JPH115026A - 発色剤含有マイクロカプセル及びそれを用いた記録材料 - Google Patents

発色剤含有マイクロカプセル及びそれを用いた記録材料

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JPH115026A
JPH115026A JP9177718A JP17771897A JPH115026A JP H115026 A JPH115026 A JP H115026A JP 9177718 A JP9177718 A JP 9177718A JP 17771897 A JP17771897 A JP 17771897A JP H115026 A JPH115026 A JP H115026A
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JP
Japan
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group
polyisocyanate
color former
microcapsule
weight
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Withdrawn
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JP9177718A
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English (en)
Inventor
Takayuki Hayashi
孝行 林
Shigetoshi Ono
茂敏 小野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 植物油に溶解した電子供与性発色剤を含有す
るマイクロカプセル及びそれを用いた記録材料の提供。 【解決手段】 植物油に溶解された発色剤を内包するマ
イクロカプセルであり、且つ該マイクロカプセルのカプ
セル壁が、ポリイソシアネートと分子中に2個以上の活
性水素を有する化合物との重合により得られるポリウレ
タンウレア樹脂からなる発色剤含有マイクロカプセルに
おいて、該ポリイソシアネートが、菜種油に優れた溶解
性を示す脂肪族ポリイソシアネートと芳香族ポリイソシ
アネートとからなり、芳香族ポリイソシアネートが、下
記の一般式(I): [R1 はアルキル基、nは1〜3の整数を表わす。]又
は下記の一般式(II): [R2 はアルキル基表わす。]で表わされる多価アルコ
ールと、二官能芳香族イソシアネートとを反応させるこ
とにより得られるポリイソシアネート化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なマイクロカ
プセルおよびそれを用いた記録材料に関する。特に、臭
気の発生が少なく、生分解性を示し、高い発色濃度で発
色し得る記録材料の作製に好適に使用することができる
マイクロカプセルおよびそれを用いた記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】溶媒に溶解された電子供与性発色剤(以
下、「発色剤」と言うことがある)を含有するマイクロ
カプセルと電子受容性顕色剤(以下、「顕色剤」と言う
ことがある)とを含み、発色剤と顕色剤との反応により
発色像が形成することを利用した記録材料は古くから知
られており、広く利用されている。
【0003】このような記録材料は、感圧記録材料と感
熱記録材料とに大別される。感圧記録材料は、これに圧
力を加えて発色剤を含有するマイクロカプセルを破壊し
て、発色剤と顕色剤とを反応させることにより発色像を
形成させることを利用したもので、発色剤を含有するマ
イクロカプセルからなる発色剤層(以下、「発色剤層」
と言うことがある)と、顕色剤を含む顕色剤層(以下、
「顕色剤層」と言うことがある)とを別々の支持体の表
面又は同一支持体の別の表面に形成し、発色剤層と顕色
剤層とを接触させて使用するノーカーボン紙型記録材料
と、支持体の同一表面上に発色剤を含有するマイクロカ
プセルと顕色剤とを含む自己発色層を設けた、所謂、自
己発色型感圧記録材料(又は、プレスタイプ紙、セルフ
コンテインド紙)と呼ばれるものとがある。例えば、ノ
ーカーボン紙型記録材料は、発色剤層を支持体(一般に
パルプから構成される紙が使われる)の片面に形成して
上用紙とし、支持体の片面に発色剤層を形成しその反対
側の面に顕色剤層を形成して中用紙とし、顕色剤層を支
持体の片面に形成して下用紙とし、発色剤層と顕色剤層
とを接触させて使用される。
【0004】一方、マイクロカプセルを含む感熱記録材
料としては、例えば、特開昭63−265682号及び
特開平1−105782号公報に記載されているよう
な、発色剤を含有するマイクロカプセルと顕色剤とを含
む感熱層を支持体上に形成した感熱記録材料がある。こ
のマイクロカプセルを含む感熱記録材料は、OHPとし
ての用途あるいは多色の感熱記録材料の用途に有利に用
いることができる等の利点を有するものである。
【0005】上記のような記録材料に含まれるマイクロ
カプセルには、発色剤が溶媒に溶解状態で含有されてい
る。この溶媒としては、使用される発色剤を溶解し得る
物質が使用され、一般に灯油、パラフィン、ナフテン
油、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、
塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリール
アルカン、フタル酸エステル等が使用されている。しか
しながら、このような溶媒の多くは、一般に悪臭乃至不
快臭を有するものが多く、記録材料の製造時、使用時に
人体への悪影響が懸念されること、また製造時に大気中
に排気した場合、大気汚染が懸念される。
【0006】特開昭50−90409号公報には、発色
剤溶液を含有するマイクロカプセル層を支持体上に設け
ることにより感圧記録紙を製造する際に、発色剤を10
5〜260℃に加熱された動物又は植物油に溶解するこ
とを特徴とする感圧記録紙の製造方法が開示されてい
る。上記の方法に於て使用される動物油及び植物油は天
然物であり食用にも使用できるものであり、悪臭乃至不
快臭がなく、エコロジー的に安全な物質であり、しかも
比較的安価であるので、上記マイクロカプセル中の発色
剤溶液の溶媒として好ましい溶媒である。
【0007】しかしながら、上記のように植物油に溶解
した電子供与性発色剤を含有するマイクロカプセルを用
いた記録材料は、加圧発色時に印字部分の周囲に汚れが
発生する場合がある。従来から耐熱カブリ性に優れてい
ることから使用されているポリウレタンポリウレアカプ
セル壁を形成する場合、このポリウレタンポリウレアを
形成するための材料である多価イソシアネート(例え
ば、上記特開平1−105782号公報に記載の水添X
DIのトリメチロールプロパン付加体等)が、植物油に
はほとんど溶解しないため、カプセル壁の形成に与から
ない多価イソシアネートの反応物(残渣)が発生するこ
とがある。更に、特開平8−142504号公報には、
上記問題を解決するため多価イソシアネートとして、水
添キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体ま
たはイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体
を使用することが提案されている。これらの多価イソシ
アネートは、溶剤として酢酸エチルを20〜30重量%
含んだ形で市販されているものである。このような酢酸
エチル含有多価イソシアネートは、植物油に少し溶解す
ることができ、植物油に対する親和性も比較的良好であ
るが、得られるカプセル壁の緻密性においては充分に高
いものではなく、発色汚れ性、耐熱カブリ性の更なる向
上が望まれる。更に、上記酢酸エチル含有多価イソシア
ネートを使用した場合、カプセル化反応中に酢酸エチル
が蒸散し、引火、爆発の危険性があるため、その製造に
は注意が必要との問題もある。
【0008】一方、1996年10月に、ドイツ連邦共
和国において、リサイクルされた感圧記録紙からマイロ
カプセルの発色剤の溶媒であるアルキルナフタレンが検
出され、環境汚染の観点から問題となった。このため、
このような溶媒を使用せずに生分解性を有する植物油を
使用し、且つ発色汚れ性、耐熱カブリ性等の特性におい
ても優れた記録材料が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
受容性顕色剤との接触により発色する電子供与性発色剤
を溶解するための溶媒として、臭気の発生が少なく、生
分解性を示す植物油を使用し、記録材料に用いた時発色
時の汚れの発生が無くかつ高温高湿下でもカブリが発生
しない電子供与性発色剤を含有するマイクロカプセル及
びそれを用いた記録材料を提供することにある。また本
発明の目的は、電子受容性顕色剤との接触により発色す
る電子供与性発色剤を溶解するための溶媒として、臭気
の発生が少なく、生分解性を示す植物油を使用するが揮
発性溶剤を使用しない安全性の高い作業環境で、カプセ
ル化を行なうことができる電子供与性発色剤を含有する
マイクロカプセル及びそれを用いた記録材料を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、植物油からな
る溶媒中に溶解された電子供与性発色剤を内包するマイ
クロカプセルであり、且つ該マイクロカプセルのカプセ
ル壁が、ポリイソシアネートと分子中に2個以上の活性
水素を有する化合物との重合により得られるポリウレタ
ンウレア樹脂からなる発色剤含有マイクロカプセルにお
いて、該ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネ
ートと芳香族ポリイソシアネートとの混合物からなり、
そして該脂肪族ポリイソシアネートが、60℃におい
て、菜種油に、該菜種油の重量の5重量%以上溶解する
性質を有するポリイソシアネートであり、該芳香族ポリ
イソシアネートが、下記の一般式(I):該ポリイソシ
アネートが、下記の一般式(I):
【0011】
【化4】
【0012】[但し、R1 は、炭素原子数5〜25の無
置換のアルキル基、ハロゲン原子あるいは(メタ)アク
リロイルアミノ基で置換された炭素原子数5〜25のア
ルキル基又は(R112 NCOCH2 CH2 −(但しR
11は炭素原子数5〜25の無置換のアルキル基を表わ
す。)を表わし、そしてnは1〜3の整数を表わす。]
又は下記の一般式(II):
【0013】
【化5】
【0014】[但し、R2 は、炭素原子数5〜25の無
置換のアルキル基、又はヒドロキシル基で置換された炭
素原子数5〜25のアルキル基を表わす。]で表わされ
る多価アルコールと、下記一般式(III) 、(IV)または
(V):
【0015】
【化6】
【0016】[但し、R3 、R4 及びR5 は、それぞれ
独立にメチル基、メトキシ基又はハロゲン原子を表わ
し、Xは、−(CH3 )C(CH3 )−、−(CF3
C(CF3 )−、酸素原子、メチレン基、エチレン基、
トリメチレン基又はスルホニル基を表わし、そしてj、
k、q及びhは、それぞれ独立に0又は1を表わす。]
で表わされる二官能イソシアネートとを、二官能イソシ
アネートのNCO基と多価アルコールのOH基との当量
比が1.5〜5.0の範囲となるような割合で反応させ
ることにより得られるポリイソシアネート化合物である
ことを特徴とする発色剤含有マイクロカプセルにある。
【0017】本発明の発色剤含有マイクロカプセルの好
適な態様は下記の通りである。 1)脂肪族ポリイソシアネートと芳香族ポリイソシアネ
ートとの混合比が、重量で5:95〜95:5の範囲
(芳香族:脂肪族)にある(混合比は、さらに10:9
0〜90:10が好ましく、特に20:80〜80:2
0が好ましい)。 2)上記脂肪族ポリイソシアネートが、分子中に炭素原
子数4〜10(好ましくは4〜8)のアルキレン基を有
する。 3)上記脂肪族ポリイソシアネートが、イソシアヌレー
トの骨格を有する。 4)上記脂肪族ポリイソシアネートが、ヘキサメチレン
ジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体である。 5)上記脂肪族ポリイソシアネートが、ヘキサメチレン
ジイソシアネートのイソシアヌレート体と該イソシアヌ
レート体にウレタン結合により脂肪族ジオール(例、ア
ルキレンジオール)が結合した化合物との混合物であ
る。 6)一般式(I)において、R1 は、炭素原子数5〜2
5の無置換のアルキル基、ハロゲン原子(特に塩素、臭
素)あるいは(メタ)アクリロイルアミノ基(特に、−
NHCOCH=CH2 )で置換された炭素原子数5〜2
5のアルキル基を表わす。 7)一般式(II)において、R2 はヒドロキシル基で置換
された炭素原子数5〜25のアルキル基を表わす。 8)多価アルコールが、一般式(I)で表される。 9)ポリイソシアネートが、上記一般式(III) で表され
る化合物である。 10)一般式(III) において、R3 がメチル基で、jが
1及びkが0である。 11)一般式(III) において、jが0及びkが1であ
る。 12)二官能イソシアネートのNCO基と多価アルコー
ルのOH基との当量比が1.5〜4.5(特に2.0〜
4.5)の範囲にある。 13)多価アルコールは、一般式(I)で表わされる化
合物二種以上(特に2〜3種)からなる。 14)該溶媒が、10〜60重量%のオレイン酸残基含
有量の脂肪酸残基組成を有する植物油からなる。 15)分子中に2個以上の活性水素を有する化合物が、
水、多価ヒドロキシ化合物及び多価アミンからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種である。 16)電子供与性発色剤が上記溶媒中に3〜12重量%
溶解されている。 17)上記の電子供与性発色剤が、クリスタルバイオレ
ットラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、フル
オラン化合物、インドリルフタリド化合物及びインドリ
ルアザフタリド化合物からなる群より選ばれる少なくと
も一種である。
【0018】また、溶媒中に溶解された電子供与性発色
剤を内包するマイクロカプセルと、電子受容性顕色剤と
を含む記録材料であって、該発色剤を内包するマイクロ
カプセルが、上記本発明の発色剤含有マイクロカプセル
であることを特徴とする記録材料にもある。
【0019】
【発明の実施の態様】本発明のマイクロカプセルは、植
物油からなる溶媒に溶解された電子供与性発色剤を、植
物油に優れた溶解性を示す2種のポリイソシアネート、
即ち新規な芳香族系ポリイソシアネート及び上記特定の
脂肪族系ポリイソシアネートの2種の混合物と、分子中
に2個以上の活性水素を有する化合物との重合により得
られるポリマーのカプセル壁に内包した構成を有する。
また本発明の記録材料は、上記マイクロカプセルを含む
ものである限り、その形態は特に限定されない。即ち、
本発明の記録材料は、前記のような発色剤層と顕色剤層
とが別々の支持体の表面又は支持体の別の表面に形成さ
れたノーカーボン紙型感圧記録材料、支持体の同一表面
上に発色剤を含有するマイクロカプセルと顕色剤とを含
む自己発色層が設けられた自己発色型感圧記録材料、及
び発色剤を含有するマイクロカプセルと顕色剤とを含む
感熱層が支持体上に形成された感熱記録材料の何れの形
態のものであってもよい。前記のように本発明の記録材
料は、マイクロカプセルに含まれる発色剤を溶解してい
る溶媒とカプセル壁の樹脂が特定の物質に限定されてい
ることに特に特徴を有するものである。従って、以下、
主としてノーカーボン紙型感圧記録材料について詳細に
説明する。他の形態の記録材料に於いても同様の効果が
奏されることは当業者に容易に理解されるであろう。
【0020】本発明の電子供与性発色剤を含有するマイ
クロカプセルにおいては、前記新規な芳香族系ポリイソ
シアネートと特定の脂肪族ポリイソシアネート化合物と
を用いることにより、電子供与性発色剤を溶解するため
の溶媒として、臭気の発生が少なく、生分解性を示す植
物油を使用しても、植物油に溶解された電子供与性発色
剤を内包する緻密なカプセル壁の形成が可能となってい
る。
【0021】マイクロカプセルに内包される発色剤を溶
解するため使用される溶媒は、植物油が使用される。一
般に10〜60重量%のオレイン酸残基含有量の脂肪酸
残基組成を有する植物油である。このような植物油とし
ては、例えば、大豆油(脂肪酸残基組成中のオレイン酸
残基含有量(OA)=20〜35重量%)、トウモロコ
シ油(OA=25〜45重量%)、菜種油(OA=10
〜35重量%)、綿実油(OA=15〜30重量%)、
ゴマ油(OA=35〜46重量%)、落花生油(OA=
35〜60重量%)、ヒマワリ油(OA=15〜35重
量%)等を挙げることができる。中でも特に、大豆油、
トウモロコシ油、菜種油、綿実油等が、使用される発色
剤の溶解性が高い、顕色剤と反応させたときの発色性が
高い、工業的に容易に入手できる等の点で好ましい。こ
れらの植物油は単独で使用しても混合して使用してもよ
い。オリーブ油(OA=70〜85重量%)等のよう
に、脂肪酸残基組成中のオレイン酸含有量が60重量%
より大きい植物油は、発色剤を溶解する力(溶解力)が
低く好ましくない。
【0022】溶媒として前記のような植物油と共に従来
使用されている植物油以外の溶媒を、記録媒体に不快臭
を与えないような量(一般に、植物油の30重量%以下
の量)で使用してもよい。
【0023】マイクロカプセルの形成に使用される発色
剤は、上記植物油を主成分とする溶媒に溶解することが
できる公知の発色剤を使用することが好ましい。本発明
で使用される発色剤としては、上記植物油に溶解し易い
下記の一般式(1)で表されるインドリルフタリド化合
物又はインドリルアザフタリド化合物
【0024】
【化7】
【0025】(但し、R11及びR12はそれぞれ独立に、
炭素原子数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基を
表し、R13は炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、R
14は置換基として炭素原子数1〜4のアルコキシ基を有
していてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基を表
し、R11、R12、R13及びR14で表される基の合計炭素
原子数が10以上であり、環Aは無置換のベンゼン環又
はピリジン環を表す)及び下記一般式(2)で表わされ
るフルオラン化合物
【0026】
【化8】
【0027】(但し、R21は炭素原子数1〜4のアルキ
ル基を表し、R22は炭素原子数4〜12の分枝鎖アルキ
ル基又はテトラヒドロフルフリル基を表し、R21とR22
とは同一であることはなく、R23及びR24はそれぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表す)が
好ましい。
【0028】前記一般式(1)で表されるインドリルフ
タリド化合物又はインドリルアザフタリド化合物は、前
記のような植物油に対する溶解性が大きく、顕色剤と反
応して生成する発色像の濃度が大きく、そして容易に且
つ安価に合成することができる化合物である。
【0029】前記一般式(1)で表されるインドリルフ
タリド化合物の特に好ましい具体例としては、3−(4
−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1
−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フ
タリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェ
ニル)−3−(1−n−ヘキシル−2−メチルインドー
ル−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−
2−エトキシフェニル)−3−(1−n−ペンチル−2
−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−
ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−
n−デシル−2−メチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−[1−(2−エチルヘキシル)−2−メチル
インドール−3−イル]フタリド、3−(4−ジエチル
アミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−イソペン
チル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3
−(4−ジプロピルアミノ−2−プロポキシフェニル)
−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド、3−(4−ジブチルアミノ−2−ブトキ
シフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)フタリド、3−(4−ジブチルアミノ−
2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジヘキ
シルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−メチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−
(4−ジブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−β−エトキシエチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−ブ
トキシフェニル)−3−(1−n−ブチル−2−メチル
インドール−3−イル)フタリド、3−(4−N−エチ
ル−N−イソブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
フタリド等を挙げることができる。
【0030】前記一般式(1)で表されるインドリルア
ザフタリド化合物の特に好ましい具体例としては、3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジエチ
ルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−ヘ
キシル−2−メチルインドール−3−イル)−4−又は
−7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−
エトキシフェニル)−3−(1−n−デシル−2−メチ
ルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザフタリ
ド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−[1−(2−エチルヘキシル)−2−メチル
インドール−3−イル]−4−又は−7−アザフタリ
ド、3−(4−ジブチルアミノ−2−ブトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジブ
チルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−β−
エトキシエチル−2−メチルインドール−3−イル)−
4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミ
ノ−2−ブトキシフェニル)−3−(1−n−ブチル−
2−メチルインドール−3−イル)−4−又は−7−ア
ザフタリド、3−(4−N−エチル−N−イソブチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザ
フタリド等を挙げることができる。
【0031】前記一般式(2)で表されるフルオラン化
合物の特に好ましい具体例としては、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−
N−イソペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−メチル−N−イソブチルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−
N−イソペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−エチル−N−イソヘキシルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル
−N−(2−エチルヘキシル)アミノフルオラン、2−
トルイジノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソブ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−エチル−N−(2−エチルデシル)アミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−プロピル−
N−イソブチルアミノフルオラン、2−(o−クロロア
ニリノ)−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−
N−(sec−ブチル)アミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフ
ルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−N−メチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ
フルオラン等を挙げることができる。
【0032】色相調整の目的で、一般式(1)で表され
るインドリルフタリド化合物又はインドリルアザフタリ
ド化合物及び/又は一般式(2)で表されるフルオラン
化合物と共に、よく知られているトリフェニルメタンフ
タリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン
系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラ
ミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェ
ニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラ
ン系化合物等の各種の発色剤を併用することができる。
その際、一般式(1)で表されるインドリルフタリド化
合物又はインドリルアザフタリド化合物及び/又は一般
式(2)で表されるフルオラン化合物の含有量が発色剤
合計量の50重量%以上になるようにすることが好まし
い。即ち、このような発色剤組成とすることにより、植
物油に容易に溶解させることができる。
【0033】発色剤を含有するマイクロカプセルを製造
するに際し、一般に、植物油に発色剤を溶解して発色剤
溶液を調製するが、植物油に上記発色剤を溶解する際の
温度は80〜130℃であることが好ましい。上記範囲
よりも低い温度では発色剤が植物油に溶解し難く、上記
範囲よりも高い温度では植物油が変質する恐れがある。
また、上記発色剤溶液中の発色剤の濃度は植物油に対し
て、3〜12重量%、特に3〜8重量%であることが好
ましい。
【0034】植物油中に溶解した発色剤を含有するマイ
クロカプセルは、それ自体公知の任意の方法である界面
重合法により製造することができる。
【0035】本発明のマイクロカプセルの壁材は、熱カ
ブリに対する耐性が大きいポリウレタンウレア樹脂であ
って、前記一般式(I)又は(II)の多価アルコールと一
般式(III) 〜(V)の二官能イソシアネートとの反応に
より得られる芳香族ポリイソシアネート及び60℃にお
いて菜種油に該菜種油の重量の5重量%以上溶解する性
質を有する脂肪族ポリイソシアネートの二種のポリイソ
シアネートと、分子中に2個以上の活性水素を有する化
合物との重合により得られるものである。
【0036】発色剤を含有するポリウレタンウレア壁材
のマイクロカプセルの分散液を調製する方法としては、
例えば、上記のようにして調製した発色剤を溶解した植
物油溶液に、上記特定の二種のポリイソシアネートの混
合物及び多価ヒドロキシ化合物(所望により紫外線吸収
剤)を溶解した溶液を親水性液体中に乳化分散させ、得
られた乳化分散液中に多価アミンを添加し、乳化分散液
中の植物油溶液の液滴をポリウレタンウレア樹脂で被覆
してマイクロカプセル化する方法を挙げることができ
る。多価ヒドロキシ化合物と多価アミンは両方を用いて
もよく、何れか一方を用いてもよい。多価アミンを使用
しない場合、一般にポリイソシアネートの水との反応す
る割合が増大する。本発明で使用される特定の二種のポ
リイソシアネートは、共に植物油に対する溶解性が高
く、従って上記乳化分散後、植物油に溶解した発色剤の
油滴を内包するように、分散媒中の水、あるいは多価ヒ
ドロキシ化合物、多価アミンと重合して、油滴の周囲に
選択的に緻密なポリウレタンウレアのカプセル壁を形成
することができる。従って、こうして得られたマイクロ
カプセルを記録材料に用いることにより、発色時の汚れ
の発生が無くかつ高温高湿下でもカブリが発生しない記
録材料を得ることができる。特に、二種のポリイソシア
ネートのうち、芳香族ポリイソシアネートは壁の強度の
向上、脂肪族ポリイソシアネートは壁の緻密性の向上に
付与していると考えられる。
【0037】上記本発明のマイクロカプセルの壁材の形
成に使用される二種のポリイソシアネートのうちの脂肪
族ポリイソシアネート化合物は、前記のように菜種油
に、60℃において、菜種油の重量の5重量%以上溶解
する性質を有するものである。菜種油に対する溶解性
は、一般に5〜20重量%の範囲であり、5〜10重量
%の範囲が好ましい。上記脂肪族ポリイソシアネート
は、分子中に炭素原子数4〜10(特に炭素原子数4〜
8)のアルキレン基を有することが好ましい。また上記
脂肪族ポリイソシアネートは、イソシアヌレートの骨格
を有することも好ましい。また上記脂肪族ポリイソシア
ネートは、特に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイ
ソシアヌレート体と該イソシアヌレートにウレタン結合
により脂肪族ジオール(例、アルキレンジオール)が結
合した化合物との混合物であることが好ましい。菜種油
に5重量%以上溶解する脂肪族ポリイソシアネートの例
としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシア
ヌレート誘導体を挙げることができる。このようなイソ
シアヌレート誘導体は、例えば、バーノックDN990
S及びバーノックDN991S(大日本インキ化学工業
(株)製)の商品名で販売されており、入手することが
できる。
【0038】上記本発明のマイクロカプセルの壁材の形
成に使用される二種のポリイソシアネートのうちの芳香
族ポリイソシアネートは、下記の一般式(I)又は(II)
で表わされる特定の多価アルコールと下記の一般式(II
I) 、(IV)または(V)で表わされる二官能イソシアネ
ートとを、二官能イソシアネートのNCO基と多価アル
コールのOH基との当量比が1.5〜5.0となるよう
な割合で反応させることにより得られる新規なポリイソ
シアネート化合物である。 一般式(I):
【0039】
【化9】
【0040】[但し、R1 は、炭素原子数5〜25の無
置換のアルキル基、ハロゲン原子あるいは(メタ)アク
リロイルアミノ基で置換された炭素原子数5〜25のア
ルキル基又は(R112 NCOCH2 CH2 −(但しR
11は炭素原子数5〜25の無置換のアルキル基を表わ
す。)を表わし、そしてnは1〜3の整数を表わす。] 一般式(II):
【0041】
【化10】
【0042】[但し、R2 は、炭素原子数5〜25の無
置換のアルキル基、又はヒドロキシル基で置換された炭
素原子数5〜25のアルキル基を表わす。] 上記多価アルコールは、単独で使用しても良いし、二種
以上使用してもよい。
【0043】一般式(I)において、R1 は、炭素原子
数5〜25の無置換のアルキル基、又は塩素原子、臭素
原子あるいはアクリロイルアミノ基で置換された炭素原
子数5〜25のアルキル基であることが好ましく、特に
炭素原子数5〜25の無置換のアルキル基が好ましく、
炭素原子数7〜21(特に7〜17)の無置換のアルキ
ル基が最も好ましい。またアルキル基が直鎖状のものが
好ましい。
【0044】一般式(II)において、R2 は、炭素原子数
10〜20の無置換のアルキル基、又はヒドロキシル基
で置換された炭素原子数10〜20のアルキル基が好ま
しい。特に、R2 はヒドロキシル基で置換された炭素原
子数10〜20の分岐アルキル基が好ましい。特にR2
は、下記の基であることが好ましい。
【0045】
【化11】 [但し、R6 は水素原子又はメチル基を表わし、tは2
〜4の整数を表わし、そしてmは2〜4の整数を表わ
す。]
【0046】一般式(I)で表わされる化合物の好まし
い具体的例を下記に示す。
【0047】
【化12】 nは1、2又は3を示す。あるいはこれらの化合物の混
合物。
【0048】
【化13】 nは1、2又は3を示す。あるいはこれらの化合物の混
合物。
【0049】
【化14】 nは1、2又は3を示す。あるいはこれらの化合物の混
合物。
【0050】
【化15】 nは1、2又は3を示す。あるいはこれらの化合物の混
合物。
【0051】
【化16】 nは1、2又は3を示す。あるいはこれらの化合物の混
合物。
【0052】
【化17】 nは1、2又は3を示す。あるいはこれらの化合物の混
合物。
【0053】
【化18】 nは1、2又は3を示す。あるいはこれらの化合物の混
合物。
【0054】
【化19】 nは1、2又は3を示す。あるいはこれらの化合物の混
合物。
【0055】
【化20】 nは1、2又は3を示す。あるいはこれらの化合物の混
合物。
【0056】
【化21】 nは1、2又は3を示す。あるいはこれらの化合物の混
合物。
【0057】一般式(II)で表わされる化合物の好まし
い具体的例を下記に示す。
【0058】
【化22】
【0059】上記の中で、A−1、A−2、A−3、A
−4及びA−11が特に好ましい。
【0060】上記一般式(I)で表わされる多価アルコ
ールは、例えば下記のように製造することができる。例
えば、一般式(I)で表わされる多価アルコール化合物
は、ペンタエリスリトールに相当するカルボン酸又はカ
ルボン酸ハライド(R1 COOH又はR1 COCl)を
反応させることにより得ることができる。カルボン酸を
反応させる場合、適当な触媒(例、硫酸)あるいは縮合
剤(例、DCC)の存在下に行なうことができる。ま
た、カルボン酸ハライドを反応させる場合、適当な塩基
触媒(例、ピリジン)の存在下に行なうことができる。
【0061】上記芳香族ポリイソシアネートの合成に使
用される二官能イソシアネートとして、下記一般式(II
I) 、(IV)または(V):
【0062】
【化23】
【0063】[但し、R3 、R4 及びR5 は、それぞれ
独立にメチル基、メトキシ基又はハロゲン原子を表わ
し、Xは、−(CH3 )C(CH3 )−、−(CF3
C(CF3 )−、酸素原子、メチレン基、エチレン基、
トリメチレン基又はスルホニル基を表わし、そしてj、
k、q及びhは、それぞれ独立に0又は1を表わす。]
で表わされるイソシアネート化合物が使用される。上記
二官能イソシアネートは、単独で使用しても良いし、二
種以上使用してもよい。
【0064】Xは、メチレン基、−(CH3 )C(CH
3 )−、−(CF3 )C(CF3 )−が好ましい。q及
びhは、0が好ましい。また、上記ポリイソシアネート
化合物は、上記一般式(III) で表される化合物であるこ
とが好ましい。一般式(III) において、R3 がメチル
基、jが1及びkが0であることが好ましく、あるいは
一般式(III) において、jが0及びkが1であることが
好ましい。特にR3 がメチル基、jが1及びkが0であ
ることが好ましい。
【0065】上記二官能イソシアネートの好ましい具体
例として、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジ
メトキシジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチル
ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、クロロキシリレン−1,3−ジイソシアネ
ート、2−メチルキシリレン−1,3−ジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート及び
4,4’−ジフェニルヘキサフルオロプロパンジイソシ
アネートを挙げることができる。上記二官能イソシアネ
ートの好ましい具体例として、トリレンジイソシアネー
ト(例、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート)、キシリレンジイソシアネ
ート、クロロキシリレン−1,3−ジイソシアネート及
び2−メチルキシリレン−1,3−ジイソシアネートを
挙げることができる。トリレンジイソシアネートおよび
キシリレンジイソシアネートが特に好ましい。
【0066】上記二官能イソシアネートと多価アルコー
ルとの反応は、二官能イソシアネートのNCO基と多価
アルコールのOH基との当量比(NCO/OH)が、
1.5〜5.0の範囲となるようように上記化合物を用
いて行なわれる。当量比(NCO/OH)は、1.5〜
4.5の範囲が好ましく、特に2.0〜4.5の範囲が
好ましい。
【0067】上記芳香族ポリイソシアネート化合物は、
一般式(I)又は(II)で表わされる多価アルコールと、
一般式(III) 、(IV)または(V)で表わされる二官能イ
ソシアネートを、常法により、反応させることにより得
ることができる。即ち、例えば、上記多価アルコール
と、上記二官能イソシアネートとを、有機溶媒中で、攪
拌しながら加熱(一般に50〜100℃)することによ
り、または有機溶媒中にオクチル酸第1錫等の触媒を添
加しながら、あるいは添加した後比較的低温(一般に3
0〜70℃)で加熱することにより、本発明のポリイソ
シアネート化合物を得ることができる。
【0068】前記マイクロカプセルの分散液の作製にお
いて、上記ポリイソシアネートと重合する分子中に2個
以上の活性水素を有する化合物は、水、多価ヒドロキシ
化合物及び/又は多価アミンである。上記の多価ヒドロ
キシ化合物の具体例としては、脂肪族又は芳香族の多価
アルコール、ヒドロキシポリエステル、ヒドロキシポリ
アルキレンエーテル、多価アミンのアルキレンオキサイ
ド付加物等を挙げることができる。
【0069】また上記の多価アミン化合物は、分子中に
二個以上の−NH−基又は−NH2基を有し、親水性液
体に可溶性である化合物である。この多価アミン化合物
の具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペン
タミン、1,3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン、
キシリレンジアミン等が挙げられる。
【0070】上記のようにして調製されたマイクロカプ
セルの分散液はそのまま発色剤層形成用塗布液とする
か、又はこのマイクロカプセル分散液に更にバインダ
ー、カプセル保護剤等を添加して発色剤層形成用塗布液
を調製し、それ自体公知の方法によって支持体上に塗布
し、乾燥することによりノーカーボン紙型感圧記録材料
の発色剤層を形成する。バインダーとしては水溶性バイ
ンダー、ラテックス系バインダー等を使用することがで
き、カプセル保護剤としては、セルロース粉末、デンプ
ン粒子、タルク等を使用することができる。
【0071】支持体としては、従来感圧記録材料、感熱
記録材料の支持体として使用されているどのような支持
体、例えば、木材パルプからの紙、この紙を表面処理し
た紙、プラスチックス材料からの合成紙、プラスチック
スフィルム等を使用することができる。
【0072】支持体に塗布する発色剤の最終塗布量は、
0.05〜0.30g/m2 、好ましくは0.08〜
0.20g/m2 が適当である。
【0073】ノーカーボン紙型感圧記録材料の顕色層に
含有される顕色剤としては、酸性白土、活性白土、アタ
パルジャイト、ゼオライト、ベントナイト、カオリンの
ような粘土物質、芳香族カルボン酸(例えば、サリチル
酸の誘導体)の金属塩、フェノールホルムアルデヒド樹
脂等を挙げることができる。エコロジーの面からは顕色
剤は粘土物質であることが好ましい。
【0074】上記顕色剤層を形成するための塗布液は、
それ自体公知の方法により調製することができ、例え
ば、この塗布液には更に、バインダーとして、スチレン
−ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテッ
クス、アクリル酸エステル系ラテックス、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸、無水マレイン酸−スチレン
−共重合体、デンプン、カゼイン、アラビアゴム、ゼラ
チン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース
等の合成又は天然高分子物質が含有されていてもよい。
前記のような支持体上への顕色剤層の形成もそれ自体公
知の方法により行うことができる。
【0075】支持体に塗布する顕色剤の最終塗布量は、
0.1g/m2 〜4.0g/m2 、好ましくは0.2g
/m2 〜3.0g/m2 が適当である。
【0076】ノーカーボン紙型感圧記録材料は、カプセ
ル形成時に発色剤の溶媒として植物油を使用すること及
びカプセル壁材料のポリイソシアネートとして上記特定
の脂肪族ポリイソシアネートを使用する他は、従来公知
のノーカーボン紙型感圧記録材料と同様に構成されてお
り、同様にして製造することができる。
【0077】以上、ノーカーボン紙型感圧記録材料につ
いて記録材料を説明したが、前記のような自己発色型感
圧記録材料及び感熱記録材料についても、上記のように
特定のマイクロカプセル使用する他は、それぞれについ
て従来公知の記録材料と同様に構成し、同様にして製造
することができる。
【0078】次に、本発明のマイクロカプセルの作製で
使用される新規な芳香族ポリイソシアネートの合成法に
ついて記載する。 (多価アルコールA−1の合成)ペンタエリスリトール
13.6g及びN,N−ジメチルアセトアミド100m
Lとを65℃まで加熱した後、攪拌しながらカプリン酸
クロリド21.9gを30分間かけて滴下した。この混
合物を70℃にて2時間攪拌した後、室温まで冷却し
た。混合物中に酢酸エチル150mL及び水200mL
を加え攪拌した後、酢酸エチル層を抽出した。抽出物を
硫酸マグネシウムで脱水した後、酢酸エチルを減圧留去
し、目的の多価アルコール(A−1)を得た。収量は1
8gで、液状物質であった。NMR及びHCLPによる
分析から、nが1、2及び3の混合物で、その平均値が
1.4であることが分かった。
【0079】(多価アルコールA−2〜4の合成)多価
アルコールA−1の合成において、カプリン酸クロリド
の代わりに、ラウリン酸クロリド、パルミチン酸クロリ
ド、ステアリン酸クロリドを、それぞれ用いて同様に合
成した。得られた多価アルコールはいずれも固体で、A
−2の融点が41〜46℃、A−3が51〜54℃そし
てA−4の融点が50〜53℃であった。NMR及びH
CLPによる分析から、いずれもn=1、2及び3の混
合物で、その平均値がA−2=1.5、A−3=1.5
そしてA−4=1.5であることが分かった。
【0080】[合成例1] (ポリイソシアネート化合物F−1(A−1の2,4−
TDIの付加体)の合成)上記多価アルコール(A−
1)8.7g、2,4−トリレンジイソシアネート
(2,4−TDI)26.1g及び菜種油81.2gの
混合物(NCO/OH(当量比)=4.2)を、60℃
に加温し、攪拌しながら錫触媒(スタノット、吉富製薬
(株)製)0.01gを添加した。この混合物を60℃
で3時間攪拌した後、室温まで冷却して目的のポリイソ
シアネート化合物F−1を得た。 (重量平均分子量)得られた化合物のNCO基をメタノ
ールと反応させた(エンドキャップした)後、GPC
(THF溶離液、クロマトパックC−R4Aを使用)に
より重量平均分子量(Mw)を測定した。Mwは150
0であった。
【0081】[合成例2] (ポリイソシアネート化合物F−2(A−2の2,4−
TDIの付加体)の合成)上記多価アルコール(A−
2)26.0g、2,4−TDI53.2g及び菜種油
185gの混合物(NCO/OH=3.0)を、60℃
に加温し、攪拌しながら錫触媒(スタノット、吉富製薬
(株)製)0.01gを添加した。この混合物を60℃
で3時間攪拌した後、室温まで冷却して目的のポリイソ
シアネート化合物F−2を得た。 (重量平均分子量)合成例1と同様にして重量平均分子
量(Mw)を測定した。Mwは2500であった。
【0082】[合成例3] (ポリイソシアネート化合物F−3(A−3の2,4−
TDIの付加体)の合成)上記多価アルコール(A−
3)8.3g、2,4−TDI11.6g及び菜種油4
4.1gの混合物(NCO/OH=3.0)を、60℃
に加温し、攪拌しながら錫触媒(スタノット、吉富製薬
(株)製)0.01gを添加した。この混合物を60℃
で3時間攪拌した後、室温まで冷却して目的のポリイソ
シアネート化合物F−3を得た。 (重量平均分子量)合成例1と同様にして重量平均分子
量(Mw)を測定した。Mwは2400であった。
【0083】[合成例4] (ポリイソシアネート化合物F−4(A−4の2,4−
TDIの付加体)の合成)上記多価アルコール(A−
4)11.4g、2,4−TDI13.9g及び菜種油
59.0gの混合物(NCO/OH=2.8)を、60
℃に加温し、攪拌しながら錫触媒(スタノット、吉富製
薬(株)製)0.01gを添加した。この混合物を60
℃で3時間攪拌した後、室温まで冷却して目的のポリイ
ソシアネート化合物F−4を得た。 (重量平均分子量)合成例1と同様にして重量平均分子
量(Mw)を測定した。Mwは3500であった。
【0084】[合成例5] (ポリイソシアネート化合物F−5(A−1の1,3−
XDIの付加体)の合成)上記多価アルコール(A−
1)8.9g、1,3−キシリレンジイソシアネート
(1,3−XDI)12.5g、菜種油40.0g及び
酢酸エチル10gの混合物(NCO/OH=3.0)
を、60℃に加温し、攪拌しながら錫触媒(スタノッ
ト、吉富製薬(株)製)0.01gを添加した。この混
合物を、60℃で3時間攪拌した後、室温まで冷却して
目的のポリイソシアネート化合物F−5を得た。 (重量平均分子量)合成例1と同様にして重量平均分子
量(Mw)を測定した。Mwは2600であった。
【0085】[合成例6] (ポリイソシアネート化合物F−6(A−11の1,3
−XDIの付加体)の合成)上記多価アルコール(A−
11)10.0g、2,4−キシリレンジイソシアネー
ト(1,3−XDI)28.2g及び菜種油89.0g
の混合物(NCO/OH=3.0)を、60℃に加温
し、攪拌しながら錫触媒(スタノット、吉富製薬(株)
製)0.01gを添加した。この混合物を60℃で3時
間攪拌した後、室温まで冷却して目的のポリイソシアネ
ート化合物F−6を得た。 (重量平均分子量)合成例1と同様にして重量平均分子
量(Mw)を測定した。Mwは3000であった。
【0086】
【実施例】
[実施例1] [発色剤層形成用塗布液の調製]発色剤として、クリス
タルバイオレットラクトン2.4g、3−(4−ジエチ
ルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オ
クチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
6.0g及びベンゾイルロイコメチレンブルー1.0g
を、トウモロコシ油120gに130℃で1時間加熱し
て溶解した。得られた油性液に、前記合成例1で得られ
たポリイソシアネート化合物F−1(30重量%菜種油
溶液)8.0g、脂肪族ポリイソシアネートであるバー
ノックDN990S(固形分:100%、大日本インキ
化学工業(株)製)6.0g並びにアミンのアルキレン
オキサイド付加物としてエチレンジアミンのブチレンオ
キサイド付加物(エチレンジアミンに対するブチレンオ
キサイドの付加モル数16.8モル、分子量1267)
1.6gの3種を溶解し、一次溶液を調製した。
【0087】次に、水140gにポリビニルアルコール
(株式会社クラレ製、商品名「PVA−205」)15
gを溶解して二次溶液を調製した。二次溶液を激しく攪
拌しながら、これに上記一次溶液を注いで水中油滴型エ
マルジョンを形成させた。オイルドロップレットのサイ
ズが8.0μmになったところで攪拌を弱め、次いでこ
の乳化物中に5重量%のテトラエチレンペンタミン水溶
液10gと20℃の水100gを添加した後、系の温度
を徐々に80℃にまで上昇させ、この温度で90分間維
持した。
【0088】このようにして得られたカプセル液にポリ
ビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名「PVA
−217E」)の15%水溶液80g、カルボキシ変性
SBRラテックスを固形分として20g及びデンプン粒
子(平均粒径20μm)60gを添加した。次いで水を
添加して固形分濃度を20重量%に調節し、発色剤を含
有するマイクロカプセルを含む発色剤層形成用塗布液を
調製した。
【0089】[発色剤シートの作製]50g/m2 の原
紙の片面に、上記発色剤層形成用塗布液を3.6g/m
2 の固形分が塗布されるようにエアーナイフコーターを
使用して塗布し、乾燥して、発色剤シートを作製した。
この発色剤シートは臭気が非常に少ないものであった。
【0090】[顕色剤層形成用塗布液Aの調製]水10
0gに20重量%水酸化ナトリウム水溶液5gと10重
量%ヘキサメタリン酸ソーダ1gを添加した。得られた
溶液に、酸化マグネシウム2gと顕色剤として活性白土
(水澤化学工業(株)製、商品名「シルトンF−24
2」)60gを添加して、ホモジナイザー(AM−7、
日本精機(株)製)を用いて10000rpmにて5分
間分散し、顕色剤分散液を得た。小麦粉5gに1重量%
水酸化ナトリウム水溶液100gに溶解して澱粉水溶液
を調製した。上記顕色剤分散液100gに澱粉水溶液3
5g及びSBRラテックス15g(固形分)を添加し、
さらに水を加えて固形分濃度が20重量%になるように
調整して顕色剤層形成用塗布液Aを調製した。
【0091】[顕色剤シートAの作製]50g/m2
原紙の片面に、上記顕色剤層形成用塗布液Aを5.0g
/m2の固形分が塗布されるようにバーコーターを使用
して塗布し、乾燥して、顕色剤シートAを作製した。
【0092】[実施例2] [発色剤シートの作製]実施例1における発色剤層形成
用塗布液の調製の際に、ポリイソシアネート化合物F−
1(30重量%菜種油溶液)の代わりに前記合成例2で
得られたポリイソシアネート化合物F−2(30重量%
菜種油溶液)を使用した以外は、実施例1と同様にして
調製した発色剤層形成用塗布液を使用して、実施例1と
同様にして発色剤シートを作製した。この発色剤シート
は臭気が非常に少ないものであった。
【0093】[実施例3] [発色剤シートの作製]実施例1における発色剤層形成
用塗布液の調製の際に、ポリイソシアネート化合物F−
1(30重量%菜種油溶液)の代わりに前記合成例3で
得られたポリイソシアネート化合物F−3(30重量%
菜種油溶液)を使用した以外は、実施例1と同様にして
調製した発色剤層形成用塗布液を使用して、実施例1と
同様にして発色剤シートを作製した。この発色剤シート
は臭気が非常に少ないものであった。
【0094】[実施例4] [発色剤シートの作製]実施例1における発色剤層形成
用塗布液の調製の際に、ポリイソシアネート化合物F−
1(30重量%菜種油溶液)の代わりに前記合成例4で
得られたポリイソシアネート化合物F−4(30重量%
菜種油溶液)を使用した以外は、実施例1と同様にして
調製した発色剤層形成用塗布液を使用して、実施例1と
同様にして発色剤シートを作製した。この発色剤シート
は臭気が非常に少ないものであった。
【0095】[実施例5] [発色剤シートの作製]実施例1における発色剤層形成
用塗布液の調製の際に、ポリイソシアネート化合物F−
1(30重量%菜種油溶液)の代わりに前記合成例5で
得られたポリイソシアネート化合物F−5(30重量%
菜種油酢酸エチル(4/1;重量比)溶液)を使用した
以外は、実施例1と同様にして調製した発色剤層形成用
塗布液を使用して、実施例1と同様にして発色剤シート
を作製した。この発色剤シートは臭気が非常に少ないも
のであった。
【0096】[実施例6] [発色剤シートの作製]実施例1における発色剤層形成
用塗布液の調製の際に、ポリイソシアネート化合物F−
1(30重量%菜種油溶液)の代わりに前記合成例6で
得られたポリイソシアネート化合物F−6(30重量%
菜種油溶液)を使用した以外は、実施例1と同様にして
調製した発色剤層形成用塗布液を使用して、実施例1と
同様にして発色剤シートを作製した。この発色剤シート
は臭気が非常に少ないものであった。
【0097】[実施例7] [発色剤シートの作製]実施例1における発色剤層形成
用塗布液の調製の際に、ポリイソシアネート化合物F−
1(30重量%菜種油溶液)の量を8.0gから6.0
gに変え、そしてバーノックDN990Sの量を6.0
gから8.0gに変えた以外は、実施例1と同様にして
調製した発色剤層形成用塗布液を使用して、実施例1と
同様にして発色剤シートを作製した。この発色剤シート
は臭気が非常に少ないものであった。
【0098】[実施例8] [発色剤シートの作製]実施例1における発色剤層形成
用塗布液の調製の際に、バーノックDN990Sの代わ
りに、脂肪族ポリイソシアネートであるバーノックDN
991S(固形分:100%、大日本インキ化学工業
(株)製)を同量使用した以外は、実施例1と同様にし
て調製した発色剤層形成用塗布液を使用して、実施例1
と同様にして発色剤シートを作製した。この発色剤シー
トは臭気が非常に少ないものであった。
【0099】[比較例1]実施例1における発色剤層形
成用塗布液の調製の際に、ポリイソシアネートとしてポ
リイソシアネート化合物F−1(30重量%菜種油溶
液)及びバーノックDN990Sの代わりに多価ヘキサ
メチレンジイソシアネートのビウレット体(住友バイエ
ルンウレタン(株)製、商品名「スミジュールN−32
00」、100%固形分)5.6gを使用した以外は、
実施例1と同様にして調製した発色剤層形成用塗布液を
使用して、実施例1と同様にして発色剤シートを作製し
た。
【0100】[比較例2] [発色剤シートの作製]実施例1における発色剤層形成
用塗布液の調製の際に、ポリイソシアネートとしてポリ
イソシアネート化合物F−1(30重量%菜種油溶液)
及びバーノックDN990Sの代わりに多価イソシアネ
ートとして水添XDIのイソシアヌレート体(武田薬品
(株)製、商品名「タケネートD−127N」、75重
量%酢酸エチル溶液)10gを使用した以外は、実施例
1と同様にして調製した発色剤層形成用塗布液を使用し
て、実施例1と同様にして発色剤シートを作製した。こ
の発色剤シートは臭気が非常に少ないものであった。
【0101】[評価試験] (1)溶解性のテスト 各実施例及び比較例で使用した脂肪族ポリイソシアネー
ト1.5gを、菜種油30gに加え、温度を50℃に保
ちながら、10分攪拌し、溶解状態(透明か否か)を目
視で観察した。 AA:混合物が透明であった。 CC:混合物が不透明であった。 なお、比較例2のタケネートD−127Nは、酢酸エチ
ルを除去した後、上記テストを行なった。 (2)カプセル液残渣 マイクロカプセルのカプセル化反応終了後、得られたカ
プセル液を250メッシュのふるいでろ過し、ふるいに
残った残渣の有無を目視で観察した。 (3)発色汚れ 得られた発色剤シートと顕色剤シートAとを、発色剤層
と顕色剤層とを接触させて重ね、これに50kg/cm
2 の荷重圧をかけ、室温下で1週間放置した後、顕色剤
層面のスポット状の発色汚れの有無を目視で観察した。 (4)マイクロカプセルの耐湿熱性 得られた発色剤シートと顕色剤シートAとを、発色剤層
と顕色剤層とを接触させて重ね、これに50kg/cm
2 の荷重圧をかけ、60℃、80%RHにて3日間放置
した後、顕色剤層のカブリの濃度(V.D.)をマクベ
ス反射濃度計を使用して測定した。上記結果を表1に示
す。
【0102】
【表1】 表1 ───────────────────────────── 溶解性 カプセル残渣 発色汚れ 耐湿熱性 (V.D.) ───────────────────────────── 実施例1 AA 無し 無し 0.07 (DN990S) 実施例2 −− 無し 無し 0.08 実施例3 −− 無し 無し 0.09 実施例4 −− 無し 無し 0.10 実施例5 −− 無し 無し 0.09 実施例6 −− 無し 無し 0.08 実施例7 −− 無し 無し 0.07 実施例8 AA 無し 無し 0.10 (DN991S) ───────────────────────────── 比較例1 CC 有り 有り 0.22 比較例2 CC 無し 無し 0.25 ─────────────────────────────
【0103】
【発明の効果】本発明のマイクロカプイセルの形成に
は、特定の多価アルコールと特定の芳香族系二官能イソ
シアネートとの反応により得られる新規な芳香族ポリイ
ソシアネート化合物と菜種油に優れた溶解性を示す脂肪
族ポリイソシアネート化合物との混合物が使用される。
これにより、電子供与性発色剤を溶解するための溶媒と
して、臭気の発生が少なく、生分解性を示す植物油を使
用して、本発明の電子供与性発色剤を含有する緻密なカ
プセル壁のマイクロカプセルを形成することができる。
従って、上記マイクロカプセルを用いて得られる本発明
の記録材料は、臭気の発生が少なく、生分解性を示すも
のであり、しかも発色汚れがなく高温高湿下でのカブリ
の発生のほとんどないものである。また、上記2種のポ
リイソシアネートは、揮発性の高い溶剤を含んでいない
ため、カプセル化反応中に溶剤の蒸散による引火、爆発
の危険性のない良好な作業環境で上記マイクロカプセル
のカプセル化を行なうことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物油からなる溶媒中に溶解された電子
    供与性発色剤を内包するマイクロカプセルであり、且つ
    該マイクロカプセルのカプセル壁が、ポリイソシアネー
    トと分子中に2個以上の活性水素を有する化合物との重
    合により得られるポリウレタンウレア樹脂からなる発色
    剤含有マイクロカプセルにおいて、 該ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネートと
    芳香族ポリイソシアネートとの混合物からなり、そして
    該脂肪族ポリイソシアネートが、60℃において、菜種
    油に、該菜種油の重量の5重量%以上溶解する性質を有
    するポリイソシアネートであり、該芳香族ポリイソシア
    ネートが、下記の一般式(I): 【化1】 [但し、R1 は、炭素原子数5〜25の無置換のアルキ
    ル基、ハロゲン原子あるいは(メタ)アクリロイルアミ
    ノ基で置換された炭素原子数5〜25のアルキル基又は
    (R112 NCOCH2 CH2 −(但しR11は炭素原子
    数5〜25の無置換のアルキル基を表わす。)を表わ
    し、そしてnは1〜3の整数を表わす。]又は下記の一
    般式(II): 【化2】 [但し、R2 は、炭素原子数5〜25の無置換のアルキ
    ル基、又はヒドロキシル基で置換された炭素原子数5〜
    25のアルキル基を表わす。]で表わされる多価アルコ
    ールと、下記一般式(III) 、(IV)または(V): 【化3】 [但し、R3 、R4 及びR5 は、それぞれ独立にメチル
    基、メトキシ基又はハロゲン原子を表わし、Xは、−
    (CH3 )C(CH3 )−、−(CF3 )C(CF3
    −、酸素原子、メチレン基、エチレン基、トリメチレン
    基又はスルホニル基を表わし、そしてj、k、q及びh
    は、それぞれ独立に0又は1を表わす。]で表わされる
    二官能イソシアネートとを、二官能イソシアネートのN
    CO基と多価アルコールのOH基との当量比が1.5〜
    5.0の範囲となるような割合で反応させることにより
    得られるポリイソシアネートであることを特徴とする発
    色剤含有マイクロカプセル。
  2. 【請求項2】 該脂肪族ポリイソシアネートと芳香族ポ
    リイソシアネートとの混合比が、重量で5:95〜9
    5:5の範囲にある請求項1に記載の発色剤含有マイク
    ロカプセル。
  3. 【請求項3】 溶媒中に溶解された電子供与性発色剤を
    内包するマイクロカプセルと、電子受容性顕色剤とを含
    む記録材料であって、該発色剤を内包するマイクロカプ
    セルが、請求項1又は2に記載の発色剤含有マイクロカ
    プセルであることを特徴とする記録材料。
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