JP2000168230A - ノーカーボン感圧複写紙および発色剤溶液含有チェッカー - Google Patents

ノーカーボン感圧複写紙および発色剤溶液含有チェッカー

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JP2000168230A
JP2000168230A JP10345230A JP34523098A JP2000168230A JP 2000168230 A JP2000168230 A JP 2000168230A JP 10345230 A JP10345230 A JP 10345230A JP 34523098 A JP34523098 A JP 34523098A JP 2000168230 A JP2000168230 A JP 2000168230A
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Nobuhiro Kagota
信博 籠田
Hiromune Wada
浩宗 和田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境に対する安全性に優れ、発色性の良好なノ
ーカーボン感圧複写紙を提供する。また、環境に対する
安全性に優れ、発色性の良好な発色剤溶液含有チェッカ
ーを提供する。 【解決手段】発色剤および疎水性溶剤を内包したマイク
ロカプセルを含有する塗工層を支持体上に設けたノーカ
ーボン感圧複写紙に於いて、発色剤として一般式(4)
で示される化合物を、疎水性溶剤として非芳香族溶剤を
用いる。また、非芳香族溶剤としては脂肪酸エステルオ
イルが好ましい素材である。また、顕色剤を含有する塗
層の表面を発色させるための発色剤と有機溶剤を含有す
る発色剤溶液含有チェッカーにおいて、下記一般式
(1)で示される発色剤と非ハロゲン化合物である有機
溶剤を用いる。 【化5】 [但し、R1、R2、R3、R4はメチル基またはエチル
基、R5、R6は炭素原子数1〜8のアルキル基を表
す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性発色剤
と電子受容性顕色剤との発色反応を利用したノーカーボ
ン感圧複写紙に関する。更には、環境に対する安全性に
優れ、発色性の良好なノーカーボン感圧複写紙に関す
る。また、環境に対する安全性に優れ、発色性の良好な
発色剤溶液含有チェッカーに関する。
【0002】
【従来の技術】ノーカーボン感圧複写紙は、基本的に
は、電子供与性発色剤(以下、発色剤と称す)を高沸点
疎水性溶剤に溶解しマイクロカプセルに内包して、これ
を含有する塗層を支持体の裏面に塗布した上用紙と、前
記発色剤と反応して発色する電子受容性顕色剤(以下、
顕色剤と称す)を含有する塗層を支持体の表面に塗布し
た下用紙とを互いに重ね合わせ、加圧することによりマ
イクロカプセルが破壊し、マイクロカプセルから発色剤
および疎水性溶剤が流出して下用紙に転移し、発色剤と
顕色剤との反応により顕色剤層が着色して加圧印字と同
時に複写像が得られるものである。
【0003】多数枚の複写を望む場合には、支持体の表
面に前記顕色剤含有層を塗布し、裏面に発色剤内包マイ
クロカプセル含有層を塗布した中用紙を、上用紙と下用
紙の間に必要な枚数だけ挿入して使用される。また、発
色剤内包マイクロカプセル含有層と顕色剤含有層を積層
又は混合層として、支持体の同一表面上に形成した自己
発色型感圧複写紙や、発色剤内包マイクロカプセル、顕
色剤内包マイクロカプセル及びワックスを含む塗層を支
持体の裏面に設けた普通紙転写型感圧複写紙もノーカー
ボン感圧複写紙の一形態として知られている。
【0004】発色剤を内包するマイクロカプセルの製造
方法としては、ゼラチン−アラビヤゴムのポリイオンコ
ンプレックスを利用したコアセルベーション法、分散媒
となる親水性液体と内包すべき疎水性液体の界面におい
て不溶性合成樹脂皮膜を形成する界面重合法、メラミン
−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂
等の初期縮合物を分散媒となる親水性液体側から添加し
た後、樹脂化せしめて不溶性皮膜を形成するin si
tu重合法等が知られており、原材料が安く安定して供
給される、高濃度マイクロカプセル分散液が得られる、
有機溶剤や熱に対する耐性が大きい等の理由で、界面重
合法やin situ重合法によるマイクロカプセルが
広く用いられている。
【0005】マイクロカプセルに内包される発色剤とし
ては、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラ
ン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタ
リド系化合物、インドリルアザフタリド系化合物、ロイ
コオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、
トリフェニルメタン系化合物、スピロピラン系化合物等
が知られている。
【0006】発色剤を溶解する疎水性溶剤としては、ア
ルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アルキ
ル化ナフタレン、ジアリールアルカンや塩素化パラフィ
ン等が知られているが、不快臭を有する、分子中に芳香
族環やハロゲン元素を有する等の問題点があり、非ハロ
ゲン元素系の脂肪族あるいは脂環族系の疎水性溶剤の使
用が望まれている。
【0007】しかし、ノーカーボン感圧複写紙用の発色
剤として知られている化合物は、脂肪族あるいは脂環族
系の疎水性溶剤に溶解しにくく、一旦高温加熱で溶解し
たとしても、温度が下がると溶解安定性が不十分で、発
色剤が結晶析出しやすい傾向があった。
【0008】また、ノーカーボン感圧複写紙の使用方法
として、下用紙、中用紙あるいは自己発色型感圧複写紙
の記録の不要な部分に、減感剤を主成分とする減感イン
キを印刷機などを用いて塗布し、部分的に複写画像が得
られなくすることが行われている。減感インキについて
は、特公昭44−27255号公報、同46−2954
6号公報等に記載されているように、通常は白色である
ために、顕色剤層のどの部分に減感印刷が施されたのか
非常に分かりにくく、そのため、印刷時の減感インキの
位置ズレ、飛翔汚れ、ガイドローラー汚れなどをチェッ
クするために、種々の方法が行われている。
【0009】例えば、発色剤を有機溶剤に溶解した液を
刷毛で塗ったり、フェルトペンなどの容器に収納して塗
りつけたり、あるいは噴射剤と共に噴射可能容器に封
入、充填して噴射する方法が行われており、これらの試
験に用いられる道具がチェッカーと呼ばれている。この
うち、発色剤溶液含有噴射容器の形式のものが減感チェ
ッカーと呼ばれ、取り扱いや保管の簡便さ、火災に対す
る危険性、広範囲の面積のチェックなどを勘案して、最
も一般的に用いられている。
【0010】また、ノーカーボン感圧複写紙の一形態と
して、顕色剤を有機溶剤に溶解してインキ化したスポッ
トインキなるものを用いて、支持体表面に部分的に顕色
剤層を設けて複写帳票等に用いる場合があるが、このス
ポットインキは通常白色インキであるために白色支持体
に印刷すると印刷場所が判定しにくく、発色剤溶液含有
チェッカーを用いて発色させて、スポットインキ印刷部
の位置ズレ、飛翔汚れ、ガイドローラー汚れなどをチェ
ックすることが行われている。基本的に、この発色剤溶
液含有チェッカーと減感チェッカーとは同じような素
材、組成で構成されており、これらを発色剤溶液含有チ
ェッカーと総称する。
【0011】この発色剤溶液含有チェッカーに封入、充
填されているものは、ブタン、イソブタン、プロパン、
フロン、液化石油、二酸化炭素、ジメチルエーテル、窒
素などの噴射可能な圧縮ガスおよび発色剤を有機溶剤で
溶解した発色剤溶液等である。ここでいう圧縮ガスと
は、常温常圧下では気体であるが、冷却や加圧などの方
法によって液化し、常温常圧下に戻すことで急激に気化
するものである。
【0012】発色剤を溶解するための有機溶剤として
は、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール
類、ケトン類、脂肪酸エステル類、石油系混合溶剤、ノ
ーカーボン感圧複写紙用の発色剤溶解用疎水性溶剤など
が使用されており、例えば、塩素化パラフィン、トリク
ロロエチレン、パークロロエチレン、1,1,1−トリ
クロルエタン、四塩化炭素、ベンゼン、ジクロロメタ
ン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、トルエン、メチ
ルエチルケトン、酢酸エチル、リグロイン、キシレンな
どが知られている。揮発速度、発色濃度、発色剤の溶解
性などの点から、1,1,1−トリクロロエタンが最も
一般的に使用されてきたが、噴射剤用のフロンガスと共
に、地球環境汚染物質として使用できなくなっており、
その代替物の検討が必要になっている。
【0013】発色性の点から、発色剤としてはクリスタ
ルバイオレットラクトン(CVL)が一般的には使用さ
れているが、ハロゲン化炭化水素以外の有機溶剤を使用
すると種々問題点が発生する。例えば、n−ヘキサン、
n−ペンタン、n−ヘプタン等の炭化水素類では発色剤
が十分に溶解しない。アルコール類、ケトン類、エステ
ル類等では、発色速度が遅いために噴射した直後には発
色せず、溶剤の揮発とともに徐々に発色するため、迅速
な試験ができない。また、沸点の高い溶剤を使用する
と、噴射後に溶剤の揮発が遅いために、噴射液が流れ落
ちて周囲を汚したり、重ねた紙面に浸透し、不必要に紙
を汚すといった問題点があった。
【0014】このような問題点を解決するために、特開
平8−324108号公報には、発色剤としてインドリ
ルフタリド系化合物またはインドリルアザフタリド系化
合物を用いることが開示されている。しかしながら、従
来から使用されているCVLに比べると発色性の点で劣
るために、顕色剤層表面の十分なチェックができないと
か、減感印刷適性の判定に使いにくい等の問題点があっ
た。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
の第1は、環境に対する安全性に優れ、発色性の良好な
ノーカーボン感圧複写紙を提供することである。また、
目的の第2は、環境に対する安全性に優れ、発色性の良
好な発色剤溶液含有チェッカーを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に鑑
み鋭意研究した結果、各々の目的に対し、共通して、優
れた発色剤を用いることにより、上記問題点を解決した
ノーカーボン感圧複写紙および発色剤溶液含有チェッカ
ーを得ることができた。
【0017】即ち、発色剤および疎水性溶剤を内包した
マイクロカプセルを含有する塗工層を支持体上に設けた
ノーカーボン感圧複写紙に於いて、発色剤として下記一
般式(1)で示される化合物を、疎水性溶剤として非芳
香族溶剤を用いることにより、目的のノーカーボン感圧
複写紙を得ることができた。また、非芳香族溶剤として
は脂肪酸エステルオイルが好ましい素材であった。
【0018】
【化3】
【0019】[但し、R1、R2、R3、R4はメチル基ま
たはエチル基、R5、R6は炭素原子数2〜8のアルキル
基を表す。]
【0020】また、顕色剤を含有する塗層の表面を発色
させるための発色剤と有機溶剤を含有する発色剤溶液含
有チェッカーにおいて、下記一般式(1)で示される発
色剤と非ハロゲン化合物である有機溶剤を用いることに
より、良好な発色剤溶液含有チェッカーを得ることがで
きた。
【0021】
【化4】
【0022】[但し、R1、R2、R3、R4はメチル基ま
たはエチル基、R5、R6は炭素原子数2〜8のアルキル
基を表す。]
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明のノーカーボン感圧
複写紙、発色剤溶液含有チェッカーについて、詳細に説
明する。
【0024】本発明で発色剤として用いる前記一般式
(1)の化合物は、ノーカーボン感圧複写紙用の発色剤
として最も一般的に使用されているクリスタルバイオレ
ットラクトン(CVL)の置換基を変えた化学構造のも
のであり、具体的にはジメチルアミノ基のメチル基の一
部または全てをエチル基または長鎖アルキル基に換える
ことにより、マイクロカプセルに使用する疎水性溶剤に
対する発色剤の溶解性を著しく向上することができた。
【0025】長鎖アルキル基としては、炭素数が2〜8
のアルキル基が用いられ、直鎖状、分岐状の何れでも良
く、具体的化合物として、3,3−ビス(p−ジメチル
アミノ)フェニル−6−ジエチルアミノフタリド、3,
3−ビス(p−ジエチルアミノ)フェニル−6−ジエチ
ルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミ
ノ)フェニル−6−ジプロピルアミノフタリド、3,3
−ビス(p−ジエチルアミノ)フェニル−6−ジプロピ
ルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミ
ノ)フェニル−6−ジブチルアミノフタリド、3,3−
ビス(p−ジメチルアミノ)フェニル−6−ジアミルア
ミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノ)フ
ェニル−6−ジヘキシルアミノフタリド、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノ)フェニル−6−ジオクチルアミ
ノフタリド等を挙げることができるが、これらに限られ
るものではない。
【0026】フタリドの6位の置換アミノ基の中のアル
キル基は、発色剤の溶解安定性の点からは長い方が好ま
しいが、発色性の点からは短い方が好ましく、従って、
C3〜C6のアルキル基であることが最も好ましい。
【0027】また、本発明のノーカーボン感圧複写紙に
おいて用いられる脂肪酸エステルオイルとしては、低級
アルコールと飽和あるいは不飽和の高級脂肪酸とからな
る合成脂肪酸エステル、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと飽
和あるいは不飽和の高級脂肪酸とからなる合成脂肪酸エ
ステル、大豆油、コーン油、綿実油、菜種油、オリーブ
油、ヤシ油、ひまし油、魚油等の天然動植物油等を適宜
用いることができ、発色剤の溶解安定性、常温での流動
性等の点で、中鎖脂肪酸トリグリセリドが最も好まし
い。
【0028】中鎖脂肪酸トリグリセリドとは、ヤシ油な
どの天然油脂を加水分解して得られる高純度の混合脂肪
酸とグリセリンとのエステル化により得られる液状油で
ある。MCTは分子内に不飽和結合を含まない液状油で
あり、良好な流動性、染料溶解性を有し、不快臭もな
く、且つ、食品、化粧品、医療品等の分野にも用いられ
る安全性の高い素材である。特に、25℃における粘度
が10〜40センチポイズの液状で、不飽和結合を含ま
ず、炭素数が6〜10の脂肪酸とグリセリンとからなる
組成の化合物であることが好ましい。
【0029】低級アルコールと高級脂肪酸とからなる脂
肪酸エステルオイルとしては、ラウリン酸エチル、ラウ
リン酸イソプロピル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸
メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピ
ル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸メチル、パルミ
チン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン
酸ブチル等を挙げることができる。
【0030】本発明で用いられる疎水性溶剤としては、
脂肪酸エステルオイルに、フェニルキシリルエタン、フ
ェニルエチルフェニルエタン、フェニルクミルエタン、
フェニル第2ブチルフェニルメタンのようなジアリール
アルカン、ジイソプロピルナフタレンのようなアルキル
ナフタレン、第2ブチルビフェニル、イソプロピルビフ
ェニルのようなアルキルビフェニル、部分水素添加ター
フェニル等の芳香族炭化水素類、パラフィン油、ナフテ
ン油等の脂肪族炭化水素類、炭酸ジエステル等のノーカ
ーボン感圧複写紙用として公知の化合物を混合して使用
することが可能であるが、環境に対する安全性という点
から、芳香族溶剤の使用量は少ないことが好ましい。
【0031】本発明におけるマイクロカプセルの製造方
法としては、特に限定されるものではなく、公知のコア
セルベーション法、界面重合法、in situ重合法
等を用いることができるが、製造の簡便性、製造コス
ト、マイクロカプセルの耐性等の点から、界面重合法、
in situ重合法等が特に好ましい。
【0032】本発明において、発色剤としては前記一般
式(1)の化合物が用いられるが、従来知られているノ
ーカーボン感圧複写紙用の発色剤を併用することも可能
であり、例えばトリフェニルメタンフタリド系、フルオ
ラン系、フェノチアジン系、インドリルフタリド系、イ
ンドリルアザフタリド系、ロイコオーラミン系、スピロ
ピラン系、ローダミンラクタム系、トリフェニルメタン
系等を挙げることができる。
【0033】発色剤を溶解した疎水性溶液をマイクロカ
プセル化する場合には、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸
化防止剤等を疎水性溶剤中に溶解して用いる事も可能で
あり、一般のノーカーボン感圧複写紙に用いられる物質
であれば特に制限されない。
【0034】発色剤内包マイクロカプセルの大きさ(体
積平均直径)は、1〜20μmの範囲が好ましく、特に
は3〜10μmの範囲が好ましい。発色剤の塗工量とし
ては、選択する発色剤の種類によって多少異なり、特に
限定されるものではないが、発色性能の面から、5〜1
000mg/m2、特に好ましくは20〜 200mg/
2の範囲である。
【0035】マイクロカプセルを含有する塗工液として
は、通常水性系塗工液が用いられる。上記方法によって
得られた発色剤内包マイクロカプセル分散液に、必要に
応じてラテックス系のバインダー、水溶性バインダー、
カプセル保護剤(スチルト)、白色顔料、界面活性剤、
消泡剤、増粘剤、防腐剤、着色剤等、当業界で公知の各
種素材を添加調整して塗工液とする。塗工中のマイクロ
カプセル含有比率は、通常塗工液100重量部(固形
部)に対して5〜80重量部の範囲に調整される。
【0036】ラテックス系のバインダーの具体例として
は、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アク
リロニトリル−ブタジエン系共重合体ラテックス、酢酸
ビニル系ラテックス、アクリル系ラテックス等や、それ
らのアルカリ増粘型ラテックスが挙げられる。水溶性バ
インダーとしては、例えばゼラチン、アルブミン、カゼ
イン、澱粉、α化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エ
ステル化澱粉、アルギン酸ソーダ、アラビヤゴム、カル
ボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、メチルセルロース等の天然或いは合成の高分子化合
物等が用いられる。これらを混合して使用する事も出来
る。通常、これらの使用量はマイクロカプセル乾燥固形
重量100部に対して、5〜100固形重量部の範囲が
好ましい。特に好ましくは、5〜50固形重量部の範囲
である。
【0037】カプセル保護剤(スチルト)としては、小
麦澱粉粒、とうもろこし澱粉粒、えんどう豆澱粉粒、各
種プラスチックピグメント、パルプパウダー等、公知の
ものが好ましく、その大きさ(平均直径)は、1〜10
0μmの範囲が好ましい。特に好ましくは、5〜30μ
mの範囲が好ましい。マイクロカプセル塗工液中に白色
顔料を添加する場合には、例えば、炭酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、カオリン、
タルク等が使用できる。
【0038】塗工方法としては、通常の塗工機(コータ
ー)を用いて塗布乾燥する。具体的な塗工機としては、
エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコー
ター、バーコーター、ロールコーター、サイズプレスコ
ーター、カーテンコーター等を挙げることができる。
【0039】また、本発明で用いられる発色剤を発色さ
せるための顕色剤としては、従来からノーカーボン感圧
複写紙用として知られているものを使用することがで
き、例えば、酸性白土、活性白土等の無機固体酸、ノボ
ラック型フェノール樹脂、その多価金属塩、サリチル酸
誘導体、その多価金属塩等の有機系顕色剤を挙げること
ができる。
【0040】サリチル酸誘導体としては、3,5−ジ
(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−(α−メチル
ベンジル)−5−(α,α´−ジメチルベンジル)サリ
チル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5
−ジ−tert−オクチルサリチル酸、3,5−ジ(α,α
´−ジメチルベンジル)サリチル酸や、スチレン化サリ
チル酸等を代表例として挙げることができる。
【0041】次に発色剤溶液含有チェッカーについて説
明を行う。発色剤溶液含有チェッカーには種々の形態が
とられるが、最も一般的にはスプレー型が使用されてお
り、これについて、以下に本発明の説明を行う。
【0042】本発明の発色剤含有チェッカーに使用され
る発色剤としては、前記一般式(1)の化合物が用いら
れ、詳細は前述の通りである。また、従来からノーカー
ボン感圧複写紙用に用いられている発色剤を一部併用す
ることもできる。
【0043】本発明の発色剤溶液含有スプレー型チェッ
カーは、発色剤を有機溶剤に溶解した発色剤溶液を噴射
剤と共に噴射用バルブを有する耐圧容器(通常エアゾー
ル容器と呼ばれる)中に封入することにより得ることが
できる。
【0044】本発明の発色剤溶液含有チェッカーに用い
られる有機溶剤は、非ハロゲン化合物からなる溶剤であ
り、発色剤を溶解する能力、噴射後の揮発速度等を考慮
して選択される。具体的な有機溶剤としては、n−ペン
タン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタン、イソオクタン、n−デカン、2,2−ジメ
チルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、
メチルシクロヘキサン、石油エーテル、ナフテン油、石
油エーテル、石油ベンジン等の直鎖炭化水素、脂環式炭
化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、
エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン
等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等を挙
げることができ、これらを単独でまたは2種類以上を混
合して用いることができる。
【0045】スプレー型チェッカーに用いられる噴射剤
としては、発色剤および発色剤を溶解した溶液との相溶
性が良く、長期保存や低温保存にも耐えるものが好まし
い。代表的な噴射剤としては、ブタン、イソブタン、プ
ロパン、液化石油、二酸化炭素、窒素、ジメチルエーテ
ル等を挙げることができる。
【0046】
【実施例】次に実施例及び比較例によって本発明の特徴
を詳細に示すが、もちろん本発明は実施例のみに限定さ
れる事はなく、従って使用される物質、製造条件等も実
施例中の記載に限定される事はない。実施例及び比較例
中、特に規定した場合を除き乾燥固形重量部で表示す
る。
【0047】実施例1 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>発色剤A:
3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−
ジプロピルアミノフタリド5部を疎水性溶剤A:カプリ
ン酸およびカプリル酸のトリグリセリド(パナセート8
10:日本油脂(株)製)95部に溶解した疎水性溶液
を用意した。スチレン−無水マレイン酸共重合体5%水
溶液220部に、上記疎水性溶液180部を強攪拌下で
徐々に添加し、コールター・カウンターでの50%体積
平均直径が6μmになるまで攪拌を続け乳化液を得た。
別に、メラミン11部、37%ホルムアルデヒド水溶液
21部、水28部を加熱溶解して得たメラミン−ホルム
アルデヒド初期縮合物水溶液を、乳化液中に添加し、7
0℃の温度下で2時間攪拌して発色剤内包マイクロカプ
セル液を得た。
【0048】実施例2 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>発色剤Aを発
色剤B:3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジヘキシルアミノフタリドに替える以外は実
施例1と同様にして発色剤内包マイクロカプセル液を得
た。
【0049】実施例3 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>発色剤Aを発
色剤C:3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジオクチルアミノフタリドに替える以外は実
施例1と同様にして発色剤内包マイクロカプセル液を得
た。
【0050】実施例4 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>疎水性溶剤A
の30部を疎水性溶剤B:ミリスチン酸イソプロピル3
0部に置き換える以外は実施例2と同様にして発色剤内
包マイクロカプセルを得た。
【0051】比較例1 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>発色剤Aを
3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−
ジメチルアミノフタリドに置き換える以外は実施例1と
同様にして発色剤内包マイクロカプセル液を得た。
【0052】比較例2 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>疎水性溶剤A
をフェニルキシリルエタン(SAS N−296、日本
石油化学(株)製)に置き換える以外は実施例1と同様
にして発色剤内包マイクロカプセルを得た。
【0053】実施例1〜4および比較例1のマイクロカ
プセル作製時に、発色剤を疎水性溶剤に加熱溶解後、5
0℃に保管した場合の溶解安定性および溶剤臭の有無を
調べた。その結果を表1に示した。○は溶解安定性が良
好、×は結晶が析出があり、溶解安定性不良であること
を示す。
【0054】<発色剤塗液及び上用紙の作製方法>実施
例1〜4及び比較例1、2で得られた発色剤内包マイク
ロカプセル液100部に小麦澱粉70部、スチレン−ブ
タジエン共重合体ラテックス(日本合成ゴム社製)35
部を添加し、発色剤塗液を作製し、坪量が50g/m2
の上質紙に塗工量が5g/m2となるように塗工して、
実施例1〜4及び比較例1、2のノーカーボン感圧複写
紙上用紙を得た。
【0055】実施例、比較例で得られた上用紙のマイク
ロカプセル塗工面を、市販のノーカーボン感圧複写紙下
用紙(三菱NCR紙N40下:三菱製紙)に重ね合わ
せ、タイプライターにより印字を行い、1日後の発色濃
度を観察し、結果を表1に示した。○は発色性が良好、
×は劣ることを示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1より以下のことが判る。すなわち、実
施例1〜4については、溶剤臭がなく、また、良好なマ
イクロカプセルおよびそれを用いたノーカーボン感圧複
写紙を得ることができたが、比較例1では、発色剤溶液
の溶解温度を下げた段階で結晶が析出するため、十分満
足なマイクロカプセルを作製することができず、従って
良好なノーカーボン感圧複写紙を得ることができなかっ
た。比較例2では、芳香族溶剤を使用したために溶剤臭
が強くなった。
【0058】実施例5 <発色剤溶液含有チェッカーの作製>発色剤A:3,3
−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジプロ
ピルアミノフタリド1部をメチルエチルケトン9部およ
びアセトン15部の混合溶剤に溶解し、石油エーテル7
5部加えて希釈し、噴射用バルブを有する耐圧容器の中
に入れ、LPG(液化石油ガス)を150g封入するこ
とにより、発色剤溶液含有チェッカーを得た。
【0059】実施例6 <発色剤溶液含有チェッカーの作製>発色剤Aを発色剤
B:3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−
6−ジヘキシルアミノフタリドに替える以外は実施例5
と同様にして発色剤溶液含有チェッカーを得た。
【0060】実施例7 <発色剤溶液含有チェッカーの作製>発色剤Aを発色剤
C:3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−
6−ジオクチルアミノフタリドに替える以外は実施例5
と同様にして発色剤溶液含有チェッカーを得た。
【0061】比較例3 <発色剤溶液含有チェッカーの作製>発色剤Aを3,3
−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチ
ルアミノフタリド(CVL)に置き換える以外は実施例
5と同様にして発色剤溶液含有チェッカーを作製しよう
としたが、発色剤が溶解しないため、発色剤溶液含有チ
ェッカーを作製することはできなかった。
【0062】比較例4 <発色剤溶液含有チェッカーの作製>発色剤Aを3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−4−アザフタリドに置き換える以外は実施例5と
同様にして発色剤溶液含有チェッカーを得た。
【0063】実施例5〜7および比較例3、4で得られ
た発色剤溶液含有チェッカーを用いて以下の試験を行
い、その結果を表2に示した。
【0064】<発色濃度>市販のノーカーボン感圧複写
紙(三菱NCR紙下用紙N40、三菱製紙(株)製)
に、作製した発色剤溶液含有チェッカーを1点に集中さ
せて3秒間噴射し、その時の紙面の発色濃度を調べた。
発色濃度の判定は、十分な発色濃度:○、やや発色濃度
が劣る:×とした。 <発色剤溶液の溶解安定性>作製した発色剤溶液含有チ
ェッカーを10℃で1ヶ月間保存した後、ノーカーボン
感圧複写紙下用紙に10秒間噴射を5回繰り返して行
い、スプレーのノズルに詰まりが発生しないか調べた。
判定は、詰まりがなかったもの:○、詰まりがあったも
の:×とした。
【0065】
【表2】
【0066】表2より以下のことが分かる。すなわち、
本願発明の発色剤を使用することにより、実施例5〜7
では、発色剤の溶解安定性が良く、発色性の良い発色剤
溶液含有チェッカーが得られたが、発色剤としてCVL
を用いた場合には、発色剤溶解安定性が不十分であり、
インドリルアザフタリドを用いた場合には発色濃度が不
十分であった。
【0067】
【発明の効果】CVL類似骨格でアルキル置換基を長く
して溶剤に対する溶解性を向上させた発色剤を用いるこ
とにより、発色性能の優れたノーカーボン感圧複写紙を
得ることができた。また、また、この発色剤を発色剤溶
液含有チェッカーに用いることにより、発色剤溶解安定
性の良いチェッカーを得ることができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性発色剤および疎水性溶剤を内
    包したマイクロカプセルを含有する塗工層を支持体上に
    設けたノーカーボン感圧複写紙に於いて、該電子供与性
    発色剤として下記一般式(1)で示される化合物を、疎
    水性溶剤として非芳香族溶剤を用いたことを特徴とする
    ノーカーボン感圧複写紙。 【化1】 [但し、R1、R2、R3、R4はメチル基またはエチル
    基、R5、R6は炭素原子数2〜8のアルキル基を表
    す。]
  2. 【請求項2】 非芳香族溶剤が脂肪酸エステルオイルで
    ある請求項1記載のノーカーボン感圧複写紙。
  3. 【請求項3】 電子受容性顕色剤を含有する塗層の表面
    を発色させるための電子供与性発色剤と有機溶剤を含有
    する発色剤溶液含有チェッカーにおいて、該電子供与性
    発色剤として下記一般式(1)で示される化合物を用
    い、有機溶剤が非ハロゲン化合物であることを特徴とす
    る発色剤溶液含有チェッカー。 【化2】 [但し、R1、R2、R3、R4はメチル基またはエチル
    基、R5、R6は炭素原子数2〜8のアルキル基を表
    す。]
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