JPH061663Y2 - オーガスクリュの垂直保持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ．産業上の利用分野 本考案は、オーガスクリユを垂直に保持する保持具に関
する。

Ｂ．従来の技術 第７図はオーガ装置を取付けた油圧ショベルの側面図で
あり、上部旋回体１には、ブーム２が回動可能に取付け
られ、このブーム２の先端にアーム３が回動可能に取付
けられている。これらのブーム２、アーム３はシリンダ
４，５によりそれぞれ駆動される。アーム３の先端には
オーガ減速機６が取付け吊持され、その下端にオーガス
クリユ７が取付けられる。ここで、オーガ減速機６とオ
ーガスクリユ７によりオーガ装置を構成する。

掘削作業を行うには、オーガ減速機６によりオーガスク
リユ７を回転駆動し、ブーム２、アーム３を例えば軌跡
制御することによりオーガスクリユ７を垂直に降下させ
る。これにより地面に孔が穿設される。

ところで、上述のオーガスクリユ７は、トラック等に積
載して作業現場間を輸送するためその長さが制限され、
したがって１本のオーガスクリユ７による掘削可能深さ
も制限を受ける。オーガスクリユ７による最大掘削可能
深さは、その掘削有効部分の長さＨ_Sに相当する。そこ
で、Ｈ_Sよりも深い孔を掘削するには、一般に継ぎ足し
用のオーガスクリユ８を継ぎ足して行っている。

すなわち、まず、オーガスクリユ７により最大掘削可能
深さＨ_Sの孔を穿設した後、オーガスクリユ７を地中に
残したままオーガ減速機６とオーガスクリユ７とを切り
離す。その後、第８図に示すように、クレーン１０を使
用して継ぎ足し用のオーガスクリユ８を地中に埋ったオ
ーガスクリユ７の上部に連結する。その後、オーガスク
リユ８をクレーンから切離し、油圧ショベルのブーム
２，アーム３を駆動して、アーム２の先端に装着された
オーガ減速機６をオーガスクリユ７に連結されたオーガ
スクリユ８の上部に連結する。連結後、オーガスクリユ
７，８を一体に回転させるとともに、ブーム２，アーム
３を駆動して掘削作業を続ける。これにより、さらに深
い孔が穿設される。

Ｃ．考案が解決しようとする問題点 しかしながら、上述したように、従来方式ではオーガス
クリユ８の継ぎ足し作業にクレーンが不可欠なため、ク
レーンの使用に伴うコストアップ、作業現場の必要面積
の増加等の問題点がある。

本考案の目的は、オーガスクリユの継ぎ足し作業をオー
ガスクリユが装着される掘削用作業機により行えるよう
にしたオーガスクリユの垂直保持具を提供することにあ
る。

Ｄ．問題点を解決するための手段 一実施例を示す第１図により説明すると、本考案に係る
オーガスクリユの垂直保持具は、オーガスクリユ８の下
部連結部８１に形成された凹部８１ａに挿入される突起
部材２１ａが水平基板２０上に設けられ、この突起部材
２１ａにオーガスクリユ８を立設保持するものである。

Ｅ．作用 オーガスクリユ８の下部連結部８１に形成された凹部８
１ａに水平基板２０の突起部材２１ａを挿入することに
より、オーガスクリユ８が立設保持される。このよう
に、継ぎ足し用のオーガスクリユ８を予め水平基板２０
に保持しておけば、継ぎ足し作業を掘削用の作業機で行
えるので、クレーン等を使用する必要がなくなり、作業
コストの低減が図れる。

Ｆ．実施例 第１図〜第５図に基づいて本考案の一実施例を説明す
る。なお、第７図と同様な箇所には同一の符号を付して
説明を省略する。

第１図は本考案に係るオーガスクリユの保持具を示す斜
視図、第２図はオーガスクリユの連結部を示す斜視図で
ある。

水平基板２０のほぼ中央には、突起２１ａを有する突起
部材２１が螺着されている。ここで、水平基板２０と突
起部材２１とにより保持具１００を構成する。一方、継
ぎ足し用オーガスクリユ８の下部連結部８１には、一般
に第２図に示すように凹部８１ａが穿設されているとと
もに、それに直交して一対のピン孔８１ｂが設けられ、
凹部８１ａにオーガスクリユ７の突起状の上部連結部７
２を挿入した後、一対の抜け止めピン３１をピン孔８１
ｂに打ち込むことにより両オーガスクリユ７，８が連結
可能とされている。

水平基板２０にオーガスクリユ８を立設保持させるに
は、突起部材２１の突起２１ａにオーガスクリユ８の下
部連結部８１の凹部８１ａを挿入するだけでよい。これ
によりオーガスクリユ８を垂直状態で保持することがで
きる。突起部材２１は、下部連結部８１の凹部８１ａの
大きさにより、それに対応した突起２１ａを有するもの
と交換可能である。

なお、オーガ減速機６（第３図）の下部連結部６１も、
オーガスクリユ８の下部連結部と同様な構成になってい
る。

以下、この保持具１００を利用した掘削方法の手順につ
いて説明する。

掘削作業の開始に先立って、継ぎ足し用のオーガスクリ
ユ８を予め水平基板２０に立設させておく。第３図に示
すように、油圧ショベルに連結されたオーガスクリユ７
により最大掘削可能深さまで掘削作業を行った後、地中
に埋込まれたオーガスクリユ７とオーガ減速機６とを切
離す。この切離し作業は、人手により抜け止めピン３１
（第２図）を取外して行う。

次いで、第４図に示すように、ブーム２，アーム３を駆
動して、オーガ減速機６を、予め水平基板２０に立設保
持されている継ぎ足し用のオーガスクリユ８と連結す
る。すなわち、オーガスクリユ８の上部連結部８２をオ
ーガ減速機６の下部連結部に挿入する。次いで、作業員
がオーガスクリユ８に登り、連結部６１，８２に抜け止
めピン３１を打ち込む。これにより、オーガ減速機６と
オーガスクリユ８とが連結される。

次に、第５図に示すように再びブーム２，アーム３を駆
動して、連結された継ぎ足し用のオーガスクリユ８と地
中に埋め込まれたオーガスクリユ７とを上述したように
連結する。しかる後、オーガスクリユ７，８を一体に回
転させ、ブーム２，アーム３を例えば軌跡制御して掘削
作業を続行する。これにより、オーガスクリユ７による
最大掘削深さよりも深い孔が穿設される。同様にして、
複数の継ぎ足し用のオーガスクリユ８を予め水平基板２
０に立設しておけば、上述の動作を繰り返すことにより
さらに深い孔の掘削が可能である。

以上のように、継ぎ足し用のオーガスクリユ８を予め水
平基板２０に垂直に保持しておけば、継ぎ足し作業を掘
削用の作業機にて行えるので、クレーン等を使用する必
要がなくなり、作業コストが低減されるとともに、作業
現場の必要面積が小さくてすむ。

また、第６図は、水平基板２０にはしご取付用ブラケッ
ト２２を設けた例を示す。

ブラケット２２にはしご２３を立設し、例えば第４図に
示すように、オーガ減速機６と水平基板２０に立設され
た継ぎ足し用オーガスクリユ８とを連結する際、作業員
は、はしご２３を昇降することにより地上と作業位置と
の間を往復でき、さらに作業位置においてはしご２３を
足場として連結作業を行えるので、安全性が向上する。

なお、輸送上問題なければ、はしご２３とブラケット２
２とを一体化して水平基板２０に取付けてもよい。ま
た、ブラケット２２の形状は第６図に示したものに限定
されず、はしご２３の立設が可能であればどんな形状で
もよい。

Ｇ．考案の効果 本考案によれば、水平基板上に突起部材を設け、この突
起部材にオーガスクリユを立設保持するようにしたの
で、継ぎ足し用のオーガスクリユを予め立設保持させて
おくことにより、オーガスクリユの継ぎ足し作業を掘削
用の作業機で行うことができ、したがって継ぎ足し用の
クレーン等が不要となり、以って作業コストの低減が図
れる。加えて、作業現場の必要面積が少なくてすむ。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の一実施例を示し、第１図はオ
ーガスクリユおよびその保持具を示す斜視図、第２図は
オーガスクリユの連結部を示す斜視図、第３図〜第５図
は掘削作業の手順を説明する図、第６図は変形例を示す
オーガスクリユの保持具の斜視図である。 第７図および第８図は従来例を示し、第７図はオーガ装
置を装着した油圧ショベルの側面図、第８図はオーガス
クリユの継ぎ足し作業を示す図である。 ７：オーガスクリユ ８：継ぎ足し用オーガスクリユ ２０：水平基板 ２１：突起部材 ２１ａ：突起 ８１：下部連結部 ８１ａ：凹部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】オーガスクリユの下部連結部に形成された
   凹部に挿入される突起部材を水平基板上に設け、この突
   起部材にオーガスクリユを垂直に立設保持するようにし
   たことを特徴とするオーガスクリユの垂直保持具。
2. 【請求項２】実用新案登録請求の範囲第１項に記載の保
   持具において、前記突起部材を前記水平基板に脱着可能
   に取付けたことを特徴とするオーガスクリユの垂直保持
   具。