JPH08142506A - 感圧記録材料 - Google Patents

感圧記録材料

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JPH08142506A
JPH08142506A JP6315591A JP31559194A JPH08142506A JP H08142506 A JPH08142506 A JP H08142506A JP 6315591 A JP6315591 A JP 6315591A JP 31559194 A JP31559194 A JP 31559194A JP H08142506 A JPH08142506 A JP H08142506A
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JP6315591A
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Masajiro Sano
正次郎 佐野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 電子受容性顕色剤との接触により発色する電
子供与性発色剤を溶解するための溶媒として、悪臭がな
く、生分解性を有する植物油を使用し、かつ印刷カブリ
の発生がほとんどない感圧記録材料を提供する。 【構成】 溶媒中に溶解された電子供与性発色剤を内包
するマイクロカプセル22を含む発色剤層23及び電子
受容性顕色剤を含む顕色剤層34を有する感圧記録材料
であって、溶媒が10〜60重量%のオレイン酸残基含
有量の脂肪酸残基組成を有する植物油からなり、そして
発色剤層23が、バインダーとしてスチレン、ブタジエ
ン及びアクリルニトリルの共重合体を含有し、さらに顕
色剤が活性白土であることを特徴とする感圧記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、悪臭がなく、生分解性
を有し、高い発色濃度で発色し得る感圧記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】溶媒に溶解された電子供与性発色剤(以
下、「発色剤」と言うことがある)を含有するマイクロ
カプセルと電子受容性顕色剤(以下、「顕色剤」と言う
ことがある)とを含み、発色剤と顕色剤との反応により
発色像が形成することを利用した感圧記録材料は古くか
ら知られており、広く利用されている。
【0003】ノーカーボン紙型記録材料は、一般に、発
色剤を内包するマイクロカプセルを含む発色剤層(以
下、「発色剤層」と言うことがある)を支持体(一般に
紙である)の片面に形成した上用紙、支持体の片面に発
色剤層を形成しその反対側の面に顕色剤を含む顕色剤層
(以下、「顕色剤層」と言うことがある)を形成した中
用紙、そして顕色剤層を支持体の片面に形成した下用紙
の三種のシートを組み合わせた構成とし、それぞれの発
色剤層と顕色剤層とを接触させて使用される。
【0004】上記感圧記録材料は、通常上記三種のシー
トを組み合わせて、例えば、下用紙の上に直接上用紙を
重ねる二枚積層体セットあるいは下用紙の上に中用紙を
一枚以上重ねさらにその上に上用紙を重ねた三枚以上の
積層体セット(以下、感圧記録材料セットと言うことが
ある)で使用されている。そして、上用紙や中用紙の発
色剤層あるいは顕色剤層の表面に、用途に応じた必要事
項や枠等を凸版印刷などにより印刷して、帳票等として
使用されている。このような印刷が施された積層体セッ
トは、印刷時、あるいは保存中にカブリが生ずるとの問
題がある。即ち、中用紙の顕色剤層に印刷した場合、そ
の中用紙の発色剤層中のマイクロカプセルの一部が破壊
され、カプセル内の発色剤が溶媒と共に紙の繊維の間を
通って浸透し、反対側の顕色剤層に達してカブリを起こ
したり、あるいはその中用紙の下に置かれた中用紙の顕
色剤層に移ってカブリを起こす。
【0005】このような印刷カブリを防止する方法とし
て、従来から、発色剤層のバインダーとして、マレイン
酸とビニルモノマーの共重合体のアルカリ塩(特開昭6
1−211080号公報)、ジイソプロピルナフタレン
によるオイル膨潤度が50%以上の高分子ラテックス
(特開昭61−211080号公報)及び特定のSBR
ラテックス(特開平5−201124号公報)等を使用
する方法;あるいは別層を設ける方法として、上用紙が
マイクロカプセルの塗布層を有する面の反対の面に、無
機顔料とバインダーを含含み且つ顕色能力を実質的に有
しない層を塗布する方法(特開平5−177925号公
報)、紙とマイクロカプセルの塗布層の間に、無機顔料
とバインダーを含む層を塗布する方法(特開昭54−1
50210号公報)および紙上に設けられたマイクロカ
プセルの塗布層の上に、無機顔料とバインダーを含む層
を塗布する方法(特開昭52−51215号公報)等の
方法が知られている。
【0006】記録材料に含まれるマイクロカプセルに
は、上述のように発色剤は溶媒に溶解して含有されてい
る。この溶媒としては、使用される発色剤を溶解し得る
物質が使用され、一般に灯油、パラフィン、ナフテン
油、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、
塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリール
アルカン、フタル酸エステル等が使用されている。しか
しながらこのような溶媒は一般に悪臭乃至不快臭を有す
るものが多く、環境汚染あるいは製造時、使用時に人体
への悪影響が懸念されるような、エコロジー的に好まし
くないものも含まれている。
【0007】最近、エコロジーの点から、例えば特開昭
50−90409号公報に記載されているような、発色
剤を動物又は植物油に溶解した発色剤溶液を含有するマ
イクロカプセル層を有する感圧記録紙が注目されてい
る。このような動物油及び植物油は天然物であり食用に
も使用できるものであり、悪臭乃至不快臭がなく、エコ
ロジー的に安全な物質であり、しかも比較的安価である
ので、上記マイクロカプセル中の発色剤溶液の溶媒とし
て好ましい溶媒である。
【0008】しかしながら、動物油及び植物油は、一般
に沸点が高く、蒸発し難いため、本発明者の検討による
と、前述の印刷によるカブリが発生し易いことが明らか
になった。即ち、マイクロカプセルが破壊された時に押
し出された発色剤は、その破壊時に共に押し出された植
物油の作用により、通常の発色剤に比べて粘着性が大き
く、またこの状態が長時間持続することから、発色剤層
と接触する顕色剤層で発色し易く、即ちカブリが発生し
易くなっていると考えられる。また上記植物油含有発色
剤は紙の支持体中に浸透し易くなり、反対側の顕色剤層
でもカブリが起こり易くなっていると考えられる。従っ
て、発色剤の溶媒に動物又は植物油を使用した場合は、
カブリの発生は通常の記録材料よりも起こり易い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、植物油を
溶媒とする発色剤のマイクロカプセルを含む発色剤層
(沸点が高く、蒸発し難いため、印刷によるカブリが発
生させ易い層)を有する感圧記録材料について、印刷カ
ブリを改善するため検討を重ねた結果、顕色剤としてカ
ブリの発生の少ない活性白土を使用し且つ発色剤層のバ
インダーとしてスチレン、ブタジエン及びアクリルニト
リルの共重合体を使用することにより、印刷カブリを著
しく改善できることが明らかとなった。本発明の目的
は、電子受容性顕色剤との接触により発色する電子供与
性発色剤を溶解するための溶媒として、悪臭がなく、生
分解性を有する植物油を使用し、かつ印刷カブリの発生
がほとんどない感圧記録材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、溶媒中に溶
解された発色剤を内包するマイクロカプセルを含む発色
剤層及び電子受容性顕色剤を含む顕色剤層を有する感圧
記録材料であって、溶媒が10〜60重量%のオレイン
酸残基含有量の脂肪酸残基組成を有する植物油からな
り、そして発色剤層が、バインダーとしてスチレン、ブ
タジエン及びアクリルニトリルの共重合体を含有し、さ
らに顕色剤が活性白土であることを特徴とする感圧記録
材料により達成することができる。
【0011】本発明の好適な態様は下記の通りである。
【0012】1)スチレン、ブタジエン及びアクリルニ
トリルの共重合体が、モノマー成分としてアクリルニト
リルを8〜30重量%(好ましくは12〜30重量%)
含有している。 2)スチレン、ブタジエン及びアクリルニトリルの共重
合体が、モノマー成分としてスチレンを20〜60重量
%、ブタジエンを20〜50重量%そしてアクリルニト
リルを3〜20重量%含有している。 3)支持体の一方の表面上に、該発色剤層が設けられ、
支持体の一方の表面上に、該顕色剤層が設けられた感圧
記録用シートを含む。 4)上記の電子供与性発色剤が、クリスタルバイオレッ
トラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、フルオ
ラン化合物、インドリルフタリド化合物およびインドリ
ルアザフタリド化合物からなる群より選ばれる少なくと
も一種である。
【0013】本発明の感圧記録材料は、支持体に電子供
与性発色剤を内包するマイクロカプセルを含む発色剤層
及び電子受容性顕色剤を含む顕色剤層を有するものであ
り、具体的には支持体に発色剤を内包するマイクロカプ
セルを含む発色剤層を有する上用紙と支持体に電子受容
性顕色剤を含む顕色剤層が設けられた下用紙の組み合わ
せた積層シート、両方の層を有する中用紙の積層シー
ト、さらに上用紙と下用紙及びその間に一枚以上の中用
紙が挿入された積層シートを挙げることができる。これ
らは、通常前記のノーカーボン紙型記録材料の上用紙、
中用紙および下用紙である。
【0014】以下、本発明の感圧記録材料を構成する感
圧記録用シートについて、その代表的な態様である上用
紙、中用紙及び下用紙について詳細に説明する。本発明
の感圧記録用シートについて説明する。図1は、本発明
の感圧記録用シートの一例の断面を模式的に示す断面図
である。図1において、感圧記録用シート10は支持体
11の一方の表面上に発色剤を内包するマイクロカプセ
ル12を含む発色剤層13が設けられて構成されてい
る。通常上用紙として使用される構成である。
【0015】図2は、本発明の感圧記録用シートの別の
一例の断面を模式的に示す断面図である。図2におい
て、感圧記録用シート20は支持体21の一方の表面上
に発色剤を内包するマイクロカプセル22を含む発色剤
層23が設けられ、そして支持体21の反対側の表面に
顕色剤層24が設けられている。通常中用紙として使用
される構成である。
【0016】図3は、本発明の感圧記録用シートの別の
一例の断面を模式的に示す断面図である。図3おいて、
感圧記録用シート30は支持体31の一方の表面上に顕
色剤層34が設けられている。通常下用紙として使用さ
れる構成である。
【0017】本発明の感圧記録用シート20(中用紙)
を感圧記録シート30(下用紙)と組み合わせて使用し
て、加圧印字する態様を図4を参照して説明する。図4
は中用紙と下用紙との感圧記録材料セットに加圧印字す
る態様を模式的に示す断面図である。図4において、感
圧記録用シート(中用紙)20と下用紙30とは、中用
紙20の支持体21の上に設けられた発色剤を包含する
マイクロカプセル22を含む発色剤層23と、下用紙3
0の顕色剤層34とが接触するように積層されて感圧記
録材料が構成されている。支持体21の顕色剤層24の
表面に印刷版凸部38により加圧される。
【0018】この際、印刷版凸部38からの圧力により
加圧された領域49のマイクロカプセル22の一部のカ
プセル壁が破れ、この中に内包されている発色剤及び植
物油が露出し、この植物油含有発色剤が顕色剤層34の
顕色剤と接触した場合は反応して発色する。しかしなが
ら、植物油含有発色剤は、発色剤層中のスチレン、ブタ
ジエン及びアクリルニトリルの共重合体のバリヤー作用
により(特にアクリルニトリルのシアノ基の減感作用又
は吸着作用と推定される)、そして下で接している顕色
剤層46の顕色剤がカブリ抑制効果を有する活性白土で
あることから、ほとんど発色することがない。また、同
様に植物油含有発色剤が支持体内に浸透して反対側の顕
色剤層24に達し、発色することもない。従って、印刷
カブリの発生はほとんど起こらない。実際には、中用紙
のみに印刷を行なった後、上記下用紙あるいは中用紙等
に重ねることもあるが、この場合も上記と同様に破壊さ
れたマイクロカプセルから露出した植物油含有発色剤
が、顕色剤に接触してカブリを発生する機構は同じであ
る。
【0019】上記支持体としては、従来感圧記録用シー
トの支持体として使用されているどのような支持体であ
ってもよく、例えば、上質紙、中質紙、更紙、マシンコ
ート紙、アート紙、キャストコート紙、合成紙、レジン
コーティッド紙、プラスチックフィルム等を挙げること
ができる。
【0020】感圧記録用シートの発色剤層は、従来の感
圧記録用シートの発色剤を内包するマイクロカプセルの
層と同様に形成することができるが、発色剤の溶媒とし
て10〜60重量%のオレイン酸残基含有量の脂肪酸残
基組成を有する植物油が使用される。このような植物油
としては、例えば、大豆油(脂肪酸残基組成中のオレイ
ン酸残基含有量(OA)=20〜35重量%)、トウモ
ロコシ油(OA=25〜45重量%)、ナタネ油(OA
=10〜35重量%)、綿実油(OA=15〜30重量
%)、ゴマ油(OA=35〜46重量%)、落花生油
(OA=35〜60重量%)、ヒマワリ油(OA=15
〜35重量%)等を挙げることができる。中でも特に、
大豆油、トウモロコシ油、ナタネ油、綿実油等が、使用
される発色剤の溶解性が高い、顕色剤と反応させたとき
の発色性が高い、工業的に容易に入手できる等の点で好
ましい。これらの植物油は単独で使用しても混合して使
用してもよい。オリーブ油(OA=70〜85重量%)
等のように、脂肪酸残基組成中のオレイン酸含有量が6
0重量%より大きい植物油は、発色剤の溶解性が低く好
ましくない。
【0021】本発明に於て使用される発色剤は、上記植
物油を主成分とする溶媒に溶解する限り公知の発色剤を
使用することができる。本発明の発色剤としては、上記
植物油に溶解し易い下記の一般式(1)で表されるイン
ドリルフタリド化合物又はインドリルアザフタリド化合
【0022】
【化1】
【0023】(但し、R1 及びR2 はそれぞれ独立に、
炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基を表
し、R3 は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R4 は置
換基として炭素数1〜4のアルコキシ基を有していても
よい炭素数1〜12のアルキル基を表し、R1 、R2
3 及びR4 で表される基の合計炭素数が10以上であ
り、環Aは無置換のベンゼン環又はピリジン環を表す) 及び下記一般式(2)で表わされるフルオラン化合物
【0024】
【化2】
【0025】(但し、R1 は炭素数1〜4のアルキル基
を表し、R2 は炭素数4〜12の分枝鎖アルキル基又は
テトラヒドロフルフリル基を表し、R1 とR2 とは同一
であることはなく、R3 及びR4 はそれぞれ独立に、水
素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表す)が好まし
い。
【0026】前記一般式(1)で表されるインドリルフ
タリド化合物又はインドリルアザフタリド化合物は、前
記のような植物油に対する溶解性が大きく、顕色剤と反
応して生成する発色像の濃度が大きく、そして容易に且
つ安価に合成することができる化合物である。
【0027】前記一般式(1)で表されるインドリルフ
タリド化合物の特に好ましい具体例としては、3−(4
−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1
−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フ
タリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェ
ニル)−3−(1−n−ヘキシル−2−メチルインドー
ル−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−
2−エトキシフェニル)−3−(1−n−ペンチル−2
−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−
ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−
n−デシル−2−メチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−[1−(2−エチルヘキシル)−2−メチル
インドール−3−イル]フタリド、3−(4−ジエチル
アミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−イソペン
チル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3
−(4−ジプロピルアミノ−2−プロポキシフェニル)
−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド、3−(4−ジブチルアミノ−2−ブトキ
シフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)フタリド、3−(4−ジブチルアミノ−
2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジヘキ
シルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−メチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−
(4−ジブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−β−エトキシエチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−ブ
トキシフェニル)−3−(1−n−ブチル−2−メチル
インドール−3−イル)フタリド、3−(4−N−エチ
ル−N−イソブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
フタリド等を挙げることができる。
【0028】前記一般式(1)で表されるインドリルア
ザフタリド化合物の特に好ましい具体例としては、3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジエチ
ルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−ヘ
キシル−2−メチルインドール−3−イル)−4−又は
−7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−
エトキシフェニル)−3−(1−n−デシル−2−メチ
ルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザフタリ
ド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−[1−(2−エチルヘキシル)−2−メチル
インドール−3−イル]−4−又は−7−アザフタリ
ド、3−(4−ジブチルアミノ−2−ブトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジブ
チルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−β−
エトキシエチル−2−メチルインドール−3−イル)−
4−又は−7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミ
ノ−2−ブトキシフェニル)−3−(1−n−ブチル−
2−メチルインドール−3−イル)−4−又は−7−ア
ザフタリド、3−(4−N−エチル−N−イソブチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−4−又は−7−アザ
フタリド等を挙げることができる。
【0029】前記一般式(2)で表されるフルオラン化
合物の特に好ましい具体例としては、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−
N−イソペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−メチル−N−イソブチルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−
N−イソペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−エチル−N−イソヘキシルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル
−N−(2−エチルヘキシル)アミノフルオラン、2−
トルイジノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソブ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−エチル−N−(2−エチルデシル)アミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−プロピル−
N−イソブチルアミノフルオラン、2−(o−クロロア
ニリノ)−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−
N−(sec−ブチル)アミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフ
ルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−N−メチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ
フルオラン等を挙げることができる。
【0030】本発明に於て、色相調整の目的で、一般式
(1)で表されるインドリルフタリド化合物又はインド
リルアザフタリド化合物及び/又は一般式(2)で表さ
れるフルオラン化合物と共に、よく知られているトリフ
ェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、
フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合
物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系
化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化
合物、スピロピラン系化合物等の各種の発色剤を併用す
ることができる。その際、一般式(1)で表されるイン
ドリルフタリド化合物又はインドリルアザフタリド化合
物及び/又は一般式(2)で表されるフルオラン化合物
の含有量が発色剤合計量の50重量%以上になるように
することが好ましい。即ち、このような発色剤組成とす
ることにより、植物油に容易に溶解させることができ
る。
【0031】発色剤を含有するマイクロカプセルを製造
するに際し、前記のような植物油に発色剤を溶解して発
色剤溶液を調製するが、植物油に上記発色剤を溶解する
際の温度は80〜100℃であることが好ましい。上記
範囲よりも低い温度では発色剤が植物油に溶解し難く、
上記範囲よりも高い温度では植物油が変質する恐れがあ
る。また、上記発色剤溶液中の発色剤の濃度は植物油に
対して、3〜12重量%、特に3〜8重量%であること
が好ましい。
【0032】感圧記録用材料をバーコード印字、読取用
に使用する場合には、発色剤は、顕色剤との反応で62
0〜720nmの波長領域内に吸収極大を有する発色像
を形成する発色剤であることが好ましい。このような発
色剤を使用すると、顕色剤との反応で620〜720n
mの波長領域に於いて高いPCS値(Print ContrastSig
nal) (光学式読み取り適正の程度を示す指標)を有す
る発色像を形成させることができ、印字により形成され
たバーコード発色像を620〜720nmの波長の光を
利用したバーコード読み取り装置により確実に読み取る
ことができる。
【0033】上記のような特性を有する発色剤の好まし
い例としては、特開平5−177925号公報の表A、
表B及び表Cに記載されているアザフタリド化合物、ジ
アザフタリド化合物及びフルオラン化合物を挙げること
ができる。
【0034】発色剤を内包するマイクロカプセルは、そ
れ自体公知の任意の方法、例えば、界面重合法、内部重
合法、相分離法、外部重合法、コアセルベーション法等
の方法により製造することができる。
【0035】上記マイクロカプセルの壁材としては、従
来感圧記録材料の発色剤含有マイクロカプセルの壁材と
して使用されている水不溶性、油不溶性のポリマーであ
れば特に限定されることなく使用できるが、熱カブリに
対する耐性が大きいことからマイクロカプセルの壁材
は、ポリウレタンウレア樹脂であることが特に好まし
い。
【0036】上記のような発色剤を内包するポリウレタ
ンウレア壁のマイクロカプセルは、多価イソシアネート
と多価ヒドロキシ化合物及び上記電子供与性発色剤を上
記植物油に溶解した溶液を親水性液体中に乳化分散した
後、乳化分散液中に多価アミンを添加し、疎水性液滴を
ポリウレタンウレア膜で被覆することによって調製する
ことができる。こうして得られたマイクロカプセルを含
む分散液は、発色剤層形成用塗布液として使用すること
ができる。
【0037】本発明で使用される多価イソシアネートと
しては、水添キシリレンジイソシアネート(一般に水添
XDIと呼ばれる)のイソシアヌレート体、イソホロン
ジイソシアネート(一般にIPDIと呼ばれる)のイソ
シアヌレート体、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチ
ロールプロパンとの付加物、ヘキサメチレンジイソシア
ネートのビウレット体、ヘキサメチレンジイソシアネー
トのイソシアヌレート体、ポリメチレンポリフェニルイ
ソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネートとトリメチ
ロールプロパンとの付加物、キシリレンジイソシアネー
トとトリメチロールプロパンとの付加物、トリレンジイ
ソシアネートのイソシアヌレート体、水添キシリレンジ
イソシネートとトリメチロールプロパンとの付加体、イ
ソホロンジイソシネートとトリメチロールプロパンとの
付加体、キシリレンジイソシアネートのビウレット体及
びトリス−(p−イソシアネートフェニル)チオホスフ
ァイト等を挙げることができる。
【0038】これらの中で、水添キシリレンジイソシア
ネートのイソシアヌレート体及びイソホロンジイソシア
ネートのイソシアヌレート体が、植物油に対する溶解性
が優れているので好ましい。これら二種の多価イソシア
ネートと芳香族多価イソシアネートを混合して使用する
ことが好ましく、その混合比は、重量で8:2〜2:8
の範囲(二種:芳香族)が好ましく、特に7:3〜3:
7の範囲が好ましい。
【0039】多価イソシアネートと重合する化合物は、
水、多価ヒドロキシ化合物及び/又は多価アミンであ
る。上記の多価ヒドロキシ化合物の具体例としては、脂
肪族又は芳香族の多価アルコール、ヒドロキシポリエス
テル、ヒドロキシポリアルキレンエーテル、多価アミン
のアルキレンオキサイド付加物等を挙げることができ
る。
【0040】また上記の多価アミン化合物は、分子中に
二個以上の−NH−基又は−NH2基を有し、親水性液
体に可溶性である化合物である。この多価アミン化合物
の具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペン
タミン、1,3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン、
キシリレンジアミン等が挙げられる。
【0041】上記のようにして調製されたマイクロカプ
セルの分散液には、バインダーとして本発明のスチレ
ン、ブタジエン及びアクリルニトリルの共重合体を添加
し、更にカプセル保護剤等を添加して発色剤層形成用塗
布液を調製する。本発明のスチレン、ブタジエン及びア
クリルニトリルの共重合体は、モノマー成分としてアク
リルニトリルを8〜30重量%含有することが一般的で
あり、12〜30重量%が好ましく、特に12〜25重
量%が好ましい。また、スチレン、ブタジエン及びアク
リルニトリルの共重合体は、モノマー成分としてスチレ
ンを20〜60重量%(好ましくは30〜60重量
%)、ブタジエンを20〜50重量%(好ましくは30
〜40重量%)そしてアクリルニトリルを3〜30重量
%(好ましくは8〜30重量%)含有している。さら
に、10重量%以下の範囲でカルボキシル基含有モノマ
ー(アクリル酸、フマル酸等)、(メタ)アクリル酸エ
ステル(エチルアクリレート)、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート等を含んでいても良い。上記共重
合体は、一般にラテックスの形で使用されるが、水溶性
であっても良い。
【0042】バインダーとして、上記共重合体以外に、
ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、カルボキシメチル
セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール等の水溶
性バインダー等をバインダーの20重量%以下の量で使
用することができる。上記カプセル保護剤として、セル
ロース粉末、デンプン粒子、タルク等が含まれていても
よい。
【0043】支持体上への発色剤層の形成はそれ自体公
知の方法、例えば、エアーナイフ塗布方法、ブレード塗
布方法、カーテン塗布方法等により行うことができる。
高速塗布が可能であることからカーテン塗布方法により
ノーカーボン紙型感圧記録材料の発色剤層を形成するこ
とが有利である。発色剤層中の発色剤の最終塗布量は、
0.03〜0.30g/m2 、好ましくは0.05〜
0.20g/m2 が適当である。
【0044】本発明の感圧記録用シートに使用される顕
色性を有する形成する材料(顕色剤)としては、活性白
土が使用される。これを使用することにより、発色剤の
溶媒として植物油を用いても、印刷カブリを低く抑える
ことができる。顕色性を有する材料として、活性白土と
併用して、酸性白土、アタパルジャイト、ゼオライト、
ベントナイト、カオリンのような粘土物質、芳香族カル
ボン酸の金属塩、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等
の有機顕色剤を、顕色剤全量の20重量%以下の量で使
用することができる。
【0045】上記顕色剤層を形成するための塗布液は、
それ自体公知の方法により調製することができ、例え
ば、この塗布液には更に、バインダーとして、スチレン
−ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテッ
クス、アクリル酸エステル系ラテックス、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸、無水マレイン酸−スチレン
−共重合体、デンプン、カゼイン、アラビアゴム、ゼラ
チン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース
等の合成又は天然高分子物質が含有されていても良い。
顕色剤層のバインダーとしては、発色剤層に使用したス
チレン/ブタジエン/アクリルニトリル共重合体ラテッ
クスも好適に使用することができる。
【0046】支持体上への顕色剤層の形成もそれ自体公
知の方法により行うことができる。支持体に塗布する顕
色剤の最終塗布量は、0.1g/m2 〜4.0g/m
2 、好ましくは0.2g/m2 〜3.0g/m2 が適当
である。
【0047】本発明の感圧記録材料は、凸版印刷等によ
り印刷された場合、印刷カブリの発生がほとんどなく、
また長期間保存してもカブリが起きないという優れた性
能を有するものである。また、インキリボンを使用して
加圧印字したとき(この場合は同様の発色像が顕色剤層
上に形成される)も、長期間保存しても発色像のニジミ
や消色が起きないという優れた効果も得られる。従っ
て、正確に読み取ることが要求されるバーコードを印字
する用途に使用するためにも有用である。
【0048】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明する。
【0049】[スチレン/ブタジエン/アクリロニトリ
ル共重合体Aの合成]10リットルのオートクレーブ
に、水100重量部、モノマーとしてブタジエン38重
量部、アクリロニトリル20重量部、スチレン32重量
部、メチルメタクリレート5重量部、アクリル酸1.5
重量部、フマール酸1.5重量部、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート2重量部、乳化剤としてアルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム1.3重量部、電解質として炭
酸水素ナトリウム0.8重量部、開始剤として過硫酸カ
リウム0.8重量部及び連鎖移動剤としてt−ドデシル
メリカプタン0.6重量部を一度に投入し、65℃で1
3時間、攪拌下に加熱して反応を行なった。反応終了後
直ちに反応停止剤を加えて上記共重合体ラテックスAを
得た。
【0050】[スチレン/ブタジエン/アクリロニトリ
ル共重合体B、C、D及びaの合成]上記共重合体を、
表1に示す組成で共重合体Aの合成と同様にして合成し
た。
【0051】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 共重合体 スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル共重合体 組成(重量部) A B C D a ──────────────────────────────────── ブタジエン 38 32 38 30 33 アクリロニトリル 20 10 10 5 −− スチレン 32 48 42 55 57 メチルメタクリレート 5 5 5 5 5 アクリル酸 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 フマール酸 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 2−ヒドロキシ 2 2 2 2 2 エチルアクリレート ──────────────────────────────────── t−ドデシル 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 メルカプタン ────────────────────────────────────
【0052】[実施例1] [発色剤層形成用塗布液の調製]発色剤として、2−ジ
ベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン2.0
g、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)フタリド1.0g及び2−アニリノ
−3−メチル−6−N−エチル−N−イソブチルアミノ
フルオラン6.0gを、ナタネ油100gに溶解した。
得られた油性液に、多価イソシアネートとして水添XD
Iのイソシアヌレート体(武田薬品(株)製、商品名
「タケネートD−127N」、75重量%酢酸エチル溶
液)5g及びカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(三井東圧化学(株)製、商品名「MDI
−LK」、固形分100%)5gを酢酸エチル30gに
溶解した溶液並びにエチレンジアミンのブチレンオキサ
イド付加体(エチレンジアミンに対するブチレンオキサ
イドの付加モル数16.8モル、分子量1267)3.
0gを溶解し、一次溶液を調製した。
【0053】次に、水140gにポリビニルアルコール
10g及びカルボキシメチルセルロース5gをステンレ
ススチール製容器中で加熱溶解して二次溶液を調製し
た。二次溶液を激しく攪拌しながら、これに上記一次溶
液を注いで水中油滴型エマルジョンを形成させた。オイ
ルドロップレットのサイズが6.0μmになったところ
で攪拌を弱め、次いでこの乳化物中に20℃の水100
gとテトラエチレンペンタミン2.0gを添加した後、
系の温度を徐々に80℃にまで上昇させ、この温度で9
0分間維持してカプセル分散液を調製した。
【0054】このようにして得られたカプセル液を25
℃に冷却し、これにポリビニルアルコールの15%水溶
液80g、前記で得られた共重合体Aのラテックスを固
形分として15g及びデンプン粒子(平均粒径15μ
m)40gを添加した。次いで水を添加して固形分濃度
を20重量%に調節し、発色剤を含有するマイクロカプ
セルを含む発色剤層形成用塗布液を調製した。
【0055】[顕色剤層形成用塗布液の調製]水100
gに20重量%水酸化ナトリウム水溶液5gと10重量
%ヘキサメタリン酸ソーダ1gを添加した。得られた溶
液に、酸化マグネシウム2gと顕色剤として活性白土
(水澤化学工業(株)製、商品名「シルトンF−24
2」)60gを添加して、ホモジナイザー(AM−7、
日本精機(株)製)を用いて10000rpmにて5分
間分散し、顕色剤分散液を得た。小麦粉5gに1重量%
水酸化ナトリウム水溶液100gに溶解して澱粉水溶液
を調製した。上記顕色剤分散液100gに澱粉水溶液3
5g及びSBRラテックス15g(固形分)を添加し、
さらに水を加えて固形分濃度が20重量%になるように
調整して顕色剤層形成用塗布液を調製した。
【0056】[感圧記録用シート(中用紙)の製造]坪
量40g/m2 の原紙の一方の表面に、上記の発色剤層
形成用塗布液を、固形分塗布量が4.0g/m2 になる
ようにエアーナイフ塗布機を使用して塗布し、塗膜を乾
燥した。次いで、原紙のもう一方の表面に、顕色剤層形
成用塗布液を固形分塗布量が4.5g/m2 になるよう
にエアーナイフ塗布機を使用して塗布し、塗膜を乾燥し
た。こうして、図2に示す態様の感圧記録用シート(中
用紙)を製造した。この感圧記録用シートは臭気が非常
に少ないものであった。
【0057】[実施例2]実施例1における発色剤層形
成用塗布液の調製の際に、共重合体Aのラテックスの代
わりに表1の共重合体Bのラテックスを同量使用した以
外は、実施例1と同様にして発色剤層形成用塗布液を調
製し、実施例1と同様にして感圧記録用シートを作製し
た。この感圧記録用シートは臭気が非常に少ないもので
あった。
【0058】[実施例3]実施例1における発色剤層形
成用塗布液の調製の際に、共重合体Aのラテックスの代
わりに表1の共重合体Cのラテックスを同量使用した以
外は、実施例1と同様にして発色剤層形成用塗布液を調
製し、実施例1と同様にして感圧記録用シートを作製し
た。この感圧記録用シートは臭気が非常に少ないもので
あった。
【0059】[実施例4]実施例1における発色剤層形
成用塗布液の調製の際に、共重合体Aのラテックスの代
わりに表1の共重合体Dのラテックスを同量使用した以
外は、実施例1と同様にして発色剤層形成用塗布液を調
製し、実施例1と同様にして感圧記録用シートを作製し
た。この感圧記録用シートは臭気が非常に少ないもので
あった。
【0060】[比較例1]実施例1における発色剤層形
成用塗布液の調製の際に、共重合体Aのラテックスの代
わりに表1の共重合体aのラテックスを同量使用した以
外は、実施例1と同様にして発色剤層形成用塗布液を調
製し、実施例1と同様にして感圧記録用シートを作製し
た。この感圧記録用シートは臭気が非常に少ないもので
あった。 [比較例2]実施例1における顕色剤層形成用塗布液の
調製を下記のように行なった以外は、実施例1と同様に
して発色剤層形成用塗布液を調製し、実施例1と同様に
して感圧記録用シートを作製した。この感圧記録用シー
トは臭気が非常に少ないものであった。 [顕色剤層形成用塗布液の調製]3,5−ジ−α’−メ
チルベンジルサリチル酸亜鉛15g、炭酸カルシウム1
20g、活性白土30g、酸化亜鉛20g、ヘキサメタ
リン酸ナトリウム1g及び水200gを混合し、サンド
グラインダーで平均粒径3μmになるように均一に分散
して、分散液を得た。得られた分散液200gに、ポリ
ビニルアルコールの10%水溶液(PVA−203、ク
ラレ(株)製)50g及びポリビニルアルコールの10
%水溶液(PVA−117、クラレ(株)製)50gを
添加し、さらに水を加えて固形分濃度が20重量%にな
るように調整して顕色剤層形成用塗布液を調製した。
【0061】[実施例5] [発色剤層形成用塗布液の調製]ポリビニルスルホン酸
の一部ナトリウム塩(ナショナルスターチ(株)製、V
ERSA、TL500;平均分子量500000)5g
を約80℃の熱水95gに攪拌しながら添加して溶解し
た後、冷却した。水溶液のpHは2〜3であり、これに
20重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH4.
0に調整して、ポリビニルスルホン酸の一部ナトリウム
塩の5重量%水溶液を得た。発色剤として、クリスタル
バイオレットラクトン2g及び3−(4−ジエチルアミ
ノ−2−エトキシフェニル)−3−(2−メチル−1−
オクチル−3−インドリイル)−4−アザフタリド4g
を、ひまわり油100gに溶解した。得られた油性液
を、前記ポリビニルスルホン酸の一部ナトリウム塩の5
重量%水溶液100gに乳化分散して、平均直径5.0
μmの粒子サイズを有する乳化液を調製した。
【0062】別に、メラミン6g及び37重量%ホルム
アルデヒド水溶液11gを60℃で30分加熱攪拌し
て、透明なメラミンとホルムアルデヒド及びメラミン/
ホルムアルデヒド初期縮合物の混合水溶液(初期縮合物
溶液)を得た。この水溶液のpHは6〜8であった。こ
の初期縮合物溶液を前記乳化液に添加して混合し、攪拌
しながら3.6重量%の塩酸溶液でpHを6.0に調節
し、液温を65℃に上げ、360分間攪拌を続けてカプ
セルを形成させ、カプセル液を得た。このカプセル液を
室温まで冷却し、20重量%の水酸化ナトリウム水溶液
でpH9.0に調整した。このカプセル液に、10重量
%のポリビニルアルコール200g、前記共重合体Aの
ラテックスを固形分として20g及びデンプン粒子(平
均粒径20μm)50gを添加した。次いで水を添加し
て固形分濃度を20重量%に調節し、発色剤を含有する
マイクロカプセルを含む発色剤層形成用塗布液を調製し
【0063】[感圧記録用シート(中用紙)の製造]坪
量40g/m2 の原紙の一方の表面に、上記の発色剤層
形成用塗布液を、固形分塗布量が4.0g/m2 になる
ようにエアーナイフ塗布機を使用して塗布し、塗膜を乾
燥した。次いで、原紙のもう一方の表面に、実施例1で
得られた顕色剤層形成用塗布液を固形分塗布量が4.5
g/m2 になるようにエアーナイフ塗布機を使用して塗
布し、塗膜を乾燥した。こうして、図2に示す態様の感
圧記録用シート(中用紙)を製造した。この感圧記録用
シートは臭気が非常に少ないものであった。
【0064】[実施例6]実施例5における発色剤層形
成用塗布液の調製の際に、共重合体Aのラテックスの代
わりに表1の共重合体Bのラテックスを同量使用した以
外は、実施例1と同様にして発色剤層形成用塗布液を調
製し、実施例5と同様にして感圧記録用シートを作製し
た。この感圧記録用シートは臭気が非常に少ないもので
あった。
【0065】[実施例7]実施例5における発色剤層形
成用塗布液の調製の際に、共重合体Aのラテックスの代
わりに表1の共重合体Cのラテックスを同量使用した以
外は、実施例1と同様にして発色剤層形成用塗布液を調
製し、実施例5と同様にして感圧記録用シートを作製し
た。この感圧記録用シートは臭気が非常に少ないもので
あった。
【0066】[実施例8]実施例5における発色剤層形
成用塗布液の調製の際に、共重合体Aのラテックスの代
わりに表1の共重合体Dのラテックスを同量使用した以
外は、実施例1と同様にして発色剤層形成用塗布液を調
製し、実施例5と同様にして感圧記録用シートを作製し
た。この感圧記録用シートは臭気が非常に少ないもので
あった。
【0067】[比較例3]実施例5における発色剤層形
成用塗布液の調製の際に、共重合体Aのラテックスの代
わりに表1の共重合体aのラテックスを同量使用した以
外は、実施例1と同様にして発色剤層形成用塗布液を調
製し、実施例5と同様にして感圧記録用シートを作製し
た。この感圧記録用シートは臭気が非常に少ないもので
あった。 [比較例4]実施例5における顕色剤層形成用塗布液の
調製を比較例2と同様に行なった以外は、実施例5と同
様にして発色剤層形成用塗布液を調製し、実施例1と同
様にして感圧記録用シートを作製した。この感圧記録用
シートは臭気が非常に少ないものであった。
【0068】[評価試験] (1)印刷カブリ(顕色剤層印刷) 実施例1〜8及び比較例1〜4で得られたそれぞれの感
圧記録用シート(中用紙)の顕色剤層の表面に凸版印刷
を行なった後、印刷した中用紙と別の中用紙を印刷した
中用紙の顕色剤層と別の中用紙の発色剤層が接触するよ
うに重ね合わせて、その上に50g/cm2 の加重をか
け、35℃、80%RHの雰囲気にて2週間放置した。
放置後の顕色剤層面のカブリを目視で観察し、そのカブ
リの程度を下記の基準で評価した。 AA:カブリが認められない。 BB:カブリが若干認められる。 CC:カブリが多数認められる。 (2)印刷カブリ(発色剤層印刷) 実施例1〜8及び比較例1〜4で得られたそれぞれの感
圧記録用シート(中用紙)の発色剤層の表面に凸版印刷
を行なった後、上記(1)と同様にしてカブリの程度を
評価した。上記結果を表2に示す。
【0069】
【表2】 表2 ────────────────────── 印刷カブリ 顕色剤層印刷 発色剤層印刷 ────────────────────── 実施例1 AA AA 実施例2 AA AA 実施例3 AA AA 実施例4 BB AA ────────────────────── 比較例1 CC CC 比較例2 CC CC ────────────────────── 実施例5 AA AA 実施例6 AA BB 実施例7 AA BB 実施例8 BB BB ────────────────────── 比較例3 CC CC 比較例4 CC CC ──────────────────────
【0070】実施例で作製された記録材料(中用紙)
は、何れも臭気の非常に少ないものであり、顕色剤層に
印刷した場合も耐湿熱性の試験後も印刷カブリの発生は
なく、また、発色剤層に印刷した場合も、耐湿熱性の試
験後に一部に若干の印刷カブリの発生したに過ぎず、優
れた特性を示した。本発明の特定の共重合体を使用しな
い場合(比較例1及び3)、使用しても顕色剤に活性白
土以外を用いた場合(比較例2及び4)は、充分な効果
は得られなかった。
【0071】
【発明の効果】本発明の感圧記録用シートは、不快臭乃
至悪臭がなく、生分解性を有するものであり、しかも印
刷カブリが高温高湿下でさえほとんど発生しないもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感圧記録用シートの一例(上用紙)の
断面を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の感圧記録用シートの別の一例(中用
紙)の断面を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の感圧記録用シートの別の一例(下用
紙)の断面を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の感圧記録用シートを積層して、加圧印
字する態様を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
10、20、30 感圧記録用シート 11、21、31 支持体 12、22 マイクロカプセル 13、23 発色剤層 24、34 顕色剤層 48 印刷版凸部 49 加圧された領域

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒中に溶解された電子供与性発色剤を
    内包するマイクロカプセルを含む発色剤層及び電子受容
    性顕色剤を含む顕色剤層を有する感圧記録材料であっ
    て、溶媒が10〜60重量%のオレイン酸残基含有量の
    脂肪酸残基組成を有する植物油からなり、そして発色剤
    層が、バインダーとしてスチレン、ブタジエン及びアク
    リルニトリルの共重合体を含有し、さらに顕色剤が活性
    白土であることを特徴とする感圧記録材料。
  2. 【請求項2】 支持体の一方の表面上に、該発色剤層が
    設けられ、支持体のもう一方の表面上に、該顕色剤層が
    設けられた感圧記録用シートを含む請求項1に記載の感
    圧記録材料。
  3. 【請求項3】 スチレン、ブタジエン及びアクリルニト
    リルの共重合体が、モノマー成分としてアクリルニトリ
    ルを8〜30重量%の範囲で含有している請求項1また
    は2に記載の感圧記録材料。
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