JPH06158420A - 環状オレフィン系樹脂繊維 - Google Patents

環状オレフィン系樹脂繊維

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JPH06158420A
JPH06158420A JP29978292A JP29978292A JPH06158420A JP H06158420 A JPH06158420 A JP H06158420A JP 29978292 A JP29978292 A JP 29978292A JP 29978292 A JP29978292 A JP 29978292A JP H06158420 A JPH06158420 A JP H06158420A
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cyclic olefin
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copolymer
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atom
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Yozo Yamamoto
本 陽 造 山
Masayuki Okabe
部 雅 行 岡
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の環状オレフィン系樹脂繊維は、エチ
レンと特定の環状オレフィンとのランダム共重合体、お
よび/または、特定の環状オレフィンの開環重合体もし
くは開環共重合体またはこれらの水添物からなる。 【効果】 本発明の繊維は、充分な成形性が良好であり
容易に製造することができると共に、強度、弾性率、耐
熱性、耐水性、耐溶剤性、耐クレープ性および風合いが
総合的に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は環状オレフィン系樹脂から
なる繊維に関し、特に強度、弾性率、耐クリープ性、耐
熱性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性、風合いなどの特性
に優れた環状オレフィン系樹脂繊維に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来から合成繊維を形成する樹脂
として、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエス
テル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニルなど、種々の樹脂が使用されている。これらの合成
繊維は、それぞれ原料となる樹脂の種類等によって独特
の特性、感触、風合いを有しており、用途に応じて適宜
に選択して使用されている。例えば具体的製品として
は、衣類、ロープ、釣糸、不織布、各種樹脂コンパウン
ドの補強材等を挙げることができる。
【0003】このように合成樹脂繊維の用途は多岐に亘
っており、その多様化に対応できるような幅広い特性を
有する繊維の出現が望まれている。ところで、近年、環
内にエチレン性二重結合を有する環状オレフィンとエチ
レンとの共重合体である環状オレフィンランダム共重合
体が注目されている。この環状オレフィン系樹脂につい
ては、例えば特開昭60-168708号、同63-243111号、同63
-305111号および同63-223013号等の各公報に記載されて
いる。この環状オレフィン系樹脂は、本質的にオレフィ
ン系の樹脂であるが、環状オレフィンの重合量、およ
び、環状オレフィンと共重合させる成分の種類あるいは
量等によってその特性が広汎に変化する極めて興味深い
樹脂である。また、上記の環状オレフィンを開環させて
(共)重合させた環状オレフィン開環(共)重合体も同
様に優れた特性を有している。
【0004】これら環状オレフィンランダム共重合体お
よび環状オレフィン開環(共)重合体である環状オレフ
ィン系樹脂は、従来機械的な強度などを利用して機械部
品、光学的特性を利用した基盤等として使用されている
のが一般的であり、繊維としては現実には利用されてい
ない。
【0005】本発明者は、環状オレフィン系樹脂を紡糸
して環状オレフィン系樹脂繊維を製造してこの特性を測
定したところ、強度、弾性率、耐クリープ性、耐熱性、
耐水性、耐薬品性、耐溶剤性、風合いなどの特性が総合
的に優れていることを見いだして本発明に到達した。
【0006】
【発明の目的】本発明は、最近の繊維の多様化に対応で
きる幅広い特性を有する新規な繊維を提供することを目
的としている。
【0007】さらに詳しくは本発明は、強度、弾性率、
耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、風合いなどの特性が総合
的に優れた新規な繊維を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【発明の概要】本発明の環状オレフィン系樹脂繊維は、
エチレンと次式[I]または[II]で表わされる環状オ
レフィンとのランダム共重合体、および/または次式
[I]または[II]で表される環状オレフィンの開環重
合体もしくは開環共重合体またはこれらの水添物からな
ることを特徴としている。
【0009】
【化3】
【0010】…[I] 上記式[I]中、nは0または1であり、mは0または
正の整数であり、rは0または1であり、R1〜R18
らびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハ
ロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原
子もしくは基を表し、R15〜R18は、互いに結合して単
環または多環の基を形成していてもよく、かつ該単環ま
たは多環の基が二重結合を有していてもよく、また、R
15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を
形成していてもよい。
【0011】
【化4】
【0012】・・・[II] 上記式[II]中、pおよびqは0または1以上の整数で
あり、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R19
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族
炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基およ
びアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もしくは基
を表し、R9が結合している炭素原子と、R13が結合し
ている炭素原子またはR10が結合している炭素原子とR
11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素原子数
1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、ま
た、n=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは
互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成してい
てもよい。
【0013】本発明の環状オレフィン系樹脂繊維は、上
記のような特定の環状オレフィンから誘導される繰り返
し単位を有する環状オレフィン系樹脂からなるので、強
度、弾性率、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、風合いなど
の特性が総合的に優れており、従って本発明の繊維は、
最近の繊維の多様化に対応することができる。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明の環状オレフィン系
樹脂繊維について具体的に説明する。本発明の繊維を形
成する環状オレフィン系樹脂は、エチレンと次式[I]
または[II]で表わされる環状オレフィンとのランダム
共重合体、および/または次式[I]または[II]で表
される環状オレフィンの開環重合体もしくは開環共重合
体またはその水添物からなる。
【0015】[環状オレフィン成分の種類]環状オレフ
ィン系樹脂は、下記式[I]、[II]で表される環状オ
レフィンから製造することができる。
【0016】
【化5】
【0017】…[I] ただし、上記式[I]において、nは0または1であ
り、mは0または正の整数であり、rは0または1であ
る。
【0018】また、R1〜R18ならびにRaおよびR
bは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および
炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表
す。ここで、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げること
ができる。また、炭化水素基としては、それぞれ独立
に、通常は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原
子数3〜15のシクロアルキル基を挙げることができ、
アルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデ
シル基を挙げることができる。またシクロアルキル基の
具体的な例としては、シクロヘキシル基を挙げることが
できる。
【0019】さらに、上記式[I]において、R15とR
16とが、R17とR18とが、さらにR1 5とR17とが、R16
とR18とがR15とR18とが、あるいはR16とR17とがそ
れぞれ結合して(互いに共同して)、単環または多環の
基を形成していてもよく、しかも、このようにして形成
された単環または多環の基が二重結合を有していてもよ
い。
【0020】ここで単環または多環の基の例としては、
以下に記載する基を挙げることができる。
【0021】
【化6】
【0022】なお、上記の例示した基において、1およ
び2の番号を賦した炭素原子は、式[I]において、R
15〜R18で表される基が結合している脂環構造の炭素原
子を表す。
【0023】また、R15とR16とで、またはR17とR18
とでアルキリデン基を形成していてもよい。このような
アルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキ
リデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な
例としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソ
プロピリデン基を挙げることができる。
【0024】環状オレフィンは、上記式[I]で表され
る環状オレフィンの他、次式[II]で表される環状オレ
フィンであってもよい。
【0025】
【化7】
【0026】・・・[II] ただし、上記式[II]において、pは0または正の整数
であり、好ましくは0〜3である。また上記式[II]に
おいて、mおよびnは0、1または2である。さらに、
qは0または正の整数であり、好ましくは0または1で
ある。
【0027】そして、R1〜R19は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群か
ら選ばれる原子もしくは基である。ここで、ハロゲン原
子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
およびヨウ素原子を挙げることができる。また、炭化水
素基の例としては、炭素原子数1〜10のアルキル基、
炭素原子数5〜15のシクロアルキル基、炭素原子数6
〜12の芳香族基を挙げることができる。そして、アル
キル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、イソブチル基、n-アミル基、ネオペンチ
ル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基および
2-エチルヘキシル基等を挙げることができ、シクロアル
キル基の具体的な例としては、シクロヘキシル基、メチ
ルシクロヘキシル基およびエチルシクロヘキシル基等を
挙げることができ、また、芳香族基の具体的な例として
は、フェニル基、ナフチル基およびビフェニル基等を挙
げることができる。
【0028】また、上記式[II]において、R9が結合
している炭素原子とR13が結合している炭素原子、また
は、R10が結合している炭素原子とR11が結合している
炭素原子とは、炭素原子数1〜3のアルキレン基を介し
て結合していてもよく、また何の基も介さずに直接結合
していてもよい。
【0029】さらに、n=m=0のとき、R15とR12
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の好ましい例と
しては、n=m=0のときR15とR12がさらに芳香族環
を形成している以下に記載する基を挙げることができ
る。
【0030】
【化8】
【0031】上記式において、qは式[II]におけるの
と同じ意味である。本発明において使用される上記式
[I]または[II]で表わされる環状オレフィンとして
は、具体的には、以下に記載する化合物の誘導体を挙げ
ることができる。
【0032】ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン誘導体、
トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリシク
ロ[4.3.0.12,5]-3-ウンデセン誘導体、テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン誘導体、ペンタシク
ロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセン誘導体、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ヘキサデセ
ン誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3
-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン
誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-
ペンタデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.1
10,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン誘導体、ヘプタシ
クロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-エ
イコセン誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.1
12,17.02,7.011,16]-5-エイコセン誘導体、ヘプタシク
ロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ヘン
エイコセン誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.1
11,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセン誘導体、オクタ
シクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17]-5-ドコセン誘導体、ノナシクロ[10.9.1.
14,7.113,20.115,18.03,8.02,10.012,21.014,19]-5-ペ
ンタコセン誘導体、ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.
116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]-5-ヘキサコセン誘
導体。
【0033】1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフル
オレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒ
ドロアントラセン誘導体、シクロペンタジエン-アセナ
フチレン付加物。
【0034】そして、上記のような式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンの具体的な化合物の例と
しては、以下に記載する化合物を挙げることができる。
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】
【化19】
【0046】
【化20】
【0047】
【化21】
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】
【化24】
【0051】
【化25】
【0052】
【化26】
【0053】
【化27】
【0054】
【化28】
【0055】
【化29】
【0056】
【化30】
【0057】さらに、式[I]または[II]で表される
環状オレフィンとして、上記の化合物の他に、1,4,5,8-
ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレ
ン、2-メチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オ
クタヒドロナフタレン、2-エチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,
2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-プロピル
-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナ
フタレン、2-ヘキシル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,
5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2,3-ジメチル-1,4,5,
8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレ
ン、2-メチル-3-エチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,
5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-クロロ-1,4,5,8-ジ
メタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2
-ブロム-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタ
ヒドロナフタレン、2-フルオロ-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,
3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2,3-ジクロロ
-1,4,5,8- ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロ
ナフタレン、2-シクロヘキシル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,
3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-n-ブチル-
1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナ
フタレン、2-イソブチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4
a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどのオクタヒドロ
ナフタレン類などを例示することができる。
【0058】上記式[I]または式[II]で表わされる
環状オレフィンは、シクロペンタジエン類と対応するオ
レフィン類または環状オレフィン類とをディールス・ア
ルダー反応により縮合させることにより容易に製造する
ことができる。
【0059】これらの環状オレフィンは単独であるいは
組み合わせて用いることができる。 [環状オレフィン系樹脂]本発明の繊維を形成する環状
オレフィン系樹脂は、前記式[I]または[II]で表さ
れる環状オレフィンとエチレンとの付加重合により得ら
れる共重合体(環状オレフィンランダム共重合体)、お
よび/または前記式[I]または[II]で表される環状
オレフィンの開環重合体もしくは開環共重合体(環状オ
レフィン開環(共)重合体)またはこれらの水素添加物
である。
【0060】環状オレフィンランダム共重合体で、上記
の式[I]または[II]で表わされる環状オレフィン化
合物と共重合する単量体は、エチレンである。ただし、
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂においては、
エチレンの他に、本発明の繊維の特性を損なわない範囲
内で他のオレフィン化合物を共重合させることもでき
る。ここでエチレンおよび上記の式[I]または式[I
I]で表わされる環状オレフィン化合物と共重合させる
ことができる他のオレフィン化合物の例としては、プロ
ピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセ
ン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセ
ンなどの炭素原子数が3〜20のα-オレフィン;シク
ロペンテン、シクロヘキセン、3-メチルシクロヘキセ
ン、シクロオクテンおよび3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7
-メタノ-1H-インデンなどのシクロオレフィン;1,4-ヘ
キサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,
4-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジ
エン、5-エチリデン-2-ノルボルネンおよび5-ビニル-2-
ノルボルネンなどの非共役ジエン類;ノルボルネン-2、
5-メチルノルボルネン-2、5-エチルノルボルネン-2、5-
イソプロピルノルボルネン-2、5-n-ブチルノルボルネン
-2、5-i-ブチルノルボルネン-2、5,6-ジメチルノルボル
ネン-2、5-クロロノルボルネン-2、2-フルオロノルボル
ネン-2および5,6-ジクロロノルボルネン-2などのノルボ
ルネン類などを挙げることができる。これらの中では、
炭素原子数3〜15、特に3〜10のα-オレフィンが
好ましい。
【0061】これらの他のオレフィンは、単独で、ある
いは組合わせて使用することができる。式[I]または
[II]で表される環状オレフィン以外の環状オレフィン
として二重結合を分子内に二個以上有する化合物を用い
た場合、耐候性を向上させる目的で水素添加して用いる
ことができる。
【0062】上記のようなエチレンと式[I]または[I
I]で表わされる環状オレフィンとは、通常は、反応溶
媒に対して可溶性のバナジウム化合物と、有機アルミニ
ウム化合物とからなる触媒を用いて溶媒中で反応させ
る。
【0063】環状オレフィンランダム共重合体中におい
て、式[I]または[II]で表わされる環状オレフィン
は、それぞれ、下記式[I-a]または[II-b]で表わさ
れる構造を形成していると考えられる。
【0064】
【化31】
【0065】・・・[I-a] 上記式[I-a]において、n、m、r、R1 〜R18
a、Rbは、前記式[I]におけるのと同じ意味であ
る。
【0066】
【化32】
【0067】・・・[II-a] 上記式[II-a]において、p、q、m、n、R1〜R19
は、前記式[II]におけるのと同じ意味である。
【0068】環状オレフィン開環重合体または環状オレ
フィン開環共重合体は、前記式[I]または[II]で表
される環状オレフィンの開環重合体または開環共重合体
である。
【0069】この環状オレフィン開環重合体または環状
オレフィン開環共重合体は、前記式[I]または[II]
で表される環状オレフィンを、ルテニウム、ロジウム、
パラジウム、オスミウム、インジウムおよび白金のよう
な金属のハロゲン化物、これらの金属の硝酸塩またはこ
れらの金属のアセチルアセトン化合物と、還元剤とから
なる触媒;チタン、パラジウム、ジルコニウムおよびモ
リブデンのような金属のハロゲン化物またはこれらの金
属のアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウムとか
らなる触媒の存在下に(共)重合させることにより製造
することができる。
【0070】環状オレフィン開環(共)重合体におい
て、環状オレフィン[I]または[II]は、それぞれ次
式[I-b]または[II-b]で表わされる繰り返し単位を
形成していると考えられる。
【0071】
【化33】
【0072】・・・[I-b] 上記式[I-b]において、n、m、r、R1 〜R18
a、Rbは、前記式[I]におけるのと同じ意味であ
る。
【0073】
【化34】
【0074】・・・[II-b] 上記式[II-b]において、p、q、m、n、R1〜R19
は、前記式[II]におけるのと同じ意味である。
【0075】上記環状オレフィン開環(共)重合体の水
素添加物は、上記のようにして得られた環状オレフィン
開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水素で還元
することにより製造することができる。
【0076】上記環状オレフィン開環(共)重合体中で
環状オレフィン[I]または[II]は、それぞれ次式[I
-c]または[II-c]で表わされる繰り返し単位を形成し
ていると考えられる。
【0077】
【化35】
【0078】・・・[I-c] 上記式[I-b]において、n、m、r、R1 〜R18
a、Rbは、前記式[I]におけるのと同じ意味であ
る。
【0079】
【化36】
【0080】・・・[II-c] 上記式[II-b]において、p、q、m、n、R1〜R19
は、前記式[II]におけるのと同じ意味である。
【0081】上記のようにして製造される環状オレフィ
ン系樹脂は、必要により脱灰工程、濾過工程、析出工程
などを経て精製される。例えば脱灰工程は、反応液をア
ルカリ水溶液と接触させることにより樹脂中に残存する
触媒残渣を除去する工程である。また、析出工程は、反
応液を、樹脂に対する貧溶媒中に投入して反応溶媒中に
溶解している樹脂を析出させる工程である。
【0082】なお、本発明で用いる環状オレフィン系樹
脂は、上記の外、特開昭60-168708号、同61-120816号、
同61-115912号、同61-115916号、同61-271308号、同61-
272216号、同62-252406号および同62-252407号等の公報
において本出願人が提案した方法に従い適宜条件を選択
することにより、製造することができる。
【0083】本発明の繊維を形成する環状オレフィン系
樹脂の沃素価は通常5以下、その多くは1以下である。
また、上記環状オレフィンランダム共重合体、環状オレ
フィン開環(共)重合体、および開環(共)重合体の水
素添加物について135℃のデカリン中で測定した極限
粘度[η]は、通常は0.01〜20dl/gであり、特
に0.05〜10dl/g、さらには0.08〜8dl/g
であること好ましい。
【0084】そして、これらの環状オレフィン系樹脂
は、一般に非晶性または低結晶性であり、好ましくは非
晶性である。従って、この環状オレフィン系樹脂自体は
良好な透明性を有している。また、この環状オレフィン
系樹脂についてX線による結晶化度を測定すると、通常
は5%以下、その多くは0%であり、示差走査型熱量計
(DSC)で融点を測定しても融点が観察されないもの
が多い。
【0085】このような環状オレフィン系樹脂の別の性
質としてガラス転移温度(Tg)および軟化温度(TM
A)が高いことを挙げることができる。ガラス転移温度
(Tg)が通常230℃以下、好ましくは50〜230
℃、多くの場合100〜200℃の範囲内に測定され
る。そして、本発明において、良好に紡糸するために
は、この軟化温度が、70〜180℃、多くの場合90
〜180℃の範囲内にある環状オレフィン系樹脂を使用
することが好ましい。
【0086】またこの環状オレフィン系樹脂の熱分解温
度は、通常は350〜420℃、多くの場合370〜4
00℃の範囲内にある。この環状オレフィン系樹脂の機
械的性質として、この樹脂自体の引張り弾性率は、通常
1×104 〜5×104Kg /cm2の範囲内にあり、引張
り強度も通常300〜1500Kg/cm2の範囲内にあ
る。
【0087】また、この樹脂自体の密度は、通常0.8
6〜1.10g/cm3、その多くが0.88〜1.08
g/cm3の範囲にある。本発明の環状オレフィン系樹脂
繊維は、上記のような環状オレフィン系樹脂を熱分解温
度未満の温度に加熱して溶融し、これを通常の方法で紡
糸することにより製造することができるが、さらに、他
の樹脂を配合した樹脂組成物を紡糸することもできる。
【0088】すなわち、上記環状オレフィン系樹脂に種
々の重合体をブレンドして環状オレフィン系樹脂に他の
樹脂を微細に分散させた所謂ポリマーアロイを形成させ
てこれを紡糸することができる。ここで環状オレフィン
系樹脂と共にポリマーアロイを形成することができる重
合体を以下に例示する。
【0089】(1) 1個または2個の不飽和結合を有す
る炭化水素から誘導される重合体 具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルブテン-1、ポリ4-メチルペンテン-1、ポリブテン-1お
よびポリスチレンのようなポリオレフィンを挙げること
ができる。なおこれらのポリオレフィンは架橋構造を有
してもよい。
【0090】(2) ハロゲン含有ビニル重合体 具体的にはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
フッ化ビニル、ポリクロロプレン、塩素化ゴムなどを挙
げることができる。
【0091】(3) α,β-不飽和酸とその誘導体から誘
導される重合体 具体的にはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、または前記
の重合体を構成するモノマーとの共重合体(例;アクリ
ロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロ
ニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチ
レン・アクリル酸エステル共重合体)などを挙げること
ができる。
【0092】(4) 不飽和アルコールおよびアミンまた
はそのアシル誘導体またはアセタールから誘導された重
合体 具体的にはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポ
リスレアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレ
イン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタ
レート、ポリアリルメラミン、または前記重合体を構成
するモノマーとの共重合体(例;エチレン、酢酸ビニル
共重合体)などを挙げることができる。
【0093】(5) エポキシドから誘導された重合体 具体的にはポリエチレンオキシドまたはビスグリシジル
エーテルから誘導された重合体などを挙げることができ
る。
【0094】(6) ポリアセタール 具体的にはポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、
コモノマーとしてエチレンオキシドを含むようなポリオ
キシメチレンなどを挙げることができる。
【0095】(7) ポリフェニレンオキシド。 (8) ポリカーボネート。 (9) ポリスルフォン。
【0096】(10) ポリウレタンおよび尿素樹脂。 (11) ジアミンおよびジカルボン酸および/またはアミ
ノカルボン酸または相応するラクタムから誘導されたポ
リアミドおよびコポリアミド 具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、
ナイロン12などを挙げることができる。
【0097】(12) ジカルボン酸およびジアルコールお
よび/またはオキシカルボン酸または相応するラクトン
から誘導されたポリエステル 具体的にはポリエステルテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリ1,4-ジメチロール・シクロヘキサ
ンテレフタレートなどを挙げることができる。
【0098】(13) アルデヒドとフェノール、尿素また
はメラミンから誘導された架橋構造を有した重合体 具体的には、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素
・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド
樹脂などを挙げることができる。
【0099】(14) アルキッド樹脂 具体的には、グリセリン・フタル酸樹脂などを挙げるこ
とができる。 (15) 飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコール
とのコポリエステルから誘導され、架橋剤としてビニル
化合物を使用して得られる不飽和ポリエステル樹脂なら
びにハロゲン含有改質樹脂。
【0100】(16) 天然重合体 具体的にはセルロース、ゴム、蛋白質、あるいはそれら
の誘導体(例;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、セルロースエーテル)などを挙げることができる。
【0101】(17) 軟質重合体 具体的には以下に述べる(i)〜(v)の群から選ばれ
るゴム状成分を挙げることができる。
【0102】[環状オレフィン成分を含む軟質重合体
(i)]環状オレフィン成分を含む軟質重合体は、エチ
レンと前記環状オレフィン系樹脂の製造の際に使用した
のと同種の環状オレフィン(式[I]または[II])と
を共重合させることにより得られる軟質重合体である。
この軟質重合体(i)には、環状オレフィンおよびエチ
レンを必須成分とする他に、α-オレフィンを特性の損
なわれない範囲で使用することができる。α-オレフィ
ンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、4-メチル
-1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ド
デセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデ
セン、1-エイコセンなどを挙げることができる。これら
の中では、炭素原子数3〜20のα-オレフィンが好ま
しい。また、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、
ジシクロペンタジエンなどの環状オレフィン、環状ジエ
ンも好ましい。
【0103】環状オレフィン成分を含む軟質重合体
(i)において、エチレン成分は40〜98モル%、好
ましくは50〜90モル%の範囲で用いられる。α-オ
レフィン成分は2〜50モル%の範囲で用いられ、環状
オレフィン成分は2〜20モル%、好ましくは2〜15
モル%の量で用いられる。
【0104】軟質重合体(i)は、前記環状オレフィン
系重合体と相違して、ガラス転移温度(Tg)が0℃以
下、好ましくは−10℃以下のもので、135℃のデカ
リン中で測定した極限粘度[η]が、通常は0.01〜
10dl/g、好ましくは0.8〜7dl/gである。軟質
重合体(i)はX線回折法により測定した結晶化度が通
常は0〜10%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは
0〜5%の範囲のものである。
【0105】軟質重合体(i)は、特開昭60−168
708号公報、特開昭61−120816号公報、特開
昭61−115912号公報、特開昭61−11591
6号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭6
1−272216号公報、特開昭62−252406号
公報、特開昭62−252406号公報などで本出願人
が提案した方法に従い適宜に条件を選択して製造するこ
とができる。
【0106】なお、環状オレフィン系重合体とこれらゴ
ム状成分とのポリマーアロイにおいては、有機過酸化物
の存在下に架橋反応を行なってもよく、このような架橋
性ポリマーアロイは剛性および耐衝撃性に優れた繊維を
提供する。
【0107】[α-オレフィン系共重合体(ii)]軟質
重合体として用いられるα-オレフィン系共重合体(i
i)は、少なくとも2種のα-オレフィンからなり、非晶
性ないし低結晶性の共重合体である。具体的な例として
は、エチレン・α-オレフィン共重合体およびプロピレ
ン・α-オレフィン共重合体がある。
【0108】エチレン・α-オレフィン共重合体を構成
するα-オレフィンとしては、通常炭素数3〜20のも
のが用いられ、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-
メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン
などのα-オレフィンおよびこれらの混合物を挙げるこ
とができる。これらの内、特に炭素数3〜10のα-オ
レフィンが好ましい。
【0109】エチレン・α-オレフィン共重合体のモル
比(エチレン/α-オレフィン)は、α-オレフィンの種
類によっても異なるが、一般には40/60〜95/5
である。また、上記モル比はα-オレフィンがプロピレ
ンである場合には40/60〜90/10であることが
好ましく、α-オレフィンが炭素数4以上である場合に
は50/50〜95/5であることが好ましい。
【0110】プロピレン・α-オレフィン共重合体を構
成するα-オレフィンとしては、通常炭素数4〜20の
ものが用いられ、具体的には、1-ブテン、4-メチル-1-
ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンなどのα-
オレフィンおよびこれらの混合物を挙げることができ
る。このうち、特に炭素数4〜10のα-オレフィンが
好ましい。
【0111】上記のようなプロピレン・α-オレフィン
共重合体においては、プロピレンとα-オレフィンとの
モル比(プロピレン/α-オレフィン)は、α-オレフィ
ンの種類によっても異なるが、一般に50/50〜95
/5である。
【0112】[α-オレフィン・ジエン系共重合体(ii
i)]軟質重合体として使用されるα-オレフィン・ジエ
ン系共重合体(iii)としては、エチレン・α-オレフィ
ン・ジエン共重合体ゴム、プロピレン・α-オレフィン
・ジエン共重合体ゴムがある。
【0113】これらの共重合体ゴムを構成するα-オレ
フィンは、通常は、炭素数3〜20(プロピレン・α-
オレフィンの場合は4〜20)のα-オレフィン、例え
ばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1- ペ
ンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンおよびこれ
らの混合物などを挙げることができる。これらの中で
は、炭素原子数3〜10のα-オレフィンが好ましい。
【0114】また、これらの共重合体ゴムを構成するジ
エン成分は、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-
メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン
および7-メチル-1,6-オクタジエンのような鎖状非共役
ジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、
メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、
5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボル
ネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネンおよび6-ク
ロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネンのような
環状非共役ジエン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボ
ルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボル
ネンおよび2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエンなどを
挙げることができる。
【0115】上記エチレン・α-オレフィン・ジエン共
重合体ゴムでは、エチレンとα-オレフィンとのモル比
(エチレン/α-オレフィン)は、α-オレフィンの種類
によっても相違するが、一般には40/60〜90/1
0である。
【0116】また、これら共重合体ゴム中におけるジエ
ン成分から誘導される繰り返し単位の含有量は、通常は
1〜20モル%、好ましくは2〜15モル%である。 [芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体
(iv)]軟質重合体として使用される芳香族ビニル系炭
化水素・共役ジエン系軟質共重合体は、芳香族ビニル系
炭化水素、共役ジエン系のランダム共重合体、ブロック
共重合体またはこれらの水素化物である。具体的にはス
チレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン・
ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン
・イソプレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプ
レン・スチレンブロック共重合体ゴム、水素添加スチレ
ン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、水素添加
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴ
ム、スチレン・ブタジエンランダム共重合体ゴムなどが
用いられる。
【0117】これらの共重合体ゴムにおいて、一般に芳
香族ビニル炭化水素と共役ジエンとのモル比(芳香族ビ
ニル炭化水素/共役ジエン)は10/90〜70/30
である。また、水素添加した共重合体ゴムとは、上記の
共重合体ゴム中に残存する二重結合の一部または全部を
水素化した共重合体ゴムである。
【0118】[イソブチレンまたはイソブチレン・共役
ジエンからなる軟質重合体または共重合体(v)]軟質
重合体として使用されるイソブチレン系軟質重合体また
は共重合体(v)は、具体的には、ポリイソブチレンゴ
ム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、イソブ
チレン・イソプレン共重合体ゴムなどである。
【0119】なお、軟質重合体である(ii)〜(v)の
共重合体の特性は、135℃のデカリン中で測定した極
限粘度[η]は、通常は.01〜10dl/g、好ましく
は0.08〜7dl/gの範囲であり、ガラス転移温度
(Tg)は、通常0℃以下、好ましくは−10℃以下、
特に好ましくは−20℃以下である。また、X線回折法
により測定した結晶化度は、通常0〜10%、好ましく
は0〜7%、特に好ましくは0〜5%の範囲内にある。
【0120】上記のようなポリマーは、環状オレフィン
系樹脂と混練して使用することもできるが、さらに、環
状オレフィン系樹脂中に他の樹脂が分散している混練物
をさらに有機過酸化物で処理することによりこの樹脂混
練物中に架橋構造を形成させて用いることができる。
【0121】ここで使用される有機過酸化物の例として
は、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノ
ンパーオキシドなどのケトンパーオキシド類、1,1-ビス
(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン2,2-ビス(t-ブ
チルパーオキシ)オクタンなどのパーオキシケタール
類、t-ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオ
キシド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロキシパー
オキシド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキ
シドなどのヒドロパーオキシド類、ジ-t-ブチルパーオ
キシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)
ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキ
シ)ヘキシン-3などのジアルキルパーオキシド、ラウロ
イルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシドなどのジア
シルパーオキシド類、t-ブチルパーオキシアセテート、
t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-
ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシ
エステル類などを挙げることができる。
【0122】上記有機過酸化物成分の配合量は、繊維を
構成する樹脂成分100重量部に対して、通常は0.0
1〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部であ
る。そして、さらに架橋効率を高める目的で有機過酸化
物で処理する際に、ラジカル重合性の官能基を分子内に
2個以上有する化合物をさらに含有させると、耐衝撃性
に優れた繊維が得られるので好ましい。
【0123】ラジカル重合性の官能基を分子内に2個以
上有する化合物としては、ジビニルベンゼン、アクリル
酸ビニル、メタアクリル酸ビニルなどを挙げることがで
きる。これらの化合物は繊維を構成する樹脂成分100
重量部に対して、通常は1重量部以下、好ましくは0.
1〜0.5重量部の量で使用される。
【0124】このような軟質重合体((i)〜(v)の軟
質共重合体)を使用する場合、この軟質重合体は、環状
オレフィン系樹脂100重量部に対して、通常は5〜1
50重量部、好ましくは5〜100重量部、特に好まし
くは10〜80重量部の範囲内で使用することにより、
得られる繊維の衝撃強度、剛性、熱変形温度および硬度
などの特性のバランスが良好になるなお、これらポリマ
ーアロイの溶融流れ指数(MFR;ASTM D1238 条件)は
0.1〜100であることが好ましい。
【0125】[その他の添加物]本発明の繊維を形成す
る環状オレフィン系樹脂には、上記のような他の樹脂の
他に、発明の目的を損なわない範囲で、耐熱安定性、耐
候安定性、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキン
グ剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワ
ックス、有機あるいは無機の充填剤などを配合すること
ができる。
【0126】例えば、任意成分として配合される安定剤
としては、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-
4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β-
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン
酸アルキルエステル、2,2'-オキザミドビス[エチル-3-
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル) プロピオネ
ートなどのフェノール系酸化防止剤、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2-ヒドロキシステアリ
ン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、グリセリンモノス
テアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリス
リトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジス
テアレート、ペンタエリスリトールトリステアレートな
どの多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることが
できる。これらは単独で配合してもよいが、組み合わせ
て配合してもよい。例えばテトラキス[メチレン-3-(3.
5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタンとステアリン酸亜鉛とグリセリンモノステア
レートとの組み合わせなどを例示することができる。
【0127】また、有機または無機の充填剤としてはシ
リカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシ
ウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマイ
ト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスピーズ、
ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ペントナイト、
グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロ
ン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などを
挙げることができる。
【0128】環状オレフィン系重合体と他の成分とは、
公知の方法を利用して混合することができる。例えば各
成分を同時に混合することができる。 [繊維の製造]本発明の繊維は前記の環状オレフィン系
樹脂さらに必要により他の成分を加えた組成物を、従来
公知の繊維化方法により得ることができる。
【0129】繊維化における紡糸方法としては、乾式紡
糸法、湿式紡糸法、溶融紡糸法、エマルジョン紡糸法等
を挙げることができる。これらの紡糸法の中でも特に溶
融紡糸法が好ましい。
【0130】この溶融紡糸法は、環状オレフィン系樹脂
(または組成物)を融点(または軟化点)以上分解温度
未満の温度、好ましくは120〜300℃の温度に加熱
して溶融状態にした後、ノズルから押し出し、押し出さ
れた樹脂を冷却しながら巻き取る方法である。この方法
では、種々の形態のノズルが使用できるが、L/Dの値
が10/0.5〜60/3mm程度のノズルが適してい
る。また、ノズルからの樹脂の押し出し速度は、通常は
0.01〜100m/min、好ましくは0.05〜10m/min
程度である。上記のような速度で押し出されたモノフィ
ラメントの巻き取り速度は、通常は10〜10,000m
/min、好ましくは100〜5,000m/minである。従っ
て、ノズルから押し出されたモノフィラメントは通常は
巻き取りの際に延伸される。この際の延伸倍率は通常は
10〜10,000、好ましくは100〜5,000であ
る。
【0131】このように紡糸することにより得られた原
糸には、不純物の除去、緊張延伸、熱処理、精錬、染色
等を目的とする後処理工程における処理を施すことがで
きる。
【0132】こうして得られた繊維は、衣服、ロープ、
釣り糸、不織布、各種樹脂のコンパウンドの補強剤など
の用途に使用することができる。
【0133】
【発明の効果】本発明の環状オレフィン系樹脂繊維は、
充分な成形性を維持して強度、弾性率、耐クリープ性、
耐熱性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性および風合いが総
合的に優れている。
【0134】
【実施例】以下に実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0135】原料となる重合体は以下に示す方法で調製
し、これを紡糸した後、各種特性を調べた。各種物性の
測定方法および評価方法を次に示す。
【0136】(1) 引張弾性率:温度23℃においてASTM
-D3822に準じた方法で測定した。 (2) 引張強度:温度23℃においてASTM-D3822に準じた
方法で測定した。 (3) TMA軟化温度:荷重100kg/cm2下で雰囲気温度
を室温より10℃/分で昇温し、繊維長さが10%伸び
た温度をもって軟化温度とする。
【0137】(4) 耐クレープ性:荷重1000kg/cm2
で各種温度で24時間放置し、繊維長さの変化量をもっ
て測定した。 (5) 耐水性:沸騰水中に繊維を24時間放置した後の引
張強度の変化率をもって測定した。
【0138】(6) 風合い:調製した繊維の不織布の手触
りで評価した。 [環状オレフィン系重合体の調製法] (触媒の調製)VO(OC25)Cl2をシクロヘキサ
ンで希釈し、バナジウム濃度が18.6ミリモル/リッ
トル-シクロヘキサンであるバナジウム触媒を調製し
た。一方、エチルアルミニウムセスキクロリド(Al
(C251.5Cl1.5)をシクロヘキサンで希釈しアル
ミニウム濃度が164ミリモル/リットル-シクロヘキ
サンである有機アルミニウム触媒を調製した。
【0139】(重合)内径が700mmであり、全容量が
570リットルであり、反応容量が300リットルであ
る、邪魔板および攪拌機付き重合器と、伝熱面積が1
9.4m2である縦型の多管式冷却機と、攪拌機付き重合
器の底部より重合溶液を抜き出し、この多管冷却機に重
合溶液を循環させて、再び重合器に戻す循環ライン中に
設けられた循環ポンプとを備えた重合装置を用い、エチ
レン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン
(以下単に「テトラシクロドデセン」と記載することも
ある)およびブテン-1とを連続的に共重合反応させた。
なお、ブテン-1は、得られる共重合体中におけるブテン
-1から誘導される繰り返し単位の量が1.2モル%にな
るように供給した。
【0140】この反応に際して、前記方法により調製し
たバナジウム触媒(V触媒)を、重合器内におけるV触
媒濃度が0.35ミリモル/リットルになるような量で
重合器内に供給した。しかも重合器に供給される直前に
おけるV触媒濃度が、重合機内での触媒濃度に対し、希
釈倍率で1.8倍になるように、重合溶媒であるシクロ
ヘキサンを用いて、予めV触媒を希釈して重合器に供給
した。
【0141】一方、有機アルミニウム化合物であるエチ
ルアルミニウムセスキクロリドをAl/V=8.0とな
るような量で重合器に供給した。しかも重合器に供給さ
れる直前における濃度が重合器内における濃度に対して
希釈倍率で11倍になるように重合溶媒のシクロヘキサ
ンを用いて予め希釈して重合器に供給した。
【0142】これらのV触媒および有機アルミニウム触
媒は、径が0.25mの6枚の垂直ディスタービン翼を
2段に備えた攪拌機の上段翼先端近傍であって、攪拌が
最も激しく行われている部分に供給し、触媒を速やかに
分散混合させた。
【0143】重合溶媒であるシクロヘキサンを233Kg
/hの量で重合器内に供給した。エチレンを2.69Kg/h
の量で、そして分子量調整剤である水素ガスを2.2N
リットル/hの量で重合器内気相部に供給した。4.3kw/
kLの動力の攪拌機で、重合液を強力に攪拌した。
【0144】重合器外部に取り付けたジャケットおよび
多管式冷却器シェルに25重量%のメタノール・水混合
液を冷媒として循環させて、重合温度が10℃になるよ
うに反応温度を調整した。また、窒素ガスを重合器内に
導入して重合圧力を1.0Kg/cm2-Gに調整した。
【0145】重合器内壁を洗浄するために、次のような
方法を用いた。すなわち、攪拌機と攪拌機を連結するシ
ャフトの気相部に、一部に穴をあけた受け皿(スプレー
ディスク)を取り付けた。このスプレーディスク内にシ
クロヘキサン溶媒を30Kg/hの量で、またテトラシクロ
ドデセンを14.2Kg/hの量で、さらにブテン-1を0.4
1Kg/hの量で供給した。攪拌機の回転に伴って回転する
スプレーディスクに生ずる遠心力によって上記成分をス
プレーディスクの穴から重合器内壁に散布した。散布さ
れたテトラシクロドデセン、シクロヘキサンおよびブテ
ン-1は、内壁表面を洗浄しながら液相部に落下した。
【0146】上記した条件で連続的にエチレン、テトラ
シクロドデセンおよびブテン-1の共重合反応を行い、エ
チレン・テトラシクロドデセン・ブテン-1共重合体の濃度
が30g/リットルのヘキサン溶液が得られた。
【0147】(脱灰)重合器より抜き出したエチレン・
テトラシクロドデセン・ブテン-1共重合体のシクロヘキ
サン溶液に、80℃のボイラー水およびpH調節剤であ
る濃度が4重量%のNaOH溶液を添加し、共重合反応
を停止させると共に、シクロヘキサン溶液中に残存する
触媒残渣をこの溶液中から除去(脱灰)した。
【0148】脱灰後のシクロヘキサン溶液を、一旦、内
径が900mm、有効容積が1.0m3である攪拌機付き容
器に貯蔵して、容器外部に取り付けたジャケットに常温
の水を流して、貯蔵されているシクロヘキサン溶液を3
0〜40℃に冷却した。
【0149】(濾過)こうして冷却されたシクロヘキサ
ン溶液を、外径が63.5mm、内径が28mm、長さが1
mである公称1μmのコットン濾過器フィルター(日本
濾過器(株)製、縦型ワイドフィルター)を34本配した
濾過器に261Kg/hの量で連続的に供給して濾過した。
【0150】次に外径が64mm、内径が51mm、長さが
476mmである公称2μmのホウケイ酸塩グラスマクロ
ファイバー不織布のデプス型フィルター(ボルストン社
製BXフィルター)を3本配した濾過器に、上記の濾過液
を261Kg/hの量で連続的に供給して濾過した。このと
きの差圧は1.5Kg/cm2以下であった。
【0151】次に外径が59mm、内径が51mm、長さが
476mmである公称0.9μmのホウケイ酸塩グラスマ
イクロファイバー製不織布のデプス型フィルター(ボル
ソトン社製AQフィルター)を3本配した濾過器に、上記
の濾過液を261Kg/hの量で連続的に供給して濾過し
た。このときの差圧は1.5Kg/cm2以下であった。
【0152】さらに、外径が59mm、内径が51mm、長
さが476mmである公称0.3μmのホウケイ酸塩グラ
スマイクロファイバー製不織布のデプス型フィルター
(ボルソトン社製AAQフィルター)を3本配した濾過器
に、上記濾過液を261Kg/hの量で連続的に供給して濾
過した。このときの差圧は1.5Kg/cm2以下であった。
【0153】最後に外径が61mm、長さが510μmで
ある公称0.3μmのSUS 304製金属の不織布のプリーツ
型フィルター(プランズウィック社製、PSP03フィルタ
ー)を1本配した濾過器に、上記の濾過液を261Kg/h
の量で連続的に供給して濾過した。
【0154】(析出)上記のようにして濾過したシクロ
ヘキサン溶液にアセトンを加えて共重合体を析出させ、
析出した共重合体を分離した。
【0155】得られた環状オレフィン系ランダム共重合
体から未反応モノマーを抽出除去した後、この共重合体
を分離し、乾燥し、ペレタイズしてさらに乾燥した。以
上のようにして得られた共重合体についての13C-NM
R分析で測定されたエチレン含量は65モル%、テトラ
シクロドデセン含量は34モル%であり、135℃デカ
リン中で測定した極限粘度[η]は0.45dl/g、DS
C法により測定したガラス転移温度(Tg)は127℃
であった。
【0156】
【実施例1】上記のようにして得られた共重合体を直径
10mmの円筒状バレル中で230℃で溶融した後、L/
D=20/1mmのノズル中を0.1m/minの速度で押し出
し、押し出された樹脂を空冷しながら300m/minの巻
き取り速度で巻き取って延伸することにより環状オレフ
ィン系ランダム共重合体のモノフィラメントを得た。
【0157】得られたモノフィラメントを用いて前記の
方法に従って物性を測定し評価した。結果を表1に示
す。
【0158】
【実施例2】実施例1において、紡糸の際の樹脂の温度
を220℃にした以外は同様にしてモノフィラメントを
得た。
【0159】得られたモノフィラメントを用いて前記の
方法に従って物性を測定し評価した。結果を表1に示
す。
【0160】
【実施例3】実施例1において、紡糸の際の巻き取り速
度を150m/minに変えた以外は同様にしてモノフィラ
メントを得た。
【0161】得られたモノフィラメントを用いて前記の
方法に従って物性を測定し評価した。結果を表1に示
す。
【0162】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 23/08 LCZ 7107−4J 23/18 LCZ 7107−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと次式[I]または[II]で表
    わされる環状オレフィンとのランダム共重合体、 および/または次式[I]または[II]で表される環状
    オレフィンの開環重合体もしくは開環共重合体またはこ
    れらの水添物からなることを特徴とする環状オレフィン
    系樹脂繊維; 【化1】 …[I] [式[I]中、nは0または1であり、mは0または正
    の整数であり、rは0または1であり、 R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、
    水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群か
    ら選ばれる原子もしくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形
    成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
    合を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
    デン基を形成していてもよい]; 【化2】 ・・・[II] [式[II]中、pおよびqは0または1以上の整数であ
    り、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R
    19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪
    族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
    よびアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もしくは
    基を表し、R9が結合している炭素原子と、R13が結合
    している炭素原子またはR10が結合している炭素原子と
    11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素原子
    数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、
    また、n=m=0のときR15とR12またはR15とR19
    は互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成して
    いてもよい]。
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