JP2001001640A - 発色剤マイクロカプセル - Google Patents
発色剤マイクロカプセルInfo
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Abstract
供。 【解決手段】 電子供与性無色染料を疎水性液体中に分
散状態で内包する発色剤マイクロカプセルにおいて、該
疎水性液体がテルペン炭化水素である発色剤マイクロカ
プセル。
Description
セルに関し、特に環境に配慮した感圧複写紙用の発色剤
マイクロカプセルに関するものである。
有機化合物(以下発色剤という)等を溶解した疎水性液
体を内包するマイクロカプセルを主成分とする発色剤マ
イクロカプセル組成物を基紙の片面に塗工した上用紙
と、基紙の片面に前記発色剤と接触したときに呈色する
電子受容性化合物(以下顕色剤という)を主成分とする
顕色剤組成物を塗工し、かつもう一方の面に発色剤マイ
クロカプセル組成物を塗工した中用紙と、基紙の片面に
顕色剤組成物を塗工した下用紙からなる。一般に上用紙
−下用紙あるいは上用紙−中用紙−下用紙の順に、発色
剤マイクロカプセル組成物塗工面と顕色剤組成物塗工面
とが接するように組み合わせて使用され、筆圧、プリン
ター等の圧力によりマイクロカプセルが破壊され、発色
剤を溶解した疎水性液体が顕色剤層に転移し、顕色剤と
反応することによって発色するようになっている。ま
た、基紙の同一面に発色剤マイクロカプセルと顕色剤と
を塗工し、1枚で感圧記録可能とした自己発色型感圧複
写紙もその一形態として知られている。
通常電子供与性無色染料を溶解するために疎水性液体と
して、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニ
ル、アルキル化ナフタレン、ジアリールアルカン、塩素
化パラフィン等の合成油または半合成油が使用されてい
る。これらの溶媒はいずれも若干の不快臭を有してお
り、環境への配慮という点においても好ましいとはいえ
なかった。特開平7−81217号公報では、環境対策
としてこのような溶媒に植物油を使用することを提案し
ているが、一般に植物油は電子供与性無色染料に対する
溶解力が小さいためインドリルフタリド化合物またはイ
ンドリルアザフタリド化合物の特定の染料を使う必要が
あった。
用されている電子供与性無色染料である3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノ
フタリド(通称:クリスタルバイオレットラクトン)
は、他のフルオラン系染料等に比べ前述の合成油や半合
成油に対しても溶解度が低く、植物油に対しては殆ど溶
解もしない。そこで、特開平2−252576号公報で
はこのような状況を踏まえ、クリスタルバイオレットラ
クトン等の電子供与性無色染料を分散状態でカプセル化
することが開示されている。しかし、植物油を分散媒と
して使用した実施例があるものの、発色性改善のために
希釈溶媒として従来電子供与性無色染料の溶解に使用さ
れていた合成油を比較的大量に用いており、環境への配
慮という観点では従来と何ら変わる所が無かった。
特開平8−169179号公報では、クリスタルバイオ
レットラクトンを溶解するために、構成脂肪酸の少なく
とも1個が水酸基を有する脂肪酸のトリグリセリドとオ
レイン酸を含有する植物油との混合物、あるいはオレイ
ン酸を含有する植物油に特定のビスフェノール化合物を
添加するなど、特殊な材料を使用する必要があった。
料の使用が可能でかつ環境に配慮した発色剤マイクロカ
プセルを提供することを目的とする。
を鋭意検討の結果、従来のカプセル用疎水性液体の替わ
りに植物の精油であるテルペン炭化水素を染料の分散媒
としてカプセルに内包させることにより、極めて環境に
配慮したマイクロカプセルの作製が可能であることを見
出し本発明に到達した。即ち、本発明は、電子供与性無
色染料を疎水性液体中に分散状態で内包する発色剤マイ
クロカプセルにおいて、該疎水性液体がテルペン炭化水
素であることを特徴とする発色剤マイクロカプセルに関
するものである。
成分中の(C5H8)nの分子式を有する炭化水素であ
る。植物精油とは、植物の枝葉、根茎、木皮、果実、つ
ぼみ、樹脂などにより発散するにおいの根源であり揮発
性を有する。水蒸気蒸留によって留出することができ、
概ね液状で水より軽い性質をもっており、通常植物油と
は区別される。学術的にいうと植物油とは植物油脂のこ
とであり、特に常温で液体のものを植物油という。化学
的には脂肪酸とグリセリンとのトリグリセリルエステル
いわゆるトリグリセリドであり、本発明のテルペン炭化
水素とはその化学構造においても、またその概念におい
ても範疇を全く異にするものである。
疎水性液体としてテルペン炭化水素を使用する。テルペ
ン炭化水素のうち液体のものは、モノテルペン、セスキ
テルペン、ジテルペンの一部であり、本発明で使用する
ことができる。モノテルペンには、ミルセン、カレン、
オシメン、ピネン、リモネン、カンフェン、テルピノレ
ン、トリシクレン、テルピネン、フェンチェン、フェラ
ンドレン、シルベストレン、サビネンがある。セスキテ
ルペンには、ビサボレン、サンタレン、ジンギベレン、
カリオフィレン、クルクメン、セドレン、カジネン、ロ
ンギホレン、セスキベニヘンがある。ジテルペンのうち
液体のものとして、カンホレン、およびβ−ポドカルプ
レンが挙げられる。
コストパフォーマンスに優れているものとしてリモネン
が挙げられる。リモネンには、旋光性を有する光学活性
なR−およびS−体、更にR−、S−の通常1:1の混
合物である旋光性を示さないいわゆるジペンテンがある
が、いずれをも使用することができる。R−リモネン
は、オレンジ油、レモン油、マンダリン油、ライム油、
カラウェー油、ウイキョウ油等、またS−リモネンは、
マツ属針葉油、ハッカ油、スペアミント油、カヤプト油
等、更にR−、S−混合物は、テレビン油、レモングラ
ス油、シトロネラ油、カルダモン油、ショウノウ油等い
ずれも広く植物界に存在する。
無色染料は、いわゆるロイコ染料であり、例えば、3,
3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチ
ルアミノフタリド(通称:クリスタルバイオレットラク
トン)、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタ
リド等のフタリド系;3,7−ビス(ジメチルアミノ)
−10−ベンゾイルフェノチアジン等のフェノチアジン
系;2−クロロ−6−(ジエチルアミノ)フルオラン等
のフルオラン系;3−(4−ジエチルアミノ−2−エト
キシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインド
ール−3−イル)−4−アザフタリド等のアザフタリド
系等の有機化合物があるが、特に通常の溶解法では溶解
度が高くならないため発色に問題のあるクリスタルバイ
オレットラクトンが適している。また、それ以外のロイ
コ染料であっても溶解濃度よりも高い分散濃度で疎水性
液体中に含有することができる。
に所定量の電子供与性無色染料を投入し分散機により分
散する。分散機としては公知の分散機を使用することが
でき、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ、
コロイドミル等を使用することができる。染料の分散濃
度はある程度高い方が分散効率が良く、極端に高粘度に
ならない範囲で分散することができる。通常の分散濃度
としては10〜40%である。また、分散した染料粒子
の大きさはカプセル粒径よりも小さくなければならない
が、通常0.1〜3μ程度に分散することが適当であ
る。
油溶性の助剤等を必要に応じて添加することができる。
マイクロカプセル化法としては、従来公知の方法で行え
ばよく、例えばコアセルベーション法、界面重合法、i
n−situ法を挙げることができる。カプセルの膜材
としては、ゼラチン、ポリウレタン、メラミン・ホルム
アルデヒド、尿素・ホルムアルデヒド等がある。本発明
の発色剤マイクロカプセルを使用した感圧複写紙もま
た、特に制限されず通常の方法に従って製造することが
できる。
が、本発明はこれによって限定されるものではない。ま
た、特に断らない限り、以下に記載する部及び%は、そ
れぞれ重量部及び重量%を示す。尚、実施例及び比較例
で行った評価の基準は次の通りである。
00kg/cm2の圧力でカレンダー処理し、発色させ
24時間後の発色濃度をマクベス濃度計RD−918に
て9点測定し、その平均値を示した。
クトン15部をR−リモネン35部に添加し、サンドミ
ルにて平均粒径が1.5μになるまで分散した後、R−
リモネン100部を加え染料分散濃度を調整した。一
方、アクリル系共重合体の乳化剤の5%水溶液160部
に尿素10部、レゾルシン1部を添加し攪拌溶解した。
この水溶液に上記染料分散液100部を加え激しく攪拌
し乳化し、油滴の平均粒径5μのO/Wタイプエマルシ
ョンを得た。この乳化液に、37%ホルムアルデヒド水
溶液22部を攪拌下添加した後、系の温度を55℃に加
熱し、攪拌下2時間この温度を保持した。その後室温に
戻し、カプセルスラリーを得、30%の固形分濃度に調
整した。
粉粒35部、カプセルスラリー400部、10%ポリビ
ニルアルコール180部を順次攪拌しながら混合し、水
を加えて最終濃度を18%とした。
チルベンジル)サリチル酸亜鉛をサンドグラインダーに
より均一分散して平均粒径2μの20%分散液を得た。
更に、この分散液50部に、軽質炭酸カルシウムの50
%分散液200部、水100部を添加分散し、次いでポ
リビニルアルコールの10%水溶液60部、40%スチ
レン−ブタジエン系ラテックス30部を添加後、水を加
えて最終的に25%の濃度とした。
上質紙のワイヤー面に、カプセル層塗料を固形分4g/
m2をエアナイフコータで塗工し、感圧複写紙の上用紙
を作成した。一方、同上質紙のフェルト面に顕色層塗料
を固形分6g/m2をバーコータで塗工し、感圧複写紙
の下用紙を作成した。
リモネンを使用すること以外は、実施例1と全く同様に
してカプセルスラリーを調製した後、感圧複写紙の上用
紙を作成した。
S−リモネンの混合物(1:1混合物)を使用すること
以外は、実施例1と全く同様にしてカプセルスラリーを
調製した後、感圧複写紙の上用紙を作成した。
ンのR−リモネン分散液の替わりに、クリスタルバイオ
レットラクトン0.1部をR−リモネン99.9部に加
熱溶解し染料溶液としたこと以外は、実施例1と全く同
様にしてカプセルスラリーを調製した後、感圧複写紙の
上用紙を作成した。
ンのR−リモネン分散液の替わりに、クリスタルバイオ
レットラクトン3.5部をジイソプロピルナフタレン9
6.5部に加熱溶解し染料溶液としたこと以外は、実施
例1と全く同様にしてカプセルスラリーを調製した後、
感圧複写紙の上用紙を作成した。
使用した本発明の発色剤マイクロカプセルは、主に感圧
複写紙用の発色剤マイクロカプセルに適し、従来の疎水
性液体に加熱溶解した場合と比べても同等で十分な発色
性能が得られるとともに、テルペン炭化水素は植物の精
油成分であるため環境面でも優れており、実用的価値が
大きいといえる。
Claims (3)
- 【請求項1】 電子供与性無色染料を疎水性液体中に分
散状態で内包する発色剤マイクロカプセルにおいて、該
疎水性液体がテルペン炭化水素であることを特徴とする
発色剤マイクロカプセル。 - 【請求項2】 該テルペン炭化水素が、R(+)−およ
び/またはS(−)−リモネンである請求項1記載の発
色剤マイクロカプセル。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の発色剤マイクロ
カプセルを使用した感圧複写紙。
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---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN114960274A (zh) * | 2022-06-21 | 2022-08-30 | 理光感热技术(无锡)有限公司 | 高安定性的热敏纸及其制备方法 |
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