JPH06158420A - 環状オレフィン系樹脂繊維 - Google Patents
環状オレフィン系樹脂繊維Info
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- JPH06158420A JPH06158420A JP29978292A JP29978292A JPH06158420A JP H06158420 A JPH06158420 A JP H06158420A JP 29978292 A JP29978292 A JP 29978292A JP 29978292 A JP29978292 A JP 29978292A JP H06158420 A JPH06158420 A JP H06158420A
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Abstract
レンと特定の環状オレフィンとのランダム共重合体、お
よび/または、特定の環状オレフィンの開環重合体もし
くは開環共重合体またはこれらの水添物からなる。 【効果】 本発明の繊維は、充分な成形性が良好であり
容易に製造することができると共に、強度、弾性率、耐
熱性、耐水性、耐溶剤性、耐クレープ性および風合いが
総合的に優れている。
Description
なる繊維に関し、特に強度、弾性率、耐クリープ性、耐
熱性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性、風合いなどの特性
に優れた環状オレフィン系樹脂繊維に関する。
として、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエス
テル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニルなど、種々の樹脂が使用されている。これらの合成
繊維は、それぞれ原料となる樹脂の種類等によって独特
の特性、感触、風合いを有しており、用途に応じて適宜
に選択して使用されている。例えば具体的製品として
は、衣類、ロープ、釣糸、不織布、各種樹脂コンパウン
ドの補強材等を挙げることができる。
っており、その多様化に対応できるような幅広い特性を
有する繊維の出現が望まれている。ところで、近年、環
内にエチレン性二重結合を有する環状オレフィンとエチ
レンとの共重合体である環状オレフィンランダム共重合
体が注目されている。この環状オレフィン系樹脂につい
ては、例えば特開昭60-168708号、同63-243111号、同63
-305111号および同63-223013号等の各公報に記載されて
いる。この環状オレフィン系樹脂は、本質的にオレフィ
ン系の樹脂であるが、環状オレフィンの重合量、およ
び、環状オレフィンと共重合させる成分の種類あるいは
量等によってその特性が広汎に変化する極めて興味深い
樹脂である。また、上記の環状オレフィンを開環させて
(共)重合させた環状オレフィン開環(共)重合体も同
様に優れた特性を有している。
よび環状オレフィン開環(共)重合体である環状オレフ
ィン系樹脂は、従来機械的な強度などを利用して機械部
品、光学的特性を利用した基盤等として使用されている
のが一般的であり、繊維としては現実には利用されてい
ない。
して環状オレフィン系樹脂繊維を製造してこの特性を測
定したところ、強度、弾性率、耐クリープ性、耐熱性、
耐水性、耐薬品性、耐溶剤性、風合いなどの特性が総合
的に優れていることを見いだして本発明に到達した。
きる幅広い特性を有する新規な繊維を提供することを目
的としている。
耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、風合いなどの特性が総合
的に優れた新規な繊維を提供することを目的としてい
る。
エチレンと次式[I]または[II]で表わされる環状オ
レフィンとのランダム共重合体、および/または次式
[I]または[II]で表される環状オレフィンの開環重
合体もしくは開環共重合体またはこれらの水添物からな
ることを特徴としている。
正の整数であり、rは0または1であり、R1〜R18な
らびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハ
ロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原
子もしくは基を表し、R15〜R18は、互いに結合して単
環または多環の基を形成していてもよく、かつ該単環ま
たは多環の基が二重結合を有していてもよく、また、R
15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を
形成していてもよい。
あり、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R19
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族
炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基およ
びアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もしくは基
を表し、R9が結合している炭素原子と、R13が結合し
ている炭素原子またはR10が結合している炭素原子とR
11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素原子数
1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、ま
た、n=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは
互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成してい
てもよい。
記のような特定の環状オレフィンから誘導される繰り返
し単位を有する環状オレフィン系樹脂からなるので、強
度、弾性率、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、風合いなど
の特性が総合的に優れており、従って本発明の繊維は、
最近の繊維の多様化に対応することができる。
樹脂繊維について具体的に説明する。本発明の繊維を形
成する環状オレフィン系樹脂は、エチレンと次式[I]
または[II]で表わされる環状オレフィンとのランダム
共重合体、および/または次式[I]または[II]で表
される環状オレフィンの開環重合体もしくは開環共重合
体またはその水添物からなる。
ィン系樹脂は、下記式[I]、[II]で表される環状オ
レフィンから製造することができる。
り、mは0または正の整数であり、rは0または1であ
る。
bは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および
炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表
す。ここで、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げること
ができる。また、炭化水素基としては、それぞれ独立
に、通常は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原
子数3〜15のシクロアルキル基を挙げることができ、
アルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデ
シル基を挙げることができる。またシクロアルキル基の
具体的な例としては、シクロヘキシル基を挙げることが
できる。
16とが、R17とR18とが、さらにR1 5とR17とが、R16
とR18とがR15とR18とが、あるいはR16とR17とがそ
れぞれ結合して(互いに共同して)、単環または多環の
基を形成していてもよく、しかも、このようにして形成
された単環または多環の基が二重結合を有していてもよ
い。
以下に記載する基を挙げることができる。
び2の番号を賦した炭素原子は、式[I]において、R
15〜R18で表される基が結合している脂環構造の炭素原
子を表す。
とでアルキリデン基を形成していてもよい。このような
アルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキ
リデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な
例としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソ
プロピリデン基を挙げることができる。
る環状オレフィンの他、次式[II]で表される環状オレ
フィンであってもよい。
であり、好ましくは0〜3である。また上記式[II]に
おいて、mおよびnは0、1または2である。さらに、
qは0または正の整数であり、好ましくは0または1で
ある。
水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群か
ら選ばれる原子もしくは基である。ここで、ハロゲン原
子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
およびヨウ素原子を挙げることができる。また、炭化水
素基の例としては、炭素原子数1〜10のアルキル基、
炭素原子数5〜15のシクロアルキル基、炭素原子数6
〜12の芳香族基を挙げることができる。そして、アル
キル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、イソブチル基、n-アミル基、ネオペンチ
ル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基および
2-エチルヘキシル基等を挙げることができ、シクロアル
キル基の具体的な例としては、シクロヘキシル基、メチ
ルシクロヘキシル基およびエチルシクロヘキシル基等を
挙げることができ、また、芳香族基の具体的な例として
は、フェニル基、ナフチル基およびビフェニル基等を挙
げることができる。
している炭素原子とR13が結合している炭素原子、また
は、R10が結合している炭素原子とR11が結合している
炭素原子とは、炭素原子数1〜3のアルキレン基を介し
て結合していてもよく、また何の基も介さずに直接結合
していてもよい。
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の好ましい例と
しては、n=m=0のときR15とR12がさらに芳香族環
を形成している以下に記載する基を挙げることができ
る。
と同じ意味である。本発明において使用される上記式
[I]または[II]で表わされる環状オレフィンとして
は、具体的には、以下に記載する化合物の誘導体を挙げ
ることができる。
トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリシク
ロ[4.3.0.12,5]-3-ウンデセン誘導体、テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン誘導体、ペンタシク
ロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセン誘導体、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ヘキサデセ
ン誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3
-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン
誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-
ペンタデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.1
10,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン誘導体、ヘプタシ
クロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-エ
イコセン誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.1
12,17.02,7.011,16]-5-エイコセン誘導体、ヘプタシク
ロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ヘン
エイコセン誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.1
11,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセン誘導体、オクタ
シクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17]-5-ドコセン誘導体、ノナシクロ[10.9.1.
14,7.113,20.115,18.03,8.02,10.012,21.014,19]-5-ペ
ンタコセン誘導体、ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.
116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]-5-ヘキサコセン誘
導体。
オレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒ
ドロアントラセン誘導体、シクロペンタジエン-アセナ
フチレン付加物。
I]で表される環状オレフィンの具体的な化合物の例と
しては、以下に記載する化合物を挙げることができる。
環状オレフィンとして、上記の化合物の他に、1,4,5,8-
ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレ
ン、2-メチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オ
クタヒドロナフタレン、2-エチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,
2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-プロピル
-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナ
フタレン、2-ヘキシル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,
5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2,3-ジメチル-1,4,5,
8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレ
ン、2-メチル-3-エチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,
5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-クロロ-1,4,5,8-ジ
メタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2
-ブロム-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタ
ヒドロナフタレン、2-フルオロ-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,
3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2,3-ジクロロ
-1,4,5,8- ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロ
ナフタレン、2-シクロヘキシル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,
3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-n-ブチル-
1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナ
フタレン、2-イソブチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4
a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどのオクタヒドロ
ナフタレン類などを例示することができる。
環状オレフィンは、シクロペンタジエン類と対応するオ
レフィン類または環状オレフィン類とをディールス・ア
ルダー反応により縮合させることにより容易に製造する
ことができる。
組み合わせて用いることができる。 [環状オレフィン系樹脂]本発明の繊維を形成する環状
オレフィン系樹脂は、前記式[I]または[II]で表さ
れる環状オレフィンとエチレンとの付加重合により得ら
れる共重合体(環状オレフィンランダム共重合体)、お
よび/または前記式[I]または[II]で表される環状
オレフィンの開環重合体もしくは開環共重合体(環状オ
レフィン開環(共)重合体)またはこれらの水素添加物
である。
の式[I]または[II]で表わされる環状オレフィン化
合物と共重合する単量体は、エチレンである。ただし、
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂においては、
エチレンの他に、本発明の繊維の特性を損なわない範囲
内で他のオレフィン化合物を共重合させることもでき
る。ここでエチレンおよび上記の式[I]または式[I
I]で表わされる環状オレフィン化合物と共重合させる
ことができる他のオレフィン化合物の例としては、プロ
ピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセ
ン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセ
ンなどの炭素原子数が3〜20のα-オレフィン;シク
ロペンテン、シクロヘキセン、3-メチルシクロヘキセ
ン、シクロオクテンおよび3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7
-メタノ-1H-インデンなどのシクロオレフィン;1,4-ヘ
キサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,
4-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジ
エン、5-エチリデン-2-ノルボルネンおよび5-ビニル-2-
ノルボルネンなどの非共役ジエン類;ノルボルネン-2、
5-メチルノルボルネン-2、5-エチルノルボルネン-2、5-
イソプロピルノルボルネン-2、5-n-ブチルノルボルネン
-2、5-i-ブチルノルボルネン-2、5,6-ジメチルノルボル
ネン-2、5-クロロノルボルネン-2、2-フルオロノルボル
ネン-2および5,6-ジクロロノルボルネン-2などのノルボ
ルネン類などを挙げることができる。これらの中では、
炭素原子数3〜15、特に3〜10のα-オレフィンが
好ましい。
いは組合わせて使用することができる。式[I]または
[II]で表される環状オレフィン以外の環状オレフィン
として二重結合を分子内に二個以上有する化合物を用い
た場合、耐候性を向上させる目的で水素添加して用いる
ことができる。
I]で表わされる環状オレフィンとは、通常は、反応溶
媒に対して可溶性のバナジウム化合物と、有機アルミニ
ウム化合物とからなる触媒を用いて溶媒中で反応させ
る。
て、式[I]または[II]で表わされる環状オレフィン
は、それぞれ、下記式[I-a]または[II-b]で表わさ
れる構造を形成していると考えられる。
Ra、Rbは、前記式[I]におけるのと同じ意味であ
る。
は、前記式[II]におけるのと同じ意味である。
フィン開環共重合体は、前記式[I]または[II]で表
される環状オレフィンの開環重合体または開環共重合体
である。
オレフィン開環共重合体は、前記式[I]または[II]
で表される環状オレフィンを、ルテニウム、ロジウム、
パラジウム、オスミウム、インジウムおよび白金のよう
な金属のハロゲン化物、これらの金属の硝酸塩またはこ
れらの金属のアセチルアセトン化合物と、還元剤とから
なる触媒;チタン、パラジウム、ジルコニウムおよびモ
リブデンのような金属のハロゲン化物またはこれらの金
属のアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウムとか
らなる触媒の存在下に(共)重合させることにより製造
することができる。
て、環状オレフィン[I]または[II]は、それぞれ次
式[I-b]または[II-b]で表わされる繰り返し単位を
形成していると考えられる。
Ra、Rbは、前記式[I]におけるのと同じ意味であ
る。
は、前記式[II]におけるのと同じ意味である。
素添加物は、上記のようにして得られた環状オレフィン
開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水素で還元
することにより製造することができる。
環状オレフィン[I]または[II]は、それぞれ次式[I
-c]または[II-c]で表わされる繰り返し単位を形成し
ていると考えられる。
Ra、Rbは、前記式[I]におけるのと同じ意味であ
る。
は、前記式[II]におけるのと同じ意味である。
ン系樹脂は、必要により脱灰工程、濾過工程、析出工程
などを経て精製される。例えば脱灰工程は、反応液をア
ルカリ水溶液と接触させることにより樹脂中に残存する
触媒残渣を除去する工程である。また、析出工程は、反
応液を、樹脂に対する貧溶媒中に投入して反応溶媒中に
溶解している樹脂を析出させる工程である。
脂は、上記の外、特開昭60-168708号、同61-120816号、
同61-115912号、同61-115916号、同61-271308号、同61-
272216号、同62-252406号および同62-252407号等の公報
において本出願人が提案した方法に従い適宜条件を選択
することにより、製造することができる。
樹脂の沃素価は通常5以下、その多くは1以下である。
また、上記環状オレフィンランダム共重合体、環状オレ
フィン開環(共)重合体、および開環(共)重合体の水
素添加物について135℃のデカリン中で測定した極限
粘度[η]は、通常は0.01〜20dl/gであり、特
に0.05〜10dl/g、さらには0.08〜8dl/g
であること好ましい。
は、一般に非晶性または低結晶性であり、好ましくは非
晶性である。従って、この環状オレフィン系樹脂自体は
良好な透明性を有している。また、この環状オレフィン
系樹脂についてX線による結晶化度を測定すると、通常
は5%以下、その多くは0%であり、示差走査型熱量計
(DSC)で融点を測定しても融点が観察されないもの
が多い。
質としてガラス転移温度(Tg)および軟化温度(TM
A)が高いことを挙げることができる。ガラス転移温度
(Tg)が通常230℃以下、好ましくは50〜230
℃、多くの場合100〜200℃の範囲内に測定され
る。そして、本発明において、良好に紡糸するために
は、この軟化温度が、70〜180℃、多くの場合90
〜180℃の範囲内にある環状オレフィン系樹脂を使用
することが好ましい。
度は、通常は350〜420℃、多くの場合370〜4
00℃の範囲内にある。この環状オレフィン系樹脂の機
械的性質として、この樹脂自体の引張り弾性率は、通常
1×104 〜5×104Kg /cm2の範囲内にあり、引張
り強度も通常300〜1500Kg/cm2の範囲内にあ
る。
6〜1.10g/cm3、その多くが0.88〜1.08
g/cm3の範囲にある。本発明の環状オレフィン系樹脂
繊維は、上記のような環状オレフィン系樹脂を熱分解温
度未満の温度に加熱して溶融し、これを通常の方法で紡
糸することにより製造することができるが、さらに、他
の樹脂を配合した樹脂組成物を紡糸することもできる。
々の重合体をブレンドして環状オレフィン系樹脂に他の
樹脂を微細に分散させた所謂ポリマーアロイを形成させ
てこれを紡糸することができる。ここで環状オレフィン
系樹脂と共にポリマーアロイを形成することができる重
合体を以下に例示する。
る炭化水素から誘導される重合体 具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルブテン-1、ポリ4-メチルペンテン-1、ポリブテン-1お
よびポリスチレンのようなポリオレフィンを挙げること
ができる。なおこれらのポリオレフィンは架橋構造を有
してもよい。
フッ化ビニル、ポリクロロプレン、塩素化ゴムなどを挙
げることができる。
導される重合体 具体的にはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、または前記
の重合体を構成するモノマーとの共重合体(例;アクリ
ロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロ
ニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチ
レン・アクリル酸エステル共重合体)などを挙げること
ができる。
はそのアシル誘導体またはアセタールから誘導された重
合体 具体的にはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポ
リスレアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレ
イン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタ
レート、ポリアリルメラミン、または前記重合体を構成
するモノマーとの共重合体(例;エチレン、酢酸ビニル
共重合体)などを挙げることができる。
エーテルから誘導された重合体などを挙げることができ
る。
コモノマーとしてエチレンオキシドを含むようなポリオ
キシメチレンなどを挙げることができる。
ノカルボン酸または相応するラクタムから誘導されたポ
リアミドおよびコポリアミド 具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、
ナイロン12などを挙げることができる。
よび/またはオキシカルボン酸または相応するラクトン
から誘導されたポリエステル 具体的にはポリエステルテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリ1,4-ジメチロール・シクロヘキサ
ンテレフタレートなどを挙げることができる。
はメラミンから誘導された架橋構造を有した重合体 具体的には、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素
・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド
樹脂などを挙げることができる。
とができる。 (15) 飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコール
とのコポリエステルから誘導され、架橋剤としてビニル
化合物を使用して得られる不飽和ポリエステル樹脂なら
びにハロゲン含有改質樹脂。
の誘導体(例;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、セルロースエーテル)などを挙げることができる。
るゴム状成分を挙げることができる。
(i)]環状オレフィン成分を含む軟質重合体は、エチ
レンと前記環状オレフィン系樹脂の製造の際に使用した
のと同種の環状オレフィン(式[I]または[II])と
を共重合させることにより得られる軟質重合体である。
この軟質重合体(i)には、環状オレフィンおよびエチ
レンを必須成分とする他に、α-オレフィンを特性の損
なわれない範囲で使用することができる。α-オレフィ
ンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、4-メチル
-1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ド
デセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデ
セン、1-エイコセンなどを挙げることができる。これら
の中では、炭素原子数3〜20のα-オレフィンが好ま
しい。また、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、
ジシクロペンタジエンなどの環状オレフィン、環状ジエ
ンも好ましい。
(i)において、エチレン成分は40〜98モル%、好
ましくは50〜90モル%の範囲で用いられる。α-オ
レフィン成分は2〜50モル%の範囲で用いられ、環状
オレフィン成分は2〜20モル%、好ましくは2〜15
モル%の量で用いられる。
系重合体と相違して、ガラス転移温度(Tg)が0℃以
下、好ましくは−10℃以下のもので、135℃のデカ
リン中で測定した極限粘度[η]が、通常は0.01〜
10dl/g、好ましくは0.8〜7dl/gである。軟質
重合体(i)はX線回折法により測定した結晶化度が通
常は0〜10%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは
0〜5%の範囲のものである。
708号公報、特開昭61−120816号公報、特開
昭61−115912号公報、特開昭61−11591
6号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭6
1−272216号公報、特開昭62−252406号
公報、特開昭62−252406号公報などで本出願人
が提案した方法に従い適宜に条件を選択して製造するこ
とができる。
ム状成分とのポリマーアロイにおいては、有機過酸化物
の存在下に架橋反応を行なってもよく、このような架橋
性ポリマーアロイは剛性および耐衝撃性に優れた繊維を
提供する。
重合体として用いられるα-オレフィン系共重合体(i
i)は、少なくとも2種のα-オレフィンからなり、非晶
性ないし低結晶性の共重合体である。具体的な例として
は、エチレン・α-オレフィン共重合体およびプロピレ
ン・α-オレフィン共重合体がある。
するα-オレフィンとしては、通常炭素数3〜20のも
のが用いられ、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-
メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン
などのα-オレフィンおよびこれらの混合物を挙げるこ
とができる。これらの内、特に炭素数3〜10のα-オ
レフィンが好ましい。
比(エチレン/α-オレフィン)は、α-オレフィンの種
類によっても異なるが、一般には40/60〜95/5
である。また、上記モル比はα-オレフィンがプロピレ
ンである場合には40/60〜90/10であることが
好ましく、α-オレフィンが炭素数4以上である場合に
は50/50〜95/5であることが好ましい。
成するα-オレフィンとしては、通常炭素数4〜20の
ものが用いられ、具体的には、1-ブテン、4-メチル-1-
ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンなどのα-
オレフィンおよびこれらの混合物を挙げることができ
る。このうち、特に炭素数4〜10のα-オレフィンが
好ましい。
共重合体においては、プロピレンとα-オレフィンとの
モル比(プロピレン/α-オレフィン)は、α-オレフィ
ンの種類によっても異なるが、一般に50/50〜95
/5である。
i)]軟質重合体として使用されるα-オレフィン・ジエ
ン系共重合体(iii)としては、エチレン・α-オレフィ
ン・ジエン共重合体ゴム、プロピレン・α-オレフィン
・ジエン共重合体ゴムがある。
フィンは、通常は、炭素数3〜20(プロピレン・α-
オレフィンの場合は4〜20)のα-オレフィン、例え
ばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1- ペ
ンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンおよびこれ
らの混合物などを挙げることができる。これらの中で
は、炭素原子数3〜10のα-オレフィンが好ましい。
エン成分は、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-
メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン
および7-メチル-1,6-オクタジエンのような鎖状非共役
ジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、
メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、
5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボル
ネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネンおよび6-ク
ロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネンのような
環状非共役ジエン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボ
ルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボル
ネンおよび2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエンなどを
挙げることができる。
重合体ゴムでは、エチレンとα-オレフィンとのモル比
(エチレン/α-オレフィン)は、α-オレフィンの種類
によっても相違するが、一般には40/60〜90/1
0である。
ン成分から誘導される繰り返し単位の含有量は、通常は
1〜20モル%、好ましくは2〜15モル%である。 [芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体
(iv)]軟質重合体として使用される芳香族ビニル系炭
化水素・共役ジエン系軟質共重合体は、芳香族ビニル系
炭化水素、共役ジエン系のランダム共重合体、ブロック
共重合体またはこれらの水素化物である。具体的にはス
チレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン・
ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン
・イソプレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプ
レン・スチレンブロック共重合体ゴム、水素添加スチレ
ン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、水素添加
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴ
ム、スチレン・ブタジエンランダム共重合体ゴムなどが
用いられる。
香族ビニル炭化水素と共役ジエンとのモル比(芳香族ビ
ニル炭化水素/共役ジエン)は10/90〜70/30
である。また、水素添加した共重合体ゴムとは、上記の
共重合体ゴム中に残存する二重結合の一部または全部を
水素化した共重合体ゴムである。
ジエンからなる軟質重合体または共重合体(v)]軟質
重合体として使用されるイソブチレン系軟質重合体また
は共重合体(v)は、具体的には、ポリイソブチレンゴ
ム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、イソブ
チレン・イソプレン共重合体ゴムなどである。
共重合体の特性は、135℃のデカリン中で測定した極
限粘度[η]は、通常は.01〜10dl/g、好ましく
は0.08〜7dl/gの範囲であり、ガラス転移温度
(Tg)は、通常0℃以下、好ましくは−10℃以下、
特に好ましくは−20℃以下である。また、X線回折法
により測定した結晶化度は、通常0〜10%、好ましく
は0〜7%、特に好ましくは0〜5%の範囲内にある。
系樹脂と混練して使用することもできるが、さらに、環
状オレフィン系樹脂中に他の樹脂が分散している混練物
をさらに有機過酸化物で処理することによりこの樹脂混
練物中に架橋構造を形成させて用いることができる。
は、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノ
ンパーオキシドなどのケトンパーオキシド類、1,1-ビス
(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン2,2-ビス(t-ブ
チルパーオキシ)オクタンなどのパーオキシケタール
類、t-ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオ
キシド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロキシパー
オキシド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキ
シドなどのヒドロパーオキシド類、ジ-t-ブチルパーオ
キシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)
ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキ
シ)ヘキシン-3などのジアルキルパーオキシド、ラウロ
イルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシドなどのジア
シルパーオキシド類、t-ブチルパーオキシアセテート、
t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-
ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシ
エステル類などを挙げることができる。
構成する樹脂成分100重量部に対して、通常は0.0
1〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部であ
る。そして、さらに架橋効率を高める目的で有機過酸化
物で処理する際に、ラジカル重合性の官能基を分子内に
2個以上有する化合物をさらに含有させると、耐衝撃性
に優れた繊維が得られるので好ましい。
上有する化合物としては、ジビニルベンゼン、アクリル
酸ビニル、メタアクリル酸ビニルなどを挙げることがで
きる。これらの化合物は繊維を構成する樹脂成分100
重量部に対して、通常は1重量部以下、好ましくは0.
1〜0.5重量部の量で使用される。
質共重合体)を使用する場合、この軟質重合体は、環状
オレフィン系樹脂100重量部に対して、通常は5〜1
50重量部、好ましくは5〜100重量部、特に好まし
くは10〜80重量部の範囲内で使用することにより、
得られる繊維の衝撃強度、剛性、熱変形温度および硬度
などの特性のバランスが良好になるなお、これらポリマ
ーアロイの溶融流れ指数(MFR;ASTM D1238 条件)は
0.1〜100であることが好ましい。
る環状オレフィン系樹脂には、上記のような他の樹脂の
他に、発明の目的を損なわない範囲で、耐熱安定性、耐
候安定性、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキン
グ剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワ
ックス、有機あるいは無機の充填剤などを配合すること
ができる。
としては、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-
4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β-
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン
酸アルキルエステル、2,2'-オキザミドビス[エチル-3-
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル) プロピオネ
ートなどのフェノール系酸化防止剤、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2-ヒドロキシステアリ
ン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、グリセリンモノス
テアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリス
リトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジス
テアレート、ペンタエリスリトールトリステアレートな
どの多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることが
できる。これらは単独で配合してもよいが、組み合わせ
て配合してもよい。例えばテトラキス[メチレン-3-(3.
5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタンとステアリン酸亜鉛とグリセリンモノステア
レートとの組み合わせなどを例示することができる。
リカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシ
ウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマイ
ト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスピーズ、
ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ペントナイト、
グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロ
ン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などを
挙げることができる。
公知の方法を利用して混合することができる。例えば各
成分を同時に混合することができる。 [繊維の製造]本発明の繊維は前記の環状オレフィン系
樹脂さらに必要により他の成分を加えた組成物を、従来
公知の繊維化方法により得ることができる。
糸法、湿式紡糸法、溶融紡糸法、エマルジョン紡糸法等
を挙げることができる。これらの紡糸法の中でも特に溶
融紡糸法が好ましい。
(または組成物)を融点(または軟化点)以上分解温度
未満の温度、好ましくは120〜300℃の温度に加熱
して溶融状態にした後、ノズルから押し出し、押し出さ
れた樹脂を冷却しながら巻き取る方法である。この方法
では、種々の形態のノズルが使用できるが、L/Dの値
が10/0.5〜60/3mm程度のノズルが適してい
る。また、ノズルからの樹脂の押し出し速度は、通常は
0.01〜100m/min、好ましくは0.05〜10m/min
程度である。上記のような速度で押し出されたモノフィ
ラメントの巻き取り速度は、通常は10〜10,000m
/min、好ましくは100〜5,000m/minである。従っ
て、ノズルから押し出されたモノフィラメントは通常は
巻き取りの際に延伸される。この際の延伸倍率は通常は
10〜10,000、好ましくは100〜5,000であ
る。
糸には、不純物の除去、緊張延伸、熱処理、精錬、染色
等を目的とする後処理工程における処理を施すことがで
きる。
釣り糸、不織布、各種樹脂のコンパウンドの補強剤など
の用途に使用することができる。
充分な成形性を維持して強度、弾性率、耐クリープ性、
耐熱性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性および風合いが総
合的に優れている。
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
し、これを紡糸した後、各種特性を調べた。各種物性の
測定方法および評価方法を次に示す。
-D3822に準じた方法で測定した。 (2) 引張強度:温度23℃においてASTM-D3822に準じた
方法で測定した。 (3) TMA軟化温度:荷重100kg/cm2下で雰囲気温度
を室温より10℃/分で昇温し、繊維長さが10%伸び
た温度をもって軟化温度とする。
で各種温度で24時間放置し、繊維長さの変化量をもっ
て測定した。 (5) 耐水性:沸騰水中に繊維を24時間放置した後の引
張強度の変化率をもって測定した。
りで評価した。 [環状オレフィン系重合体の調製法] (触媒の調製)VO(OC2H5)Cl2をシクロヘキサ
ンで希釈し、バナジウム濃度が18.6ミリモル/リッ
トル-シクロヘキサンであるバナジウム触媒を調製し
た。一方、エチルアルミニウムセスキクロリド(Al
(C2H5)1.5Cl1.5)をシクロヘキサンで希釈しアル
ミニウム濃度が164ミリモル/リットル-シクロヘキ
サンである有機アルミニウム触媒を調製した。
570リットルであり、反応容量が300リットルであ
る、邪魔板および攪拌機付き重合器と、伝熱面積が1
9.4m2である縦型の多管式冷却機と、攪拌機付き重合
器の底部より重合溶液を抜き出し、この多管冷却機に重
合溶液を循環させて、再び重合器に戻す循環ライン中に
設けられた循環ポンプとを備えた重合装置を用い、エチ
レン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン
(以下単に「テトラシクロドデセン」と記載することも
ある)およびブテン-1とを連続的に共重合反応させた。
なお、ブテン-1は、得られる共重合体中におけるブテン
-1から誘導される繰り返し単位の量が1.2モル%にな
るように供給した。
たバナジウム触媒(V触媒)を、重合器内におけるV触
媒濃度が0.35ミリモル/リットルになるような量で
重合器内に供給した。しかも重合器に供給される直前に
おけるV触媒濃度が、重合機内での触媒濃度に対し、希
釈倍率で1.8倍になるように、重合溶媒であるシクロ
ヘキサンを用いて、予めV触媒を希釈して重合器に供給
した。
ルアルミニウムセスキクロリドをAl/V=8.0とな
るような量で重合器に供給した。しかも重合器に供給さ
れる直前における濃度が重合器内における濃度に対して
希釈倍率で11倍になるように重合溶媒のシクロヘキサ
ンを用いて予め希釈して重合器に供給した。
媒は、径が0.25mの6枚の垂直ディスタービン翼を
2段に備えた攪拌機の上段翼先端近傍であって、攪拌が
最も激しく行われている部分に供給し、触媒を速やかに
分散混合させた。
/hの量で重合器内に供給した。エチレンを2.69Kg/h
の量で、そして分子量調整剤である水素ガスを2.2N
リットル/hの量で重合器内気相部に供給した。4.3kw/
kLの動力の攪拌機で、重合液を強力に攪拌した。
多管式冷却器シェルに25重量%のメタノール・水混合
液を冷媒として循環させて、重合温度が10℃になるよ
うに反応温度を調整した。また、窒素ガスを重合器内に
導入して重合圧力を1.0Kg/cm2-Gに調整した。
方法を用いた。すなわち、攪拌機と攪拌機を連結するシ
ャフトの気相部に、一部に穴をあけた受け皿(スプレー
ディスク)を取り付けた。このスプレーディスク内にシ
クロヘキサン溶媒を30Kg/hの量で、またテトラシクロ
ドデセンを14.2Kg/hの量で、さらにブテン-1を0.4
1Kg/hの量で供給した。攪拌機の回転に伴って回転する
スプレーディスクに生ずる遠心力によって上記成分をス
プレーディスクの穴から重合器内壁に散布した。散布さ
れたテトラシクロドデセン、シクロヘキサンおよびブテ
ン-1は、内壁表面を洗浄しながら液相部に落下した。
シクロドデセンおよびブテン-1の共重合反応を行い、エ
チレン・テトラシクロドデセン・ブテン-1共重合体の濃度
が30g/リットルのヘキサン溶液が得られた。
テトラシクロドデセン・ブテン-1共重合体のシクロヘキ
サン溶液に、80℃のボイラー水およびpH調節剤であ
る濃度が4重量%のNaOH溶液を添加し、共重合反応
を停止させると共に、シクロヘキサン溶液中に残存する
触媒残渣をこの溶液中から除去(脱灰)した。
径が900mm、有効容積が1.0m3である攪拌機付き容
器に貯蔵して、容器外部に取り付けたジャケットに常温
の水を流して、貯蔵されているシクロヘキサン溶液を3
0〜40℃に冷却した。
ン溶液を、外径が63.5mm、内径が28mm、長さが1
mである公称1μmのコットン濾過器フィルター(日本
濾過器(株)製、縦型ワイドフィルター)を34本配した
濾過器に261Kg/hの量で連続的に供給して濾過した。
476mmである公称2μmのホウケイ酸塩グラスマクロ
ファイバー不織布のデプス型フィルター(ボルストン社
製BXフィルター)を3本配した濾過器に、上記の濾過液
を261Kg/hの量で連続的に供給して濾過した。このと
きの差圧は1.5Kg/cm2以下であった。
476mmである公称0.9μmのホウケイ酸塩グラスマ
イクロファイバー製不織布のデプス型フィルター(ボル
ソトン社製AQフィルター)を3本配した濾過器に、上記
の濾過液を261Kg/hの量で連続的に供給して濾過し
た。このときの差圧は1.5Kg/cm2以下であった。
さが476mmである公称0.3μmのホウケイ酸塩グラ
スマイクロファイバー製不織布のデプス型フィルター
(ボルソトン社製AAQフィルター)を3本配した濾過器
に、上記濾過液を261Kg/hの量で連続的に供給して濾
過した。このときの差圧は1.5Kg/cm2以下であった。
ある公称0.3μmのSUS 304製金属の不織布のプリーツ
型フィルター(プランズウィック社製、PSP03フィルタ
ー)を1本配した濾過器に、上記の濾過液を261Kg/h
の量で連続的に供給して濾過した。
ヘキサン溶液にアセトンを加えて共重合体を析出させ、
析出した共重合体を分離した。
体から未反応モノマーを抽出除去した後、この共重合体
を分離し、乾燥し、ペレタイズしてさらに乾燥した。以
上のようにして得られた共重合体についての13C-NM
R分析で測定されたエチレン含量は65モル%、テトラ
シクロドデセン含量は34モル%であり、135℃デカ
リン中で測定した極限粘度[η]は0.45dl/g、DS
C法により測定したガラス転移温度(Tg)は127℃
であった。
10mmの円筒状バレル中で230℃で溶融した後、L/
D=20/1mmのノズル中を0.1m/minの速度で押し出
し、押し出された樹脂を空冷しながら300m/minの巻
き取り速度で巻き取って延伸することにより環状オレフ
ィン系ランダム共重合体のモノフィラメントを得た。
方法に従って物性を測定し評価した。結果を表1に示
す。
を220℃にした以外は同様にしてモノフィラメントを
得た。
方法に従って物性を測定し評価した。結果を表1に示
す。
度を150m/minに変えた以外は同様にしてモノフィラ
メントを得た。
方法に従って物性を測定し評価した。結果を表1に示
す。
Claims (1)
- 【請求項1】 エチレンと次式[I]または[II]で表
わされる環状オレフィンとのランダム共重合体、 および/または次式[I]または[II]で表される環状
オレフィンの開環重合体もしくは開環共重合体またはこ
れらの水添物からなることを特徴とする環状オレフィン
系樹脂繊維; 【化1】 …[I] [式[I]中、nは0または1であり、mは0または正
の整数であり、rは0または1であり、 R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群か
ら選ばれる原子もしくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形
成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
合を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
デン基を形成していてもよい]; 【化2】 ・・・[II] [式[II]中、pおよびqは0または1以上の整数であ
り、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R
19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪
族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
よびアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もしくは
基を表し、R9が結合している炭素原子と、R13が結合
している炭素原子またはR10が結合している炭素原子と
R11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素原子
数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、
また、n=m=0のときR15とR12またはR15とR19と
は互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成して
いてもよい]。
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Family
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JP (1) | JP3173897B2 (ja) |
Cited By (2)
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WO2007026527A1 (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-08 | Zeon Corporation | 環状オレフィン付加重合体、その複合体及び成形品、並びに光学材料 |
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1992
- 1992-11-10 JP JP29978292A patent/JP3173897B2/ja not_active Expired - Lifetime
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WO2007026527A1 (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-08 | Zeon Corporation | 環状オレフィン付加重合体、その複合体及び成形品、並びに光学材料 |
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