JP3842384B2 - 発色剤含有マイクロカプセル及びそれを用いた記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、臭気の発生が少なく、生分解性を示し、高い発色濃度で発色し得る記録材料の作製に好適に使用することができるマイクロカプセルおよびそれを用いた記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶媒に溶解された電子供与性発色剤(以下、「発色剤」と言うことがある)を含有するマイクロカプセルと電子受容性顕色剤(以下、「顕色剤」と言うことがある)とを含み、発色剤と顕色剤との反応により発色像が形成することを利用した記録材料は古くから知られており、広く利用されている。
【0003】
このような記録材料は、感圧記録材料と感熱記録材料とに大別される。感圧記録材料は、これに圧力を加えて発色剤を含有するマイクロカプセルを破壊して、発色剤と顕色剤とを反応させることにより発色像を形成させることを利用したもので、発色剤を含有するマイクロカプセルからなる発色剤層(以下、「発色剤層」と言うことがある)と、顕色剤を含む顕色剤層(以下、「顕色剤層」と言うことがある)とを別々の支持体の表面又は同一支持体の別の表面に形成し、発色剤層と顕色剤層とを接触させて使用するノーカーボン紙型記録材料と、支持体の同一表面上に発色剤を含有するマイクロカプセルと顕色剤とを含む自己発色層を設けた、所謂、自己発色型感圧記録材料(又は、プレスタイプ紙、セルフコンテインド紙)と呼ばれるものとがある。
例えば、ノーカーボン紙型記録材料は、発色剤層を支持体(一般にパルプから構成される紙が使われる)の片面に形成して上用紙とし、支持体の片面に発色剤層を形成しその反対側の面に顕色剤層を形成して中用紙とし、顕色剤層を支持体の片面に形成して下用紙とし、発色剤層と顕色剤層とを接触させて使用される。
【0004】
一方、マイクロカプセルを含む感熱記録材料としては、例えば、特開昭63−265682号及び特開平1−105782号公報に記載されているような、発色剤を含有するマイクロカプセルと顕色剤とを含む感熱層を支持体上に形成した感熱記録材料がある。このマイクロカプセルを含む感熱記録材料は、OHPとしての用途あるいは多色の感熱記録材料の用途に有利に用いることができる等の利点を有するものである。
【0005】
上記のような記録材料に含まれるマイクロカプセルには、発色剤が溶媒に溶解状態で含有されている。この溶媒としては、使用される発色剤を溶解し得る物質が使用され、一般に灯油、パラフィン、ナフテン油、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリールアルカン、フタル酸エステル等が使用されている。
しかしながら、このような溶媒の多くは、一般に臭気の強いものが多く、記録材料の製造時、使用時に人体への悪影響が懸念されること、また製造時に大気中に排気した場合、大気汚染が懸念されるような、エコロジー的に好ましくないものも含まれている。
【0006】
特開昭50−90409号公報には、発色剤溶液を含有するマイクロカプセル層を支持体上に設けることにより感圧記録紙を製造する際に、発色剤を105〜260℃に加熱された動物又は植物油に溶解することを特徴とする感圧記録紙の製造方法が開示されている。
上記の方法に於て使用される動物油及び植物油は天然物であり食用にも使用できるものであり、臭気の発生が少なく、エコロジー的に安全な物質であり、しかも比較的安価であるので、上記マイクロカプセル中の発色剤溶液の溶媒として好ましい溶媒である。
【0007】
しかしながら、上記のように植物油に溶解した電子供与性発色剤を含有するマイクロカプセルを用いた記録材料は、加圧発色時に印字部分の周囲に汚れが発生する場合がある。従来から耐熱カブリ性に優れていることから使用されているポリウレタンウレアカプセル壁を形成する場合、このポリウレタンウレアを形成するための材料である多価イソシアネート(例えば、上記特開平1−105782号公報に記載の水添XDIのトリメチロールプロパン付加体等)が、植物油にはほとんど溶解しないため、カプセル壁の形成に与からない多価イソシアネートの反応物(残渣)が発生することがある。
更に、特開平8−142504号公報には、上記問題を解決するため多価イソシアネートとして、水添キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体またはイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体を使用することが提案されている。これらの多価イソシアネートは、溶剤として酢酸エチルを20〜30重量%含んだ形で市販されているものである。このような酢酸エチル含有多価イソシアネートは、植物油に少し溶解することができ、植物油に対する親和性も比較的良好であるが、得られるカプセル壁の緻密性においては充分に高いものではなく、発色汚れ性、耐熱カブリ性の更なる向上が望まれる。更に、上記酢酸エチル含有多価イソシアネートを使用した場合、カプセル化反応中に酢酸エチルが蒸散し、引火、爆発の危険性があるため、その製造には注意が必要との問題もある。
【0008】
一方、1996年10月に、ドイツ連邦共和国において、リサイクルされた感圧記録紙からマイロカプセルの発色剤の溶媒であるアルキルナフタレンが検出され、環境汚染の観点から問題となった。このため、このような溶媒を使用せずに生分解性を有する植物油を使用し、且つ発色汚れ性、耐熱カブリ性等の特性においても優れた記録材料が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電子受容性顕色剤との接触により発色する電子供与性発色剤を溶解するための溶媒として、臭気の発生が少なく、生分解性を示す植物油を使用し、記録材料に用いた時発色時の汚れの発生が無くかつ高温高湿下でもカブリが発生しない電子供与性発色剤を含有するマイクロカプセル及びそれを用いた記録材料を提供することにある。
また本発明の目的は、電子受容性顕色剤との接触により発色する電子供与性発色剤を溶解するための溶媒として、臭気の発生が少なく、生分解性を示す植物油を使用するが揮発性溶剤を使用しない安全性の高い作業環境で、カプセル化を行なうことができる電子供与性発色剤を含有するマイクロカプセル及びそれを用いた記録材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶媒中に溶解された電子供与性発色剤を内包するマイクロカプセルであって、該溶媒が植物油を主成分とし、該植物油に対して30質量%以下の量にて他の溶媒を含んでいてもよい溶媒であり、該マイクロカプセルのカプセル壁が、60℃の菜種油に対してその質量の5質量%以上溶解する性質を有する、分子中に炭素原子数4〜10のアルキレン基を有する脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を70質量%を超える量で含むポリイソシアネートと、多価アルコール、ヒドロキシポリエステル、ヒドロキシポリアルキレンエーテル、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物及びテトラエチレンペンタミンからなる群より選ばれる分子中に2個以上の活性水素を有する化合物との重合により得られるポリウレタンウレア樹脂からなることを特徴とする発色剤含有マイクロカプセルにある。
本発明はまた、溶媒中に溶解された電子供与性発色剤を内包するマイクロカプセルであって、該溶媒が植物油を主成分とし、該植物油に対して30質量%以下の量にて他の溶媒を含んでいてもよい溶媒であり、該マイクロカプセルのカプセル壁が、60℃の菜種油に対してその質量の5質量%以上溶解する性質を有する、分子中に炭素原子数4〜10のアルキレン基を有する脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を70質量%を超える量で含むポリイソシアネートと、多価ヒドロキシ化合物と多価アミンとの組合わせとの重合により得られるポリウレタンウレア樹脂からなることを特徴とする発色剤含有マイクロカプセルにもある。
本発明はまた、植物油を主成分とし、該植物油に対して30質量%以下の量にて他の溶媒を含んでいてもよい溶媒に電子供与性発色剤を溶解してなる発色剤溶液に、60℃の菜種油に対してその質量の5質量%以上溶解する性質を有する、分子中に炭素原子数4〜10のアルキレン基を有する脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を少なくとも70質量%を超える量で含むポリイソシアネートと多価ヒドロキシ化合物とを混合した溶液を調製する工程、調製された溶液を親水性液体と混合して乳化液とする工程、そして該乳化液に多価アミンを添加混合する工程からなることを特徴とする上記の発色剤含有マイクロカプセルの製造方法にもある。
【0011】
本発明の好適な態様は下記の通りである。
1)上記脂肪族ポリイソシアネートが、分子中に炭素原子数4〜10(好ましくは4〜8)のアルキレン基を有する。
2)上記脂肪族ポリイソシアネートが、イソシアヌレートの骨格を有する。
3)上記脂肪族ポリイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体である。
4)上記脂肪族ポリイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体と該イソシアヌレート体にウレタン結合により脂肪族ジオール(例、アルキレンジオール、ポリアルキレンジオール)が結合した化合物との混合物である。
5)該溶媒が、10〜60重量%のオレイン酸残基含有量の脂肪酸残基組成を有する植物油からなる。
6)分子中に2個以上の活性水素を有する化合物が、水、多価ヒドロキシ化合物及び多価アミンからなる群より選ばれる少なくとも一種である。
7)電子供与性発色剤が上記溶媒中に3〜12重量%溶解されている。
8)上記の電子供与性発色剤が、クリスタルバイオレットラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、フルオラン化合物、インドリルフタリド化合物およびインドリルアザフタリド化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
【0012】
また、溶媒中に溶解された電子供与性発色剤を内包するマイクロカプセルと、電子受容性顕色剤とを含む記録材料であって、該発色剤を内包するマイクロカプセルが、上記本発明の発色剤含有マイクロカプセルであることを特徴とする記録材料にもある。
【0013】
【発明の実施の態様】
本発明のマイクロカプセルは、植物油からなる溶媒に溶解された電子供与性発色剤を、植物油に溶解可能な上記特定の脂肪族ポリイソシアネートと分子中に2個以上の活性水素を有する化合物との重合により得られるポリマーのカプセル壁に内包した構成を有する。
また本発明の記録材料は、上記マイクロカプセルを含むものである限り、その形態は特に限定されない。即ち、本発明の記録材料は、前記のような発色剤層と顕色剤層とが別々の支持体の表面又は支持体の別の表面に形成されたノーカーボン紙型感圧記録材料、支持体の同一表面上に発色剤を含有するマイクロカプセルと顕色剤とを含む自己発色層が設けられた自己発色型感圧記録材料、及び発色剤を含有するマイクロカプセルと顕色剤とを含む感熱層が支持体上に形成された感熱記録材料の何れの形態のものであってもよい。前記のように本発明の記録材料は、マイクロカプセルに含まれる発色剤を溶解している溶媒とカプセル壁の樹脂が特定の物質に限定されていることに特に特徴を有するものである。従って、以下、主としてノーカーボン紙型感圧記録材料について詳細に説明する。他の形態の記録材料に於いても同様の効果が奏されることは当業者に容易に理解されるであろう。
【0014】
本発明の電子供与性発色剤を含有するマイクロカプセルにおいては、前記特定の脂肪族ポリイソシアネート化合物を用いることにより、電子供与性発色剤を溶解するための溶媒として、臭気の発生が少なく、生分解性を示す植物油を使用しても、植物油に溶解された電子供与性発色剤を内包する緻密なカプセル壁の形成が可能となっている。
【0015】
マイクロカプセルに内包される発色剤を溶解するため使用される溶媒は、植物油が使用される。一般に10〜60重量%のオレイン酸残基含有量の脂肪酸残基組成を有する植物油である。このような植物油としては、例えば、大豆油(脂肪酸残基組成中のオレイン酸残基含有量(OA)=20〜35重量%)、トウモロコシ油(OA=25〜45重量%)、菜種油(OA=10〜35重量%)、綿実油(OA=15〜30重量%)、ゴマ油(OA=35〜46重量%)、落花生油(OA=35〜60重量%)、ヒマワリ油(OA=15〜35重量%)等を挙げることができる。中でも特に、大豆油、トウモロコシ油、菜種油、綿実油等が、使用される発色剤の溶解性が高い、顕色剤と反応させたときの発色性が高い、工業的に容易に入手できる等の点で好ましい。これらの植物油は単独で使用しても混合して使用してもよい。
オリーブ油(OA=70〜85重量%)等のように、脂肪酸残基組成中のオレイン酸含有量が60重量%より大きい植物油は、発色剤を溶解する力(溶解力)が低く好ましくない。
【0016】
溶媒として前記のような植物油と共に従来使用されている植物油以外の溶媒を、記録媒体に不快臭を与えないような量(一般に、植物油の30重量%以下の量)で使用してもよい。
【0017】
マイクロカプセルの形成に使用される発色剤は、上記植物油を主成分とする溶媒に溶解することができる公知の発色剤を使用することが好ましい。
本発明で使用される発色剤としては、上記植物油に溶解し易い下記の一般式(1)で表されるインドリルフタリド化合物又はインドリルアザフタリド化合物
【0018】
【化1】
【0019】
(但し、R11及びR12はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基を表し、R13は炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、R14は置換基として炭素原子数1〜4のアルコキシ基を有していてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、R11、R12、R13及びR14で表される基の合計炭素原子数が10以上であり、環Aは無置換のベンゼン環又はピリジン環を表す)
及び下記一般式(2)で表わされるフルオラン化合物
【0020】
【化2】
【0021】
(但し、R21は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R22は炭素原子数4〜12の分枝鎖アルキル基又はテトラヒドロフルフリル基を表し、R21とR22とは同一であることはなく、R23及びR24はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表す)
が好ましい。
【0022】
前記一般式(1)で表されるインドリルフタリド化合物又はインドリルアザフタリド化合物は、前記のような植物油に対する溶解性が大きく、顕色剤と反応して生成する発色像の濃度が大きく、そして容易に且つ安価に合成することができる化合物である。
【0023】
前記一般式(1)で表されるインドリルフタリド化合物の特に好ましい具体例としては、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−デシル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−[1−(2−エチルヘキシル)−2−メチルインドール−3−イル]フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−イソペンチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジプロピルアミノ−2−プロポキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジブチルアミノ−2−ブトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジヘキシルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−β−エトキシエチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−ブトキシフェニル)−3−(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−N−エチル−N−イソブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド等を挙げることができる。
【0024】
前記一般式(1)で表されるインドリルアザフタリド化合物の特に好ましい具体例としては、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−デシル−2−メチルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−[1−(2−エチルヘキシル)−2−メチルインドール−3−イル]−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジブチルアミノ−2−ブトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−β−エトキシエチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−ブトキシフェニル)−3−(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−N−エチル−N−イソブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザフタリド等を挙げることができる。
【0025】
前記一般式(2)で表されるフルオラン化合物の特に好ましい具体例としては、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−イソブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−イソペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソヘキシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−(2−エチルヘキシル)アミノフルオラン、2−トルイジノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−(2−エチルデシル)アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−プロピル−N−イソブチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−N−(sec−ブチル)アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン等を挙げることができる。
【0026】
色相調整の目的で、一般式(1)で表されるインドリルフタリド化合物又はインドリルアザフタリド化合物及び/又は一般式(2)で表されるフルオラン化合物と共に、よく知られているトリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物等の各種の発色剤を併用することができる。その際、一般式(1)で表されるインドリルフタリド化合物又はインドリルアザフタリド化合物及び/又は一般式(2)で表されるフルオラン化合物の含有量が発色剤合計量の50重量%以上になるようにすることが好ましい。即ち、このような発色剤組成とすることにより、植物油に容易に溶解させることができる。
【0027】
発色剤を含有するマイクロカプセルを製造するに際し、一般に、植物油に発色剤を溶解して発色剤溶液を調製するが、植物油に上記発色剤を溶解する際の温度は80〜130℃であることが好ましい。上記範囲よりも低い温度では発色剤が植物油に溶解し難く、上記範囲よりも高い温度では植物油が変質する恐れがある。また、上記発色剤溶液中の発色剤の濃度は植物油に対して、3〜12重量%、特に3〜8重量%であることが好ましい。
【0028】
植物油中に溶解した発色剤を含有するマイクロカプセルは、それ自体公知の任意の方法である界面重合法により製造することができる。
【0029】
本発明のマイクロカプセルの壁材は、熱カブリに対する耐性が大きいポリウレタンウレア樹脂であって、特に50℃において菜種油に、菜種油の重量の5重量%以上溶解する性質を有する脂肪族ポリイソシアネートと分子中に2個以上の活性水素を有する化合物との重合により得られるものである。
【0030】
発色剤を含有するポリウレタンウレア壁材のマイクロカプセルの分散液を調製する方法としては、例えば、上記のようにして調製した発色剤を溶解した植物油溶液に、上記特定の脂肪族ポリイソシアネート及び多価ヒドロキシ化合物(所望により紫外線吸収剤)を溶解した溶液を親水性液体中に乳化分散させ、得られた乳化分散液中に多価アミンを添加し、乳化分散液中の植物油溶液の液滴をポリウレタンウレア樹脂で被覆してマイクロカプセル化する方法がある。多価ヒドロキシ化合物と多価アミンは両方を用いてもよく、何れか一方を用いてもよい。多価アミンを使用しない場合、一般にポリイソシアネートの水との反応する割合が増大する。
本発明で使用される特定の脂肪族ポリイソシアネートは、植物油に対する溶解性が高く、従って上記乳化分散後、植物油に溶解した発色剤の油滴を内包するように、分散媒中の水、あるいは多価ヒドロキシ化合物、多価アミンと重合して、油滴の周囲に選択的に緻密なポリウレタンウレアのカプセル壁を形成することができる。従って、こうして得られたマイクロカプセルを記録材料に用いることにより、発色時の汚れの発生が無くかつ高温高湿下でもカブリが発生しない記録材料を得ることができる。
【0031】
上記本発明のマイクロカプセルの壁材の形成に使用される脂肪族ポリイソシアネート化合物は、前記のように菜種油に、60℃において、菜種油の重量の5重量%以上溶解する性質を有するものである。菜種油に対する溶解性は、一般に5〜20重量%の範囲であり、5〜10重量%の範囲が好ましい。上記脂肪族ポリイソシアネート化合物は、緻密なカプセル壁を形成するため、2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
上記脂肪族ポリイソシアネートは、分子中に炭素原子数4〜10(特に炭素原子数4〜8)のアルキレン基を有することが好ましい。また上記脂肪族ポリイソシアネートは、イソシアヌレートの骨格を有することも好ましい。また上記脂肪族ポリイソシアネートは、特に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体と該イソシアヌレートにウレタン結合により脂肪族ジオール(例、アルキレンジオール)が結合した化合物との混合物であることが好ましい。
菜種油に5重量%以上溶解する脂肪族ポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を挙げることができる。このようなイソシアヌレート誘導体は、例えば、バーノックDN990S及びバーノックDN991S(大日本インキ化学工業(株)製)の商品名で販売されており、入手することができる。
【0032】
マイクロカプセルの形成において、上記特定の脂肪族ポリイソシアネートと共に、他のポリイソシアネートを全ポリイソシアネートの30重量%以下の量で、使用してもよい。その際、植物油中で緻密なカプセル壁を形成するためには、植物油と比較的親和性の高いポリイソシアネートを使用することが好ましい。
例えば、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート等を挙げることができる。あるいは、カプセル壁に強度を付与するため、芳香族ポリイソシアネートを少量使用してもよい。
【0033】
上記ポリイソシアネートと重合する分子中に2個以上の活性水素を有する化合物は、水、多価ヒドロキシ化合物及び/又は多価アミンである。
上記の多価ヒドロキシ化合物の具体例としては、脂肪族又は芳香族の多価アルコール、ヒドロキシポリエステル、ヒドロキシポリアルキレンエーテル、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
【0034】
また上記の多価アミン化合物は、分子中に二個以上の−NH−基又は−NH2 基を有し、親水性液体に可溶性である化合物である。この多価アミン化合物の具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン、キシリレンジアミン等が挙げられる。
【0035】
上記のようにして調製されたマイクロカプセルの分散液はそのまま発色剤層形成用塗布液とするか、又はこのマイクロカプセル分散液に更にバインダー、カプセル保護剤等を添加して発色剤層形成用塗布液を調製し、それ自体公知の方法によって支持体上に塗布し、乾燥することによりノーカーボン紙型感圧記録材料の発色剤層を形成する。バインダーとしては水溶性バインダー、ラテックス系バインダー等を使用することができ、カプセル保護剤としては、セルロース粉末、デンプン粒子、タルク等を使用することができる。
【0036】
支持体としては、従来感圧記録材料、感熱記録材料の支持体として使用されているどのような支持体、例えば、木材パルプからの紙、この紙を表面処理した紙、プラスチックス材料からの合成紙、プラスチックスフィルム等を使用することができる。
【0037】
支持体に塗布する発色剤の最終塗布量は、0.05〜0.30g/m2 、好ましくは0.08〜0.20g/m2 が適当である。
【0038】
ノーカーボン紙型感圧記録材料の顕色層に含有される顕色剤としては、酸性白土、活性白土、アタパルジャイト、ゼオライト、ベントナイト、カオリンのような粘土物質、芳香族カルボン酸(例えば、サリチル酸の誘導体)の金属塩、フェノールホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。エコロジーの面からは顕色剤は粘土物質であることが好ましい。
【0039】
上記顕色剤層を形成するための塗布液は、それ自体公知の方法により調製することができ、例えば、この塗布液には更に、バインダーとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、アクリル酸エステル系ラテックス、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、無水マレイン酸−スチレン−共重合体、デンプン、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の合成又は天然高分子物質が含有されていてもよい。前記のような支持体上への顕色剤層の形成もそれ自体公知の方法により行うことができる。
【0040】
支持体に塗布する顕色剤の最終塗布量は、0.1g/m2 〜4.0g/m2 、好ましくは0.2g/m2 〜3.0g/m2 が適当である。
【0041】
ノーカーボン紙型感圧記録材料は、カプセル形成時に発色剤の溶媒として植物油を使用すること及びカプセル壁材料のポリイソシアネートとして上記特定の脂肪族ポリイソシアネートを使用する他は、従来公知のノーカーボン紙型感圧記録材料と同様に構成されており、同様にして製造することができる。
【0042】
以上、ノーカーボン紙型感圧記録材料について記録材料を説明したが、前記のような自己発色型感圧記録材料及び感熱記録材料についても、上記のように特定のマイクロカプセル使用する他は、それぞれについて従来公知の記録材料と同様に構成し、同様にして製造することができる。
【0043】
【実施例】
【0044】
[実施例1]
[発色剤層形成用塗布液の調製]
発色剤として、クリスタルバイオレットラクトン2.4g、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド6.0g及びベンゾイルロイコメチレンブルー1.0gを、菜種油120gに130℃で1時間加熱して溶解した。得られた油性液を60℃まで冷却し、次いでバーノックDN990S(固形分:100%、大日本インキ化学工業(株)製)8g並びにアミンのアルキレンオキサイド付加物としてエチレンジアミンのブチレンオキサイド付加物(エチレンジアミンに対するブチレンオキサイドの付加モル数16.8モル、分子量1267)1.6gを溶解し、一次溶液を調製した。
【0045】
次に、水140gにポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名「PVA−205」)15gを溶解して二次溶液を調製した。二次溶液を激しく攪拌しながら、これに上記一次溶液を注いで水中油滴型エマルジョンを形成させた。オイルドロップレットのサイズが8.0μmになったところで攪拌を弱め、次いでこの乳化物中に5重量%のテトラエチレンペンタミン水溶液10gと20℃の水100gを添加した後、系の温度を徐々に80℃にまで上昇させ、この温度で90分間維持した。
【0046】
このようにして得られたカプセル液にポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名「PVA−217E」)の15%水溶液80g、カルボキシ変性SBRラテックスを固形分として20g及びデンプン粒子(平均粒径20μm)60gを添加した。次いで水を添加して固形分濃度を20重量%に調節し、発色剤を含有するマイクロカプセルを含む発色剤層形成用塗布液を調製した。
【0047】
[発色剤シートの作製]
50g/m2 の原紙の片面に、上記発色剤層形成用塗布液を3.6g/m2 の固形分が塗布されるようにエアーナイフコーターを使用して塗布し、乾燥して、発色剤シートを作製した。この発色剤シートは、臭気が非常に少ないものであった。
【0048】
[顕色剤層形成用塗布液Aの調製]
水100gに20重量%水酸化ナトリウム水溶液5gと10重量%ヘキサメタリン酸ソーダ1gを添加した。得られた溶液に、酸化マグネシウム2gと顕色剤として活性白土(水澤化学工業(株)製、商品名「シルトンF−242」)60gを添加して、ホモジナイザー(AM−7、日本精機(株)製)を用いて10000rpmにて5分間分散し、顕色剤分散液を得た。
小麦粉5gに1重量%水酸化ナトリウム水溶液100gに溶解して澱粉水溶液を調製した。上記顕色剤分散液100gに澱粉水溶液35g及びSBRラテックス15g(固形分)を添加し、さらに水を加えて固形分濃度が20重量%になるように調整して顕色剤層形成用塗布液Aを調製した。
【0049】
[顕色剤シートAの作製]
50g/m2 の原紙の片面に、上記顕色剤層形成用塗布液Aを5.0g/m2 の固形分が塗布されるようにバーコーターを使用して塗布し、乾燥して、顕色剤シートAを作製した。
【0050】
[実施例2]
[発色剤シートの作製]
実施例1における発色剤層形成用塗布液の調製の際に、ポリイソシアネートとしてバーノックDN990Sの代わりにバーノックDN991S(固形分:100%、大日本インキ化学工業(株)製)を同量使用した以外は、実施例1と同様にして調製した発色剤層形成用塗布液を使用して、実施例1と同様にして発色剤シートを作製した。この発色剤シートは臭気が非常に少ないものであった。
【0051】
[実施例3]
[発色剤シートの作製]
実施例1における発色剤層形成用塗布液の調製の際に、ポリイソシアネートとしてバーノックDN990Sの代わりに、バーノックDN990S4.0gとバーノックDN991S4.0gとを使用した以外は、実施例1と同様にして調製した発色剤層形成用塗布液を使用して、実施例1と同様にして発色剤シートを作製した。この発色剤シートは臭気が非常に少ないものであった。
【0052】
[比較例1]
実施例1における発色剤層形成用塗布液の調製の際に、ポリイソシアネートとしてバーノックDN990Sの代わりに、多価ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体(住友バイエルンウレタン(株)製、商品名「スミジュールN−3200」、100%固形分)5.6gを使用した以外は、実施例1と同様にして調製した発色剤層形成用塗布液を使用して、実施例1と同様にして発色剤シートを作製した。
【0053】
[比較例2]
[発色剤シートの作製]
実施例1における発色剤層形成用塗布液の調製の際に、ポリイソシアネートとしてバーノックDN990Sの代わりに、多価イソシアネートとして水添XDIのイソシアヌレート体(武田薬品(株)製、商品名「タケネートD−127N」、75重量%酢酸エチル溶液)10gを使用した以外は、実施例1と同様にして調製した発色剤層形成用塗布液を使用して、実施例1と同様にして発色剤シートを作製した。この発色剤シートは臭気が非常に少ないものであった。
【0054】
[評価試験]
(1)溶解性のテスト
各実施例及び比較例で使用したポリイソシアネート1.5gを、菜種油30gに加え、温度を60℃に保ちながら、10分攪拌し、溶解状態(透明か否か)を目視で観察した。
AA:混合物が透明であった。
CC:混合物が不透明であった。
なお、比較例2のタケネートD−127Nは、酢酸エチルを除去した後、上記テストを行なった。
(2)カプセル液残渣
マイクロカプセルのカプセル化反応終了後、得られたカプセル液を250メッシュのふるいでろ過し、ふるいに残った残渣の有無を目視で観察した。
(3)発色汚れ
得られた発色剤シートと顕色剤シートAとを、発色剤層と顕色剤層とを接触させて重ね、これに50kg/cm2 の荷重圧をかけ、室温下で1週間放置した後、顕色剤層面のスポット状の発色汚れの有無を目視で観察した。
(4)マイクロカプセルの耐湿熱性
得られた発色剤シートと顕色剤シートAとを、発色剤層と顕色剤層とを接触させて重ね、これに50kg/cm2 の荷重圧をかけ、60℃、80%RHにて3日間放置した後、顕色剤層のカブリの濃度(V.D.)をマクベス反射濃度計を使用して測定した。
上記結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
本発明のマイクロカプセルでは、菜種油に対する溶解性に優れた特定の脂肪族ポリイソシアネートを使用することにより、臭気の発生が少なく、生分解性を示す植物油中に溶解された電子供与性発色剤が緻密なカプセル壁内に包含されている。従って、上記マイクロカプセルを用いて得られる本発明の記録材料は、臭気の発生が少なく、生分解性を示すものであり、しかも発色汚れがなく高温高湿下でのカブリの発生のほとんどないものである。
また、上記脂肪族ポリイソシアネートは、揮発性の高い溶剤を含んでいないため、カプセル化反応中に溶剤の蒸散による引火、爆発の危険性のない良好な作業環境で上記マイクロカプセルのカプセル化を行なうことができる。
Claims (6)
- 溶媒中に溶解された電子供与性発色剤を内包するマイクロカプセルであって、該溶媒が植物油を主成分とし、該植物油に対して30質量%以下の量にて他の溶媒を含んでいてもよい溶媒であり、該マイクロカプセルのカプセル壁が、60℃の菜種油に対してその質量の5質量%以上溶解する性質を有する、分子中に炭素原子数4〜10のアルキレン基を有する脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を70質量%を超える量で含むポリイソシアネートと、多価アルコール、ヒドロキシポリエステル、ヒドロキシポリアルキレンエーテル、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物及びテトラエチレンペンタミンからなる群より選ばれる分子中に2個以上の活性水素を有する化合物との重合により得られるポリウレタンウレア樹脂からなることを特徴とする発色剤含有マイクロカプセル。
- 溶媒中に溶解された電子供与性発色剤を内包するマイクロカプセルと、電子受容性顕色剤とを含む記録材料であって、該発色剤を内包するマイクロカプセルが、請求項1に記載の発色剤含有マイクロカプセルであることを特徴とする記録材料。
- 上記溶媒が、植物油単独か、あるいは植物油に加えて、灯油、パラフィン、ナフテン油、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリールアルカン、及びフタル酸エステルからなる群より選ばれる溶媒を30質量%以内の量で含む溶媒である請求項1に記載の発色剤含有マイクロカプセル。
- 溶媒中に溶解された電子供与性発色剤を内包するマイクロカプセルであって、該溶媒が植物油を主成分とし、該植物油に対して30質量%以下の量にて他の溶媒を含んでいてもよい溶媒であり、該マイクロカプセルのカプセル壁が、60℃の菜種油に対してその質量の5質量%以上溶解する性質を有する、分子中に炭素原子数4〜10のアルキレン基を有する脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を70質量%を超える量で含むポリイソシアネートと、多価ヒドロキシ化合物と多価アミンとの組合わせとの重合により得られるポリウレタンウレア樹脂からなることを特徴とする発色剤含有マイクロカプセル。
- 植物油を主成分とし、該植物油に対して30質量%以下の量にて他の溶媒を含んでいてもよい溶媒に電子供与性発色剤を溶解してなる発色剤溶液に、60℃の菜種油に対してその質量の5質量%以上溶解する性質を有する、分子中に炭素原子数4〜10のアルキレン基を有する脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を少なくとも70質量%を超える量で含むポリイソシアネートと多価ヒドロキシ化合物とを混合した溶液を調製する工程、調製された溶液を親水性液体と混合して乳化液とする工程、そして該乳化液に多価アミンを添加混合する工程からなることを特徴とする請求項4に記載の発色剤含有マイクロカプセルの製造方法。
- 多価ヒドロキシ化合物が多価アミンのアルキレンオキサイド付加物である請求項5に記載の発色剤含有マイクロカプセルの製造方法。
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