JPH11268411A - ノーカーボン感圧複写紙 - Google Patents

ノーカーボン感圧複写紙

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JPH11268411A
JPH11268411A JP10071918A JP7191898A JPH11268411A JP H11268411 A JPH11268411 A JP H11268411A JP 10071918 A JP10071918 A JP 10071918A JP 7191898 A JP7191898 A JP 7191898A JP H11268411 A JPH11268411 A JP H11268411A
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carbon atoms
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JP10071918A
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English (en)
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Nobuhiro Kagota
信博 籠田
Hiromune Wada
浩宗 和田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不快臭が無く、環境に対し適合性のある溶剤を
用いて、発色性能、画像保存性に優れたノーカーボン感
圧複写紙を提供する。 【解決手段】発色剤内包マイクロカプセルを含有する塗
層を設けたノーカーボン感圧複写紙において、マイクロ
カプセル中の溶剤として有機カーボネートを用い、発色
剤としてインドリル(アザ)フタリド化合物或いはトリ
フルオロメチルアニリノ基を有するフルオラン化合物を
用いる。また、溶剤として有機カーボネートと中鎖脂肪
酸トリグリセリドとを併用することにより、発色性、画
像保存性等において一層優れたノーカーボン感圧複写紙
を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性発色剤
と電子受容性顕色剤との発色反応を利用したノーカーボ
ン感圧複写紙に関する。更には、環境面において高い安
全性を有するノーカーボン感圧複写紙に関する。
【0002】
【従来の技術】ノーカーボン感圧複写紙は、基本的に
は、電子供与性発色剤(以下、発色剤と称す)を高沸点
溶媒に溶解しマイクロカプセルに内包して、これを含有
する塗層を支持体の裏面に塗布した上用紙と、前記発色
剤と反応して発色する電子受容性顕色剤(以下、顕色剤
と称す)を含有する塗層を支持体の表面に塗布した下用
紙とを互いに重ね合わせ適切な圧力で印字すると、上用
紙の発色剤内包マイクロカプセルから発色剤が流出して
下用紙に転移し、顕色剤層が着色して加圧印字と同時に
複写像が得られるものである。
【0003】多数枚の複写を望む場合には、支持体の表
面に前記顕色剤含有層を塗布し、裏面に発色剤内包マイ
クロカプセル含有層を塗布した中用紙を、上用紙と下用
紙の間に必要な枚数だけ挿入して使用される。また、発
色剤内包マイクロカプセル含有層と顕色剤含有層を積層
または混合層として、支持体の同一表面上に形成した自
己発色型感圧複写紙(セルフ)や、発色剤内包マイクロ
カプセル、顕色剤内包マイクロカプセル並びにワックス
を含む塗層を支持体の裏面に設けた普通紙転写型感圧複
写紙もノーカーボン感圧複写紙の一形態として知られて
いる。
【0004】発色剤を内包するマイクロカプセルの製造
方法は、多数知られており、代表例としては、次に掲げ
るような各種方法が挙げられる。 ・ゼラチン−アラビヤゴムのポリイオンコンプレックス
を利用したコアセルベーション法。 ・分散媒となる親水性液体と内包すべき疎水性液体の界
面において不溶性皮膜を形成する界面重合法。 ・メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアル
デヒド樹脂等の初期縮合物を分散媒となる親水性液体側
から添加した後、樹脂化せしめて不溶性皮膜を形成する
in situ重合法、等。 これらの中で、原材料が安く安定に供給される、高濃度
マイクロカプセル分散液が得られる、製造工程が簡単等
の理由で界面重合法、in situ重合法等の合成樹
脂膜マイクロカプセルが多く使用されている。
【0005】マイクロカプセルに内包される発色剤とし
ては、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラ
ン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタ
リド系化合物、リューコオーラミン系化合物、ローダミ
ンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ス
ピロピラン系化合物等が知られている。現在、国内のノ
ーカーボン感圧複写紙の需要はブルー発色用が主体であ
り、ブルー発色用の発色剤としては、トリフェニルメタ
ンフタリド系化合物の1種であるクリスタルバイオレッ
トラクトン(以下、CVLと略す)が、発色が鮮やかで
印字濃度が出やすく、しかも安価であることから、広く
一般的に用いられている。
【0006】発色剤を溶解する溶剤としては、アルキル
化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフ
ィン、アルキル化ナフタレン、ジアリールアルカン、フ
タル酸エステル等が主溶剤として用いられているが、こ
れらの溶剤は、不快臭を有するものが多く、また、環境
に対し好ましくない化学構造も含まれており、より安全
で環境に適合した化合物を使用することが望ましい。
【0007】この点において、動植物油は好ましい素材
と言えるが、前記の発色剤を溶解する能力が不十分であ
り、特にブルー発色用の発色剤として最も一般的に使用
されているCVLを溶解する能力が低く、また、動植物
油は室温或いは低温下で高粘度化、固体化するといった
問題点があり、従来は使用されていなかった。
【0008】また、CVLは使用する溶剤によっては、
発色濃度の高い画像が得られなかったり、発色後の画像
濃度が次第に薄くなる(減感する)といった発色阻害
や、発色画像が日光や水に曝されることにより退色する
等の問題点があった。
【0009】ブラック発色系も一般的に複写伝票として
使用されているが、ブラック発色系の発色剤はブルー発
色系で主染料として使用されるCVLに比べて発色性能
が低く、ブルー系発色剤に比べてはるかに多く支持体上
に塗工する必要があり、通常は、高濃度に溶解したブラ
ック系発色剤をマイクロカプセル化することにより、支
持体上の総塗工量がブルー系上用紙とほぼ同程度となる
ようにして、極端に塗工量が増えることを抑えている。
【0010】ところが、発色剤を高濃度で溶解して放冷
すると溶液中で発色剤が析出しやすく、特に動植物油な
どの溶解能力の低い溶剤を使用すると結晶析出が著し
く、良好なマイクロカプセルが製造できないという問題
点があった。
【0011】また、ブラック発色系の発色剤のほとんど
はフルオラン構造の化合物が用いられており、発色画像
が光や酸化性ガスの雰囲気下に曝されると発色色相が赤
みに変化し、特に動植物油を使用するとその傾向が大き
いという問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、不快臭が無く、環境に対し適合性のある溶剤を用い
て、発色性能、画像保存性に優れたノーカーボン感圧複
写紙を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に鑑
み鋭意研究した結果、以下の特徴を備えたノーカーボン
感圧複写紙を開発することにより、上記問題点を解決す
るに至った。
【0014】即ち、ノーカーボン感圧複写紙に使用する
マイクロカプセルに内包される電子供与性発色剤を溶解
する溶剤として、下記一般式(1)で示される有機カー
ボネートを用いることにより、不快臭が無く、環境に適
合し、発色性能や画像保存性に優れたノーカーボン感圧
複写紙を得ることができた。
【0015】
【化4】R1−OCOO−R2 一般式(1)
【0016】式中、R1およびR2は独立して炭素数1〜
30で、且つR1とR2の炭素数の合計が12〜50であ
る直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基また
はアルケニル基を示す。
【0017】また、有機カーボネートと共に、中鎖脂肪
酸トリグリセリド(以下、MCTと略す)を用いること
により、良好なノーカーボン感圧複写紙を得ることがで
きた。特に、本発明で用いられるMCTは、25℃にお
ける粘度が10〜40センチポイズであり、不飽和結合
を含まず、25℃において液状のものであり、炭素数が
6〜10の脂肪酸とグリセリンとからなる組成の化合物
であることが好ましい。
【0018】本発明のうち、ブルー発色系のノーカーボ
ン感圧複写紙に用いる発色剤としては、下記一般式2で
示される化合物が用いられ、これらにはインドリルアザ
フタリド化合物あるいはインドリルフタリド化合物が含
まれる(以下、これらをインドリル(アザ)フタリド化
合物と略記する)。
【0019】
【化5】
【0020】式中、R1は炭素数が1〜12の非置換ま
たは置換基を有するアルキル基を、R2は水素原子、炭
素数が1〜8のアルキル基を、R3及びR4は同一でも異
なってもよく、水素原子、炭素原子数が1〜12の非置
換または置換基を有するアルキル基、シクロアルキル
基、ベンジル基またはフェニル基を、R5及びR6は水素
原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜8のアルキル基、炭
素数が1〜12のアルコキシ基を、X及びYは−C=ま
たは−N=で、少なくとも一方は−CH=であることを
表す。
【0021】また、本発明のうち、ブラック発色系のノ
ーカーボン感圧複写紙に用いる発色剤としては、下記一
般式3で示されるフルオラン化合物を用いることが好ま
しい。この発色剤は、トリフルオロメチルアニリノ基を
有することが特徴である。
【0022】
【化6】
【0023】式中、R1、R2は同一でも異なってもよい
低級アルキル基またはシクロアルキル基、R3は水素ま
たは低級アルキル基を表す。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明のノーカーボン感圧
複写紙について、詳細に説明する。
【0025】本発明で使用する有機カーボネートは、例
えば、炭酸ジメチルと高級アルコールを原料として製造
することができ、分子内にカーボネート基を有すること
から、良好な潤滑性、耐磨耗性、耐熱性、耐候性を有
し、毒性が低く、適度な生分解性を有する化合物であ
り、エンジン油、金属加工油等として使用されている
が、ノーカーボン複写紙用として用いることは全く知ら
れていなかった。
【0026】前記一般式(1)で表される有機カーボネ
ートの具体例としては、例えば、ジヘキシルカーボネー
ト、ジヘプチルカーボネート、ジオクチルカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルカーボネート、ジラウリル
カーボネート、ジトリデシルカーボネート、ジテトラデ
シルカーボネート、ジヘキサデシルカーボネート、ジ
(ヘキシルデシル)カーボネート、ジオクタデシルカー
ボネート、ジエイコサニルカーボネート、ジドコサニル
カーボネート、ジ(オクチルドデシル)カーボネート、
ジテトラコサニルカーボネート、メチルドデシルカーボ
ネート、オクチルデシルカーボネート、ジドデセニルカ
ーボネート、ジオレイルカーボネート、ジリノレイルカ
ーボネート、ジリノレニルカーボネート、ジシクロヘキ
シルカーボネート、ジメチルシクロヘキシルカーボネー
ト等を挙げることができる。
【0027】前記一般式(1)で表される有機カーボネ
ートとしては、紙としての使用を考慮すると、沸点が2
00℃以上、好ましくは250℃以上で、引火点として
は150℃以上であることが好ましく、一般式(1)中
のR1及びR2の炭素数の合計が12未満の場合には沸点
や引火点が低くなり、炭素数の合計が50を超える場合
には、粘度が大きいか或いは固体化するためにノーカー
ボン複写紙用として使用した場合には、発色濃度が低い
とか発色速度が遅い等の不都合が生じる。従って、R1
及びR2の炭素数の合計は12〜50が適当である。
【0028】本発明で有機カーボネートと共に使用する
中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)とは、一般的に
は、ヤシ油などの天然油脂を加水分解して得られる高純
度の混合脂肪酸とグリセリンとのエステル化により得ら
れる液状油である。MCTは不飽和結合を含まない液状
油であり、良好な流動性、染料溶解性を有し、不快臭も
なく、かつ、食品、化粧品、医療品等の分野にも用いら
れる安全性の高い素材である。
【0029】一般的な動植物油の組成は長鎖脂肪酸トリ
グリセリドの混合物であり、構成する主要脂肪酸は、パ
ルミチン酸(炭素数16)、ステアリン酸(炭素数1
8)等の飽和脂肪酸やオレイン酸(炭素数18)のよう
な不飽和脂肪酸である。本発明で有機カーボネートと併
用されるMCTを構成する脂肪酸としては、炭素数が6
〜10の中鎖脂肪酸であり、主としてカプリル酸(炭素
数8)、カプリン酸(炭素数10)からなり、これらを
単独或いは混合してなるものである。一部に炭素数4の
低級脂肪酸、炭素数12、14等の脂肪酸からなるトリ
グリセリドを含むことも可能だが、溶剤の主体は炭素数
6〜10の中鎖脂肪酸からなるトリグリセリドである。
これらのトリグリセリドは、一般の動植物油に比べ、表
面張力や粘度が小さく、また、溶解性、酸化安定性、浸
透性等の優れた特性を有している。
【0030】発色剤の溶剤としては、従来からノーカー
ボン感圧複写紙用として用いられるものを、ノーカーボ
ン感圧複写紙としての特性或いは環境面での安全性等を
損なわない範囲で使用することができる。具体的な例と
して、(a)鉱物油として、灯油、パラフィン、ナフテ
ン油等、(b)植物油として、綿実油、大豆油、コーン
油、やし油等、(c)アルコールとして、オレイルアル
コール、トリデシルアルコール、ベンジルアルコール、
1−フェニルエチルアルコール、グリセリン等、(d)
エステルとして、ラウリン酸エチル、ラウリン酸イソプ
ロピル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸メチル、ミリ
スチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチ
ン酸ブチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチ
ル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ブチル等
の脂肪酸エステル化合物、ジメチルフタレート、ジエチ
ルフタレート、ジ−n−ブチルフタレート、ジオクチル
フタレート、アジピン酸ジエチル、アジピン酸プロピ
ル、アジピン酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジオクチル
等の芳香族エステル化合物を挙げることができる。
【0031】本発明で発色剤として用いられるインドリ
ル(アザ)フタリド化合物は、前記の一般式2で表され
る化合物であり、式中、R1がアルキル基の場合、炭素
数が大の方が溶剤に対する溶解性がよく、炭素数が6〜
12であることが好ましい。
【0032】このような化合物の具体例としては、以下
のような化合物を挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。3−(4−ジエチルアミノ−2−
エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)−4−又は−7−アザフタリド、
3−(4−ジブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジエチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2
−フェニルインドール−3−イル)−4−又は−7−ア
ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシ
フェニル)−3−(1−イソアミル−2−メチルインド
ール−3−イル)−4−又は−7−アザフタリド、3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−
4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミ
ノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2
−メチルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザ
フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェ
ニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドールー
3−イル)−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−
ジブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−
オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−又
は−7−アザフタリド、3−(4−N−シクロヘキシル
−N−エチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−
4−又は−7−アザフタリド、3−(4−N−エチル−
N−イソアミルアミノ−2−イソアミルオキシフェニ
ル)−3−(1−オクチル−2−フェニルインドール−
3−イル)−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−
ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−
ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−4−又
は−7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2
−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−フェ
ニルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザフタ
リド等のインドリルアザフタリド化合物、3−(4−ジ
エチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3
−(4−ジブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3
−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フ
タリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェ
ニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−
3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−
エトキシフェニル)−3−(1−イソアミル−2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチ
ルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フ
タリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニ
ル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドールー3
−イル)フタリド、3−(4−ジブチルアミノ−2−エ
トキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3−(4−N−シクロ
ヘキシル−N−エチルアミノ−2−エトキシフェニル)
−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド、3−(4−N−エチル−N−イソアミル
アミノ−2−イソアミルオキシフェニル)−3−(1−
オクチル−2−フェニルインドール−3−イル)フタリ
ド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(1−ヘキシル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エ
トキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−フェニル
インドール−3−イル)フタリド等が挙げられる。
【0033】これらのインドリル(アザ)フタリド化合
物自体の有機カーボネートやMCTに対する溶解安定性
は比較的良好であるが、異種発色剤と混合して溶解する
と更に溶解安定性が増し、2種類の発色剤の混合よりは
3種類以上の混合の方が更に溶解安定性が増す。異種発
色剤と混合して使用する場合には、ブルー発色用として
の発色性能、発色色相、発色画像の光、酸化性ガス等に
よる褪色性、色相変化等の点を考慮して混合使用する発
色剤の種類、混合比率が決定される。
【0034】一般式2で示されるインドリル(アザ)フ
タリド化合物を単独で発色剤として用いることができる
が、クリスタルバイオレットラクトンやフルオラン化合
物等のインドリル(アザ)フタリド化合物以外の発色剤
と併用することもできる。
【0035】フルオラン化合物の例としては、3−ジメ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−N−メチル−N−イソプロピルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル
−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチ
ル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチル−N
−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o
−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジブチルア
ミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−m−トリフルオロメチ
ルアミノフルオラン等を挙げることができる。
【0036】インドリル(アザ)フタリド化合物と混合
使用する発色剤としては、CVLや前記のフルオラン化
合物以外に、トリフェニルメタンフタリド系、フルオラ
ン系、フェノチアジン系、インドリルフタリド系、リュ
ーコオーラミン系、スピロピラン系、ローダミンラクタ
ム系、トリフェニルメタン系、アザフタリド系、等のノ
ーカーボン感圧複写紙用として知られている化合物を、
ノーカーボン感圧複写紙としての特性或いは環境面での
安全性を損なわない範囲で使用することができる。
【0037】また、600〜1000nmに吸収波長を
有する発色画像を生ずる発色剤を用いることができる。
これらについては、例えば、特開平4−212882号
公報に記載されるような、モノビニル系、ジビニル系、
フルオレン系等の各種化合物を挙げることができる。
【0038】本発明で発色剤として用いられる一般式3
で示されるトリフルオロメチルアニリノ基を有するフル
オラン化合物としては、3−ジメチルアミノ−7−(m
−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)
フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(m−
トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−
エチル−N−イソブチル)アミノ−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−
N−イソアミル)アミノ−7−(m−トリフルオロメチ
ルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−シク
ロヘキシル)アミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラ
ン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−
(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−(o−トリフルオロメチルアニリ
ノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチル)
アミノ−7−(o−トリフルオロメチルアニリノ)フル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−(p−トリフルオロ
メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−
イソアミル)アミノ−7−(p−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン等を挙げることができる。
【0039】これらのトリフルオロメチルアニリノ基を
有するフルオラン化合物自体の有機カーボネートやMC
Tに対する溶解安定性は比較的良好であるが、異種発色
剤と混合して溶解すると更に溶解安定性が増し、2種類
の発色剤の混合よりは3種類以上の混合の方が更に溶解
安定性が増す。
【0040】一般式3で示されるトリフルオロメチルア
ニリノ基を有するフルオラン化合物は、光や酸化性ガス
に対して比較的発色画像が変色しにくい発色剤であるこ
とが知られており、これらと共に前記のフルオラン化合
物やその他のノーカーボン複写紙に一般的に使用される
発色剤を併用することも可能である。
【0041】併用される発色剤としては、トリフェニル
メタンフタリド系、フルオラン系、フェノチアジン系、
インドリルフタリド系、リューコオーラミン系、スピロ
ピラン系、ローダミンラクタム系、トリフェニルメタン
系、アザフタリド系、等のノーカーボン感圧複写紙用と
して知られている化合物を、ブラック発色用としての発
色性能、発色色相、発色画像の光、酸化性ガス等による
褪色性、褪色後の色相等の点を考慮して用いることがで
きる。
【0042】ブラック発色用のフルオラン化合物として
は、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソプロ
ピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−N−エチル−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘ
キシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−
トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−
N−メチル−N−アニリノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7
−アニリノフルオラン等を例示することができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0043】また、前記の600〜1000nmに吸収
波長を有する発色画像を生ずる発色剤を用いることがで
きる。
【0044】発色剤をマイクロカプセル化する場合に
は、従来使用されている様に、紫外線吸収剤、光安定化
剤、酸化防止剤等を内相油中に溶解して用いる事も可能
であり、一般のノーカーボン感圧複写紙に用いられる物
質であれば特に制限されない。
【0045】本発明で用いられるマイクロカプセル化法
としては、特に限定されないが、ゼラチン、アラビアゴ
ム等を用いたコアセルベーション法によるマイクロカプ
セルは、一般的にラテックス類と混合すると、皮膜が破
壊されてしまう事がある為、界面重合法、in sit
u重合法や微生物マイクロカプセル化法を用いる事が望
ましい。
【0046】in situ重合法によるカプセル化に
用いる乳化剤としては、高分子電解物質が好ましい。具
体的には、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレ
ン−ベンジルメタクリレート−無水マレイン酸共重合
体、α-アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、
核モノアルキル置換スチレン−無水マレイン酸共重体、
核ジアルキル置換スチレン−無水マレイン酸共重合体、
スチレン−無水マレイン酸モノアルキルエステル共重合
体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン
スルホン酸、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリル酸
エステル共重合体、等の水溶液、或いはこれらの混合水
溶液が用いられる。
【0047】界面重合法によるカプセル化に用いる乳化
剤は、上記in situ重合法によるカプセル化に用
いられるものの他、ポリビニルアルコール、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、各種
(小麦、馬鈴薯、とうもろこし等)加工澱粉等の水溶
液、或いはこれらの混合水溶液も用いられる。また、上
記カプセル化工程に問題を生じない範囲で、ノニオン
系、カチオン系、両イオン系の界面活性を持つ公知の物
質を添加することができる。
【0048】本発明に用いる発色剤内包マイクロカプセ
ルの大きさ(平均直径)は、2〜20μmの範囲が好ま
しく、特には3〜10μmの範囲が好ましい。発色剤の
塗工量としては、選択する発色剤の種類によって多少異
なり、特に限定されるものではないが、発色性能の面か
ら、5〜1000mg/m2、特に好ましくは20〜2
00mg/m2の範囲である。
【0049】マイクロカプセルを含有する塗層の塗布に
は、通常水性系塗液が用いられるが、上記方法によって
得られた発色剤内包マイクロカプセル分散液に、各々必
要に応じてラテックス系のバインダー、水溶性バインダ
ー、カプセル保護剤(スチルト)、白色顔料、界面活性
剤、消泡剤、増粘剤、防腐剤、着色剤等、当業界で公知
の各種助剤が添加され調整される。マイクロカプセル塗
液中のマイクロカプセル含有量は、通常塗液100重量
部(固形部)に対して5〜80重量部の範囲に調整され
る。
【0050】本発明で用いるラテックス系のバインダー
の具体例としては、スチレン−ブタジエン系共重合体ラ
テックス、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ラ
テックス、酢酸ビニル系、アクリル系ラテックス等や、
それらのアルカリ増粘型ラテックス等が挙げられる。水
溶性バインダーとしては、例えばゼラチン、アルブミ
ン、カゼイン、澱粉、α化澱粉、酸化澱粉、エーテル化
澱粉、エステル化澱粉、アルギン酸ソーダ、アラビヤゴ
ム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリア
クリルアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イ
ソブチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水
マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレ
イン酸共重合体、メチルセルロース等の天然或いは合成
或いは半合成の高分子化合物等が挙げられる。これらを
混合して使用する事も出来る。通常、これらの使用量は
マイクロカプセル乾燥固形重量100部に対して、5〜
100固形重量部の範囲が好ましい。特に好ましくは、
5〜50固形重量部の範囲である。
【0051】本発明で用いるカプセル保護剤(スチル
ト)としては、小麦澱粉粒、とうもろこし澱粉粒、えん
どう豆澱粉粒、各種プラスチックピグメント、パルプパ
ウダー等を挙げることができ、その大きさ(平均直径)
は、1〜100μmの範囲が好ましく、特に、10〜3
0μmの範囲が好ましい。マイクロカプセル塗液中に白
色顔料を添加する場合には、例えば、炭酸カルシウム、
水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、カオリ
ン、タルク等が使用できる。
【0052】塗工方法としては、通常の塗工機(コータ
ー)を用いて塗布乾燥する。具体的な塗工機としては、
エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコー
ター、バーコーター、ロールコーター、サイズプレスコ
ーター、カーテンコーター等を挙げることができる。
【0053】本発明によるノーカーボン感圧複写紙と組
み合わせて用いられる顕色剤を含有する塗層を有するノ
ーカーボン感圧複写紙は、顕色剤を水性或いは非水性の
塗液として支持体に塗布して得られるが、通常水性塗液
が用いられる。塗液には顕色剤の他に、バインダー、顔
料、必要に応じて分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、
蛍光増白剤、増粘剤、消泡剤等公知の各種助剤が添加さ
れて調製され、前記の如き塗工機を用いて支持体に塗布
される。
【0054】発色性の点からは電子受容性顕色剤として
は有機顕色剤の使用が好ましく、例えば、ノボラック型
フェノール樹脂又はその多価金属塩、サリチル酸誘導体
又はその多価金属塩、サリチル酸樹脂又はその多価金属
塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0055】サリチル酸誘導体としては、芳香族置換基
を少なくとも1個有する化合物で、具体的には、3−フ
ェニルサリチル酸、5−フェニルサリチル酸、3−ベン
ジルサリチル酸、5−ベンジルサリチル酸、3−(α−
メチルベンジル)サリチル酸、5−(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)サ
リチル酸、5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル
酸、3,5−ジフェニルサリチル酸、3,5−ジ(α−
メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジベンジルサリ
チル酸、3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)サリ
チル酸、3,5−ジ(4−メチルベンジル)サリチル酸
などが挙げられ、また、その多価金属塩化合物も使用可
能である。
【0056】サリチル酸樹脂又はその多価金属塩として
は、前述の化合物が全て用いられ得るが、一例を示せ
ば、前記のサリチル酸誘導体とスチレン、o.m.p−
メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチ
レン等のスチレン誘導体をモル比1:0.5〜10で強
酸触媒下にフリーデルクラフツ反応させて得られるサリ
チル酸樹脂を多価金属塩化したものが挙げられる。多価
金属の種類としては、カルシウム、マグネシウム、アル
ミニウム、亜鉛、マンガン等が挙げられるが、亜鉛塩と
して用いることが最も好ましい。これらの顕色剤は2種
以上併用することもできる。
【0057】また、顕色剤と併用される顔料としては、
例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、タルク、水酸
化アルミニウム、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、
活性白土、微粉珪酸、酸化チタン、珪酸カルシウム、尿
素−ホルムアルデヒド樹脂等の通常の無機系或いは有機
系の白色顔料を挙げることができる。
【0058】
【実施例】次に実施例及び比較例によって本発明の特徴
を詳細に示すが、もちろん本発明は実施例のみに限定さ
れる事はなく、従って使用される物質、製造条件等も実
施例中の記載に限定される事はない。実施例及び比較例
中、特に規定した場合を除き乾燥固形重量部で表示す
る。
【0059】実施例1〜7及び比較例1〜4 <発色剤内包ブルー発色用マイクロカプセルの作製方法
>発色剤6部を、溶剤94部に溶解した疎水性発色剤溶
液180部を、スチレン−無水マレイン酸共重合体5%
水溶液220部に、強攪拌下で徐々に添加し、コールタ
ー・カウンターでの50%体積平均直径が6μmになる
まで攪拌を続け乳化液を得た。メラミン11部、37%
ホルムアルデヒド水溶液21部、水28部を加熱溶解し
て得たメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液
を、乳化液中に添加し、70℃の温度下で2時間攪拌し
て発色剤内包マイクロカプセル液を得た。
【0060】実施例、比較例の中の発色剤内包マイクロ
カプセルに用いた発色剤、溶剤のうち、略称で記したも
のの組成は以下の通りである。インドリル(アザ)フタ
リド化合物としては、発色剤A:3−(4−ジエチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−
2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリ
ド、発色剤B:3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキ
シフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)−4−アザフタリド、発色剤C:3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フ
タリドを用い、インドリル(アザ)フタリド化合物以外
の発色剤として、発色剤D:3,3−ビス(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドを用
いた。有機カーボネートとしては、有機カーボネート
A:前記一般式(1)中、R1及びR2が14及び15の
混合物からなる長鎖アルキルカーボネート(LIALC
ARB SR−1000/R、日光ケミカルズ
(株))、有機カーボネートB:ジ−2−エチルヘキシ
ルカーボネートを、MCTとしては、カプリル酸、カプ
リン酸を原料とするトリグリセリド(パナセート81
0、日本油脂(株))を用いた。
【0061】<発色剤塗液及び上用紙の作製方法>発色
剤内包マイクロカプセル液100部に小麦澱粉70部、
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本合成ゴ
ム社製)35部を添加し、発色剤塗液を作製し、坪量が
50g/m2の上質紙に塗工量が5g/m2となるように
塗工してノーカーボン感圧複写紙上用紙を得た。
【0062】表1及び表2に示した発色剤、溶剤の組み
合わせで、実施例、比較例に相当する発色剤内包マイク
ロカプセルを作製し、実施例1〜7及び比較例1〜4の
上用紙を得た。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】実施例、比較例で得られた上用紙とサリチ
ル酸誘導体亜鉛塩を顕色剤として使用する市販のノーカ
ーボン感圧複写紙下用紙(三菱NCR紙スーパーN40
下、三菱製紙製)とを組み合わせてタイプライターで印
字し、以下の評価方法により、発色性、擦れ汚れ、画像
滲み、画像耐光性について試験した。結果を表3に示し
た。また、マイクロカプセル製造時の発色剤溶解安定
性、溶剤臭についても試験し、結果を表3に示した。
【0066】<発色性>タイプライター印字1日後に、
発色性を目視で5段階評価した。数値の大きい方が良好
なことを示し、評点3以上が実用レベルである。
【0067】<擦れ汚れ>ノーカーボン感圧複写紙下用
紙に実施例、比較例で得られた上用紙を重ね合わせ、1
00g/cm2の荷重を掛けて30cmの長さを擦り合
わせた時の汚れ状態を目視で5段階評価した。数値の大
きい方が良好なことを示し、評点3以上が実用レベルで
ある。
【0068】<画像滲み>タイプライター印字1日後
に、画像の滲み状態を目視で5段階評価した。数値の大
きい方が良好なことを示し、評点3以上が実用レベルで
ある。
【0069】<画像耐光性>タイプライター印字1日後
に、日光に5時間曝露し、画像残存状態を目視で5段階
評価した。数値の大きい方が良好なことを示し、評点3
以上が実用レベルである。
【0070】<画像耐光変色性>タイプライター印字1
日後に、日光に2時間曝露し、画像の変色状態を目視で
5段階評価した。数値の大きい方が良好なことを示し、
評点3以上が実用レベルである。
【0071】<発色剤溶解安定性>発色剤を溶剤に加熱
溶解した後、室温で一昼夜放置し、発色剤の析出の有
無、析出量の多さから、発色剤溶解安定性を目視で5段
階評価した。数値の大きい方が良好なことを示し、評点
3以上が実用レベルである。別途、溶剤100gに対し
て発色剤2gを溶解し、室温に冷却して白濁しないもの
を評点3以上、5g以上溶解するものを評点4以上と
し、一昼夜放置後の発色剤の析出状態を加味して評点3
〜5を判断した。
【0072】<溶剤臭>得られた上用紙のマイクロカプ
セル塗布面を擦り合わせ、溶剤臭の種類、多さを嗅ぎ取
り5段階評価した。数値の大きい方が良好なことを示
し、評点3以上が実用レベルである。
【0073】
【表3】
【0074】表3の結果から以下のことが判る。すなわ
ち、有機カーボネートの使用により、高分子量脂肪酸ト
リグリセリドの混合物であるヤシ油、大豆油を使用した
場合に比べ、画像耐光性が優れ、発色剤溶解安定性が良
く、溶剤臭も少ない。また、発色剤としてインドリルア
ザフタリド化合物を使用するとCVLに比べて、発色剤
溶解安定性、画像耐光性等が優れている。
【0075】また、有機カーボネートとMCTを併用す
ることにより、有機カーボネートを単独で使用した場合
よりも画像が滲みやすくなるが、発色剤溶解安定性が増
し、発色性も良化する。
【0076】実施例8〜11及び比較例5〜8 <発色剤内包ブラック発色用マイクロカプセルの作製方
法>発色剤10部を、溶剤90部に溶解した疎水性発色
剤溶液180部を、スチレン−無水マレイン酸共重合体
5%水溶液220部に、強攪拌下で徐々に添加し、コー
ルター・カウンターでの50%体積平均直径が6μmに
なるまで攪拌を続け乳化液を得た。別に、メラミン11
部、37%ホルムアルデヒド水溶液21部、水28部を
加熱溶解して得たメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合
物水溶液を、乳化液中に添加し、70℃の温度下で2時
間攪拌して発色剤内包マイクロカプセル液を得た。
【0077】実施例、比較例の中の発色剤内包マイクロ
カプセルに用いた染料、溶剤のうち、略称で記したもの
の組成は以下の通りである。用いた発色剤は、発色剤
E:3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチ
ルアニリノ)フルオラン、発色剤F:3−N−エチル−
N−イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、発色剤G:3,3−ビス(p−ジメチルアミノ
フェニル)−6−ジメチルアミノフタリドである。有機
カーボネートとしては、実施例1〜7で用いた有機カー
ボネートA、Bを、MCTとしては実施例1〜7で用い
たMCTを用いた。
【0078】<発色剤塗液及び上用紙の作製方法>発色
剤内包マイクロカプセル液100部に小麦澱粉50部、
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本合成ゴ
ム社製)30部を添加し、発色剤塗液を作製し、坪量が
50g/m2の上質紙に塗工量が5g/m2となるように
塗工してノーカーボン感圧複写紙上用紙を得た。
【0079】表4及び表5に示した発色剤、溶剤の組み
合わせで、実施例、比較例に相当する発色剤内包マイク
ロカプセルを作製し、実施例8〜11及び比較例5〜8
の上用紙を得た。
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】実施例8〜11、比較例5〜8で得られた
上用紙とサリチル酸誘導体亜鉛塩を顕色剤として使用す
る市販のノーカーボン感圧複写紙下用紙(三菱NCR紙
スーパーN40下、三菱製紙製)とを組み合わせてタイ
プライターで印字し、前記及び以下の評価方法により、
発色性、擦れ汚れ、画像滲み、画像耐光性について試験
した。結果を表6に示した。また、マイクロカプセル製
造時の発色剤溶解安定性、溶剤臭についても試験し、結
果を表6に示した。
【0083】
【表6】
【0084】表6の結果から以下のことが判る。すなわ
ち、有機カーボネートの使用により、高分子量脂肪酸ト
リグリセリドの混合物であるヤシ油、大豆油を使用した
場合に比べ、発色性、発色剤溶解安定性が良く、溶剤臭
も少ない。また、MCT使用に比べ画像滲みは良好であ
った。発色剤としてトリフルオロメチルアニリノ基を有
するフルオラン化合物を使用することにより、他のフル
オラン化合物に比べて、画像溶解性が安定し、画像の耐
光性、耐光変色性が向上する。
【0085】
【発明の効果】発色剤内包マイクロカプセルを含有する
塗層を設けたノーカーボン感圧複写紙において、マイク
ロカプセル中の溶剤として有機カーボネートを用い、発
色剤としてインドリル(アザ)フタリド化合物或いはト
リフルオロメチルアニリノ基を有するフルオラン化合物
を用いることによって、発色性、画像保存性に優れ、不
快臭がなく、環境に対し適合性のあるノーカーボン感圧
複写紙を得ることができた。また、溶剤として有機カー
ボネートと中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を併用
することにより、発色性、画像保存性等において一層優
れたノーカーボン感圧複写紙を得ることができた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性発色剤と電子受容性顕色剤と
    の発色反応を利用して発色画像を形成するノーカーボン
    感圧複写紙において、該電子供与性発色剤を下記一般式
    (1)で示される有機カーボネートとともに内包するマ
    イクロカプセルを有する塗層を支持体上に設けたことを
    特徴とするノーカーボン感圧複写紙。 【化1】R1−OCOO−R2 一般式(1) 式中、R1およびR2は独立して炭素数1〜30で、且つ
    1とR2の炭素数の合計が12〜50である直鎖または
    分岐のアルキル基、シクロアルキル基またはアルケニル
    基を示す。
  2. 【請求項2】 有機カーボネートとともに、炭素数6〜
    10の飽和脂肪酸とグリセリンとからなる中鎖脂肪酸ト
    リグリセリドを用いる、請求項1に記載のノーカーボン
    感圧複写紙。
  3. 【請求項3】 電子供与性発色剤が、下記一般式2で示
    される化合物である、請求項1に記載のノーカーボン感
    圧複写紙。 【化2】 式中、R1は炭素数が1〜12の非置換または置換基を
    有するアルキル基を、R2は水素原子、炭素数が1〜8
    のアルキル基を、R3及びR4は同一でも異なってもよ
    く、水素原子、炭素数が1〜12の非置換または置換基
    を有するアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基ま
    たはフェニル基を、R5及びR6は水素原子、ハロゲン原
    子、炭素数が1〜8のアルキル基、炭素原子数が1〜1
    2のアルコキシ基を、X及びYは−C=または−N=
    で、少なくとも一方は−CH=であることを表す。
  4. 【請求項4】 電子供与性発色剤が、下記一般式3で示
    されるフルオラン化合物である、請求項1に記載のノー
    カーボン感圧複写紙。 【化3】 式中、R1、R2は同一でも異なってもよい低級アルキル
    基またはシクロアルキル基、R3は水素または低級アル
    キル基を表す。
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