JP3262590B2 - 感圧複写紙用溶剤組成物 - Google Patents
感圧複写紙用溶剤組成物Info
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Description
て知られる感圧性複写紙用溶剤組成物に関する。
発色剤物質(色素形成体と呼ばれることもある)の無色
溶液と接触して、色を発現させる組成物である。感圧性
記録材料のセットには、いろいろのタイプがある。転移
型(トランスファー型)として知られる最も普通のもの
は、少くとも一種の発色物質を油性溶媒に溶かした溶液
を含有するマイクロカプセルをシートの下面に塗布した
上用シート(以下、これをCBと略称する)と、シート
の上面を顕色剤組成物で塗布した下用シート(以下、こ
れをCFと略称する)とからなる。一枚以上の複写を得
たい場合には、1枚又はそれ以上の中用シート(以下、
これをCFBと略称する)が用意されるが、このものは
下面がマイクロカプセルによって、上面が顕色剤組成物
によって塗布されている。筆記、印刷その他の画像圧力
がシートに加えられると、マイクロカプセルが破壊し
て、発色剤物質が顕色剤組成物上に放出され、発色剤物
質の色を現像させる化学反応が生起して色を発現する。
発色物質の溶液は、また前記以外の方法で連続した圧力
破壊マトリックスに分散した小滴として存在することも
ある。感圧性記録材の他のタイプは自己保有型又は自己
発色型として知られるものでマイクロカプセルと顕色剤
をシートの同一面に塗布しこの塗布シートに別のシート
を重ねてこれに筆記又はタイプすることによりマイクロ
カプセルが破壊し発色物質溶液を放出し、顕色剤と反応
して発色像を形成する。
石油化学工業の製品として例えば一部水素化ターフェニ
ル、アルキルナフタレン、ジアリールメタン誘導体、ジ
ベンジルベンゼン誘導体、塩素化パラフィン等がよく知
られている。これらの所謂主溶剤は通常灯油等の安い稀
釈剤又はエクステンダと混合して用いるがこれらは溶解
能力に劣るが経済的な溶剤組成物として重用されてい
る。前記石油化学系溶剤組成物の代りに感圧複写紙用溶
剤として植物油が知られている。しかしながら知る限り
ではこれらの植物油を感圧複写紙に用いることは殆どな
かった。かつて例えば米国特許第2712507号、同
第2730457号、同第3016308号に開示され
ている如く植物油の溶剤を用いる試みがなされただけで
ある。
英国特許第1526353号にはそれぞれ芳香族炭化水
素と脂肪酸ジエステルとのブレンドからなる感圧複写紙
用溶剤組成物が開示されている。このヨーロッパ特許出
願には前記ブレンドが不活性稀釈剤を含む場合もあるこ
とが記載されている。しかしながらキャスター油、大豆
油、コーン油等の植物油を用いる例が示されているが、
実際に植物油を含む溶剤組成物の具体的実施例は開示さ
れていない。例えばジブチルフタレートの様なフタレー
トあるいはマレエートのようなエステルを感圧複写紙の
溶剤又は顔料懸濁媒体として用いることが米国特許第3
016308号に記載の通り提案された。
の使用について例えばヨーロッパ特許出願第86636
A号(4ページ参照)及び同第155593A号(11
ページ参照)さらには同第234394A号に開示され
ている。これら先行文献は植物油溶剤についてはついで
に記載したに過ぎず、溶剤組成物については全く要旨と
したものではない。植物油溶剤についてはさらにヨーロ
ッパ特許出願第262569A号にも記載されているが
この場合は特に感圧複写紙に用いられる動物性あるいは
鉱物性溶剤と並んで植物性溶剤についても記載したもの
である。前記ヨーロッパ特許出願第262569A号の
記載に従えばトリフェニルメタンロイコ染料発色性物質
を植物性動物性あるいは鉱物性溶剤に対して用いること
が要件になっている。このロイコ染料は好ましくはカル
ビノール又はカルビノールのC1からC4のアルコキシ誘
導体である。このようなカルビノール又はその誘導体は
代表的に例えばクリスタルバイオレットラクトン(CV
L)として知られるフタリド発色性物質とか当業界で広
く発色剤として用いられてきたフルオラン発色性物質と
は異なる性質を有する。カルビノール又はその誘導体か
らなる発色性物質はいまだ確立されたものではなく既に
確立された前記フタリド及びフルオラン発色性物質に代
って植物油溶剤に対して用いることはその効果がいまだ
未確認である。従って植物油溶剤は既に確立されたフタ
リド及びフルオラン型発色性物質に用いれば、良好な結
果が得られるという前提のもとに評価が進められた。前
記フタリド及びフルオラン型発色物質を植物油溶剤と用
いても溶解性あるいは発色能力に関して何ら問題がない
ことが判明した。しかしながら実際には次のような問題
点と遭遇した。
させなければならない。その時の乳化小滴の大きさは最
終的に得られるマイクロカプセルの大きさを決定する重
要な要因である。乳化小滴の大きささらにはマイクロカ
プセルの大きさに大きな変化があると特に大きすぎるマ
イクロカプセルの場合好ましくない。大きすぎるマイク
ロカプセルは破損したり偶発的に破壊しやすくさらには
比較的小さなカプセルに較べて浸透性が高いのでマイク
ロカプセルの壁から滲み出やすくなるので好ましくな
い。その結果、塗装装置から巻き上げられるCFBシー
トは隣接するCB、CFシートと互いに接触してCFB
シートに変色を生じさせる。その変色は点在して製品と
しての感圧複写紙セットに表れることがある。この場合
球型の小滴に溶解された発色性物質の容積は該小滴の半
径の3乗に比例し比較的わずかでも小滴の大きさが過大
である場合最終製品に大きな影響を与えることを銘記し
なければならない。従って、小滴の大きさの分布が広い
場合は印刷後の発色問題を悪化する原因になる。 2.印刷後の変色 CBあるいはCFB記録紙を業務用様式セットの製造に
当たり印刷工程にかけるとマイクロカプセルがわずかに
破損し、発色性物質の溶液が放出し色斑点のような変色
が生じることがある。これを印刷後の変色又は変色後の
黒又は青の発色として知られる。 3.保管時の変色 CFB記録紙はしばしば使用以前に保管中徐々に変色す
ることがある。その原因はマイクロカプセル塗料中に非
カプセル化発色性物質の存在とかマイクロカプセルの壁
を通して発色性物質溶液が徐々に浸透するとかさらには
巻き取りリールの張力及び積み重ねられた記録紙の重さ
によりカプセルが偶発的に破損する等によるものであ
る。いずれの場合でも遊離状態にある発色性物質溶液は
潜在的に紙を通して上面の顕色剤塗料と接触しその結果
概して灰色の発色を偶発的に生じせしめる。これは一般
に保管時の変色と呼ばれる。
溶剤をある種の有機酸の1官能性又は2官能性エステル
に対して用いることにより解決されさらに複写強度も向
上されることも判明した。
の炭素原子を持つ飽和又は不飽和直鎖又は分枝鎖炭化水
素を有する一定量の非芳香族モノカルボン酸の1官能又
は2官能エステルとからなる感圧複写紙用溶剤組成物を
提供することにある。この場合前記3つの炭素原子の他
にカルボキシル炭素原子が存在する。このカルボキシル
基は好ましくは末端カルボキシル基である。
破壊障害壁内に単離された小滴の状態で存在する溶剤組
成物からなる感圧複写紙に関するものである。
のを用いることができる。ナタネ油、ヒマワリ油、大豆
油、トウモロコシ油、ココナッツ油、パーム種油、オリ
ーブ油、イモ油、ゴマ油、綿種油、ベニバナ油、アマニ
油、ヒマシ油、ババス油、キリ油、ホホバ油、オイチシ
カ油等が例示される。これらの油のあるものは常温で固
体、半固体があるがエステルとともに用いて加工可能の
粘度の液体混合物を形成できるから問題ではない。
ついてはJohn Willy & Sons(Willy-Interscience) 社発
行の第3版“Kirk-Othmer Encyclopedia of ChemicalTe
chnology ”の第23巻と第9巻に記載されている。
物又は植物油から得られる酸のエステル等の脂肪酸エス
テルが好ましい。以下これを脂肪酸エステルと総称す
る。脂肪酸という表現は必ずしも統一して技術文献には
定義されていないが、本明細書ではVan Nostr
and Reinhold社出版の“Hawley’s
Condensed Chemical Dictio
nary”第11版の定義に従うものである。脂肪酸と
は一個の末端カルボキシル基をもつ飽和又は不飽和直鎖
又は分枝鎖炭化水素からなり、この場合カルボキシル基
を含む炭素原子の総数は一般に4〜22の偶数である。
ここで言う、脂肪酸エステルとは例えばミリスチン酸、
カプリン酸、カプリル酸、ステアリン酸、イソステアリ
ン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の直鎖又は分枝鎖脂
肪酸、あるいはオレイン酸の如き不飽和脂肪酸あるいは
ココナッツ油を加水分解して得られる脂肪酸混合物等の
混合組成からなる酸である。ココナッツ酸の構成脂肪酸
は主にラウリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸及びオレイン酸等の6乃至18の炭素原子からな
る鎖長を有するものである。ココナッツ酸のエステルを
以下ココエートと称する(ココナテートという用語を用
いる場合もある)。ただしココエートとはココア油又は
ココアバターに存在する酸とは関係はない。
は他のエステル、エステル残基は広く変化するものであ
る。例えばメチル基等の1個の炭素原子のみ有するもの
とか、イソプロピル、オクチル又は2−エチルヘキシル
基等の数個の炭素原子を有するものもある。このような
エステル残基は1官能である。好ましい2官能エステル
残基の例はプロピレングリコール(プロピレングリコー
ルから得られるエステル残基)である。グリセリンエス
テル等の3官能エステルを使用しても同様な効果が得ら
れないことが判った。これはおそらくその様なエステル
が天然トリグリセリドと化学的に類似し、植物油とグリ
セリンエステルの混合物は単に植物油同士のブレンドと
同様な作用を営むからと思われる。
多くは市販されていて種々の工業的応用範囲を有するが
典型的な例としてそれらは化粧品等に利用されている。
これらのエステルは粗植物油を精製又は蒸留することに
より得られる脂肪酸を適当なアルコールでエステル化す
ることにより製造される。これらのアルコールは広く知
られたものである。
の好ましい具体例は次の通りである。 a)2−エチルヘキシルココエート(EHC) b)イソプロピルミリスチン酸エステル(IPM) c)メチルオレイン酸エステル(MO) d)プロピレングリコールジカプリル酸エステル/カプ
レート(PGCC) e)メチルイソステアリン酸エステル(MIS) 注: 1.メチルオレイン酸エステル(MO)は、主成分(7
3%)がメチルオレイン酸エステルであるが、またメチ
ルリノール酸エステル(9%)、メチルパーミトオレイ
ン酸エステル(5%)及びメチルリノレン酸エステル
(2%)等の不飽和物質と4〜18の酸残基炭素原子
(全量の10%)を有する種々の飽和メチルモノエステ
ル等を含むものである。 2.PGCCは主酸残基としてカプリル酸(59%)と
カプリン酸(36%)を有し、さらに主にラウリン酸
(5%)等の他の酸残基をわずかに含む。
ichema International of G
ouda社により製造され市販されるものである。上記
のエステルの中で特にEHCとIPMが好ましい。一般
に本発明溶剤組成物に用いる脂肪酸エステルの酸残基は
天然油から得られるが、この天然油から得られる脂肪酸
以外の脂肪酸も本発明において用いることができる。そ
のような方法で製造される酸から得られるエステルを合
成脂肪酸エステルと呼ぶ。脂肪酸エステル又は合成脂肪
酸エステルの他には天然脂質に含まれる類似のエステル
を用いることができる。後者のエステルの例としてはワ
ックスエステルとして知られる一般に脂肪族カルボン酸
及び脂肪族アルコールのアルキル分枝型エステルであ
る。これらのエステルは例えば鳥の分泌物とか動物の皮
膚(例えば人間皮膚)及びイースト菌、フンジ等の微生
物に含まれている。このように自然発生的に得られるも
のの他に非天然アルコール及び酸物質から合成されるも
のもある。その例は2−エチルヘキシル−2−ヘキサノ
エート(EHEH)であり、本発明においても用いるこ
とができる。このような天然ワックスエステルについて
の詳細は1976年Elsevier社発行のPE.K
ollattukudy著“Chemistry an
d Biochemistry of Natural
Waxes”に記載されている。ここに例示した全て
の1官能及び2官能エステルは本発明において原則とし
て用いることができるが実際にはそのうちあるものは好
ましくない性状あるいは副作用を有するものがある。好
ましいエステルは例えば植物油と混合した場合、適当な
粘度を呈する必要がある。ある種のエステルは実験によ
ると不純物に原因して悪臭を放つので好ましくない。さ
らに実験によりポリエチレングリコールココエートの如
きある種の脂肪酸エステルは減感作用を有し、発色効果
を妨げたりあるいは減少させたりすることが判明した。
これは感圧複写紙の減感剤として知られるポリエチレン
グリコール等の不純物の存在によるものである。従って
本発明の実施にあたっては前記したような欠点があるか
どうかを予めエステルの選択にあたって注意しなければ
ならない。その選択にあたっての注意は簡単な試験によ
り行うことができるのでここに詳細は省く。好ましくな
い不純物により生ずる種々の問題は改良された精製技術
により解決することができるのは当然である。
ルの相対比は広範に亘って変えることができるが、エス
テルの使用により得られる利点は植物油のコストと比較
検討する必要がある。一般に植物油溶剤は石油化学系溶
剤に比べ非常に安価に手に入るので、エステルの比較的
高いコストの不利な点を相当軽減することができる。さ
らにエステルは一般に感圧性複写紙に用いられる発色性
物質に対して溶解能力が比較的低いので当然エステルの
使用量も限定される。上述の種々の要因を考慮した上
で、植物油:エステルの重量比が1:3〜3:1の範囲
にあることが好ましいことが判明した。本発明溶剤組成
物は実質的に全て植物油と例記したエステルから構成さ
れる。
他に他の添加物例えば酸化防止剤を用いて酸化により植
物油が劣化するのを防ぐようにすることも好ましい。溶
解した発色性物質を含む本発明溶剤組成物はカプセル化
して従来の方法により用いる。マイクロカプセルは米国
特許第2800457 号、同第2800458 号、同第3041289 号に
記載の如く、1又は1以上のポリマーとゼラチンをコア
セルベート法により製せられることができる。又は米国
特許第4001140 号、同第4100103 号、同第4105823 号、
同第4396670 号に記載の如くポリマー先駆物質をインジ
ク重合法によっても製せられることもできる。
は3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−
ジメチルアミノフタリド(CCVL)及び3,3−ビス
(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フ
タリドなどのフタリド誘導体、2’−アニリノ−6’−
ジエチルアミノ−3’−メチルフルオラン、6’−ジエ
チルアミノ−2’−(N−エチル−N−フェニルアミノ
−4’−メチルフルオラン)、2’−N−メチル−N−
フェニルアミノフルオラン−6’−N−エチル−N(4
−メチルフェニル−アミノフルオラン)又は3’−クロ
ロ−6’−シクロヘキシルアミノフルオラン等のフルオ
ラン誘導体、3’−イソプロピル−7−ジベンジルアミ
ノ−2,2’−スピロビ−(2H−1−ベンゾピラン)
等のスピロビピラン誘導体である。ヨーロッパ特許出願
第262569A号に記載のトリフェニルメタン系発色
性物質も用いることができる。
と澱粉又は澱粉とカルボキシメチルセルローズの混合物
等の適当な結合剤を用いて塗料組成物に調製される。さ
らに、その場合粒子化助材(スチルト材)を添加しこれ
により偶発的なマイクロカプセルの破壊を防ぐことも好
ましい。このスチルト材の例として麦澱粉粒子又は粉砕
セルローズ繊維フロックあるいはこれらの混合物が挙げ
られる。得られる塗料組成物は従来の例えば測量ロール
塗布又はエアーナイフ塗布技術を用いて紙に塗布され
る。
により周知であるのでここにその詳細は省く。
厚さと坪量はそれぞれ周知の通り60〜90ミクロン及び35
〜50gm-2あるいはそれ以上である。この坪量は使用す
る紙がCBかあるいはCFBシートに用いるかによって
変わる。高い坪量のものは通常特殊CB記録紙にのみ用
いられる。
53761 号に記載の酸性クレイ、米国特許第367935号、同
第4612254 号に記載のフェノール樹脂あるいは米国特許
第3024927 号、ヨーロッパ特許出願第275107A 号、同第
428994A 号又はドイツ特許出願第4110354A号に記載の有
機酸又は有機酸の金属塩等が用いられる。
るが、表示の数値は特記しないかぎり全て重量で表した
ものである。
シルココエート(EHC)を3:1及び1:1の割合で
含む溶剤組成物を用いた。一方、100%ナタネ油溶剤
組成物を比較のため対照として用いた。
プセル用溶液を調製した。これらの発色性物質は周知の
ものであり、例えばCVL、緑発生フルオラン、オレン
ジ色発生フルオランに少量の青色発生スピロビピラン及
び赤色発生ビス−インドリルフタリドを加えたものを用
いた。これらの相対使用量は周知の如く黒色印刷が得ら
れるように選ばれた。RSO/EHC組成物の場合の総
発色剤の濃度は5%であり、100 %RSO組成物の場合
は6.4 %であった。
ゼラチンコアセルベート法によりパイロットプラントス
ケールでカプセル化した。この方法は英国特許第870476
号に記載の通りカルボキシメチルセルローズとビニルメ
チルエステル/無水マレイン酸共重合体をアニオンコロ
イドとして用いたものである。カプセル化の最初の工程
で発色性溶液はゼラチン溶液内に撹拌下に分散した。得
られた分散液を3.2 ±0.2 μm(Coulter カウンターに
より測定)の範囲に入る所定の小滴サイズに粉砕した。
粉砕時間は3:1及び1:1RSO:EHC組成物に対
してそれぞれ45分及び49分であった。一方、100 %RS
O組成物に対しては60分であった。このようにEHCを
用いることにより粉砕時間に相当な軽減が図れた。Coul
ter カウンターを用いて小滴を異なる大きさの範囲で測
定したので小滴サイズの分布を得ることができた。これ
により6.35μm以上の大きさの小滴即ち“過大”小滴の
割合は3:1RSO:EHC組成物については2.9 %、
1:1RSO/EHC組成物については1.8 %及び100
%RSO組成物については3.5 %であった。このように
EHCを加えることにより効果が見られた。
点間距離測定方法)によっても測定した。IQDは小滴
サイズ分布の広がりを意味し4分位間小滴サイズの上限
下限の差を示す。このIQDの値が小であればある程小
滴サイズ分布は狭く(即ち良い)なる。3:1RSO:
EHC組成物に対するIQD値は1.89μm、1:1RS
O:EHCに対しては1.73μm、100 %RSO組成物に
対しては1.99μmであった。
了し、この場合分散液を水で稀釈したのちビニルメチル
エーテル/無水マレイン酸共重合体溶液を加えた。50
〜55℃に加熱した後、カルボキシメチルセルローズ溶
液を加えた。酢酸を加えてpHを約4.2に調整し、コ
アセルベーションを生じさせた。乳化油小滴の周りにコ
アセルベートが付着し、液体壁マイクロカプセルを形成
した。混合物を約10℃に冷却し、液体コアセルベート
壁を固化したのち硬化剤(グルタルアルデヒド)を加え
て、冷却操作が行われて温度が上昇した時の再溶解を防
ぐために該壁を架橋した。次にビニルメチルエーテル/
無水マレイン酸共重合体をさらに加えた。得られたマイ
クロカプセル分散液に水酸化ナトリウム溶液を加えてp
Hを7に調整した。
ーズ繊維フロックをマイクロカプセルの早期破壊を防ぐ
ために加えて従来のCB塗料組成物を調製した。このC
B塗料組成物をパイロットスケールのロールコーターを
用いて市販の46gm -2 CFシートの面に塗布した。塗
布量(乾式)は3.7〜7.4gm -2 の範囲である。C
Fシートには顕色剤として酸洗浄ジオクタヘドラルモン
モリロナイトクレーを用いた。
布した紙(CB紙)を本実施例で製作された被塗布紙試
片に重ね合せ、これを試験室カレンダーに通しカプセル
を破壊し、その結果試片上に色を発生させ、該試片
(I)のリフレクタンスを測定することにある。測定結
果(I/Io)を未使用対照試片(Io)のリフレクタ
ンスの百分率で表わす。カレンダー印刷強度値(I/I
o)は低いほど顕色強度が高い。リフレクタンス測定は
カレンダー掛け後それぞれ2分後と48時間後に行った。
その間試片は暗室に放置した。カレンダー印刷強度値は
いずれの場合もマイクロカプセル塗布紙の顕色能力を表
わすものである。 2.印刷後の変色 i.ラムテスト この試験は先に述べたように印刷後の変色効果をシュミ
レートするために行う。20枚のCFBシートを重ね合せ
た各サンプルを油圧ラムの下側に置き、1724KPa(250P.
S.i) ラム圧力を30分間加えた。その結果生じる変色の
度合を可視的に評価した。 ii. 印刷後の可視試験 これは説明を要さない。 3.保管時の変色試験 i.接触保管 20枚のCFBシートを重ね合わせた各サンプルをCF面
を全て上向きにし2kgの荷重下に40℃のオーブンに入
れ3週間放置した。同じ様な試験を60℃3週間の条件で
行った。その結果のCF面に生じる変色を可視的に評価
した。 ii. 加速耐老化性試験 各サンプルのCFBシートを下記の条件でオーブンに放
置した。これらの条件は保管時に変色が激しい例えば高
温気象の使用地域に長期に亘って貯蔵された場合の変化
をシュミレートするのに適切である。放置条件 a)150 ℃、45分 b)32℃、90%相対湿度、3日間 c)32℃、90%相対湿度、3週間 d)40℃、3週間 e)60℃、3週間 CF面の変色は度合を目で観察評価した。カレンダー印
刷強度試験の結果を表1に示す。
であるが、溶解した発色剤の濃度が低いにかかわらず一
般にRSO:EHC組成物のカレンダー印刷強度試験結
果は100 %RSO組成物と変わりはない。このことはE
HCを用いても複写性能には影響なく実際はむしろ複写
強度を改良することができる。
場合の変色レベルはEHCを含む他の組成物のそれより
高いことが判明した。1:1RSO:EHCの組成物の
変色は、3:1RSO:EHC組成物に比べて低かっ
た。この結果はMuller-Martini4色プレスで印刷した各
CFB試験紙を5500mリールに巻いたものを検査するこ
とによって確認された。この検査は印刷後、それぞれ1
週間と4週間後に行われた。このように実際に印刷して
試験を行った結果がラムテスト結果とほぼ一致するとい
うことはラムテストが印刷後の変色度合を示す良い指標
になることが判った。1:1RSO:EHC組成物の変
色度合は3:1RSO:EHC組成物より低かった。
用いた。同時に使用した100 %RSO対照組成物は本発
明の溶剤組成物に含まれた同じ濃度(5.0 %)の発色剤
を含有した。この実施例の方法は実施例1と次の点を除
いては同じである。即ち、用いた結合材はゼラチン化澱
粉とカルボキシルメチルセルローズの混合物であり早期
マイクロカプセル破壊を防ぐために用いた助材は麦澱粉
粒子と粉砕セルローズ繊維フロック混合物であった。粉
砕時間と小滴サイズの試験結果は表2aに示す。
大”小滴サイズの値にわずかな改良が表れたことであ
る。カレンダー印刷強度試験の結果を表2bに示す。
により印刷強度に大きな改良が見られた。
/EHCのCBシートサンプルと4.9gm -2 塗布量の
100%RSOのCBシートサンプルに対して行った。
試験結果によると変色率はRSO/EHC組成物の方が
発色剤の塗布量が少ないにもかかわらず100%RSO
組成物の方が高かった。この結果は実際に印刷して目で
観察しても確認された。この印刷による視覚的試験によ
る変色度合はラムテストの場合よりより顕著であった。
上記接触保管試験及び加速耐老化試験において変色の度
合が全ての条件下で100%RSO組成物に比べEHC
含有組成物の方が低いことが判明した。
成物即ち2:3RSO:EHC組成物(40%RSO)を
用いた。対照溶剤組成物100 %RSOであった。異なっ
た型の粉砕装置を用いた点と最終塗料組成物を実施例2
に従って調製した点を除けば実施例1に記載の方法で行
った。総発色性物質の濃度はいずれの場合も6.4 %であ
った。粉砕時間と小滴サイズの試験の結果を表3aに示
す。
大”小滴サイズの値に顕著な効果として表われた。特に
本実施例で記録された粉砕時間の比較的長いことは使用
した粉砕装置が異なったことが原因と考えられる。カレ
ンダー印刷強度試験の結果を表3bに示す。
せた結果、印刷強度にもわずかに改良が見られた。
/EHCのCBシートサンプルと5.2gm -2 塗布量の
100%RSOのCBシートサンプルに対して行った。
試験結果によると変色率はRSO/EHC組成物の方が
発色剤の塗布量が少ないにもかかわらず100%RSO
組成物の方が高かった。この結果は実際に印刷して目で
観察しても確認された。実施例2と同様、この印刷によ
る視覚的試験による変色度合はラムテストの場合よりよ
り顕著であった。
SOサンプルより少なかったことが判明した。接触保管
テストの結果においてESO/EHCのサンプルの変色
は100 %RSOサンプルより少なかった。
ステルを用いた。カプセル化工程を試験室スケールで行
ったことより小さい型のパイロットプラント用コーター
(Dixon パイロット プラント コーター)を用いたこ
とを除いては実施例1の方法に従った。試験作業が比較
的小スケールで行った結果、長尺のリールを必要とする
印刷テストは行わず従って印刷後の変色はラムテストに
よって評価した。用いた植物油はナタネ油(RSO)、
ヒマワリ油(SFO)、大豆油(SBO)及びトウモロ
コシ油(CO)であった。
ルココエート(EHC)、イソプロピルミリスチン酸エ
ステル(IPM)、メチルオレイン酸エステル(M
O)、グリセリルトリカプリレート/カプレート(GT
CC)及びポリプロピレングリコールジカプリレート/
カプレート(PGCC)であった。MO及びPGCCの
組成については既に上記した通りである。GTCCは酸
残基としてカプリル酸とカプリン酸(それぞれ61%及
び19%)を有するが、他の残基としてラウリン酸(9
%)、ミリスチン酸(6%)及び酪酸とカプロン酸(合
計2%)を含んでいた。GTCCは3官能エステルでそ
の用途は本発明に従うものではない。
記載したものを選び、次の通りであった。 a)1:1 RSO:IPM b)1:1 RSO:MO c)1:1 RSO:GTCC d)1:1 RSO:PGCC e)1:1 SBO:EHC f)1:1 SFO:EHC g)1:1 CO :EHC h)100 %RSO(対照) i)100 %SFO(対照) j)100 %SBO(対照) k)100 %CO (対照) 溶解発色性物質の濃度(5%)の混合物は実施例2に示
すRSO/EHC溶剤組成物と同じである。カプセル化
工程も実施例1に示した通りであるが、パイロットラン
プスケールの代わりに試験室スケールで行った。マイク
ロカプセルは実施例1に記載の方法で調整されCFシー
トに塗布した。ただし用いた結合材はゼラチン化澱粉と
カルボキシメチルセルローズの混合物であり、また早期
マイクロカプセル破壊を防止するのに用いた助材は麦澱
粉粒子と粉砕セルローズ繊維フロックの混合物であっ
た。
だし、印刷試験は行われなかった。小滴サイズ試験の結
果を表4aに示す。
物油のみを使用した場合に比べほとんどの試験において
良い結果が得られた。100 %のRSOの場合はIQDが
極めて低く、“過大”小滴サイズの分布も非常に悪くさ
らにまた、脂肪酸エステルを加えた場合より粉砕時間が
長かった。RSOとGTCCの混合物の場合は比較的短
い粉砕時間を要したが、IQD値は植物油のみの場合の
最高IQD値とほぼ同じであった。“過大”小滴サイズ
の値はモノ−及びジ−エステル混合体より高かった。
示す。マイクロカプセルの塗布量は測定しなかったが、
これは同様な塗布装置と同様な紙を用いたのでほとんど
変化がないと推定される。
成物を用いたほとんどの場合100 %植物油組成物に比べ
てより鮮明であったが、RSO/GTCC及びRSO/
PGCCの場合は発色像はさらに不鮮明であった。48時
間の顕色後の発色像も本発明の組成物の場合は極めて良
好であったが、RSO/GTCC及びRSO/PGCC
組成物の場合は100 %植物油組成物の場合とほとんど同
じであった。RSO/PGCC組成物を用いた場合の発
色像が比較的不良である理由は前述した通り感減不純物
がわずかに存在するためと考えられる。
生した変色度合は100 %植物油サンプルの方が植物油−
脂肪酸エステル組成物の場合より大きかった。ただしヒ
マワリ油を用いた組成物の場合は変色はそれほど多くな
かった。RSO/PGCC及びRSO/GTCC組成物
の場合の変色度合は植物油のみの場合と植物油−1官能
エステルの場合のほぼ中間の値を示した。接触保管テス
トにおいて、100 %植物油サンプルの場合植物油/脂肪
酸エステルサンプルの場合に比べ変色度合は大きかっ
た。加速耐老化試験では32℃、90%相対湿度、4週間放
置の条件下でほとんどのサンプルにおいて目立った変色
は発生しなかった。
た植物油の割合が少なかった。即ちRSO:EHC混合
割合1:3の溶剤組成物を調製した。調製方法は実施例
2に従った。ただし、100 %RSO対照組成物は用いな
かった。
得るための粉砕時間は40分であった。“過大”小滴サイ
ズの割合は2.5 %であった。IQD値は1.69であった。
これらの値は先行実施例の場合とほぼ同一であり、得ら
れた効果も同一であった。カレンダー印刷強度試験の結
果を表5に示す。
用いた記録紙から得られた数値とほとんど同一であっ
た。ラムテストによる変色度合もほぼ同様であった。さ
らにまた、印刷後の記録紙の目による観察結果もほぼ同
様であった。
油(GNO)、ココナッツ油(CNO)、綿実油(CS
O)と2つのエステル即ちEHEHとMISからなって
いた。本実施例の方法は下記の事柄を除いては実施例1
に従った。 a)試験室スケールで行った。 b)用いた発色性物質はCVL緑フルオラン、黒フルオラ
ン及び赤ビス−インドリル フタリドの合計濃度5%の
混合物であった。 c)マイクロカプセルの早期破壊防止助材は麦澱粉粒子と
粉砕セルローズ繊維フロックとの混合物であった。
エート)である。これは本発明において使用する範囲に
は入らないが、3官能エステルであるので植物油/脂肪
酸エステル溶剤組成物に加えた場合の作用を評価するた
めに含めたものである。 2.RSO:EHC組成物は先行実施例において既に記
載したものであるので、植物油/エステル組成物の効果
を評価する一助のために含めた。
砕時間に関するデータは用いた粉砕装置の故障のため得
られなかった。
なる組成物に比べIQD及び“過大”小滴サイズのいず
れにも低い値を示した。
値)の結果を表6bに示す。
のみのサンプルに比べ印刷強度に優れていることが明ら
かである。ただし、この場合RSO/GTEH組成物は
例外である。ラムテストにおいてラムによる圧縮前後の
サンプルのリフレクタンスの測定をElrepho リフレクタ
ンス試験器を用いて行った。用いた光波長は600 nmで
あった。このテストの結果を表6cに示す。
ないが、これは実施例4の場合に比べリフレクタンスの
差が比較的小さいことによるものと思われる。加速耐老
化テストを32℃、90% 相対湿度で1週間行った結果GN
O/EHEHサンプルが最も少ない変色を示した。次に
変色の少ないサンプルはRSO/EHC、次は100 %R
SOそして100 %GNOであった。残りのサンプルは全
て同程度の変色を呈した。さらに60℃で3週間試験を行
ったところ全ての植物油/エステル混合物サンプルは10
0 %植物油サンプルに比べ変色が少なかった。ただし、
100 %CNOサンプルは試験を行ったサンプルの中で最
も良好であったことを除く。
も良好な結果を示し続いて植物油/エステル混合物サン
プルが良好であり、次には残りの100 %植物油サンプル
が良好であった。RSO/GTEHサンプルは植物油/
エステル混合物サンプルの中で最悪のものであった。
ッツ油サンプルが際立って良好であるのはおそらくココ
ナッツ油が周囲温度で固化し流れにくくなり、その結果
発生する変色も少なくなることが理由に挙げられる。
カルビノール又はカルビノール誘導体発色性物質を用い
た例を示す。
合であった。対照成分として100 %RSOを用いた。発
色性物質は次の化学式で表わされる。
特許出願第303942A 号記載の実施例2)
量(2%以下)のジアルキルナフタレンが不純物として
存在した。粉砕時間と小滴サイズ試験結果を表7に示
す。
IQD及び“過大”小滴サイズ試験結果が極めて良好で
あった。
イドとのコアセルベート法によるカプセル化の代わりに
アミノプラスト予備縮合物をインサイチュ重合法による
マイクロカプセルを形成する場合を示す。このアミノプ
ラストカプセル化法は米国特許第4105823号に詳
細に記載されている。
50の割合で混合したものを用いた。同時に対照例として
100 %RSO溶剤組成物を用いて実験を行った。42重量
%のアクリル酸を有するアクリル酸/アクリルアミド共
重合体(英国ブラットフォードのAllied Colloids Limi
ted 社製の“R144”)の20%固形分の水性分散液247 g
に1.011 gの水を加えた。得られた混合物を湯浴中50℃
に保った。次に固形分20%の尿素−フォルムアルデヒド
プリコンデンセイト(英国ワーレイ所在のBritish Indu
strial Plastics Limited 社製の“BC777 ”)65gを加
えた。得られた混合物は40分間湯浴に放置した。243 g
の水を加えさらに1232mlの発色性物質溶液(実施例6
のものと同じ)を加えた。得られたエマルジョンを先行
実施例で説明した通り粉砕した。小滴サイズは約5μm
であった。粉砕時間と小滴サイズ試験の結果を表8に示
す。
溶剤組成物は対照組成物に比べZQD及び“過大”小滴
サイズの値において優れていた。
Claims (10)
- 【請求項1】 植物油と少くとも3個の炭素原子をもつ
飽和又は不飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素を有する一定量
の非芳香族モノカルボン酸の一官能又は二官能エステル
とからなる感圧複写紙用溶剤組成物。 - 【請求項2】 前記エステルが脂肪酸エステル又は合成
脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1記載の
溶剤組成物。 - 【請求項3】 前記エステルが2−エチルヘキシルココ
エート又はイソプロピルミリスケン酸エステルであるこ
とを特徴とする請求項2記載の溶剤組成物。 - 【請求項4】 前記エステルが天然脂質又は合成脂質で
あることを特徴とする請求項1記載の溶剤組成物。 - 【請求項5】 前記エステルが2−エチルヘキシル−2
−エチルヘキサノエートであることを特徴とする請求項
4記載の溶剤組成物。 - 【請求項6】 前記植物油がナタネ油、大豆油、ひまわ
り油又はトウモロコシ油であることを特徴とする前記請
求項いずれか1項記載の溶剤組成物。 - 【請求項7】 前記組成物が実質的に全部が植物油と前
記一官能又は二官能エステルとからなることを特徴とす
る前記請求項いずれか1項記載の溶剤組成物。 - 【請求項8】 前記植物油:エステルの重量比が1:3
乃至3:1の範囲にあることを特徴とする請求項7記載
の溶剤組成物。 - 【請求項9】 前記植物油がナタネ油であり且つ前記エ
ステルが2−エチルヘキシルココエートであることを特
徴とする請求項7又は8記載の溶剤組成物。 - 【請求項10】 前記請求項いずれか1項記載の溶剤組
成物からなる感圧複写紙。
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