JPH05186395A - 感圧複写紙用溶剤組成物 - Google Patents
感圧複写紙用溶剤組成物Info
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- JPH05186395A JPH05186395A JP4184395A JP18439592A JPH05186395A JP H05186395 A JPH05186395 A JP H05186395A JP 4184395 A JP4184395 A JP 4184395A JP 18439592 A JP18439592 A JP 18439592A JP H05186395 A JPH05186395 A JP H05186395A
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Abstract
に発生する変色を防止し、同時に印刷強度(像の鮮明
度)を向上すること。 【構成】 感圧性複写紙に用いる発色剤の溶剤として植
物油と非芳香族モノカルボン酸の一官能又は二官能エス
テルとからなる混合物を用いる。
Description
て知られる感圧性複写紙用溶剤組成物に関する。
発色剤物質(色素形成体と呼ばれることもある)の無色
溶液と接触して、色を発現させる組成物である。感圧性
記録材料のセットには、いろいろのタイプがある。転移
型(トランスファー型)として知られる最も普通のもの
は、少くとも一種の発色物質を油性溶媒に溶かした溶液
を含有するマイクロカプセルをシートの下面に塗布した
上用シート(以下、これをCBと略称する)と、シート
の上面を顕色剤組成物で塗布した下用シート(以下、こ
れをCFと略称する)とからなる。一枚以上の複写を得
たい場合には、1枚又はそれ以上の中用シート(以下、
これをCFBと略称する)が用意されるが、このものは
下面がマイクロカプセルによって、上面が顕色剤組成物
によって塗布されている。筆記、印刷その他の画像圧力
がシートに加えられると、マイクロカプセルが破壊し
て、発色剤物質が顕色剤組成物上に放出され、発色剤物
質の色を現像させる化学反応が生起して色を発現する。
発色物質の溶液は、また前記以外の方法で連続した圧力
破壊マトリックスに分散した小滴として存在することも
ある。感圧性記録材の他のタイプは自己保有型又は自己
発色型として知られるものでマイクロカプセルと顕色剤
をシートの同一面に塗布しこの塗布シートに別のシート
を重ねてこれに筆記又はタイプすることによりマイクロ
カプセルが破壊し発色物質溶液を放出し、顕色剤と反応
して発色像を形成する。
石油化学工業の製品として例えば一部水素化ターフェニ
ル、アルオルナフタレン、ジアリルメタン誘導体、ジベ
ルチルベンゼン誘導体、塩素化パラフィン等がよく知ら
れている。これらの所謂地塗用剤は通常灯油等の安い稀
釈剤又はエクステンダと混合して用いるがこれらの稀釈
剤は溶解能力に劣るが経済的な溶剤組成物として重用さ
れている。前記石油化学系溶剤組成物の代りに感圧複写
紙用溶剤として植物油が知られている。しかしながら知
る限りではこれらの植物油を感圧性複写紙に用いること
は殆どなかった。かつて例えば米国特許第2712507 号、
同第2730457 号、同第3016308 号に開示されている如く
植物油の溶剤を用いる試みがなされただけである。
許第1526353 号にはそれぞれ芳香族炭化水素と脂肪酸ジ
エステルとのブレンドからなる感圧複写紙用溶剤組成物
が開示されている。このヨーロッパ特許出願とは前記ブ
レンドが不活性稀釈剤を含む場合もあることが記載され
ている。しかしながらキャスター油、大豆油、コーン油
等の植物油を用いる例が示されているが、実際に植物油
を含む溶剤組成物の具体的実施例は開示されていない。
例えばジグチルフタレイトの様なフタル酸塩あるいはマ
レイン酸塩のようなエステルを感圧性複写紙の溶剤又は
顔料懸濁媒体として用いることが米国特許第3016308 号
に記載の通り提案された。
の使用について例えばヨーロッパ特許出願第86636A号
(4ページ参照)及び同第155593A 号(11ページ参照)
さらには同第234394A 号に開示されている。これら先行
文献は植物油溶剤についてはついでに記載したに過ぎ
ず、溶剤組成物については全く要旨としたものではな
い。植物油溶剤についてはさらにヨーロッパ特許出願第
262569A 号にも記載されているがこの場合は特に感圧複
写紙に用いられる動物性あるいは鉱物性溶剤と並んで植
物性溶剤についても記載したものである。前記ヨーロッ
パ特許出願第262569A 号の記載に従えばトリフェニルメ
タンロイコ染料発色性物質を植物性動物性あるいは鉱物
性溶剤に対して用いることが要件になっている。このロ
イコ染料は好ましくはカルビノール又はカルビノールの
C1 からC4 のアルコクシ誘導体である。このようなカ
ルビノール又はその誘導体は代表的に例えばクリスタル
バイオレット ラクトン(CVL)として知られるフ
タリド発色性物質とか当業界で広く発色剤として用いら
れてきたフルオラン発色性物質とは異なる性質を有す
る。カルビノール又はその誘導体からなる発色性物質は
いまだ確立されたものではなく既に確立された前記フタ
リド及びフローラン発色性物質に代って植物油溶剤に対
して用いることはその効果がいまだ未確認である。従っ
て植物用溶剤は既に確立されたフタリド及びフローラン
型発色性物質に用いれば、良好な結果が得られるという
前提のもとに評価が進められた。前記フタリド及びフロ
ーラン型発色物質を植物油製溶剤と用いても溶解性ある
いは発色能力に関して何ら問題がないことが判明した。
しかしながら実際には次のような問題点と遭遇した。
させなければならない。その時の乳化小滴の大きさは最
終的に得られるマイクロカプセルの大きさを決定する重
要な要因である。乳化小滴の大きささらにはマイクロカ
プセルの大きさに大きな変化があると特に大きすぎるマ
イクロカプセルの場合好ましくない。大きすぎるマイク
ロカプセルは破損したり偶発的に破壊しやすくさらには
比較的小さなカプセルに較べて浸透性が高いのでマイク
ロカプセルの壁から滲み出やすくなるので好ましくな
い。その結果、塗装装置から巻き上げられるCFBシー
トはそのシートは隣接するCB、CFシートが互いに接
触してCFBシートに変色を生じさせる。その変色は点
在して製品としての感圧複写紙セットに表れることがあ
る。この場合球型の小滴に溶解された発色製物質の容積
は該小滴の半径の3乗に比例し比較的わずかでも小滴の
大きさが過大である場合最終製品に大きな影響を与える
ことを銘記しなければならない。従って、小滴の大きさ
の分布が広い場合は印刷後の発色問題を悪化する原因に
なる。2.印刷後の変色 CBあるいはCFB記録紙を業務用様式セットの製造に
当たり印刷工程にかけるとマイクロカプセルがわずかに
破損し、発色性物質の溶液が放出し色斑点のような変色
が生じることがある。これを印刷後の変色又は変色後の
黒又は青の発色として知られる。3.保管時の変色 CFB記録紙はしばしば使用以前に保管中徐々に変色す
ることがある。その原因はマイクロカプセル塗料中に非
カプセル化発色性物質の存在とかマイクロカプセルの壁
を通して発色性物質溶液が徐々に浸透するとかさらには
巻き取りリールの張力及び積み重ねられた記録紙の重さ
によりカプセルが偶発的に破損する等によるものであ
る。いずれの場合でも遊離状態にある発色性物質溶液は
潜在的に紙を通して上面の顕色剤塗料と接触しその結果
概して灰色の発色を偶発的に生じせしめる。これは一般
に保管時の変色と呼ばれる。
溶剤をある種の有機酸の1官能性又は2官能性エステル
に対して用いることにより解決されさらに複写強度も向
上されることも判明した。
炭素原子をもつ飽和又は不飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素
を有する一定量の非芳香族モノ−カルボン酸の1官能又
は2官能エステルとからなる感圧性複写紙用溶剤組成物
を提供することにある。この場合前記3つの炭素原子の
他にカルボキシル炭素原子が存在する。このカルボキシ
ル基は好ましくは末端カルボキシル基である。
破壊障害壁内に単離された小滴の状態で存在する溶剤組
成物からなる感圧性複写紙に関するものである。
のを用いることができる。ナタネ油、ヒマワリ油、大豆
油、トウモロコシ油、ココナッツ油、パーム種油、オリ
ーブ油、イモ油、ゴマ油、綿種油、ベニバナ油、アマニ
油、ヒマシ油、ババス油、キリ油、ホホバ油、オイチシ
カ油等が例示される。これらの油のあるものは常温で固
体、半固体があるがエステルとともに用いて加工可能の
粘度の液体混合物を形成できるから問題ではない。
ついてはJohn Willy & Sons(Willy-Interscience) 社発
行の第3版“Kirk-Othmer Encyclopedia of ChemicalTe
chnology ”の第23巻と第9巻に記載されている。
物又は植物油から得られる酸のエステル等の脂肪酸エス
テルが好ましい。以下これを脂肪酸エステルと総称す
る。脂肪酸という表現は必ずしも統一して技術文献には
定義されていないが、本明細書ではVan Nostrand Reinh
old 社出版の“Hawley's Condensed ChemicalDictionar
y”第11版の定義に従うものである。脂肪酸とは一個の
末端カルボキシル基をもつ飽和又は不飽和直鎖又は分枝
鎖炭化水素からなり、この場合カルボキシル基を含む炭
素原子の総数は一般に4〜22の偶数である。ここで言
う、脂肪酸エステルとは例えばミリスチン酸、カプリン
酸、カプリル酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パ
ルミチン酸、ラウリン酸等の直鎖又は分枝鎖脂肪族、あ
るいはオレイン酸の如き不飽和脂肪酸あるいはココナッ
ツ油を加水分解して得られる脂肪酸混合物等の混合組成
からなる酸である。ココナッツ酸の構成脂肪酸は主にラ
ウリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及
びオレイン酸等の6乃至18の炭素原子からなる鎖長を有
するものである。ココナッツ酸のエステルを以下ココエ
イトと称する(ココナテイトという用語を用いる場合も
ある)。ただしココエイトとはココア油又はココアバタ
ーに存在する酸とは関係はない。
は他のエステル、エステル残基は広く変化するものであ
る。例えばメチル基等の1個の酸素原子のみ有するもの
とか、イソプロピル、オクチル又は2−エチルヘキシル
基等の数個の炭素原子を有するものもある。このような
エステル残基は1官能である。好ましい2−官能エステ
ル残基の例はプロピレングリシル(プロピレングリシル
から得られるエステル残基)である。グリセリルエスタ
等の3−官能エステルを使用しても同様な効果が得られ
ないことが判った。これはおそらくその様なエステルが
天然トリ−グリセリドと化学的に類似し、植物油とグリ
セリルエスタの混合物は単に植物油同士のブレンドと同
様な作用を営むからと思われる。
ルの多くは市販されていて種々の工業的応用範囲を有す
るが典型的な例としてそれらは化粧品等に利用されてい
る。これらのエステルは粗植物油を精製又は蒸留するこ
とにより得られる脂肪酸を適当なアルコールでエステル
化することにより製せられる。これらのアルコールは広
く知られたものである。
の好ましい具体例は次の通りである。 a)2−エチルヘキシルココエイト(EHC) b)イソプロピルミリスチン酸塩(IPM) c)メチルオレイン酸塩(MO) d)プロピレングリコールジカプリ酸塩/カプリレイト
(PGCC) e)メチルイソステアリン酸塩(MIS) 注: 1.メチルオレイン酸(MO)には主成分として(73
%)がメチルオレイン酸でありメチルリノール酸塩(9
%)メチルパーミトオレイン酸(5%)及びメチルリノ
レン酸塩(2%)等の不飽和物質と4〜18の酸残基炭素
原子(10%)を有する種々の飽和メチルモノエステル等
を含むものである。 2.PGCCはカプリル酸(59%)とカプリン酸(36
%)を有し、さらに主にラウリン酸(5%)等の他の酸
残基をわずかに含む。
hema International of Gouda 社により製造され市販さ
れるものである。上記のエステルの中で特にEHCとI
PMが好ましい。一般に本発明溶剤組成物に用いる脂肪
酸エステルの酸残基は天然油から得られるが、この天然
油から得られる脂肪酸以外の脂肪酸も本発明において用
いることができる。そのような脂肪酸を合成脂肪酸エス
テルと呼ぶ。脂肪酸エステル又は合成脂肪酸エステルの
他には天然リピドに含まれる類似のエステルを用いるこ
とができる。後者のエステルの例としてはワックスエス
テルとして知られる一般に脂肪族カルボキシル酸及び脂
肪族アルコール等のアルキル分枝型エステルである。こ
れらのエステルは例えば鳥の分泌物とか動物の皮膚(例
えば人間皮膚)及びイースト菌、フンジ等の微生物に含
まれている。このように自然発生的に得られるものの他
に非天然アルコール及び酸物質から合成されるものもあ
る。その例は2−エチルヘクシル−2−エクサノエイト
(EHEH)であり、本発明においても用いることがで
きる。このような天然ワックスエステルについての詳細
は1976年Elsevier社発行のPE.Kollattukudy 著 “Ch
emistry and Biochemistry of Natural Waxes ”に記載
されている。ここに例示した全ての1官能2官能エステ
ルは本発明において原則として用いることができるが実
際にはそのうちあるものは好ましくない性状あるいは副
作用を有するものがある。好ましいエステルは例えば植
物油と混合した場合適当な粘度を呈する必要がある。あ
る種のエステルは実験によると不純物に原因して悪臭を
放つので好ましくない。さらに実験によりポリエチレン
グレコールココエイトの如きある種の脂肪酸エステルは
減感作用を有し発色効果を妨げたりあるいは減少させた
りすることが判明した。これは感圧性複写紙の減感剤と
して知られるポリエチレングレコール等の不純物の存在
によるものである。従って本発明の実施にあたっては前
記したような欠点があるかどうかを予めエステルの選択
にあたって注意しなければならない。その選択にあたっ
ての注意は簡単な試験により行うことができるのでここ
に詳細は省く。好ましくない不純物により生ずる種々の
問題は改良された精製技術により解決することができる
のは当然である。
ルの相対比は広範に亘って変えることができるが、エス
テルの使用により得られる利点は植物油のコストと比較
検討する必要がある。一般に植物油溶剤は石油化学系溶
剤に比べ非常に安価に手に入るので、エステルの比較的
高いコストの不利な点を相当軽減することができる。さ
らにエステルは一般に感圧性複写紙に用いられる発色性
物質に対して溶解能力が比較的低いので当然エステルの
使用量も限定される。上述の種々の要因を考慮した上
で、植物油:エステルの重量比が1:3〜3:1の範囲
にあることが好ましいことが判明した。本発明溶剤組成
物は実質的に全て植物油と例記したエステルから構成さ
れる。
他に他の添加物例えば酸化防止剤を用いて酸化により植
物油が劣化するのを防ぐようにすることも好ましい。溶
解した発色性物質を含む本発明溶剤組成物はカプセル化
して従来の方法により用いる。マイクロカプセルは米国
特許第2800457 号、同第2800458 号、同第3041289 号に
記載の如く、1又は1以上のポリマーとゼラチンをコア
セルベート法により製せられることができる。又は米国
特許第4001140 号、同第4100103 号、同第4105823 号、
同第4396670 号に記載の如くポリマー先駆物質をインジ
ク重合法によっても製せられることもできる。
は3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−
ジメチルアミノフタリドCCVL)及び3,3−ビス
(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フ
タリドなどのフタリド誘導体、2´アニリノ−6´−ジ
エチルアミノ−3´−メチルフルオラン、6´−ジエチ
ルアミノ−2´−(N−エチル−N−フェニールアミノ
−4´−メチルフルオラン)、2´−N−メチル−N−
フェニルアミノフルオラン−6´−N−エチル−N(4
−メチルフェニル−アミノフルオラン)又は3´−クロ
ロ−6´−シクロヘクシルアミノフルオラン等のフルオ
ラン誘導体、3´−i−プロピル−7−ジベンジルアミ
ノ−2,2´−スピロビ−(2H−1−ベンゾピラン)
等のスピロビピラン誘導体である。ヨーロッパ特許出願
第262569A 号に記載のトリフェニルメチル系発色製物質
も用いることができる。
と澱粉又は澱粉とカルボキシメチルセルローズの混合物
等の適当な結合剤を用いて塗料組成物に調製される。さ
らに、その場合粒子化助材(スチルト材)を添加しこれ
により偶発的なマイクロカプセルの破壊を防ぐことも好
ましい。このスチルト材の例として麦澱粉粒子又は粉砕
セルローズ繊維フロックあるいはこれらの混合物が挙げ
られる。得られる塗料組成物は従来の例えば測量ロール
塗布又はエアーナイフ塗布技術を用いて紙に塗布され
る。
により周知であるのでここにその詳細は省く。
厚さと坪量はそれぞれ周知の通り60〜90ミクロン及び35
〜50gm-2あるいはそれ以上である。この坪量は使用す
る紙がCBかあるいはCFBシートに用いるかによって
変わる。高い坪量のものは通常特殊CB記録紙にのみ用
いられる。
53761 号に記載の酸性クレイ、米国特許第367935号、同
第4612254 号に記載のフェノール樹脂あるいは米国特許
第3024927 号、ヨーロッパ特許出願第275107A 号、同第
428994A 号又はドイツ特許出願第4110354A号に記載の有
機酸又は有機酸の金属塩等が用いられる。
るが、表示の数値は特記しないかぎり全て重量で表した
ものである。
シルココエイト(EHC)を3:1及び1:1の割合で
含む溶剤組成物を用いた。一方、100 %ナタネ油溶剤組
成物を比較のため対照として用いた。
プセル用溶液を調製した。これらの発色性物質は周知の
ものであり、例えばCVL、緑発生フルオラン、オレン
ジ色発生フルオランに少量の青色発生スピロビピラン及
び赤色発生ビス−インドリルフタリドを加えたものを用
いた。これらの相対使用量は周知の如く黒色印刷が得ら
れるように選ばれた。RSO/EHC組成物の場合の総
発色剤の濃度は5%であり、100 %RSO組成物の場合
は6.4 %であった。
ゼラチンコアセルベート法によりパイロットプラントス
ケールでカプセル化した。この方法は英国特許第870476
号に記載の通りカルボキシメチルセルローズとビニルメ
チルエステル/無水マレイン酸共重合体をアニオンコロ
イドとして用いたものである。カプセル化の最初の工程
で発色性溶液はゼラチン溶液内に撹拌下に分散した。得
られた分散液を3.2 ±0.2 μm(Coulter カウンターに
より測定)の範囲に入る所定の小滴サイズに粉砕した。
粉砕時間は3:1及び1:1RSO:EHC組成物に対
してそれぞれ45分及び49分であった。一方、100 %RS
O組成物に対しては60分であった。このようにEHCを
用いることにより粉砕時間に相当な軽減が図れた。Coul
ter カウンターを用いて小滴を異なる大きさの範囲で測
定したので小滴サイズの分布を得ることができた。これ
により6.35μm以上の大きさの小滴即ち“過大”小滴の
割合は3:1RSO:EHC組成物については2.9 %、
1:1RSO/EHC組成物については1.8 %及び100
%RSO組成物については3.5 %であった。このように
EHCを加えることにより効果が見られた。
点間距離測定方法)によっても測定した。IQDは小滴
サイズ分布の広がりを意味し4分位間小滴サイズの上限
下限の差を示す。このIQDの値が小であればある程小
滴サイズ分布は狭く(即ち良い)なる。3:1RSO:
EHC組成物に対するIQD値は1.89μm、1:1RS
O:EHCに対しては1.73μm、100 %RSO組成物に
対しては1.99μmであった。
了し、この場合分散液を水で稀釈したのちビニルメチル
エーテル/無水マレイン酸共重合体溶液を加えた。50〜
55℃に加熱した後、カルボキシメチルセルローズ溶液を
加えた。酢酸を加えてpHを約4.2 に調製しコアセルベ
ーションを生じさせた。乳化油小滴の周りにコアセルベ
ートが付着し液体壁マイクロカプセルを形成した。混合
物を約10℃に冷却し、液体コアセルベート壁を固化した
のち硬化剤(グルタアルデヒト)を加えて、該壁を架橋
(温度上昇時の再溶解)を防いだ。次にビニルエチルメ
ーテル/無水マレイン酸共重合体をさらに加えた。得ら
れたマイクロカプセル分散液のpHを水酸化ナトリウム
溶液を加えて7に調整した。
ーズ繊維フロックをマイクロカプセルの早期破壊を防ぐ
ために加えて従来のCB塗料組成物を調製した。このC
B塗料組成物をパイロットスケールのロールコーターを
用いて市販の46gm2 CFシートの面に塗布した。塗布
量(乾式)は3.7 〜7.4 gm2 の範囲である。CFシー
トには顕色剤として酸洗浄ジオクタヘドラルモントモリ
ナイトクレーを用いた。
布した紙(CB紙)を本実施例で製作された被塗布紙試
片に重ね合せ、これを試験室カレンダーに通しカプセル
を破壊し、その結果試片上に色を発生させ、該試片
(I)のリフレクタンスを測定することにある。測定結
果(I/Io)を未使用対照試片(Io)のリフレクタ
ンスの百分率で表わす。カレンダー印刷強度値(I/I
o)は低いほど顕色強度が高い。リフレクタンス測定は
カレンダー掛け後それぞれ2分後と48時間後に行った。
その間試片は暗室に放置した。カレンダー印刷強度値は
いずれの場合もマイクロカプセル塗布紙の顕色能力を表
わすものである。 2.印刷後の変色 i.ラムテスト この試験は先に述べたように印刷後の変色効果をシュミ
レートするために行う。20枚のCFBシートを重ね合せ
た各サンプルを油圧ラムの下側に置き、1724KPa(250P.
S.i) ラム圧力を30分間加えた。その結果生じる変色の
度合を可視的に評価した。 ii. 印刷後の可視試験 これは説明を要さない。 3.保管時の変色試験 i.接触保管 20枚のCFBシートを重ね合わせた各サンプルをCF面
を全て上向きにし2kgの荷重下に40℃のオーブンに入
れ3週間放置した。同じ様な試験を60℃3週間の条件で
行った。その結果のCF面に生じる変色を可視的に評価
した。 ii. 加速耐老化性試験 各サンプルのCFBシートを下記の条件でオーブンに放
置した。これらの条件は保管時に変色が激しい例えば高
温気象の使用地域に長期に亘って貯蔵された場合の変化
をシュミレートするのに適切である。放置条件 a)150 ℃、45分 b)32℃、90%相対湿度、3日間 c)32℃、90%相対湿度、3週間 d)40℃、3週間 e)60℃、3週間 CF面の変色は度合を目で観察評価した。カレンダー印
刷強度試験の結果を表1に示す。
であるが、溶解した発色剤の濃度が低いにかかわらず一
般にRSO:EHC組成物のカレンダー印刷強度試験結
果は100 %RSO組成物と変わりはない。このことはE
HCを用いても複写性能には影響なく実際はむしろ複写
強度を改良することができる。
場合の変色レベルはEHCを含む他の組成物のそれより
高いことが判明した。1:1RSO:EHCの組成物の
変色は、3:1RSO:EHC組成物に比べて低かっ
た。この結果はMuller-Martini4色プレスで印刷した各
CFB試験紙を5500mリールに巻いたものを検査するこ
とによって確認された。この検査は印刷後、それぞれ1
週間と4週間後に行われた。このように実際に印刷して
試験を行った結果がラムテスト結果とほぼ一致するとい
うことはラムテストが印刷後の変色度合を示す良い指標
になることが判った。1:1RSO:EHC組成物の変
色度合は3:1RSO:EHC組成物より低かった。
用いた。同時に使用した100 %RSO対照組成物は本発
明の溶剤組成物に含まれた同じ濃度(5.0 %)の発色剤
を含有した。この実施例の方法は実施例1と次の点を除
いては同じである。即ち、用いた結合材はゼラチン化澱
粉とカルボキシルメチルセルローズの混合物であり早期
マイクロカプセル破壊を防ぐために用いた助材は麦澱粉
粒子と粉砕セルローズ繊維フロック混合物であった。粉
砕時間と小滴サイズの試験結果は表2aに示す。
大”小滴サイズの値にわずかな改良が表れたことであ
る。カレンダー印刷強度試験の結果を表2bに示す。
により印刷強度に大きな改良が見られた。
EHC CBシートサンプルと4.9gm2 塗布量100 %
RSO CBシートサンプルに対して行った。試験結果
によると変色率はRSO/EHC組成物の方が発色剤の
塗布量が少ないにもかかわらず100 %RSO組成物の方
が高かった。この結果は実際に印刷して目で観察しても
確認された。この印刷による視覚的試験による変色度合
はラムテストの場合よりより顕著であった。上記接触保
管試験及び加速耐老化試験において変色の度合が全ての
条件下で100 %RSO組成物に比べEHC含有組成物の
方が低いことが判明した。
成物即ち2:3RSO:EHC組成物(40%RSO)を
用いた。対照溶剤組成物100 %RSOであった。異なっ
た型の粉砕装置を用いた点と最終塗料組成物を実施例2
に従って調製した点を除けば実施例1に記載の方法で行
った。総発色性物質の濃度はいずれの場合も6.4 %であ
った。粉砕時間と小滴サイズの試験の結果を表3aに示
す。
大”小滴サイズの値に顕著な効果として表われた。特に
本実施例で記録された粉砕時間の比較的長いことは使用
した粉砕装置が異なったことが原因と考えられる。カレ
ンダー印刷強度試験の結果を表3bに示す。
せた結果、印刷強度にもわずかに改良が見られた。
EHC CBシートサンプルと5.2gm2 塗布量100 %
RSO CBシートサンプルに対して行った。試験結果
によると変色率はRSO/EHC組成物の方が発色剤の
塗布量が少ないにもかかわらず100 %RSO組成物の方
が高かった。この結果は実際に印刷して目で観察しても
確認された。実施例2と同様、この印刷による視覚的試
験による変色度合はラムテストの場合よりより顕著であ
った。
SOサンプルより少なかったことが判明した。接触保管
テストの結果においてESO/EHCのサンプルの変色
は100 %RSOサンプルより少なかった。
ステルを用いた。カプセル化工程を試験室スケールで行
ったことより小さい型のパイロットプラント用コーター
(Dixon パイロット プラント コーター)を用いたこ
とを除いては実施例1の方法に従った。試験作業が比較
的小スケールで行った結果、長尺のリールを必要とする
印刷テストは行わず従って印刷後の変色はラムテストに
よって評価した。用いた植物油はナタネ油(RSO)、
ヒマワリ油(SFO)、大豆油(SBO)及びトウモロ
コシ油(CO)であった。
ルココエイト(EHC)、イソプロピルミリスチン酸塩
(IPM)、メチルオレイン酸塩(MO)、グリセリル
トリカプリレート カプレート(GTCC)及びポリプ
ロピレングリコールジカプリレート/カプレイト(PG
CC)であった。MO及びPGCCの組成については既
に上記した通りである。GTCCは酸残基としてカプリ
ル酸とカプリン酸(それぞれ61%及び19%)を有する
が、他の残基としてラウリン酸(9%)、ミリスチン酸
(6%)及び酪酸及びカプロン酸(合計2%)を含んで
いた。GTCCは3官能エステルでその用途は本発明に
従うものではない。
記載したものを選び、次の通りであった。 a)1:1 RSO:IPM b)1:1 RSO:MO c)1:1 RSO:GTCC d)1:1 RSO:PGCC e)1:1 SBO:EHC f)1:1 SFO:EHC g)1:1 CO :EHC h)100 %RSO(対照) i)100 %SFO(対照) j)100 %SBO(対照) k)100 %CO (対照) 溶解発色性物質の濃度(5%)の混合物は実施例2に示
すRSO/EHC溶剤組成物と同じである。カプセル化
工程も実施例1に示した通りであるが、パイロットラン
プスケールの代わりに試験室スケールで行った。マイク
ロカプセルは実施例1に記載の方法で調整されCFシー
トに塗布した。ただし用いた結合材はゼラチン化澱粉と
カルボキシメチルセルローズの混合物であり、また早期
マイクロカプセル破壊を防止するのに用いた助材は麦澱
粉粒子と粉砕セルローズ繊維フロックの混合物であっ
た。
だし、印刷試験は行われなかった。小滴サイズ試験の結
果を表4aに示す。
物油のみを使用した場合に比べほとんどの試験において
良い結果が得られた。100 %のRSOの場合はIQDが
極めて低く、“過大”小滴サイズの分布も非常に悪くさ
らにまた、脂肪酸エステルを加えた場合より粉砕時間が
長かった。RSOとGTCCの混合物の場合は比較的短
い粉砕時間を要したが、IQD値は植物油のみの場合の
最高IQD値とほぼ同じであった。“過大”小滴サイズ
の値はモノ−及びジ−エステル混合体より高かった。
示す。マイクロカプセルの塗布量は測定しなかったが、
これは同様な塗布装置と同様な紙を用いたのでほとんど
変化がないと推定される。
成物を用いたほとんどの場合100 %植物油組成物に比べ
てより鮮明であったが、RSO/GTCC及びRSO/
PGCCの場合は発色像はさらに不鮮明であった。48時
間の顕色後の発色像も本発明の組成物の場合は極めて良
好であったが、RSO/GTCC及びRSO/PGCC
組成物の場合は100 %植物油組成物の場合とほとんど同
じであった。RSO/PGCC組成物を用いた場合の発
色像が比較的不良である理由は前述した通り感減不純物
がわずかに存在するためと考えられる。
生した変色度合は100 %植物油サンプルの方が植物油−
脂肪酸エステル組成物の場合より大きかった。ただしヒ
マワリ油を用いた組成物の場合は変色はそれほど多くな
かった。RSO/PGCC及びRSO/GTCC組成物
の場合の変色度合は植物油のみの場合と植物油−1官能
エステルの場合のほぼ中間の値を示した。接触保管テス
トにおいて、100 %植物油サンプルの場合植物油/脂肪
酸エステルサンプルの場合に比べ変色度合は大きかっ
た。加速耐老化試験では32℃、90%相対湿度、4週間放
置の条件下でほとんどのサンプルにおいて目立った変色
は発生しなかった。
た植物油の割合が少なかった。即ちRSO:EHC混合
割合1:3の溶剤組成物を調製した。調製方法は実施例
2に従った。ただし、100 %RSO対照組成物は用いな
かった。
得るための粉砕時間は40分であった。“過大”小滴サイ
ズの割合は2.5 %であった。IQD値は1.69であった。
これらの値は先行実施例の場合とほぼ同一であり、得ら
れた効果も同一であった。カレンダー印刷強度試験の結
果を表5に示す。
用いた記録紙から得られた数値とほとんど同一であっ
た。ラムテストによる変色度合もほぼ同様であった。さ
らにまた、印刷後の記録紙の目による観察結果もほぼ同
様であった。
油(GNO)、ココナッツ油(CNO)、綿実油(CS
O)と2つのエステル即ちEHEHとMISからなって
いた。本実施例の方法は下記の事柄を除いては実施例1
に従った。 a)試験室スケールで行った。 b)用いた発色性物質はCVL緑フルオラン、黒フルオラ
ン及び赤ビス−インドリル フタリドの合計濃度5%の
混合物であった。 c)マイクロカプセルの早期破壊防止助材は麦澱粉粒子と
粉砕セルローズ繊維フロックとの混合物であった。
ノエイト)である。これは本発明において使用する範囲
には入らないが、3官能エステルであるので植物油/脂
肪酸エステル溶剤組成物に加えた場合の作用を評価する
ために含めたものである。 2.RSO:EHC組成物は先行実施例において既に記
載したものであるので、植物油/エステル組成物の効果
を評価する一助のために含めた。
砕時間に桿するデーターは用いた粉砕装置の故障のため
得られなかった。
なる組成物に比べIQD及び“過大”小滴サイズのいず
れにも低い値を示した。
値)の結果を表6bに示す。
のみのサンプルに比べ印刷強度に優れていることが明ら
かである。ただし、この場合RSO/GTEH組成物は
例外である。ラムテストにおいてラムによる圧縮前後の
サンプルのリフレクタンスの測定をElrepho リフレクタ
ンス試験器を用いて行った。用いた光波長は600 nmで
あった。このテストの結果を表6cに示す。
ないが、これは実施例4の場合に比べリフレクタンスの
差が比較的小さいことによるものと思われる。加速耐老
化テストを32℃、90% 相対湿度で1週間行った結果GN
O/EHEHサンプルが最も少ない変色を示した。次に
変色の少ないサンプルはRSO/EHC、次は100 %R
SOそして100 %GNOであった。残りのサンプルは全
て同程度の変色を呈した。さらに60℃で3週間試験を行
ったところ全ての植物油/エステル混合物サンプルは10
0 %植物油サンプルに比べ変色が少なかった。ただし、
100 %CNOサンプルは試験を行ったサンプルの中で最
も良好であったことを除く。
も良好な結果を示し続いて植物油/エステル混合物サン
プルが良好であり、次には残りの100 %植物油サンプル
が良好であった。RSO/GTEHサンプルは植物油/
エステル混合物サンプルの中で最悪のものであった。
ッツ油サンプルが際立って良好であるのはおそらくココ
ナッツ油が周囲温度で固化し流れにくくなり、その結果
発生する変色も少なくなることが理由に挙げられる。
カルビソール又はカルビソール誘導体発色性物質を用
いた例を示す。
合であった。対照成分として100 %RSOを用いた。発
色性物質は次の化学式で表わされる。
特許出願第303942A 号記載の実施例2)
量(2%以下)のジアルキルナフタレンが不純物として
存在した。粉砕時間と小滴サイズ試験結果を表7に示
す。
IQD及び“過大”小滴サイズ試験結果が極めて良好で
あった。
ロイドとのコアセルベート法によるカプセル化の代わり
にアミノプラスト プレコンデンセイトをインジコ重合
法によりマイクロカプセルを形成する場合を示す。この
アミノプラストカプセル化方法は米国特許第4165823 号
に詳細に記載されている。
50の割合で混合したものを用いた。同時に対照例として
100 %RSO溶剤組成物を用いて実験を行った。42重量
%のアクリル酸を有するアクリル酸/アクリルアミド共
重合体(英国ブラットフォードのAllied Colloids Limi
ted 社製の“R144”)の20%固形分の水性分散液247 g
に1.011 gの水を加えた。得られた混合物を湯浴中50℃
に保った。次に固形分20%の尿素−フォルムアルデヒド
プリコンデンセイト(英国ワーレイ所在のBritish Indu
strial Plastics Limited 社製の“BC777 ”)65gを加
えた。得られた混合物は40分間湯浴に放置した。243 g
の水を加えさらに1232mlの発色性物質溶液(実施例6
のものと同じ)を加えた。得られたエマルジョンを先行
実施例で説明した通り粉砕した。小滴サイズは約5μm
であった。粉砕時間と小滴サイズ試験の結果を表8に示
す。
溶剤組成物は対照組成物に比べZQD及び“過大”小滴
サイズの値において優れていた。
Claims (10)
- 【請求項1】 植物油と少くとも3個の炭素原子をもつ
飽和又は不飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素を有する一定量
の非芳香族モノカルボン酸の一官能又は二官能エステル
とからなる感圧複写紙用溶剤組成物。 - 【請求項2】 前記エステルが脂肪酸エステル又は合成
脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1記載の
溶剤組成物。 - 【請求項3】 前記エステルが2−エチルヘキシル コ
コエイト又はイソプロピル ミリスケン酸塩であること
を特徴とする請求項2記載の溶剤組成物。 - 【請求項4】 前記エステルが天然リピド又は合成リピ
ドであることを特徴とする請求項1記載の溶剤組成物。 - 【請求項5】 前記エステルが2−エチルヘキシル−2
−エチルヘクサノエイトであることを特徴とする請求項
4記載の溶剤組成物。 - 【請求項6】 前記植物油がナタネ油、大豆油、ひまわ
り油又はトウモロコシ油であることを特徴とする前記請
求項いずれか1項記載の溶剤組成物。 - 【請求項7】 前記組成物が実質的に全部が植物油と前
記一官能又は二官能エステルとからなることを特徴とす
る前記請求項いずれか1項記載の溶剤組成物。 - 【請求項8】 前記植物油:エステルの重量比が1:3
乃至3:1の範囲にあることを特徴とする請求項7記載
の溶剤組成物。 - 【請求項9】 前記植物油がナタネ油であり且つ前記エ
ステルが2−エチルヘキシル ココエイトであることを
特徴とする請求項7又は8記載の溶剤組成物。 - 【請求項10】 前記請求項いずれか1項記載の溶剤組
成物からなる感圧複写紙。
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