JPH048148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はALC板等のパネルを施工現場に於い
て確実に吊り上げることが出来るパネル吊り上げ
具に関するものである。

〈従来の技術〉 従来、パネルを施工現場に於いて吊り上げる場
合には、例えば第５図に示す如く、パネル１の小
口面に予め吊り下げ用のアンカーナツト（アンカ
ーボルト）を埋設しておき、このアンカーナツト
にアイボルト２を螺合させ、このアイボルト２を
ワイヤー３等で吊り上げたり、或いは第６図に示
す如く、パネル１にナイロンスリング等の吊り紐
４を玉掛けし、これによつてパネル１を吊り上げ
たりしていた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 然るに前述の従来の技術の内の前者はパネルを
製造する工程内に於いてそのパネル内にアンカー
ナツトを正確な場所に埋設しなければならないの
で、パネルの製造作業が複雑になり、作業性が悪
く、コストが高くなる等の問題点があつた。

又後者の場合にはナイロンスリング等を正確に
玉掛けするには熟練を要し、かつパネルを垂直に
吊り上げることが困難であり、スリングをパネル
から外す時にはパネルを斜めにしなければなら
ず、又建て込む際には人力でパネルを垂直に建て
起こさなければならない等の問題や、更にパネル
に玉掛けした場合にはスリングが足掛け場に引つ
掛かつたりして何らかの衝撃によつて滑ることが
あり、危険が発生する等の問題点があつた。

本考案に係るパネル吊り上げ具は従来のこれ等
の欠点に鑑み開発された全く新規な技術に関する
ものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案に係るパネル吊り上げ具は、前述の問題
点を根本的に改善した技術であつて、その要旨は
先端に係合孔を有しかつ後端にネジ部とナツトと
が設けられておりパネル小口面に穿設された挿入
孔に挿入し得る吊り上げ棒と、中央部に該吊り上
げ棒を貫通し得る孔を有する小口面押さえ板と、
パネルの側面に穿設された横孔及び前記係合孔に
挿通し得る係止杆とを組み合わせて構成したもの
である。

〈作用〉 本考案に係るパネル吊り上げ具は、上述の如く
構成したので、小口面押さえ板の孔に吊り上げ棒
を挿通して固定すると共に、この吊り上げ棒をパ
ネルの小口面の挿入孔に挿入し、かつ小口面押さ
え板をパネルの小口面に当接し、更にパネルの横
孔及びこの横孔内に位置する吊り上げ棒の係合孔
に係止杆を挿入することによつて、この係止杆と
吊り上げ棒と小口面押さえ板とを夫々相互に連結
することが出来、これによつてパネルを簡単かつ
正確に吊り上げることが出来る。

〈実施例〉 図により本考案に係る吊り上げ具の一実施例を
具体的に説明すると、第１図乃至第４図Ａ乃至Ｄ
に於いて、５はパネル１の小口面に当接し得る断
面コ字形の小口面押さえ板であつて、その背面中
央には孔６が穿設され、かつ押さえ板５にはシヤ
ツクル７を介して吊り下げワイヤー８が取り付け
られている。９は前記押さえ板５の孔６に挿通し
得る吊り上げ棒であつて、その先端には係合孔１
０が穿設され、後端にはエンドプレート１１が設
けられ、かつそれに続くネジ９ａを有する後端部
にはナツト１２を介してワツシヤー１３がその位
置を自在に移動し得る如く取り付けられている。
１４は前記係合孔１０に挿通し得る係止杆であつ
て、その後端には把手１５が設けられている。

上記実施例に於けるナツト１２は上部が角形で
下部が小径円筒となつて構成され、ワツシヤー１
３はこのナツト１２の小径円筒部に嵌着され、更
にナツト１２に一体的に溶着されている。

本考案に係る吊り上げ具の使用に当たつては図
に示す如く、押さえ板５の穴６に吊り上げ棒９と
ナツト１２の下部を夫々を挿通した後、押さえ板
５をパネル１の小口面に被覆当接し、吊り上げ棒
９及びナツト１２の下部をパネル１の小口面に予
め設けられた挿入孔１ａに挿入し、次に係止杆１
４をパネル１に予め設けられた横孔１ｂに挿入
し、同時に予めパネル１への挿入される深さが調
節されていた吊り上げ棒９の係合孔１０にも挿通
し、この状態で押さえ板５、吊上棒９、係止杆１
４を相互に連結し、フツク１６を吊り下げワイヤ
ー８に係合して吊り上げることによつてパネル１
を簡単に吊り上げることが出来る。

上述の如くナツト１２の下部を穴６或いは挿入
孔１ａに吊り上げ棒９と共に挿入するようにした
場合には吊り上げ棒９のネジ９ａが穴６、挿入孔
１ａで摩耗することを防止することが出来る。

〈考案の効果〉 本考案に係る吊り上げ具は上述の如く、押さえ
板と吊り上げ棒と係止杆とで構成したので、これ
等を組み合わせることによつてパネルを簡単かつ
正確に吊り上げることが出来、かつ従来の如く、
吊り上げ用のアンカーナツト等をパネル内に予め
埋設することがないので作業が容易で安価に大量
生産することが出来、又押さえ板、吊り上げ棒及
び係止杆を相互に連結するようにしたので、吊り
上げ作業時にパネルが滑り落ちる危険がなく、安
全であり、これ等の押さえ板、吊り上げ棒及び係
止杆は何度もそのまま使用することが出来、更に
パネルは予め小口面に穿設された挿入孔を中心に
して吊り上げられるので、パネルを正確な位置で
しかも垂直に吊り下げることが出来、しかも狭隘
地等の足場の組めない施工現場とか、或いは足場
と建物との間隙が充分に取れないような場所に於
いても有効に利用することが出来る等の多大な効
果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の構成を示す斜視図、第２図は部
品説明図、第３図乃至第４図Ａ乃至Ｄは使用説明
図、第５図及び第６図は夫々従来例を示す説明図
である。 １はパネル、５は押さえ板、６は孔、９は吊り
上げ棒、１０は係合孔、１３はワツシヤー、１４
は係止杆、１５は把手である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端に係合孔を有しかつ後端にネジ部とナツト
   とが設けられておりパネル小口面に穿設された挿
   入孔に挿入し得る吊り上げ棒と、中央部に該吊り
   上げ棒を貫通し得る孔を有する小口面押さえ板
   と、パネルの側面に穿設された横孔及び前記係合
   孔に挿通し得る係止杆とを組み合わせて構成した
   ことを特徴とするパネル吊り上げ具。