JPH0447275Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、大口径の場所打ち杭工法の際に大口
径の杭穴を掘削するアースドリルに関する。

〔従来の技術〕

従来のアースドリルは、第３図に示されるよう
に、ベースマシン１の前部に俯抑可能に立設され
たブーム２の下部にフロントフレーム３を起伏可
能に軸止し、該フロントフレーム３にケリーバ回
転駆動装置４を搭載し、吊りロープ５でフロント
フレーム３をブーム２の上部から吊持すると共
に、ケリーバ回転駆動装置４のトルク伝達部に挿
通されたケリーバ６をケリーロープ７にてブーム
２の上部から垂下し、ベースマシン２のウインチ
８にケリーロープ７を巻付けてウインチ８の巻上
げ、巻下しによつてケリーバ６を上下に昇降さ
せ、ケリーバ６の下端に掘削バケツト９を取付
け、ケリーバ回転駆動装置４を駆動してケリーバ
６を回転させながら掘削バケツト９を下降させて
杭穴の掘削作業を行う。

また、当該アースドリルのブーム２を利用し
て、杭穴の掘削に伴うクレーン作業、例えば、杭
穴の掘削後に、杭コンクリートの打設に伴う鉄筋
籠やトレーミ管の吊込み等のクレーン作業を行う
ため、フロントフレーム３に連繋したロープ３ａ
を巻上げて、フロントフレーム３をブーム２側に
引き寄せることにより、ケリーバ回転駆動装置
４、ケリーバ６及び掘削バケツト９をブーム２の
懐に納めて、クレーン作業を行えるようにしてい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、上記構造のアースドリル場合、フロ
ントフレーム３とケリーバ回転駆動装置４の取付
関係が固定されているため、ケリーバを垂直にし
た作業位置が一ケ所しかないことから、ベースマ
シン１を移動させて杭穴の芯合せを行わなければ
ならず、特に狭い作業現場や傾斜地では、芯出
し、掘削作業が困難であつた。

また、ケリーバ回転駆動装置４がブーム２の上
部から吊りロープ５で吊持されているので、掘削
時にケリーバ回転駆動装置４の自重や掘削バケツ
ト９の掘削抵抗等のために吊りロープ５が伸縮す
るために、フロントフレーム３の取付角度が不安
定になり、杭穴の掘削精度が悪くなるという課題
があつた。

さらに、ケリーバ回転駆動装置４が常に高い位
置（機種により異なるが、略5.8m〜略10.8m）に
あるため、その点検作業が困難であり、かつ、ケ
リーバ６の長さを十分に活かした深孔の掘削がで
きないというような課題もあつた。

そこで本考案は、杭穴の掘削及び杭穴の掘削に
伴うクレーン作業が可能であることはもとより、
杭穴の芯合せ、ケリーバ回転駆動装置の点検等を
迅速かつ容易にして作業能率を向上させると共
に、杭穴の掘削精度を向上させたアースドリルを
提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的達成のため本考案は、ベースマシンに
俯抑可能に立設したブームの上部から垂下された
ケリーバをケリーバ回転駆動装置にて回転して掘
削作業を行うアースドリルにおいて、前記ケリー
バ回転駆動装置と前記ブームとにリンクを起伏可
能に連結し、該リンクと前記ブーム下部とに、該
リンクを下方より支持する第１シリンダを上下揺
動可能に連結すると共に、前記ケリーバ回転駆動
装置と前記ブームとに、該ケリーバ回転駆動装置
を鉛直に支持する第２シリンダを起伏可能に連結
したことを特徴としている。

〔作用〕

したがつて、第１シリンダと第２シリンダを作
動させることにより、ケリーバ回転駆動装置を鉛
直に杭芯にセツトできる。

また、ケリーバ回転駆動装置を、ブームに連結
したリンクと第１、第２シリンダによつて支持し
たので、ケリーバ回転駆動装置を吊持する吊りロ
ープを必要としないため、吊りロープの伸縮によ
る掘削穴精度の低下がない。

さらに、第２シリンダをロツクして第１シリン
ダを縮小することより、ケリーバ回転駆動装置を
下降位置の杭芯に容易に移動できるので深孔掘削
が可能となると共に、ケリーバ回転駆動装置が低
位置となつて、ケリーバ回転駆動装置の点検作業
も容易になる。

しかも、第１シリンダを大きく伸長しながら第
２シリンダを適度に伸長すると、ケリーバ回転駆
動装置やケリーバがブーム側に移動して、ブーム
の懐に納まり、これらはブームと一体的に起伏可
能となり、杭穴の掘削に伴うクレーン作業が容易
にできる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図及び第２図に
基づいて説明する。

アースドリル１０は、ベースマシン１１の前部
にその下端を枢支されたブーム１２の上部に、ベ
ースマシン１１の後部に設けた俯抑ドラム１３か
ら巻出される俯抑ロープ１４をベースマシン１１
の後部に立設したガントリー１５のガントリー滑
車１６を介して接続して、俯抑ロープ１４の巻上
げ、巻出しによりブーム１２を俯抑可能としてい
る。

ブーム１２の下方位置にはリンク１７の基端１
７ａが回動可能に設けられると共に、該リンク１
７の先端１７ｂがケリーバ回転駆動装置１８を搭
載したフロントフレーム１９に回動可能に設けら
れ、該リンク１７はケリーバ回転駆動装置１８と
ブーム１２とに起伏可能に連結されている。

ブーム１２の下部には第１シリンダ２０の基端
が回動可能に設けられると共に、第１シリンダ２
０のピストンロツド先端がリンク１７の中間下部
に形成されたブラケツトに回動可能に設けられ、
該第１シリンダ２０は、リンク１７を下方より支
持するようリンク１７とブーム１２下部とに上下
揺動可能に連結されている。この場合、第１シリ
ンダ２０は、その基端をブーム１２下部に直接連
結するかあるいはブーム１２下部のベースマシン
１１への枢支軸と同軸上に連結してもよい。

また、リンク１７の上方位置には第２シリンダ
２１が配設されている。即ち、ブーム１２のリン
ク１７の連結位置の上方位置には、第２シリンダ
２１の基端が回動可能に設けられると共に、ケリ
ーバ回転駆動装置１８のフロントフレーム１９の
リンク１７の連結位置の上方位置には、第２シリ
ンダ２１のピストンロツド２２先端が回動可能に
設けられ、該第２シリンダ２１は、ケリーバ回転
駆動装置１８とブーム１２とに起伏可能に連結さ
れている。そして、リンク１７と第２シリンダ２
１は、通常よく用いられる高さ位置で略平行にな
るよう配設されている。

ケリーバ回転駆動装置１８のトルク伝達部（図
示せず）には、ベースマシン１１の巻上げドラム
２３からブーム１２のトツプシーブ２４を介して
巻出されるケリーロープ２５にて垂下されたケリ
ーバ２６が挿通され、ケリーバ２６の下端には掘
削バケツト２７が取付けられている。

このように構成することにより、第２図に示さ
れるように、第２シリンダ２１のピストンロツド
２２を伸縮して、ケリーバ回転駆動装置１８を鉛
直に調整すると共に、第１シリンダ２０を作動さ
せて、ケリーバ回転駆動装置１８をリンク１７の
基端１７ａを中心に回動して上下及び水平方向に
移動させながら杭穴の位置に掘削バケツト２７を
合せることにより、第２シリンダ２１とリンク１
７を下方から支持する第１シリンダ２０とによつ
てケリーバ回転駆動装置１８を所定の位置に鉛直
に支持することができる。

したがつて、掘削作業現場の状況に影響されず
に、掘削バケツト２７を適正な位置に調整して杭
穴の芯合せを容易に行うことができる。

また、ケリーバ回転駆動装置１８を、ブーム１
２に連結したリンク１７と第１、第２シリンダ２
０，２１によつて支持したので、ケリーバ回転駆
動装置１８を吊持する吊りロープを必要とせず、
吊りロープの伸縮による掘削穴精度の低下がな
い。

さらに、第２シリンダ２１をロツクしたままで
第１シリンダ２０を縮小して、第２シリンダ２１
とリンク１７の起伏角度が等しくなる位置まで下
降させると、平行リンクの作用によつてケリーバ
回転駆動装置１８の下方での杭芯合せを容易に行
うことができる。

このようにして、ケリーバ回転駆動装置１８を
最下方位置まで下降させると、ケリーバ回転駆動
装置１８は、高い位置（機種により異なるが、略
5.8m〜略10.8m）から略3m〜略6.3m下降し、地
面から略2.8m〜略4.5mの低位置になるため、ケ
リーバ２６の長さが足りない場合の深穴掘削が可
能になると共に、ケリーバ回転駆動装置１８から
掘削バケツト２７の掘削位置までの間隔を短くで
きるので、ケリーバ２６の撓みや振幅が少なく杭
穴の精度が維持でき、また、ケリーバ回転駆動装
置１８の点検作業も容易になる。

しかも、第１シリンダ２０を大きく伸長しなが
ら第２シリンダ２１を適度に伸長すると、ケリー
バ回転駆動装置１８やケリーバ２６がブーム１２
側に移動して、ブーム１２の懐に納まり、これら
はブーム１２と一体的に起伏可能となり、杭穴の
掘削に伴うクレーン作業が容易にできる。

〔考案の効果〕

本考案のアースドリルは、以上のように、ケリ
ーバ回転駆動装置とブームとにリンクを起伏可能
に連結し、リンクとブーム下部とに、リンクを下
方より支持する第１シリンダを上下揺動可能に連
結すると共に、ケリーバ回転駆動装置とブームと
に、ケリーバ回転駆動装置を鉛直に支持する第２
シリンダを起伏可能に連結したので、ケリーバ回
転駆動装置を鉛直状態に保持しながら杭芯上に昇
降することができ、掘削作業現場の環境に影響さ
れずに容易に杭穴の芯合せや点検が行えるから、
作業能率及び杭穴の掘削精度を向上させることが
できる。

また、ケリーバ回転駆動装置を、ブームに連結
したリンク、第１及び第２シリンダによつて支持
したので、ケリーバ回転駆動装置を吊持する吊り
ロープを必要としないため、吊りロープの伸縮に
よる掘削穴精度の低下がない。

さらに、第２シリンダをロツクしたままで第１
シリンダを縮小して、第２シリンダとリンクの起
伏角度が等しくなる位置まで下降させると、リン
クの作用によつてケリーバ回転駆動装置の低位置
での杭芯合せを容易に行うことができるので、ケ
リーバの長さが足りない場合の深穴掘削が可能に
なると共に、ケリーバ回転駆動装置から掘削バケ
ツトの掘削位置までの間隔を短くでき、ケリーバ
の撓みや振幅が少なく杭穴の精度が維持でき、加
えて、ケリーバ回転駆動装置の点検作業も容易に
なる。

しかも、ブームに連結したリンクと第１及び第
２シリンダによつてケリーバ回転駆動装置を支持
したので、第１シリンダを大きく伸長しながら第
２シリンダを適度に伸長すると、ケリーバ回転駆
動装置やケリーバがブーム側に移動して、ブーム
の懐に納まり、これらはブームと一体的に回動可
能となり、ケリーバ回転駆動装置やケリーバを装
着したままでブームを俯抑することができ、本機
１台で杭穴の掘削及び掘削に伴うクレーン作業が
容易に行え、別途クレーン作業用のクレーンを準
備する必要もない。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図はアースドリルの正面図、第２図は
ケリーバ回転駆動装置の移動状態を示す拡大正面
図、第３図は従来のアースドリルの正面図であ
る。 １０……アースドリル、１１……ベースマシ
ン、１２……ブーム、１７……リンク、１８……
ケリーバ回転駆動装置、１９……フロントフレー
ム、２０……第１シリンダ、２１……第２シリン
ダ、２５……ケリーロープ、２６……ケリーバ、
２７……掘削バケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベースマシンに俯抑可能に立設したブームの上
   部から垂下されたケリーバをケリーバ回転駆動装
   置にて回転して掘削作業を行うアースドリルにお
   いて、前記ケリーバ回転駆動装置と前記ブームと
   にリンクを起伏可能に連結し、該リンクと前記ブ
   ーム下部とに、該リンクを下方より支持する第１
   シリンダを上下揺動可能に連結すると共に、前記
   ケリーバ回転駆動装置と前記ブームとに、該ケリ
   ーバ回転駆動装置を鉛直に支持する第２シリンダ
   を起伏可能に連結したことを特徴とするアースド
   リル。