熱されカプセル化が完了するまで冷や
されなかった。カレンダー濃度試験の結果を下記の表2
に示す。
媒とを使用し、実施例2のMPの性能をさらに評価し
た。カレンダー濃度テストの結果を表3に示す。
め、正確な比較はできないが、それでもエステルは比較
溶媒に匹敵するカレンダー濃度を示しているので、本発
明のエステルは、現存の商業的標準品程度に画像を形成
されるには有効であることが判る。ラム試験の結果で
は、比較例が最も変色が少なく、PGDISを使用した
ものは、MPを使用したものより周辺部で余計に変色し
た。しかし、その変色は両方とも許容範囲であった。接
触貯蔵及び促進老化試験では、比較例が最も変色が少な
く、PGDISを使用したものは、MPを使用したもの
より僅かに変色の程度が少なかった。しかし、この両者
の変色は許容範囲であった。
TOと、前記の比較溶媒を使用した例である。採用した
手順は実施例2と実質的に同じである。カレンダー濃度
試験の結果を表4に示す。
と同様、正確な比較はできないが、エステルを使用した
ものは、比較例に比べてカレンダー濃度が幾らか劣って
いた。しかし、画像濃度は商品として許容できるもので
あった。ラム試験では、比較例が最も変色が少なく、G
TOを使用したものは、GTCCを使用したものより周
辺部で余分に変色した。しかし、その変色は両エステル
とも許容範囲であった。促進老化試験(1週間)の試験
結果は、全てのサンプルが同程度であって、極めて僅か
に変色しただけであった。接触貯蔵試験(1週間)で
は、GTCC及びGTOを使用したものが、比較例より
周辺部で変色が大きかったが、その変色の程度は極めて
僅かであった。従って、これらの試験から、本発明のエ
ステルは許容範囲の規格にあることが判る。
Claims (13)
- 【請求項1】 発色物質をエステルビヒクルに分散させ
た発色性組成物において、前記のエステルビヒクルが、
カルボキシル基の炭素原子を加えて少なくとも3ヶの炭
素原子を有する飽和又は不飽和の直鎖状炭化水素鎖また
は分岐鎖状炭化水素鎖を持った非芳香族モノカルボン酸
のモノエステル、ジエステル又はトリエステルを含有す
ることを特徴とする前記の発色性組成物(但し、前記の
エステルは植物油との混合物で存在することがなく、ま
た、前記のエステルがジエステルの場合は、炭化水素油
との混合物で存在することがない)。 - 【請求項2】 前記エステルのカルボキシル基が、末端
カルボキシル基である請求項1記載の発色性組成物。 - 【請求項3】 前記のエステルが脂肪酸のエステルであ
る請求項1又は2記載の発色性組成物。 - 【請求項4】 前記のエステルが、ミリスチン酸、カプ
リン酸、カプリル酸、ステアリン酸、イソステアリン
酸、パルミチン酸、ラウリン酸のような直鎖状又は分岐
鎖状飽和脂肪酸のエステルである請求項3記載の発色性
組成物。 - 【請求項5】 前記のエステルが、オレイン酸のような
不飽和脂肪酸のエステルである請求項3記載の発色性組
成物。 - 【請求項6】 前記のエステルが、ココナッツ酸のエス
テルである請求項3記載の発色性組成物。 - 【請求項7】 前記のエステルが、下記の1種又は2種
以上の混合物である請求項1記載の発色性組成物。 2−エチルヘキシルココエート 2−エチルヘキシルイソステアレート イソプロピルミリステート メチルオレート プロピレングリコールジカプリレート/カプレート メチルイソスレアレート グリセリルトリカプリレート/カプレート メチルパルミテート プロピレングリコールジイソステアレート グリセリルトリオクタノエート - 【請求項8】 前記のエステルがワックスエステルであ
る請求項1記載の発色性組成物。 - 【請求項9】 前記のワックスエステルが、脂肪族カル
ボン酸と脂肪族アルコールのアルキル分岐エステルであ
る請求項9記載の発色性組成物。 - 【請求項10】 前記のエステルが2−エチルヘキシル
−2−エチルヘキサノエートである請求項8記載の発色
性組成物。 - 【請求項11】 前記の組成物が実質的に全てエステル
からなる請求項1〜10のいずれか1項記載の発色性ぞ
生物。 - 【請求項12】 組成物がマイクロカプセル化されてい
る請求項1〜11のいずれか1項記載の発色性組成物。 - 【請求項13】 請求項1〜11のいずれか1項記載の
発色性組成物を含有する感圧性記録材料。
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