JPS6219705Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建設工事現場や土木工事現場における
鋼矢板圧入の際に使用されるリーダ付杭圧入機に
関する。

従来より上記リーダ付杭圧入機に関しては、地
盤によつて、又鋼矢板の形状、材質その他作業環
境によつても多種類のものが使用され、同時に性
能面、作業性の面においても改良が重ねられてき
た。しかし、作業環境の多様化に伴ない、これら
基礎工事の作業に要求される内容は厳しいものに
なつており、とりわけ公害防止の面から無振動、
無騒音又性能的には迅速、正確な作業を成しうる
杭圧入機が要求されるに至つているのが現状であ
る。このような状況にあつて、例えばこれまで硬
質地盤や砂質地盤における作業において、スクリ
ユーを使用せず直接地盤に鋼矢板を圧入する装置
の場合に於いては、騒音は高く、しかも性能上も
十分な圧入力が得られないことが多々あつた。更
に、作業現場の上方空間部に障害物があるか若し
くは障害物が周囲に近接しているような場所にお
いては、その作業は困難を窮めていた。

これに対し、本考案は適当な反力防止装置を具
備すると共に、硬質地盤又は砂質地盤に於いて
は、掘進機構を駆動させることにより、スクリユ
ーを回転させ、土質を軟弱化又は掘削させつつ鋼
矢板の圧入を行い、軟弱地盤であつて上記掘進機
構を必要としない場合にはスクリユー及びこれを
駆動する掘進機構とクレーンブーム先端に吊下し
た懸垂式リーダとを取外し、前記リーダの替りに
クレーンのフツクで吊り上げ式とした吊り上げ用
リーダを入れ替え、杭圧入機だけで使用可能とし
作業現場上方空間に限界がある場合（例えば電線
下、橋下作業及び高速道路下等）に於ける圧入作
業をも可能としたリーダ付杭圧入機の提供を目的
とするものである。

尚本考案は同一出願人の先願に係る実願昭56−
54213号明細書並びに図面に於いて開示した「万
能杭打機」を更に作業性の向上と汎用性の拡大を
図り考案されたものである。

以下図面に基づきその一実施例について詳細に
説明する。第１図は本考案に係るリーダ付杭圧入
機１の正面図を示すものであり、第２図は同拡大
断平面図である。而して１′は杭圧入機、２はク
レーン車（図示せず）のブーム、３はブーム２先
端から上部施回座１７、前後移動機構１８を介し
て懸垂されたリーダであつて長尺リーダ３ａと短
尺リーダ３ｂとがピン１３にて連結されて成る。
前記リーダ３の一方側には掘進機構用ワイヤ１９
によつて上下可能なスクリユー５の掘進機構４が
その一端をリーダ３にガイドされて装着されてい
る。リーダ３の下端部には杭圧入機１′の構成部
分を成す下部フレーム６が設けられており、又前
記スクリユー５の下方部には鋼矢板１６をチヤツ
キングするチヤツキングテーブル１０と、該チヤ
ツキングテーブル１０を上下に駆動させるべく、
その左右側に２基の圧入用シリンダ７，７が設け
られていて、そのピストンロツドは前記下部フレ
ーム６に固定されている。又スクリユー５はチヤ
ツキングテーブル１０の中央部を貫通するように
掘進機構４より吊下されている。下部フレーム６
下方には圧入完了後の鋼矢板２０をチヤツキング
する２基の反力チヤツク９，９が設けられ、前記
チヤツキングテーブル１０と反対側の下部フレー
ム６上には反力チヤツク９′付き逆反力シリンダ
８が装着されている。更に又下部フレーム６自身
の前方部と後方部には該下部フレーム６を水平に
保持し杭圧入機１′の転倒を防止すべく取外し可
能な各２基毎のフロントアウトリガー１５ａ，１
５ａとリアーアウトリガー１５ｂ，１５ｂが夫々
具備され、特にリアーアウトリガー１５，１５ｂ
は支軸２２により回動可能に軸着されると共に固
定用ピン２３により任意の３位置に固定される。
これは杭圧入機１′近傍に障害物がある場合の作
業性を考慮したものである。以上記載のアウトリ
ガーを取外し可能としたのは、クレーンブーム先
端より懸垂式としたリーダ付杭圧入機１の場合
（第１図）で、クレーンの能力が小さい場合は、
アウトリガーを取付けているとリーダ付杭圧入機
本体重量が重くなる為作業範囲を広く取ることが
できなく、作業能率が低下することがあるからで
ある（クレーンの能力が大きい場合は取付けたま
までも良い）。尚懸垂式としない杭圧入機１′だけ
で使用する場合は水平保持の為アウトリガーが是
非必要である。２０は圧入完了後の鋼矢板を示
す。

第３図はリーダ付杭圧入機１の他の実施例を示
すものであつて、スクリユー５及びこれを駆動す
る掘進機構４とクレーンブーム先端に吊下した懸
垂式リーダ３の長尺リーダ３ａとを取外し、該長
尺リーダ３ａの替りにクレーンのフツク１２で吊
り上げ式とした吊り上げ用リーダ１４を入れ替
え、杭圧入機１′だけで使用可能としたものであ
る。該吊り上げ用リーダ１４はピン１３にて取付
けるものであり、杭圧入機１′自身の移動時には
前記吊り上げ用リーダ１４の上端をクレーンのフ
ツク１２にて吊下して行う。しかし圧入作業時に
はフツク１２との連結を解き、独自で作業を行う
ことが可能である。

以上の構成に係るリーダ付杭圧入機１の動作を
説明すると、まず第１図において、クレーン車の
ブーム２とクレーン車側に装備した図示しないウ
インチの操作により、吊込用ワイヤ１１先端のフ
ツク１２を利用して圧入すべき第１番目の鋼矢板
１６が目的の場所に位置決めされる。次にチヤツ
キングテーブル１０により前記鋼矢板１６をチヤ
ツキングすると共に、圧入すべき地盤が硬質又は
砂質である場合にはスクリユー５を回転駆動させ
て掘削しつつ圧入用シリンダ７，７を併用して行
う。この時圧入用シリンダ７，７を伸縮させるこ
とにより、そのピストンロツドは下部フレーム６
に固定されているから、チヤツキングテーブル１
０はリーダ３にガイドされて上下に移動し、チヤ
ツキングされた鋼矢板１６もチヤツキングテーブ
ルの下降動作に伴ない圧入される。しかし、鋼矢
板圧入時の反力は下部フレーム６にかかり、リー
ダ付杭圧入機１自身が上方に持ち上げられる虞れ
があるが、クレーン車のブーム２の反力を利用し
てこれを阻止しながら衝撃力が加わらぬよう注意
深く行うようにする。こうして第１番目の鋼矢板
の圧入が完了したらブーム２を移動させ、前記と
同様に次の鋼矢板を所定の場所に位置決めする。
而る後下部フレーム６下方の反力用チヤツク９に
よつて前記第１番目の圧入済鋼矢板を手動により
チヤツキングし、其の後の圧入作業を容易にす
る。又前記反力用チヤツク９自身は自在に回動可
能となつており、圧入すべき鋼矢板の形状、方向
に応じて調整することができる。

一方下部フレーム６の後端部には、溝２１内を
摺動可能とした逆反力シリンダ８及びこれに連結
された反力用チヤツク９′が設けてあり、水平方
向は圧入済の鋼矢板２０の位置に合わせて摺動さ
せ、高さ方向は逆反力シリンダ８の伸縮により調
整後チヤツキングすることができる。従つて反力
用チヤツクは合計３個が使用でき、圧入時の反力
に対抗するに十分な力が得られるものである。

以上の実施に当つては鋼矢板のチヤツキング及
び下部フレームに装着した圧入用シリンダ、逆反
力シリンダ、アウトリガーは油圧式を用いてお
り、圧入時と逆の動作を行わしめて引抜き作業が
できることはいうまでもない。

次に圧入すべき地盤が軟弱で掘進機構を必要と
しない場合は、第３図に示す如く杭圧入機１′の
みを使用することができる。この場合の動作は前
記と同様にしてクレーンのフツク１２により杭圧
入機１′の吊り上げ用リーダ１４を吊下して目的
の場所に移動させ、前記アウトリガ１５ａ，１５
ａ，１５ｂ，１５ｂを利用して安定的に設置す
る。ここで、後部アウトリガー１５ｂ，１５ｂは
回転式となつているが、固定式でも可能であると
共に下部フレーム側方でなく後方に取付けること
も可能である。

次にブーム２の先端に吊下したフツク１２は、
吊り上げ用リーダ１４との連結を解いた後クレー
ンとして働き圧入すべき鋼矢板１６を建て込め
る。以下チヤツキングテーブル１０により鋼矢板
１６をチヤツキングし、反力用チヤツク９又は
９′により圧入完了した鋼矢板２０をチヤツキン
グしつつ圧入用シリンダ７，７により圧入を行う
ものである。

尚、本考案に係るリーダ付杭圧入機は実施例の
構造に限定されるものではなく、実用新案登録請
求の範囲に記載の技術思想を逸脱しない範囲内で
種々の設計的変更あるは勿論である。

以上記載の通り、本考案に係るリーダ付杭圧入
機を使用することにより得られる著効を列記する
と、 硬質地盤又は砂質地盤においては掘進機構を
駆動させスクリユーを回転させることにより確
実な圧入作業が可能である。

圧入時の反力によるクレーン車の傾動を防
ぎ、更に強力な圧入力を及ぼし得る反力チヤツ
ク機構を装備している。

軟質地盤で上記スクリユー及び掘進機構を必
要としない場合は、それらを取り外して替りに
吊り上げ用リーダが使用でき、杭圧入機自身の
重量が軽くなる為、その効果としてクレーン車
の転倒の虞れがなくなり、広い作業半径が取れ
る。

前項記載の吊り上げ用リーダを使用した杭圧
入機だけで使用可能であり、作業現場における
上方空間に限定がある場所における作業が容易
である。

本考案に係るリーダ付杭圧入機１台で前記し
たような、硬質地盤、軟質地盤、その他空間的
制約がある場所に於いて等、広範な作業が可能
であつて、省力化及び作業能率の向上に貢献で
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はリーダ付杭圧入機の正面図、第２図は同
拡大断平面図、第３図は他の実施例を示す杭圧入
機の正面図を示すものである。 １……リーダ付杭圧入機、１′……杭圧入機、
２……ブーム、３……リーダ、３ａ……長尺リー
ダ、３ｂ……短尺リーダ、４……掘進機構、５…
…スクリユー、６……下部フレーム、７……圧入
用シリンダ、８……逆反力シリンダ、９，９′…
…反力チヤツク、１０……チヤツキングテーブ
ル、１１……吊込用ワイヤ、１２……フツク、１
３……ピン、１４……吊り上げ用リーダ、１５ａ
……フロントアウトリガー、１５ｂ……リアーア
ウトリガー、１６……鋼矢板、１７……上部施回
座、１８……前後駆動機構、１９……掘進機構用
ワイヤ、２０……圧入完了後の鋼矢板、２１……
溝、２２……支軸、２３……固定用ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自走式クレーンのブーム２先端部に長尺リーダ
   ３ａを吊設し、該長尺リーダ３ａの一側部にはス
   クリユー５を回動自在に垂設した掘進機構４を長
   尺リーダ３ａにガイドされて上下動自在に配設す
   ると共に、前記長尺リーダ３ａの下部にはピン１
   ３を介して着脱自在に杭圧入機１′を連結し、前
   記杭圧入機１′は下部フレーム６の中央上部に短
   尺リーダ３ｂを立設して、該短尺リーダ３ｂは長
   尺リーダ３と平面同形に形成すると共に上端部を
   長尺リーダ３にピン１３連結するよう構成し、短
   尺リーダ３ｂの前部には矢板１６を圧入するチヤ
   ツキングテーブル１０を上下摺動自在に嵌装し、
   該チヤツキングテーブル１０の中央部には前記ス
   クリユー５を貫通させると共に、チヤツキングテ
   ーブル１０と下部フレーム６間にはシリンダ１５
   ａを立設介在させて成り、下部フレーム６下部に
   は複数の反力チヤツク９を配設すると共に、下部
   フレーム６後部には前記短尺リーダ３ｂの中心と
   チヤツキングテーブル１０の中心を結ぶ直線に対
   して直角方向に長い溝２１を穿設して、該溝２１
   にピストンロツドを下向け状に逆反力シリンダ８
   を摺動自在に嵌装し、該ピストンロツド下端部に
   反力チヤツク９′を回転自在に枢着してなること
   を特徴とするリーダ付杭圧入機。